JPH1010082A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JPH1010082A
JPH1010082A JP8188547A JP18854796A JPH1010082A JP H1010082 A JPH1010082 A JP H1010082A JP 8188547 A JP8188547 A JP 8188547A JP 18854796 A JP18854796 A JP 18854796A JP H1010082 A JPH1010082 A JP H1010082A
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正一 大月
Yasuhiro Yamada
康弘 山田
Tatsuya Okumura
達也 奥村
Keizo Furusaki
圭三 古崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金具本体と検出素子との間の先端面側のシー
ル性を高める。 【解決手段】 本体2の内周面と検出素子15の外周面
との間にシール材18を充填し、シール材18を押圧す
る絶縁部材19と筒体24のフランジ25との間に、こ
れらとほぼ同軸状でばね性を有する環状ばね体21を配
置し、本体2の後端部の周縁8を内側に折り曲げてその
フランジ25を覆い、軸方向に圧縮することでシール材
18を圧縮してシールを保持してなるセンサで、絶縁部
材19の後端面20が環状ばね体21の先端面22の内
周寄り部位を、フランジ25の先端面26が環状ばね体
21の後端面23の外周寄り部位をそれぞれ軸方向に押
圧するような寸法関係とし、この環状ばね体21の弾性
変形によってシール材18を圧縮する方向に絶縁部材1
9を常時押圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気ガ
ス中の酸素濃度を検出するために使用される酸素センサ
などのガスセンサ(以下、単にセンサともいう)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種のガスセンサは、内外面にそれぞ
れ電極層を有する先端が閉塞された筒状のジルコニア等
の酸素イオン導電体(固体電解質)からなる酸素濃度の
検出素子(以下、単に素子ともいう)と、該素子を把持
して排気ガス管に取付けられる取付け金具本体(ホル
ダ)等からなっている。このものは、内燃機関の排気ガ
ス管に取着され、前記素子の内側面の電極層(基準電極
層)を基準酸素ガス(大気)に、外側面の電極層(測定
電極層)を排気ガスに接触させ、素子内外面の酸素濃度
差に対応して両電極間に起電力(電位差)を生じさせ、
この起電力に基づく信号を制御回路に出力し、酸素濃度
を検知し、制御するようにされている。
【0003】このようなガスセンサでは、素子の内側と
外側とのシール(気密及び液密)が破壊されると、その
使用過程で排気ガス或いはそれに含まれる油等がその内
側に侵入することになり、素子内面側の基準酸素ガスが
汚染され、酸素濃度の検知能力の低下や内側面の電極層
の腐食を招くなど様々な問題を生じる。したがって、と
くに排気ガスの侵入の可能性のある接合箇所ないし構造
上の間隙(隙間)のシールは十分に確保しないといけな
い。
【0004】図8及び図9は、こうしたガスセンサ10
1の一例を示すものであるが、このものでは次のように
してシールが確保されている。すなわち、筒状の金具本
体(以下、単に本体ともいう)102の内側に検出素子
103を内挿し、その間に滑石(タルク粉体)等からな
るシール材104を充填して、次記する組み立て手段に
より、そのシール材104を軸方向(図8上下方向)に
圧縮することによって金具本体102と検出素子103
との間の先端側(図8下側)におけるシール性が保持さ
れるよう構成されており、排気ガス管Hに取付けられた
際でも排気ガスGが素子103の内側に入り込まないよ
うに構成されている。
【0005】そして、このセンサ101は次のように組
み立てられている。すなわち、まず、金具本体102の
先端側の内周に内向きに突出する内周段部105に、平
パッキン106及び上面内周縁が凹部107をなすリン
グ状の絶縁部材108を順次配置し、その上に、外周に
外向きに突出する外周凸部(フランジ)109が周設さ
れた検出素子103を、その先端103a側から本体1
02内に同軸状に内挿し、その外周凸部109をリング
状の絶縁部材の108上面内周縁の凹部107に板パッ
キン110を介して係合させる。そして、金具本体10
2の内周面と検出素子103の外周面との間であって、
検出素子103の外周凸部より後端側(図上側)にシー
ル材104を充填し、そのシール材104より後端側に
リング(円筒)状の絶縁部材111を同軸状に内挿す
る。そしてこの絶縁部材111の後端面側に金属製のリ
ング状パッキン112を介装し、さらにその後端面(上
面)側に、筒体113を同軸状に内挿し、その先端部外
周に周設されたフランジ114が金属製のリング状パッ
キン112に当接するようにし、該パッキン112を介
して絶縁部材111を先端側に押圧するようにし、その
状態の下で、金具本体102の後端部の周縁115を内
側に折り曲げてそのフランジ114を覆うと共に先端側
に圧縮してその周縁115をかしめる。そして、この際
の圧縮力により、シール材104を軸方向(図示上下方
向)に圧縮し、そのシール材104の弾性を利用して金
具本体102と検出素子103との間(排気ガスG側と
基準ガス側と間)の先端側におけるシール性を保持して
いる。
【0006】しかして、この工程の後、素子103を覆
うように金具本体102に保護キャップ116を装着
し、要すれば加熱用のセラミックヒータ117を内挿
し、或いは各々のリード線118の接続をするなどし、
さらに、筒体113の上端部外側に、保護外筒119を
外嵌して径方向に絞り込むなどして製品となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、粉末状のシ
ール材を用いた場合には、金属パッキンやゴムパッキン
等の固体のパッキン材のようにパッキン材自体の寸法精
度が問題とならない上に、シールを確保する相手側部材
(本体102や素子103)との接触面での精密な嵌合
性をとらなくても安定したシール性を確保できる。しか
し、こうして組み立てられたガスセンサ101が排気ガ
ス管Hに取付けられて使用される場合には高温で過酷な
雰囲気下にさらされるので、こうした使用条件によって
は、前記従来のガスセンサ101のシール構造では、長
期間の使用により気密性が劣化(低下)することがあっ
た。というのは、金具本体102が高温域にさらされる
とそれ自体が熱膨張を繰返し起こす一方、滑石などのシ
ール材104は一部焼結を起こすので、その体積が収縮
するとともに、前記従来のシール性能は、主として圧縮
されたシール材104自体の残留圧縮応力に依存してい
るため、このような状況下に長時間繰返しさらされる
と、少しずつ組み立て時に圧縮されたシール材104に
弛緩が生じ、その結果、圧縮応力が低下してしまうため
である。そして、シール性能が低下すると、前記したよ
うにその結果として素子103と金具本体102との間
から排気ガスGが侵入してセンサ出力が低下する等の不
具合が発生し、ついには酸素濃度の検出精度が低下する
ことがある。
【0008】もっとも、現在の使用温度条件下では、そ
のような不具合が生じることはないが、今後のエンジン
の高性能化に伴いガスセンサが従来よりも高温の使用条
件で使われる場合もあるので、その対応が要請されてい
る。本発明は、上記従来のガスセンサの持つこのような
問題点に鑑み、さらにこのような要請に鑑みて案出され
たものであって、金具本体と素子との間の先端側のシー
ル性を長期間にわたって確保し、信頼性ないし耐久性の
高いガスセンサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、先端側の内周に内向きに突出する内周段
部が周設された筒状の金具本体の内側に、外周に外向き
に突出する外周凸部が周設された検出素子が、該検出素
子の先端側から同軸状に内挿されて該外周凸部を前記内
周段部に絶縁を保持して係合され、前記金具本体の内周
面と該検出素子の外周面との間であって、該検出素子の
外周凸部より後端側にはシール材が充填され、該シール
材より後端側にはリング状の絶縁部材が同軸状に内挿さ
れ、さらに端部外周にフランジが周設された筒体が、そ
のフランジで前記絶縁部材を先端側に押圧するように同
軸状に内挿され、該金具本体の後端部の周縁が内側に折
り曲げられて該フランジを覆うと共に、前記シール材を
軸方向に圧縮する構造のガスセンサにおいて、前記絶縁
部材と前記筒体のフランジとの間に、これらとほぼ同軸
状でばね性を有する環状ばね体が配置され、しかも、前
記絶縁部材と前記筒体のフランジは、該環状ばね体の内
周寄り部位と外周寄り部位とを軸方向の互いに反対側に
向けて弾性変形させるような寸法関係に形成され、この
環状ばね体の弾性変形によって前記シール材を圧縮する
方向に前記絶縁部材を常時押圧してなることにある。
【0010】この場合、前記絶縁部材は、環状ばね体の
内周寄り部位を押圧し、前記筒体のフランジは環状ばね
体の外周寄り部位を押圧し、該環状ばね体は、その内周
寄り部位が後端側に外周寄り部位が先端側に向けて弾性
変形して配置されるようにするとよい。或いはこれと逆
に、前記絶縁部材は、環状ばね体の外周寄り部位を押圧
し、前記筒体のフランジは環状ばね体の内周寄り部位を
押圧し、該環状ばね体は、その外周寄り部位が後端側に
内周寄り部位が先端側に向けて弾性変形して配置される
ようにしてもよい。
【0011】具体的には、前者は、絶縁部材の後端面側
が環状ばね体の先端面側の内周寄り部位を、フランジの
先端面側が環状ばね体の後端面側の外周寄り部位をそれ
ぞれ軸方向に押圧するような寸法関係にあることで達成
される。また後者は、これと逆に、絶縁部材の後端面側
が環状ばね体の先端面側の外周寄り部位を、フランジの
先端面側が環状ばね体の後端面側の内周寄り部位をそれ
ぞれ押圧するような寸法関係にあることで達成される。
なお、環状ばね体の材質は、耐熱性やばね性に優れるも
のから選択すればよいが、例えば、ステンレス鋼やイン
コネル、或いはハステロイ等が適用でき、SUS30
4、SUS310、SUS316、SUS430等が実
用上適切である。なお、環状ばね体は、ばね性を有する
環状体であればよく、無端のものが好ましいが、輪の一
部を欠いたばね座金状の有端のものでもよい。
【0012】上記の手段により、本発明においては、常
時、環状ばね体のばね性によりシール材を圧縮する方向
に絶縁部材が押圧されている。したがって、高温雰囲気
にさらされてシール材に焼結が生じて体積収縮が生じた
り、金具本体が熱膨張したりして、シール材に弛緩が生
じるような場合でも、常時、シール材の圧縮が確保され
るから、金具本体と素子との間の先端側のシール性の低
下が防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係るガスセンサを具体化
した実施形態例について、図1ないし図5を参照して詳
細に説明する。図中1は本例のセンサであって、金具本
体2はSUS430からなり、先端側(図下側)の内周
に内向きに突出するとともに先細りテーパをなす内周段
部3が周設され、内周段部3の後端(図上)部寄りには
同径の円筒内周面4が形成され、その後端寄り部位に
は、テーパ面5を介して円筒内周面4より拡径されると
ともに薄肉部6を介して拡径部7を備えており、本体2
はその内周面が後端側2bから先端側2aに向かって同
軸状で縮径する段付き円筒状をなしている。なお拡径部
7の後端部の周縁8は薄肉に形成されている。また、本
体2の外周には、排気ガス管Hへの取付け用の六角フラ
ンジ9を備えていると共に、下部外周には取付けねじ1
0を備えており、金属製のガスケット11を介して排気
ガス管Hに螺締されるように構成されている。
【0014】さて、この本体2の内側の内周段部3に
は、後端側からリング状の金属製の平パッキン12が入
れられ、その上に、上部内周が凹部13をなすリング
(円筒)状のアルミナ等からなる絶縁座部材14が挿入
されている。そして、本体2の内側中央には、先端閉塞
状で筒状をなす検出素子15がその先端15a側から同
軸状に内挿され、その略中央外周に外向きに突出するよ
う周設された外周凸部(フランジ)16を絶縁座部材1
4の上部内周の凹部13に金属製のリング平パッキン1
7を介して係合している。
【0015】こうして形成された、金具本体2の円筒内
周面4と検出素子15の外周面との間であって、検出素
子15の外周凸部16より後端側には略一定幅の円環状
の空隙が形成され、この空隙には、本例では滑石などか
らなるシール材18が所定量充填され、そのシール材1
8より後端側には円筒状のセラミックなどからなる絶縁
部材19が同軸状に内挿されている。この絶縁部材19
の後端側(上部)外周はやや厚肉に形成され、本体2の
拡径部7の内周面7aとの間に所定の幅の環状空間を形
成している。
【0016】そして、金具本体2の拡径部7の内側であ
って絶縁部材19の後端面20にはSUS430などの
ばね性の高い金属からなり一定厚さ、一定幅で円環板状
(平座金形状)に形成された環状ばね体21が同軸状に
配置されている。ただし、環状ばね体21は、その内径
Dk1が絶縁部材19の後端面20の内径Dz1より大
径とされて、素子15との間に円環状の空隙が保持され
ている。また、環状ばね体21の外径Dk2は、絶縁部
材19の後端面20の外径Dz2より大径とされ、環状
ばね体21の外周面が金具本体2の拡径部7の内周面7
aに近接している。しかして、絶縁部材19の後端面2
0は、環状ばね体21の先端面22の内周寄り部位に当
接しており、環状ばね体21が絶縁部材19を軸方向の
先端側に押圧するように配置されている。ただし、本例
では、絶縁部材19の後端面20が、環状ばね体21の
内周寄りの約1/2の幅部位に当接するように設定され
ている。
【0017】さらに、本体2の拡径部7の内側であって
環状ばね体21の後端面23側には円筒状の筒体24が
金具本体2の拡径部7の内周面7aと同軸状にして内挿
され、その先端側外周に設けられた一定幅の円形のフラ
ンジ25の先端面26を環状ばね体21の後端面23の
外周寄り部位に当接し、これを軸方向で先端側に押圧す
るように配置されている。ただし、筒体24のフランジ
寄り部位(近傍)の内径Df1は、環状ばね体21の内
径Dk1より大径とされかつ絶縁部材19の後端面20
の外径Dz2と略同径とされ、さらにフランジ25の外
径Df2は環状ばね体21の外径Dk2と略同径とされ
ている。なおフランジ25は、筒体24の先端を外側に
所定の幅でもって略直角に突出するようにプレス成形さ
れており、組み立て後において、フランジ25の先端面
26のうち、外周寄り部位の1/2〜2/3程度の幅部
位が環状ばね体21の外周寄り部位に当接するように設
定するとよい。
【0018】そして、本例では図4に示したように、筒
体24のフランジ25の後端面側の隅角に断面小判形状
のSUS430製リングパッキン27を介装し、金具本
体2の拡径部7の後端部の周縁8をそのリングパッキン
27を覆うように内側に折り曲げると同時に所定荷重で
圧縮してかしめたものである。図4は、かしめ前の状態
を示しており、同図に示したようなダイスDSが図中矢
印で示した軸方向に移動されることにより前記周縁8が
圧縮されかしめられる。なお、かしめ時においては本体
2の薄肉部6の周方向に沿う部位を本例では1000℃
程度に加熱し、軸方向へ圧縮変形させている。
【0019】しかして、この圧縮、かしめにより、環状
ばね体21及び絶縁部材19を介してシール材18が軸
方向に圧縮され、素子15を金具本体2に同軸状に固着
すると同時にシール材18の横方向への弾性(応力)に
より、金具本体2の内周面と検出素子15との間の先端
側におけるシール性が保持されている。なお、この圧縮
により、絶縁部材19は相対的に環状ばね体21の内周
寄り部位(図5の1点鎖線より内側)を後端面側に押圧
し、筒体24のフランジ25は環状ばね体21の外周寄
り部位(図5の2点鎖線より外側)を先端面側に押圧す
ることから、環状ばね体21は、その断面視、その内周
寄り部位が後端側に、外周寄り部位が先端側に向けて弾
性変形する(図2,3参照)。なお、この圧縮、かしめ
と同時に金具本体2と筒体24のフランジ25との間に
ついてもリングパッキン27の変形により、一応のシー
ルが確保されている。
【0020】しかして、この工程の後、金具本体2の先
端側に保護キャップ31を装着し、要すれば加熱用のセ
ラミックヒータ32を内挿し、また各々のリード線33
の接続をするなどし、さらに、筒体24の上端部外側
に、保護外筒34を外嵌して径方向に絞り込む(かしめ
る)などして製品(酸素センサ)として完成する。
【0021】このように組み立てられた本例のセンサに
おいては、絶縁部材19の後端面20が環状ばね体21
の内周寄り部位を後端面側に押圧し、筒体24のフラン
ジ25の先端面26が環状ばね体21の外周寄り部位を
先端面側に押圧しており、環状ばね体21は各押圧方向
に向かうように弾性変形しており、したがって、この環
状ばね体21の弾性変形によるばね作用によって、シー
ル材18を圧縮する方向に絶縁部材19を常時押圧して
いる。すなわち、環状ばね体21の弾性によるバックア
ップ作用により、シール材18は常時圧縮力を受けてい
ることから、その分、シール性が高いものとなってい
る。したがって例えば、シール材18に焼結が生じて体
積収縮が生じたり金具本体2が熱膨張したりした場合に
は、同時に絶縁部材19が環状ばね体21の弾性変形に
より軸方向に押し込まれることから、シール材18に弛
緩が生じることが防止される。したがって、金具本体2
と検出素子15との間の先端側におけるシール性の劣化
防止が図られる。
【0022】なお、本例では環状ばね体21は、円環状
で矩形断面(平座金形状)のものを例示したが、その平
面形状や断面形状は別段これに限定されるものではな
い。環状ばね体は、絶縁部材と筒体のフランジとの間に
これらとほぼ同軸状で配置され、絶縁部材と筒体のフラ
ンジによって、その内周寄り部位と外周寄り部位とが軸
方向の互いに反対側に向けて弾性変形させられ、この弾
性変形によってシール材を圧縮する方向に絶縁部材を常
時押圧できるものであればよく、適宜の形状のものを使
用することができる。例示的には、サラばねでもよい
し、前記もしたが有端のばね座金状のものでもよい。ま
た、ばね性を有する環状体であればよく、したがって、
内歯形付又は外歯形付の歯付座金形状であってもよい。
なお、上記実施例では、環状ばね体は絶縁部材と筒体の
フランジにそれぞれ直接当接している場合を例示した
が、その間に別部材を介在させることも可能であるな
ど、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々設計変更
して具体化できる。
【0023】因みに、シール材としては、上記例では粉
末滑石を主成分とするものを用いたが、このシール材と
しては、適度な耐熱性と圧縮時の弾性によるシール保持
性能を有するものであれば、これ以外のものでもよい。
具体的には、セメント、硝子、セラミック(アルミナ
等)などの粉体である。なお、ガスセンサは、上記セラ
ミックヒータ付きのもので具体化した場合を例示した
が、本発明は当然のことながら、このヒータの有無にか
かわらず、広く適用できる。
【0024】さて次に、上記の構造のセンサ1について
そのシール性能を試験した。ただし、試料(2個)は、
筒体24の内径Df1が12.2mm、フランジ25の
外径Df2が15.8mm、絶縁部材19の後端面20
の内径Dz1が7.7mm、同外径Dz2が12.6m
mである。そして、環状ばね体(材質はSUS430)
21の内径Dk1は9.7mm、外径Dk2は15.7
mm、そして厚さTは1.5mmである。なお試料をな
す本体2の後端部の周縁8の圧縮、かしめ時の力(荷
重)は、2.5tonである。
【0025】また、試験内容は、試料をなす金具本体2
の温度を700℃に保持し、400時間に至るまでの同
本体2と検出素子15との間の先端側におけるシール性
の低下を測定したものである。ただし、その測定は試料
を50時間或いは100時間ごとに常温にもどし、使用
条件にならう模擬排気管にその本体2の取付けねじ10
を介して螺締し、模擬排気管の内側に6kg/cm2
圧をかけて本体2と検出素子と15の間の先端側におけ
るリーク量を測定した。結果は図6に示した通りであ
る。なお、比較例は、本発明のようなばね作用のある環
状ばね体21の代わりにそのようなばね作用のない図
8,9に示した構造のものであるが、圧縮、かしめ力な
ど本試験に本質的に影響するような他の設計製造条件
は、上記試料と同じである。なお、筒体の内径Df1が
9.8mm、フランジの外径Df2が12.6mm、絶
縁部材の後端面の内径Dz1が7.7mm、同外径Dz
2が12.6mmである。そして、環状パッキン(材質
はSUS430)の内径Dk1は9.0mm、外径Dk
2は12.6mm、厚さT:1mmである。
【0026】図6に示されるように、比較例は、150
時間経過後はいずれにおいても、約100cc/min
のリークがあったのに対して、上記試料(本発明品)で
は、400時間経過後の試験でも1cc/min以下の
リークであり、シール性能の問題となる低下はなかっ
た。また、試験開始前のリークについても本例のものは
比較例のものに比べて著しく小さいことが分かる。これ
らの結果は、とりもなおさず本発明の効果を実証するも
のである。なお、気密性が低下し、約10cc/min
以上のリークがあると、排気ガスが素子の内側に入り込
み、センサの出力が低下する不具合が発生し、酸素濃度
の検出が不可能となる。しかして本例のものでは、70
0℃の環境下でも使用できることを意味する。因みに、
比較例は650℃で上記の試験を行った場合には、40
0時間経過後もシール性の低下に問題はなかった。
【0027】図7は、本発明を具体化した別の形態例の
要部を示すものである。ただし、このものは、絶縁部材
19の後端面20のうちの外周寄り部位が後端面側に向
けて所定の幅でもって隆起されており、その隆起部20
aの後端面20bが、環状ばね体21の先端面22の外
周寄り部位(図5の2点鎖線より外側)を押圧し、筒体
24のフランジ25の先端面26が、環状ばね体21の
後端面23の内周寄り部位(図5の1点鎖線より内側)
を押圧するような寸法関係に形成されており、環状ばね
体21を、その外周寄り部位が後端側に、内周寄り部位
が先端側にそれぞれ弾性変形して配置されている点のみ
が相違するだけであり、前例と基本的に異なるところは
ないので、同一の部位には、同一の符号を付すに止め
る。本例では、本体2の後端部の周縁8の曲げ長さ
(幅)が大きくなるが、筒体24の径を小さくできる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、以上の説明から明らか
なように、環状ばね体のばね性により粉末状のシール材
を圧縮する方向に絶縁部材が常時、押圧されている。し
たがって、例えば、シール材に一部焼結が生じて体積収
縮が生じたり金具本体が熱膨張した場合には、同時に絶
縁部材が環状ばね体の弾性変形により軸方向に押し込ま
れるから、粉末状のシール材の弛緩が防止され、金具本
体と検出素子との間の先端側におけるシール性能の劣化
防止に有効である。この結果、長期間にわたって素子内
面側の基準酸素ガス(大気)が汚染されにくい。したが
って、酸素濃度の検知能力の低下や内面電極層の腐食が
防止され、寿命の長い信頼性の高いガスセンサとなすこ
とができる。さらに、従来のものより気密性の劣化が小
さいため、より高温度雰囲気となる排気ガス管の上流へ
の取着が可能となり、その分、酸素濃度の検出の応答性
及び正確性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスセンサの実施形態例の縦断正
面図。
【図2】図1のA部を示す拡大図。
【図3】図2のB部を示す拡大図。
【図4】図3の部分の圧縮かしめ前の図。
【図5】環状ばね体の平面図及びこれに対する絶縁部材
と筒体のフランジの当接面を説明する図。
【図6】シール性能の試験結果を示すグラフ。
【図7】別の実施形態例を示す要部拡大断面図。
【図8】従来のガスセンサの一部破断縦断正面図。
【図9】図8のC部を示す拡大図。
【符号の説明】
1 ガスセンサ 2 金具本体 3 内周段部 8 金具本体の後端部の周縁 15 検出素子 16 外周凸部 18 シール材 19 絶縁部材 21 環状ばね体 24 筒体 25 フランジ
フロントページの続き (72)発明者 古崎 圭三 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端側の内周に内向きに突出する内周段
    部が周設された筒状の金具本体の内側に、外周に外向き
    に突出する外周凸部が周設された検出素子が、該検出素
    子の先端側から同軸状に内挿されて該外周凸部を前記内
    周段部に絶縁を保持して係合され、前記金具本体の内周
    面と該検出素子の外周面との間であって、該検出素子の
    外周凸部より後端側にはシール材が充填され、該シール
    材より後端側にはリング状の絶縁部材が同軸状に内挿さ
    れ、さらに端部外周にフランジが周設された筒体が、そ
    のフランジで前記絶縁部材を先端側に押圧するように同
    軸状に内挿され、該金具本体の後端部の周縁が内側に折
    り曲げられて該フランジを覆うと共に、前記シール材を
    軸方向に圧縮する構造のガスセンサにおいて、前記絶縁
    部材と前記筒体のフランジとの間に、これらとほぼ同軸
    状でばね性を有する環状ばね体が配置され、しかも、前
    記絶縁部材と前記筒体のフランジは、該環状ばね体の内
    周寄り部位と外周寄り部位とを軸方向の互いに反対側に
    向けて弾性変形させるような寸法関係に形成され、この
    環状ばね体の弾性変形によって前記シール材を圧縮する
    方向に前記絶縁部材を常時押圧してなることを特徴とす
    るガスセンサ。
  2. 【請求項2】 前記絶縁部材は、環状ばね体の内周寄り
    部位を押圧し、前記筒体のフランジは環状ばね体の外周
    寄り部位を押圧し、該環状ばね体は、その内周寄り部位
    が後端側に外周寄り部位が先端側に向けて弾性変形して
    配置されていることを特徴とする請求項1記載のガスセ
    ンサ。
  3. 【請求項3】 前記絶縁部材は、環状ばね体の外周寄り
    部位を押圧し、前記筒体のフランジは環状ばね体の内周
    寄り部位を押圧し、該環状ばね体は、その外周寄り部位
    が後端側に内周寄り部位が先端側に向けて弾性変形して
    配置されていることを特徴とする請求項1記載のガスセ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 前記環状ばね体が、ステンレス鋼からな
    ることを特徴とする請求項1、2又は3記載のガスセン
    サ。
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