JPH0996844A - 非線形周波数変換導波路形成方法 - Google Patents

非線形周波数変換導波路形成方法

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JPH0996844A
JPH0996844A JP8107791A JP10779196A JPH0996844A JP H0996844 A JPH0996844 A JP H0996844A JP 8107791 A JP8107791 A JP 8107791A JP 10779196 A JP10779196 A JP 10779196A JP H0996844 A JPH0996844 A JP H0996844A
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JP8107791A
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Leplingard E Florence
イー.レプリンガード フローレンス
J Kingston John
ジェイ.キングストン ジョン
D Bringans Ross
ディー.ブリンガンズ ロス
K Fork David
ケー.フォーク デイビッド
G Waarts Robert
ジー.ワーツ ロバート
F Welch David
エフ.ウェルク デイビッド
S Jils Randall
エス.ジールズ ランダル
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    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/35Non-linear optics
    • G02F1/355Non-linear optics characterised by the materials used
    • G02F1/3558Poled materials, e.g. with periodic poling; Fabrication of domain inverted structures, e.g. for quasi-phase-matching [QPM]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S117/00Single-crystal, oriented-crystal, and epitaxy growth processes; non-coating apparatus therefor
    • Y10S117/918Single-crystal waveguide

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 準位相マッチング(QPM)光学周波数変換
を生成する方法及び装置を提供する。 【解決手段】 下層上に形成される上層20を含む非線
形周波数変換導波路を形成する方法であって、下層を下
層の上部表面に沿った周期的パターンを有する複数の第
1領域にパターン形成するステップを有し、上部表面に
沿った第1領域22、24、26の各々は実質的に矩形
形状であり、下層の上部表面の上層をエピタキシャル成
長させ、上層の成長として上部表面の周期的パターンを
複製し、実質的に垂直なドメイン境界21を有する上層
に実質的に矩形角柱形状の複数の第2領域12、16を
形成するステップを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般的に準位相マッ
チング(QPM)による光学周波数変換のためのデバイ
スを形成する膜の製造法に関し、更に詳細には、隣接
膜、サブ層、下層又は媒体の表面に存在する確立した非
線形係数パターン形成を複製する薄い酸化膜の成長又は
形成に関し、形成された膜は有効な周波数変換導波路と
して使用される。
【0002】
【従来の技術】可視光レーザ、特にブルー及びグリーン
レーザは、その動作波長のためにあるアプリケーショ
ン、例えば光学記憶、プリント及びディスプレイでは赤
外レーザよりも所望される。より短い波長で動作するレ
ーザを使用すると多数のアプリケーションにおいて利点
を有する。例えば、現在使用されている赤外レーザでは
なく可視波長範囲で動作するブルーレーザが読み取り/
書き込み機能に用いられると、ディスクの記憶スペース
は波長の2乗にほぼ比例するため、光ディスクは約4倍
の情報をディスクに記憶することができる。又、ブルー
レーザを使用するレーザプリンタは赤外レーザを使用す
るプリンタよりも高い解像度でプリントすることができ
る。
【0003】赤外レーザダイオードは公知であり長年利
用されてきたが、ブルー/グリーン範囲で放射するダイ
オードレーザには依然技術的問題点がある。研究者はブ
ルーダイオードレーザを製造するために高バンドギャッ
プ半導体物質、例えばセレニド亜鉛(ZnSe)、II
−VI族半導体物質及びより最近では窒化ガリウム(G
aN,III−V族半導体)の使用に注目している。
【0004】ブルー又はグリーン光を得るための別の方
法は、III−V族半導体物質から製造される赤外レー
ザダイオードによって生成される赤外光を非線形結晶を
介して通過させ、一部の赤外光の周波数をより大きな周
波数に変換することである。この周波数変換の例として
本明細書では周波数2逓倍が述べられる。赤外スペクト
ルは約780nm乃至10ミクロン以上におよび、ブル
ー光のスペクトルは約400nm乃至490nmであり
グリーン光のスペクトルは約490nm乃至560nm
である。周波数の2逓倍は光の波長を1/2にすること
と同じなので、赤外レーザ光が周波数2逓倍光学結晶を
通過すると(赤外光の半分の波長である)ブルー又はグ
リーンレーザが導波路出力からエミットする。赤外光は
"基本波”と称され、周波数2逓倍によって生成される
ブルー又はグリーン光は "第2高調波”と称される。周
波数2逓倍のプロセスも第2高調波生成( "SHG”)
と称される。SHGは周波数変換効率を増加するために
光学導波路を使用することによって実現される。
【0005】光学導波路が導波路の端部でブルー又はグ
リーン光を放射するためには基本波及び第2高調波は導
波路の全長を伝搬する。これらの波が伝播しなければな
らない長さは "伝搬長”である。
【0006】周波数2逓倍には基本波及び第2高調波が
非線形結晶又は膜においてできるだけ同じ相で周波数2
逓倍が形成されることが要求される。非線形光学導波路
を含む非線形物質の屈折率は、基本波及び第2高調波の
波長が異なると異なるため、光波は異なる速度で非線形
光学導波路を通過する。従って、第2高調波が成長し、
それに付随して周波数が2逓倍された光のパワー及び強
度も二つの波の相がπだけずれる点まで成長する。波が
πだけ相外れになる結晶長は "コヒーレンス長”であ
る。第1コヒーレンス長の後第2高調波はゼロ振幅まで
減衰し始め、相差が2π、即ち、2コヒーレンス長にな
るとゼロ振幅になる。同じメカニズムが伝搬長にわたっ
て再現される。コヒーレンス長が数ミクロンである場合
は生成される高調波パワーは小さすぎて実際に使用でき
ない。
【0007】特定の光学非線形係数 [dij] は各非線形
光学物質に関連する。種々の結晶の非線形係数のリスト
は "量子エレクトロニクス(Quantum Electronics)" と
題されたエイ.ヤリブ(A.Yariv)による出版物(J.Wile
y & Sons, 1989年) の第387項に示される。
【0008】基本波及び第2高調波の相を同一に維持す
るため、非線形物質の複屈折特性が使用されて基本波及
び第2高調波の相を同一に維持し、更にバルク物質を使
用した周波数2逓倍に使用される。しかしながら、結晶
に必要なオリエンテーションのために複屈折はより大き
い結晶の非線形係数d33ではなく例えばd31、d32の結
晶の非線形係数を使用し、+Zオリエンテーションに並
列に存在する(例えば、LiNbO3 ではd31は5−6
pm/Vでd33は34pm/Vである)。更に、薄膜導
波路では二つの基本モードの相マッチングが常に可能で
はない。異なるオーダーのモード間の相マッチングを実
現するためにモード分散が使用されてもよい。しかしな
がら、普通二つのモードのオーバーラップが非常に低い
ため、モード分散を使用して得られる位相マッチングは
有効ではない。
【0009】従って、周波数2逓倍物質、例えばリチウ
ムニオベート(LiNbO3)及びリチウムタンタレート
(LiTaO3 )において、変調又は周期的非線形定数
パターン形成を行うために準相マッチング(QPM)の
別の技術が使用され、その一つのタイプは分極逆転パタ
ーンを含む。このタイプのパターン形成は "分極パター
ン”とも称され、2逓倍バルク結晶に形成される。この
方法を使用することによって、強誘電性結晶の強誘電分
極は周期的に逆転し、それによって交播する正及び負の
ドメインを有する結晶に回折格子又はパターンを形成す
る。あるドメインにおける結晶の非線形係数の符号は、
反対の符号を有する隣接ドメインに対して逆である。分
極逆転を最も有効に行うためには、周期的分極はコヒー
レンス長Lc の2倍に対応する結晶に沿った周期で実行
され、ここでLc =π/Δβであり、Δβは基本及び第
2高調波の伝搬ベクトルの差に等しく、各ドメインは同
じ幅である。これは第1オーダーQPMとして公知であ
る。
【0010】導波路として使用される物質の部分を介し
て垂直に延出するドメインの急な逆転があり、ドメイン
間に垂直壁又は境界線が形成される場合、準相マッチン
グは最も有効である。ドメイン境界に角度が付けられて
いる場合、即ち導波路の長手方向に非垂直である場合、
周波数変換効率は減少する。周期的非線形係数パターン
のデューティサイクルは導波路媒体の深さの関数である
ので周期的非線形係数の半分の周期はコヒーレンス長の
整数倍に等しくないため、赤外光の一部だけが導波路に
よってブルー又はグリーン光に変換される。導波路に入
射する赤外光の量によって分割され放射するブルー又は
グリーン光の量は、所望のブルー又はグリーン光を形成
する導波路の変換効率に等しい。
【0011】非線形導波路に生成されるブルー又はグリ
ーン光の第2高調波生成(SHG)パワーは伝搬長の2
乗に比例し、又導波路に使用される物質の非線形係数の
2乗にも比例する。従って、そのような結晶の効率を増
加させたい場合はできるだけ長い伝搬長を形成し、高い
非線形係数の非線形物質を使用すればよい。
【0012】生成した可視光のパワーは赤外光の強度の
2乗に反比例するため、光をできるだけ小さな領域に閉
じ込めることも所望される。SHG効率は赤外パワー強
度に比例する。従って、光を直接バルク結晶物質に連結
するのではなく、光を閉じ込める薄膜技術で形成された
導波路を使用することによってSHG効率を非常に向上
させることができる。
【0013】周期的分極を提供するために結晶、例えば
結晶バルク物質に周期的非線形係数パターンを形成する
ための従来の別の方法が多数ある。そのような方法の例
は、LiNbO3 のチタン内部拡散、プロトン交換、そ
れに引き続きLiTaO3 のアニーリング及び加熱処理
である。以下の文献を参照されたい。イー.ジェイ.リ
ム等(E. J. Lim et al.) による "周期的分極リチウム
ニオベートチャネル導波路における周波数2逓倍による
ブルー光生成(Blue Light Generation by Frequency D
oubling in Periodically Poled Lithium Niobate Chan
nel Waveguide)" (Electronics Letters ,25(1
1)第731項乃至第732項、1989年);ケイ.
ミズウチ等(K. Mizuuchi et al.) による "加熱処理を
伴ったプロトン交換を使用したLiTaO3 におけるド
メイン逆転(Domain Inversion inLiTaO3 Using P
roton Exchange Followed by Heat Treatment)" (J.
Appl. Phys.,第75巻(3)、第1311項及び次
項、1994年);及びケイ.ナカムラ等(K. Nakamur
a, et al.)による "加熱処理によるLiNbO3 の強誘
電ドメイン逆転(Ferroelectric Domain Inversion Cau
sed in LiNbO3 Plates by Heat Treatment)"
Applied Physics Letters,第50(20)巻、第1
413項及び次項、1987年)である。電界を付与し
てこれらの電極膜を導波路として使用することによって
酸化薄膜の周期的分極を達成することも公知である。例
えば、ダブリュー.ケイ.バーンズ等(W. K. Burns et
al.) による"電界電極、準位相マッチングされたバル
クLiNbO3 における第2高調波の生成(Second Har
monic Generation in Field Poled, Quasi-Matached, B
ulk LiNbO3)" ( IEEE Photonics Technology Letters
,第6巻(2)、第252項乃至254項、1994
年2月);ティー.エイ.ロスト等(T. A. Rost et a
l.)による "リチウムニオベート薄膜における電気的ス
イッチング(Electrical Switching in Lithium Niobat
e Thin Films)" (International Symposium on Integ
rated Ferroelectrics(ISIF));1991年;エフ.ダ
ブリュー.アインガー(F. W. Ainger) による "金属有
機化学蒸着による強誘電薄膜(FerroelectricThin Film
s by Metal Organic Chemical Vapour Deposition)"
Material Research Society Symposium Proceeding
s,第200巻、第37項及び次項)。
【0014】しかしながら、これらの分極技術は薄膜の
周期的非線形係数パターン形成が難しい。例えば下層基
体(形成された半導体レーザを既に含むかもしれない)
は任意に高温に加熱されることはできない。更に詳細に
は、チタン内部拡散は約1000℃のLiNbO3 で実
行されなければならない。しかしながら、薄膜が付着し
た基体又は膜自体はそのような高温に耐えられない。
又、バルク結晶技術の幾つかは、物質は周期的非線形係
数パターン形成の前にある特定の方向にマルチドメイン
又は均一に分極されなければならないが、これは薄膜の
成長中は制御が困難である。電界誘電分極では、このプ
ロセスはバルク結晶物質に有益である。しかしながら、
膜がサファイヤ基体のような絶縁物質に付着した場合、
殆どの電圧降下は絶縁基体又は低誘電下層に渡るため、
電界は更に付与されにくくなり、その結果物質に所望の
強誘電相を得るために付与電界から発達した電荷を除去
又は分散する方法がない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、準位
相マッチング(QPM)光学周波数変換を生成する方法
及び装置である。
【0016】本発明の別の目的は、層又は媒体から隣接
層又は隣接媒体へ結合した周期的非線形係数パターンを
複製する方法を提供してして光学導波路媒体にQPMを
提供するデバイスを形成することである。
【0017】本発明の別の目的は、前に周期的非線形係
数パターン形成された基体又は下層に酸化薄膜をエピタ
キシャル成長させ、実質的に矩形の角柱形状ドメインが
成長した膜の深さにわたって形成され、赤外レーザダイ
オード光から可視光を有効に生成する絶縁基体又は絶縁
中間層に光学周波数変換導波路を形成することである。
【0018】本発明の更なる目的は、酸化膜と同じ基体
上に赤外光源を有するモノリシックな高効率周波数変換
デバイスを製造するか或いは互いに光学的に連結して近
接するレーザ及び周波数変換デバイスを有する高効率周
波数変換デバイスを製造することである。
【0019】本発明のまた別の目的は、現在市販されて
いる薄膜非線形導波路より高効率且つ安価な光学導波路
を形成することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】これらの目的に従うと、
本発明は、非線形係数パターン特性を第1層から第2層
に誘導又は複製することによって、例えば上層の成長中
に既存のドメイン特性を下層から上層へ誘導するか又は
上層の成長及びドメインの移行の後上層から下層に渡っ
てドメイン特性を組み込むことによって光学導波路、例
えば赤外光を可視光に変換するQPM周波数変換導波路
を製造する方法を提供する。本発明の例示のために三つ
の実施の形態が開示されている。始めの二つの実施の形
態は、下層、サブ層又はバルク結晶媒体のエピタキシャ
ル成長中に達成される周期的分極された(光学非線形係
数の周期的符号交替)又は周期的に変調する(光学非線
形係数の周期的変調)上層の形成に関し、上層は光学導
波路媒体としての役目を果たす。第3実施の形態は、エ
ピタキシャル成長の後の下層又は結晶バルク媒体から上
層にわたった周期的分極又は変調に関し、下層は光学導
波路媒体としての役目を果たす。
【0021】本発明の第1実施の形態に従うと、非線
形、周波数変換光学導波路はエピタキシャル成長と同時
に上層に誘導及び複製された周期的非線形係数パターン
を有するエピタキシャル成長によって強誘電性酸化物か
ら形成される。その方法は周期的非線形係数パターンを
形成する強誘電性酸化物を含む下層、サブ層、結晶バル
ク媒体又は基体(以後便宜上まとめて "下層”と称す
る)の周期的非線形係数パターン形成を含む。本明細書
中で一般的に使用される "周期的非線形係数パターン形
成”は少なくとも二つの異なる可能なパターン又は格子
の一つであり、例えば正及び負の非線形係数の周期的分
極パターン又は最初が正又は負の非線形係数の周期的変
調パターン及び比較的低い大きさ又はゼロマグニチュー
ド、即ち非線形性でない第2非線形係数である。第1パ
ターンは一連の実質的に矩形形状のドメインパターンを
下層の上部表面に沿って提供する。しかしながら、下層
内ではこれらの境界は下層の上部表面に必ずしも平行又
は垂直ではないため、例えば三角形、半円又は台形形状
タイプの境界である。周期的非線形係数パターンのデュ
ーティサイクルは導波路媒体深度の関数なので選択され
た非線形係数の半分の周期はコヒーレンス長の整数倍に
完全に等しくないため、導波路媒体のこのような形状の
種類のドメインによって周波数変換が減少する。
【0022】次に上層は、エピタキシャル成長、例えば
スパッタリング又は上層の付着と同時に下層表面で周期
的非線形係数パターンを上層に複製することによって下
層に付着される。結果として、前に下層に形成された複
数のドメインは、厚み全体に渡って下層に最初に形成さ
れた周期的非線形係数パターンと一致して上層に自動的
に複製される。従って、上層のドメインは下層のドメイ
ンと実質的に同じ長さ、幅及びパターン状態を有する。
更に重要なのは、上層内に形成されたドメインは上層の
水平面に沿って実質的に矩形の実質的に直線状の垂直境
界を有し、それによって上層のQPM特性が向上する。
【0023】この第1実施の形態に従うと、非線形、周
波数変換光学導波路は下層の上に上層を有し、強誘電性
酸化物を有する下層は下層の上部表面に沿って形成され
た非線形係数パターン状態を有する複数のドメインに周
期的にパターン形成される。下層の周期的非線形係数パ
ターン形成の後、強誘電性酸化物を含む薄膜下層がパタ
ーン形成された下層上でエピタキシャル成長する。下層
の周期的非線形係数パターン形成はエピタキシャル成長
中上層で繰り返され、その結果最初に形成された上層の
ドメインの非線形係数パターン状態を有する複製ドメイ
ンの誘電、変調パターンが得られる。複製されたドメイ
ンは実質的に矩形角柱形状構造であり、付着した上層の
厚み全体に渡って連続的である。従って、上層の複製ド
メインは下層に形成された初期ドメインと実質的に同じ
長さ、幅及びパターン状態である。更に、複製ドメイン
は下層の周期的非線形係数パターン形成において形成さ
れた非垂直形状境界とは対照的に上層の厚みに渡って実
質的に垂直の境界を有する。
【0024】本発明の第2実施の形態に従うと、非線形
周波数変換光学導波路として利用され、強誘電酸化物を
含んだエピタキシャル成長した非線形薄膜上層の周期的
非線形係数パターン形成のための方法が提供されてい
る。導波路は最初に下層上にシード層を形成することに
よって形成され、形成されたシード層は、その間が下層
の露出領域である空間的に形成されたシード物質のパタ
ーン又は一方が強誘電性酸化物であってもよい二つの異
なる種類の物質の交替領域を含む。後者の場合、下層は
強誘電酸化物である必要は無いため、シード層が下層で
ある。次に、上層は形成されたシード層の上でエピタキ
シャル成長し、上層は下層の物質に従って周期的非線形
係数パターン状態を形成するため、上層に形成された各
ドメインは下のシード層の対応する物質の直ぐ上に配置
する。換言すると、下のシード層に形成されたドメイン
のパターンは付着したシード物質(単数又は複数)のパ
ターンに応じた周期的非線形係数パターン状態である。
複数の複製ドメインは、下のシード層の周期的非線形係
数パターンに対応した周期的非線形係数パターン状態を
有する上層に形成される。従って、上層の複製ドメイン
は、上層の厚みに渡って形成された実質的に垂直なドメ
イン境界を有するシード層ドメインと実質的に同じ長
さ、幅及びパターン状態である。周期的非線形係数パタ
ーンの例は形成された薄膜光学導波路において反対に分
極した交替ドメインを含む分極パターンである。
【0025】この第2実施の形態に従うと、非線形周波
数変換光学導波路は上層及び下層を含み、更に少なくと
も一種類のシード物質を含む交替領域を有する形成され
たシード層を含み、周期的非線形係数パターンが付着シ
ード層の上部表面に沿って形成される。強誘電性酸化物
を含む非線形薄膜上層はシード層にエピタキシャル付着
する。下のシード層に確立した周期的パターン状態は上
層の成長中に上層の周期的非線形係数パターンを有する
上層に変形される。従って、複数のドメインが上層に形
成され、この上層は下のシード層に確立した周期的パタ
ーン状態に対応する周期的非線形係数パターン状態を有
する。
【0026】本発明の第3実施の形態に従うと、非線形
周波数変換光学導波路として利用される強誘電性酸化物
を含む下層の複製周期的非線形係数パターン形成方法が
提供されている。第1に、強誘電酸化物を含む薄膜上層
がエピタキシャル成長によって下層に形成される。上層
及び下層の周期的非線形係数パターン形成は上層の付着
が完了した後に行われる。次に、従来の化学的又は電気
的変調技術のいずれかを用いて所定の周期的非線形係数
状態の複数のドメイン、例えば逆の極性の交替ドメイン
又は実質的に光学線形の係数の領域間に周期的に空間形
成された非線形ドメインを形成することによって、上層
の周期的非線形係数パターン形成が上層の上部表面に沿
って開始する。所定の周期的非線形係数パターン状態は
上層の表面に沿って形成され、実質的に矩形構造の表面
領域のパターンを形成する底面までこの層を上層の底面
に沿って貫通させる。次にこの周期的非線形係数表面パ
ターンは、変調した上層の電界特性を維持して層の境界
で所定の周期的非線形係数パターン状態を複製した周期
的非線形係数パターン状態を有する複数のドメインを下
層に形成する。下層ドメインは上層底面のドメインと実
質的に同じ長さ及び幅を有し、層の境界に沿って形成さ
れた上層ドメインパターンの周期性を含む実質的に直線
状に形成された垂直ドメイン境界を有する下層までの確
定された深さを有する。
【0027】上記の実施の形態の各々において、周期的
非線形係数パターンは正及び負の交替非線形係数要素の
パターン又は最初が正又は負の交替非線形係数要素と第
1非線形係数の大きさよりかなり小さいか又はゼロに等
しい大きさの第2非線形係数要素のパターンを有する。
【0028】要約すると、本発明の方法を実施すると初
期層の周期的非線形係数パターンを複製した追加層の利
用によって非線形光学QPM薄膜導波路が得られ、この
追加層は、膜の厚みに渡った又は均一QPMを提供する
実質的に直線状に形成された垂直ドメイン境界を有する
バルク結晶の一部に渡った複数の矩形角柱形状ドメイン
を含む。
【0029】本発明の請求項1の態様では、下層上に形
成される上層を含む非線形周波数変換導波路を形成する
方法であって、下層を前記下層の上部表面に沿った周期
的パターンを有する複数の第1領域にパターン形成する
ステップを有し、上部表面に沿った前記第1領域の各々
は実質的に矩形形状であり、下層の上部表面上の上層を
エピタキシャル成長させ、上層の成長として下層の上部
表面の周期的パターンを複製し、実質的に垂直なドメイ
ン境界を有する上層に実質的に矩形角柱形状の複数の第
2領域を形成するステップを有する。
【0030】
【発明の実施の形態】
1.イントロダクション:成長中又は成長後の層の周期
的非線形係数パターン形成の定義 本発明について説明するために使用される技術用語にお
いて、 "周期的非線形係数パターン形成”とは、薄膜の
光学非線形係数をQPMを提供するように変調する任意
の周期パターンを意味し、一般的に二つのタイプのパタ
ーンがあることが知られている。そのパターンの一つは
正と負の非線形係数の周期的分極パターン(例えば、
+、−、+、−、+...)であり、もう一つは第1番
目が正又は負の非線形係数で二番目が比較的低い大きさ
又はゼロ、即ち非線形がないか又はヌルの非線形係数の
周期的変調パターン(例えば、+、0、+、0、+...
又は−、0、−、0、... )である。
【0031】2.光学導波路デバイスとして使用するた
めの上層の周期的非線形係数パターン形成 A.基体又はサブ層( "下の媒体”)のエピタキシャル
成長中における上層の周期的非線形係数パターン形成 この第1実施の形態において、強誘電性酸化物を含む非
線形薄膜上層が周期的非線形係数パターン形成される。
上層の非線形係数の周期的変調は、最初に強誘電性酸化
物の下層、薄層又は基体(以後全て "媒体”、又は "下
層媒体”と称される)を従来の表面処理による方法、例
えばチタン内部拡散、アニーリング処理又は加熱処理を
伴うプロトン交換によって分極する。次に、強誘電性酸
化薄膜が酸化物媒体の頂部表面上にエピタキシャル成長
する。上層の成長が実行され、下層媒体の分極パターン
が酸化上層に複製されてその上層は周波数変換導波路デ
バイスとして用いられる。
【0032】この第1実施の形態の光学導波路デバイス
を形成するための二つの別の方法が説明される。これら
の方法のうちの一番目によって図2に示されたデバイス
が得られ、二番目によって図4に示されたデバイスが得
られる。
【0033】図1は基体10を有するデバイスを例示し
ており、該基体10の上部分はドメイン12、14、1
6に周期的に分極されている。基体10はLiNbO3
を含むがLiTaO3 から成ってもよい。チタン(T
i)がLiNbO3 の+zカット結晶に拡散され、負の
非線形係数の三角形分極ドメイン12、16が形成され
る。図1に示された周期的分極LiNbO3 基体の製造
方法の一つは、イー.ジェイ.リム等(E. J. Lim et a
l.) による "周期的分極リチウムニオベートチャネル導
波路における周波数2逓倍によるブルー光生成(Blue L
ight Generationby Frequency Doubling in Periodical
ly Poled Lithium Niobate Channel Waveguide)" ( Ele
ctronics Letters ,第25巻(11)、第731項乃
至第732項、1989年)に詳細が示され、これは参
照によって本明細書に援用される。極性逆転によって第
1ドメイン12は負の非線形係数( "−”符号によって
表される)を有し、隣接する第2ドメイン14は正の非
線形係数( "+”の符号によって表される)を有し、第
2ドメインに隣接する第3ドメイン16は負の非線形係
数を有する。正負の非線形係数のこの周期的非線形係数
パターン形成によって基体10の上部表面の長さyに沿
った "−、+、−..."の極性パターンが得られる。
【0034】現在公知の周期的分極方法、例えばチタン
内部拡散によって一般的に垂直でないドメイン、即ち空
間的に形成されたドメインが得られ、この空間的に形成
されたドメインは基体10の水平平面に実質的に垂直な
側部境界を持たない。これは基体10を有する強誘電性
物質の拡散特性のためである。ドメイン12、14、1
6の上部表面17、18、19のそれぞれは幅w及び長
さLの実質的に矩形の形状である。ドメイン12、1
4、16は長さLが等しいことが好ましく、Lは結晶の
コヒーレンス長Lc の倍数である。
【0035】図3は第1実施の形態を実施するためのデ
バイスの別の下層構造を例示しており、基体34上にエ
ピタキシャル成長したバッファ層32上にエピタキシャ
ル成長したサブ層30を有する。この実施の形態におい
てバッファ層32は第2実施の形態と同様に光閉じ込め
層として機能する。本明細書に参照として援用されるフ
ォーク(Fork)による米国特許第5、323、023号は
第4コラム第65行乃至第5コラム第54行でこの基体
の成長方法の一つを教示しており、基体34はシリコン
ドープGaAsであり、バッファ層32は(111)M
gOを含む基体34の(111)表面で成長し、基体3
0はLiNbO3 である。MgOはLiNbO3 に対し
て優れた化学的及び結晶適合性を有する。LiNbO3
サブ層の表面の選択的チタン内部拡散によってサブ層3
0に負の極性の三角形ドメイン36、40が空間的に形
成される。極性逆転によって非線形係数が正と負の符号
の間を交替するドメイン36、38、40を含む複数の
ドメインが形成される。ドメイン36、38、40の上
部表面37、39、41は幅w、長さLのほぼ矩形の形
状である。
【0036】基体10(図2)又はサブ層30(図3)
(以後まとめて言及する場合は "支持媒体”と称され
る)の上に上層(図2では20及び図4では42)がエ
ピタキシャル成長する。上層を成長させるために任意の
エピタキシャル成長方法が使用されてよく、その方法は
液相エピタキシ(LPE)、スパッタ付着、eビーム付
着、パルスレーザ付着及び特にソリッドソースMOCV
DシステムではMOCVDを含むがこれらに制限はされ
ない。
【0037】
【実施例1】第1実施の形態の上層の適切な特性を得る
ための特定の処理の例として、RFマグネトロンスパッ
タリングシステムが焼結ストイキオメトリックなLiN
bO 3 ターゲットを使用して用いられる。均一な加熱及
び膜付着を得るためにLiNbO3 を含む基体10を放
射加熱し、回転した。基体10を1:1のH2 SO4
2 2 で約10分間洗浄し、次にH2 O及びエタノー
ルで水洗しスパン乾燥した。次に基体を前に述べられた
方法で適切に分極し、赤外熱の吸収を助けるシルバーペ
ーストを使用してホルダーにマウントした。マウントし
た基体を有するホルダーをスパッタリング真空チャンバ
に挿入した。基体が均一な加熱を得てデポジット膜、特
に超薄膜のばらつきの形成を防ぐようにホルダーを放射
加熱して放射した。基体10はスパッタリングチャンバ
に軸外れで配置され、発達したプラズマエンベロープの
メインボディに近接するスパッタターゲットに垂直であ
った。成長膜の高エネルギー負イオン(O- 及びLiO
- )のフルエフェクトを減少させるために基体10を軸
外れの位置に配置した。そうでない場合は、ターゲット
表面でDC電界によって形成されるこれらのイオンの直
接の効果によって成長膜表面のストイキオメトリーのロ
ス及び膜の形態的変化が起こる。
【0038】Ar2 をチャンバに導入してArプラズマ
を生成した。付着プロセス中にO2をチャンバに導入
し、チャンバへのフロー率を制御してLiNbO3 を含
む所望のストイキオメトリック化合物を得た。特に、L
iNbO3 膜を生成するために使用する特定のスパッタ
リングチャンバにマウントされた基体をターゲットから
約6.5cm及びターゲットのエッジから約4cmの位
置に配置した。基体を加速されたイオンの位置により近
く配置すると適切なストイキオメトリック化合物は基体
に付着しないが、他の相、例えば強誘電特性を持たない
Li高含有相、LiNbO4 又はLi低含有相、LiN
bO8 がマウント支持媒体に付着する。従って、マウン
ト支持媒体をターゲットに関してオフセットするか又は
メインプラズマエンベロープの外に配置ことによって成
長膜からのLiの喪失を制御し、所与のスパッタガス圧
及びRFパワーで適切な温度条件及び適切なAr2 /O
2 比の適切なストイキオメトリック化合物が得られる。
【0039】この実施例の膜の生成に用いる特定のスパ
ッタリングシステムの好適なパラメータに関しては、最
適温度は650℃乃至750℃の範囲であり、Ar2
2の混合率、O2 の部分圧力は所望のストイキオメト
リック化合物が得られるように調節される。温度がこの
上限値をかなり越える場合は、他の相が生成されて常誘
電/強誘電が混合した性質を有する混合相が得られる。
温度がこの範囲の下限値よりかなり下である場合は、ニ
オブ又はリチウム相が導入されて常誘電/強誘電が混合
した性質を有する混合相が得られる。
【0040】O2 の部分圧力を変化させることによっ
て、エピタキシャル付着プロセスにおいて適切な強誘電
相を正確に得ることができる。例えば、Ar2 :O2
の変化は適切な相を得るために8:0.2乃至8:0.
9にわたる。使用される特定のスパッタリングシステム
では、740℃前後の温度を8:0.57の混合比のア
ルゴン:酸素に与え、2mトールの全システム圧力を加
えてオフセットマウント基体10上に所望のストイキオ
メトリックLiNbO3 上層20を得た。LiNbO3
ターゲットを約110分間スパッタリングして約250
nmの厚みを有する薄膜上層20を付着した。付着の
後、デバイスを約100トールの圧力の周囲酸素の室温
にゆっくり冷却し、その後付着膜を有する基体を真空チ
ャンバから除去した。得られた膜をx線検査するとLi
NbO3 上層膜20のc軸とLiNbO3 基体10のc
軸とが位置合わせされていた。
【0041】基体10又は他の支持媒体30としてLi
NbO3 の代わりに異なる強誘電性酸化物が使用されて
もよい。又、上層20、42はLiTaO3 、バリウム
チタネート(BaTiO3 )、KTP、カリウムニオベ
ート(KNbO3 )、ストロンチウムバリウムニオベー
ト(SBN)又はKTOを含むスパッタリング薄膜でも
よい。更に、上層20、42の成長はホモエピタキシャ
ル成長、即ち、上層に使用されたものと同じ強誘電性酸
化物が支持媒体と同一であってもよいし、ヘテロエピタ
キシャル、即ち、異なる強誘電性酸化物を含んでもよ
い。
【0042】バッファ層としてMgOの他に、バッファ
層32はフッ化カルシウム(CaF 2 )、尖晶石(Mg
Al2 4 )のような物質を含んでもよく、これらの物
質はMgOと同様にGaAsでありうる基体34より屈
折率が低い。バッファ層においてより低い屈折率を有す
る物質を使用することによって、非線形導波路として機
能するより高い屈折率の上層42の入力として入射し、
該上層42と結合する光を閉じ込める。低屈折率を提供
することに加えてバッファ層32によってGaAsの基
体34上に優れた品質の薄膜が成長する。GaAs基体
又は低分解温度を有する他の基体を分解せずに酸化層が
980℃程の高温でエピタキシャル成長することによっ
て、GaAsからの砒素の外方拡散が約400℃で起こ
る際、該バッファ層は保護層の役割も果たす。更に基体
34はGaAsではなくシリコン(Si)でもよい。
【0043】一般的に、薄膜は直径約1000Å=10
0nm(約1μmの赤外基本光の導波路の約1/10の
サイズ)の酸化物の小さな粒子から成長する。第2高調
波効率の減衰を起こすのでコヒーレンス長Lc より長い
ドメインを形成しないように、またより効率のよいQP
MSHGを得るために、粒子は、サファイヤ基体に成長
するLiNbO3 粒子に一般的に見られるように、コヒ
ーレンス長より小さく、微細粒の柱状に成長する粒子が
好ましい。
【0044】特定の極性領域に成長する粒子がその上に
該粒子がドメインの最終境界まで凝集する表面の分極を
複製する場合、上層20、42の下部表面から該上層の
上部表面まで延びる、実質的に直線状の垂直壁21(図
2)及び43(図4)がドメイン間に見られ、この壁は
支持媒体10、30のドメイン間に形成された壁は垂直
でないが存在する。従って、上層20、42は成長して
上層のすぐ下の基体又はサブ層に形成されたドメインの
上部表面の幅、長さ及び非線形係数パターンと同じ幅、
長さ及び非線形係数パターンの複数の実質的に矩形のド
メインを形成する。上層に形成されたドメインの各々は
上層の厚み全体にほぼわたって形成される。図2では、
ドメイン22、24及び26は、ドメイン12、14、
16の上部表面17、18、19に形成されたドメイン
パターンと実質的に同じ長さL、幅wで上層20の厚み
全体Rにほぼわたって実質的に矩形の角柱形状構造に成
長する。図4では、ドメイン44、46及び48は、ド
メイン36、38、40のそれぞれの上部表面37、3
9、41に形成されたドメインパターンと実質的に同じ
長さL、幅wで上層42の厚み全体Sにほぼわたって実
質的に矩形の角柱形状構造に成長する。
【0045】従って、下層の周期的非線形係数パターン
はドメイン間に実質的に垂直な壁又は境界を伴って上層
に複製パターンを形成し、上層は非線形光学導波路とし
て最適になるが、これは上層20、42の垂直境界ドメ
インは伝搬光の周波数変換における有効な準相マッチン
グに要求される伝搬経路長を最適化するためである。
【0046】非線形係数の符号、即ち分極パターンを変
調することによって格子又はパターンを形成する別の方
法として、変調非線形係数パターンは上層に複数のドメ
インを有し、ドメインの第1セットは特定の極性の第1
非線形係数を有し、ドメインの第1セットと交替するド
メインの第2セットは第1非線形係数の大きさよりも非
常に小さいか又はゼロに等しい(非線形係数ではない)
第2非線形係数を有する。最後に述べた大きさゼロのパ
ターンの例は、 "−、0、−、0..."を含み、基体10
上の上層20’に形成された周期的非線形係数パターン
12’、14’、16’及びサブ層30上の上層42’
に形成された周期的非線形係数パターンとして図5及び
6に示される。図5の場合、 "−、0、−、0..."の変
調パターンは基体10に形成される。このパターンは強
誘電酸化基体、例えばLiNbO 3 又はLiTaO3
用いることによって得られ、この基体は基体の露出表面
に安息香酸のプロトン交換が施されるようにパターン形
成される。基体10の頂部表面のドメイン表面パターン
は成長中上層20’に複製されてドメイン22’、2
4’26’の矩形角柱形状構造を形成する。例えば、基
体10はLiNbO3であり、上層20’はエピタキシ
ャル成長したLiNbO3 であってもよい。図6の場
合、 "−、0、−、0..."の変調パターン36’、3
8’、40’はサブ層30に形成され、サブ層30の頂
部表面のドメイン表面パターンは成長中上層42’に複
製されてドメイン44’、46’、48’の矩形角柱形
状構造を形成する。サブ層30は、例えば、バッファ層
32に形成されたLiNbO3 であってもよく、該バッ
ファ層はGaAsの基体34上に形成されたMgOを含
む。層に沿って周期的非線形係数パターンを空間的に輪
郭形成するだけでよいのでこの方法はデバイス構造を単
純化するが、結果として得られる周波数2逓倍効率は分
極パターンの場合ほど良くない。
【0047】例えば図2に示される形成されたデバイス
は、図7に示されるように光学周波数変換導波路45と
して利用される。赤外レーザ光は導波路45の入力表面
47に集束し、光は分極パターン12、14の交替ドメ
インを横切ってy方向に伝搬する。可視ブルー又はグリ
ーンレーザ光が導波路に沿って生成され、導波路45の
該入力表面と反対側の出力表面50に集束する。同様
に、図4の構造では、上層42は導波路媒体として使用
され、入力表面49に光が入射し、上層42の放射表面
50で集束する。
【0048】基体34がGaAs又はレーザ光源の製造
に使用される従来用いられる他の物質である場合、本発
明によってレーザ光源は同じ基体上に形成された光学周
波数変換導波路に隣接して又は該導波路と光学的に結合
して集積する。次にレーザ光ビームは約90°の角度で
集束し、導波路に結合して高効率の入射レーザ光の結合
を提供する。
【0049】公知であるように、支持媒体10、30の
屈折率は上層20、42それぞれの屈折率よりも低いた
め、屈折率が最も高いのは導波路の伝搬光の中央であ
る。そのような相対屈折率は、例えば、LiNbO3
MgO、LiTaO3 又はKTPのサブ層がLiNbO
3 の上層の下にある場合に得られ、LiNbO3 :Mg
O、LiTaO3 又はKTPの相対屈折率はLiNbO
3 の屈折率よりも小さい。或いは、上層が同じ又は低い
屈折率の物質から成る場合、例えば、KTPの上にKT
Pがある場合は上層の屈折率は上層、例えばRbと交換
したKTPの上層をドーピングすることによって増加す
る。
【0050】支持媒体10、30は、媒体に分極パター
ン又は変調パターンを生成する低処理温度を提供するた
めに低キューリー温度を有する物質を含むことが好まし
く、結果として優れたストイキオメトリック上層物質が
成長する。従って、上層20、42は光学周波数2逓倍
物質から成り、その物質は薄膜に極性逆転を形成するた
めに高処理温度が要求され、比較的低温、典型的には6
50℃乃至750℃の温度範囲で既に分極して成長す
る。例えば、図4の構造は、GaAs基体、MgOバッ
ファ層、LiTaO3 サブ層を含み、約610℃のキュ
ーリー温度に近い約600℃の処理温度を使用し、最終
的にLiNbO3 上層を得る。約120℃のキューリー
温度を有するBaTiO3 は、支持媒体10、30に用
いられてもよい別の強誘電性酸化物であり、この物質は
キューリー温度のやや下の処理温度を利用して周期的パ
ターンを形成する。分極強誘電性酸化物がキューリー温
度より高温で加熱された場合は物質は常誘電性になり、
非線形性及び分極特性を失う。冷却後、分極は膜に渡っ
てランダムに現れる。処理温度の高い強誘電性酸化物上
層、例えばLiNbO3 が処理温度が低い下層、例えば
LiTaO3 に成長する前に、下層をキューリー温度を
上昇させる物質で合金化又はドーピングすることが好ま
しく、そうすることによって下層の分極又は変調が処理
中に破壊されない。この場合、キューリー温度を上昇さ
せるためにLiTaO3 をMgOでドーピングしてもよ
い。そのような目的のために基体10を合金化するため
に、拡散処理が用いられてもよいし、LPEの場合は基
体10が成長中にメルトでドーピングされる。サブ層3
0を合金化するために、サブ層30は、成長プロセス中
合金物質を取り入れる、例えばLPEの場合は該合金物
質をターゲット化合物又はメルトに取り入れ、MOCV
Dの場合は反応チャンバに導入されたガス混合物に取り
いれることによって成長中ドーピングされる。
【0051】下層は、最適周波数2逓倍物質から成らな
くても極性逆転のための低飽和保磁力を有する物質も含
む。BaTiO3 は低飽和保磁力を有するそのような物
質の一つである。高飽和保磁力の最適光学特性を有する
上層が利用される。例えば、LiNbO3 上層42がB
aTiO3 サブ層30上に成長し、このサブ層はGaA
s基体34上に形成されたMgOバッファ層32上に設
けられる。LiNbO 3 の成長前にBaTiO3 サブ層
30は、数ボルト/cmの低電界を使用して約120℃
のキューリー温度のやや下の温度で分極する。そのよう
な低電界で直接LiNbO3 の上層を分極するにはサン
プルを約1200℃のキューリー温度に近く加熱するこ
とが必要であるがこれは実際的ではない。しかしなが
ら、室温でLiNbO3 上層42を分極するには高電
界、例えば30V/μmが要求され、これは結晶の絶縁
につながる。従って、成長中にLiNbO3 上層の分極
を複製することによって高温処理に関するこの問題を軽
減することができる。
【0052】B.シード層のエピタキシャル成長中にお
ける上層の周期的非線形係数パターン形成 本発明の第2実施の形態では、下層は少なくとも一つの
"シード”物質又は二つの異なる "シード”物質の組み
合わせを含み、光学導波路を形成する上層は分極又は変
調されて上層はシード物質に従って下層のシード層上に
成長する。
【0053】図8では、シード層62は支持媒体64上
に形成され、該支持媒体は基体、例えばサファイア又は
バッファ層、例えばMgOである。この図面ではシード
62は二つの異なる物質 "a”及び "b”からなり、こ
れらの物質は、上層60がシード層62によって非線形
係数を変形させるように成長特性を達成する。シード層
62は非常に薄く、例えば10Å乃至20Åの厚みであ
る。
【0054】シード層62の形成プロセスは、物質 "
b”、例えばSi3 4 又はSiO2を含む層を支持媒
体64上に形成することから始まる。この層はスパッタ
リングによって形成される。フォトリトグラフィーを使
用して物質 "b”の上にフォトレジスト層を形成し、引
き続いて露光及び現像してストリップ(帯)又は領域の
パターンを形成する。露光フォトレジストによって被覆
されない物質 "b”の領域はエッチングによって除去さ
れて支持媒体64上に表面ストリップ領域を形成する。
空間的に形成されたフォトレジストストリップの除去さ
れず残ったパターン及び支持媒体64の露出ストリップ
領域は、それぞれ所望のコヒーレンス長に等しい長さを
有する。次に、物質 "a”を含む第2シード層がスパッ
タリングによって表面上に付着され、この表面は非線形
性係数を有し、例えばLiTaO3LiNbO3 であっ
てもよいしAl2 3 又はMgOであってもよい。成長
は20Å乃至40Åの厚みである。次にエッチバックが
行われて物質 "a”の付着層が物質 "b”の形成された
ストリップと面一になるまで該付着層の一部を除去して
図8に示されるシード62を得る。シード層62の最終
的な厚みは約10Å乃至20Åである。次に、導波路媒
体を含む上層60、例えばLiTaO3 又はLiNbO
3 をスパッタリングすることによって形成される。結果
として、成長条件が適切であるならばドメイン66−7
8がエピタキシャル成長中上層60に変形する。上層6
0に確立した周期的非線形係数パターンの確立した分極
方向は、シード物質 "a”及び "b”の特性の影響を受
ける。
【0055】シード層物質 "b”を形成する別の方法
は,最初に支持媒体64の表面にフォトレジスト層を付
着し、引き続いて所望のコヒーレンス長に従ってパター
ン露光して空間的に配置されたフォトレジストのストリ
ップのパターンを形成する。次に、シード物質、例えば
Si3 4 がフォトレジストの空間ストリップパターン
を被覆する上層の形態で付着される。次にリフトオフプ
ロセスが利用されて前に形成されたフォトレジストの空
間パターンを含む領域を除去する。従って、リフトオフ
の後残るものは、所望のコヒーレンス長に従ったSi3
4 ストリップの空間パターンである。次に、 "a”物
質の層がサファイヤ又はLiNbO3 のようなSi3
4 パターンの上に形成される。この層はエッチバックさ
れて等しい長さの "a”及び "b”の交替領域の平面層
を形成する。
【0056】シード層62に適切な物質 "a”及び "
b”は、その上に上層がエピタキシャル成長し、正、負
又はゼロの極性を含む公知の周期的非線形パターン状態
を有する物質である。例えば、図8のシード層62で
は、物質 "b”は窒化シリコン(Si3 4 )又は酸化
シリコン(SiO2 )であり、その上にLiNbO3
は他の強誘電性物質がゼロの非線形係数のアモルファス
に成長する。その上にLiNbO3 又は他の強誘電物質
+z軸方向で成長する物質 "a”は、サファイヤ(A
2 3 )及びMgOである。物質 "a”又は "b”の
ための物質は尖晶石、フッ化カルシウム又はフッ化マグ
ネシウム(MgF2 )である。
【0057】
【実施例2】上層60は酸化薄膜、例えば、LiNbO
3 、LiTaO3 、BaTiO3 、KTP、KNbO3
又はSBNから成る。シード層62の物質 "b”がサフ
ァイヤであり、物質 "a”がSi3 4 である場合、L
iNbO3 の上層60はRFマグネトロンスパッタリン
グシステムを使用してシード層62上に成長する。
【0058】Al2 3 −cを含む基体64を1:1の
2 SO4 :H2 2 で約10分間洗浄し、次にH2
とエタノールで水洗しスパン乾燥した。次に、スパッタ
リングしたSi3 4 のシード物質 "b”を前に説明し
たようにコヒーレンス長に従って空間的に形成されたス
トリップ状に形成し、引き続きスパッタリングしたAl
2 3 のシード物質 "a”を要求される適切なエッチバ
ックで形成した。 "a”、 "b”物質の交替パターンの
形成されたシード層62を有する基体64を放射熱の吸
収を助けるシルバーペーストを使用してホルダーにマウ
ントした。マウントした基体を有するホルダーを焼結ス
トイキオメトリックLiNbO3 ターゲットでRFマグ
ネトロンスパッタリングチャンバに挿入した。基体64
を基体64の均一な加熱及び均一な膜付着を得るように
放射加熱及び回転した。又、基体64をスパッタリング
チャンバに軸外れで配置し、発達したプラズマエンベロ
ープのメインボディに近接するスパッタリングターゲッ
トに垂直であった。成長膜上の高エネルギー負イオン
(O- 及びLiO- )のフルエフェクトを減少させるた
めに基体10を軸外れに配置した。ターゲット表面でd
c電界によって生成されるこれらのイオンの直接の効果
によって成長膜表面のストイキオメトリーのロス及び膜
の形態的変化が起こる。
【0059】次に、8:0.57の割合のアルゴンと酸
素の混合物を2mトールの圧力でスパッタリングチャン
バに誘導し、シード層62を約110分間スパッタリン
グして約250nmの厚みの膜を有するLiNbO3
の付着を得た。この上層60の付着の後、デバイスを約
100トールの酸素の室温にゆっくりと冷却して真空チ
ャンバから除去した。x線分析によって確定されたよう
に、上層60が成長して正の非線形係数を有するサファ
イヤ物質 "a”の上にドメイン66、70、74、78
を形成し、ゼロの非線形係数を有するSi3 4 物質 "
b”の上にドメイン68、72、76を形成する。上層
60に形成されたドメインは矩形角柱形状構造であり、
ドメイン66−78間にほぼ垂直に形成された壁80を
有し、この壁は上層の厚みを通過して直線状に延出す
る。これらのドメインの長さL、幅wは、シード層62
によって形成されたパターン形成されたシード物質 "
a”及び "b”の領域の長さ及び幅に等しい。最大変換
効率のためには、シード層62の領域は上層60のドメ
イン66−78がそれぞれコヒーレンス長に等しいよう
にデザインされる。
【0060】本発明の第1実施の形態のように、上層6
0は周波数2逓倍導波路として用いられる周期的非線形
パターンを形成する。赤外レーザ光が上層によって形成
された導波路の入力表面81に入射し、可視ブルー又は
グリーン光及び赤外レーザ光が出力表面82から放射す
る。非線形係数の符号の変調によって周期的非線形係数
パターンを通過する赤外光の周波数2逓倍が得られる。
【0061】この第2実施の形態では、適切な物質及び
成長条件を使用すると、上層60によって形成される導
波路は上層60に成長するドメインによる分極パターン
からなり、非線形係数の符号は図9に例示されるように
一つのドメインから次のドメインで正負に交替する。支
持媒体64上のシード層62’は、異なる非線形係数特
性に作用するシード物質 "a”及び "b”の交替領域を
含み、上層60’の成長に関しては、交替ドメイン8
2、84は上層の成長中に該上層60’に変形又は変換
されて図9に例示されるようにドメイン82、84間に
ほぼ垂直に形成される壁80を伴った分極パターン8
2、84を形成する。
【0062】図10を参照すると、その上に上層86が
形成される一連の空間配置される領域85を含む単一の
シード物質 "a”又は "b”から形成されるシード層が
例示されている。この場合、フォトレジスト層が付着さ
れ、露光され、現像されて支持媒体、例えばサファイヤ
上に一連の空間配置されたフォトレジストストリップを
形成する。次に、物質 "b”、例えばSiO2 を含むシ
ード層が支持媒体84上に形成されてリフトオフによっ
てSiO2 の空間配置された一連のストリップ85を形
成する。或いは、SiO2 ストリップのパターンは選択
的エッチングによって達成されてもよい。結果として、
サファイヤ支持媒体84の表面が露出する空間配置され
たSiO2 ストリップ領域87のパターンが得られる。
残るのは所望のコヒーレンス長に従った空間パターンで
あり、そのパターンは支持媒体84の露出表面領域87
の間にSiO2 ストリップ85を含む。次に、上層8
6、例えばLiTaO3 が前に説明したようにスパッタ
リングによって所望の厚み、例えば250nmで表面に
付着される。上層86が付着されると、下層の物質に従
ってパターン形成される。この場合、ドメイン88は支
持媒体84の露出領域に関して変形し、正の極性のドメ
インが得られる。ドメインはSiO2 ストリップ85の
上に形成されるため、ドメイン89はゼロの非線形係数
である。
【0063】第2実施の形態の図10の例では、コヒー
レンス長に従って容易にパターン形成されうる単一のシ
ード物質を使用して適切な周期的非線形係数パターンを
形成することによって非線形導波路として機能する上層
86を形成する単純な方法が提供されている。最初に "
b”シード物質を含む層86の代わりに、この層は最初
に "a”シード物質として付着されるため、上層86に
変形するパターンは周期的非線形係数パターンになる。
【0064】或いは、上層60、86の周期的非線形係
数パターンには同じ符号が提供されてもよく、その場
合、最初に正又は負の非線形係数を有する空間配置され
た一連のドメイン及びドメインの最初に選択した符号の
非線形係数パターンの大きさよりもかなり小さいパター
ンを有する隣接ドメインを形成することによって行われ
る。
【0065】前述のように、上層と基体又はサブ層との
屈折率の差が導波路として上層を提供するほど大きくな
いならば、上層の屈折率はプロトン交換又はチタン内部
拡散によって増加するか又は基体又はサブ層の屈折率は
ドーピングによって減少可能である。
【0066】3.上層から下層への周期的非線形係数パ
ターン形成 本発明の第3実施の形態では、下層の周期的非線形係数
パターン形成の後、上層が成長して下層のパターン形成
を上層に複製又は変換して導波路デバイスを形成するの
ではなく、既に形成された薄膜上層を有する下層に周期
的非線形係数パターンが提供される。下層は酸化基体で
もよいし、半導体基体上のバッファ層に成長した酸化サ
ブ層でもよい。上層は、最適周波数2逓倍物質でないと
してもドメイン逆転のために低キューリー温度又は低飽
和保磁力を有するように選択される。次に上層は表面処
理に基づく技術、例えば、チタン内部拡散、プロトン拡
散、イオン交換又は電界誘導周期的分極又は変調によっ
て上層100、120の上部表面に周期的にパターン形
成される。前に示されたように、周期的非線形係数パタ
ーン形成のこれらの方法及び条件は当該技術分野の技術
者には公知である。周期的非線形係数パターン形成中、
複数のドメイン90、91、92(図11の場合)及び
124、126、128(図12の場合)がそれぞれ上
層100、120に形成される。上層100、120の
従来のパターン形成は表面処理に基づく技術によって下
層106、121まで及ばない。代わりに、上層10
0、120に形成された周期的非線形係数パターン形成
は、上層100、120のパターン形成において形成さ
れた非線形物質の原子のc軸配置を含む電荷カスケード
エフェクト又はダイポールエフェクトによる誘導によっ
て下層又は媒体に同時に変換又は移動する。電荷の配置
によって上層に発達した自然ダイポール電界は上層を介
して下方に脱出し、下層106、122にカスケードし
て移動し、下層の一連の分極ドメインをセットアップす
る電荷の配置を誘導する。この移動は電界のグランドへ
の誘引によって起こる。この場合、基体105又は12
3はグランドに接続してこのカスケードエフェクトを確
立する。結果として、前述の実施の形態のように、上層
100、120のドメインの複製はほぼ直線の垂直側部
壁を有するドメイン境界を伴って下層106、122に
変形される。
【0067】特に図11を参照すると、上層100、例
えばLiNbO3 は基体105、例えばLiNbO3
にエピタキシャル形成される。或いは、上層100はプ
ロトン交換及びアニーリングによってパターン形成され
たLiTaO3 層でもよい。次にLiNbO3 の上層1
00はチタン内部拡散によってドメイン90、92に分
極してこのドメインは逆に分極したセグメントの上層に
おいて台形形状構造を形成する。しかしながら、角度が
付いたドメイン境界101にもかかわらず、上層100
に形成されたドメイン90、91、92のパターンは、
下層の支持媒体105の境界の低表面104に沿った矩
形形状、分極領域のパターンである。上層100のドメ
イン間に形成された壁又は境界101は平坦な表面10
4に関して垂直ではないが、下層基体105の電界移動
又は電界誘導ドメイン108、110、112は実質的
に垂直な壁の境界114を伴って基体105に形成され
る。基体105のドメイン108、110、112は周
期的非線形係数パターンを形成し、これらのドメインの
各々は上層100の下部表面104の膜インターフェー
スでの幅、長さ及びパターンと実質的に同じ幅、長さ及
びパターンを有する。前に示されるように、垂直境界1
14は、上層100の電荷誘導電界の移動又は移行によ
って基体105の下層部分106に形成される。従っ
て、上層100の自然電荷電界はダイポール配置、例え
ば周期的非線形係数パターンを上層100の下部表面1
04からすぐ下の基体105に移動させるLiNbO3
又はLiTaO3 の強誘電性相の酸素に関してリチウム
原子及びニオビウム原子又はタンタル酸塩原子のダイポ
ール配置に関するカスケードエフェクトをもたらす。
【0068】この実施の形態では基体105の移動した
周期的非線形係数パターン形成部分106は光学周波数
変換導波路として使用される。赤外レーザ光は、形成さ
れたドメイン108、110、112の領域内の基体1
05の上部分106に出来るだけ閉じ込められるべきで
ある。基体105の上部分106の屈折率は上記に述べ
られた方法、例えばプロトン交換又はチタン内部拡散に
よって増加する。上層100は所望されればエッチング
又はポリシングによって除去されることができる。
【0069】同様に、図12に示されるように、パター
ン形成されていない上層120がパターン形成されてい
ない下層121上に成長し、この下層は基体123上に
形成された光閉じ込めバッファ層122上に形成され
る。上層120は表面処理に基づく技術によって周期的
非線形係数パターン形成されて上層にドメイン124、
126、128を形成してドメイン間に非垂直境界12
9が得られる。上層に確立したパターン形成は上層12
0と下層121の間の境界で上記に述べられたカスケー
ドエフェクトによって下層121に転置され、下層12
1の厚みにわたったほぼ垂直な境界137を伴って矩形
角柱形状構造のドメイン132、134、136を形成
する。この場合、光学周波数変換導波路は下層121で
ある。
【0070】下層106、121へのカスケードエフェ
クトを向上させるために、非常に薄い導電膜、例えば約
10Åの厚みのPt又はITOの層が下層121とバッ
ファ層122の間のインターフェース140に形成され
る。グランドのこの薄い導電膜は、下層121の光学導
波路特性に対して、例えば導波路下層121への光アブ
ソーバとして有害になるような干渉なしにカスケード電
荷を運搬することを助ける。下層121にわたって電荷
カスケードエフェクトを移動させるには、下層121の
下からの電荷の若干のドローオフが必要になる。これは
基体123のグランドに対してオーバータイムで起こり
うる。しかしながら、境界140に薄い導電層を追加す
ることによって電荷のドローオフがより迅速に達成さ
れ、同様に下層121の垂直ドメイン境界137の形成
を向上させる。
【0071】この実施の形態において、別の周期的非線
形係数パターン形成が用いられてもよい。又、上層10
0、120又は下層105、122のいずれかに適した
物質はLiTaO3 、LiNbO3 、BaTiO3 、K
TP、KNbO3 及びSBNである。
【0072】本発明は好適実施の形態を参照して述べら
れてきたが、本発明の精神及び範囲内で変形及び修正が
成されることは当該技術分野の技術者には明らかであ
る。好適実施の形態の記述及び図面は本発明の範囲を制
限するのではなく例示として示されるため、本発明は請
求の範囲内及びその精神内である全ての変更及び修正を
含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】強誘電性酸化物からなる基体の斜視図であり、
基体の上部分は周期的に分極している。
【図2】本発明の第1実施の形態に従ったデバイスの斜
視図であり、成長中の薄膜上層は周期的に分極して上層
の成長中に図1の基体の周期的分極を複製する。
【図3】基体上に形成されたバッファ又はバッファ層上
に形成された周期的分極強誘電性酸化物サブ層の斜視図
である。
【図4】本発明の第1実施の形態に従った別のデバイス
の斜視図であり、周期的分極上層は図3の分極サブ層の
上に成長し、サブ層の周期的分極パターンを複製する。
【図5】図2のデバイスの側面図であるが、非線形係数
領域と交替する非線形光学係数ヌル領域を含む異なる周
期的非線形係数パターンを例示する。
【図6】図4のデバイスの側面図であるが、非線形係数
領域と交替する非線形光学係数ヌル領域を含む異なる周
期的非線形係数パターンを例示する。
【図7】図2の光学周波数変換導波路デバイスの斜視図
であって、光は入力に入射して周波数2逓倍光が出力か
らエミットする。
【図8】本発明の第2実施の形態に従って形成されたデ
バイスの側面図であり、二つのシード物質 "a”及び "
b”からなるシード層上に周期的に変調して成長中の上
層を含む。
【図9】本発明の第2実施の形態に従って形成されたデ
バイスの側面図であり、二つのシード物質 "a”及び "
b”からなるシード層上で周期的に分極して成長中の上
層を含む。
【図10】本発明の第2実施の形態に従って形成された
デバイスの側面図であり、一つのシード物質を含むシー
ド層上に周期的に変調して成長中の上層を含む。
【図11】本発明の第3実施の形態に従ったデバイスの
側面図であり、前に成長した上層の底面に沿って形成さ
れた周期的分極表面パターンは基体に移動している。
【図12】本発明の第3実施の形態に従ったデバイスの
側面図であり、前に成長した上層の底面に沿って形成さ
れた周期的分極表面パターンは下層のサブ層に移動して
いる。
【符号の説明】
10、34、64、84、105 基体 12、20、42、60、100 上層 12、16、22、24、26、44、46、48、3
6、38、40ドメイン
フロントページの続き (72)発明者 ジョン ジェイ.キングストン アメリカ合衆国 94610 カリフォルニア 州 オークランド プリンス ストリート 486 (72)発明者 ロス ディー.ブリンガンズ アメリカ合衆国 95014 カリフォルニア 州 クペルティノ ラムフォード ドライ ブ 21345 (72)発明者 デイビッド ケー.フォーク アメリカ合衆国 94306 カリフォルニア 州 パロ アルト ウィルキー ウェイ 4276 アパートメント ナンバー ディー (72)発明者 ロバート ジー.ワーツ アメリカ合衆国 94303 カリフォルニア 州 パロ アルト ヴァン アウベン サ ークル 958 (72)発明者 デイビッド エフ.ウェルク アメリカ合衆国 94025 カリフォルニア 州 メンロ パーク オーク ノル レー ン 1894 (72)発明者 ランダル エス.ジールズ アメリカ合衆国 95123 カリフォルニア 州 サン ホゼ モアガ アベニュー 5887

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下層上に形成される上層を含む非線形周
    波数変換導波路を形成する方法であって、 下層を前記下層の上部表面に沿った周期的パターンを有
    する複数の第1領域にパターン形成するステップを有
    し、上部表面に沿った前記第1領域の各々は実質的に矩
    形形状であり、 下層の上部表面上の上層をエピタキシャル成長させ、上
    層の成長として下層の上部表面の周期的パターンを複製
    し、実質的に垂直なドメイン境界を有する上層に実質的
    に矩形角柱形状の複数の第2領域を形成するステップを
    有する、 非線形周波数変換導波路形成方法。
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