JPH10109188A - はんだペースト - Google Patents

はんだペースト

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JPH10109188A
JPH10109188A JP28010396A JP28010396A JPH10109188A JP H10109188 A JPH10109188 A JP H10109188A JP 28010396 A JP28010396 A JP 28010396A JP 28010396 A JP28010396 A JP 28010396A JP H10109188 A JPH10109188 A JP H10109188A
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JP
Japan
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group
groups
solder
solder paste
flux
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Application number
JP28010396A
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English (en)
Inventor
Shigeru Saeda
繁 佐枝
Tetsuro Sakurai
哲朗 桜井
Isamu Taguchi
勇 田口
Masahide Utsunomiya
正英 宇都宮
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 はんだペーストが発揮すべき特性を損なわ
ず、はんだ粒子の酸化を防ぎ、かつはんだペーストに於
て、劣化を促進するはんだ粉末とフラックスとの反応を
抑制し、保存安定性を向上させたハンダペーストの提
供。 【解決手段】 はんだを構成する金属に対してポリエチ
レングリコール、ポリNビニルアセトアミドおよびポリ
アクリル酸のように錯形成能力を有し、構成するモノマ
ー(繰り返し単位)が少なくとも10量体である高分子
化合物を、フラックス重量に対し0.005〜3.0重
量%添加されているフラックスを配合したはんだペース
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存安定性が向上
したはんだペースト組成物に関する。さらに具体的に
は、はんだ粒子の酸化防止に効果があり、フラックスを
配合した後においてもはんだ粉末との反応が抑制されて
おり、保存安定性が優れかつ金属と金属の接続、特に微
小な接続面積での電気回路、電子回路などの回路を形成
するのに使用するはんだペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス産業に於て、回路部分
すなわち、抵抗、コンデンサー、インダクター、VLS
I、LSI、IC、トランジスター等は当初はプリント
基板の片面に配置され、そして部品からのリード線は基
板を貫通して反対側の回路面ではんだ付けされていた。
しかし製品の小型化及び大容量化の要請のため、次第に
回路面と部品装着面が同じもの、すなわち表面実装を行
い、且基板の両面に実装を行う両面プリント基板が一般
化してきた。はんだペーストは、通常このような場合、
プリント基板の部品の実装部にあらかじめ印刷し、部品
をその部分に搭載し、これを自動ライン上でリフロー
し、はんだ付けをする形で用いられる。はんだペースト
は、このはんだ付けの自動化に適するように印刷適性、
粘着性の改善が行われ、近年プリント基板分野において
その使用が増大している。
【0003】はんだペーストは、フラックスとして典型
的には10〜70μmのはんだ粉末、ロジンまたはそれ
に代わる樹脂成分、有機酸、およびアミンのごとき塩基
性化合物の無機酸塩またはそれらの混合物、あるいはそ
の他の活性剤、印刷性向上のためのチキソトロピック剤
および溶剤その他を含むのが普通である。一般に、はん
だペーストはプリント基板の上に定量的にスクリーン印
刷または場合によってはディスペンサーにより塗装さ
れ、はんだペーストを印刷または塗装した場所に回路部
品が搭載され、次いではんだペーストがリフローされ
る。リフローとは、はんだペーストを予備加熱を含めて
はんだが充分溶融するまで加熱し、次いで冷却固化せる
一連の工程を意味する。
【0004】はんだペーストに関する問題点の一つはそ
の保存安定性にあり、通常冷蔵保存を行っても1〜3カ
月程度の保存寿命しかないことである。実使用温度であ
る25℃付近で貯蔵する時は寿命が更に短くなる。さら
に最近の電子製品の小型化、同サイズであっても大容量
化によるファインピッチ指向により、印刷性を向上する
ためにはんだ粒子の粒径を細かくすることが必然的に求
められ、この結果はんだ粒子の表面積増大に基づくはん
だ粒子表面の酸化による劣化が促進され保存安定性は更
に悪化する。はんだ粉末の粒子の微粉化に伴い、はんだ
ペーストの保存安定性低下の原因としてはんだ粉末がペ
ースト中でフラックスの1成分である活性剤と反応を起
こし易くなり、これによってはんだ粉末がさらに酸化さ
れてフラックスの活性度を低下させると共に、この反応
によってペーストの粘度増加をもたらすことがあり、適
正な印刷特性を維持できなくなることにある。また近年
の環境問題から鉛を含まないはんだペーストが開発され
つつあるが、これらは通常の鉛ベースのはんだペースト
より安定性がかなり悪い傾向にある。したがって、はん
だ粒子とフラックスを抑制するためはんだ粒子の前処理
あるいは反応の抑制されたフラックスの開発による保存
安定性の優れたはんだペーストを開発する強い要望があ
る。
【0005】安定性を向上させる従来技術として、反応
性の強い活性剤の配合量を減少させる以外には主として
はんだ粒子の表面を保護し、金属の反応性を下げる方向
の検討がなされてきた。例えば特公平5−26598号
には、はんだ粉末をグリセリンで被覆する方法が提案さ
れ、また特開平1−113197号には、はんだペース
トの溶剤に不溶性あるいは離溶性のコーティング剤によ
りはんだ粉末をコートする方法の提案がされている。後
者の発明において、好適なコーティング剤の例としては
シリコーンオイル、シリコーンベース高分子量化合物、
フッ素化シリコーンオイル、フルオロシリコーン樹脂お
よびフッ素化炭化水素ベース高分子化合物などが挙げら
れている。
【0006】前述の特公平5−26598号、特開平1
−113197号の発明では、被覆剤を比較的多量用い
る時ははんだ粉末の酸化を抑制するには有効かも知れな
いが、多量の被覆剤の存在ははんだのリフローに対しむ
しろ不都合であって、ソルダーボールが多発するおそれ
がある。またこれらの被覆は物理的に行われているだけ
で、被覆力は非常に弱いと考えられ、はんだペーストを
製造する際の混練あるいは使用時の移送、印刷等の取扱
で簡単に剥離する恐れが強い。その他の方法としては、
特公昭59−22632号、特開平3−124092号
にはフェノール系、フォスファイト系、硫黄系の抗酸化
剤を添加する方法が、また特開平2−147194号に
は特定の界面活性剤を用いることの提案がなされている
がいずれも発明のものも保存安定性として十分なもので
ない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとく保存安定
性に優れたはんだペーストに対する要望が強いため、本
発明は、本来はんだペーストが発揮すべき特性を損なう
事なく、はんだのリフロー特性、はんだ付け性、接合す
べき金属との濡れ性を損なうことなく、はんだ粒子の酸
化を防ぎ、かつ、はんだペーストに於て劣化を促進する
はんだ粉末とフラックスとの反応を抑制し、保存安定性
を向上させたハンダペーストの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するべく鋭意努力し、種々検討した結果、本発明に
到達した。即ち、(1) はんだを構成する金属に対し
て錯形成能力を有し、構成するモノマー(繰り返し単
位)が少なくとも10量体である高分子化合物を、フラ
ックス重量に対し0.005〜3.0重量%添加されて
いるフラックスを配合したはんだペースト、(2) 高
分子化合物が、アミノ基、イミノ基、水酸基、エーテル
基、ピリジル基、イミダゾリル基、カルボキシル基、チ
オール基、アミド基、スルホン基、オキシム基、ヒドロ
キサム基、りん酸基、ケトン基、ポルフィリンなどの大
環状配位子基など、金属と錯体を作りやすい官能基を有
する高分子化合物である(1)記載のはんだペースト、
及び(3) 高分子化合物が、ポリエチレングリコー
ル、ポリNビニルアセトアミドおよびポリアクリル酸の
少なくともひとつを含む(1)記載のはんだペーストを
開発することにより上記の目的を達成した。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で言うはんだペーストと
は、一般にはんだ粉末、ロジンまたは合成樹脂系の粘着
剤、活性剤として有機酸および/または各種アミンのハ
ロゲン化水素酸塩、有機ハロゲン化合物、溶剤、チクソ
トロピック剤、界面活性剤等からなるものである。はん
だ粉末は、通常はんだ金属を溶融し、滴下し、その途中
で不活性ガスを吹き付け微粉化する方法、不活性ガス中
で回転スリットから溶融はんだを噴霧する方法等のアト
マイズにより製造される。その平均粒子径は使用目的に
よって異なるが、例えば粒子径が5〜30μm、20〜
50μm、30〜70μm、5〜100μmなどの粉末
が用いられる。
【0010】はんだ金属の組成としては、例えば63S
n/37Pbの共晶はんだ組成を中心として、62Sn
/36Pb/2Ag、60Sn/40Pb、50Sn/
50Pb、30Sn/70Pb、25Sn/75Pb、
10Sn/88Pb/2Ag、46Sn/8Bi/46
Pb、57Sn/3Bi/40Pb、42Sn/42P
b/14Bi/2Ag、45Sn/40Pb/15B
i、50Sn/32Pb/18Cdなどが挙げられる。
また最近のPb排除の観点からPbを含まない、例えば
48Sn/52ln、43Sn/57Bi、97In/
3Ag、58Sn/42In、95In/5Bi、60
Sn/40Bi、91Sn/9Zn、96.5Sn/
3.5Ag、99.3Sn/0.7Cu、95Sn/5
Sb、20Sn/80Au、90Sn/10Ag、97
Sn/3Cu、99Sn/1Ge、92Sn/7.5B
i/0.5Cu、97Sn/2Cu/0.8Sb/0.
2Ag、95.5Sn/3.5Ag/1Zn、95.5
Sn/4Cu/0.5Ag、52Sn/45Bi/3S
b、51Sn/45Bi/3Sb/1Zn、85Sn/
10Bi/5Sb、84Sn/10Bi/5Sb/1Z
n、88.2Sn/10Bi/0.8Cu/1Zn、8
9Sn/4Ag/7Sb、88Sn/4Ag/7Sb/
1Zn、98Sn/1Ag/1Sb、97Sn/1Ag
/1Sb/1Zn、93.2Sn/2Ag/0.8Cu
/6Zn、91.2Sn/2Ag/0.9Cu/8Zn
などが挙げられる。また上記のそれぞれの組成を持つ金
属粉末を2種以上混合して使用してもよい。
【0011】フラックスとして配合される成分のうち、
樹脂成分としては、天然ロジン、不均化ロジン、重合ロ
ジン、変成ロジン、合成樹脂としてはポリエステル、ポ
リウレタン、アクリル系樹脂その他が用いられる。
【0012】活性剤としては、アニリン臭化水素酸塩、
イソプロピルアミン塩酸塩、モノエチルアミン臭化水素
酸塩、ジフェニルグアニジン臭化水素酸塩などのアミン
ハロゲン塩、アミンの有機酸塩、蟻酸、酢酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸等の有機
モノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、アジピ
ン酸、フマル酸、マレイン酸等の有機ジカルボン酸およ
びその無水物、またハロゲン化炭化水素、例えば2,3
−ジブロモ−2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−
ジブロモ−2−プロパノールのようなハロゲン化アルコ
ール等が1種または2種以上混合して用いられる。
【0013】溶剤としてはアルコール、ケトン、エステ
ル、芳香族系の溶剤が利用でき、例えばベンジルアルコ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノー
ル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカル
ビトール、ターピネオール、トルエン、キシレン、テト
ラリン、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルなどが1種
または混合して用いられる。
【0014】また印刷性を改善するために添加されるチ
クソトロピック剤としては、微細なシリカ粒子、カオリ
ン粒子などの無機系のもの、水添ヒマシ油、硬化ヒマシ
油などの有機系のものが用いられる。この外に、酸化防
止剤、銅害防止剤等の添加剤が加えてあってもよい。は
んだペーストは、はんだ粉末83〜94wt%、ロジン
または樹脂成分4.5〜7.5wt%、溶剤2.5〜
5.5wt%、活性剤0.02〜2wt%,チクソトロ
ピック剤0.02〜2wt%を混合する。混合はプラネ
タリーミキサー等公知の装置を用いて行われる。
【0015】上記はんだペーストの劣化は時間と共に粘
度の上昇として現れ、また感覚的にはねばりが無くな
り、結果として印刷が不可能になる。また空気に触れや
すい容器の上部のはんだペーストが異常に硬化する皮張
り現象も起こることがある。これらの劣化したはんだペ
ーストを使用すると活性力不足のためはんだボールが発
生し易い。化学的にはハロゲン含有活性剤、酸素、ロジ
ンを含む有機酸などとはんだの金属成分が複雑に関与し
ながら反応し、ハロゲン化鉛、ハロゲン化錫等の無機
塩、また有機酸鉛、有機酸錫等の目的外の反応生成物が
できる現象と推定されている。反応ははんだ金属粒子の
表面から進行する。まず金属表面の酸化物を溶かし、徐
々に粒子内部に進行する。特に混練時または印刷時のよ
うに金属粒子が激しく摩擦され、金属の新しい面が露出
するときなどには反応の進行が激しくなる。したがって
はんだペーストの安定性を向上するためには、はんだペ
ーストに含有される金属が外部の反応性物質と反応する
ことを防げればよい。金属と錯体を作り易い高分子化合
物(金属と親和性のある官能基を有する)を予め加えて
置くと、金属表面から溶解したイオンを直ちに捕獲し
て、副反応を押さえることができ、さらなる反応の進行
を止めることが出来る。また混練時に金属粒子の摩擦に
より新規な金属表面が発生した場合にその表面に高分子
化合物がすばやく吸着され金属表面を保護することがで
きる。
【0016】金属と錯体を作る高分子化合物とは、金属
と配位しやすい官能基をもつ高分子化合物である。金属
と配位する低分子物質ももちろん存在するが、低分子錯
体はそれ自身動き易く、錯体がさらに次の反応を起こし
て安定化の目的には望ましくない。高分子化合物の錯体
は分子自体が大きく移動することが困難であり、錯体が
形成されるとその位置に固定化されて金属粒子表面を被
覆し、金属表面に他の腐食性化合物の接近を防止するも
のと考えられる。ここで言う高分子とは少なくとも10
量体以上の重合体を意味する。10量以下では高分子と
しての性質を示し難く効果が少ない。金属と錯体を作り
易い高分子化合物としては、ポリマー中の主鎖または側
鎖に規則的にアミノ基、イミノ基、水酸基、エーテル
基、ピリジル基、イミダゾリル基、カルボキシル基、チ
オール基、アミド基、スルホン酸基、オキシム基、ヒド
ロキサム基、リン酸基、ケトン、ポルフィリン等の大環
状配位子基等の金属と錯体を作り易い官能基を単独また
は2種以上を含むものが用いられる。金属と錯体をつく
るかどうかの判定は周知の方法が用いられる。例えば、
可視、紫外、赤外線吸収スピクトルで吸収のシフト、あ
るいは錯体の新たな吸収の発現を観察する方法、ESR
(電子スピン共鳴)法により、共鳴吸収の発現、シフト
を観察する方法、イオンの吸着量を測定する方法等が挙
げられる。
【0017】具体的には、ポリアクリル酸、ポリビニア
ルコール、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾー
ル、ポリオキサゾリン、ポリアクリルアミド、ポリN−
ビニルアセトアミド、ポリプロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリビニル
ピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピロリ
ドン、メチルセルロース、エチルセルロース等があげら
れるが、これらに限定されるものではない。これらの高
分子化合物は直鎖状であっても分岐構造を持っていて
も、また架橋されていてもよい。架橋剤として配位官能
基と構造が異なる成分が混在しても過半数の成分が配位
能力を持っていればよい。また2種以上のモノマーを共
重合してあってもよい。添加すべき量ははんだペースト
の安定性を充分に確保するに足る量でよいが、いずれの
場合においても保存安定性を向上することには変わりが
ないが、錯形成能力を有する高分子化合物の種類により
はんだペーストに対する効果が相違し、フラックスとの
抑制力も異なり、好適な添加量にも差があるようである
が、一般的にはフラックスに対し0.005重量%以上
3.0重量%以下である。さらに好ましくは0.01重
量%以上1重量%以下が好ましい。添加量が少なすぎる
と安定化効果が無く、多量に添加しすぎると、フラック
ス自体の親水性のためにマイグレーションの危険が増大
するだけでなく、はんだ金属粒子を保護しすぎるため活
性力を阻害し、はんだボールの発生が多くなる。
【0018】この錯形成能力を有する高分子化合物にお
いて、例えばポリエチレングリコール系の錯形成能力を
有する高分子化合物を配合した時は保存安定性の向上以
外に、溶融はんだの接合すべき金属に対する濡れ性が極
めてよくなる。これに対し、ポリNビニルアセトアミド
を使用したフラックス系はんだペーストにおいては、保
存安定性の向上はもちろんあるが特異な性質として、他
の高分子化合物に比してプレヒートダレ性が優れてお
り、微細なパターンに対する回路接続においてブリッジ
の危険を減少させ、微細なパターンにおいても十分しよ
う可能な特徴がある。またフラックス中0.01〜0.
5重量%程度の少量の使用においても十分な効果が発揮
できる点も特徴としてあげることができる。
【0019】
【実施例】以下実施例を持って発明の内容をさらに具体
的に説明するが、本発明がこれらに限定されるものでは
ない。 (測定方法) (1)プレヒートダレ性:はんだペーストを、セラミッ
ク基板上に厚さ200μm、直径6.0mmφの円形に
印刷した後、150℃、60sec加熱し、はみ出した
はんだペーストの範囲を測定した。 ◎:ほとんどはみ出しが見られない。 ○:少しはみ出しがあるが実用上問題ない。 ×:はみ出し量が多く、0.3mmピッチのパターンに
は使用不可能。 (2)はんだボール:JIS Z−3284に従って行
い、結果を優良1から劣悪4の順に4段階に分け評価を
行った。
【0020】(実施例1〜6、比較例1〜4)樹脂成分
として重合ロジン22重量%、不均化ロジン22重量
%、チクソ剤として水添ひまし油7重量%、活性剤とし
てアジピン酸1重量%およびイソプロピルアミン・HB
r1重量%、溶剤としてプロピレングリコールモノフェ
ニルエーテルを47重量%を混合し、80℃に4時間加
熱してフラックスを調製した。このフラックスに対し
て、金属に対して錯形成能力を有する高分子化合物(重
合度の異なるポリエチレングリコール)を必要量加え、
粒径22〜45μmの球形共晶はんだ粉末(Sn63−
Pb37)と共にプラネタリーミルを用いて20℃で混
合し、はんだペーストを調製した。はんだ粉末の重量は
90%とした。はんだペーストは通常5℃付近の温度で
冷蔵保存するのが常識的であるが、40℃で3日間加温
して加速劣化試験を行い、はんだペースト調製直後の粘
度を100とした時の加速劣化後の粘度の比をもって長
期間保存性の指標とした。粘度はスパイラル粘度計(マ
ルコムPC205型)を用い、25℃でJIS Z−3
284に従い、10、3、4、5、10、20、30、
10rpmで連続測定を行い、始めの10rpmの値を
用いた。
【0021】
【表1】 *初期状態と40℃3日劣化後の粘度の比x100
【0022】表1のポリエチレングリコールに付いてい
る数字はそれぞれのポリエチレングリコールの平均分子
量を表している。比較例1は添加物なしの場合である
が、40℃と言う過酷な条件では、はんだペーストの粘
度上昇が大きく、粘度が1.9倍に上昇し、容器表面に
一部皮張りがみられ、またはんだボールも悪化している
ことから劣化が進行したことがうかがえる。またペース
トのねばりがなくなり、スパイラル粘度計による粘度測
定の回転数サイクルを完了する前に測定不能となった。
実施例ではいずれも高分子化合物の添加による粘度安定
性の改善がみられている。比較例2の添加量では小量過
ぎて不十分であり効果が現れていない。比較例3のよう
に過剰に加えた時は粘度は安定化するが、はんだボール
に悪影響を与え実用的できでない。また比較例4の分子
量の非常に低いポリエチレングリコール200では余り
効果がなく、ある程度の高分子量が必要であることを示
している。これに対し分子量6000のポリエチレング
リコールを用いた実施例6では、効果が低下する傾向が
あり、ポリエチレングリコールにおいては600〜60
00くらいの高分子量のものが好ましく使用できること
を示している。
【0023】
【合成例】N−ビニルアセトアミド99gをベンゼン9
00gに溶かし、これを還流器付き容器の中で沸騰さ
せ、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.
2gを加えた。このまま沸騰の状態を5時間保つと生成
したポリN−ビニルアセトアミドが系内に折出する。こ
れを濾過、洗浄、乾燥すると白色の直径約2μmの白色
粉末をえた。これをpNVA−1とする。上記と同様の
原料、操作に加え、原料として架橋剤のトリメチロール
プロパントリメタアクリレートを2.5gを加えて架橋
したポリマーを得た。直径約1μmの白色粉末が得られ
た。これをpNVA−2とする。
【0024】
【実施例7〜12、比較例5〜8】合成例の方法で合成
したポリN−ビニルアセトアミドを添加剤として、実施
例1から6で用いたフラックスに添加し、同様な方法で
はんだペーストを作成し加速劣化試験を行った。この結
果を表2に示す。
【0025】
【表2】 *初期状態と40℃3日劣化後の粘度の比x100
【0026】比較例1と比べて、実施例7〜12に示す
ようにpNVA−1およびpNVA−2の添加によって
大幅に粘度安定性が向上していることが判る。またpN
VA−1は直鎖の高分子化合物であるのに対して、pN
VA−2は架橋された高分子化合物であるにもかかわら
ず、同様に安定性向上に効果があることが判る。同時に
比較例5〜8に示すようにあまり少量では効果がなく、
大量に添加するとはんだホールが悪化する。
【0027】
【実施例13〜14、比較例9】BF Goodric
h社製の架橋型ポリアクリル酸、カーボポール640を
錯形成能力を持つ高分子化合物として選択し、実施例1
のフラックスに表3のように添加し、はんだペーストを
調製した。
【0028】
【表3】 表3に示したように架橋型ポリアクリル酸も、はんだペ
ーストの安定性に効果があることが判る。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明のはんだペースト
は、高温度における加速劣化促進試験の貯蔵においても
粘度の変化が少なく、印刷するのに困難がなく、また感
覚的に粘りが失われることもなく、皮張り現象の発生も
認めらず、保存安定性に優れていることが確認できた。
特に長期間保存しておいたものであってもはんだボール
の発生がなく、優れた性能を長期間にわたって保持する
ことが出来るはんだペーストであり、プリント基板用の
はんだペーストとして優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101/02 C08L 101/02 H05K 3/34 512 H05K 3/34 512C (72)発明者 宇都宮 正英 埼玉県秩父市大字下影森1505 昭和電工株 式会社秩父研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 はんだを構成する金属に対して錯形成能
    力を有し、構成するモノマー(繰り返し単位)が少なく
    とも10量体である高分子化合物を、フラックス重量に
    対し0.005〜3.0重量%添加されているフラック
    スを配合したことを特徴とするはんだペースト。
  2. 【請求項2】 高分子化合物が、アミノ基、イミノ基、
    水酸基、エーテル基、ピリジル基、イミダゾリル基、カ
    ルボキシル基、チオール基、アミド基、スルホン基、オ
    キシム基、ヒドロキサム基、りん酸基、ケトン基、ポル
    フィリンなどの大環状配位子基など、金属と錯体を作り
    やすい官能基を有する高分子化合物である請求項1記載
    のはんだペースト。
  3. 【請求項3】 高分子化合物が、ポリエチレングリコー
    ル、ポリNビニルアセトアミドおよびポリアクリル酸の
    少なくともひとつを含む請求項1記載のはんだペース
    ト。
JP28010396A 1996-10-01 1996-10-01 はんだペースト Pending JPH10109188A (ja)

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