JPH10109131A - 翼およびその製造方法 - Google Patents
翼およびその製造方法Info
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- JPH10109131A JPH10109131A JP28020096A JP28020096A JPH10109131A JP H10109131 A JPH10109131 A JP H10109131A JP 28020096 A JP28020096 A JP 28020096A JP 28020096 A JP28020096 A JP 28020096A JP H10109131 A JPH10109131 A JP H10109131A
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- blades
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- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 より効率的に出力を得ることが可能な翼を簡
単な加工方法により製造できるようにする。 【解決手段】 板状素材11の一部に複数の切り込み1
2を板状素材11の一辺に平行に入れ、折り目13が板
状素材11の他辺(長手方向)に対して所定の傾き角γ
を持つようにして、隣接する切り込み12に挟まれた各
部分を板状素材11と直交する方向に折り曲げ加工して
複数個の羽根14を形成した後、板状素材11を丸め加
工して環装することにより翼を製造することにより、羽
根14の根元部分Aに無理な捻じれが生じないようにし
て、羽根14の根元から先端まで理想的な出力が得られ
るようにするとともに、プレス加工で製造する従来例に
比べて極めて簡単な工程で様々な形状の翼を製造できる
ようにする。
単な加工方法により製造できるようにする。 【解決手段】 板状素材11の一部に複数の切り込み1
2を板状素材11の一辺に平行に入れ、折り目13が板
状素材11の他辺(長手方向)に対して所定の傾き角γ
を持つようにして、隣接する切り込み12に挟まれた各
部分を板状素材11と直交する方向に折り曲げ加工して
複数個の羽根14を形成した後、板状素材11を丸め加
工して環装することにより翼を製造することにより、羽
根14の根元部分Aに無理な捻じれが生じないようにし
て、羽根14の根元から先端まで理想的な出力が得られ
るようにするとともに、プレス加工で製造する従来例に
比べて極めて簡単な工程で様々な形状の翼を製造できる
ようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は翼およびその製造方
法に関し、例えば、ガスタービンやターボ分子ポンプ、
あるいはターボファン等に使用される動翼または静翼に
用いて好適なものである。
法に関し、例えば、ガスタービンやターボ分子ポンプ、
あるいはターボファン等に使用される動翼または静翼に
用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、放射状に設けた複数の羽根をそれ
ぞれ円周方向に対して所定の傾き角を持つように形成し
た翼を、回転軸を中心にして回転させることによって何
らかの作業を行わせるようにしたものが種々の分野で利
用されている。例を挙げると、ガスタービンやターボ分
子ポンプ、あるいはターボファン等に使用する動翼ある
いは静翼などがある。
ぞれ円周方向に対して所定の傾き角を持つように形成し
た翼を、回転軸を中心にして回転させることによって何
らかの作業を行わせるようにしたものが種々の分野で利
用されている。例を挙げると、ガスタービンやターボ分
子ポンプ、あるいはターボファン等に使用する動翼ある
いは静翼などがある。
【0003】このような動翼あるいは静翼は、従来様々
な方法により製造されていたが、その中の1つに、特開
昭61−215492号公報に記載されているように、
板状素材から羽根部分の板厚を残して削り出し、その後
に各羽根をねじり加工することにより所定の傾き角を付
与する製造方法があった。
な方法により製造されていたが、その中の1つに、特開
昭61−215492号公報に記載されているように、
板状素材から羽根部分の板厚を残して削り出し、その後
に各羽根をねじり加工することにより所定の傾き角を付
与する製造方法があった。
【0004】また、特開昭61−215493号公報に
記載されているように、円筒状素材の一部に複数のスリ
ットを軸線に平行に入れ、次いで隣接するスリットに挟
まれた各部分を軸線と直交する方向に折り曲げ加工し
て、複数個の羽根を放射状に形成する。その後、それら
放射状の各羽根をねじり加工して所定の傾き角を付与す
る製造方法もあった。
記載されているように、円筒状素材の一部に複数のスリ
ットを軸線に平行に入れ、次いで隣接するスリットに挟
まれた各部分を軸線と直交する方向に折り曲げ加工し
て、複数個の羽根を放射状に形成する。その後、それら
放射状の各羽根をねじり加工して所定の傾き角を付与す
る製造方法もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記何
れの製造方法でも羽根を形成した後にねじり加工してい
るために、羽根の根元部分に無理な捻じれが生じてしま
い、根元部分では上記所定の傾き角をうまく形成するこ
とができなかった。その結果、根元部分でストールやキ
ャビテーションが発生し、捻じれの分だけ出力に損失が
生じてしまい、推進力を得たり真空排気を行うことが効
率的にできないという問題があった。
れの製造方法でも羽根を形成した後にねじり加工してい
るために、羽根の根元部分に無理な捻じれが生じてしま
い、根元部分では上記所定の傾き角をうまく形成するこ
とができなかった。その結果、根元部分でストールやキ
ャビテーションが発生し、捻じれの分だけ出力に損失が
生じてしまい、推進力を得たり真空排気を行うことが効
率的にできないという問題があった。
【0006】一方、円板状素材をプレス加工することに
より、羽根の形成と同時に捻じれを加える製造方法も提
案されていたが、このようなプレス加工によっても羽根
の根元部分には無理な捻じれが生じてしまっていた。し
かも、この方法ではそれ専用のプレス加工装置を必要と
するため、安価に製造することができないという問題も
あった。また、1つのプレス加工装置ではそ金型に合っ
た形や大きさの翼しか作ることができず、違う形や大き
さの翼を製造するためには別のプレス加工装置を用意し
なければならないという問題もあった。
より、羽根の形成と同時に捻じれを加える製造方法も提
案されていたが、このようなプレス加工によっても羽根
の根元部分には無理な捻じれが生じてしまっていた。し
かも、この方法ではそれ専用のプレス加工装置を必要と
するため、安価に製造することができないという問題も
あった。また、1つのプレス加工装置ではそ金型に合っ
た形や大きさの翼しか作ることができず、違う形や大き
さの翼を製造するためには別のプレス加工装置を用意し
なければならないという問題もあった。
【0007】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたものであり、より効率的に出力を得ることが
可能な翼を簡単な加工方法により製造できるようにする
ことを目的とする。
に成されたものであり、より効率的に出力を得ることが
可能な翼を簡単な加工方法により製造できるようにする
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による翼の製造方
法は、板状素材の一部に複数の切り込みを板状素材の一
辺に平行あるいは非平行に入れる工程と、折り目が上記
板状素材の他辺に対して所定の傾き角を持つようにし
て、隣接する切り込みに挟まれた各部分を上記板状素材
と直交する方向に折り曲げ加工し、複数個の羽根を形成
する工程と、上記板状素材を丸め加工して環装する工程
とから成ることを特徴とする。
法は、板状素材の一部に複数の切り込みを板状素材の一
辺に平行あるいは非平行に入れる工程と、折り目が上記
板状素材の他辺に対して所定の傾き角を持つようにし
て、隣接する切り込みに挟まれた各部分を上記板状素材
と直交する方向に折り曲げ加工し、複数個の羽根を形成
する工程と、上記板状素材を丸め加工して環装する工程
とから成ることを特徴とする。
【0009】また、本発明の他の特徴とするところは、
基部とこの基部の長手方向に対して所定の傾き角をもっ
て形成された羽根部とから成る板状素材の上記羽根部
に、上記所定の傾き角に沿って複数の切り込みを入れる
工程と、折り目が上記切り込みの方向と直交するように
して、隣接する切り込みに挟まれた各部分を上記基部と
直交する方向に折り曲げ加工し、複数個の羽根を形成す
る工程と、上記基部を丸め加工して環装する工程とから
成ることを特徴とする。
基部とこの基部の長手方向に対して所定の傾き角をもっ
て形成された羽根部とから成る板状素材の上記羽根部
に、上記所定の傾き角に沿って複数の切り込みを入れる
工程と、折り目が上記切り込みの方向と直交するように
して、隣接する切り込みに挟まれた各部分を上記基部と
直交する方向に折り曲げ加工し、複数個の羽根を形成す
る工程と、上記基部を丸め加工して環装する工程とから
成ることを特徴とする。
【0010】ここで、上記丸め加工を行う際に、上記複
数個の羽根が環状の中心方向を向くように丸め加工する
ようにしても良いし、上記複数個の羽根が放射状になる
ように丸め加工するようにしても良い。
数個の羽根が環状の中心方向を向くように丸め加工する
ようにしても良いし、上記複数個の羽根が放射状になる
ように丸め加工するようにしても良い。
【0011】本発明のその他の特徴とするところは、円
筒状素材の一部に複数の切り込みを軸線に平行あるいは
非平行に入れる工程と、折り目が円周方向に対して所定
の傾き角を持つようにして、隣接する切り込みに挟まれ
た各部分を上記軸線と直交する方向に折り曲げ加工し、
複数個の羽根を形成する工程とから成ることを特徴とす
る。
筒状素材の一部に複数の切り込みを軸線に平行あるいは
非平行に入れる工程と、折り目が円周方向に対して所定
の傾き角を持つようにして、隣接する切り込みに挟まれ
た各部分を上記軸線と直交する方向に折り曲げ加工し、
複数個の羽根を形成する工程とから成ることを特徴とす
る。
【0012】本発明の翼は、円筒状素材の一部に形成さ
れた複数の羽根部が、折り目が円周方向に対して所定の
傾き角を持つようにして軸線と直交する方向に折り曲げ
られて成ることを特徴とする。ここで、上記円筒状素材
の羽根部とこの羽根部以外の基部とで板厚、材質、剛性
の少なくとも1つが異なるようにしても良い。
れた複数の羽根部が、折り目が円周方向に対して所定の
傾き角を持つようにして軸線と直交する方向に折り曲げ
られて成ることを特徴とする。ここで、上記円筒状素材
の羽根部とこの羽根部以外の基部とで板厚、材質、剛性
の少なくとも1つが異なるようにしても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る翼の製造方法
の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実
施形態による翼の製造方法を示す図である。図1(a)
は、基部1とこの基部1の長手方向に対して所定の傾き
角α(例えば20°、25°、30°)をもって形成さ
れた羽根部2とから成る板状素材を示す。
の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実
施形態による翼の製造方法を示す図である。図1(a)
は、基部1とこの基部1の長手方向に対して所定の傾き
角α(例えば20°、25°、30°)をもって形成さ
れた羽根部2とから成る板状素材を示す。
【0014】まず最初の工程では、この図1(a)に示
した板状素材の羽根部2に、上記所定の傾き角αの方向
に沿って複数の切り込み3を入れる。次に、折り目4が
上記切り込み3の方向と直交するようにして、隣接する
切り込み3に挟まれた各部分を基部1と直交する方向に
折り曲げ加工する。これにより、図1(b)および
(c)に示すように、複数個の羽根5を形成する。最後
に、基部1を丸め加工して環装することにより、図1
(d)のように翼を形成する。
した板状素材の羽根部2に、上記所定の傾き角αの方向
に沿って複数の切り込み3を入れる。次に、折り目4が
上記切り込み3の方向と直交するようにして、隣接する
切り込み3に挟まれた各部分を基部1と直交する方向に
折り曲げ加工する。これにより、図1(b)および
(c)に示すように、複数個の羽根5を形成する。最後
に、基部1を丸め加工して環装することにより、図1
(d)のように翼を形成する。
【0015】本実施形態のこのような翼の製造方法によ
れば、羽根5の根元部分Aに、折り曲げ加工した時点で
既に角度βが付けられるようになるので、その後にねじ
り加工を施す必要がない。このため、羽根5の根元部分
に無理な捻じれが生じないので、この部分でのストール
やキャビテーションが発生しにくくなり、羽根5の根元
から先端まで理想的な出力が得られるようになる。
れば、羽根5の根元部分Aに、折り曲げ加工した時点で
既に角度βが付けられるようになるので、その後にねじ
り加工を施す必要がない。このため、羽根5の根元部分
に無理な捻じれが生じないので、この部分でのストール
やキャビテーションが発生しにくくなり、羽根5の根元
から先端まで理想的な出力が得られるようになる。
【0016】しかも、本実施形態では、切り込みを入れ
た後で羽根部分を折り曲げ、最後に環装するという極め
て簡単な工程により翼を製造することができ、プレス加
工で製造する従来例のように専用のプレス加工装置を必
要としない。よって、本実施形態では安価な製造方法を
提供でき、コストを削減することができる。また、板状
素材の大きさ、角度αの付け方、切り込み3の入れ方な
どを変えるだけで様々な形状の翼を作ることができ、決
まった金型に合った形や大きさの翼しか作ることができ
なかった従来の不都合を解消することもできる。
た後で羽根部分を折り曲げ、最後に環装するという極め
て簡単な工程により翼を製造することができ、プレス加
工で製造する従来例のように専用のプレス加工装置を必
要としない。よって、本実施形態では安価な製造方法を
提供でき、コストを削減することができる。また、板状
素材の大きさ、角度αの付け方、切り込み3の入れ方な
どを変えるだけで様々な形状の翼を作ることができ、決
まった金型に合った形や大きさの翼しか作ることができ
なかった従来の不都合を解消することもできる。
【0017】上述の実施形態では、丸め加工を行う際に
複数個の羽根5が環状の中心方向を向くように基部1を
内側に丸め加工しており、このようにして製造された図
1(d)のような翼は、例えばガスタービンやターボ分
子ポンプ、あるいはターボファン等の静翼として利用す
ることができる。逆に、丸め加工を行う際に、複数個の
羽根5が放射状になるように外側に丸め加工することに
より製造した翼は、動翼として利用することができる。
このように、本実施形態の翼の製造方法によれば、静翼
および動翼のどちらも簡単に製造することができる。
複数個の羽根5が環状の中心方向を向くように基部1を
内側に丸め加工しており、このようにして製造された図
1(d)のような翼は、例えばガスタービンやターボ分
子ポンプ、あるいはターボファン等の静翼として利用す
ることができる。逆に、丸め加工を行う際に、複数個の
羽根5が放射状になるように外側に丸め加工することに
より製造した翼は、動翼として利用することができる。
このように、本実施形態の翼の製造方法によれば、静翼
および動翼のどちらも簡単に製造することができる。
【0018】なお、図1に示した実施形態では、板状素
材の例として、基部1とこの基部1の長手方向に対して
所定の傾き角αをもって形成された羽根部2とから成る
素材を挙げたが、本発明はこのような形状の板状素材で
なくても適用することができる。例えば、図2に示すよ
うに、長方形の板状素材であっても同様に翼を製造する
ことができる。
材の例として、基部1とこの基部1の長手方向に対して
所定の傾き角αをもって形成された羽根部2とから成る
素材を挙げたが、本発明はこのような形状の板状素材で
なくても適用することができる。例えば、図2に示すよ
うに、長方形の板状素材であっても同様に翼を製造する
ことができる。
【0019】この場合は、まず、図2(a)に示すよう
な長方形の板状素材11の一部に複数の切り込み12を
板状素材11の非長手方向と平行あるいは非平行に入れ
る(図2では平行に入れる場合を示している)。次に、
折り目13が板状素材11の長手方向に対して所定の傾
き角γを持つようにして、隣接する切り込み12に挟ま
れた各部分を上記板状素材11と直交する方向に折り曲
げ加工する。これにより、図2(b)および(c)に示
すように、複数個の羽根14を形成する。
な長方形の板状素材11の一部に複数の切り込み12を
板状素材11の非長手方向と平行あるいは非平行に入れ
る(図2では平行に入れる場合を示している)。次に、
折り目13が板状素材11の長手方向に対して所定の傾
き角γを持つようにして、隣接する切り込み12に挟ま
れた各部分を上記板状素材11と直交する方向に折り曲
げ加工する。これにより、図2(b)および(c)に示
すように、複数個の羽根14を形成する。
【0020】最後に、板状素材11を丸め加工して環装
することにより、図2(d)のように翼を形成する。図
1と図2とを比べれば分かるように、同じ長さの板状素
材でも、図2の場合は図1の場合に比べてより多くの羽
根を形成することができるので、静翼より動翼を製造す
る場合に特に有効である。したがって、図2の例では、
丸め加工を行う際に複数個の羽根14が放射状になるよ
うに外側に丸め加工している。
することにより、図2(d)のように翼を形成する。図
1と図2とを比べれば分かるように、同じ長さの板状素
材でも、図2の場合は図1の場合に比べてより多くの羽
根を形成することができるので、静翼より動翼を製造す
る場合に特に有効である。したがって、図2の例では、
丸め加工を行う際に複数個の羽根14が放射状になるよ
うに外側に丸め加工している。
【0021】さらに、以上の実施形態では、板状素材の
一部に複数の切り込みを入れ、それらの切り込みに挟ま
れた各部分を折り曲げ加工して複数個の羽根を形成した
後、板状素材を丸め加工することにより翼を製造してい
るが、切り込み加工と折り曲げ加工とを行う前に丸め加
工をあらかじめ行うようにしても良い。
一部に複数の切り込みを入れ、それらの切り込みに挟ま
れた各部分を折り曲げ加工して複数個の羽根を形成した
後、板状素材を丸め加工することにより翼を製造してい
るが、切り込み加工と折り曲げ加工とを行う前に丸め加
工をあらかじめ行うようにしても良い。
【0022】また、板状素材の代わりに円筒状素材を用
いれば、最後の丸め加工を省略することができる。すな
わち、この場合は、円筒状素材の一部に複数の切り込み
を軸線に平行あるいは非平行に入れた後、折り目が円周
方向に対して所定の傾き角を持つようにして、隣接する
切り込みに挟まれた各部分を上記軸線と直交する方向に
折り曲げ加工し、複数個の羽根を形成する。
いれば、最後の丸め加工を省略することができる。すな
わち、この場合は、円筒状素材の一部に複数の切り込み
を軸線に平行あるいは非平行に入れた後、折り目が円周
方向に対して所定の傾き角を持つようにして、隣接する
切り込みに挟まれた各部分を上記軸線と直交する方向に
折り曲げ加工し、複数個の羽根を形成する。
【0023】この場合、切り込み加工と折り曲げ加工は
板状素材の場合と同じであるので、丸め加工がない分よ
り簡単な工程で翼を製造することができる。また、折り
曲げ加工の際に、隣接する切り込みに挟まれた各部分を
環状の中心方向を向くように丸めるか放射状になるよう
に丸めるかによって、静翼および動翼のどちらも製造す
ることができる。
板状素材の場合と同じであるので、丸め加工がない分よ
り簡単な工程で翼を製造することができる。また、折り
曲げ加工の際に、隣接する切り込みに挟まれた各部分を
環状の中心方向を向くように丸めるか放射状になるよう
に丸めるかによって、静翼および動翼のどちらも製造す
ることができる。
【0024】以上のような製造方法で作られた翼は、板
状素材から作った場合も円筒状素材から作った場合も同
様の形状となる。また、以上のように羽根の根元部分が
円周方向に対して所定の角度を持つように折り曲げられ
て成る翼は全て、その製造方法の如何によらず本発明の
範疇に含まれる。
状素材から作った場合も円筒状素材から作った場合も同
様の形状となる。また、以上のように羽根の根元部分が
円周方向に対して所定の角度を持つように折り曲げられ
て成る翼は全て、その製造方法の如何によらず本発明の
範疇に含まれる。
【0025】なお、翼の基部と羽根部(図1の例では基
部1と羽根部2)で材質、剛性、板厚などを異ならせる
ようにしてもよい。例えば、効率的な出力を得るために
は羽根部2は板厚が薄い方が良いが、基部1も板厚が薄
いと翼自体が貧弱なものとなってしまうので、基部1を
厚くして羽根部2だけを薄く加工するようにしたり、基
部1と羽根部2とで材質を変えるようにすることで、よ
り性能の良い翼を製造することができる。
部1と羽根部2)で材質、剛性、板厚などを異ならせる
ようにしてもよい。例えば、効率的な出力を得るために
は羽根部2は板厚が薄い方が良いが、基部1も板厚が薄
いと翼自体が貧弱なものとなってしまうので、基部1を
厚くして羽根部2だけを薄く加工するようにしたり、基
部1と羽根部2とで材質を変えるようにすることで、よ
り性能の良い翼を製造することができる。
【0026】材質が均一でない場合の例として、プラズ
マ溶射などにより表面に被膜を作ったり、図3(a)の
ように、羽根部2を加工してその上に他の性質を持つ材
料(例えばセラミックや炭化ケイ素複合材など)を取り
付ける又は覆う方法がある。後者の場合、拡散接合や溶
接などにより取り付けを行うことが可能であり、この方
法は、羽根部の面積を増やす場合にも有効である。
マ溶射などにより表面に被膜を作ったり、図3(a)の
ように、羽根部2を加工してその上に他の性質を持つ材
料(例えばセラミックや炭化ケイ素複合材など)を取り
付ける又は覆う方法がある。後者の場合、拡散接合や溶
接などにより取り付けを行うことが可能であり、この方
法は、羽根部の面積を増やす場合にも有効である。
【0027】また、羽根部2のみに焼き入れを施して強
度を持たせ、羽根部2を丈夫に形成したり、刃物の性質
を持たせるようにすることも可能である。一方、基部1
にのみ焼き入れを施して強度を持たせたり、バネの性質
を持たせたりすることで、ターボポンプなどの本体との
組み込みを容易にすることも可能である。
度を持たせ、羽根部2を丈夫に形成したり、刃物の性質
を持たせるようにすることも可能である。一方、基部1
にのみ焼き入れを施して強度を持たせたり、バネの性質
を持たせたりすることで、ターボポンプなどの本体との
組み込みを容易にすることも可能である。
【0028】また、図3(b)のように翼が大型になる
場合には、1つの素材からではなく、複数の素材を組み
合わせて1つの翼を構成するようにしても良いし、図3
(c)のように羽根の数を増やす場合には、外側になる
ものと内側になるものとを別々に作って重ねるようにし
ても良い。さらに、本実施形態では、図4(a)のよう
に基部1の形状が様々であっても良いし、図4(b)の
ように羽根部2の形状も様々であって良いし、図4
(c)のように羽根部2の断面も様々であって良い。図
4は単なる例示であって、これ以外の形状も本発明の範
疇に含まれる。
場合には、1つの素材からではなく、複数の素材を組み
合わせて1つの翼を構成するようにしても良いし、図3
(c)のように羽根の数を増やす場合には、外側になる
ものと内側になるものとを別々に作って重ねるようにし
ても良い。さらに、本実施形態では、図4(a)のよう
に基部1の形状が様々であっても良いし、図4(b)の
ように羽根部2の形状も様々であって良いし、図4
(c)のように羽根部2の断面も様々であって良い。図
4は単なる例示であって、これ以外の形状も本発明の範
疇に含まれる。
【0029】上記のようにして製造した翼は、様々な分
野で利用可能である。そのうちの一応用例として、ラジ
コン模型飛行機のジェットエンジン(ガスタービン)に
適用した場合の構成例を、図5に示す。図5に示すよう
に、ジェットエンジンは、圧縮機(コンプレッサー)、
ディフューザー、燃焼室、タービンおよびジェットパイ
プより構成される。
野で利用可能である。そのうちの一応用例として、ラジ
コン模型飛行機のジェットエンジン(ガスタービン)に
適用した場合の構成例を、図5に示す。図5に示すよう
に、ジェットエンジンは、圧縮機(コンプレッサー)、
ディフューザー、燃焼室、タービンおよびジェットパイ
プより構成される。
【0030】なお、上記コンプレッサーは、アルミ、ジ
ェラルミン、ステンレス、チタンなどの様々な材質で構
成される。また、タービンは、ステンレス、チタン、コ
バルトなどの様々な材質で構成される。セラミックや炭
化ケイ素系複合材などで構成することも可能である。本
発明の製造方法により製造された翼あるいは本発明の翼
は、圧縮機やタービンにおいて利用される。以下では、
圧縮機の構造について詳しく説明する。
ェラルミン、ステンレス、チタンなどの様々な材質で構
成される。また、タービンは、ステンレス、チタン、コ
バルトなどの様々な材質で構成される。セラミックや炭
化ケイ素系複合材などで構成することも可能である。本
発明の製造方法により製造された翼あるいは本発明の翼
は、圧縮機やタービンにおいて利用される。以下では、
圧縮機の構造について詳しく説明する。
【0031】すなわち、図5において、51は動翼、5
2は静翼であり、異なる大きさのものが交互に多段配置
されている。動翼51は、その基部51bが軸53に結
合されて、回動可能なようになっている。また、静翼5
2は、羽根部52aが動翼51の羽根部51aと対向す
る位置に配置されるように、基部52bが円筒状のブッ
シュ(スペーサー)54によって円筒状のケース55に
固定されている。
2は静翼であり、異なる大きさのものが交互に多段配置
されている。動翼51は、その基部51bが軸53に結
合されて、回動可能なようになっている。また、静翼5
2は、羽根部52aが動翼51の羽根部51aと対向す
る位置に配置されるように、基部52bが円筒状のブッ
シュ(スペーサー)54によって円筒状のケース55に
固定されている。
【0032】なお、ここでは、ブッシュ54を用いて静
翼52を固定したが、基部52bを強度を持たせて形成
している場合は、ブッシュ54を用いなくても固定する
ことが可能である。例えば、ケース55と静翼52の基
部52bとに穴を開けてネジ止めすることによって固定
することができる。静翼52の固定のし方は、ここでは
特に限定しない。
翼52を固定したが、基部52bを強度を持たせて形成
している場合は、ブッシュ54を用いなくても固定する
ことが可能である。例えば、ケース55と静翼52の基
部52bとに穴を開けてネジ止めすることによって固定
することができる。静翼52の固定のし方は、ここでは
特に限定しない。
【0033】このように構成したジェットエンジンで
は、上述のように動翼51、静翼52の羽根の根元部分
に無理な捻じれが生じていないので、この部分でのスト
ールやキャビテーションが発生しにくくなり、羽根の根
元から先端まで理想的な出力が得られるようになり、推
進力を効率的に得ることができる。
は、上述のように動翼51、静翼52の羽根の根元部分
に無理な捻じれが生じていないので、この部分でのスト
ールやキャビテーションが発生しにくくなり、羽根の根
元から先端まで理想的な出力が得られるようになり、推
進力を効率的に得ることができる。
【0034】本発明の翼は、このようなジェットエンジ
ンだけでなく、発電機その他の機器に使用するガスター
ビンや流体運搬用のターボポンプ等にも利用することが
できる。また、固体を粉砕するミキサーや、固体・液体
・気体を攪拌する攪拌器、あるいはドライヤーのファン
などにも利用することができる。さらに、羽根の部分を
刃物として加工して使用することもできる。ここに挙げ
た例は単なる一例に過ぎず、他にも種々の分野で利用可
能である。
ンだけでなく、発電機その他の機器に使用するガスター
ビンや流体運搬用のターボポンプ等にも利用することが
できる。また、固体を粉砕するミキサーや、固体・液体
・気体を攪拌する攪拌器、あるいはドライヤーのファン
などにも利用することができる。さらに、羽根の部分を
刃物として加工して使用することもできる。ここに挙げ
た例は単なる一例に過ぎず、他にも種々の分野で利用可
能である。
【0035】
【発明の効果】本発明は上述したように、例えば板状素
材の一部に複数の切り込みを板状素材の一辺に平行ある
いは非平行に入れ、次いで、折り目が板状素材の他辺に
対して所定の傾き角を持つようにして、隣接する切り込
みに挟まれた各部分を板状素材と直交する方向に折り曲
げ加工して複数個の羽根を形成した後、板状素材を丸め
加工して環装することにより翼を製造するようにしたの
で、羽根の根元部分に無理な捻じれが生じないようにす
ることができ、羽根の根元から先端まで理想的な出力が
得られるようにすることができる。しかも、プレス加工
で製造する従来例に比べて極めて簡単な工程で様々な形
状の翼を製造することができる。
材の一部に複数の切り込みを板状素材の一辺に平行ある
いは非平行に入れ、次いで、折り目が板状素材の他辺に
対して所定の傾き角を持つようにして、隣接する切り込
みに挟まれた各部分を板状素材と直交する方向に折り曲
げ加工して複数個の羽根を形成した後、板状素材を丸め
加工して環装することにより翼を製造するようにしたの
で、羽根の根元部分に無理な捻じれが生じないようにす
ることができ、羽根の根元から先端まで理想的な出力が
得られるようにすることができる。しかも、プレス加工
で製造する従来例に比べて極めて簡単な工程で様々な形
状の翼を製造することができる。
【図1】本発明に係る翼の製造方法の一実施形態を示す
図である。
図である。
【図2】本発明に係る翼の製造方法の他の実施形態を示
す図である。
す図である。
【図3】本発明に係る翼の製造方法の応用例を示す図で
ある。
ある。
【図4】基部あるいは羽根部の様々な形状の例を示す図
である。
である。
【図5】本発明による翼をラジコン模型飛行機のジェッ
トエンジンに適用した場合の構成例を示す図である。
トエンジンに適用した場合の構成例を示す図である。
1 基部 2 羽根部 3、12 切り込み 4、13 折り目 5、14 羽根
Claims (7)
- 【請求項1】 板状素材の一部に複数の切り込みを板状
素材の一辺に平行あるいは非平行に入れる工程と、 折り目が上記板状素材の他辺に対して所定の傾き角を持
つようにして、隣接する切り込みに挟まれた各部分を上
記板状素材と直交する方向に折り曲げ加工し、複数個の
羽根を形成する工程と、 上記板状素材を丸め加工して環装する工程とから成るこ
とを特徴とする翼の製造方法。 - 【請求項2】 基部とこの基部の長手方向に対して所定
の傾き角をもって形成された羽根部とから成る板状素材
の上記羽根部に、上記所定の傾き角に沿って複数の切り
込みを入れる工程と、 折り目が上記切り込みの方向と直交するようにして、隣
接する切り込みに挟まれた各部分を上記基部と直交する
方向に折り曲げ加工し、複数個の羽根を形成する工程
と、 上記基部を丸め加工して環装する工程とから成ることを
特徴とする翼の製造方法。 - 【請求項3】 上記丸め加工を行う際に、上記複数個の
羽根が環状の中心方向を向くように丸め加工することを
特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の翼の
製造方法。 - 【請求項4】 上記丸め加工を行う際に、上記複数個の
羽根が放射状になるように丸め加工することを特徴とす
る請求項1または2の何れか1項に記載の翼の製造方
法。 - 【請求項5】 円筒状素材の一部に複数の切り込みを軸
線に平行あるいは非平行に入れる工程と、 折り目が円周方向に対して所定の傾き角を持つようにし
て、隣接する切り込みに挟まれた各部分を上記軸線と直
交する方向に折り曲げ加工し、複数個の羽根を形成する
工程とから成ることを特徴とする翼の製造方法。 - 【請求項6】 円筒状素材の一部に形成された複数の羽
根部が、折り目が円周方向に対して所定の傾き角を持つ
ようにして軸線と直交する方向に折り曲げられて成る
翼。 - 【請求項7】 上記円筒状素材の羽根部とこの羽根部以
外の基部とで板厚、材質、剛性の少なくとも1つが異な
ることを特徴とする請求項6に記載の翼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28020096A JPH10109131A (ja) | 1996-10-01 | 1996-10-01 | 翼およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28020096A JPH10109131A (ja) | 1996-10-01 | 1996-10-01 | 翼およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10109131A true JPH10109131A (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=17621711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28020096A Pending JPH10109131A (ja) | 1996-10-01 | 1996-10-01 | 翼およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10109131A (ja) |
-
1996
- 1996-10-01 JP JP28020096A patent/JPH10109131A/ja active Pending
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