JPH10104181A - 電子スピン共鳴の測定法および電子スピン共鳴測定装置 - Google Patents

電子スピン共鳴の測定法および電子スピン共鳴測定装置

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JPH10104181A
JPH10104181A JP25585896A JP25585896A JPH10104181A JP H10104181 A JPH10104181 A JP H10104181A JP 25585896 A JP25585896 A JP 25585896A JP 25585896 A JP25585896 A JP 25585896A JP H10104181 A JPH10104181 A JP H10104181A
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spin resonance
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Naohiro Tanno
直弘 丹野
Hiroaki Oya
博昭 大矢
Koichi Fukui
孝一 福井
Katsuhiro Uno
克宏 鵜野
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YAMAGATA PREF GOV TECHNOPOLIS
YAMAGATA PREF GOV TECHNOPOLIS ZAIDAN
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YAMAGATA PREF GOV TECHNOPOLIS
YAMAGATA PREF GOV TECHNOPOLIS ZAIDAN
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Abstract

(57)【要約】 【目的】試料の部分から全体にわたるさまざまなスケー
ルの電子スピン共鳴現象を高感度で測定することができ
る電子スピン共鳴測定法および測定装置を提供する。 【構成】磁場と電磁波を印加した試料にレーザー光を照
射し、その透過光の変位を測定することによって試料の
電子スピン共鳴を測定することを含む、電子スピン共鳴
の測定法;および、試料管を挿入した空洞共振器、試料
管に電磁波を照射する電磁波発振器、空洞共振器中に磁
場を形成する磁場形成器、試料管にレーザー光を照射す
るレーザー光発振器および試料を透過したレーザー光の
変位を測定するレーザー光測定器を備えた電子スピン共
鳴測定装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常磁性体および強磁性
体等の試料中に存在する不対電子による電子スピン共鳴
の測定法並びにその測定装置に関する。さらに具体的に
言えば、試料の電子スピン共鳴吸収による温度変化に伴
う分散特性の変化をレーザー光を用いて検出することを
特徴とする電子スピン共鳴の測定法に関する。本発明の
測定方法によれば、微小領域の電子スピンを高感度で検
出し、電子スピンの空間分布を測定することが可能であ
る。
【0002】
【従来の技術】スピン量子数Sをもつ不対電子が静磁場
中に置かれると、不対電子の自転(スピン)により作ら
れる磁場と外部磁場との相互作用によってエネルギー準
位は2S+1個にゼーマン分裂する。電子スピン共鳴
は、その隣あった準位間のエネルギー差に等しい電磁波
を加えたときに共鳴的に吸収が起こる現象であり、その
測定は従来より電磁波の吸収または放射を測定すること
によって行われている。
【0003】このような電子スピン共鳴の測定は、不対
電子の有無や、不対電子と別の不対電子との間に働く相
互作用を調べること等を目的として行われる。不対電子
を有する物質は非常に化学的反応性が高いため、物質の
機能を探るうえで電子スピン共鳴の測定は極めて重要で
ある。また、電子スピン共鳴を測定すれば、試料を分解
せずに不対電子を有する物質のみを高感度で検出するこ
とができるため、該測定は強磁性体や常磁性体等の分析
に頻繁に利用されている。
【0004】従来より用いられている電子スピン共鳴測
定装置は、測定試料を入れた空洞共振器に電磁波を入射
して、その反射電磁波をモニターするものである。空洞
共振器と試料は電磁波に対して一種の共振回路を構成し
ているため、電子スピン遷移が起こることによって共振
回路のQ特性が変化する。このQ特性の変化によって反
射電磁波が増大することから、電子スピン共鳴を測定す
ることができる。Qは、共振器内部に蓄えられた電磁波
エネルギーと共振器と試料による損失エネルギーの比で
与えられる量であり、共振特性の良さを表すものであ
る。このため、より高いQが得られるようにこれまでに
様々な形状の共振器が考案されてきた。しかしながら、
最近では電子スピン共鳴の測定感度は理論的限界にきて
いる。
【0005】また、従来の電子スピン共鳴測定装置で
は、常磁性体の試料全体における平均値しか測定できな
いため、試料内における常磁性種の分布まで調べること
ができない。これは、従来の電子スピン共鳴測定装置で
は、試料全体からの反射電磁波しか原理的に測定できな
いためである。これに対して、近年になって常磁性体の
分布を測定する方法がいくつか提案され、実用化される
に至っている。これらは主に、磁場勾配を作る方法、局
所磁場を作る方法、あるいは電磁波を局所的に照射する
方法等によるものである。しかしながら、装置の物理的
な大きさに制限があること等により、何れの方法によっ
てもサブミクロンオーダーの位置分解能を実現すること
はできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの従
来技術の問題点を解消し、従来の電子スピン共鳴測定法
よりも高空間分解能で高感度な測定法を提供することを
目的とする。また、本発明は、試料の部分から全体にわ
たるさまざまなスケールの電子スピン共鳴を測定する方
法を提供し、磁性体のスピン分布を測定し得るようにす
ることを目的とする。さらに、本発明はこれらの方法を
実施するための電子スピン共鳴測定装置を提供すること
をも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、磁場と電磁波を印
加した磁性体試料にレーザー光を照射してその透過光を
調べたところ、電子スピン共鳴が生じる条件において透
過光が変位することを見いだした。本発明は、この透過
光の変位を測定することによって、電子スピン共鳴の測
定を行うことを特徴とするものである。
【0008】この測定方法の原理は以下のとおりであ
る。電子スピン共鳴が起こると、低エネルギー準位にあ
る不対電子は高エネルギー準位に励起される。高エネル
ギー準位に励起された不対電子の大部分は、その後電磁
波を放出してもとの低エネルギー準位に直接遷移する。
しかし、一部の電子はこのような直接遷移を経ずに、格
子振動の形で周囲の原子にエネルギーを分散させて熱を
発生する。一般に、分子は温度に応じた熱振動をしてお
り、振動の大きさに応じた屈折率を有している。したが
って、電子遷移による発熱が起こると、その周囲におけ
る分子振動が大きくなり屈折率が変化するとともに、熱
膨張等の物理的な形態の変化も生じる。このような屈折
率変化や形態変化が生じた試料にレーザー光を照射する
と、レーザー光が変位を受ける。したがって、透過レー
ザー光の変位を検出することによって、電子スピン共鳴
を測定することができるのである。本発明の電子スピン
共鳴測定法では、従来の測定法と同様に磁場掃引して透
過レーザー光の変位を測定することができる。
【0009】レーザー光は、集光性に優れており、微小
領域にエネルギーを集中させることができるという特徴
を有している。このため、レーザー光を照射する面積の
広狭を比較的広範囲に調節することが可能である。した
がって、本発明の測定法によれば、試料全体にレーザー
光を照射して試料全体の電子スピン共鳴を測定すること
ができるだけでなく、試料の一部に局所的にレーザー光
を照射してその部分の電子スピン共鳴を測定することも
可能である。このようにして不対電子の位置を高精度で
特定することができれば、試料の性質や機能をより詳細
に知ることができるとともに、新たな材料設計や電子状
態の理論的研究に関する示唆を得ることもできる。この
ような本発明の測定法によれば、従来の電子スピン共鳴
測定法では不可能であったサブミクロンオーダーの測定
が可能になることから、その応用範囲は広範囲にわたる
ことが期待される。
【0010】また、レーザー光は位相が揃ったコヒーレ
ントな光であることから、干渉法を用いた位相敏感検出
によって光の波長以下の僅かな変化まで検出することが
できる。したがって、本発明の測定法によれば、従来の
電子スピン共鳴の測定法に比べて感度と空間分解能が格
段に高い測定を行うことができる。このため、微量の試
料の分析に本発明の方法は極めて有効であり、磁性体の
スピン分布を効率よく測定することができる。さらに、
レーザー光は波長選択性が高いことから、特定の物質に
対して選択的な感度を示すように設定することも可能で
ある。したがって、本発明の方法によれば、数種の磁性
体の混合物から特定の磁性体種を選択的に検出すること
も期待できる。
【0011】本発明で使用するレーザー光の種類は、特
に制限されない。このため、市販の気体レーザー光、液
体レーザー光、固体レーザー光を適宜用いることが可能
である。検出感度を高くしたい場合は、波長が短いレー
ザー光を選択する方が有利である。また、上述のように
特定の磁性体種を選択的に検出する場合は、その磁性体
種に対応した特定の波長を選択する必要がある。
【0012】レーザー光の変位の測定は種々の方法によ
り行うことができる。試料を透過した透過光を直接検出
してもよいし、レーザー光の性質を利用した高感度測定
を行ってもよい。後者の例として、試料透過光と参照光
の干渉光を測定することによって試料の屈折率変化を光
波の位相のずれとして検出する方法がある。また、レー
ザー光の偏光状態の変化を検出することによって電子ス
ピン共鳴を高感度に測定する方法もある。この方法は、
外部磁場により共鳴状態にある試料に偏光を入射する
と、試料の分散特性の変化に伴って試料内部の磁化ベク
トルが変化し、透過光の偏光状態が変化する現象を利用
したものである。これらの測定方法の詳細は、以下に記
載する電子スピン共鳴測定装置の記載において説明す
る。
【0013】本発明の電子スピン共鳴測定装置は、試料
管を挿入した空洞共振器、電磁波発振器、空洞共振器中
に磁場を形成する磁場形成器、レーザー光発振器および
レーザー光検出器を備えている。本発明の装置におい
て、電磁波発振器は該電磁波発振器から発振される電磁
波が試料管を照射するように設置されている。また、レ
ーザー光発振器は該レーザー光発振器から発振されるレ
ーザー光が試料管を照射するように設置されており、レ
ーザー光検出器は試料を透過したレーザー光を検出する
ように設置されている。
【0014】感度を高めるために、本発明の電子スピン
共鳴測定装置に変調器を設置して透過光を同期検波する
ように設定することができる。すなわち、レーザー光発
振器から発振されたレーザー光を試料照射前に変調する
変調器を設置し、試料を透過した透過光を同期検波する
機能をレーザー光測定器に持たせることによって、より
高感度な電子スピン共鳴測定装置にすることができる。
また、透過光を照射光と干渉させる手段を設置して干渉
縞を形成し、レーザー光測定器によって形成された干渉
縞の変化を測定するように設定することもできる。この
とき、レーザー光検出器をレンズのフーリエ変換面に置
けば、干渉縞の空間フーリエ変換像の変化を測定するこ
ともできる。
【0015】また、SN比を高めるためにスペイシャルフ
ィルターを設置して、レーザー光を試料照射前に波面整
形しておくこともできる。さらに、偏光子を設置してレ
ーザー光を直線偏光にし、レーザー光測定器によって偏
光特性の変化を測定するように設定することもできる。
また、偏光子の後に光弾性変調器をさらに設けて、直線
偏光を特定の変調周波数で周期的に変調させることもで
きる。
【0016】以下において、これらの本発明の電子スピ
ン共鳴装置を図面を参照しながら具体的に説明するが、
本発明の範囲はこれらの例に限定されるものではない。
図1は本発明の電子スピン共鳴装置の基本的な構造例を
示した図である。試料は空洞共振器3の中に挿入する。
発振器1より発振された電磁波は導波管を通って空洞共
振器3に入射し、回転磁場を発生させる。磁場コイル2
は共振器3の中に一様磁場を形成し、これによって空洞
共振器3のほぼ中央に置かれた試料中の電子スピンがゼ
ーマン分裂を起こす。分裂幅が電磁波のエネルギーに等
しくなると試料が電磁波を吸収して電子スピン共鳴が起
こり、スピンは回転磁場によりフリップする。
【0017】一方、光源4から発振したレーザー光は、
チョッパー5により周期的なオン/オフが行われ、共振
器3の試料挿入口を通って試料に入射する。試料を透過
したレーザー光はピンホール付きスクリーン12によりブ
ロックされ、その一部がレンズ6を透過して光ファイバ
ー7により検出器8まで伝達される。検出光はここで電
気信号に変換され、増幅器9でいったん増幅されたのち
ロックイン増幅器10においてチョッパー5のオン/ オフ
に同期して同期検波され増幅される。ロックイン増幅器
10からの出力は復調されて連続信号となり、記録計11に
より記録される。
【0018】試料に入射する電磁波の周波数および強度
を一定に保ち、外部磁場の強さを一定の割合で変化させ
ると、電子スピン共鳴が起こる磁場強度において試料が
電磁波を吸収する。吸収した電磁波エネルギーの大部分
は同じ周波数のマイクロ波の放射に変わるが、一部は熱
となって分子振動に変換され物質の分散特性を変化させ
る。この変化はプリズムのように作用し、透過するレー
ザー光の道筋を変える。その結果、ピンホール12を通過
して検出器8にはいる光の強度が変化する。図1の装置
は、このような原理によって電子スピン共鳴吸収を検出
するものである。
【0019】図2は、レーザー光の干渉を利用した電子
スピン共鳴測定装置の例を示したものである。機器1−
12は図1と同じである。光源4には、コヒーレントで直
線偏光を発振するレーザー光を用いるのが望ましい。レ
ーザー光の偏光面を偏光ビームスプリッタ13の斜め面に
対して垂直に入射すると、レーザー光は斜め面を通過し
て直進する。通過したレーザー光は、その直後に設置さ
れた4分の1波長板14によって円偏光に変換される。円
偏光は空洞共振器3の中に挿入された干渉セル15のセル
面に対して垂直に入射する。セル面は互いに平行な半透
鏡面15b と鏡面15a からなっており、試料はこれらの間
に入れられている。入射光の一部は試料の前面で半透鏡
15b により反射し、残りは試料を通過したのち後面の鏡
面15a により全反射する。二つの反射光は同一光路を伝
搬したのち、再び4分の1波長板14により直線偏光に変
換される。復路の偏光面は往路の場合に対して90度回転
しているので、反射光は偏光ビームスプリッタ13の斜め
面によって全反射して進行方向が90度変わる。その後、
反射光は検出器前に設置された結像レンズ16によって拡
大され、ピンホール付きスクリーン12に投影される。ス
クリーン上では、二つの光の波面が重なり合って干渉縞
を形成する。スクリーン上にはピンホールが開けられて
おり、そこを通過した干渉光が検出器8により電気信号
に変換される。この電気信号は前段増幅器9により増幅
され、チョッパー5に同期しているロックイン増幅器10
により復調されて、信号として記録計11により記録され
る。
【0020】干渉縞の強度は、二つの反射光波面の位相
差により決まり、光の波長の整数倍の位相差(同位相)
で最も強め合い、半波長の奇数倍(逆位相)で最も弱め
合う。試料の後面からの反射光は試料を2回通過してお
り、光路長は試料の屈折率の関数となる。発振器1と磁
場コイル2による励磁により試料に電子スピン共鳴が起
こると、試料がマイクロ波を吸収して発熱する。その結
果屈折率が変化して、二つの反射光の位相差が変化する
ため干渉光の強度が変化する。図2の装置は、このよう
な原理によって電子スピン共鳴吸収を検出するものであ
る。
【0021】図2の装置では、光の波長が短波長になる
ほど、また試料の厚さが厚くなるほど小さな屈折率変化
でも検出することができるようになり感度が向上する。
もっとも、試料の吸収特性によって使用し得る波長と試
料の厚みは自ずと制限されるので、測定感度は試料の種
類によって異なる。しかしながら、このことを逆に利用
すれば、これらのパラメーターを適当に制御することに
よって、特定の物質に対して選択的な感度を示す実験系
を構成することも可能である。
【0022】図3は、SN比が高い電子スピン共鳴測定装
置の例を示したものである。この装置では、レーザー光
をスペイシャルフィルター19に通して波面整形すること
によってSN比の向上を図っている。検出器にはダイオー
ド等の半導体検出器や光電子増倍管等を使用することも
できるが、図3に示すようにCCD や撮像管等の2次元面
検出器17を用いて干渉光の強度分布を測定することもで
きる。この干渉画像情報は計算機18に取り込んで様々な
画像解析に供することができる。例えば、電子スピン共
鳴によって干渉光が変化する際の変化前後の画像の差を
とることによって、電子スピン共鳴が試料のどの部位で
発生したかを知ることができる。この方法によれば、不
対電子の空間分布を複雑な機械的走査を行わずに測定す
ることができる。また、発振器1からの電磁波強度をピ
ンスイッチ等を用いて変調し、その変調周波数でロック
イン検出すればさらにSN比の向上を図ることもできる。
【0023】図3の装置においても、図2と同様に結像
レンズ16の結像面に検出器17を置けば干渉縞の画像が得
られ、上記の解析により電子スピン共鳴を測定すること
ができる。一方、検出器17をレンズ16のフーリエ変換面
に置けば、干渉縞の空間フーリエ変換像が得られる。電
子スピン共鳴によって試料の分散特性が変化すれば、干
渉縞のコントラストおよび縞間隔が変化し、干渉縞の空
間周波数が変化する。このため検出像の強度分布が変化
するため、電子スピン共鳴を測定することが可能にな
る。液体試料の対流等により干渉縞がシフトしても空間
フーリエ変換像は変化しないので、この方法によれば安
定な測定を行うことができる。
【0024】図4は、透過レーザー光の偏光特性の変化
を測定する電子スピン共鳴測定装置を示したものであ
る。機器1−11については図1と同様である。光源4を
出射したレーザー光は、チョッパー5を通過し偏光子20
を通過する。このとき光は直線偏光となり、空洞共振器
3中の試料を透過したのち検光子21に入射する。磁場コ
イル2による静磁界中に、常磁性体や強磁性体等の物質
内部に磁化を持つ物質を試料として置くと、内部磁化に
応じて入射偏光の偏光状態が試料透過時に変化する。一
方、磁場コイル2による静磁界に加えて発振器1による
回転磁場により試料に電子スピン共鳴が惹起されると、
発熱により温度が上昇して試料の分散特性が変わる。そ
れに応じて内部磁化が変化し、その磁場条件において透
過光の偏光特性の変化に異状が現れる。この異状を検出
するために、検光子21により特定の偏光軸に平行な直線
偏光成分のみを取り出し、偏光状態の変化を透過光量の
変化に変換する。電磁波の周波数および強度を一定にし
て磁場を掃引すると、磁場の大きさに応じて測定光強度
が単調に変化するが、電子スピン共鳴の起こる磁場にお
いて検出強度にリップルが生ずる。このようにして、電
子スピン共鳴の発生を検出することができる。チョッパ
ー5により光を強度変調する代わりに検光子21を回転さ
せ、この回転周波数に同期してロックイン増幅器10によ
り同期検波すればさらに高感度な測定が可能になる。
【0025】図5は、電子スピン共鳴による偏光の変化
をより高感度に検出するために、直線偏光を周期的に変
調させるように設定した電子スピン共鳴測定装置の例を
示したものである。この装置では、偏光子20の後に新た
に光弾性変調器23が設置される。この光弾性変調器は、
偏光子20を通過した直線偏光を変調周波数pで直線→楕
円→円→楕円の様に周期的に変調する。このような偏光
状態を変調する装置として、この他にE-O モジュレータ
やピエゾ振動子付きの水晶板等も使用することができ
る。試料を透過した光は、検光子21により特定の軸に射
影した直線偏光成分のみが取り出され、レンズ6、光フ
ァイバー7を経て検出器8で検出される。光源4からの
偏光を静磁場の方向と平行に試料に入射すると、磁性体
試料によって直線偏光の偏光面が回転し、右または左回
りのどちらかの円偏光の吸収が起こることが知られてい
る。試料への入射光の偏光状態が周期的に変化している
ため、このような試料による偏光の変化も周期的にな
る。この光が検光子21を通過すると、偏光面の回転が周
期2pの強度変動に変換され、また、円偏光の吸収が周期
pの変動に変換される。この光信号は検出器8において
電気信号に変換され、さらに前段増幅器9で増幅された
後、一段目のロックイン増幅器10によりチョッパー5の
周波数fで同期検波が行われる。出力信号は、直流成分
と偏光面の回転を表す周期2pの成分、および円偏光の吸
収を表す周期pの成分から成る。この出力は二つに分岐
し、その一方はローパスフィルタ16を通過させて直流成
分を取り出す。もう一方はさらに二段目のロックイン増
幅器15を用いて2p成分またはp成分で同期検波する。計
算機11によって、p成分と2p成分のそれぞれと直流成分
との比をとり、さらにいくつかの補正が行って偏光面の
回転や偏光の吸収を高精度に測定する。
【0026】電磁波により試料に電子スピン共鳴が起こ
ると、前記の偏光状態の変化の異状が発生する。その結
果、検出信号のpおよび2p成分が変動するため、電子ス
ピン共鳴を測定することができる。この装置において
も、偏光状態を変調する上記方法を用いれば、より高感
度の測定が可能になる。
【0027】本発明の測定対象となる試料は、常磁性体
や強磁性体等の不対電子を含む物質である。例えば、鉄
酸化物等の強磁性体;アルカリ金属、銅、アルミニウム
等の金属;グラファイトやカーボンファイバー;シリコ
ン、ゲルマニウム、ガリウム/ヒ素等の半導体;アルカ
リハライド結晶、石英等の色中心;チタン、バナジウ
ム、マンガン、鉄、コバルト、銅、ガドリニウム等の金
属錯体;MMA や酢酸ビニル等の高分子化合物;DPPH、TE
MPOL、TANOL 等のスピンラベル剤やスピンプローブ剤等
の有機ラジカル;TTF 塩やTCNQ塩等の有機金属;HRP や
ヘモグロビン、フェレドキシン等の金属酵素、金属蛋白
および血液;ビタミンC 、E 、K 、NADPH等のビタミン
および補酵素;メラニンや過酸化脂質等を含む血液成
分、組織および食品;歯や骨、貝、サンゴ等の化石、鉱
物、石炭および石油;ダイヤモンド、ルビー、真珠等の
宝石を測定対象とすることができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は下記の例に限定されることはな
い。
【0029】実施例1 本実施例において、本発明の電子スピン共鳴測定装置の
構成を具体的に説明し、電子スピン共鳴測定の結果を従
来法と比較する。本実施例で用いた電子スピン共鳴測定
装置の構成は、図1に示す通りである。図1における電
磁波発振器1、磁場コイル2および空洞共振器3には、
市販のXバンド電子スピン共鳴装置(日本電子製、JES-
RE3X)を用いた。試料には、鉄ガーネットの強磁性薄膜
を用いた。この試料を、約10cmの長さに切断した市販の
電子スピン共鳴用試料管の断面に張り付け、試料が共振
器の中央にくるように試料管ホルダーの取り付け位置を
調節した。
【0030】レーザー光は、市販のアルゴンイオンレー
ザー光励起によるチタニウムサファイアリングレーザー
光(コヒーレント製、INNOVA300 、899 Ring Laser)を
採用した。試料の透過および吸収特性に応じて、800nm
およびその倍高調波400nm の二つの波長を使い分けた。
チョッパー5は、等間隔に一定の幅に穴が開けられた円
盤を回転させることによって光をオン/オフするもので
あり、本実施例では市販装置(NF製、CH-353)を用い
た。光のオン/オフに同期してチョッパー5から発振さ
れるパルス信号は、ロックイン増幅器10の参照信号の入
力端子に接続して同期検波ができるようにした。
【0031】チョッパーによりオン/オフされた波長80
0nm のレーザー光を、試料の左側から膜面にほぼ垂直に
照射した。電磁波発振器より9GHzのマイクロ波を導波管
を通して空洞共振器内に導き、磁場コイルの磁場を0 −
800mT まで16分で掃引した。試料を透過した透過光は電
子スピン共鳴用試料管の中を伝搬し、試料管の右側に取
り付けたピンホール付きスクリーン12に到達した。ピン
ホール付きスクリーン12は、試料管の管璧からの散乱光
をブロックするために、電子スピン共鳴試料管の右端に
張り付けておくこともできる。スクリーン12に設けられ
ている直径1mm のピンホールを通過した透過光は、カッ
プリングレンズ6付き光ファイバー7(応用光電製、20
0mf )の中を伝搬させて検出器8に導いた。このように
して光ファイバーを用いたため、検出器8は自由に配置
することができた。
【0032】検出器8には、低ノイズの半導体検出器と
して、市販の前段増幅器9を内蔵したなだれフォトダイ
オードを用いた。フォトダイオードの出力をロックイン
増幅器10の入力に接続し、チョッパー5のチョッピング
周波数である700Hz で同期検波した。これによって、検
出器8および増幅器9の加算的ノイズをある程度除去す
ることができ、感度を向上させることができた。記録計
11には、電子スピン共鳴装置のレコーダーを用いた。ま
た、該レコーダーの代わりに、市販のコンピュータに出
力信号を入力し電磁波をかけて電子スピン共鳴を起こし
た場合と、電磁波を切った場合の信号強度を比較するこ
とにより電子スピン共鳴信号を抽出する操作も行った。
【0033】この装置を用いて、まず従来の測定方法に
従って、レーザー光を用いないで試料の電子スピン共鳴
を測定した。その結果、図6(a)に示すように磁場400mT
に幅広な微分型の電子スピン共鳴信号が確認された。次
に、本発明の測定方法に従って、レーザー光を試料の膜
面に垂直に照射し、その透過光を測定した。その結果や
はり磁場強度400mT 付近に積分型の信号が観測された。
コンピューターを用いてマイクロ波を入れてスピン共鳴
を起こした場合とマイクロ波を切った場合の検出光強度
の差を取った結果を添付の図6(b)に示す。従来の測定法
による電子スピン共鳴信号とほぼ同じ位置に信号のピー
クがあることが分かる。なお、磁場100mT にも信号が存
在するが、これはガーネット薄膜の磁化飽和現象を表し
ているもので電子スピン共鳴信号とは異なる現象であ
る。
【0034】以上の測定結果の比較により、レーザー光
を用いて電子スピン共鳴を測定することが可能であるこ
とが明らかになった。本発明の測定法によって得られた
電子スピン共鳴信号は、応答時間が非常に長く、半減期
がおよそ30秒にも達する点で、従来の測定法による信号
と著しく異なっている。これは通常の放射によるスピン
の遷移では考えられない長さであり、本発明の測定がス
ピンの無放射遷移に関係があることを示唆するものであ
る。すなわち、電子スピン共鳴吸収によるエネルギー
が、スピンの緩和に伴う熱拡散というゆっくりした過程
をたどって試料の屈折率を変化させ、この屈折率の空間
ゆらぎによってレーザー光がゆっくりと拡散、変位した
結果、ピンホールを通過する光の強度が変化し、電子ス
ピン共鳴信号として観測されたものと考えられる。
【0035】実施例2 本実施例において、干渉縞を測定する本発明の電子スピ
ン共鳴測定装置の構成を具体的に説明し、電子スピン共
鳴測定の結果を従来法と比較する。本実施例で用いた電
子スピン共鳴測定装置の構成は、図2に示す通りであ
る。図2において、マイクロ波発振器1、磁場コイル
2、空洞共振器3、カップリングレンズ6付き光ファイ
バー7、増幅器9内蔵フォトダイオード8、ロックイン
増幅器10および記録計11は、実施例1の装置と同じであ
る。しかし、通常の市販発振器ではマイクロ波の出力が
十分ではないので、市販のパルス電子スピン共鳴用パル
ス発振器(日本電子製、ES-HSP1 )に発振器を接続し、
パルス増幅器(リットン製、MODEL624)により照射マイ
クロ波を増幅した。このようにして、マイクロ波はパル
ス波として試料に照射した。
【0036】試料には、TEMPO(テトラメチルピペリジン
-N- オキシル) の1mol/l ベンゼン溶液を用いた。この
試料を、市販の溶液測定用平形電子スピン共鳴管(日本
電子製)15に注入し、空洞共振器3の中央にレーザー光
に対して干渉面が垂直になるようにホルダーで固定し
た。レーザー光は、市販のヘリウムネオンレーザー光
(メレスグリオ製、05-LHP-111、波長632.8nm )を採用
した。チョッパー5には、より高速回転の市販装置(NF
回路製、5584A )を用いた。このチョッパー5によりレ
ーザー光(ビーム径約3mm )を3kHzのパルス列に変調し
た。偏光ビームスプリッタ13(シグマ光機製、PBS-20-6
328 )および4分の1波長板14(シグマ光機製、WPQ-63
28-4M )は、赤外用(800nm)のものを用いた。これら
は、使用レーザー光の波長(632.8nm )に合わせたもの
を用いるのがより好ましい。レーザー光は、空洞共振器
の真横にある直径3mm の孔を通して試料に照射した。
【0037】レーザー光の一部は電子スピン共鳴管の手
前の半透鏡15b で反射し、一部は電子スピン共鳴管の後
の鏡面15a で反射した。反射した干渉光を市販の焦点距
離30mmのレンズ(シグマ光機製、SLB-30B-30PM)16によ
り約4倍に拡大した後、スクリーン12上に投影した。ス
クリーン12上には二つの反射光の干渉による干渉縞が観
察された。スクリーン12上にあけた約0.1mm の開口を通
して縞の一点における強度をフォトダイオード8で検出
した。発振器1より出力される9GHz のマイクロ波20mW
をパルス発振器により増幅し、パルス幅0.3 ミリ秒、パ
ルス間隔30ミリ秒として試料に照射し、325 ±25mTの範
囲で磁場掃引した。磁場掃引時間は16分、信号の積算時
間は1秒とした。
【0038】この装置を用いて、まず従来の測定方法に
従って、レーザー光を用いないで試料の電子スピン共鳴
を測定した。その結果、図7(a)に示すように磁場およそ
322.5mT に1本の微分信号が確認された。次に、本発明
の測定方法に従って、レーザー光を試料に照射し、その
反射光強度を測定した。その結果、図7(a)に示すように
やはり322.5mT に幅広な信号が観測された。この電子ス
ピン共鳴信号は、試料の電子スピンが共鳴してマイクロ
波を吸収し、一部が熱となり試料の屈折率を変化させた
ことによる干渉光の強度変化である。本発明の測定方法
の感度は、干渉セルの反射面15a および15b の面精度を
高くしたり、スペイシャルフィルタを用いたりすること
によって、さらに改善することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明は、試料を透過したレーザー光の
変位を測定することにより、電子スピン共鳴を測定する
全く新しい電子スピン共鳴測定方法を提供するものであ
る。本発明の方法によれば、試料の部分から全体にわた
る様々なスケールの電子スピン共鳴現象を高感度で調べ
ることが可能である。また、本発明を応用すれば、リア
ルタイムで電子スピン共鳴のイメージングを行なった
り、光学顕微鏡との組み合わせて物質の形態と機能を同
時に画像化することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子スピン共鳴測定装置の一例を表す
図である。
【図2】本発明の電子スピン共鳴測定装置の別の一例を
表す図である。
【図3】本発明の電子スピン共鳴測定装置の別の一例を
表す図である。
【図4】本発明の電子スピン共鳴測定装置の別の一例を
表す図である。
【図5】本発明の電子スピン共鳴測定装置の別の一例を
表す図である。
【図6】従来の測定法による電子スピン共鳴シグナル
(a) 、および本発明の測定法による透過光強度の変化
(b) を示すスペクトルである(実施例1)。
【図7】従来の測定法による電子スピン共鳴シグナル
(a) 、および本発明の測定法による透過光強度の変化
(b) を示すスペクトルである(実施例2)。
【符号の説明】
1電磁波発振器 2磁場発生器 3空洞共振器 4レーザー光源 5チョッパー 6カップリングレンズ 7光ファイバー 8光検出器 9前段増幅器 10ロックイン増幅器 11記録計 12ピンホール付きスクリーン 13ビームスプリッタ 144分の1波長板 15干渉セル 15a 鏡面 15b 半透鏡 16結像レンズ 172次元面検出器 18画像解析装置 19スペイシャルフィルタ 20偏光子 21検光子 22計算機 23光位相変調器 24ロックイン増幅器 25ローパスフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鵜野 克宏 山形県山形市あかねケ丘2−11−11 ロジ ュマンあかね102号

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場と電磁波を印加した試料にレーザー
    光を照射し、その透過光の変位を測定することによって
    試料の電子スピン共鳴を測定することを含む、電子スピ
    ン共鳴の測定法。
  2. 【請求項2】 試料を透過したレーザー光を反射させて
    再び試料を透過させた透過光の変位を測定する、請求項
    1の電子スピン共鳴の測定法。
  3. 【請求項3】 透過光の変位の測定を透過光と参照光を
    干渉させて位相敏感検出することによって行う、請求項
    1の電子スピン共鳴の測定法。
  4. 【請求項4】 位相敏感検出を2次元面検出器を用いた
    干渉縞の画像解析により行う、請求項3の電子スピン共
    鳴の測定法。
  5. 【請求項5】 位相敏感検出を,干渉縞を光学的に空間
    フーリエ変換し、その空間周波数特性の変化を検出する
    ことにより行う、請求項3の電子スピン共鳴の測定法。
  6. 【請求項6】 透過光の変位の測定を、透過光の偏光状
    態の変化を検出することにより行う、請求項1の電子ス
    ピン共鳴の測定法。
  7. 【請求項7】 試料に印加する電磁波の強度を変調し
    て、透過光を同期検波する、請求項1−6のいずれかの
    電子スピン共鳴の測定法。
  8. 【請求項8】 試料管を挿入した空洞共振器、試料管に
    電磁波を照射する電磁波発振器、空洞共振器中に磁場を
    形成する磁場形成器、試料管にレーザー光を照射するレ
    ーザー光発振器および試料を透過したレーザー光の変位
    を測定するレーザー光測定器を備えた電子スピン共鳴測
    定装置。
  9. 【請求項9】 レーザー光発振器から発振されたレーザ
    ー光を試料照射前に変調する変調器をさらに有し、レー
    ザー光測定器が試料を透過した透過光を同期検波する手
    段を備えている、請求項8の電子スピン共鳴測定装置。
  10. 【請求項10】 透過光を照射光と干渉させる手段をさ
    らに有し、レーザー光測定器が形成される干渉縞を測定
    する手段を備えている、請求項8の電子スピン共鳴測定
    装置。
  11. 【請求項11】 干渉縞のフーリエ変換像を形成する手
    段をさらに有し、レーザー光測定器が形成されるフーリ
    エ変換像を測定する手段を備えている、請求項10の電子
    スピン共鳴測定装置。
  12. 【請求項12】 レーザー光発振器から発振されたレー
    ザー光の波面整形を行うためのスペイシャルフィルター
    をさらに有する、請求項8の電子スピン共鳴測定装置。
  13. 【請求項13】 レーザー光発振器から発振されたレー
    ザー光を直線偏光にするための偏光子をさらに有し、レ
    ーザー光測定器が透過光の偏光特性の変化を測定する手
    段を備えている、請求項8の電子スピン共鳴測定装置。
  14. 【請求項14】 直線偏光を特定の変調周波数で周期的
    に変調させる光弾性変調器をさらに有する、請求項13の
    電子スピン共鳴測定装置。
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