JPH10108927A - ゴルフクラブヘッド打撃面用材料およびその製造方法 - Google Patents
ゴルフクラブヘッド打撃面用材料およびその製造方法Info
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- JPH10108927A JPH10108927A JP8281599A JP28159996A JPH10108927A JP H10108927 A JPH10108927 A JP H10108927A JP 8281599 A JP8281599 A JP 8281599A JP 28159996 A JP28159996 A JP 28159996A JP H10108927 A JPH10108927 A JP H10108927A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ゴルフボールに大きな回転力を与え、また飛
距離を伸ばすことができるように、ゴルフクラブヘッド
の打撃面を改質する。 【解決手段】 ゴルフクラブヘッドの平坦な打撃面にス
トライプ状の硬度分布を付与する。その具体的手段とし
て、硬度の異なる２種以上の材料を交互に重ね合わせて
拡散接合するかまたはストライプ状にレーザービームを
照射して熱処理し、ストライプ状の硬度分布を前記打撃
面に付与する。
距離を伸ばすことができるように、ゴルフクラブヘッド
の打撃面を改質する。 【解決手段】 ゴルフクラブヘッドの平坦な打撃面にス
トライプ状の硬度分布を付与する。その具体的手段とし
て、硬度の異なる２種以上の材料を交互に重ね合わせて
拡散接合するかまたはストライプ状にレーザービームを
照射して熱処理し、ストライプ状の硬度分布を前記打撃
面に付与する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブヘッ
ド打撃面用材料およびその製造方法に関するものであ
る。
ド打撃面用材料およびその製造方法に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】従来、ゴルフクラブでゴルフボールを打
撃した際にボールの飛距離を伸ばすため、またはボール
に十分な回転を加えるために、ゴルフクラブヘッドの打
撃面に種々の工夫や提案がなされている。例えば、打撃
面にヘッド本体よりも強度の大きな材料を用いることに
より飛距離を伸ばそうとしたり、これとは全く逆に展延
性に富む材料を用いることにより、ボールの打撃時に弾
性変形させ、同様にボールの飛距離を伸ばそうとする提
案がなされている。しかし、いずれも五十歩百歩でさほ
ど改善されていないのが現状である。また、打撃面に適
度な粗さまたはスコアライン（溝）を形成することによ
ってボールと打撃面との摩擦力を大きくし、ボールへの
回転力（スピン）を加える提案もなされている。
撃した際にボールの飛距離を伸ばすため、またはボール
に十分な回転を加えるために、ゴルフクラブヘッドの打
撃面に種々の工夫や提案がなされている。例えば、打撃
面にヘッド本体よりも強度の大きな材料を用いることに
より飛距離を伸ばそうとしたり、これとは全く逆に展延
性に富む材料を用いることにより、ボールの打撃時に弾
性変形させ、同様にボールの飛距離を伸ばそうとする提
案がなされている。しかし、いずれも五十歩百歩でさほ
ど改善されていないのが現状である。また、打撃面に適
度な粗さまたはスコアライン（溝）を形成することによ
ってボールと打撃面との摩擦力を大きくし、ボールへの
回転力（スピン）を加える提案もなされている。
【０００３】ボールにスピンがかけられるメカニズムに
ついてはかなり複雑であるが、その要因の主なものとし
て、打撃面すなわちフェースの材質、スコアライン
（溝）、クラブのロフト、ボールの材質などが挙げられ
る。図１は打撃瞬間時にボールに加わる力を模式的に示
しており、Ａはクラブヘッドの速度、Ｂはクラブ面に垂
直な力、Ｃはスピンをかける力、Ｄはボールの飛び出し
方向をそれぞれ示す。一般にスピンが良くかかるという
ことは、図１に示すように、Ｃの力がボールに加えられ
ているということである。この図から明かなように、打
撃瞬間時にボールが滑ってしまうと、ボールに十分な回
転速度を与えることができなくなる。これを防止するた
め、打撃面に適当な粗さとスコアラインをつけて摩擦力
を増加させスリップを起こさせないようにしている。し
かし、打撃表面の粗さとスコアラインの形状の制限か
ら、摩擦力には自ずと限界がある。このように効果的に
ボールに回転力を与えることが難しいというのが現状で
ある。
ついてはかなり複雑であるが、その要因の主なものとし
て、打撃面すなわちフェースの材質、スコアライン
（溝）、クラブのロフト、ボールの材質などが挙げられ
る。図１は打撃瞬間時にボールに加わる力を模式的に示
しており、Ａはクラブヘッドの速度、Ｂはクラブ面に垂
直な力、Ｃはスピンをかける力、Ｄはボールの飛び出し
方向をそれぞれ示す。一般にスピンが良くかかるという
ことは、図１に示すように、Ｃの力がボールに加えられ
ているということである。この図から明かなように、打
撃瞬間時にボールが滑ってしまうと、ボールに十分な回
転速度を与えることができなくなる。これを防止するた
め、打撃面に適当な粗さとスコアラインをつけて摩擦力
を増加させスリップを起こさせないようにしている。し
かし、打撃表面の粗さとスコアラインの形状の制限か
ら、摩擦力には自ずと限界がある。このように効果的に
ボールに回転力を与えることが難しいというのが現状で
ある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来のゴ
ルフクラブヘッドは、単に材料の種類と若干の表面状態
を変えているのみで、その打撃面の硬度分布が一様であ
り、また材料の種類と性質は自ずと限られていたが、本
発明では、このような打撃面を改質してボールに大きな
回転力を与え、また飛距離も十分に大きくできるように
することをねらいとしている。
ルフクラブヘッドは、単に材料の種類と若干の表面状態
を変えているのみで、その打撃面の硬度分布が一様であ
り、また材料の種類と性質は自ずと限られていたが、本
発明では、このような打撃面を改質してボールに大きな
回転力を与え、また飛距離も十分に大きくできるように
することをねらいとしている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意努力した結果、打撃面に硬度分
布を持たせた材料を使用することによってボールに大き
な回転力を与え、また飛距離も伸ばすことができること
を見いだした。この知見をもとに、本発明は、下記１〜
８を提供するものである。
題を解決するために鋭意努力した結果、打撃面に硬度分
布を持たせた材料を使用することによってボールに大き
な回転力を与え、また飛距離も伸ばすことができること
を見いだした。この知見をもとに、本発明は、下記１〜
８を提供するものである。
【０００６】１．ストライプ状の硬度分布を有する平坦
な打撃面を備えていることを特徴とするゴルフクラブヘ
ッド打撃面用材料。
な打撃面を備えていることを特徴とするゴルフクラブヘ
ッド打撃面用材料。
【０００７】２．硬度の異なる２種類以上の材料を拡散
接合した打撃面であることを特徴とする、上記１に記載
のゴルフクラブヘッド打撃面用材料。
接合した打撃面であることを特徴とする、上記１に記載
のゴルフクラブヘッド打撃面用材料。
【０００８】３．材料の表面をストライプ状に熱処理し
た打撃面であることを特徴とする、上記１に記載のゴル
フクラブヘッド打撃面用材料。
た打撃面であることを特徴とする、上記１に記載のゴル
フクラブヘッド打撃面用材料。
【０００９】４．打撃面にストライプ状の硬度分布と平
行に、さらにスコアラインが形成されていることを特徴
とする上記１〜３のそれぞれに記載のゴルフクラブヘッ
ド打撃面用材料。
行に、さらにスコアラインが形成されていることを特徴
とする上記１〜３のそれぞれに記載のゴルフクラブヘッ
ド打撃面用材料。
【００１０】５．硬度の異なる２種類以上の材料を交互
に重ね合わせ、これらを拡散接合してストライプ状の硬
度分布を有する平坦な打撃面を形成することを特徴とす
るゴルフクラブヘッド打撃面用材料の製造方法。
に重ね合わせ、これらを拡散接合してストライプ状の硬
度分布を有する平坦な打撃面を形成することを特徴とす
るゴルフクラブヘッド打撃面用材料の製造方法。
【００１１】６．打撃面となる材料に、ストライプ状の
熱処理を施してストライプ状の硬度分布を有する平坦な
打撃面を形成することを特徴とするゴルフクラブヘッド
打撃面用材料の製造方法。
熱処理を施してストライプ状の硬度分布を有する平坦な
打撃面を形成することを特徴とするゴルフクラブヘッド
打撃面用材料の製造方法。
【００１２】７．レーザーリメルトによりストライプ状
の熱処理を施すことを特徴とする上記６記載のゴルフク
ラブヘッド打撃面用材料の製造方法。
の熱処理を施すことを特徴とする上記６記載のゴルフク
ラブヘッド打撃面用材料の製造方法。
【００１３】８．打撃面にストライプ状の硬度分布と平
行に、さらにスコアラインを形成することを特徴とする
上記５〜７項のそれぞれに記載のゴルフクラブヘッド打
撃面用材料の製造方法。
行に、さらにスコアラインを形成することを特徴とする
上記５〜７項のそれぞれに記載のゴルフクラブヘッド打
撃面用材料の製造方法。
【００１４】
【発明の実施の形態】本発明のストライプ状の硬度分布
を有することを特徴とするゴルフクラブヘッドで打撃し
た瞬間に、ゴルフボールは硬度の大きいところと小さい
ところとが交互に配列されている複数のストライプ状部
分と接触する。その時、打撃面の硬度差は弾性変形量の
違いとなって、打撃面に凹凸が生じ、後述するようにボ
ールに大きな摩擦力が発生する。その結果ボールに大き
な回転力を与えることができる。
を有することを特徴とするゴルフクラブヘッドで打撃し
た瞬間に、ゴルフボールは硬度の大きいところと小さい
ところとが交互に配列されている複数のストライプ状部
分と接触する。その時、打撃面の硬度差は弾性変形量の
違いとなって、打撃面に凹凸が生じ、後述するようにボ
ールに大きな摩擦力が発生する。その結果ボールに大き
な回転力を与えることができる。
【００１５】一般に、アマチュアはボールの速度を速く
することはできないが、その分滞空時間をできるだけ長
くするとキャリーが伸びると言われている。そこでスピ
ン量を増やし、垂直方向の浮力を増大させ、滞空時間ひ
いてはキャリーを増加させることができる。しかし、プ
ロまたはそれに近い腕の人は、滞空時間が増加すると空
気抵抗や風の影響を受けやすくなり、むしろ飛距離は落
ちることになる。したがって、ボールの回転量によって
キャリーが大きくなるまたは小さくなるとは一概には言
えないのであるが、本発明のストライプ状の硬度分布を
有する打撃面は例えば、高特性のチタンをはめ込み拡散
接合して打撃面とすることにより、弾性力を高め、ミー
ト率（初速度／ヘッドスピード）を上げ、キャリーを上
げることができる。さらに、アマチュアが使用した場合
には、スピン量の増加の結果、滞空時間が増加し、キャ
リーの増加に貢献することになる。
することはできないが、その分滞空時間をできるだけ長
くするとキャリーが伸びると言われている。そこでスピ
ン量を増やし、垂直方向の浮力を増大させ、滞空時間ひ
いてはキャリーを増加させることができる。しかし、プ
ロまたはそれに近い腕の人は、滞空時間が増加すると空
気抵抗や風の影響を受けやすくなり、むしろ飛距離は落
ちることになる。したがって、ボールの回転量によって
キャリーが大きくなるまたは小さくなるとは一概には言
えないのであるが、本発明のストライプ状の硬度分布を
有する打撃面は例えば、高特性のチタンをはめ込み拡散
接合して打撃面とすることにより、弾性力を高め、ミー
ト率（初速度／ヘッドスピード）を上げ、キャリーを上
げることができる。さらに、アマチュアが使用した場合
には、スピン量の増加の結果、滞空時間が増加し、キャ
リーの増加に貢献することになる。
【００１６】特に本願発明のストライプ状の硬度分布を
有する打撃面を図２に示すようにアイアンヘッド（ロフ
ト角が大きいクラブ）に使用した場合は、スピン量が増
大するので、その分キャリー後のラン方向の運動量が弱
められ、ランが小さくなるという利点を生ずる。
有する打撃面を図２に示すようにアイアンヘッド（ロフ
ト角が大きいクラブ）に使用した場合は、スピン量が増
大するので、その分キャリー後のラン方向の運動量が弱
められ、ランが小さくなるという利点を生ずる。
【００１７】本発明におけるストライプ状の硬度分布を
有することを特徴とするゴルフクラブヘッド打撃面用材
料としては、典型的には金属材料またはセラミックス材
料あるいはこれらの複合材料を用いる。
有することを特徴とするゴルフクラブヘッド打撃面用材
料としては、典型的には金属材料またはセラミックス材
料あるいはこれらの複合材料を用いる。
【００１８】打撃面は一般に平坦であるが、縁部などに
おいて湾曲しているものも、この「平坦な面」の概念に
含まれる。
おいて湾曲しているものも、この「平坦な面」の概念に
含まれる。
【００１９】ストライプ状の硬度分布を有する平坦な打
撃面を備えているゴルフクラブヘッド打撃面用材料の製
造方法としては、まず硬度分布の異なる２種類以上の材
料を適当な板材とし、これらを交互に積み重ね、その後
材料の界面を拡散接合することによって打撃面材料を形
成し、次にこの打撃面材料を図２に示すようにヘッド本
体に埋め込んで接合することにより得ることができる。
また、ゴルフクラブヘッドそのものを硬度分布の異なる
２種類以上の材料から構成し、これを拡散接合してヘッ
ド母材を作製し、これをさらにヘッドの形状に仕上げ加
工してゴルフクラブヘッド打撃面用材料とすることもで
きる。
撃面を備えているゴルフクラブヘッド打撃面用材料の製
造方法としては、まず硬度分布の異なる２種類以上の材
料を適当な板材とし、これらを交互に積み重ね、その後
材料の界面を拡散接合することによって打撃面材料を形
成し、次にこの打撃面材料を図２に示すようにヘッド本
体に埋め込んで接合することにより得ることができる。
また、ゴルフクラブヘッドそのものを硬度分布の異なる
２種類以上の材料から構成し、これを拡散接合してヘッ
ド母材を作製し、これをさらにヘッドの形状に仕上げ加
工してゴルフクラブヘッド打撃面用材料とすることもで
きる。
【００２０】ここで、拡散接合とは、材料を密着させて
融点以下の温度で、巨視的な塑性変形をできるだけ生じ
ない程度に加圧し、接合面に生じる原子もしくは空孔の
拡散を利用して結合を得る方法である。通常、機械加工
されて、十分洗浄を行った材料表面でも、微視的には凹
凸が存在し、異物の吸着や化合物層あるいは内部の微量
元素による偏析層等が存在し、新生面とはなっていな
い。そこで、両母材を加圧して接触面に滑り変形を生ぜ
しめ、母材を密着させると同時に新生面を露出させて接
合強度の増加を図る。また、滑り変形を容易にするため
および接合させる原子を活性化させるために加熱を行
う。
融点以下の温度で、巨視的な塑性変形をできるだけ生じ
ない程度に加圧し、接合面に生じる原子もしくは空孔の
拡散を利用して結合を得る方法である。通常、機械加工
されて、十分洗浄を行った材料表面でも、微視的には凹
凸が存在し、異物の吸着や化合物層あるいは内部の微量
元素による偏析層等が存在し、新生面とはなっていな
い。そこで、両母材を加圧して接触面に滑り変形を生ぜ
しめ、母材を密着させると同時に新生面を露出させて接
合強度の増加を図る。また、滑り変形を容易にするため
および接合させる原子を活性化させるために加熱を行
う。
【００２１】拡散接合は、母材同志を密着させて、融点
以下の温度で、ＨＩＰ、圧延、プレス、圧着もしくは爆
着等により接合することができる。このとき真空中また
は不活性ガス雰囲気中で接合を行うことが望ましい。セ
ラミックスと金属の拡散接合も同様に可能である。
以下の温度で、ＨＩＰ、圧延、プレス、圧着もしくは爆
着等により接合することができる。このとき真空中また
は不活性ガス雰囲気中で接合を行うことが望ましい。セ
ラミックスと金属の拡散接合も同様に可能である。
【００２２】また、ストライプ状の硬度分布を有する平
坦な打撃面を備えたゴルフクラブヘッド打撃面用材料の
別の製造方法として、レーザーリメルト法を用いること
ができる。レーザーリメルト法は、大気中で母材表面に
レーザービームを照射して部分的な熱処理を行う方法で
ある。レーザービームが照射された部分は高温に加熱さ
れるが、これを急冷することにより材料の組織を部分的
に変え、母材と異なる硬度をもつ材料とするもので、加
熱および冷却の条件の選定により種々の硬度をもつ材料
を作ることができる。
坦な打撃面を備えたゴルフクラブヘッド打撃面用材料の
別の製造方法として、レーザーリメルト法を用いること
ができる。レーザーリメルト法は、大気中で母材表面に
レーザービームを照射して部分的な熱処理を行う方法で
ある。レーザービームが照射された部分は高温に加熱さ
れるが、これを急冷することにより材料の組織を部分的
に変え、母材と異なる硬度をもつ材料とするもので、加
熱および冷却の条件の選定により種々の硬度をもつ材料
を作ることができる。
【００２３】また通常、レーザービーム照射時に発生す
るプラズマを破壊するためにアシストガスを照射部に吹
きかけるが、このときガスの種類を変えることによっ
て、ガス成分との合金化（炭化物あるいは窒化物等）を
生起させ母材とは異なった性質をもつ（特に硬度の高
い）処理領域を形成することができる。そしてこの場
合、アシストガスの流量を制御することにより、処理領
域の特性を変えることができる。また、レーザービーム
を照射し加熱する部分の幅を変えることによって、様々
なストライプ状硬度分布をもった材料を得ることができ
る。
るプラズマを破壊するためにアシストガスを照射部に吹
きかけるが、このときガスの種類を変えることによっ
て、ガス成分との合金化（炭化物あるいは窒化物等）を
生起させ母材とは異なった性質をもつ（特に硬度の高
い）処理領域を形成することができる。そしてこの場
合、アシストガスの流量を制御することにより、処理領
域の特性を変えることができる。また、レーザービーム
を照射し加熱する部分の幅を変えることによって、様々
なストライプ状硬度分布をもった材料を得ることができ
る。
【００２４】拡散接合の場合と同様に、予め別体の材料
にレーザーを照射してストライプ状の硬度分布を有する
平坦な打撃面材料を形成し、これをゴルフクラブヘッド
本体に埋め込んで接合するか、またはゴルフクラブ本体
の打撃面に直接レーザービームを照射してストライプ状
の硬度分布を有する平坦な打撃面を備えたゴルフクラブ
ヘッド打撃面材料を作製することができる。
にレーザーを照射してストライプ状の硬度分布を有する
平坦な打撃面材料を形成し、これをゴルフクラブヘッド
本体に埋め込んで接合するか、またはゴルフクラブ本体
の打撃面に直接レーザービームを照射してストライプ状
の硬度分布を有する平坦な打撃面を備えたゴルフクラブ
ヘッド打撃面材料を作製することができる。
【００２５】なお、ストライプ状の硬度分布をもつ打撃
面用材料としては、図２に示すような、異なった硬度を
もつ材料を交互に配置した材料が典型的なものである。
チタンおよびその合金を例にとると、ＣＰ−Ｔｉ（高純
度チタン、Ｈｖ１４０、なおレーザーリメルト部はＨｖ
３１０〜５３０を示す）、Ｔｉ−６−４合金（Ｈｖ２５
０〜３６０、なおレーザーリメルト部はＨｖ４５０〜５
１０）、Ｔｉ−１５−３−３−３合金（Ｈｖ２５０〜５
５０）等の材料を上げることができる、因みに、軟鉄
（Ｓ２５Ｃ）はＨｖ１５０、ステンレス（Ｓ６３０）は
Ｈｖ３７０を示す。
面用材料としては、図２に示すような、異なった硬度を
もつ材料を交互に配置した材料が典型的なものである。
チタンおよびその合金を例にとると、ＣＰ−Ｔｉ（高純
度チタン、Ｈｖ１４０、なおレーザーリメルト部はＨｖ
３１０〜５３０を示す）、Ｔｉ−６−４合金（Ｈｖ２５
０〜３６０、なおレーザーリメルト部はＨｖ４５０〜５
１０）、Ｔｉ−１５−３−３−３合金（Ｈｖ２５０〜５
５０）等の材料を上げることができる、因みに、軟鉄
（Ｓ２５Ｃ）はＨｖ１５０、ステンレス（Ｓ６３０）は
Ｈｖ３７０を示す。
【００２６】その他にも、図３（ａ）〜（ｆ）に示すよ
うに、一方の材料にストライプ状の溝を形成しその溝部
分に他の材料を嵌合するように配置したものや、異なっ
た硬度をもつ材料を交互に配置したうえさらに、その片
側あるいは両側に材料を接合したものなどに成型可能で
あり、ストライプ状の硬度分布をもつ打撃面用を備えた
ゴルフクラブヘッド打撃面用材料のもつ効果を得ること
ができる。そして、これらはいずれも本発明に含まれる
ものである。
うに、一方の材料にストライプ状の溝を形成しその溝部
分に他の材料を嵌合するように配置したものや、異なっ
た硬度をもつ材料を交互に配置したうえさらに、その片
側あるいは両側に材料を接合したものなどに成型可能で
あり、ストライプ状の硬度分布をもつ打撃面用を備えた
ゴルフクラブヘッド打撃面用材料のもつ効果を得ること
ができる。そして、これらはいずれも本発明に含まれる
ものである。
【００２７】
【実施例】以下、実施例に従って説明する。 （実施例１）厚さ２mmのＣＰ−Ｔｉ（高純度チタン）と
Ｔｉ−１５−３−３−３合金（１５％Ｖ−３％Ｓｎ−３
％Ｃｒ−３％Ａｌ、残部Ｔｉ）とを互い違いに並べ拡散
接合を行い打撃面用のプレートを作製した。ＣＰ−Ｔｉ
層、Ｔｉ−１５−３−３−３合金層の幅はともに３．５
ｍｍとした。ＣＰ−Ｔｉ層、Ｔｉ−１５−３−３−３合
金層の中央部にスコアラインを入れた。（図４参照）。
このプレートを図２に示すようにアイアンクラブの打撃
面に装着し、平均ヘッドスピード３７、４０、４３、４
６ｍ／ｓの４人の試験者によって打撃試験を行った。打
撃試験は各試験者ともに１０発のナイスショットが出る
まで行った。表１にその結果を示す。また、比較例１と
して打撃面に純チタンを装着した従来品について実施例
と同様の打撃試験を行った。その結果を表２に示す。本
発明の例である表１および比較例である表２から明らか
なように、本発明の打撃面用材料を用いた場合には、全
ての番手および全ての平均ヘッドスピードにおいてラン
の少ない打球になっている。また、トータル飛距離がほ
ぼ等しいことから、飛んで止まるゴルファーにとって非
常に望ましい打球となっていることがわかる。
Ｔｉ−１５−３−３−３合金（１５％Ｖ−３％Ｓｎ−３
％Ｃｒ−３％Ａｌ、残部Ｔｉ）とを互い違いに並べ拡散
接合を行い打撃面用のプレートを作製した。ＣＰ−Ｔｉ
層、Ｔｉ−１５−３−３−３合金層の幅はともに３．５
ｍｍとした。ＣＰ−Ｔｉ層、Ｔｉ−１５−３−３−３合
金層の中央部にスコアラインを入れた。（図４参照）。
このプレートを図２に示すようにアイアンクラブの打撃
面に装着し、平均ヘッドスピード３７、４０、４３、４
６ｍ／ｓの４人の試験者によって打撃試験を行った。打
撃試験は各試験者ともに１０発のナイスショットが出る
まで行った。表１にその結果を示す。また、比較例１と
して打撃面に純チタンを装着した従来品について実施例
と同様の打撃試験を行った。その結果を表２に示す。本
発明の例である表１および比較例である表２から明らか
なように、本発明の打撃面用材料を用いた場合には、全
ての番手および全ての平均ヘッドスピードにおいてラン
の少ない打球になっている。また、トータル飛距離がほ
ぼ等しいことから、飛んで止まるゴルファーにとって非
常に望ましい打球となっていることがわかる。
【００２８】
【表１】
【００２９】
【表２】
【００３０】（実施例２）厚さ２mmのＣＰ−Ｔｉ（高純
度チタン）に大気中でレーザービームによって熱処理を
行い、ストライプ状の硬度分布を有する打撃面用のプレ
ートを作製した。ＣＰ−Ｔｉ層、レーザービーム熱処理
を行った層の幅はともに３．５ｍｍとした。それぞれの
層の中央部にスコアラインを入れた。このプレートを実
施例１の場合と同様にアイアンクラブの打撃面に装着
し、平均ヘッドスピード３７、４０、４３、４６ｍ／ｓ
の４人の試験者によって打撃試験を行った。打撃試験は
各試験者ともに１０発のナイスショットが出るまで行っ
た。表３にその結果を示す。本発明の例である表３およ
び比較例である前記表２から明らかなように、本発明の
打撃面用材料を用いた場合には全ての番手、全ての平均
ヘッドスピードにおいてランの少ない打球になってい
る。また、トータル飛距離がほぼ等しいことから、実施
例と同様に飛んで止まるゴルファーにとって非常に望ま
しい打球となっていることがわかる。
度チタン）に大気中でレーザービームによって熱処理を
行い、ストライプ状の硬度分布を有する打撃面用のプレ
ートを作製した。ＣＰ−Ｔｉ層、レーザービーム熱処理
を行った層の幅はともに３．５ｍｍとした。それぞれの
層の中央部にスコアラインを入れた。このプレートを実
施例１の場合と同様にアイアンクラブの打撃面に装着
し、平均ヘッドスピード３７、４０、４３、４６ｍ／ｓ
の４人の試験者によって打撃試験を行った。打撃試験は
各試験者ともに１０発のナイスショットが出るまで行っ
た。表３にその結果を示す。本発明の例である表３およ
び比較例である前記表２から明らかなように、本発明の
打撃面用材料を用いた場合には全ての番手、全ての平均
ヘッドスピードにおいてランの少ない打球になってい
る。また、トータル飛距離がほぼ等しいことから、実施
例と同様に飛んで止まるゴルファーにとって非常に望ま
しい打球となっていることがわかる。
【００３１】
【表３】
【００３２】
【発明の効果】本発明のストライプ状の硬度分布を有す
る平坦な打撃面を備えたゴルフクラブヘッドは、打撃の
瞬間に凹凸が生じ摩擦力が発生し、ボールに従来以上の
回転力を与えることが可能である。また、さらに打撃面
のストライプの幅や硬度を変えることにより、摩擦力、
弾性力、打撃面材料の重量が変わり、それによってボー
ルに与える回転量や初速度等を変えることができるた
め、目的に応じたゴルフクラブヘッド打撃面用材料を開
発することができるようになる。
る平坦な打撃面を備えたゴルフクラブヘッドは、打撃の
瞬間に凹凸が生じ摩擦力が発生し、ボールに従来以上の
回転力を与えることが可能である。また、さらに打撃面
のストライプの幅や硬度を変えることにより、摩擦力、
弾性力、打撃面材料の重量が変わり、それによってボー
ルに与える回転量や初速度等を変えることができるた
め、目的に応じたゴルフクラブヘッド打撃面用材料を開
発することができるようになる。
【図１】 ゴルフボールの打撃瞬間にボールに加わる力
を示す模式図
を示す模式図
【図２】 本発明の一例を示す打撃面用材料を備えたア
イアンクラブヘッドの正面図（ａ）と側面図（ｂ）
イアンクラブヘッドの正面図（ａ）と側面図（ｂ）
【図３】 本発明の打撃面用材料の他の例（ａ）〜
（ｆ）
（ｆ）
【図４】 打撃面用材料のストライプ状の拡散接合部材
とスコアラインを示す模式図
とスコアラインを示す模式図
Ａ：クラブヘッドの速度 Ｂ：クラブ面に垂直な力 Ｃ：スピンをかける力 Ｄ：ボールの飛び出し方向 １：スコアライン ２：ａ材 ３：ｂ材
Claims (8)
- 【請求項１】 ストライプ状の硬度分布を有する平坦な
打撃面を備えていることを特徴とするゴルフクラブヘッ
ド打撃面用材料。 - 【請求項２】 硬度の異なる２種類以上の材料を拡散接
合した打撃面であることを特徴とする、請求項１に記載
のゴルフクラブヘッド打撃面用材料。 - 【請求項３】 材料の表面をストライプ状に熱処理した
打撃面であることを特徴とする、請求項１に記載のゴル
フクラブヘッド打撃面用材料。 - 【請求項４】 打撃面にストライプ状の硬度分布と平行
に、さらにスコアラインが形成されていることを特徴と
する請求項１〜３項のそれぞれに記載のゴルフクラブヘ
ッド打撃面用材料。 - 【請求項５】 硬度の異なる２種類以上の材料を交互に
重ね合わせ、これらを拡散接合してストライプ状の硬度
分布を有する平坦な打撃面を形成することを特徴とする
ゴルフクラブヘッド打撃面用材料の製造方法。 - 【請求項６】 打撃面となる材料に、ストライプ状の熱
処理を施してストライプ状の硬度分布を有する平坦な打
撃面を形成することを特徴とするゴルフクラブヘッド打
撃面用材料の製造方法。 - 【請求項７】 レーザーリメルトによりストライプ状の
熱処理を施すことを特徴とする請求項６記載のゴルフク
ラブヘッド打撃面用材料の製造方法。 - 【請求項８】 打撃面にストライプ状の硬度分布と平行
に、さらにスコアラインを形成することを特徴とする請
求項５〜７項のそれぞれに記載のゴルフクラブヘッド打
撃面用材料の製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP28159996A JP3148132B2 (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | ゴルフクラブヘッド打撃面用材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP28159996A JP3148132B2 (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | ゴルフクラブヘッド打撃面用材料およびその製造方法 |
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|---|---|
| JPH10108927A true JPH10108927A (ja) | 1998-04-28 |
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ID=17641400
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP28159996A Expired - Fee Related JP3148132B2 (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | ゴルフクラブヘッド打撃面用材料およびその製造方法 |
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|---|---|
| JP (1) | JP3148132B2 (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1996-10-04 JP JP28159996A patent/JP3148132B2/ja not_active Expired - Fee Related
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