JPH10102381A - 皮革様シートの製造方法 - Google Patents
皮革様シートの製造方法Info
- Publication number
- JPH10102381A JPH10102381A JP25662396A JP25662396A JPH10102381A JP H10102381 A JPH10102381 A JP H10102381A JP 25662396 A JP25662396 A JP 25662396A JP 25662396 A JP25662396 A JP 25662396A JP H10102381 A JPH10102381 A JP H10102381A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- leather
- weight
- particle size
- wood flour
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 天然皮革、特にバックスキンやスエードの代
替として用いることのできる、意匠性、触感に優れた合
成皮革の製造方法の提供。 【解決手段】 メタロセン触媒を用いて製造された、特
定の密度、メルトインデックス、Mw/Mnを有するポ
リオレフィン系樹脂と、この樹脂100重量部あたり平
均粒径が10〜200μmの木粉40〜250重量部を
含有する木粉含有樹脂組成物からなるシートの少なくと
も片面を、好ましくは粒度#60〜#400の破砕状の
研摩材を用いて研摩する。
替として用いることのできる、意匠性、触感に優れた合
成皮革の製造方法の提供。 【解決手段】 メタロセン触媒を用いて製造された、特
定の密度、メルトインデックス、Mw/Mnを有するポ
リオレフィン系樹脂と、この樹脂100重量部あたり平
均粒径が10〜200μmの木粉40〜250重量部を
含有する木粉含有樹脂組成物からなるシートの少なくと
も片面を、好ましくは粒度#60〜#400の破砕状の
研摩材を用いて研摩する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮革様の外観、特
にスエードやバックスキンに類似した外観をを呈するシ
ートの製造方法に関するものである。
にスエードやバックスキンに類似した外観をを呈するシ
ートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】天然皮革の代替として用いられる合成皮
革は、主に塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂或いは
ウレタン系樹脂を用いて、配合を調整したり、発泡させ
たり、あるいは特定の太さ・断面形状の繊維を用いたり
して製造されている。このような各種の合成皮革の中
で、塩化ビニル系樹脂を用いたものは価格的に安くて有
利であるが、耐久性、特に耐クリーニング性に劣り、ま
たポリアミド系樹脂を用いたものは柔軟性が不十分な場
合が多い。これに対し、ウレタン系樹脂を用いた合成皮
革は、耐摩耗性、耐屈曲疲労性、引張強度等の諸物性に
優れ、柔軟性の調整も容易であるので、履き物類、衣
類、鞄・袋物等に広く用いられている。
革は、主に塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂或いは
ウレタン系樹脂を用いて、配合を調整したり、発泡させ
たり、あるいは特定の太さ・断面形状の繊維を用いたり
して製造されている。このような各種の合成皮革の中
で、塩化ビニル系樹脂を用いたものは価格的に安くて有
利であるが、耐久性、特に耐クリーニング性に劣り、ま
たポリアミド系樹脂を用いたものは柔軟性が不十分な場
合が多い。これに対し、ウレタン系樹脂を用いた合成皮
革は、耐摩耗性、耐屈曲疲労性、引張強度等の諸物性に
優れ、柔軟性の調整も容易であるので、履き物類、衣
類、鞄・袋物等に広く用いられている。
【0003】しかしながら、ウレタン系樹脂を用いた合
成皮革類は、原料樹脂の価格が高いことと、合成皮革と
しての製造方法が複雑であることから、全般に高価であ
るという欠点があった。
成皮革類は、原料樹脂の価格が高いことと、合成皮革と
しての製造方法が複雑であることから、全般に高価であ
るという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】天然皮革、特にバック
スキンやスエードの代替として用いることができる、意
匠性、触感に優れた合成皮革の製造方法の提供。
スキンやスエードの代替として用いることができる、意
匠性、触感に優れた合成皮革の製造方法の提供。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、ポリオ
レフィン系樹脂と、該樹脂100重量部あたり木粉を4
0〜250重量部含有する木粉含有樹脂組成物であっ
て、該ポリオレフィン系樹脂がメタロセン触媒を用いて
重合して得られた、(a)エチレンと炭素原子数3〜1
2のα−オレフィンとの共重合体であって、(b)密度
が0.86 〜0.92g/cm3 、(c)メルトインデ
ックスが0.5〜40、かつ(d)重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比(以下、「Mw/M
n」と記す)が1.5〜5であるようなエチレン−α−
オレフィン共重合体(以下「ポリオレフィン系共重合
体」と記す)であり、かつ木粉の平均粒径が10〜20
0μmである木粉含有樹脂組成物からなるシートの少な
くとも片面を破砕状の研摩材を用いて研摩することを特
徴とする皮革様シートの製造方法、に存する。
レフィン系樹脂と、該樹脂100重量部あたり木粉を4
0〜250重量部含有する木粉含有樹脂組成物であっ
て、該ポリオレフィン系樹脂がメタロセン触媒を用いて
重合して得られた、(a)エチレンと炭素原子数3〜1
2のα−オレフィンとの共重合体であって、(b)密度
が0.86 〜0.92g/cm3 、(c)メルトインデ
ックスが0.5〜40、かつ(d)重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比(以下、「Mw/M
n」と記す)が1.5〜5であるようなエチレン−α−
オレフィン共重合体(以下「ポリオレフィン系共重合
体」と記す)であり、かつ木粉の平均粒径が10〜20
0μmである木粉含有樹脂組成物からなるシートの少な
くとも片面を破砕状の研摩材を用いて研摩することを特
徴とする皮革様シートの製造方法、に存する。
【0006】また、本発明の要旨は、上記の木粉含有樹
脂組成物からなるシートの厚さが0.075〜15mm
である皮革様シートの製造方法、及び破砕状の研摩材の
粒度が、JIS R−6001に規定された粒度で#6
0〜#400の範囲にある上述の皮革様シートの製造方
法にも存し、更に上記の方法により製造された皮革様シ
ートにも存している。
脂組成物からなるシートの厚さが0.075〜15mm
である皮革様シートの製造方法、及び破砕状の研摩材の
粒度が、JIS R−6001に規定された粒度で#6
0〜#400の範囲にある上述の皮革様シートの製造方
法にも存し、更に上記の方法により製造された皮革様シ
ートにも存している。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる特定の木粉含有樹脂組成物の主成分であ
るポリオレフィン系樹脂はメタロセン触媒を用いて重合
して得られた特定のエチレン−α−オレフィン共重合体
である。
本発明に用いる特定の木粉含有樹脂組成物の主成分であ
るポリオレフィン系樹脂はメタロセン触媒を用いて重合
して得られた特定のエチレン−α−オレフィン共重合体
である。
【0008】メタロセン触媒(シングルサイト触媒、カ
ミンスキー触媒ともいう)とは、特開平3−16308
8号公報、 特開平7−118431号公報、特開平7
−148895号公報等に示されているような、メタロ
セン系遷移金属錯体と有機アルミニウム化合物とからな
る触媒であり、無機物に担持されて使用されることもあ
る。
ミンスキー触媒ともいう)とは、特開平3−16308
8号公報、 特開平7−118431号公報、特開平7
−148895号公報等に示されているような、メタロ
セン系遷移金属錯体と有機アルミニウム化合物とからな
る触媒であり、無機物に担持されて使用されることもあ
る。
【0009】メタロセン系遷移金属錯体としては、例え
ばIVB族から選ばれる遷移金属(チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム)にシクロペンタジエニル基、置換シク
ロペンタジエニル基、ジシクロペンタジエニル基、置換
ジシクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデ
ニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロ
インデニル基、フルオニル基又は置換フルオニル基が配
位子として1個または2個配位しているか、またはこれ
らのうちの2つの基が共有結合で架橋したものが配位し
ており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アルコキシ基、アリール基、アセチルアセトナ
ート基等の配位子を有するものがあげられる。
ばIVB族から選ばれる遷移金属(チタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム)にシクロペンタジエニル基、置換シク
ロペンタジエニル基、ジシクロペンタジエニル基、置換
ジシクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデ
ニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラヒドロ
インデニル基、フルオニル基又は置換フルオニル基が配
位子として1個または2個配位しているか、またはこれ
らのうちの2つの基が共有結合で架橋したものが配位し
ており、他に水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、アル
キル基、アルコキシ基、アリール基、アセチルアセトナ
ート基等の配位子を有するものがあげられる。
【0010】また、有機アルミニウム化合物としては、
アルキルアルミニウムや鎖状もしくは環状のアルミノキ
サンが挙げられ、アルキルアルミニウムとしては、トリ
エチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジ
メチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウム
クロライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチル
アルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムフロ
ライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエ
チルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセ
スキクロライド等が例示でき、また鎖状もしくは環状の
アルミノキサンは上記のアルキルアルミニウムと水とを
接触させて生成させることができ、例えば、重合時にア
ルキルアルミニウムを加えておき、後で水を添加する
か、あるいは錯塩の結晶水または有機もしくは無機化合
物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させること
によって得ることができる。
アルキルアルミニウムや鎖状もしくは環状のアルミノキ
サンが挙げられ、アルキルアルミニウムとしては、トリ
エチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジ
メチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウム
クロライド、メチルアルミニウムジクロライド、エチル
アルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムフロ
ライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジエ
チルアルミニウムハイドライド、エチルアルミニウムセ
スキクロライド等が例示でき、また鎖状もしくは環状の
アルミノキサンは上記のアルキルアルミニウムと水とを
接触させて生成させることができ、例えば、重合時にア
ルキルアルミニウムを加えておき、後で水を添加する
か、あるいは錯塩の結晶水または有機もしくは無機化合
物の吸着水とアルキルアルミニウムとを反応させること
によって得ることができる。
【0011】メタロセン触媒を担持させるための担体と
しては、シリカゲル、ゼオライト、あるいは珪藻土等が
例示できる。エチレンと共重合するα−オレフィンとし
ては、炭素原子数が3から12のものを用いる。例え
ば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その一種または二
種以上の混合物が用いられる。エチレンに対するα−オ
レフィンの混合割合は5〜40重量%とするのが好まし
い。
しては、シリカゲル、ゼオライト、あるいは珪藻土等が
例示できる。エチレンと共重合するα−オレフィンとし
ては、炭素原子数が3から12のものを用いる。例え
ば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−
ペンテン、1−デセン等が挙げられ、その一種または二
種以上の混合物が用いられる。エチレンに対するα−オ
レフィンの混合割合は5〜40重量%とするのが好まし
い。
【0012】上記メタロセン触媒を用いて重合した、エ
チレン−α−オレフィン共重合体(ポリオレフィン系共
重合体)は、チーグラー触媒や、固体触媒等を用いて重
合したポリオレフィン系重合体に比べ、一般に柔軟性や
機械的強度等が優れている。本発明においては、上記の
共重合体のうち、密度が0.86〜0.92g/cm3で、
メルトインデックスが0.5〜40、より好ましくは
0.8〜30、かつゲルパーミエイションクロマトグラ
フィー(GPC)によって求められる重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
が1.5〜5、好ましくは2〜4の範囲のエチレン−α
−オレフィン共重合体をポリオレフィン系樹脂として使
用する。
チレン−α−オレフィン共重合体(ポリオレフィン系共
重合体)は、チーグラー触媒や、固体触媒等を用いて重
合したポリオレフィン系重合体に比べ、一般に柔軟性や
機械的強度等が優れている。本発明においては、上記の
共重合体のうち、密度が0.86〜0.92g/cm3で、
メルトインデックスが0.5〜40、より好ましくは
0.8〜30、かつゲルパーミエイションクロマトグラ
フィー(GPC)によって求められる重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
が1.5〜5、好ましくは2〜4の範囲のエチレン−α
−オレフィン共重合体をポリオレフィン系樹脂として使
用する。
【0013】本発明に用いる組成物は、上記のポリオレ
フィン系樹脂と該樹脂100重量部あたり40〜250
重量部の木粉とからなっている。木粉としては平均粒径
10〜200μmのもの、好ましくは30〜150μm
のものを使用する。本発明に使用する木粉の原料となる
木材の樹種は特に限定されないが、マツ、モミ、ツガ等
の針葉樹やポプラ等の広葉樹から選べばよい。これらの
木粉は、鋸屑(ソーダスト)としての切削粉等を、乾式
又は湿式粉砕または篩粉により平均粒径10〜200μ
mの粉末としたものを用いるのがよい。
フィン系樹脂と該樹脂100重量部あたり40〜250
重量部の木粉とからなっている。木粉としては平均粒径
10〜200μmのもの、好ましくは30〜150μm
のものを使用する。本発明に使用する木粉の原料となる
木材の樹種は特に限定されないが、マツ、モミ、ツガ等
の針葉樹やポプラ等の広葉樹から選べばよい。これらの
木粉は、鋸屑(ソーダスト)としての切削粉等を、乾式
又は湿式粉砕または篩粉により平均粒径10〜200μ
mの粉末としたものを用いるのがよい。
【0014】木粉の平均粒径が200μmを越える場合
には、押出成形時に摩擦抵抗による発熱が大きくなり、
木粉の分解によるガスの発生に伴う発泡や、着色が起こ
ったりするので好ましくない。また、平均粒径が10μ
m未満の微細な木粉では、粉砕や篩粉に手間がかかり、
また混合時に粉立ちが起きやすくなるのであまり好まし
くない。
には、押出成形時に摩擦抵抗による発熱が大きくなり、
木粉の分解によるガスの発生に伴う発泡や、着色が起こ
ったりするので好ましくない。また、平均粒径が10μ
m未満の微細な木粉では、粉砕や篩粉に手間がかかり、
また混合時に粉立ちが起きやすくなるのであまり好まし
くない。
【0015】なお、木粉の平均粒径はJIS篩によって
測定した各分画毎の重量の積算値が全体の50%となる
点の粒径として表したものである。また、木粉としては
平均粒径が上記の特定の範囲内にあり、かつ全体の70
重量%以上、好ましくは80重量%以上の木粉が上記の
粒径範囲内にあるものが好適である。
測定した各分画毎の重量の積算値が全体の50%となる
点の粒径として表したものである。また、木粉としては
平均粒径が上記の特定の範囲内にあり、かつ全体の70
重量%以上、好ましくは80重量%以上の木粉が上記の
粒径範囲内にあるものが好適である。
【0016】添加する木粉の量が、ポリオレフィン系樹
脂100重量部に対して40重量部未満では、研摩材に
よる研摩を行ってもスエード調の表面状態(意匠・触
感)は得られない。逆に、木粉の量が250重量部を超
えて多量に用いると、木粉と樹脂とを混練する時に粘度
が高くなり、押出機等による成形時に、シートの表面が
粗くなったり、シート端部の耳切れを生じやすくなった
りするため、生産性が悪化し、またシートの物性も低下
するので、やはり好ましくない。
脂100重量部に対して40重量部未満では、研摩材に
よる研摩を行ってもスエード調の表面状態(意匠・触
感)は得られない。逆に、木粉の量が250重量部を超
えて多量に用いると、木粉と樹脂とを混練する時に粘度
が高くなり、押出機等による成形時に、シートの表面が
粗くなったり、シート端部の耳切れを生じやすくなった
りするため、生産性が悪化し、またシートの物性も低下
するので、やはり好ましくない。
【0017】本発明の皮革様シートの製造に用いる木粉
含有樹脂組成物には、上記の成分以外に本発明の目的を
損なわない範囲で、無機フィラーや滑剤、界面活性剤、
粘着防止剤、顔料、抗菌剤等を添加してもよい。この木
粉含有樹脂組成物は、例えばポリオレフィン系共重合体
のペレットと所定量の上記特定の木粉とをバンバリーミ
キサーで混練することにより得ることができる。また、
その成形のためには、この組成物を加熱ロールでシート
に成形することができる。あるいは、ホットカット装置
を備えた二軸押出混練機を用いて、上記樹脂と木粉とを
混合・ペレット化しTダイ付の押出成形機にて成形を行
ってもよい。
含有樹脂組成物には、上記の成分以外に本発明の目的を
損なわない範囲で、無機フィラーや滑剤、界面活性剤、
粘着防止剤、顔料、抗菌剤等を添加してもよい。この木
粉含有樹脂組成物は、例えばポリオレフィン系共重合体
のペレットと所定量の上記特定の木粉とをバンバリーミ
キサーで混練することにより得ることができる。また、
その成形のためには、この組成物を加熱ロールでシート
に成形することができる。あるいは、ホットカット装置
を備えた二軸押出混練機を用いて、上記樹脂と木粉とを
混合・ペレット化しTダイ付の押出成形機にて成形を行
ってもよい。
【0018】添加する木粉は、樹脂と混練する前に予め
乾燥機やホッパードライヤーにて水分を除去してもよ
く、二軸押出機を用いる場合はホッパードライヤーを備
えた装置を用いてインラインで乾燥してもよい。木粉の
水分含水率は3〜7%の範囲であるのが好ましい。成形
温度は120〜190℃の範囲とするのが好ましい。成
形するシートの厚みは、0.075〜15mmの範囲であ
るのが好ましい。この厚みが0.075mm未満では、シ
ートの研摩処理が困難となり、一方厚さが15mmを越え
るような場合は成形速度が低下し、シートの生産性が著
しく劣ることとなる。より好ましいシートの厚みは0.
15〜5mmである。
乾燥機やホッパードライヤーにて水分を除去してもよ
く、二軸押出機を用いる場合はホッパードライヤーを備
えた装置を用いてインラインで乾燥してもよい。木粉の
水分含水率は3〜7%の範囲であるのが好ましい。成形
温度は120〜190℃の範囲とするのが好ましい。成
形するシートの厚みは、0.075〜15mmの範囲であ
るのが好ましい。この厚みが0.075mm未満では、シ
ートの研摩処理が困難となり、一方厚さが15mmを越え
るような場合は成形速度が低下し、シートの生産性が著
しく劣ることとなる。より好ましいシートの厚みは0.
15〜5mmである。
【0019】上記のようにして得られたシート状の木粉
含有樹脂成形品に皮革様、特にスエード調の外観を与え
るため、このシートの少なくとも片面を破砕状の研摩材
を用いて研摩する。破砕状の研摩材とは、研摩材の内、
主に研削、研摩用に用いられるダイヤモンド、コランダ
ム、アランダム、カーボランダム等の結晶片または粉、
あるいはこれらを布、紙、或いは不織布等に付着させた
ものを言う。また、スチールウールのような研摩材を用
いても良い。
含有樹脂成形品に皮革様、特にスエード調の外観を与え
るため、このシートの少なくとも片面を破砕状の研摩材
を用いて研摩する。破砕状の研摩材とは、研摩材の内、
主に研削、研摩用に用いられるダイヤモンド、コランダ
ム、アランダム、カーボランダム等の結晶片または粉、
あるいはこれらを布、紙、或いは不織布等に付着させた
ものを言う。また、スチールウールのような研摩材を用
いても良い。
【0020】この研摩材の粒度としては、JIS R−
6001で規定される粒度として、#60〜#400の
範囲にある物を用いるのが好ましい。研摩材の粒度が#
60よりも粗い場合は、起毛状態が粗くなって、ざらつ
いた触感となり、良好なスエード状のシートが得難くな
る。一方、粒度が#400よりも細かいと、起毛効果が
不十分となり、また研摩に要する時間も増加するので、
好ましくない。
6001で規定される粒度として、#60〜#400の
範囲にある物を用いるのが好ましい。研摩材の粒度が#
60よりも粗い場合は、起毛状態が粗くなって、ざらつ
いた触感となり、良好なスエード状のシートが得難くな
る。一方、粒度が#400よりも細かいと、起毛効果が
不十分となり、また研摩に要する時間も増加するので、
好ましくない。
【0021】研摩処理を行うための装置としては、ポー
タブルサンダーやベルトサンダーが例示できる。この研
摩処理は、例えばTダイ等の押出成形機によるシート成
形後にインラインで行っても、あるいはシートを一旦製
造・保管した後、オフラインで行ってもよい。
タブルサンダーやベルトサンダーが例示できる。この研
摩処理は、例えばTダイ等の押出成形機によるシート成
形後にインラインで行っても、あるいはシートを一旦製
造・保管した後、オフラインで行ってもよい。
【0022】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例により限定されるもの
ではない。 <ポリオレフィン系(共)重合体の評価> (1)密度:ASTM D1505に従って、メタノー
ル/ベンジルアルコール混合液を用いた密度勾配管法に
より測定した。 (2)メルトインデックス(MI): ASTM D1
238に従って測定した。 (3)Mw/Mn:トリクロルベンゼンを溶媒としたゲ
ルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法を
用いて検量線(標準ポリスチレンによる)よりMw及び
Mnを測定し、これより算出した。 <シートの評価> (1)成形性:試験用シートを押出機により作成した際
に、成形のしやすさを評価した。評価基準は次の通り。
明するが、本発明は以下の実施例により限定されるもの
ではない。 <ポリオレフィン系(共)重合体の評価> (1)密度:ASTM D1505に従って、メタノー
ル/ベンジルアルコール混合液を用いた密度勾配管法に
より測定した。 (2)メルトインデックス(MI): ASTM D1
238に従って測定した。 (3)Mw/Mn:トリクロルベンゼンを溶媒としたゲ
ルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法を
用いて検量線(標準ポリスチレンによる)よりMw及び
Mnを測定し、これより算出した。 <シートの評価> (1)成形性:試験用シートを押出機により作成した際
に、成形のしやすさを評価した。評価基準は次の通り。
【0023】○・・・問題なくシートが作成でき、巻き
とることができた。 △・・・シートは作成できたが、外観が劣っていた。 ×・・・シートが成形できなかった。 (2)触感:試験用シートの片面を所定の研摩紙により
研摩処理した後、手の触感により、スエードに似ている
かどうかを評価した。評価基準は次の通り。
とることができた。 △・・・シートは作成できたが、外観が劣っていた。 ×・・・シートが成形できなかった。 (2)触感:試験用シートの片面を所定の研摩紙により
研摩処理した後、手の触感により、スエードに似ている
かどうかを評価した。評価基準は次の通り。
【0024】 ○・・・天然皮革のスエードと同等の優れた感触である △・・・スエード調の触感はあるが、天然皮革との差は
明らかである ×・・・スエード調の触感がない <実施例1>メタロセン系触媒を用いて製造されたポリ
オレフィン系樹脂であるダウ・ケミカル社製EG815
0に表に示す組成比で木粉を加えて、三菱重工製40mm
φTダイ成形機により、温度190℃、シート厚み1m
m、引き取り速度1.0m/分の条件でシート化した。
明らかである ×・・・スエード調の触感がない <実施例1>メタロセン系触媒を用いて製造されたポリ
オレフィン系樹脂であるダウ・ケミカル社製EG815
0に表に示す組成比で木粉を加えて、三菱重工製40mm
φTダイ成形機により、温度190℃、シート厚み1m
m、引き取り速度1.0m/分の条件でシート化した。
【0025】得られたシートについて粒度#100の研
摩紙(破砕状研摩材)を用いてシートの片面を研摩し、
上記の評価を行った。結果を表に併せて示す。 <実施例2>ポリオレフィン系樹脂としてメタロセン系
触媒を用いて製造されたダウ・ケミカル社製EG810
0を用い、押出時のシート厚みを0.2mmとしたこと
以外は実施例1と同様にしてシートを作成・研摩し、評
価を行った。結果は表に示す。 <実施例3>研摩処理に用いた研摩紙の粒度を#40と
したこと及びシートの厚みを1mmとしたこと以外は実
施例2と同様にしてシートを作成し、評価した。結果は
表に示す。 <比較例1〜3>ポリオレフィン系樹脂又は木粉として
表に示すものを使用したこと以外は実施例1と同様にし
てシートの作成、研摩、及び評価を行った。結果は表に
併せて示す。 <比較例4>比較例1において、ポリオレフィン系樹脂
に代えて、平均重合度1050の塩化ビニル樹脂と該樹
脂100重量部あたり、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル100重量部、バリウム−亜鉛系安定剤2.5重量
部、エチレンビスアミド系滑剤0.5重量部、ポリエチ
レンワックス0.5重量部及びエポキシ化大豆油3重量
部からなる塩化ビニル系樹脂組成物を用いたこと以外
は、上記実施例1と同様にシートの作成、研摩及び評価
を行った。結果は表に併せて示す。
摩紙(破砕状研摩材)を用いてシートの片面を研摩し、
上記の評価を行った。結果を表に併せて示す。 <実施例2>ポリオレフィン系樹脂としてメタロセン系
触媒を用いて製造されたダウ・ケミカル社製EG810
0を用い、押出時のシート厚みを0.2mmとしたこと
以外は実施例1と同様にしてシートを作成・研摩し、評
価を行った。結果は表に示す。 <実施例3>研摩処理に用いた研摩紙の粒度を#40と
したこと及びシートの厚みを1mmとしたこと以外は実
施例2と同様にしてシートを作成し、評価した。結果は
表に示す。 <比較例1〜3>ポリオレフィン系樹脂又は木粉として
表に示すものを使用したこと以外は実施例1と同様にし
てシートの作成、研摩、及び評価を行った。結果は表に
併せて示す。 <比較例4>比較例1において、ポリオレフィン系樹脂
に代えて、平均重合度1050の塩化ビニル樹脂と該樹
脂100重量部あたり、フタル酸ジ−2−エチルヘキシ
ル100重量部、バリウム−亜鉛系安定剤2.5重量
部、エチレンビスアミド系滑剤0.5重量部、ポリエチ
レンワックス0.5重量部及びエポキシ化大豆油3重量
部からなる塩化ビニル系樹脂組成物を用いたこと以外
は、上記実施例1と同様にシートの作成、研摩及び評価
を行った。結果は表に併せて示す。
【0026】
【表1】 樹脂 :ETY/AO・・・エチレン−α−オレフィン共重合体 LDPE ・・・低密度ポリエチレン 密度 :単位(g/cm3) MI :メルトインデックス、単位(g/10分) 平均粒径 :単位(μm) 木粉添加量:ポリオレフィン系樹脂100重量部あたりの添加量(重量部) 研摩材粒度:JIS R−6001による
【0027】
【発明の効果】本発明方法に従い、メタロセン触媒を用
いて製造された特定のポリオレフィン系共重合体に基づ
く、特定の平均粒径の木粉を特定量含有する木粉含有樹
脂組成物からなるシートの少なくとも片面を破砕状の研
摩材を用いて研摩処理することにより、スエード調の外
観や触感を有し、合成皮革として優れた性能を有する皮
革様シートが作成できる。
いて製造された特定のポリオレフィン系共重合体に基づ
く、特定の平均粒径の木粉を特定量含有する木粉含有樹
脂組成物からなるシートの少なくとも片面を破砕状の研
摩材を用いて研摩処理することにより、スエード調の外
観や触感を有し、合成皮革として優れた性能を有する皮
革様シートが作成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 美幸 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業 所内
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂と、該樹脂100
重量部あたり木粉を40〜250重量部含有する木粉含
有樹脂組成物であって、該ポリオレフィン系樹脂がメタ
ロセン触媒を用いて重合して得られた、(a)エチレン
と炭素原子数3〜12のα−オレフィンとの共重合体で
あって、(b)密度が0.86 〜0.92g/cm3 、
(c)メルトインデックスが0.5〜40、かつ(d)
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
が1.5〜5であるようなエチレン−α−オレフィン共
重合体であり、かつ木粉の平均粒径が10〜200μm
である木粉含有樹脂組成物からなるシートの少なくとも
片面を破砕状の研摩材を用いて研摩することを特徴とす
る皮革様シートの製造方法。 - 【請求項2】 木粉含有樹脂組成物からなるシートの厚
さが0.075〜15mmである請求項1に記載の皮革
様シートの製造方法。 - 【請求項3】 破砕状の研摩材の粒度が、JIS R−
6001に規定された粒度で#60〜#400の範囲に
ある請求項1又は2に記載の皮革様シートの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方
法により製造された皮革様シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25662396A JPH10102381A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 皮革様シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25662396A JPH10102381A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 皮革様シートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10102381A true JPH10102381A (ja) | 1998-04-21 |
Family
ID=17295193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25662396A Pending JPH10102381A (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 皮革様シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10102381A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114197218A (zh) * | 2021-11-11 | 2022-03-18 | 依之舍纺织科技(北京)有限公司 | 一种抗菌保护涂层的制备工艺 |
US11661488B2 (en) | 2012-06-27 | 2023-05-30 | Dow Global Technologies Llc | Article comprising a flame retardant polymeric foam |
-
1996
- 1996-09-27 JP JP25662396A patent/JPH10102381A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11661488B2 (en) | 2012-06-27 | 2023-05-30 | Dow Global Technologies Llc | Article comprising a flame retardant polymeric foam |
CN114197218A (zh) * | 2021-11-11 | 2022-03-18 | 依之舍纺织科技(北京)有限公司 | 一种抗菌保护涂层的制备工艺 |
CN114197218B (zh) * | 2021-11-11 | 2023-09-08 | 依之舍纺织科技(北京)有限公司 | 一种抗菌保护涂层的制备工艺 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN106939057B (zh) | 乙烯类聚合物及其用途 | |
US8426525B2 (en) | Ethylene based polymer composition and film | |
JP2001512770A (ja) | 床、壁または天井被覆材として用いるに適したシート材料およびそれの製造方法および中間体 | |
CN1447837A (zh) | 由烯基芳族聚合物和α-烯烃/乙烯基或亚乙烯基芳族共聚体的共混物得到的泡沫组合物 | |
CN1122072C (zh) | 烯烃树脂组合物及其模制品 | |
TW201801939A (zh) | 用於製備由乙烯/α-烯烴互聚物製成之發泡製品之方法 | |
US8076418B2 (en) | Ethylene based polymer composition and film | |
US11292103B2 (en) | Hand-held conformable sanding block | |
JP2001514275A (ja) | 熱硬化インターポリマー類および発泡体 | |
JP2006257332A (ja) | 真空成型用熱可塑性エラストマ−組成物および積層体 | |
JP3729149B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂組成物 | |
JP2003507512A (ja) | ポリマー組成物 | |
JPH10102381A (ja) | 皮革様シートの製造方法 | |
JP3708683B2 (ja) | 防滑性シート及びその製造方法 | |
JP3992926B2 (ja) | 樹脂組成物を用いた壁紙 | |
US6503612B1 (en) | Hand-held conformable sanding block | |
JP5167742B2 (ja) | 加圧発泡成形用樹脂組成物、加圧発泡成形体、加圧発泡成形体の製造方法、履き物用部材および履き物 | |
JPH07207054A (ja) | 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体 | |
JP3607427B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー樹脂組成物 | |
JP2000212349A (ja) | 皮革様シ―ト | |
JPH09286880A (ja) | 木粉含有樹脂組成物 | |
JP2009215394A (ja) | 押出発泡成形用樹脂組成物、押出発泡成形体およびその製造方法 | |
JP3607426B2 (ja) | 熱可塑性エラストマー樹脂組成物 | |
JPH11228756A (ja) | コルク粉含有ポリオレフィン系樹脂組成物 | |
JP2004018807A (ja) | ポリエチレン樹脂組成物及びそのシート |