JPH10107771A - スペクトラム拡散通信方式 - Google Patents

スペクトラム拡散通信方式

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JPH10107771A
JPH10107771A JP27285396A JP27285396A JPH10107771A JP H10107771 A JPH10107771 A JP H10107771A JP 27285396 A JP27285396 A JP 27285396A JP 27285396 A JP27285396 A JP 27285396A JP H10107771 A JPH10107771 A JP H10107771A
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/69Spread spectrum techniques
    • H04B1/707Spread spectrum techniques using direct sequence modulation
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B2201/00Indexing scheme relating to details of transmission systems not covered by a single group of H04B3/00 - H04B13/00
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    • H04B2201/707Orthogonal indexing scheme relating to spread spectrum techniques in general relating to direct sequence modulation
    • H04B2201/70703Orthogonal indexing scheme relating to spread spectrum techniques in general relating to direct sequence modulation using multiple or variable rates

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単独、あるいは複数の送信局が同一の疑似ラ
ンダム符号を用い、各送信局が異なる搬送波周波数で互
いに重なるように信号を送信するスペクトラム拡散通信
方式において、これまで課題であったタイミング誤差の
影響を回避し、かつ、個々の通信局あたりの情報伝送速
度の高速化を図ることを目的とする。 【解決手段】 搬送波周波数間隔が情報伝送速度を単位
とする周波数量の整数倍となる複数の通信チャネルを1
つの複合通信チャネルと見なし、個々の通信局からはそ
の複合通信チャネルを時間軸上で分割利用しながら情報
伝送を行う、若しくは、その複合通信チャネルが空き状
態であるか否かを個々の通信局が受信信号をもとに判断
し、空き状態であれば自局からの情報伝送が開始可能と
判断して通信を行う、若しくは、その複合通信チャネル
に対し、各通信局ごとに異なる疑似ランダム符号系列を
割り当てて周波数拡散を行い、情報伝送を行うように構
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定衛星通信シス
テム、移動体衛星通信システム、固定陸上無線通信シス
テム、陸上移動体通信システム、無線LANシステム、
構内無線通信システム等の全ての無線通信システム、あ
るいは、光ファイバ、同軸ケーブル等の有線を用いて情
報伝送を行う全ての有線通信システムに適用されるダイ
レクトシーケンス(DS:Direct Sequen
ce)−スペクトラム拡散(SS:Spread Sp
ectrum)通信方式の多元接続方式として利用され
る。
【0002】
【従来の技術】従来技術であるDS−SS通信方式で
は、同一の周波数帯域を占有する同時通信局の各々に異
なる疑似ランダム符号(PN符号)が割り当てられ、そ
れらの符号間の相関が小さいことを利用して各局を識別
し、所望信号を抽出する符号分割多元接続(CDMA:
Code Division Multiple Ac
cess)方式により同時通信が行われていた。
【0003】CDMA方式を実現する送受信機の構成例
を図8に示す。図8は同時通信局数がkの場合を示して
おり、100−1〜100−kは2進符号化された各局
の情報信号、101−1〜101−kは情報信号100
−1〜100−kと疑似ランダム符号(PN符号)10
2−1〜102−kを2進乗算する乗算器、102−1
〜102−kは情報信号100−1〜100−kをスペ
クトル拡散するための疑似ランダム符号(PN符号)、
103−1〜103−kは乗算器101−1〜101−
kで得られたベースバンド信号を局部発振器104−1
〜104−kから出力される搬送波により変調する変調
器、105−1〜105−kは変調信号から送信に必要
な周波数成分を取り出すための帯域通過フィルタを各々
表している。スペクトラム拡散通信方式は有線通信シス
テム、無線通信システムともに用いることができ、同時
通信局からのSS信号はそれら伝送媒体中で多重化さ
れ、等価的に図の106に示される加算器として表され
る。また、107は受信信号から復調に必要な周波数成
分だけを抽出するための帯域通過フィルタ、112は帯
域通過フィルタ107の出力信号レベルを制御して一定
とするためのAGC(Automatic Gain
Control)、108は高周波信号を中間周波信号
に変換するための周波数変換器、109は周波数変換の
ために用いられる高周波信号を発生する周波数発振器、
110は帯域制限された受信信号から各通信局から送信
された情報を検出するための復調器、111は復調器に
より検出された情報信号を各々表している。
【0004】従来技術では、各通信局から同時送信され
る情報信号は、102−1〜102−kで互いに相関の
小さな異なる種類の疑似ランダム符号PN1〜PNkに
よりスペクトラム直接拡散変調される。ここで、周波数
発振器104−1〜104−kの発信周波数は同じf1
が使用される。次に、変調器により高周波信号に変調さ
れた信号は、105−1〜105−kの帯域通過フィル
タにより帯域制限された後、受信側に向けて送信され、
受信側では図9に示されるように中心周波数f1に通信
局1〜k局の送信波が重った状態で受信される。復調器
では、ある所望の情報信号を拡散するのに用いられた疑
似ランダム符号を用いて相関検波を実施することによ
り、同時に受信される複数の信号波の中から所望波だけ
を検出することが可能となる。
【0005】DS−SS通信方式では、スペクトラム直
接拡散変調に用いられる疑似ランダム符号として最大周
期系列(Maximum length sequen
ce:M系列)が良く知られている。しかし、符号長が
127のPN系列の最大周期系列は18個、255では
16個、511では48個しか存在せず、送信局を疑似
ランダム符号だけで識別するCDMA方式において数多
くの同時送信局を得るためには符号長の長い固有のPN
系列が多く存在する最大周期系列を用いる必要がある。
一方、同一周波数帯域を利用する同時通信局数を増やす
ために符号長の長い疑似ランダム系列を用いると、符号
の作成過程、相関器の構造、及び復調の仮定を極めて複
雑にするという問題が発生する。
【0006】また、従来技術では同じランダム符号を同
一周波数で使用することはできないため、多数の送信局
が同時に通信を行うためには図10のスペクトラム例の
ように各通信局が使用する周波数を変える必要がある。
図では、f1を中心周波数とする1からj局のグルー
プ、f2を中心周波数とする1からk局のグループが一
例として示されている。ここで同時通信局数をm倍、す
なわち同じ疑似ランダム符号を繰り返しm回使用するた
めには必要とする周波数帯域幅もm倍となるため、利用
できる通信帯域幅が制限されている通信システムでは、
自ずと同時に通信が行える局数が限られてしまう。ま
た、送信局に疑似ランダム符号を固定的に割り当てるの
ではなく、送信局からの通信要求に応じてその度ごとに
随時疑似ランダム符号を割り当てる方法も存在するが、
この手法を実現するための制御方法や装置は極めて複雑
なものとなる。
【0007】上記の課題を解決する手法として、全ての
同時通信局に共通に与えられた1つの疑似ランダム符号
だけを用いて多元接続を行う手法(CFO−SSMA方
式:Carrier Frequency Offse
t−Spread Spectrum Maltipl
e Access Method)が特許(特願平4−
91574、角谷、篠永、「スペクトラム拡散通信シス
テム」)として出願されている。本手法は、複数の送信
局が同一の疑似ランダム符号を用いて各々独立のディジ
タル情報をスペクトラム直接拡散変調し、図11のよう
に複数搬送波の中心周波数を互いに異なるようにし、信
号波の占有周波数帯域を互いに重なるよう設定して受信
側に送信することを特徴としている。このとき、各送信
局が互いに情報伝送速度の整数倍の周波数分だけ離れた
搬送波周波数を利用すれば、受信側では搬送波の中心周
波数が既知な所望波を帯域通過フィルタで抽出すること
により、他信号波の影響を受けずに所望する情報を受
信、復調することが理想的に可能となる。
【0008】このように、上記のCFO−SSMA方式
は互いに信号波の中心周波数を情報伝送速度の整数倍だ
け離して通信を行うため、スペクトラム拡散通信システ
ムにおいて同一の疑似ランダム符号を用いた場合でも、
各通信局が互いに干渉を与えることなく双方向ともに通
信を行うことができる。従って、疑似ランダム符号の数
が制限されているシステムにおいても、各送信局からの
信号波の中心周波数を情報伝送速度の整数倍だけずらす
ことにより疑似ランダム符号の再利用を行うことがで
き、限られた周波数帯域幅内において同時通信を行うこ
とのできる局数を大幅に増加させることができる。更
に、各通信局は同一の疑似ランダム符号を使用するため
通信装置の装置規模を小型化することも可能となる。
【0009】しかしながら、CFO−SSMA方式で
は、各送信局から同時送信されるスペクトラム直接拡散
変調波群のタイミングが受信側で一致した状態でなけれ
ば理想的に干渉のない通信を行うことができない。すな
わち、各送信局からのスペクトラム直接拡散変調波が受
信側において同期が取れた状態で受信されなければ、各
送信局からの信号が互いに干渉を引き起こし、伝送路の
回線品質を大きく劣化させるという課題が存在する。ま
た、各通信局が保有する受信機の復調回路を正常に動作
させるために、通常、復調回路への入力レベルを一定と
するAGC(Automatic Gain Cont
rol)が利用されるが、AGCは通信帯域幅内に存在
するスペクトラム直接拡散変調波数の如何に係わらず、
常に受信レベルを一定に保つため、波数に応じて希望波
の受信レベルが低下するといった問題が発生する。すな
わち、各通信局が保有する受信機は、希望波の相関値ピ
ークがある特定のスレッショルドレベルを越えるか否か
によりクロックタイミングの再生を行うが、波数が多い
場合AGCの影響により希望波の受信レベルが低下し、
相関値ピークがスレッショルドレベル以下となり、デー
タ再生が行えなくなるといった問題が発生する。この課
題を解決するためには、受信信号に含まれるスペクトラ
ム直接拡散変調波数に応じてスレッショルドレベルを変
更する必要があるが、これを実現するためには、装置規
模が複雑、かつ、大規模なものとなり現実的な解決方法
であるとは言えない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、全ての
同時通信局に共通に与えられた1つの疑似ランダム符号
だけを用いて多元接続を行うスペクトラム拡散通信方式
は、限られた周波数帯域を効率的に利用でき、かつ、簡
易な通信装置で実現できるといった利点を有する反面、
各送信局からのスペクトラム直接拡散変調波のタイミン
グが受信側において一致した状態で受信されなければ、
各送信局からのスペクトラム直接拡散変調信号が互いに
干渉を引き起こし、伝送路の回線品質を大きく劣化させ
るという課題が存在する。この課題を回避するために、
複数の送信局側と受信側とで信号のやりとりで局間同期
を確立する手法などの利用も考えられるが、同期確立を
高精度に行うための制御手順、及び、通信装置は極めて
複雑なものとなる。
【0011】本発明は、このような単独、あるいは複数
の送信局が同一の疑似ランダム符号を用い、各送信局が
異なる搬送波周波数で互いに重なるように信号を送信す
るスペクトラム拡散通信方式において、単独、あるいは
複数の送信局からのスペクトラム直接拡散変調波のタイ
ミング誤差により発生する回線品質劣化の問題を回避す
るとともに、AGCによる希望波信号レベル低下の問題
を解決し、かつ、各通信局あたりの情報伝送速度の高速
化を実現する通信チャネルの多重化方法、並びにアクセ
ス制御方式に関するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明によるスペクトラム拡散通信方式では、図3
に示すように搬送波周波数間隔が情報伝送速度を単位と
する周波数量の整数倍となる複数の通信チャネルの1つ
の複合通信チャネルと見なし、個々の通信局からはその
複合通信チャネルを用いて情報伝送を行うことにより、
搬送波周波数間隔が情報伝送速度を単位とする周波数量
の整数倍となる通信チャネル間のタイミング制御誤差を
発生させることなく、通信局あたりの情報伝送速度の高
速化、並びに高品質な通信回線の提供が図れる通信チャ
ネル多重化方法を用いることを特徴とする構成を有して
いる。
【0013】更に、本発明によるスペクトラム拡散通信
方式では、図4に示すようにある特定の帯域幅内で取り
得る搬送波周波数間隔が情報伝送速度を単位とする周波
数量の整数倍となる全ての通信チャネルを複数の複合通
信チャネル群に組分けし、個々の通信局は組分けされた
複数の複合通信チャネル群の何れかを用いて情報伝送を
行うことにより、個々の通信局あたりの情報伝送速度の
高速化を図れる通信チャネル多重化方法を用いることを
特徴とする構成を有している。尚、図4の複合通信チャ
ネル多重化方法は複数の複合通信チャネルが同じ通信チ
ャネルを共有する形態の場合について示しているが、こ
のチャネル多重化方法を利用するためには全複合通信チ
ャネルのタイミング同期が精度良く取れていることが前
提となる。したがって、各複合通信チャネル間のタイミ
ング同期が確立されていない場合には、各複合通信チャ
ネルは周波数軸上で重なりを持たないようなチャネル配
置をとる必要がある。
【0014】また、上記のスペクトル拡散通信方式にお
いて、図5に示すように個々の通信局が、ある特定の帯
域幅内に存在する複合通信チャネルを時間軸上で分割利
用しながら情報伝送を行うことにより、通信帯域幅の更
なる有効利用が図れることを特徴とする構成を有してい
る。尚、図5では各通信局が同じ時間長の通信スロット
を定期的に利用する方式を示しているが、通信スロット
のスロット長、繰り返しタイミング、各通信局への割り
当て方等は限定されず、任意の手法が適用できる。
【0015】また、図6に示すようにある特定の帯域幅
内に存在する複合通信チャネルが空き状態であるか否か
を個々の通信局が判断し、その通信チャネルが空き状態
であれば自局からの情報伝送が開始可能と判断し、伝送
すべき情報信号を情報量に応じて送信することにより、
通信帯域幅の更なる有効利用が図れることを特徴とする
構成を有している。
【0016】また、図7に示すようにある特定の帯域幅
内に存在する複合通信チャネルに対し、ある通信局に対
しては疑似ランダム符号系列Aを用いて周波数拡散を行
い、別の通信局に対しては疑似ランダム符号系列Aとは
異なる疑似ランダム符号系列Bを用いて周波数拡散を行
い、以下同様に異なる通信局に対しては異なる疑似ラン
ダム符号系列を用いて各々周波数拡散を行うことによ
り、同時に複数の通信局からの情報伝送を実施可能とす
ることにより、通信帯域幅の更なる有効利用が図れるこ
とを特徴とする構成を有している。但し、図7の複合通
信チャネル多重化方法は複数の複合通信チャネルが同じ
通信チャネル帯域幅を共有する形態となるが、このチャ
ネル多重化方法を利用するためには全複合通信チャネル
間のタイミング同期が精度良く取れていることが前提と
なる。
【0017】更には、上記の複合通信チャネルを時間軸
上で分割利用しながら情報伝送を行う手法、複合通信チ
ャネルが空き状態であるか否かを信号の有無により判断
する手法、並びに異なる疑似ランダム符号系列を用いて
周波数拡散を行う手法を何れか、あるいは全てを組み合
わせて用いることにより、更なる通信帯域幅の有効利用
が図れることを特徴とする構成を有している。
【0018】本発明方式を利用することにより、単独、
あるいは複数の通信局が同一の疑似ランダム符号系列を
用いて独立の情報データ系列を個別にスペクトラム直接
拡散変調し、互いに情報伝送速度の整数倍離れた搬送波
周波数を用いて通信を行うことを特徴とするスペクトラ
ム拡散通信システムにおいて、各通信局からは複数の通
信チャネルを複合通信チャネルとして同時に用いること
ができるため、従来システムよりも高速の情報伝送を行
うことができる。これにより、画像のリアルタイム伝送
など、従来システムでは不可能であった広帯域マルチメ
ディア通信を実現することができる。
【0019】更に、通信局から同時送信される複数の通
信チャネルは、通信局が保有するクロックによりタイミ
ング同期が取られているため、同期誤差による干渉を発
生させることなく、高品質の通信回線を提供することが
可能となる。また、1つの複合チャネルに含まれる通信
チャネル数が一定であるため、AGC出力点における各
通信チャネルの受信レベルが常時一定となり、データ判
定のためのスレッショルドレベルを固定することができ
る。これに伴い、同期確立を高精度に行うための複雑な
制御手順、並びにそれを実現するための高精度で高価な
クロック、並びにデータ判定用のスレッショルドレベル
適応制御回路等を使用する必要がなく、簡易で安価な通
信装置を実現することができる。
【0020】また、本発明方式は、様々な多元接続方式
に容易に適用可能であり、通信システムに割り当てられ
た限られた周波数帯域を効率的に利用することができ
る。尚、本発明方式はマルチセルシステムに対しても容
易に応用可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、本発明によるスペクトラム
拡散通信方式について、その実施例を以下に示す。
【0022】図1は本発明方式を実現する通信局の送信
機の構成例を示しており、複合通信チャネルを構成する
通信チャネル数がn、すなわち、同時送信を行うチャネ
ル数がnの場合を示している。図において、1は通信局
から送信する情報データ系列、2はシリアルなデータ系
列をn個の出力端子に順次繰り返し分配するシリアル−
パラレル変換器、3−1〜3−nは各通信チャネルごと
に変調される情報データ系列、4−1〜4−nは情報信
号と5のPN(Pseudo Noise:疑似ランダ
ム)符号発生器から出力される6−1〜6−nの疑似ラ
ンダム符号とを2進乗算する変調器、6−1〜6−nは
情報信号のスペクトルを拡散するための疑似ランダム符
号系列、7−1〜7−nは各通信チャネルごとに伝送さ
れるスペクトル拡散されたベースバンド信号、8−1〜
8−nは4−1〜4−nで得られたベースバンド信号7
−1〜7−nを各通信チャネルの搬送波周波数f1〜f
nに応じて変調をかける変調器、9−1〜9−nは各通
信チャネルの搬送波周波数f1〜fnを与える局部発振
器、10−1〜10−nは変調操作により高周波領域に
周波数変換されたスペクトラム拡散信号、11−1〜1
1−nは変調信号から送信に必要な周波数成分を取り出
す帯域通過フィルタ、12−1〜12−nは各帯域通過
フィルタから出力されるスペクトラム拡散信号、13は
各通信チャネルのスペクトラム拡散信号12−1〜12
−nを合成する信号合成器、14は信号合成器13の出
力信号であるスペクトラム拡散合成信号、15はスペク
トラム拡散合成信号の送信電力を増幅する共通増幅器、
16は共通増幅器15により電力増幅されたスペクトラ
ム拡散合成信号、17は通信帯域幅外輻射を削除するた
めの帯域制限フィルタ、18は帯域制限フィルタ17の
出力信号を各々表している。スペクトラム拡散通信方式
は有線通信システム、無線通信システムともに用いるこ
とができ、18のスペクトラム拡散合成信号はそれらの
伝送媒体を介して別の通信局に伝送される。尚、図では
通信局から送信される情報データ系列が1つの情報源か
ら出力される場合を想定しているが、各通信チャネルご
とに独立の情報源を割り当てる構成も当然考えられる。
更に、複数の情報源に対して複数の通信チャネルを各々
割り当てる構成も考えられる。また、図では示されてい
ないが、6−1〜6−nの疑似ランダム符号と9−1〜
9−nの局部発振器を入れ換えた構成も考えられる。
【0023】次に、図の本発明によるスペクトラム拡散
通信システムの送信機の動作原理を以下に説明する。
尚、各通信チャネルは同一の情報速度、同一の拡散率、
同一のクロックタイミングで送信が行われることを前提
として説明を行う。
【0024】情報データ系列1は、シリアル−パラレル
変換器2により、各通信チャネルに対応する出力ポート
に対して順次配分される。次に、シリアル−パラレル変
換されたデータ系列集合は、通信チャネルの情報伝送速
度に応じた時間タイミングにより、各通信チャネルが有
する変調器4−1〜4−nに対して順次同じタイミング
で送出される。変調器4−1〜4−nでは、PN符号発
生器5から出力される周期性を有する拡散符号系列6−
1〜6−nと、シリアル−パラレル変換器出力である情
報データ系列3−1〜3−nが乗積され、スペクトラム
拡散信号群7−1〜7−nに変換される。ここで、PN
符号発生器5から出力される拡散符号系列6−1〜6−
nは、各変調器4−1〜4−nにおいて完全に一致した
タイミングで情報データ系列群3−1〜3−nと乗積さ
れるため、従来方式で課題であった各通信チャネル間の
同期誤差は発生しない。次に、周波数拡散信号7−1〜
7−nは、各通信チャネルが有する局部発振器9−1〜
9−nにより与えられる周波数f1〜fnを中心周波数
とする信号に変換された後、帯域通過フィルタ11−1
〜11−nを通過する。最後に、各通信チャネルに対応
する各フィルタ出力は、周波数軸上で信号合成器13に
より多重化され、共通増幅器15により通信回線で必要
とされる信号電力に増幅、帯域制限用フィルタ17によ
り不要輻射電力が削除された後、通信回線に送信され
る。
【0025】以上の回路構成により、複合通信チャネル
を形成する複数の送信回路装置では、常に同じPN符号
発生器が源信として利用されるため、全通信チャネル間
のタイミングは常時一致することになる。
【0026】図2は本発明方式を実現する通信局の受信
機の構成例を示しており、複合通信チャネルを構成する
通信チャネル数がn、すなわち、同時送信を行うチャネ
ル数がnの場合を示している。図において、21は別の
通信局から送信された複合通信チャネル受信信号、22
は雑音除去用の受信フィルタ、23は受信フィルタ22
の出力信号、24は復調器を安定した状態で動作させる
ための自動利得制御器(AGC)、25はAGCの出力
信号、26−1〜26−nは複合通信チャネルを構成す
る各通信チャネルの搬送波周波数f0〜fnを受信機の
SAW(Surface Acoustic Wav
e)整合フィルタ31−1〜31−nの中心周波数f0
に周波数変換するための周波数変換器、27−1〜27
−nは各通信チャネルの中心周波数f1〜fnに対応す
る周波数を発生する局部発振器、28−1〜28−nは
周波数変換された各通信チャネルの中間周波受信信号、
29−1〜29−nは周波数拡散帯域幅外に存在する雑
音成分を除去するための帯域通過フィルタ、30−1〜
30−nは帯域通過フィルタの出力信号、31−1〜3
1−nはスペクトラム拡散信号から情報信号成分だけを
抽出するSAW整合フィルタ、32−1〜32−nは各
通信チャネルごとのSAW整合フィルタ出力信号、33
−1〜33−nはSAW整合フィルタ出力信号をベース
バンド信号に変換するための遅延検波回路、34−1〜
34−nは33−1〜33−nの遅延検波回路の出力信
号、35−1〜35−nは遅延検波出力信号に含まれて
いる高調波信号成分を除去し、情報信号成分のみを抽出
するための低域通過フィルタ、36−1〜36−nは情
報信号成分を含むベースバンド信号、37−1〜37−
nは遅延検波出力信号のピークポイント(判定ポイン
ト)における情報データ信号を判定するための判定器、
38−1〜38−nは各通信チャネルごとに得られた判
定データ系列、39は38−1〜38−nの判定データ
系列を元の連続データ系列に変換するためのパラレル−
シリアル変換器、40は39のパラレル−シリアル変換
器から出力される情報データ系列を各々表している。
【0027】図において、24のAGCは常時同じ電力
レベルで送信局からの送信信号を受信するよう動作する
ため、遅延検波回路からは通信チャネル数に応じた相関
値のピークレベルが出力される。このピークレベル値を
時間軸上で検出することにより、受信信号のシンボルタ
イミング、サンプリングタイミング等のクロックが再生
される。ここで、本発明方式では複合通信チャネルを構
成する通信チャネル数が一定であるため、32−1〜3
2−nの各SAW整合フィルタ出力レベルは常に一定に
近い状態となり、クロック再生用に設定される固定スレ
ッショルドレベルを相関値のピークレベルが常時安定し
て越えるため、従来方式で困難であったクロック再生用
の最適スレッショルドレベルの設定を容易に行うことが
できる。また、図1において説明したように、31−1
〜31−nの各SAW整合フィルタの入力点では、各通
信チャネルに対応するスペクトラム拡散信号のチップタ
イミングが完全に一致した状態となるため、従来方式で
課題であった通信チャネル間のチップタイミング誤差に
よる干渉の影響を全く受けることがなく、高品質の通信
回線を提供することができる。更に、各通信チャネルを
周波数変換した後の回路構成については、全て同一のフ
ィルタ素子、整合フィルタ素子、判定器素子を利用でき
るため、通信局の端末装置の構成も極めて簡素であり、
端末コストも十分押さえることが可能である。尚、個々
の通信チャネルごとに独立した情報データを伝送する場
合には、35のパラレル−シリアル変換器は不要とな
る。
【0028】以上のように、本発明方式による送受信装
置を利用し、複数の通信チャネルから構成される1つの
複合チャネルを、各通信局が順次利用することにより、
従来方式で問題となっていた各通信局間のチップタイミ
ング誤差の影響を考慮する必要なく、高速で、かつ、高
品質の通信回線を常時提供することが可能となる。
【0029】
【発明の効果】
(1)通信局から同時送信される複数の通信チャネル
は、通信局が保有するクロックにより完全にタイミング
同期が取れているため、タイミング誤差による干渉を発
生させることなく、高品質の通信回線を提供することが
可能となる。 (2)各通信局からは複数の通信チャネルを複合通信チ
ャネルとして同時に用いることができるため、従来シス
テムよりも高速の情報伝送を行うことができる。これに
より、画像のリアルタイム伝送など、従来システムでは
不可能であった広帯域マルチメディア通信を実現するこ
とができる。 (3)1つの複合チャネルに含まれる通信チャネル数が
一定であるため、AGC出力点における各通信チャネル
の受信レベルが常時一定となり、データ判定のためのス
レッショルドレベルを固定することができる。これによ
り、同期確立を高精度に行うための複雑な制御手順、並
びにそれを実現するための高精度で高価なクロック、並
びにデータ判定用のスレッショルドレベル適応制御回路
等を使用する必要がなく、簡易で安価な通信装置を実現
することができる。 (4)マルチセルシステムに対しても容易に応用可能で
あり、同一チャネル周波数の利用による隣接エリア間に
おける干渉問題を引き起こすことなく、回線品質の良い
通信システムを効率的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスペクトラム拡散通信方式の送信
機の構成法の実施例を示す図である。
【図2】本発明によるスペクトラム拡散通信方式の受信
機の構成法の実施例を示す図である。
【図3】本発明によるスペクトラム拡散通信方式の複合
通信チャネルの構成法の実施例を示す図である。
【図4】本発明によるスペクトラム拡散通信方式の複数
の複合通信チャネルを構成する手法の実施例を示す図で
ある。
【図5】本発明方式によるスペクトラム拡散通信方式の
複合通信チャネルを時間軸上で分割利用しながら情報伝
送を行う手法の実施例を示す図である。
【図6】本発明方式によるスペクトラム拡散通信方式の
複合通信チャネルの利用状況を各通信局が監視しながら
情報伝送を行う手法の実施例を示す図である。
【図7】本発明方式によるスペクトラム拡散通信方式の
複合通信チャネルに対し、各通信局が個別の拡散符号を
用いてスペクトラム拡散を実施し、情報伝送を行う手法
の実施例を示す図である。
【図8】従来の技術によるスペクトラム拡散通信方式の
構成例を示す図である。
【図9】従来の技術によるスペクトラム拡散通信方式の
スペクトル拡散信号波のチャネル多重化法を示す図であ
る。
【図10】従来の技術によるスペクトラム拡散通信方式
のスペクトル拡散信号波のチャネル配置例を示す図であ
る。
【図11】本発明が適用する搬送波周波数オフセット−
スペクトル拡散多元接続方式のスペクトル拡散信号波の
チャネル配置例を示す図である。
【符号の説明】
1 情報データ系列 2 シリアル−パラレル変換器 3−1〜3−n 情報データ系列 4−1〜4−n 変調器 5 PN符号発生器 6−1〜6−n PN(疑似ランダム)符号系列 7−1〜7−n スペクトラム拡散信号 8−1〜8−n 変調器 9−1〜9−n 局部発振器 10−1〜10−n スペクトラム拡散高周波信号 11−1〜11−n 帯域通過フィルタ 12−1〜12−n 帯域通過後スペクトラム拡散高周
波信号 13 信号合成器 14 スペクトラム拡散合成信号 15 共通増幅器 16 スペクトラム拡散合成信号 17 帯域制限用フィルタ 18 スペクトラム拡散合成送信信号 21 複合通信チャネル受信信号 22 受信フィルタ 23 受信フィルタ出力信号 24 自動利得制御器(AGC) 25 AGC出力信号 26−1〜26−n 周波数変換器 27−1〜27−n 局部発振器 28−1〜28−n 中間周波受信信号 29−1〜29−n 帯域通過フィルタ 30−1〜30−n 帯域通過フィルタ出力信号 31−1〜31−n SAW整合フィルタ 32−1〜32−n SAW整合フィルタ出力信号 33−1〜33−n 遅延検波回路 34−1〜34−n 遅延検波出力信号 35−1〜35−n 低域通過フィルタ 36−1〜36−n 低域通過フィルタ出力信号 37−1〜37−n 判定器 38−1〜38−n 判定データ系列 39 パラレル−シリアル変換器 40 情報データ系列 100−1〜100−n 情報データ系列 101−1〜101−n 変調器 102−1〜102−n 疑似ランダム符号 103−1〜103−n 変調器 104−1〜104−n 局部発振器 105−1〜105−n 帯域通過フィルタ 106 伝搬路モデルを表す合成器 107 帯域通過フィルタ 108 局部発振器 109 周波数変換器 110 復調器 111 判定データ系列 112 AGC

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単独、あるいは複数の通信局が同一の疑
    似ランダム符号系列を用いて複数の情報データ系列を個
    別にスペクトラム直接拡散変調し、該単独、あるいは複
    数の通信局は該スペクトラム直接拡散変調された複数の
    情報データ系列信号を、互いに情報伝送速度の整数倍離
    れた搬送波周波数を伝送帯域幅の中心周波数とする通信
    チャネルを用いて無線、あるいは有線伝送路において通
    信を行うことにより、同一構成の通信装置によって該複
    数の通信チャネル間で互いに干渉の少ない通信を実現す
    るスペクトラム拡散通信システムにおいて、 該搬送波周波数間隔が情報伝送速度を単位とする周波数
    量の整数倍となる複数の通信チャネルを1つの複合通信
    チャネルと見なし、個々の通信局は該複合通信チャネル
    全体を用いて情報伝送を行うことにより、該個々の通信
    局あたりの情報伝送速度の高速化を図ることを特徴とす
    るスペクトラム拡散通信方式。
  2. 【請求項2】 単独、あるいは複数の通信局が同一の疑
    似ランダム符号系列を用いて複数の情報データ系列を個
    別にスペクトラム直接拡散変調し、該単独、あるいは複
    数の通信局は該スペクトラム直接拡散変調された複数の
    情報データ系列信号を、互いに情報伝送速度の整数倍離
    れた搬送波周波数を伝送帯域幅の中心周波数とする通信
    チャネルを用いて無線、あるいは有線伝送路において通
    信を行うことにより、同一構成の通信装置によって該複
    数の通信チャネル間で互いに干渉の少ない通信を実現す
    るスペクトラム拡散通信システムにおいて、 ある特定の帯域幅内で取り得る該搬送波周波数間隔が情
    報伝送速度を単位とする周波数量の整数倍となる全ての
    通信チャネルを複数の複合通信チャネル群に組分けし、
    個々の通信局は該組分けされた複数の複合通信チャネル
    群の何れかを用いて情報伝送を行うことにより、該個々
    の通信局あたりの情報伝送速度の高速化を図ることを特
    徴とするスペクトラム拡散通信方式。
  3. 【請求項3】 上記請求項1および2のスペクトラム拡
    散通信方式において、個々の通信局が、ある特定の帯域
    幅内に存在する複合通信チャネルを時間軸上で分割利用
    しながら情報伝送を行うスペクトラム拡散通信方式。
  4. 【請求項4】 上記請求項1および2のスペクトラム拡
    散通信方式において、ある特定の帯域幅内に存在する複
    合通信チャネルが空き状態であるか否かを個々の通信局
    が受信信号をもとに判断し、該複合通信チャネルが空き
    状態であれば自局からの情報伝送が開始可能と判断して
    通信を行うスペクトラム拡散通信方式。
  5. 【請求項5】 上記請求項1および2のスペクトラム拡
    散通信方式において、ある特定の帯域幅内に存在する複
    合通信チャネルに対し、ある通信局に対しては疑似ラン
    ダム符号系列Aを用いて周波数拡散を行い、別の通信局
    に対しては該疑似ランダム符号系列Aとは異なる疑似ラ
    ンダム符号系列Bを用いて周波数拡散を行い、以下同様
    に異なる通信局に対しては異なる疑似ランダム符号系列
    を用いて各々周波数拡散を行うことにより、同時に複数
    の通信局からの情報伝送を実施可能とするスペクトラム
    拡散通信方式。
  6. 【請求項6】 上記請求項1および2を基本とする上記
    請求項3〜6の組み合わせにより実現されるスペクトラ
    ム拡散通信方式。
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