JPH10109537A - 車両用サイドインパクトビーム - Google Patents

車両用サイドインパクトビーム

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JPH10109537A
JPH10109537A JP28604096A JP28604096A JPH10109537A JP H10109537 A JPH10109537 A JP H10109537A JP 28604096 A JP28604096 A JP 28604096A JP 28604096 A JP28604096 A JP 28604096A JP H10109537 A JPH10109537 A JP H10109537A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビーム部から取付ブラケット部への断面形状
移行部の加工容易化と剛性向上を図り、かつ遅れ破壊の
発生を防止する。 【解決手段】 ビーム部3端部から先端方向に切り欠き
21によりアーム24、25が形成される。素材帯板を
プレスにより円形断面のビーム部3に成形する際に、ア
ームの外側縁部も同じく突き合わせ状態とされ、展開時
の切り欠き21の内側縁部fが、成形状態でビーム部端
から次第に外方向に開いて断面形状移行部28を形成
し、両アームの先端所定範囲wを取付ブラケット部4と
する。アームの切り欠きの内側縁部fは、取付ブラケッ
ト部4の最外側に連なる。突き合わせ部6を室内側に向
け、取付ブラケット部4をドアに固定すると、車外から
の負荷を受けても内側縁部fを裂く方向の負荷を受けな
いので切り欠きを大きくでき、加工が容易で、複雑な残
留応力を生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗員を保護するた
め、例えば、自動車のドアの内部に取り付けられる車両
用の補強部材、とくにサイドインパクトビームの構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車においては、一般に、側面から衝
突された場合に発生するドアの車室内への陥入を防止し
て乗員を保護するため、ドアの内部にドア自体を補強す
るサイドインパクトビームを取り付けている。車両用補
強部材としてのサイドインパクトビームは、燃費を向上
させるために、所要の品質規格を満足する限りにおい
て、軽量かつ安価であることが要求されている。
【0003】そこで、本出願人は、特開平7−2150
59号公報に開示されているように、軽量化および低コ
スト化を図るため、高張力鋼板による平板状帯板を使用
してビーム部を断面円形状に形成するとともに、ビーム
部の両端のドアに対する取付ブラケット部をビーム部と
一体にプレス成形したサイドインパクトビームを提案し
た。これを図9に示す。このサイドインパクトビーム3
0は、そのビーム部31における鋼板の突き合わせ部3
3を溶接しないものとしており、突き合わせ部33の反
対側で負荷を受けるときに最高の剛性を示す。したがっ
て、このサイドインパクトビーム30の使用に際して
は、突き合わせ部33を車室内側に向けて装着する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビーム
部31の円形断面から取付ブラケット部32の平板形状
へ変化する断面形状移行部34は複雑な3次元形状で変
化し、たとえば断面形状移行部34の長さはビーム部3
1の外径の4倍程度を必要とする。さらに断面形状移行
部34は、成形時に高い引張り残留応力が生じるため、
高張力鋼板を使用する場合には成形後に鋼板表面等に遅
れ破壊が発生するおそれがある。
【0005】また、上記のビーム部31においても同様
に、高い引張り残留応力が生じているため、高張力鋼板
を使用していることから成形の所定時間経過後にビーム
部に遅れ破壊が発生するおそれがある。
【0006】しかも、上述のように突き合わせ部33を
車室内側に向けて装着するので、ビーム部31から取付
ブラケット部32への断面形状移行部34は、互いに突
き合わせていた鋼板の縁部gが車室内に向いて徐々に開
く形となり、上記縁部gは車室内に向いて立ち上がるフ
ランジ状となる。このサイドインパクトビーム30がそ
の取付ブラケット部32をドアの前後端に固定された状
態で実際に車室外からの負荷を受けると、上記縁部gに
引張り荷重が加わることになる。このため、ビーム部3
1が変形する前に断面形状移行部34の縁部gが裂けて
折れ曲がってしまうおそれがある。
【0007】また、断面形状移行部34の加工を容易に
し縁部gの引張り残留応力を低減するため、断面形状移
行部34の長さを大きくすると、外部からの負荷を受け
るべきビーム部31の長さが短くなってますます断面形
状移行部34で曲がってしまう可能性を大きくしてしま
う。とくに、リヤドアのようにホイールハウスにそって
切りかかれ、下部の幅が小さいドアの当該下部に設置す
るような場合には、ビーム部の存在意義がないも同然で
実際上採用が困難となる。
【0008】したがって本発明は、先に提案したサイド
インパクトビームをさらに改良し、ビーム部および断面
形状移行部での遅れ破壊の発生を防止するとともに、ビ
ーム部から取付ブラケット部への断面形状移行部におけ
る変形のおそれをなくした車両用サイドインパクトビー
ムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、高
張力鋼板をプレス加工して形成され、円形の横断面をも
つビーム部と該ビーム部の両端に設けられた車体に対す
る取付ブラケット部とを備える車両用サイドインパクト
ビームであって、上記高張力鋼板はプレス加工前の平板
状態において両端に切り欠きを有してそれぞれ両側縁に
そう2つのアームが形成された帯板状であって、上記両
側縁を突き合わせ部として切り欠き間をビーム部に形成
するとともに、アームを上記両側縁を突き合わせ部とし
てビーム部側からアーム先端側へ進むに従って切り欠き
縁を次第に外方へ開いて断面形状移行部とし、アーム先
端部を上記取付ブラケット部としたものである。
【0010】上記の高張力鋼板はプレス加工前の平板状
態においてビーム成形用の金型で規定される円周寸法よ
りも大きい幅寸法を有し、ビーム部の形成時に横断面の
円周方向に圧縮力を加えられているものとするのが好ま
しい。また、取付ブラケット部は、突き合わせ部で連続
した平板をなしているものとするのがよい。さらに、取
付ブラケット部は、ビーム部の軸心に対する突き合わせ
部の方向に対して略垂直に延びているものとすることが
でき、また、取付ブラケット部がビーム部の突き合わせ
部を車室内に向けてドアに固定されるのが望ましい。
【0011】
【作用】帯板状の高張力鋼板に切り欠きで形成した2つ
のアームを帯板の両側縁を突き合わせて切り欠き縁を次
第に外方へ開いて断面形状移行部とし、アーム先端部を
取付ブラケット部とするので、断面形状移行部における
切り欠きの内側縁部は突き合わせ部と反対方向に向くフ
ランジ状となる。ビーム部の突き合わせ部を車室内に向
けてドアなどの車体構造に取り付けると、上記フランジ
状部は車室外に向いて立ち上がることになり、車室外か
らの負荷を受けたときその縁部には裂く方向の負荷を受
けない。これにより、フランジ高さを小さくできるから
断面形状移行部を短くしても加工容易で、複雑な残留応
力を生じないので遅れ破壊のおそれもない。
【0012】また、横断面円形のビーム部の成形時に、
材料展開幅よりも内周寸法が小さいプレス金型を使用
し、材料展開幅寸法から金型の内周寸法への縮寸により
横断面の円周方向に圧縮力を加えることにより、板厚の
全域において塑性変形が発生し、これによりビーム部に
おける引張り残留応力の絶対値が減少されるので、ビー
ム部での遅れ破壊の発生が防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、実施例により説明する。図1はサイドインパクトビ
ームの取付け状態を示す図であり、サイドインパクトビ
ーム2は、ドア1の内部の略中央部に地面と平行に取り
付けられ、側面からの衝撃に対して、ドア1が車両内側
に陥入するのを防止する。
【0014】図2はサイドインパクトビーム2の外観斜
視図であり、サイドインパクトビーム2は、中央部のビ
ーム部3と、ビーム部3の両端部に形成され、ドア1に
対する取付ブラケット部4、5とがそれぞれ一体にプレ
ス成形され、取付ブラケット部4、5が夫々ドア1の前
端部および後端部に固定される。そして、ビーム部3
は、材料幅寸法が後述する成形用金型の寸法より大きい
材料を使用し、図3に示すように、横断面円形状にプレ
ス成形される。そして、ビーム部3における突き合わせ
部6は溶接なしとし、この突き合わせ部6を室内側に向
けて取り付けられる。以下、ビーム部3の断面の半径を
R、直径をDとして、説明する。
【0015】次に、ビーム部3の成形工程を、図4によ
り説明する。まず、図4の(a)に示すように、材料と
して、高張力鋼板の帯板3’を用意する。この帯板3’
の幅寸法は、後述する金型の寸法より長く設定されてい
る。例えば、サイドインパクトビーム2の板厚をtと
し、ビーム部3の直径をDに成形するときには、展開し
た帯板の幅寸法Lは、L=(D−t)πとなる。金型に
ついてはこのLを内周寸法と呼ぶ。これに対して、本実
施例では帯板3’の幅寸法L’を、L’=L((100
+α)/100)とし、ビーム部3をα%の圧縮を加え
て成形する。後述する試料における材料の幅寸法L’
は、L’=L×1.03とし、3%の圧縮が加えられて
いる。
【0016】次いで、図4の(b)に示すように、U曲
げ用金型11を使用してプレス加工により、帯板3’を
断面U字状に折り曲げる。これは、次工程に対する予備
曲げ工程であり、以下のような金型11を使用してい
る。すなわち、金型11は、先端の曲げ部12”が完成
品としての半径Rより小さい半径を有し、帯板3’を断
面U字状に折り曲げたとき、その両面にわたる側面全長
Kが材料幅寸法より大きい寸法の凸部12’を備えた上
型12と、曲げ部12”に略合致した凹部13’を備え
た下型13とから成る。
【0017】次いで、図4の(c)に示すように、成形
用金型14のキャビティ14’内に、上記予備曲げ工程
によりU字状に成形した帯板3”を挿入する。ここで、
半割状の上型15と下型16から成る成形用金型14
は、プレス成形時、断面円形状のビーム部3の寸法が直
径Dとなるように、そのキャビティ14’寸法が形成さ
れている。この場合、帯板3”は、上型15と下型16
との間にプレス方向にU字状にセットされる。
【0018】次いで、図4の(d)に示すように、成形
用金型14としての上型15と下型16とを閉じる。同
図は、帯板3”がキャビティ14’の内面に沿ったよう
に成形された状態を示し、帯板3’の幅寸法L’とキャ
ビティ14’の内周寸法Lとの差により、上型15と下
型16との間に隙間sが生じた状態を示している。ここ
で、隙間sの寸法Sは、S=(L’−L)/2であり、
この長さ分Sが圧縮されることとなる。
【0019】次いで、図4の(e)に示すように、成形
用金型14としての上型15と下型16とを閉じること
により、U字状に成形した帯板3”を断面円形状にプレ
ス成形する。ここで、帯板3’の幅寸法がキャビティ1
4’の内周寸法Lより大きいL’であるため、ビーム部
3は全周に亘って圧縮力が加わった状態でプレス成形さ
れる。これにより、断面円形状のビーム部3の全周にお
いて、板表面から板内面に亘る板厚の全域で塑性変形が
発生するため、板表面と板内面とで発生する応力の差が
小さくなり、引張り残留応力の絶対値が減少される。
【0020】つぎに、取付ブラケット部について説明す
る。取付ブラケット部4と5は同様構造であるから、取
付ブラケット部4について説明する。図5はサイドイン
パクトビーム端部の拡大図で、(a)は平面図、(b)
は側面図である。また図6は素材帯板の展開図である。
素材帯板3’の端部には、ビーム部成形前の展開された
平板状態において、図6に示すように、ビーム部対応部
分Bの端部から素材帯板の長手先端部方向へ延びる切り
欠き21により、それぞれ帯板の側縁22、23にそう
2つのアーム24、25が形成される。切り欠き21は
ビーム部対応部分Bの端部側において大きくえぐられる
一方、素材帯板の長手先端側の所定範囲wでは参照符号
26で示す単純な切断線状となって、各アーム24、2
5の先端は素材帯板の幅寸法の略半分の幅となってい
る。これらのアーム24、25の外側縁部は、ビーム部
対応部分の両側縁から一直線に伸びている。
【0021】素材帯板3’のビーム部対応部分Bをプレ
スにより円形断面のビーム部3に成形する際に、同時に
アーム24、25の外側縁部もビーム部3における縁部
と同じく、互いに突き合わせた状態とされ、ビーム部端
から素材帯板の端部まで平面図上一直線に伸びる。そし
て、展開状態時の切り欠き21の内側縁部fが、成形状
態では円形断面のビーム部端から次第に外方向に開いて
断面形状移行部28を形成する。そして、両アーム2
4、25の上記先端所定範囲wの部分を同一平面上に延
在する取付ブラケット部4とし、アームの切り欠きの内
側縁部fは、取付ブラケット部4の最外側に連なる。ビ
ーム部3と取付ブラケット部4間の断面形状移行部28
の長さは、ビーム部3の外径Dの略2倍に設定されてい
る。
【0022】このようにして成形されたサイドインパク
トビーム2は、ビーム部3の突き合わせ部6を室内側に
向け、取付ブラケット部4においてドア1の前端部およ
び後端部に溶接固定される。これにより、上記切り欠き
21の内側縁部fは車室外に向いて立ち上がるフランジ
状となる。
【0023】本実施例は以上のように構成され、円形状
の横断面を形成する材料幅寸法が金型による理論寸法よ
り大きい材料を使用してプレス成形し横断面円形状のビ
ーム部3としているので、円周方向に圧縮力が加わり、
板厚の全域に亘って圧縮力による塑性変形が生じる。こ
れにより、板表面部と板内面部とで発生する引張り残留
応力の差が小さくなってその絶対値が減少する。これに
より、ビーム部の引張り残留応力による遅れ破壊の発生
が防止される。
【0024】一方、ビーム部3と取付ブラケット部4間
の断面形状移行部28については、上記切り欠きの内側
縁部が車室外に向いて立ち上がるフランジ状となってい
るので、サイドインパクトビーム2がその取付ブラケッ
ト部4をドアの前後端に固定された状態で実際に車室外
からの負荷を受けると、上記内側縁部f付近には圧縮荷
重が加わることになる。 すなわち、フランジ状の内側
縁部fを裂く方向の負荷を受けないから、当該フランジ
高さを大きくする必要がない。このため、上記切り欠き
21を大きくすることができ、短い間で移行するように
しても加工が容易で、かつ複雑な残留応力を生じること
もないから、遅れ破壊のおそれがないとともに、ビーム
部3と取付ブラケット部4間の断面形状移行部28の長
さはビーム部3の外径の2倍で十分である。したがって
また、断面形状移行部28の長さを短くできる分だけビ
ーム部3を長くできるから信頼性が一層向上する。
【0025】図7に本実施例の荷重−変位特性の測定結
果を比較例(従来例)とともに示す。実施例(イ)、比
較例(ロ)のいずれも引っ張り強さ120kgf/mm
2 、板厚1.6mmの高張力鋼板からビーム部は外径3
5mmのパイプに形成し、取付ブラケット部は素材帯板
の幅と同寸法として全長750mmとしたものである。
突き合わせ部は溶接されていない。図8の(a)は実施
例試料の断面形状移行部の展開図、(b)は比較例の同
展開図である。実施例試料では断面形状移行部28の長
さがビーム部外径の2倍、両アーム24、25の最小幅
v、vの合計が素材帯板の幅L’の2/4倍であり、比
較例試料では断面形状移行部28’の長さがビーム部外
径の4倍、最小幅v’が素材帯板の幅の3/4倍であ
る。なおここでは、比較例のビーム部も円周方向に圧縮
力を加えて実施例と同じにし、ビーム部と取付ブラケッ
ト部間の断面形状移行部のみが相違するものとしてあ
る。
【0026】この測定結果から明らかなように、比較例
(ロ)では変位の小さい段階で最大荷重となるのに対し
て、実施例(イ)では初期に断面形状移行部の変形によ
る変異部があるがその後比較例より大きな変位まで荷重
を受け止め、最大荷重も比較例より高い。これにより、
変位100mmまでのエネルギー吸収量は比較例の70
000kgf・mmに対して78000kgf・mmと
なっている。
【0027】なお、実施例においては、ビーム部3を、
2個のプレス金型11、14により成形したものを例示
したが、鍛造ロールを使用したロールフォーミングによ
り断面円形状に成形した後、金型によりビーム部3の円
周方向に圧縮力を加えることもできる。また、ビーム部
3における突き合わせ部6は溶接しないものを例示した
が、突き合わせ部6を溶接しても上記の測定結果と同様
の結果が得られる。
【0028】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、高張力鋼板か
らプレス加工により円形の横断面をもつビーム部とその
両端の取付ブラケット部とを一体成形した車両用サイド
インパクトビームにおいて、帯板状素材の両端に切り欠
きでそれぞれ両側縁にそう2つのアームを形成し、上記
両側縁を突き合わせ部として切り欠き間をビーム部とす
るとともに、アームを同じく両側縁を突き合わせ部とし
てアーム先端側へ進むに従って切り欠き縁を次第に外方
へ開いて断面形状移行部とし、アーム先端部を取付ブラ
ケット部としたので、ビーム部の突き合わせ部を車室内
に向けて車体構造に取り付けることにより、ビーム部は
最大の剛性とエネルギー吸収量を発揮するとともに、断
面形状移行部における切り欠き縁は車室外に向いて立ち
上がり、車室外からの負荷を受けたときその縁部には裂
く方向の負荷を受けないので、サイドインパクトビーム
全体としての最大荷重とエネルギー吸収量が向上する。
したがってまた、切り欠き縁が呈するフランジ状部のフ
ランジ高さを小さくできるから、断面形状移行部を短く
しても加工容易で、かつ複雑な残留応力を生じないので
遅れ破壊のおそれもない。
【0029】また、横断面円形のビーム部の成形時に、
材料展開幅よりも内周寸法が小さい金型を使用し、材料
展開幅寸法から金型の内周寸法への縮寸により横断面の
円周方向に圧縮力を加えることにより、板厚の全域にお
いて塑性変形が発生し、これによりビーム部における引
張り残留応力の絶対値が減少されるので、ビーム部での
残留応力による遅れ破壊の発生が防止される。
【0030】また、取付ブラケット部を突き合わせ部で
連続した平板となし、さらにはビーム部の軸心に対する
突き合わせ部の方向に対して略垂直に延びるものとする
ことにより、車体構造の縦壁に固定して簡単に精度良く
突き合わせ部を車室内に向けて設置することができ、と
くにドアに取り付けて車外からの衝撃に対して、ドアが
車両内側に陥入するのを防止するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるサイドインパクトビー
ムの取付け状態を示す図である。
【図2】実施例のサイドインパクトビームの外観斜視図
である。
【図3】ビーム部の横断面図である。
【図4】ビーム部の成形工程を示す図である。
【図5】サイドインパクトビーム端部の拡大図である。
【図6】素材帯板の展開図である。
【図7】実施例試料の荷重−変位特性の測定結果を示す
図である。
【図8】測定試料の断面形状移行部の展開図である。
【図9】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 ドア 2 サイドインパクトビーム 3 ビーム部 3’ 帯板 4、5 取付ブラケット部 6 突き合わせ部 11 金型 12 上型 13 下型 14 成形用金型 14’ キャビティ 15 上型 16 下型 21 切り欠き 22、23 側縁 24、25 アーム 28 断面形状移行部 30 サイドインパクトビーム 31 ビーム部 32 取付ブラケット部 33 突き合わせ部 34 断面形状移行部 f 内側縁部 g 縁部 s 隙間 B ビーム部対応部分

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高張力鋼板をプレス加工して形成され、
    円形の横断面をもつビーム部と該ビーム部の両端に設け
    られた車体に対する取付ブラケット部とを備える車両用
    サイドインパクトビームであって、前記高張力鋼板はプ
    レス加工前の平板状態において両端に切り欠きを有して
    それぞれ両側縁にそう2つのアームが形成された帯板状
    であって、 前記両側縁を突き合わせ部として前記切り欠き間をビー
    ム部に形成するとともに、前記アームを前記両側縁を突
    き合わせ部として前記ビーム部側からアーム先端側へ進
    むに従って切り欠き縁を次第に外方へ開いて断面形状移
    行部とし、アーム先端部を前記取付ブラケット部とした
    ことを特徴とする車両用サイドインパクトビーム。
  2. 【請求項2】 前記高張力鋼板はプレス加工前の平板状
    態において前記ビーム成形用の金型で規定される円周寸
    法よりも大きい幅寸法を有し、前記ビーム部の形成時に
    横断面の円周方向に圧縮力を加えられていることを特徴
    とする請求項1記載の車両用サイドインパクトビーム。
  3. 【請求項3】 前記取付ブラケット部は、前記突き合わ
    せ部で連続した平板をなしていることを特徴とする請求
    項1または2記載の車両用サイドインパクトビーム。
  4. 【請求項4】 前記取付ブラケット部は、前記ビーム部
    の軸心に対する突き合わせ部の方向に対して略垂直に延
    びていることを特徴とする請求項3記載の車両用サイド
    インパクトビーム。
  5. 【請求項5】 前記取付ブラケット部が前記ビーム部の
    突き合わせ部を車室内に向けてドアに固定されるもので
    あることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の
    車両用サイドインパクトビーム。
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