JPH10101851A - 粉末ゴム及びその製法並びにそれを使用したゴム組成物及びその製法 - Google Patents

粉末ゴム及びその製法並びにそれを使用したゴム組成物及びその製法

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JPH10101851A
JPH10101851A JP27699496A JP27699496A JPH10101851A JP H10101851 A JPH10101851 A JP H10101851A JP 27699496 A JP27699496 A JP 27699496A JP 27699496 A JP27699496 A JP 27699496A JP H10101851 A JPH10101851 A JP H10101851A
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rubber
latex
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oil
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Michiharu Fuji
道治 藤
Tetsuo Mori
哲夫 森
Toyohiko Gondo
豊彦 権藤
Yukiko Shigematsu
由希子 重松
Katsuto Tsuchimochi
克仁 土持
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Towa Corp
Original Assignee
Towa Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粒子が小さく、粘度が低く、混練が容易な防振
ゴムに適する粉末ゴム及びそれを使用したゴム組成物は
なかった。 【解決手段】シリカ粒子が70〜150重量部であり、
ラテックスの乾燥した固形分が100重量部である粉末
ゴムを作る。この粉末ゴムを使用し、この粉末ゴムが1
00重量部であり、オイルが50〜150重量部であ
り、硫酸バリウム50〜300重量部である、ゴム組成
物をつくる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末ゴム及びその
製法並びにそれを使用したゴム組成物及びその製法に関
するものである。更に詳しくは、シリカを多量に含む粉
末ゴムを簡単な工程で安価に製造することができ、更
に、その粉末ゴムを使用し、多量のオイルと硫酸バリウ
ムを混練し、防振ゴム等に適するゴム組成物を製造する
ことに関するものである。
【0002】
【従来の技術】生活における快適性、安全性への要求が
21世紀に向けてますます高まると考えられることか
ら、ゴムの持つ制振、緩衝、防音特性等を利用した製品
が注目されている。最近は、汎用の天然ゴムや合成ゴム
に代わって種々のポリマーを用いて制振、防振ゴム等が
開発され、又、使用されている。例えば、粉末状のノル
ボルネンポリマーに、多量のオイルや充填剤を混合して
加硫したエラストマーや、三次元網目構造をもつ特殊な
ポリマーゲルに多量のオイルを含ませた低硬度素材が開
発されて制振、防振ゴム等として使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のノルボ
ルネンポリマーや特殊なポリマーゲルは価格が高く一般
的ではない。従ってこれらを制振、防振ゴム等の原料と
して広く普及させるには限界がある。本発明者等は、従
来から広く使用されている安価な天然ゴムや汎用合成ゴ
ムを制振、防振ゴム等(以下、二つの用語を合わせて防
振ゴムという)の原料として使用すれば製造コストを下
げることができ、広範囲な応用ができることに着目し
た。
【0004】しかし、通常の天然ゴムや合成ゴムはベー
ル(塊)状で、しかも超高粘度であり、ゴム加工の混練
工程において、このような、超高粘度のゴム原料に防振
ゴムとして必要な各種配合剤を充分な分散状態にまで練
り込むのは困難である。
【0005】本発明者等は、ゴム素材を粉末化して粉末
ゴムとして用いれば、上記のようなゴム加工の混練工程
を含むゴム工業製品の製造加工工程などが簡単になり、
更に各種配合剤の多量混合が容易となり、幅広い分野で
のゴム製品の利用形態、特に防振ゴムへの利用が可能に
なることに着目した。
【0006】粉末ゴムの製造としては、機械的粉砕によ
り、ベールから未加硫の又は加硫した細かい形状のゴム
にする方法、或いは、ラテックスや溶液を直接噴霧し乾
燥して未加硫の粉末ゴムを得る方法は既に知られてい
る。
【0007】しかし、上記方法は、何れも、粒径1mm
以下の粉末ゴムを製造するには、複雑な工程を含み、コ
ストが高くなる問題がある。又、上記方法で得たコスト
が高い粉末ゴムが、粒径1mm以下であったとしても、
粒子自体は、未だ相当な高粘度であり、各種配合剤、特
に加硫後の物理的性質を大きく左右するシリカとオイル
を多量に混練することができず、ゴム製品の利用形態、
特に、防振ゴムへの利用は難しかった。
【0008】本発明の目的は、簡単な工程で、安価に製
造でき、シリカを多量に含み、粒径が小さく、自身が高
粘度でない粉末ゴムを提供することにある。本発明の他
の目的は、上記粉末ゴムを使用し、多量のオイルとシリ
カと硫酸バリウムを混練することにより、特に、防振ゴ
ムに適する、ゴム組成物を製造することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、粉末ゴムであって、シリカ粒子と、上記シ
リカ粒子に付着し、各シリカ粒子間を接着している天然
ゴムラテックス又は合成ゴムラテックスの乾燥した固形
分と、を含み、上記シリカ粒子が70〜150重量部で
あり、上記ラテックスの乾燥した固形分が100重量部
である、ことを特徴とする、粉末ゴムである。
【0010】第2の発明にあっては、粉末ゴムの製法で
あって、シリカ粒子に天然ゴムラテックス又は合成ゴム
ラテックスを滴下しながら、撹拌するステップ、を含む
ことを特徴とする、粉末ゴムの製法である。
【0011】第3の発明にあっては、粉末ゴムを使用し
たゴム組成物であって、第1の発明記載の粉末ゴムと、
オイルと、硫酸バリウムとを含み、上記第1の発明記載
の粉末ゴムが100重量部であり、上記オイルが50〜
150重量部であり、上記硫酸バリウム50〜300重
量部である、ことを特徴とする、粉末ゴムを使用をした
ゴム組成物である。
【0012】第4の発明にあっては、粉末ゴムを使用し
たゴム組成物の製法であって、第1の発明記載の粉末ゴ
ムに、オイルを添加し混練するステップと、硫酸バリウ
ムを添加し混練するステップと、を含むことを特徴とす
る、粉末ゴムを使用したゴム組成物の製法である。
【0013】粉末ゴムを製造するために使用される天然
ゴムラテックスは、殆どの場合、ヘビヤ種のゴム樹から
採取される樹液を原料としたものであり、その化学構造
は、シスポリイソプレンである。ゴム樹から採取された
樹液は、固形分30〜40%で、新鮮ラテックスといわ
れ、これにアンモニア等の凝固防止剤や保存剤を加え
て、60〜70%に濃縮した保存ラテックス、濃縮ラテ
ックスが使用される。合成ゴムラテックスとしては、ポ
リイソプレンゴムラテックス、ポリブタジェンゴムラテ
ックス、クロロプレンゴムラテックス、SBRラテック
ス、NBRラテックス、IIRラテックス等が使用され
る。
【0014】シリカは、ホワイトカーボンともいわれて
おり、組成的には、けい酸又はけい酸カルシウムの微粒
子が使用される。形態は、無定形であり、末端基とし
て、シロキサン基とシラノール基とを有し、表面には、
多数の水酸基を有する。比表面積は、70〜300m2
/gであり、極めて大きい。上記シリカは、例えば、天
然ゴムラテックス又は合成ゴムラテックスの100重量
部に対し、70〜150重量部用いられる。70重量部
未満であると、出来上がった粉末ゴムの粒径が、所望の
大きさより大きくなりすぎ、150重量部を越えると、
各粒子が凝集しにくくなり、粉末ゴム状になりにくくな
る。
【0015】ゴム組成物を製造するために使用されるオ
イルは、軟化剤(可塑剤といわれることもある、以下同
じ)のみで使用される場合もあり、又、軟化剤とシリコ
ーンオイルとを併用して使用される場合もある。軟化剤
としては、植物油系軟化剤と鉱物油系軟化剤が用いられ
るが、殆どの場合、後者が用いられる。鉱物油系軟化剤
としては、石油系の芳香族系油、ナフテン系油、パラフ
イン系油、プロセス系油等が用いられるが、プロセス系
油が、特に適する。
【0016】シリコーンオイルは、ポリジメチルシロキ
サンを基本骨格とする化合物が用いられ、ストレートシ
リコーンオイルと変性シリコーンオイルとがある。前者
には、ヂメチルシリコーンオイル、ポリジメチルシロキ
サンヂオール、メチルハイドロジェンシリコーンオイ
ル、メチルフェニルシリコーンオイル等があり、後者に
は、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シ
リコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、
フロロエーテルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコ
ーンオイル等がある。本発明では、ヂメチルシリコーン
オイルが、特に適する。
【0017】上記粉末ゴムの100重量部に対して、オ
イルは50〜150重量部用いられる。オイルが50重
量部未満であると、ゴム組成物としては、反発弾性が低
下しにくく、通過加速度が上昇しにくく、防振ゴム等に
適しなくなり、150重量部を超えると、上記二つ以外
の加硫後の物理的性質が不足する傾向にある。なお、シ
リコーンオイルは、反発弾性の低下と通過加速度の上昇
に大きく寄与するが、加硫を阻害するので、単独では用
いにくい。
【0018】硫酸バリウムは、天然重晶石を粉砕したバ
ライト粉と、化学的に沈降させて作った沈降性硫酸バリ
ウムがあるが、本発明では、沈降性硫酸バリウムが、特
に適する。この沈降性硫酸バリウムは、カサ高であり、
オイルの吸着量が多い。例えば、上記粉末ゴムの100
重量部に対して、硫酸バリウムは50〜300重量部用
いられ、50重量部未満であると、反発弾性の低下と通
過加速度の上昇に寄与しえず、150重量部を超える
と、混練時等での加工性が悪くなる。
【0019】本発明の粉末ゴムの製法にあって、シリカ
粒子に天然ゴムラテックス又は合成ゴムラテックスを滴
下しながら、撹拌するときは、複数の回転軸を有する混
合機が用いられる。混合機は、開放型でもよいし、密閉
型でもよい。特に、三次元二軸密閉型混合機が適する。
粉末ゴムを使用したゴム組成物の製法にあって、粉末ゴ
ムにオイル、シリカ、硫酸バリウム等を添加して混練を
行う場合には、外部から混練状態を観察しうる二次元密
閉型二軸混合機が適するが、限定するものではない。
【0020】(作 用)本発明の粉末ゴムは、各シリカ
粒子表面の一部分を、天然ゴムラテックス又は合成ゴム
ラテックスの乾燥した固形分が覆い、且つ、その固形分
が、各シリカ粒子表面を繋ぐ接着剤の役目をする。この
とき、量的には、天然ゴムラテックス又は合成ゴムラテ
ックスの乾燥した固形分よりも、シリカ粒子の方が多い
ので、繋がれた凝集体即ち粉末ゴムは、その粒径が小さ
くなる。しかも、凝集体の内部にシリカが介在している
ので、超高粘度ではなく、後の混練工程が行ない易くな
る。
【0021】上記粉末ゴムを製造するにあたっては、ベ
ールを大きな動力を用いて機械的粉砕をしたり、ラテッ
クスや溶液を直接噴霧し乾燥したりする必要がなく、シ
リカ粒子に天然ゴムラテックス又は合成ゴムラテックス
を添加し、撹拌するだけでよく、工程が簡単であり、粉
末ゴムの製造コストが安くなる。
【0022】上記粉末ゴムを使用したゴム組成物は、量
的にシリカ粒子と硫酸バリウムが多いので、オイルを多
量含むことができ、反発弾性が低く、通過加速度が高
い、即ち、防振ゴムに適するゴム組成物となる。上記ゴ
ム組成物は、使用する粉末ゴムの粘度が比較的低いの
で、混練工程が簡単であり、製造コストも安い。
【0023】
【実施例】(粉末ゴム及びその製法について)
【0024】
【表1】
【0025】表1中の数字は、重量部を表わし(以下、
表2、3、4、5も同じ)、天然ゴムラテックスは、乾
燥した固形分を表わす。天然ゴムラテックスは、低アン
モニア濃縮天然ゴムラテックスを、シリカは、湿式法ホ
ワイトカーボン(酸化けい酸83〜88%、PH8〜
9、徳ソー株式会社製、トクシールGU)を、それぞれ
用いた。先ず、表1中の配合1について説明する。秤量
し、そのうちのシリカを、三次元密閉型二軸混合機(住
友重機械株式会社製)のキャビテイ内に全量入れ、その
上に、天然ゴムラテックスを滴下しつつ、ローター羽根
を30rpmで回転し、10分続けて、粉末ゴムを得
た。この粉末ゴムは、粒径が1.5mmと大きく、本発
明の目的とする1.0mmにはなりえなかった。
【0026】配合2〜5についても、同様な工程を行な
い、配合2〜4について、粉末ゴムを得た。配合5は、
殆どシリカ粒子のままの形状をしており、粉末ゴムには
なりえなかった。配合2〜4は、粒径は全て0.5〜
1.0mmであつた。従って、粒径が1.0mm以下の
粉末ゴムを得るには、天然ゴムラテックス100重量部
に対し、シリカを70〜150重量部を必要とすること
がわかる。表1中の天然ゴムラテックスに代えて、ポリ
イソプレンゴムラテックス、ポリクロロプレンゴムラテ
ックス、ポリブタジエンゴムラテックス、SBRラテッ
クス、NBRラテックス、IIRラテックスについて
も、同様な工程を行ない、天然ゴムラテックスの場合と
同様の結果を得た。
【0027】(上記粉末ゴムを使用したゴム組成物及び
その製法について)
【0028】
【表2】
【0029】(a)シリカの影響について 表2中、プロセスオイルとしては、ナフテン系プロセス
オイル(出光興産株式会社製、NSー24)、シリコー
ンオイルとしては、ストレートシリコーンオイルである
ジメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング株式会
社製、SHー550)、硫酸バリウムは、沈降性硫酸バ
リウム(堺化学工業製)を、それぞれ用いた。
【0030】表2中の配合6について、先ず説明する。
秤量し、配合1の粉末ゴムを、二次元密閉型二軸混合機
のキャビテイ内に入れ、1分後、プロセスオイルとシリ
コーンオイルを入れ混練し、硫酸バリウムを入れ、10
分間混練し、更に、5分おきに、加硫促進助剤(亜鉛
華、硫黄、ステアリン酸)と加硫促進助剤(DM、T
T、CZ)を入れ、混練を続け、ゴム組成物を得た。
【0031】このゴム組成物を、常温で1日間熟成後、
温度120℃のオープンロールで圧延し、熱板温度12
0℃のプレス機にて加硫し、物理試験用サンプルを得
た。このサンプルを用い、先ず、硬さ、伸び、引張強さ
を測定した。測定は、JIS K6301加硫ゴム物理
試験法により行なった。
【0032】次いで、反発弾性、通過加速度を測定し
た。図1に示す装置を用いて、下記の方法で行なった。
この図は、反発弾性、通過加速度を測定するための模式
的な側面図である。1は、厚さ11cmの鉄製板状台で
あり、側部に支持体2、2が設けられている。上記鉄製
板状台1の下面の中心部には、通過加速度測定用センサ
ー3が取り付けられており、この通過加速度測定用セン
サー3は、アンプ4を介してオシロスコープ5(横川電
機株式会社製DL1540)に接続されている。上記鉄
製板状台1の上面には、高さ50cm、外径50mm、
内径46mmのアクリル樹脂製円筒体6が、載置されて
いる。7は試験用サンプルであり、8は測定時、試験用
サンプル7上に落下させる、直径12.7mm、重さ
8.5gのステンレス鋼製ボールである。
【0033】具体的な測定方法は、次の通りである。厚
さ2.0mmの試験用サンプル7を、図1に示すよう
に、上記鉄製板状台1の上面の中心で、上記鉄製板状台
1上面とアクリル樹脂製円筒体6の下端とで挟んだ。次
いで、アクリル樹脂製円筒体6の上端より、ステンレス
鋼製ボール8を試験用サンプル7上に落下させ、反発高
さを測定し、次式により、反発弾性を求めた。 反発弾性〔%〕={(反発高さ〔mm〕/500}×1
00 又、このとき、上記オシロスコープ5に表示された電流
値の100mVを1Gとして換算し、この値を通過加速
度とした。
【0034】配合7と8についても、配合6と同様に、
秤量し、混練し、ゴム組成物を得、熟成後、圧延し、加
硫し、試験用サンプルを作製し、物理試験を行なった。
【0035】天然ゴム100重量部に対して、シリカを
70重量部を混練することによって得られた粉末ゴムに
対して、更に、シリカを30〜80部を混練すれば、そ
の混練部数が多くなるほど、反発弾性は小さく、そして
通過加速度は大きくなり、防振ゴムに適するようになる
ことがわかる。
【0036】
【表3】
【0037】(b) オイルの影響について。 上記表2の場合と同じように、配合9〜18について、
秤量し、混練し、ゴム組成物を得、熟成後、圧延し、加
硫し、試験用サンプルを作製し、物理試験を行なった。
粉末ゴム100重量部に対して、オイル50〜150重
量部混練すると、反発弾性は小さくなり、通過加速度は
大きくなり、防振ゴムに適するようになることがわか
る。この傾向は、シリコーンオイルの方が顕著である。
オイルが50重量部未満であると、反発弾性が大きく、
そして通過加速度が小さくなり、防振ゴムに適さなくな
る。150重量部を超えると、他の物理的性質が低下
し、成形物としての耐久性がなくなる。
【0038】
【表4】
【0039】(c) 硫酸バリウムの影響について。 上記表2の場合と同じように、配合19〜23につい
て、秤量し、混練し、ゴム組成物を得、熟成後、圧延
し、加硫し、試験用サンプルを作製し、物理試験を行な
った。粉末ゴム100重量部に対して、硫酸バリウム5
0〜300重量部を混練すると、反発弾性は小さくな
り、通過加速度は大きくなり、防振ゴムに適するように
なることがわかる。硫酸バリウムが50重量部未満で
は、反発弾性が大きく、そして通過加速度が小さくな
り、防振ゴムに適さなくなる。また、300重量部を超
えると、混練ができなくなる。
【0040】(作 用)粉末ゴムにおいては、各シリカ
粒子表面の一部分を、天然ゴムラテックス又はSBRラ
テックスの乾燥した固形分が覆い、且つ、その固形分
が、各シリカ粒子表面を繋いでいる。このとき、量的に
は、天然ゴムラテックスの乾燥した固形分よりも、シリ
カ粒子の方が多いので、繋がれた凝集体即ち粉末ゴム
は、その粒径を1mm以下とすることができる。しか
も、この粉末ゴムは、凝集体内にはシリカ粒子が介在し
ているので、超高粘度でなく、混練工程を容易にするこ
とができる。
【0041】上記粉末ゴムを製造するにあたっては、ベ
ールを大きな動力を用いて機械的粉砕をしたり、ラテッ
クスや溶液を直接噴霧乾燥したりする必要がなく、シリ
カ粒子に天然ゴムラテックス又はSBRラテックスを添
加し、撹拌するだけでよく、工程が簡単であり、製造コ
ストが安くなる。
【0042】上記粉末ゴムを使用したゴム組成物は、量
的にシリカ粒子と硫酸バリウムが多いので、オイルを多
量含むことができ、反発弾性が低く、通過加速度が高
い、即ち、防振ゴムに適したゴム組成物となる。
【0043】上記ゴム組成物は、使用する粉末ゴムが超
高粘度でないので、混練工程が簡単であり、製造コスト
も安くなる。
【0044】
【発明の効果】本発明は上記構成を備え、次の効果を有
する。 (a)本発明の粉末ゴムは、粉末ゴムを構成している各
シリカ粒子表面の一部分を天然ゴムラテックス又は合成
ゴムラテックスの乾燥した固形分が覆い、且つ、その固
形分が、各シリカ粒子表面を繋ぐ接着剤の役目をする。
このとき、量的には、天然ゴムラテックス又は合成ゴム
ラテックスの乾燥した固形分よりも、シリカ粒子の方が
多いので、ベール状のように大きく成りえず、繋がれた
凝集体、即ち粉末ゴムは、その粒径は小さくなる。しか
も、凝集体の内部には、シリカ粒子が介在しているの
で、超高粘度でなく、混練工程が簡単であり、製造コス
トも安くなる。
【0045】(b)上記粉末ゴムを製造するにあたって
は、超高粘度でないので、ベールのように、大きな動力
を用いて機械的粉砕をしたり、ラテックスや溶液を直接
噴霧し乾燥したりする必要がなく、シリカ粒子に天然ゴ
ムラテックス又は合成ゴムラテックスを添加し、撹拌す
るだけでよく、工程が簡単であり、製造コストが安くな
る。
【0046】(c)上記粉末ゴムを使用したゴム組成物
は、量的にシリカ粒子と硫酸バリウムが多いので、オイ
ルを多量に含むことができ、反発弾性が低く、通過加速
度が高くなり、即ち、防振ゴムに適する。上記ゴム組成
物は、使用する粉末ゴムは、超高粘度でないので、混練
工程が簡単であり、製造コストも安い。
【図面の簡単な説明】
【図1】反発弾性と通過加速度を測定するための模式的
な側面図。
【符号の説明】
1 鉄製板状台 2 支持体 3 通過加速度測定用センサー 4 アンプ 5 オシロスコープ 6 アクリル樹脂製円筒体 7 試験用サンプル 8 ステンレス製ボール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/01 C08K 5/01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末ゴムであって、 シリカ粒子と、 上記シリカ粒子に付着し、各シリカ粒子間を接着してい
    る天然ゴムラテックス又は合成ゴムラテックスの乾燥し
    た固形分と、 を含み、 上記シリカ粒子が70〜150重量部であり、 上記ラテックスの乾燥した固形分が100重量部であ
    る、 ことを特徴とする、 粉末ゴム。
  2. 【請求項2】 粉末ゴムの製法であって、 シリカ粒子に天然ゴムラテックス又は合成ゴムラテック
    スを滴下しながら、撹拌するステップ、 を含むことを特徴とする、 粉末ゴムの製法。
  3. 【請求項3】 粉末ゴムを使用したゴム組成物であっ
    て、 請求項1記載の粉末ゴムと、 オイルと、 硫酸バリウムとを含み、 上記請求項1記載の粉末ゴムが100重量部であり、 上記オイルが50〜150重量部であり、 上記硫酸バリウム50〜300重量部である、 ことを特徴とする、 粉末ゴムを使用をしたゴム組成物。
  4. 【請求項4】 粉末ゴムを使用したゴム組成物の製法で
    あって、 請求項1記載の粉末ゴムに、オイルを添加し混練するス
    テップと、 硫酸バリウムを添加し混練するステップと、 を含むことを特徴とする、 粉末ゴムを使用したゴム組成物の製法。
JP27699496A 1996-09-27 1996-09-27 粉末ゴム及びその製法並びにそれを使用したゴム組成物及びその製法 Pending JPH10101851A (ja)

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