JPH099832A - 両軸受リールのクラッチリターン機構 - Google Patents

両軸受リールのクラッチリターン機構

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JPH099832A
JPH099832A JP16558295A JP16558295A JPH099832A JP H099832 A JPH099832 A JP H099832A JP 16558295 A JP16558295 A JP 16558295A JP 16558295 A JP16558295 A JP 16558295A JP H099832 A JPH099832 A JP H099832A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 両軸受リールに用いられるクラッチリターン
機構において不用意にクラッチがオンになるのを防ぐ。 【構成】 クラッチリターン機構40においては、ロッ
ク板41は側板に回転自在に支持され係合用凹部41a
を有している。コイルスプリング42はロック板41を
ハンドル軸30の糸巻き取り方向と反対向きに回転する
ように付勢する。アーム部材43にはクラッチプレート
18が一側部に当接している。アーム部材43は、クラ
ッチプレート18のクラッチ連結位置に対応する第1位
置とクラッチ解除位置に対応する第2位置とで回動自在
である。係合部材44はアーム部材43に回動自在に係
合し、アーム部材43が第1位置から第2位置に回動す
るとロック板41の係合用凹部41aに係合する第1爪
44aを有している。リターンギア46は、ハンドル軸
30の糸巻き取り方向への回転に伴って係合部材44を
ロック板41から離脱させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クラッチリターン機
構、特に、両軸受リールにおいてクラッチ操作部材をク
ラッチ解除位置からクラッチ連結位置に戻すためのクラ
ッチリターン機構に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に魚釣り用の両軸受リールは、リー
ルボディを構成する1対の側板間にスプールが回転自在
に支持されており、リールボディの一方側に設けられた
ハンドルによってスプールが回転させられる構造になっ
ている。ハンドルとスプールとの間にはクラッチ機構
(以下、単にクラッチと記す)を含む回転伝達機構が設
けられている。このクラッチを操作することにより、ハ
ンドルからのトルクをスプールに伝達あるいは遮断でき
る。
【0003】クラッチは、スプール軸に軸方向に移動自
在に設けられたピニオンギアと、スプール軸に固定され
た径方向に延びるピンとから構成されている。ピニオン
ギアは、ハンドル軸と一体回転するメインギアと係合し
ており、さらにピンが挿入可能な溝が形成されている。
ピニオンギアはばね部材によってピン及びスプール側に
付勢されている。これにより、通常はピニオンギアの溝
内にピンが係合し、クラッチオン状態となっている。ま
た、クラッチをオフさせるための機構は、たとえばレバ
ー等の操作により移動するクラッチプレートと、クラッ
チプレートの移動によりピニオンギアをピンから離れる
方向に移動させるためのクラッチヨークとを有してい
る。
【0004】さらに、両軸受リールでは、ハンドル操作
によってクラッチをオフからオンに切り換えるためのク
ラッチリターン機構が設けられている。この機構は、ク
ラッチプレートに係合するクラッチ解除部材と、ハンド
ル軸と一体回転するように係合されかつクラッチオフ時
にクラッチ解除部材に当接する回動部材とを有してい
る。ここでは、ハンドル軸を糸巻き取り方向に回すと、
回動部材がクラッチ解除部材を元の位置に移動させ、そ
れに伴いクラッチプレートが移動する。この結果、クラ
ッチヨークがピニオンギアから外れ、クラッチがオンに
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の両軸受リー
ルで、たとえばキャスティングで竿を振った時等に、ハ
ンドル軸に糸巻き取り方向への力が作用する場合があ
る。このとき、回転部材からの作用でクラッチ解除部材
が元の位置に戻されて、意に反しクラッチがオンになる
ことがある。
【0006】本発明の目的は、両軸受リールに用いられ
るクラッチリターン機構において不用意にクラッチがオ
ンになるのを防ぐことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明1に係る両軸受リー
ルのクラッチリターン機構は、クラッチ操作部材と係合
部材と離脱手段と制動手段とを備えている。係合部材
は、クラッチ操作部材のクラッチ解除操作によって係合
位置に変位し、係合位置から非係合位置への変位によっ
てクラッチ操作部材をクラッチ連結位置に変位させる。
離脱手段は、係合位置にある係合部材と係合し、ハンド
ル軸の糸巻取り方向への回転に伴って係合部材を非係合
位置に離脱させる。制動手段は、係合部材の非係合位置
への離脱動作に対して制動力を発生させる。
【0008】発明2に係る両軸受リールのクラッチリタ
ーン機構では、発明1に記載のリターン機構において、
クラッチ操作部材と係合部材は、クラッチ操作部材がク
ラッチ連結操作されると係合位置にある係合部材から離
れる関係にある。発明3に係る両軸受リールのクラッチ
リターン機構では、発明1または2に記載のリターン機
構において、離脱手段は、リール本体に回転自在に支持
され係合手段が係合可能な第1係合部を有する回転部材
を含む。制動手段は、回転部材をハンドル軸の糸巻取り
方向と反対向きに回転するように付勢する第1付勢部材
を含む。
【0009】発明4に係る両軸受リールのクラッチリタ
ーン機構では、発明3に記載のリターン機構において、
アーム部材をさらに備えている。アーム部材には、クラ
ッチ操作部材が一側部に当接し、クラッチ操作部材のク
ラッチ連結位置に対応する第1位置と、前記クラッチ操
作部材のクラッチ解除位置に対応する第2位置とで回動
自在である。係合部材は、アーム部材に回動自在に係合
し、アーム部材が第1位置から第2位置に回動すると回
転部材の前記第1係合部に係合する第2係合部を有す
る。
【0010】発明5に係る両軸受リールのクラッチリタ
ーン機構は、発明4に記載のリターン機構において、ア
ーム部材を第1位置側に付勢する第2付勢部材をさらに
備えている。離脱手段は前記ハンドル軸に相対回転不能
に係合された回動部材をさらに含む。回動部材はハンド
ル軸が糸巻取り方向に回転したときに係合部材を押すこ
とで第2係合部を第1係合部から外れさせる。
【0011】発明6に係る両軸受リールのクラッチリタ
ーン機構は、発明5に記載のリターン機構において、案
内部材をさらに備えている。案内部材は、アーム部材が
第1位置から第2位置に回動するときに係合部材が回動
部材に干渉しないように案内し、案内終了後には係合部
材が回転部材の第1係合部に径方向から接近するのを許
容する。
【0012】発明7に係る両軸受リールのクラッチリタ
ーン機構は、発明5に記載のリターン機構において、案
内部材をさらに備えている。案内部材は、アーム部材が
第1位置から第2位置に回動するときに係合部材が回転
部材に干渉しないように案内し、案内終了後には係合部
材が回転部材の第1係合部に径方向から接近するのを許
容する。
【0013】
【作用】発明1に係るクラッチリターン機構では、操作
者がクラッチ操作部材をクラッチ連結位置からクラッチ
解除位置に移動させてクラッチ連結を解除すると、係合
部材が係合位置に移動する。この状態でハンドル軸に不
意に糸巻取り方向への力が作用すると、離脱手段が係合
部材を非係合位置に離脱させようとする。しかし、この
ときに制動手段が係合部材に制動力を作用させるため、
係合部材は容易に離脱しにくい。この結果、クラッチ操
作部材が不意にクラッチ連結位置に戻りにくい。
【0014】操作者がハンドル軸を糸巻取り方向に回転
させると、離脱手段が係合部材を非係合位置に移動させ
る。それに伴い、係合部材がクラッチ操作部材をクラッ
チ連結位置に変位させる。この結果,クラッチが連結さ
れる。発明2に係るクラッチリターン機構では、操作者
がクラッチ操作部材を操作してクラッチ連結位置に移動
させるときにクラッチ操作部材に係合部材などから力が
作用しないために、クラッチ連結操作に大きな力を必要
としない。すなわち、ハンドル軸側からの作用によって
は容易にクラッチが連結されないにもかかわらず、操作
者がクラッチ操作部材を操作するときには容易にクラッ
チを連結できる。
【0015】発明3に係るクラッチリターン機構では、
操作者がクラッチ操作部材をクラッチ連結位置からクラ
ッチ解除位置に移動させてクラッチ連結を解除すると、
係合部材が回転部材の第1係合部に係合する。この状態
でハンドル軸に不意に糸巻取り方向への力が作用する
と、離脱手段が係合部材を非係合位置に離脱させようと
する。しかし、このときに第1付勢部材が回転部材をハ
ンドル軸の糸巻取り方向と反対向きに回転するように付
勢しているため、回転部材が糸巻き取り方向に回転しに
くくなっており、係合部材が回転部材から外れにくい。
この結果、クラッチ操作部材が不意にクラッチ連結位置
に戻りにくい。
【0016】操作者がハンドル軸を糸巻取り方向に回転
させると、離脱手段により係合部材が回転部材の第1係
合部から外れて、非係合位置に移動する。それに伴い、
係合部材がクラッチ操作部材をクラッチ連結位置に変位
させる。この結果、クラッチが連結される。発明4に係
るクラッチリターン機構では、操作者がクラッチ操作部
材をクラッチ連結位置からクラッチ解除位置に移動する
と、クラッチ操作部材に押されてアーム部材が第1位置
から第2位置へと回動する。それに伴って係合部材が回
動して係合部材の第2係合部が回転部材の第1係合部に
係合する。この状態においてハンドル軸に不意に糸巻取
り方向への力が作用すると、離脱手段から係合部材に回
転部材から係合が外れるような力が作用する。しかし、
第1付勢部材により回転部材が糸巻き取り方向に回転し
にくくなっているため、係合部材が回転部材から外れに
くい。つまり、アーム部材が第1位置側に戻りにくくな
っており、クラッチ操作部材も容易にクラッチ連結位置
に移動しない。
【0017】操作者がハンドルを糸巻取り方向に回転さ
せると、離脱手段によって係合部材が回転部材から離脱
する。この結果、アーム部材が第1位置に回動し、アー
ム部材に押されてクラッチ操作部材がクラッチ連結位置
に戻る。操作者がクラッチ操作部材をクラッチ解除位置
からクラッチ連結位置側に移動させるときに、クラッチ
操作部材はアーム部材から離れる。クラッチ操作部材は
アーム部材によって移動を妨げられないため、クラッチ
操作部材に大きな力が作用せず、クラッチ連結操作が容
易である。
【0018】発明5に係るクラッチリターン機構では、
操作者がクラッチ解除状態からハンドル軸を糸巻取り方
向に回転させると、回動部材がハンドル軸とともに回転
して係合部材を押し、係合部材の第2係合部を回転部材
の第1係合部から外す。すると、第2付勢部材に付勢さ
れてアーム部材が第1位置に戻り、クラッチ操作部材が
クラッチ連結位置に戻る。
【0019】発明6に係るクラッチリターン機構では、
アーム部材が第1位置から第2位置に回動するときに、
係合部材は案内部材に回動部材に干渉しないように案内
されてる。やがて係合部材が案内部材から外れると、係
合部材は径方向から回転部材の第1係合部に接近して係
合する。ここでは、係合部材は回動部材に干渉すること
なくスムーズに回転部材に係合する。
【0020】発明7に係るクラッチリターン機構では、
アーム部材が第1位置から第2位置に回動するときに、
係合部材は案内部材に回転部材に干渉しないように案内
されてる。やがて係合部材が案内部材から外れると、係
合部材は径方向から回転部材の第1係合部に接近して係
合する。ここでは、係合部材は回転部材に干渉すること
なくスムーズに回転部材に係合する。
【0021】
【実施例】図1及び図2に示す両軸受リールは、リール
本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回
転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置
されたスタードラグ3とを備えている。リール本体1
は、リール取付部材を介して図示しない釣り竿に固定さ
れ得る。
【0022】リール本体1は、所定の間隔をあけて配置
された1対の側板10,11を有するフレームと、フレ
ームの両側方に装着された第1カバー13及び第2カバ
ー14とを有している。1対の側板10,11間にはス
プール15が回転自在に配置されており、スプール15
の前方(図1及び図2の上側)にはスプール15に釣り
糸を均一に巻くためのレベルワインド機構16が配置さ
れている。
【0023】側板11の外側で第2カバー14内には、
ハンドル2からのトルクをスプール15及びレベルワイ
ンド機構16に伝えるための回転伝達機構20と、回転
伝達機構20内に設けられたクラッチ機構21とが配置
されている。回転伝達機構20は、スプール15からハ
ンドル2側にトルクが逆に伝達された場合のトルクを規
制するためのドラグ機構22を含んでいる。
【0024】スプール15の中心にはスプール軸25が
固定されている。スプール軸25は各側板10,11に
軸受26を介して回転自在に支持されている。回転伝達
機構20は、一端にハンドル2が固定されたハンドル軸
30と、ハンドル軸30の他端にドラグ機構22を介し
て連結されたメインギア31と、メインギア31に噛み
合うピニオンギア32とを有している。
【0025】ハンドル軸30は、スプール軸25と平行
に配置されており、一端側が側板11に回転自在に支持
されている。メインギア31は、ハンドル軸30の一端
側にドラグ機構22を介して相対回転不能に連結するこ
とが可能である。このような構成では、クラッチ機構2
1がオンされた状態では、ハンドル2からのトルクがス
プール15に直接伝達される。
【0026】クラッチ機構21を構成するピニオンギア
32は、筒状に形成されており、スプール軸25の外周
部にスライド自在に装着されている。ピニオンギア32
のスプール15側の端部には係合溝32aが形成されて
おり、この溝32aにスプール軸25に固定されたピン
36が係合可能である。ピニオンギア32は、図示しな
いばね部材によりスプール15側に付勢されており、ス
プール15側に移動している。この状態では、係合溝3
2aとピン36とが噛み合い、ピニオンギア32からの
トルクはスプール軸25に伝達可能である。
【0027】次に、クラッチ機構21を操作するための
クラッチ操作機構について説明する。クラッチ操作機構
は、図5に示すように、クラッチヨーク60を有してい
る。クラッチヨーク60は、スプール軸25の外周に配
置されており、径方向に対向する2本の支持軸55,5
6によってスプール軸25と平行に移動可能となってい
る。また、クラッチヨーク60はその中央部にピニオン
ギア32の一部に係合する係合部を有している。
【0028】クラッチプレート18は、レバー(図示せ
ず)に取り付けられるレバー取付部18aを一端に有し
ている。また、クラッチプレート18の他端側には、2
か所においてカム面18bが形成されている。カム面1
8bはクラッチヨーク60の裏面に当接しており、クラ
ッチプレート18が内側(図3右方)に移動することに
より、クラッチヨーク60はばね部材(図示せず)の付
勢力に抗して外方(ハンドル側)に移動させられるよう
になっている。クラッチプレート18には、外側からク
ラッチヨーク60に向かって延びる長孔18cが形成さ
れている。この長孔18c内にはピン50が挿通してい
る。これにより、クラッチプレート18はクラッチヨー
ク60に外側から向かう方向に所定距離内でのみスライ
ド可能となっている。また、スプリング19はトグルバ
ネとしてクラッチプレート18を付勢し、クラッチプレ
ート18がクラッチ連結位置にあるときはクラッチ連結
位置方向に、クラッチ解除位置にあるときにはクラッチ
解除位置方向に付勢する。
【0029】クラッチ操作機構はクラッチリターン機構
40を有している。クラッチリターン機構40は、ハン
ドル2の回転操作に伴ってクラッチプレート18をクラ
ッチオフ位置からクラッチオン位置に移動させるための
機構である。クラッチリターン機構40は、主に、アー
ム部材43と、係合部材44と、トグルスプリング45
と、ロック板41と、コイルスプリング42と、リター
ンギア46と、案内部材47とを備えている。
【0030】アーム部材43は、L字形の部材であり、
一端が支柱49に回動自在に支持されている。アーム部
材43の外周側(上側)の側部には、クラッチプレート
18に一体に形成された当接部18dが当接している。
このようにクラッチプレート18とアーム部材43は一
方向からのみ当接しているだけなので、クラッチプレー
ト18が内周側に移動する時はアーム部材43を押す
が、クラッチプレート18が逆に外周側に移動する時に
はアーム部材43は元の位置に残る。係合部材44は、
一端がアーム部材43の一部に回動自在に係合してい
る。係合部材44の回動支持されている側の一端にはト
グルスプリング45が固定されている。トグルスプリン
グ45により、係合部材44及びアーム部材43はクラ
ッチプレート18側(図5左側)に付勢されている。係
合部材44の先端には、図5の紙面直交方向下側に延び
る第1爪44aと、外周側の側部において図5の紙面直
交方向上側に延びる第2爪44bが形成されている。
【0031】ロック板41は、ハンドル軸30と同心に
配置された円板状の部材であり、側板11に相対回転自
在に支持されている。また、ロック板41には、係合部
材44の第1爪44aが係合するための係合用凹部41
aが形成されている。図8に示すクラッチオフ状態で係
合用凹部41aには係合部材44の第1爪44aが係合
している。ロック板41において係合用凹部41aと径
方向に対向する位置の突起には、コイルスプリング42
の一端が固定されている。コイルスプリング42の他端
は支柱49に固定されており、これによりロック板41
を糸巻き取り方向(図5〜8の矢印方向)と反対向きに
付勢している。ロック板41は弧状の摺動部41bを有
しており、この摺動部41bの外周側は側板11に設け
られた支持部61に支持されている。
【0032】案内部材47は、図5において係合部材4
4とロック板41との間に配置されており、図の紙面直
交方向下側から上方に延びている。案内部材47は、図
5右端側の内側には面取り部47aが形成されている。
この案内部材47の高さは、係合部材44より低くなっ
ており、係合部材44の本体部分は案内部材47の上方
を移動可能となっている(図4)。また、案内部材47
とロック板41との間には、第1爪44aが通過可能な
隙間が確保されている。
【0033】リターンギア46は、ハンドル軸30と一
体回転する部材であり、外周に複数の爪部46aが形成
されている。爪部46aは、係合部材44の第2爪44
bと同じ高さに位置している(図4)。ハンドル軸30
には図示しないワンウェイ機構が係合している。それに
よりハンドル軸30は糸巻取り方向(図5〜8の矢印方
向)にのみ回転可能となっている。
【0034】次に動作について説明する。通常は、クラ
ッチヨーク60は図示しないばね部材によってスプール
15側に押されており、これによりピニオンギア32は
クラッチオン位置に移動させられている。この状態で
は、ピニオンギア32の係合溝32aとピン36とが噛
み合っており、ハンドル2からのトルクは、ハンドル軸
30、メインギア31及びピニオンギア32を介してス
プール軸25及びスプール15に伝達される。
【0035】釣りを行う場合は、針に餌を付けた後にレ
バーを操作し、クラッチプレート18を内周側に移動さ
せる。すると、カム面18bがクラッチヨーク60をハ
ンドル側に追い出す。その結果、ピニオン32の係合溝
32aとピン36との噛み合いが外れ、クラッチはオフ
となる。この状態では、スプール15を糸繰り出し方向
に自由に回転させることができる。
【0036】このクラッチオフ動作中におけるクラッチ
リターン機構40の動作について説明する。図5のクラ
ッチオン状態からクラッチプレート18を内周側に移動
させてクラッチオフ操作を行うと、当接部18dがアー
ム部材43の側部を押すことによって、アーム部材43
が支柱49を中心として回動する。これに伴い、係合部
材44の先端がトグルバネ45の作用によって案内部材
47側に移動する。係合部材44の第1爪44aは案内
部材47の外側に当接しながら移動する。そして、図6
に示すように第1爪44aが案内部材47の端部まで移
動すると、ここで第1爪44aと案内部材47との係合
状態が解かれ、係合部材44は面取り部47aに沿って
移動しロック板41又はリターンギヤ46に対して径方
向外側から接近する。この結果、図7に示すように、係
合部材44の第1爪44aがロック板41の係合用凹部
41aのハンドル軸回転側端部に係合する。
【0037】この状態でハンドル軸30に意に反して糸
巻取り方向の力が作用しても、リターンギヤ46には係
合部材44とロック板41を介してコイルスプリング4
2の付勢力がそれに対向して働くので、リターンギヤ4
6は糸巻取り方向には回転せず、係合状態が不用意に解
除されることがない。この結果、アーム部材43及びク
ラッチプレート18が元の位置に戻らない。以上の理由
でクラッチが不用意にオンしにくい。
【0038】係合部材44は案内部材47によって第1
係合部に係合するまで、ロック板41又はリターンギヤ
46に干渉しないように案内された後に、径方向外側か
らロック板41またはリターンギヤ46に接近し係合し
ているために、係合時にリターンギヤ46を反糸巻取り
方向に回転させたり、リターンギヤ46によって係合動
作が阻止されたり、ロック板41と衝突してクラッチオ
フ操作力を増大させてしまうなどの不具合が生じない。
【0039】所望長さの釣り糸が繰り出されると、釣り
糸の繰り出しを止めるためにクラッチをオンする。この
場合は、釣り人がクラッチプレート18を外方に移動す
る。このとき、カム面18bが外れることでクラッチヨ
ーク60は図示しないばね部材によって再びスプール1
5側に移動させられる。これによりクラッチはオンとな
り、釣り糸の繰り出しは停止する。このとき、クラッチ
プレート18にクラッチリターン機構40側からの力が
作用しないため、クラッチプレート18の操作には大き
な力を必要としない。
【0040】また、クラッチオフ状態で釣り人がハンド
ル2を回転させて釣り糸の巻き取りを行うと、ハンドル
2によりハンドル軸30が回転する。すると、リターン
ギア46が回転し、図8に示すように、その爪部46a
が係合部材44の第2爪44bを押していく。すると、
係合部材44はロック板41を所定角度回転させた後に
ロック板41からの係合を離脱する。この過程でトグル
スプリング45がトグルポイントを越えると、係合部材
44をロック板41から離れる方向に付勢する。この結
果、係合部材44及びアーム部材43はトグルスプリン
グ45からの付勢力により元の位置(図5)に戻る。ア
ーム部材43が元の位置に戻るときに、クラッチプレー
ト18の当接部18dを押すことにより、クラッチプレ
ート18を外側に移動させる。この結果、カム面18b
がクラッチヨーク60から外れて、クラッチはオン状態
になる。
【0041】以上に述べた動作中において、係合部材4
4にはロック板41からの抵抗とリターンギア46から
のリターン力とが作用している。ここでは両方の力が同
一の部材に作用しているために、係合部材44にリンク
している他の部材(アーム部材43等)に対してストレ
スがかからず部材間でのコジも少なくなっている。アー
ム部材43及び係合部材44が元の位置に戻るのは、ト
グルスプリング45によって付勢されるからである。こ
のスプリング45の付勢力は支柱49の周囲で受けられ
る。そのため、部材間でのコジが少なくなり、発生する
摩擦が少なくなっている。特に、アーム部材43及び係
合部材44は板部材同士の摺動によるものではないため
に、塩噛みに強い。
【0042】コイルスプリング42の付勢方向は、ロッ
ク板41が糸巻取り方向と反対向きに回転するようにな
っていれば、変更可能である。たとえば、コイルスプリ
ング42の一端を係合用凹部41aの近傍に固定し、接
線方向にロック板41を付勢してもよい。リターンギア
46の爪部46aに噛み合うストッパを設けて、リター
ンギアとストッパとによりワンウェイ機構を構成しても
よい。
【0043】
【発明の効果】本発明に係るクラッチリターン機構で
は、クラッチ解除状態においてハンドル軸に糸巻取り方
向への力が不意に作用したとしても、制動手段が係合部
材の離脱動作に対して制動力を発生させるため、係合部
材が係合位置から離脱しにくい。その結果、クラッチ操
作部材が不意にクラッチ連結位置に戻されにくい。操作
者がクラッチ操作部材をクラッチ解除位置からクラッチ
連結位置側に移動させるときには、クラッチ操作部材は
係合部材によって移動を妨げられない。ここでは、クラ
ッチ操作部材に大きな力が作用しないため、クラッチ連
結操作が容易である。
【0044】以上に述べたように、ハンドル軸側からの
力に対しては容易にクラッチがオンしないのにもかかわ
らず、クラッチ操作部材を操作する際には小さな力でク
ラッチをオンできる。案内部材が設けられると、アーム
部材が第1位置から第2位置に回動するときに、係合部
材は案内部材によって回動部材または回転部材にに干渉
しないように案内され、その後係合部材は径方向から回
転部材の第1係合部に接近して係合する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が採用された両軸受リールの
部分縦断面図。
【図2】両軸受リールの部分縦断面図。
【図3】クラッチリターン機構周辺の縦断面図。
【図4】クラッチリターン機構周辺の縦断面図。
【図5】両軸受リールのカバーを外した状態の側面概略
図。
【図6】クラッチリターン機構の動作を示す図7に相当
する図。
【図7】クラッチリターン機構の動作を示す図7に相当
する図。
【図8】クラッチリターン機構の動作を示す図7に相当
する図。
【符号の説明】
18 クラッチプレート 40 クラッチリターン機構 41 ロック板 42 コイルスプリング 43 アーム部材 44 係合部材 45 トグルスプリング 46 リターンギア 47 案内部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クラッチ操作部材と、 前記クラッチ操作部材のクラッチ解除操作によって係合
    位置に変位し、前記係合位置から非係合位置への変位に
    よって前記クラッチ操作部材をクラッチ連結位置に変位
    させる係合部材と、 前記係合位置にある係合部材と係合し、ハンドル軸の糸
    巻取り方向への回転に伴って前記係合部材を前記非係合
    位置に離脱させる離脱手段と、 前記係合部材の前記非係合位置への離脱動作に対して制
    動力を発生させる制動手段と、を備えた両軸受リールの
    クラッチリターン機構。
  2. 【請求項2】前記クラッチ操作部材と前記係合部材は、
    前記クラッチ操作部材がクラッチ連結操作されると係合
    位置にある係合部材から離れる関係にある、請求項1に
    記載の両軸受リールのクラッチリターン機構。
  3. 【請求項3】前記離脱手段は、リール本体に回転自在に
    支持されており係合部材が係合可能な第1係合部を有す
    る回転部材を含み、 前記制動手段は、前記回転部材を前記ハンドル軸の糸巻
    取り方向と反対向きに回転するように付勢する第1付勢
    部材を含む、請求項1または2に記載の両軸受けリール
    のクラッチリターン機構。
  4. 【請求項4】前記クラッチ操作部材が一側部に当接し、
    前記クラッチ操作部材のクラッチ連結位置に対応する第
    1位置と、前記クラッチ操作部材のクラッチ解除位置に
    対応する第2位置とで回動自在なアーム部材をさらに備
    え、 前記係合部材は、前記アーム部材に回動自在に係合し、
    前記アーム部材が第1位置から第2位置に回動すると前
    記回転部材の前記第1係合部に係合する第2係合部を有
    する、請求項3に記載の両軸受リールのクラッチリター
    ン機構。
  5. 【請求項5】前記アーム部材を第1位置側に付勢する第
    2付勢部材をさらに備え、 前記離脱手段は前記ハンドル軸に相対回転不能に係合さ
    れた回動部材をさらに含み、前記回動部材は前記ハンド
    ル軸が糸巻取り方向に回転したときに前記係合部材を押
    すことで前記第2係合部を前記第1係合部から外れさせ
    る、請求項4に記載の両軸受リールのクラッチリターン
    機構。
  6. 【請求項6】前記アーム部材が第1位置から第2位置に
    回動するときに前記係合部材が前記回動部材に干渉しな
    いように案内し、案内終了後には前記係合部材が前記回
    転部材の第1係合部に径方向から接近するのを許容する
    案内部材をさらに備えている、請求項5に記載の両軸受
    リールのクラッチリターン機構。
  7. 【請求項7】前記アーム部材が第1位置から第2位置に
    回動するときに前記係合部材が前記回転部材に干渉しな
    いように案内し、案内終了後には前記係合部材が前記回
    転部材の第1係合部に径方向から接近するのを許容する
    案内部材をさらに備えている、請求項5に記載の両軸受
    リールのクラッチリターン機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN104041470A (zh) * 2013-03-13 2014-09-17 株式会社岛野 双轴承渔线轮
US9320341B2 (en) 2010-02-17 2016-04-26 Ebags, Inc. Interior cradle for a portable electronic device
CN105532601A (zh) * 2016-02-05 2016-05-04 段泽民 防止卷簧反向缠绕且自动收线的溜鱼器

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