JPH1011092A - 符号化音声信号復号装置 - Google Patents

符号化音声信号復号装置

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JPH1011092A
JPH1011092A JP15976596A JP15976596A JPH1011092A JP H1011092 A JPH1011092 A JP H1011092A JP 15976596 A JP15976596 A JP 15976596A JP 15976596 A JP15976596 A JP 15976596A JP H1011092 A JPH1011092 A JP H1011092A
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audio signal
buffer memory
audio
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JP15976596A
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Hironori Komi
弘典 小味
Yukio Fujii
藤井  由紀夫
Masuo Oku
万寿男 奥
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮符号化された音声信号を復号する復号器
を安価に実現すること。 【解決手段】 多重化された符号化画像音声信号を、分
配装置2で分配し、符号化画像信号と符号化音声信号と
を得る。符号化画像信号は、ビデオデコーダ3で復号し
出力する。符号化音声信号はRAM6に送られ、MPU
5において、符号化音声信号復号処理の前半部の処理
と、システムの制御を行うシステム制御処理とを時分割
で実行する。上記の音声復号処理前半部の処理結果は、
FIFOコントローラ20によりアンダーフロー/オー
バフローの制御をされながら、FIFOメモリ8に送ら
れ、f−T変換回路9で音声信号復号処理の後半部が処
理される。これにより、音声復号処理をシステム処理と
共通の回路で行い、回路規模を削減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高能率符号化によ
りデータ圧縮されたディジタル音声信号を復号すること
で、ディジタル音声信号を出力する符号化音声信号の復
号装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、衛星放送やケーブルテレビなど各
種放送メディア、あるいはVideo−CD,DVDな
どの蓄積メディアにおいて、大量の情報量をもつ音声信
号を扱う場合、ディジタル化した音声信号を符号化する
ことで情報量を圧縮する手法が一般に用いられるように
なっている。
【0003】一般に、符号化音声信号は符号化画像信号
と同時に扱われる事が多く、以下では、符号化音声信号
と符号化画像信号とを復号する従来のシステムについて
説明する。
【0004】特開平7−177479号公報などに見ら
れる従来のシステムを、図7に示す。一般に、符号化さ
れた音声信号は、符号化された画像信号とそれぞれパケ
ット化し、多重化して扱われる(以下、パケット多重と
略記)。パケット多重の際、各パケットの先頭にはヘッ
ダ部分が付加される。また、画像パケットおよび音声パ
ケットの他に、分配時に必要なシステム制御情報を含む
パケットが挿入される。
【0005】図7の例では、パケット多重された符号化
画像信号と符号化音声信号が端子1より入力され、分配
装置2において分配される。このとき、パケットの先頭
に付加されたヘッダとシステム制御情報が切り取られ、
符号化画像信号と符号化音声信号が、それぞれビデオデ
コーダ3とオーディオデコーダ11に送られる。分配装
置2において切り取られたヘッダおよびシステム制御情
報は、RAM6に送られる。MPU5は、上記ヘッダお
よびシステム制御情報の解析を、RAM6に蓄積したシ
ステムデコードプログラムに従って実行する。この結果
得られたシステム制御情報を用いて、MPU5はRAM
6内のシステム制御プログラムに従い、システム全体の
制御を行う。
【0006】ビデオデコーダ3に送られた符号化画像信
号は復号され、ディジタル画像信号として出力される。
一方、オーディオデコーダ11に送られた符号化音声信
号も復号され、ディジタル音声信号として所定の周波数
において出力される。
【0007】音声信号の符号化方式としては、MPEG
Audioと呼ばれる方式等が知られている。MPE
G Audioは、ディジタル音声信号を周波数領域の
サンプル(以下、周波数サンプルと略記)に変換後、正
規化および量子化し符号化する手法であり、レイヤIか
らレイヤIII までのフェーズをもつ。一般に、ディジタ
ル放送などで用いられるレイヤI,レイヤIIでは、符号
化すべき周波数サンプルの分布する周波数領域を32個
の帯域(サブバンド)に分割し、人間の聴覚が検知困難
なサブバンドに関しては、少ないビット数でサンプル値
を表現する。これにより、高音質を保ちながら、高圧縮
率を実現できる。圧縮された情報は、正規化時のスケー
ル情報(以下、スケールファクタと略記)、および正規
化された周波数サンプル値(以下、正規化サンプルと略
記)を表現するのに必要なビット割り当て量およびその
ビット数で表現された正規化サンプル値の集まりで表現
される。
【0008】MPEG Audioでは、オーディオフ
レームと呼ばれる単位ごとに復号処理が完結できるよう
になっており、レイヤI,レイヤIIにおけるオーディオ
フレームは、それぞれ384サンプル,1152サンプ
ル分の音声信号が符号化されている。
【0009】レイヤI,レイヤIIにおける復号処理を、
図2に示す。符号化されたデータ(ビットストリーム)
を入力後、巡回冗長符号(CRCコード)を用いて誤り
訂正処理を行い、ビット割当量,スケールファクタを計
算し、サンプルコードより正規化サンプルをデコードす
る。さらに、正規化サンプルにスケールファクタを乗算
し、逆量子化することにより周波数サンプルが求められ
る。次に、コサイン変換,窓処理を行うことで、周波数
−時間領域変換(以下、f−T変換と略記)されたディ
ジタル音声信号が出力される。
【0010】以上述べた音声復号処理を行うオーディオ
デコーダ、あるいは画像復号処理を行うビデオデコーダ
では、複雑な復号処理を必要とするため専用LSIが用
いられる事が多い。一方、システムデコードとシステム
制御処理は、音声あるいは画像復号処理に比べ処理が簡
単なことから、安価な汎用MPU等が用いられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、低価格化,小
型化が進むさまざまなディジタルAV機器に、上記の復
号システムを適用するには復号専用LSIは高価であ
り、コストダウンを図る上での大きな阻害要因となって
いる。
【0012】本発明の目的は、復号専用LSIの回路規
模を削減し、低価格化を図ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明による符号化音声復号装置は、音声復号処
理の周波数サンプルを導出するまでの処理を行う汎用M
PUと、周波数サンプルからディジタル音声信号を計算
するf−T変換回路とを備える。
【0014】また、上記周波数サンプル導出処理とシス
テム制御処理とを、汎用MPUにおいて時分割処理す
る。
【0015】さらに、上記周波数サンプルの処理が中断
されても、ディジタル音声信号を途切れさせず出力する
回路を設ける。具体的には、上記汎用MPUから周波数
サンプルを音声復号処理の単位である1フレームずつ入
力し、上記f−T変換回路へディジタル音声出力の速度
で出力するバッファメモリを備える。
【0016】さらに、上記バッファメモリの使用量を監
視し、オーバーフローの可能性が生じる閾値を越えた場
合データの書き込みを禁止し、アンダーフローの可能性
が生じる閾値以下になった場合周波数サンプルを書き込
むように、汎用MPUに転送割り込みを発行すること
で、オーバーフロー/アンダーフローを回避するバッフ
ァメモリ制御回路を備える。
【0017】さらに、上記MPUにおいて実行する各処
理を優先順位に従って切り替え、上記の転送割り込みが
発行された際には、周波数領域サンプルの導出処理の優
先順位を最上位にする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に
係る装置の機能ブロック図である。図1において、1は
入力端子、2は分配装置、3はビデオデコーダ、4はデ
ィジタル画像信号出力端子、5はMPU、6はRAM、
7はデータバス、8はFIFOメモリ、9はf−T変換
回路、10はディジタル音声信号出力端子である。
【0019】本実施形態の装置は、ディジタル画像信号
とディジタル音声信号が、それぞれMPEG2 Vid
eo,MPEG Audioの規格に基づいて符号化さ
れ、さらにMPEG2 Systemsに基づいて多重
化された放送信号を入力とし、画像と音声とに分配し、
復号した後、それぞれディジタル画像信号とディジタル
音声信号を出力する装置である。
【0020】分配装置2は、入力端子1よりトランスポ
ートストリーム(以下、TSと略記)を受け取る。
【0021】TSは、符号化画像信号および符号化音声
信号をそれぞれパケタイズドエレメンタリストリーム
(以下、PESと略記)パケットとしてパケット化した
ものを、さらに188バイト固定長のパケット(以下、
TSパケットと略記)にし、さらに、プログラムスペシ
フィックインフォーメーション(以下、PSIと略記)
と呼ばれるシステム制御に必要な情報をTSパケット化
し、多重化したものである。
【0022】分配装置2では、符号化画像信号,符号化
音声信号を含むTSパケットからヘッダ部分を取り除
き、PESパケットを抽出する。さらに、PESパケッ
トのペイロードである符号化画像信号および符号化音声
信号を抽出する。
【0023】TSヘッダ,PESパケットのヘッダ,P
SIデータには、システムが同期をとるための基本クロ
ックを作るための情報、復号と出力のタイミングを与え
る情報、さらに画像信号,音声信号とPID(Packet I
dentifier ;パケット識別子)との対応を示す情報等が
含まれており、システムを制御するために必要である。
これらの情報は、分配装置2からデータバス7を介して
RAM6に保持され、MPU5において、システムデコ
ードプログラムに従って、システム制御プログラムに使
用できる情報としてデコードされる。デコードされた情
報はRAM6に転送され、MPU5でのシステム制御プ
ログラムの実行時に参照される。
【0024】分配装置2において抽出された符号化画像
信号は、ビデオデコーダ3に転送され、復号された後、
出力端子4よりディジタル画像信号として出力される。
【0025】一方、分配装置2において抽出された符号
化音声信号は、RAM6に転送される。
【0026】次に、RAM6に格納された符号化音声信
号を、MPEG1 Audioに従って復号する処理に
ついて説明する。
【0027】ここでは、MPEG Audio レイヤ
Iで圧縮された、48MHzサンプリング周波数,ステ
レオ音声信号の復号処理を考える。なお、以下の説明で
は便宜上、左右2チャネル分の周波数サンプル1組を1
サンプルと称す。
【0028】RAM6に保持された符号化音声信号から
音声信号が復号される処理は、図2に示す通りである。
符号化音声信号は、RAM6において保持されている周
波数サンプル計算プログラムを、MPU5において実行
することで、周波数サンプルが算出される。周波数サン
プルを算出するまでには、まず符号化音声信号からCR
Cコードを抽出し、誤り訂正の処理を行う。次に、正規
化サンプルのビット割り当て量とスケールファクタをデ
コードする。この後、正規化サンプルのビット割り当て
量に従って、符号化音声信号から各正規化サンプルをデ
コードする。デコードされた正規化サンプルにスケール
ファクタを乗じ、逆量子化する。周波数サンプルは、1
オーディオフレーム分計算された後、RAM6に保持さ
れ、MPU5内のDMA転送コントローラにより、FI
FO(First In First Out)メモリ8にDMA転送され
る。FIFOメモリ8に転送された周波数サンプルは、
f−T変換回路9に転送され、f−T変換の後、ディジ
タル音声信号として出力される。
【0029】MPEG1 Audioでは、32サブバ
ンドから1サンプルずつ集めた32サンプルを変換単位
としてf−T変換する。この32個の周波数サンプルに
対して、32回の積和(乗算と足し算の組)演算を64
回繰り返すコサイン変換と、16回の積和演算を32回
繰り返す窓処理とを必要とする。
【0030】f−T変換処理はソフトウェア処理する場
合、1つの積和演算が他の処理に比べ時間のかかる処理
であり、またその繰り返し回数が多いことが理由とな
り、汎用MPUなどでは多くの処理時間を必要とする。
このため、音声を途切れさせることなく音声復号処理を
行うためには、処理能力の高い高価なプロセッサが必要
である。これに対し、f−T変換処理をハードウェアで
構成する場合、乗算および加算を行う要素回路を繰り返
し用いて処理することが可能であり、さらにコサイン変
換部と窓処理部でも共通の回路を使用することができ
る。したがって、従来のオーディオデコーダLSIに比
べ、f−T変換回路9は安価に構成することが可能であ
る。
【0031】一方、周波数サンプルを計算するまでのデ
コード処理は、f−T変換処理に比べ処理量が少なく、
本実施形態のように、汎用MPUにおいて、他のシステ
ム制御のプロセスと、システムデコードの処理のプロセ
スとを切り替えて実行が可能である。したがって、従来
オーディオデコード専用LSI内で行っていた処理の一
部を、システム制御で既に必要とされていたMPU部に
おけるソフトウェア処理に置き換えることができ、ハー
ドウェア規模を削減することができる。
【0032】本実施形態では、MPU5において計算さ
れた周波数サンプルは、FIFOメモリ8を介してf−
T変換回路9に転送される。FIFOメモリ8の詳細を
図3に示す。
【0033】MPU5において計算された左右それぞれ
の周波数サンプルは、16ビット幅で表現されるとす
る。MPU5では、1オーディオフレームの周波数サン
プル384サンプルを計算するごとに、FIFOメモリ
8にDMA転送する。一方、f−T変換回路9は、32
サンプルずつ周波数サンプルをFIFOメモリ8から読
み出す。ここでは、FIFOメモリ8は、2オーディオ
フレーム分のサンプル数(768サンプル分)の容量を
もち、FIFOメモリ8へのデータの書き込みと読み出
しの動作はそれぞれ独立に行えるものとする。
【0034】サンプリング周波数が48kHzであるた
め、1オーディオフレーム384サンプル分のディジタ
ル音声信号は、384/48000=8msecの間に
出力する必要がある。f−T変換回路9は、8msec
の間に、32サンプルずつ12回(計384サンプル)
周波数サンプルをFIFOメモリ8から読み出す。各3
2サンプルずつ読み出す時間間隔は一定である。この読
み出し速度でFIFOメモリ8がアンダーフローしない
よう、平均で8msecに1回、RAM6から周波数サ
ンプルが384サンプルDMA転送されるようにする。
【0035】MPEG1 Audioでは、各オーディ
オフレームごとにデコード処理が完結する。また、符号
化音声信号は、PESパケットにパケット化する際、オ
ーディオフレームの区切りがパケットの区切りになるた
め、RAM6へ転送される符号化音声信号もオーディオ
フレーム単位で転送される。MPEG2 System
sでは、復号後一定周波数で音声信号が出力可能なよう
に符号化データが転送されるため、符号化音声信号は、
分配装置2から平均したレートでRAM6に供給され
る。
【0036】したがって、各オーディオフレームの周波
数サンプルを計算する処理時間をMPU5で平均的に割
り当てることで、FIFOメモリ8へ時間に偏りなく周
波数データを書き込むことができる。また、FIFOメ
モリ8へのDMA転送タイミングを、各オーディオフレ
ームの周波数サンプル計算終了時にすることで、DMA
転送タイミングを知らせるためにFIFOメモリ8から
頻繁に転送要求の割り込みを入れる必要がなくなり、回
路構成が簡素化できる。また、割り込みによる処理効率
の低下がないため、FIFOメモリ8に計算結果を書き
込む構成は、処理効率の面でも有利である。
【0037】次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る装置の機能ブロッ
ク図であり、同図において、図1と同じ部分について同
一符号を付し、その説明は省略する。
【0038】本実施形態は、図1の構成に、FIFOコ
ントローラ20が付加されたものである。FIFOコン
トローラ20は、MPU5におけるオーディオデコード
処理時間割り当ての変動が大きい場合に、FIFOメモ
リ8におけるオーバーフロー/アンダーフローを回避す
るための制御を行う。
【0039】図5にFIFOコントローラ20の詳細を
示し、まず、オーバーフロー制御について説明する。オ
ーバーフローは、MPU5におけるオーディオデコード
処理割り当てが一時的に増加し、周波数サンプルの書き
込み量がf−T変換回路9側の読み出し量に比べて多く
なり、FIFOメモリ8の容量を超過したときに生じ
る。オーバーフローが生じると、書き込みができなかっ
た周波数サンプルが失われ、それ以降のオーディオデコ
ード処理が破綻する。
【0040】MPU5からFIFOメモリ8への書き込
みは、各オーディオフレームの周波数サンプル計算後、
384サンプル分まとめてDMA転送される。従って、
周波数サンプルを384サンプルDMA転送するための
時間をTw、32サンプルf−T変換回路9が読み出す
のに必要な時間をTrとすると、周波数サンプル書き込
み時にFIFOメモリ8の空き容量Boが(384−3
2×Tw/Tr)×4バイト以下の場合、オーバーフロ
ーが生じる。一般に、MPU5の動作周波数はf−T変
換回路9の動作周波数よりも大きいため、Tw≪Trで
あり、Bo≒384×4=1536バイトと考えること
が出来る。本実施形態では、オーバーフローを回避する
ため、FIFOコントローラ20のオーバフロー制御回
路202が、FIFOメモリ8のメモリ使用量を監視
し、空き容量がBoバイト未満の状態では、コントロー
ラ内のオーバーフローフラグ203を「1」にし、それ
以外では「0」をセットする。
【0041】MPU5は、周波数サンプルを書き込み時
にこのオーバーフローフラグ203を確認し、もし
「1」ならばFIFOメモリ8への書き込みを行わず
に、他のシステムデコードあるいはシステム制御の処理
に切り替える。また、オーバーフローフラグ203が
「0」の場合は、周波数サンプルの書き込み処理を行
う。この制御により、オーバーフローの回避が可能であ
り、オーバーフロー回避時のMPU5における処理効率
の低下を防ぐことができる。
【0042】次に、本実施形態におけるアンダーフロー
制御について説明する。アンダーフローは、MPU5に
おけるオーディオデコード処理割り当てが一時的に減少
し、周波数サンプルの書き込み量がf−T変換回路9側
の読み出し量に比べて少なくなり、FIFOメモリ8の
データが枯渇する場合である。アンダーフローが生じる
と、f−T変換回路9におけるf−T変換が行えなくな
り、結果として出力端子10からのディジタル音声信号
が途切れてしまう。
【0043】この状況を回避するために、FIFOコン
トローラ20内のアンダーフロー制御回路201が、F
IFOメモリ8の使用量を監視し、使用量が閾値Buバ
イト以下になった場合、MPU5にデータ転送要求割り
込みを出す。割り込みを受けたMPU5は、出来るだけ
早く周波数サンプルをFIFOメモリ8に書き出すよう
オーディオデコード処理を行う。アンダーフローを検知
するための閾値Buは、データ転送要求を出してから、
MPU5が周波数サンプルの計算を行い、周波数サンプ
ルをDMA転送するまでの最長時間を考え、その時間に
f−T変換回路9が読み出すサンプル数分とする。
【0044】次に、MPU5における処理の切り替えに
ついて、図6を用いて説明する。MPU5では、周波数
サンプルデコード処理31の他、システム制御30や、
システムデコード処理32が、時分割で処理される。こ
こでは、各実行中の処理をプロセスと呼ぶ。各プロセス
は、オペレーションシステム内のタスク管理プロセス3
3によってプロセスの切り替えが行われる。各プロセス
の処理時間の割り当ては、優先順位テーブル34に書か
れた優先順位に従って行われる。すなわち、優先順位が
高い処理(テーブル中の数字が小さい)ほど、長い処理
時間を割り当てられる。
【0045】また、各プロセスの進行状況に応じて、優
先順位テーブル34の内容を更新し、すべてのプログラ
ムが平均的に処理されるように制御する。いま、上述し
たFIFOコントローラ20からのデータ転送割り込み
がMPU5に入力された場合、周波数サンプルの計算プ
ロセスを最優先に実行する必要がある。このため、タス
ク管理プロセス33は、他の処理に切り替えが起きない
程高い優先順位を周波数サンプル計算プロセスに与えた
のち、周波数サンプル計算プロセスに切り替える。この
操作により、データ転送の要求割り込み後、最小時間で
周波数サンプルをFIFOメモリ8に書き込む。
【0046】以上のように、FIFOコントローラ20
からの割り込み後、最短時間で周波数サンプルを出力で
き、アンダーフローを回避することができる。アンダー
フロー回避後は再び、優先順位テーブル34における周
波数サンプルデコード処理31の優先順位を下げ、他の
プロセスも平均的に処理が進むようにする。
【0047】上記オーバーフロー/アンダーフロー制御
のための割り込みは、平均的に周波数サンプル処理時間
がMPU5において割り当てられている場合には生じな
い。したがって、処理効率の低下を招かずに、オーバー
フロー/アンダーフローの回避を実現できる。
【0048】なお、以上の実施形態は、他の音声圧縮方
式,画像音声多重化方式にも適用できることは言うまで
もない。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、従来
専用LSIにより処理されていた音声復号処理のうち、
周波数サンプル導出までの処理を、安価な汎用MPUで
行うことにより、専用LSIの回路規模を削減できる。
【0050】さらに、上記周波数サンプル導出を行う汎
用MPUは、従来システム制御用に用いられていたMP
Uを用いることで、システム内の回路規模を削減でき、
低価格化が図れる。
【0051】さらにまた、本発明の副次的効果として、
復号処理が類似した2つ以上の種類の音声圧縮方式に対
して、周波数領域サンプル導出する処理プログラムを切
り替えることにより、1つの回路でハードウェア規模を
増やさずに復号処理を行う事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る装置の機能ブロッ
ク図である。
【図2】本発明の第1実施形態における、音声復号処理
の流れを示す説明図てある。
【図3】図1中のFIFOメモリの説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る装置の機能ブロッ
ク図である。
【図5】図4中のFIFOコントローラの説明図であ
る。
【図6】図4中のMPUの処理切り替えを示す説明図で
ある。
【図7】従来の多重符号化画像音声信号の分配復号装置
を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 トランスポートストリームの入力端子 2 分配装置 3 ビデオデコーダ 4 ディジタル画像信号出力端子 5 MPU 6 RAM 7 データバス 8 FIFOメモリ 9 f−T変換回路 10 ディジタル音声信号出力端子 11 オーディオデコーダ 20 FIFOコントローラ 30 システム制御プロセス 31 周波数サンプルデコードプロセス 32 システムデコードプロセス 33 タスク管理プロセス 34 優先順位テーブル 201 アンダーフロー制御回路 202 オーバーフロー制御回路 203 オーバーフローフラグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥 万寿男 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所マルチメディアシステム 開発本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 符号化によって情報量を削減された符号
    化音声データを復号し、ディジタル音声信号を出力する
    符号化音声信号の復号装置であって、 上記符号化音声データの復号処理の一部である第1の復
    号処理を行うプロセッサと、 上記符号化音声データの復号処理のうち上記第1の処理
    以外の部分である第2の復号処理を行う復号手段と、 上記第1の復号処理の手順が記述された第1の蓄積プロ
    グラムを保持するプログラムメモリとを有し、 上記プロセッサでは、上記第1の蓄積プログラムに従い
    周波数領域におけるサンプルデータを導出する上記第1
    の復号処理を行い、上記復号手段では、上記周波数領域
    におけるサンプルデータから時系列のディジタル音声信
    号に変換する上記第2の復号処理を行うことを特徴とす
    る符号化音声信号復号装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、 前記周波数領域におけるサンプルデータを保持するバッ
    ファメモリを設け、 前記第1の復号手段から音声の復号単位である音声フレ
    ーム毎に、上記バッファメモリに前記周波数領域におけ
    るサンプルデータを書き込み、前記第2の復号手段が上
    記バッファメモリから、前記ディジタル音声出力の速度
    で前記周波数領域のサンプルデータを読み出すことを特
    徴とする符号化音声信号復号装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載において、 前記バッファメモリへの書き込みを制御するための制御
    手段を設け、 該制御手段は、前記バッファメモリ内のデータ容量が第
    1の閾値以上の場合は書き込みを禁止し、第2の閾値以
    下の場合には割り込みを発行することにより、それぞれ
    前記バッファメモリにおけるオーバーフローおよびアン
    ダフローを回避することを特徴とする符号化音声信号復
    号装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2または3記載におい
    て、 前記プログラムメモリは、前記符号化音声信号復号装置
    を含むシステムの制御処理の手順が記述された第2の蓄
    積プログラムを保持し、 前記第1の蓄積プログラムに従って行う前記第1の復号
    処理と、上記第2の蓄積プログラムに従って行う上記の
    システム制御処理とを、前記プロセッサが時分割で行う
    ことを特徴とする符号化音声信号復号装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載において、 前記プログラムメモリは、前記符号化音声信号復号装置
    を含むシステムの制御処理の手順が記述された第2の蓄
    積プログラムを保持し、前記第1の蓄積プログラムに従
    って行う前記第1の復号処理と、上記第2の蓄積プログ
    ラムに従って行う上記のシステム制御処理とを、前記プ
    ロセッサが時分割で行い、 前記プロセッサにおいて、前記第1の復号処理と上記の
    システム制御処理とは、予め設定された優先順位に従っ
    て切り替えるようプログラムされ、前記バッファメモリ
    から該バッファメモリのアンダーフロー回避のための前
    記転送要求割り込みに従い、前記第1の復号処理の優先
    順位を最上位に変更することを特徴とする符号化音声信
    号復号装置。
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