JPH10101315A - 炭化ケイ素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子構造物 - Google Patents
炭化ケイ素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子構造物Info
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- JPH10101315A JPH10101315A JP8277537A JP27753796A JPH10101315A JP H10101315 A JPH10101315 A JP H10101315A JP 8277537 A JP8277537 A JP 8277537A JP 27753796 A JP27753796 A JP 27753796A JP H10101315 A JPH10101315 A JP H10101315A
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- particle
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 構造用及び機能用として様々な応用が可能
な、炭化ケイ素ナノ粒子を内包することを特徴とする新
規なカーボンナノ粒子構造物を製造する。 【解決手段】 粒子の直径が35nm以下である単結晶
または多結晶の炭化ケイ素を1〜20層のカーボン層で
包んだ構造を有し、粒子の緒径が50nm以下である炭
化ケイ素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子の構造物。
な、炭化ケイ素ナノ粒子を内包することを特徴とする新
規なカーボンナノ粒子構造物を製造する。 【解決手段】 粒子の直径が35nm以下である単結晶
または多結晶の炭化ケイ素を1〜20層のカーボン層で
包んだ構造を有し、粒子の緒径が50nm以下である炭
化ケイ素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子の構造物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炭化ケイ素ナノ
粒子内包型カーボンナノ粒子構造物に関するものであ
る。さらに詳しくは、この発明は、強化材料、潤滑材
料、精密研磨材料、光発電素子、超伝導材料、および触
媒等に有用な炭化ケイ素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒
子構造物に関するものである。
粒子内包型カーボンナノ粒子構造物に関するものであ
る。さらに詳しくは、この発明は、強化材料、潤滑材
料、精密研磨材料、光発電素子、超伝導材料、および触
媒等に有用な炭化ケイ素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒
子構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年、カーボン(炭素)を構
成物質とするナノメートル(nm)オーダーの超微細粒
の粒子構造物が新しい機能性材として技術的に展開され
ることが期待されており、これまでにも各種の粒子構造
物が提供されてきている。たとえば、カーボンの球状粒
子からなるフラーレンと呼ばれる物質が知られており、
その代表的なものは60個のカーボン原子からなる球状
ナノ粒子であり、その直径は0.71nmである。ま
た、フラーレンとは別に、カーボンナノ粒子と呼ばれる
多層のカーボンからなる粒子が見出されてもいる。
成物質とするナノメートル(nm)オーダーの超微細粒
の粒子構造物が新しい機能性材として技術的に展開され
ることが期待されており、これまでにも各種の粒子構造
物が提供されてきている。たとえば、カーボンの球状粒
子からなるフラーレンと呼ばれる物質が知られており、
その代表的なものは60個のカーボン原子からなる球状
ナノ粒子であり、その直径は0.71nmである。ま
た、フラーレンとは別に、カーボンナノ粒子と呼ばれる
多層のカーボンからなる粒子が見出されてもいる。
【0003】従来、これらの粒子は、全て、高真空下で
カーボンを電極としてスパークさせたり、カーボンにレ
ーザー光や電子線を照射させる方法等で、真空状態にお
いてカーボンに高いエネルギーを与えることにより活性
化状態にし、その気体を急激に冷却することによって製
造されている。そして、その際に、カーボン電極に金属
を混合してスパークさせることで、種々の金属や金属炭
化物を内包した多層カーボンナノ粒子が得られることが
わかっており、Sc、Zr、V、Cr、Moや、Y等の
希土類金属、Fe、Co、Ni等の鉄系金属、さらには
La系金属がカーボン層に内包された粒子内包カーボン
ナノ粒子構造物が報告されている(Carbon、vo
l.33、No.7、pp.979〜988、195
5)。さらに、近年では、ダイヤモンド粒子を内包する
粒子構造物が報告されてもいる(Nature、Vo
l.382、pp.433〜435、1996)。
カーボンを電極としてスパークさせたり、カーボンにレ
ーザー光や電子線を照射させる方法等で、真空状態にお
いてカーボンに高いエネルギーを与えることにより活性
化状態にし、その気体を急激に冷却することによって製
造されている。そして、その際に、カーボン電極に金属
を混合してスパークさせることで、種々の金属や金属炭
化物を内包した多層カーボンナノ粒子が得られることが
わかっており、Sc、Zr、V、Cr、Moや、Y等の
希土類金属、Fe、Co、Ni等の鉄系金属、さらには
La系金属がカーボン層に内包された粒子内包カーボン
ナノ粒子構造物が報告されている(Carbon、vo
l.33、No.7、pp.979〜988、195
5)。さらに、近年では、ダイヤモンド粒子を内包する
粒子構造物が報告されてもいる(Nature、Vo
l.382、pp.433〜435、1996)。
【0004】これらカーボンナノ粒子構造物はその極め
て微細な粒子寸法と特異なナノ複合組織により強化材
料、潤滑材料や精密研磨剤等の構造用のみではなく、光
発電素子、超伝導材料、触媒等の広範囲な分野への応用
が期待されている。しかしながら、これまでの検討にお
いては、実際にカーボン層に内包された粒子の種類は少
なく、これまでに報告されているものにはカーボンナノ
粒子として有意な特徴が見いだされず、応用も進展して
いないのが現状である。
て微細な粒子寸法と特異なナノ複合組織により強化材
料、潤滑材料や精密研磨剤等の構造用のみではなく、光
発電素子、超伝導材料、触媒等の広範囲な分野への応用
が期待されている。しかしながら、これまでの検討にお
いては、実際にカーボン層に内包された粒子の種類は少
なく、これまでに報告されているものにはカーボンナノ
粒子として有意な特徴が見いだされず、応用も進展して
いないのが現状である。
【0005】この発明は、以上通りの事情を鑑みてなさ
れたものであり、硬度が高く研磨材や機械部品としてす
でに使用されているだけでなく、バンドギャップの広い
半導体としても実用化が進展している炭化ケイ素(Si
C)について、このナノ粒子をカーボン層によって包
み、構造用及び機能用として様々な応用が可能な、新し
いカーボンナノ粒子構造物を提供することを目的として
いる。
れたものであり、硬度が高く研磨材や機械部品としてす
でに使用されているだけでなく、バンドギャップの広い
半導体としても実用化が進展している炭化ケイ素(Si
C)について、このナノ粒子をカーボン層によって包
み、構造用及び機能用として様々な応用が可能な、新し
いカーボンナノ粒子構造物を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、粒子の直径が35nm以下でで
ある炭化ケイ素をカーボン層で包んだ構造を有し、粒子
の直径が50nm以下であることを特徴とする炭化ケイ
素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子構造物を提供する
(請求項1)。
を解決するものとして、粒子の直径が35nm以下でで
ある炭化ケイ素をカーボン層で包んだ構造を有し、粒子
の直径が50nm以下であることを特徴とする炭化ケイ
素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子構造物を提供する
(請求項1)。
【0007】さらに、この発明は、炭化ケイ素粒子が単
結晶または多結晶であること(請求項2)、カーボン層
が1〜20層の範囲であること(請求項3)等の態様か
らなるカーボンナノ粒子をも提供する。
結晶または多結晶であること(請求項2)、カーボン層
が1〜20層の範囲であること(請求項3)等の態様か
らなるカーボンナノ粒子をも提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明は、以上のとおりの特徴
のあるカーボンナノ粒子構造物を提供するものである
が、その態様は様々である。たとえば、後述の実施例に
おいて説明されているこの発明のカーボンナノ粒子構造
物の電子顕微鏡写真である図1に示した例では、中心部
は0.25nmの間隔の線で示される粒子であり、これ
はβ型炭化ケイ素の(111)格子縞に対応し、粒子は
単結晶のみでなく、多結晶やマイクロツインが存在する
粒子であって、炭化ケイ素粒子を包むカーボン層はグラ
ファイトの結晶構造のc軸に相当する0.34nmの間
隔となっている。炭化ケイ素粒子がカーボン層で完全に
被覆された状態のみでなく、部分的に被覆層が切れた状
態も認められる。そして、炭化ケイ素が内部空間を完全
に占めた場合のみでなく、部分的に占めた例も認めら
れ、また、炭化ケイ素粒子の形状は球形のみでなく、6
角形の自形を有するもの、さらに、その中間の各種の形
状を有するものが認められる。
のあるカーボンナノ粒子構造物を提供するものである
が、その態様は様々である。たとえば、後述の実施例に
おいて説明されているこの発明のカーボンナノ粒子構造
物の電子顕微鏡写真である図1に示した例では、中心部
は0.25nmの間隔の線で示される粒子であり、これ
はβ型炭化ケイ素の(111)格子縞に対応し、粒子は
単結晶のみでなく、多結晶やマイクロツインが存在する
粒子であって、炭化ケイ素粒子を包むカーボン層はグラ
ファイトの結晶構造のc軸に相当する0.34nmの間
隔となっている。炭化ケイ素粒子がカーボン層で完全に
被覆された状態のみでなく、部分的に被覆層が切れた状
態も認められる。そして、炭化ケイ素が内部空間を完全
に占めた場合のみでなく、部分的に占めた例も認めら
れ、また、炭化ケイ素粒子の形状は球形のみでなく、6
角形の自形を有するもの、さらに、その中間の各種の形
状を有するものが認められる。
【0009】たとえば、以上のように、この発明のカー
ボンナノ粒子構造物が例示されるが、このものは、当然
にも、構造物として、粉末や、膜状、板状、さらには立
体的形状等の各種の塊状体を構成するものであってよ
い。カーボンナノ粒子そのものの大きさに関しては、5
0nm以下の超微細粒子が通常の材料とは異なる性質を
示すことが期待されることとその合成の容易さから、こ
の発明ではその粒子の直径を50nm以下としている。
なお、切断面が円形を示さない粒子の場合には、その最
小直径をその粒子の直径と定義している。
ボンナノ粒子構造物が例示されるが、このものは、当然
にも、構造物として、粉末や、膜状、板状、さらには立
体的形状等の各種の塊状体を構成するものであってよ
い。カーボンナノ粒子そのものの大きさに関しては、5
0nm以下の超微細粒子が通常の材料とは異なる性質を
示すことが期待されることとその合成の容易さから、こ
の発明ではその粒子の直径を50nm以下としている。
なお、切断面が円形を示さない粒子の場合には、その最
小直径をその粒子の直径と定義している。
【0010】内包している炭化ケイ素粒子は、この発明
ではその直径が35nm以下としている。また、カーボ
ン層は1層から20層の範囲であることが好ましい。カ
ーボン層を20層にした場合には、その生成物の収率が
低下する等の問題が生じる。なお、カーボンナノ粒子は
その微細な寸法のために検出と同定が困難であることか
ら、高分解能電子顕微鏡を用いて電子線回折により結晶
構造を求め、格子像から原子間隔を決めることによっ
て、カーボンナノ粒子の構造を決定することが可能であ
る。
ではその直径が35nm以下としている。また、カーボ
ン層は1層から20層の範囲であることが好ましい。カ
ーボン層を20層にした場合には、その生成物の収率が
低下する等の問題が生じる。なお、カーボンナノ粒子は
その微細な寸法のために検出と同定が困難であることか
ら、高分解能電子顕微鏡を用いて電子線回折により結晶
構造を求め、格子像から原子間隔を決めることによっ
て、カーボンナノ粒子の構造を決定することが可能であ
る。
【0011】また、この発明のカーボンナノ粒子構造物
については、様々な方法によって形成することが考えら
れる。たとえば、塊状物として構成する場合には、超微
細なβ型炭化ケイ素粒子を原料として焼結した超塑性炭
化ケイ素の構造物としても形成される。通常の炭化ケイ
素粒子は室温で空気中に放置しても安定であるが、この
発明の範囲内のナノスケールの粒子径になると粒子は非
常に活性となり、容易に酸化されると推測される。これ
に対して、活性な粒子をカーボンで被覆した構造を有す
るカーボンナノ粒子とすることで、空気に対して安定と
なる。
については、様々な方法によって形成することが考えら
れる。たとえば、塊状物として構成する場合には、超微
細なβ型炭化ケイ素粒子を原料として焼結した超塑性炭
化ケイ素の構造物としても形成される。通常の炭化ケイ
素粒子は室温で空気中に放置しても安定であるが、この
発明の範囲内のナノスケールの粒子径になると粒子は非
常に活性となり、容易に酸化されると推測される。これ
に対して、活性な粒子をカーボンで被覆した構造を有す
るカーボンナノ粒子とすることで、空気に対して安定と
なる。
【0012】強化材料、潤滑材料、精密研磨材料、光発
電素子、超伝導材料、触媒等の分野において、従来にな
い特性を有する材料として発展することが期待される。
以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明の炭化ケイ
素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子構造物について説明
する。
電素子、超伝導材料、触媒等の分野において、従来にな
い特性を有する材料として発展することが期待される。
以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明の炭化ケイ
素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子構造物について説明
する。
【0013】
【実施例】実施例1 平均粒径0.38μm、比表面積22.2m2 /gの微
細な炭化ケイ素を原料として用い、この発明の炭化ケイ
素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子構造物を以下のよう
にして形成した。
細な炭化ケイ素を原料として用い、この発明の炭化ケイ
素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子構造物を以下のよう
にして形成した。
【0014】原料の炭化ケイ素には、不純物として酸素
1.6重量%、遊離のカーボン1.6重量%を含有す
る。この粉末に、7重量%のアルミナ(住友化学製、A
KP−20)と2重量%のイットリア(信越化学製、純
度99.9%)および1重量%CaCO3 (和光純薬
製、高純度品)を加え、窒化ケイ素製ボールミルを用
い、エタノール中で5時間混合した。
1.6重量%、遊離のカーボン1.6重量%を含有す
る。この粉末に、7重量%のアルミナ(住友化学製、A
KP−20)と2重量%のイットリア(信越化学製、純
度99.9%)および1重量%CaCO3 (和光純薬
製、高純度品)を加え、窒化ケイ素製ボールミルを用
い、エタノール中で5時間混合した。
【0015】得られた混合粉末を乾燥後、約4gの粉末
を直径15mmのカーボン型につめ、Ar雰囲気中で2
0MPa圧力下、1800℃で15分加熱することによ
って、相対密度95.5%で平均粒径0.13μmの粒
子から成る焼結体を得た。なお、上記の原料の平均粒径
は累積堆積の50%の粒径として示し、焼結体では個数
平均で示した。数値の上では、原料より焼結体の中の方
が小さくなっているが、実際は焼結過程でごくわずかで
はあるが粒成長している。得られた焼結体は、1650
℃の高温で超塑性変形する。
を直径15mmのカーボン型につめ、Ar雰囲気中で2
0MPa圧力下、1800℃で15分加熱することによ
って、相対密度95.5%で平均粒径0.13μmの粒
子から成る焼結体を得た。なお、上記の原料の平均粒径
は累積堆積の50%の粒径として示し、焼結体では個数
平均で示した。数値の上では、原料より焼結体の中の方
が小さくなっているが、実際は焼結過程でごくわずかで
はあるが粒成長している。得られた焼結体は、1650
℃の高温で超塑性変形する。
【0016】そこで、この焼結体をAr雰囲気中で50
MPaの圧力下、1650℃で超塑性変形させた。変形
速度は、2×10-4/秒とした。試料を取り出した後、
約1mmの薄片とし、さらにダイヤモンド砥粒で約50
μmとした。この薄片をさらにディンプル加工とアルゴ
ンイオンエッチングを行い、電子線が透過する薄さに仕
上げた。この試料を高分解能透過型電子顕微鏡(日本電
子製、2000EX)で観察した。その結果を示したも
のが図1である。
MPaの圧力下、1650℃で超塑性変形させた。変形
速度は、2×10-4/秒とした。試料を取り出した後、
約1mmの薄片とし、さらにダイヤモンド砥粒で約50
μmとした。この薄片をさらにディンプル加工とアルゴ
ンイオンエッチングを行い、電子線が透過する薄さに仕
上げた。この試料を高分解能透過型電子顕微鏡(日本電
子製、2000EX)で観察した。その結果を示したも
のが図1である。
【0017】図1に示したように、粒界のガラス相の中
にカーボンナノ粒子の生成が認められた。中心部はβ型
炭化ケイ素の(111)格子に相当する格子像が得ら
れ、電子線回折と併せて、β型炭化ケイ素であることが
確認された。その直径は10〜15nmの範囲内であっ
た。炭化ケイ素粒子を被覆する層はグラファイトのc軸
に対応した0.34nmであり、4〜7層のカーボン層
が観察された。カーボンナノ粒子の直径は15〜20n
mの範囲であった。他の視野で直径約5〜46nmの範
囲のカーボンナノ粒子の存在が確かめられた。実施例2 実施例1と同じ重量比のアルミナ−イットリアCaCO
3 の混合粉末に対して、実施例1の炭化ケイ素粉末5重
量%とカーボンブラック(三菱化学製)5重量%を加
え、実施例1と同様にAr雰囲気中20MPaの圧力下
で1650℃まで加熱した。圧力を除いた後、1750
℃まで昇温し、30分加熱した。冷却後得られた試料を
実施例1と同様に加工し、電子顕微鏡観察を行った。そ
の結果、酸化物ガラス中に図1と同様な直径5〜15m
mの炭化ケイ素粒子をカーボン層2〜5層で包んだ構造
のカーボンナノ粒子が確認された。
にカーボンナノ粒子の生成が認められた。中心部はβ型
炭化ケイ素の(111)格子に相当する格子像が得ら
れ、電子線回折と併せて、β型炭化ケイ素であることが
確認された。その直径は10〜15nmの範囲内であっ
た。炭化ケイ素粒子を被覆する層はグラファイトのc軸
に対応した0.34nmであり、4〜7層のカーボン層
が観察された。カーボンナノ粒子の直径は15〜20n
mの範囲であった。他の視野で直径約5〜46nmの範
囲のカーボンナノ粒子の存在が確かめられた。実施例2 実施例1と同じ重量比のアルミナ−イットリアCaCO
3 の混合粉末に対して、実施例1の炭化ケイ素粉末5重
量%とカーボンブラック(三菱化学製)5重量%を加
え、実施例1と同様にAr雰囲気中20MPaの圧力下
で1650℃まで加熱した。圧力を除いた後、1750
℃まで昇温し、30分加熱した。冷却後得られた試料を
実施例1と同様に加工し、電子顕微鏡観察を行った。そ
の結果、酸化物ガラス中に図1と同様な直径5〜15m
mの炭化ケイ素粒子をカーボン層2〜5層で包んだ構造
のカーボンナノ粒子が確認された。
【0018】
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明したと
おり、従来製造されていなかった炭化ケイ素ナノ粒子を
内包する新規なカーボンナノ粒子構造物を提供すること
ができる。
おり、従来製造されていなかった炭化ケイ素ナノ粒子を
内包する新規なカーボンナノ粒子構造物を提供すること
ができる。
【図1】この発明のカーボンナノ粒子の構造を例示した
図面に代わる電子顕微鏡写真である。
図面に代わる電子顕微鏡写真である。
Claims (4)
- 【請求項1】 粒子の直径が35nm以下である炭化ケ
イ素をカーボン層で包んだ構造を有し、粒子の直径が5
0nm以下であることを特徴とする炭化ケイ素ナノ粒子
内包型カーボンナノ粒子構造物。 - 【請求項2】 内包する炭化ケイ素粒子が単結晶または
多結晶である請求項1の炭化ケイ素ナノ粒子内包型カー
ボンナノ粒子構造物。 - 【請求項3】 カーボン層が1〜20層の範囲である請
求項1または2の炭化ケイ素ナノ粒子内包型カーボンナ
ノ粒子構造物。 - 【請求項4】 粉末または塊状物を構成する請求項1な
いし3のいずれかの炭化ケイ素ナノ粒子内包型カーボン
ナノ粒子構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8277537A JP3038371B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 炭化ケイ素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8277537A JP3038371B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 炭化ケイ素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子構造物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10101315A true JPH10101315A (ja) | 1998-04-21 |
JP3038371B2 JP3038371B2 (ja) | 2000-05-08 |
Family
ID=17584942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8277537A Expired - Lifetime JP3038371B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 炭化ケイ素ナノ粒子内包型カーボンナノ粒子構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3038371B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002544356A (ja) * | 1999-05-18 | 2002-12-24 | アトフイナ・リサーチ・ソシエテ・アノニム | 強化された高分子 |
WO2003010114A1 (fr) * | 2001-07-25 | 2003-02-06 | Zhongshan University | Procede de preparation d'une materiau de carbure de silicium nanometrique |
JP2007112702A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-05-10 | Ube Ind Ltd | 導電性無機物質含有炭化ケイ素質微粒子、電波吸収材料及び電波吸収体 |
JP2008100852A (ja) * | 2006-10-17 | 2008-05-01 | Nagoya Institute Of Technology | 炭化物内包カーボンナノカプセル及びその製造方法 |
JP2016527075A (ja) * | 2013-06-21 | 2016-09-08 | テクニカル ユニバーシティ オブ デンマークTechnical University Of Denmark | 新規な非白金金属触媒材料 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5765869B2 (ja) | 2006-12-20 | 2015-08-19 | ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company | 液状適用音響減衰材 |
US7893151B2 (en) | 2007-11-08 | 2011-02-22 | Rohm And Haas Company | Liquid-applied sound damping |
-
1996
- 1996-09-27 JP JP8277537A patent/JP3038371B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002544356A (ja) * | 1999-05-18 | 2002-12-24 | アトフイナ・リサーチ・ソシエテ・アノニム | 強化された高分子 |
JP4805462B2 (ja) * | 1999-05-18 | 2011-11-02 | トータル・ペトロケミカルズ・リサーチ・フエリユイ | 強化された高分子 |
WO2003010114A1 (fr) * | 2001-07-25 | 2003-02-06 | Zhongshan University | Procede de preparation d'une materiau de carbure de silicium nanometrique |
JP2007112702A (ja) * | 2005-09-20 | 2007-05-10 | Ube Ind Ltd | 導電性無機物質含有炭化ケイ素質微粒子、電波吸収材料及び電波吸収体 |
JP2008100852A (ja) * | 2006-10-17 | 2008-05-01 | Nagoya Institute Of Technology | 炭化物内包カーボンナノカプセル及びその製造方法 |
JP2016527075A (ja) * | 2013-06-21 | 2016-09-08 | テクニカル ユニバーシティ オブ デンマークTechnical University Of Denmark | 新規な非白金金属触媒材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3038371B2 (ja) | 2000-05-08 |
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