JPH0996841A - 液晶を用いた光スイッチ - Google Patents

液晶を用いた光スイッチ

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JPH0996841A
JPH0996841A JP27698095A JP27698095A JPH0996841A JP H0996841 A JPH0996841 A JP H0996841A JP 27698095 A JP27698095 A JP 27698095A JP 27698095 A JP27698095 A JP 27698095A JP H0996841 A JPH0996841 A JP H0996841A
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optical
input
liquid crystal
refractive index
optical switch
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JP27698095A
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Takasato Taniguchi
尚郷 谷口
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型で且つ作製が容易で、さらに、出力光のS
Nを高くすることのできる光スイッチである。 【解決手段】複数の入力ポート1と出力ポート11を有
し、入力ポートに供給される入力光3を所望の出力ポー
トから出力光として出力する光スイッチである。凹凸部
を持つ空間に充填された液晶9を有するデバイス4で入
力光3が変調される。液晶9の配向状態は制御手段7、
8、12、13により制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の入力ポート
と出力ポートを有し、入力ポートに供給される入力光信
号を所望の出力ポートから出力光信号として出力する光
スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信技術の進展とともに、光スイッチ
ング技術が盛んに開発されている。光スイッチとして、
従来から、ホログラフィ技術を用いたもの、液晶を用い
たものなど様々なものが提案されている。例えば、液晶
を用いたものとして、液晶の屈折率異方性と液晶界面で
の全反射効果を利用するものが提案されており、特開平
5−241121号公報には書き換え可能なホログラム
記録デバイスを用いたものが提案されている。図5に、
特開平5−241121号公報に開示の光スイッチの構
成図を示す。入力ポート群101の所望の入力ポートに
入力した光信号ISlは、偏光ビームスプリッタ105
によって反射され、強誘電性液晶空間光変調器103の
読み出し面の所定の位置に垂直に入射する。そして、強
誘電性液晶空間光変調器103上に描かれたホログラム
により回折されレンズ107に到達し、それぞれの入射
角度に対応した出力ポート群102の所望の出力ポート
に光信号ISlを導く。
【0003】一方、ホログラム生成用制御光源アレイ1
04からの光束はレンズ106によって平面波となり、
強誘電性液晶空間光変調器103の書き込み面上に入射
する。この結果、書き込み面には全面に一様な干渉縞が
描かれる。この時、参照光CLalはレンズ106の光
軸上の点光源から出射され、その位置は常に固定されて
いる。出力ポート選択光CLblの出射位置は出力ポー
トと1対1に対応しており、出力ポート選択光CLbl
の出射位置を選ぶことで、出力ポートの選択ができる。
これにより、光信号ISlは出力ポート群102の所望
の出力ポートに入射し、当該光スイッチの出力光として
出力される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来のホ
ログラフィを用いた光スイッチは、書き換え可能なホロ
グラム記録デバイスヘ干渉縞を記録する為の書き込み手
段と光信号を出力ポートに導く為のレンズなどが必要で
あり、装置が小型にできないという問題点があつた。ま
た、入力ポートに入力される光信号が波長多重されてい
る場合には、その波長に応じた干渉縞ピッチを形成する
ことが困難であるという欠点があつた。
【0005】従って、本発明の目的は、小型で且つ作製
が容易な光スイッチを提供することにある。さらに、出
力光のSNを高くすることのできる光スイッチを提供す
ることにある。また、入力ポートに入力される光信号が
波長多重されている場合にも使用できる光スイッチを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の光スイッチは、複数の入力ポートと出力ポートを有
し、入力ポートに供給される入力光を所望の出力ポート
から出力光として出力する光スイッチにおいて、凹凸部
を持つ空間に充填された液晶を有するデバイスで入力光
が変調される様に構成され、該液晶の配向状態を制御す
る制御手段が設けられたことを特徴とする。
【0007】より詳細には、本発明の光スイッチは、複
数の入力ポートと出力ポートを有し、入力ポートに供給
される入力光信号を所望の出力ポートから出力光信号と
して出力する光スイッチにおいて、2枚の光学的等方性
を有する基板を有し、該基板の対向する面の一方に凹凸
部が形成されており、該2枚の基板の間に液晶を充填
し、該液晶の配向状態を制御する制御手段とを設けたこ
とを特徴とする。
【0008】以下の様な態様にしても良い。前記入力ポ
ートに入力され、前記基板、液晶、制御手段を有するデ
バイスに入射する光信号は、直線偏光である。前記入力
ポートと前記基板、液晶、制御手段を有するデバイスと
の間の光路中に、偏光板を設ける。前記入力ポートに入
力される光信号が直線偏光光であつて、該ポートから前
記デバイスまでの間に用いる光フアイパが偏波面保存フ
ァイバである。前記複数の入力ポートに入力される光信
号は複数の光波長を有し、かつ前記凹凸部が位相型の回
折格子構造である。前記凹凸部が形成される光学的等方
性を有する基板の屈折率と前記液晶の異常屈折率がほぼ
一致している。前記複数の入力ポートに入力される光信
号は複数の光波長を有し、かつ前記凹凸部が前記光波長
に応じた深さを有するステップ状の構造である。前記凹
凸部が前記複数の入力ポートの数と同じに分割され、そ
れぞれの部分に充填された液晶の配向状態を独立に制御
する。前記凹凸部の位相格子の高さhは、前記充填され
る液晶の異常屈折率と常屈折率との差△nと、該入力ポ
ートに入力される光信号の光波長λとを用いて、 h=((m十1/2)λ)/△n (m=0、1、2、3、・・・) である。前記ステップ状の液晶層の間隔dは、前記充填
される液晶の異常屈折率と常屈折率との差△nと、該入
力ポートに入力される光信号の光波長λとを用いて、 d=(√3λ)/2△n である。スイッチング信号により変調された入力光信号
の偏光光は、偏光ビームスプリッタを介して透過または
反射させることにより、前記複数の出力ポートに出力さ
れる。1つのファイバに波長多重された光信号を回折格
子によって分波するとともに、該回折格子の中心に焦点
を有するレンズによってそれぞれ略平行光束に変換し、
該複数の入力光信号を前記デバイスに入射させる。前記
デバイスから出射する複数の出力光信号を、回折格子の
中心に焦点を有するレンズによってそれぞれ略平行光束
に変換し、該回折格子によって合波して1つのファイバ
に波長多重された光信号として出射させる。入力光信号
が、前記基板、液晶、制御手段を有するデバイスに角度
を成して入射する様に構成されている。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施例1)図1は本発明の光スイッチの実施例1の要
部概略図である。図を簡単にするために、ここでは4つ
の入力信号の場合について示す。図中、1、11はそれ
ぞれ入力ポート、出力ポートである。5は使用波長に対
して透明な光学的に等方性を有する基板であり、この基
板5を凹凸の形状にすることで回折格子5−1〜5−4
が形成されている。そして、この回折格子部は分割され
ており、それぞれ入力ポート1−1〜1−4が割り当て
られている。さらに、その格子ピッチ及び高さはその入
力ポート1ヘ入力される光信号の波長に応じて異なって
いる。また、6は基板5に対向して設けられ、使用波長
に対して透明な光学的に等方性を有する他の基板、9は
基板5、6間に充填された屈折率可変物質である液晶、
7および8はそれぞれ基板5、6上に形成された透明電
極であり、7の電極は前記回折格子5−1〜5−4の分
割に一致させて分割されている。当然のことながら、電
極を分割するのは対向する電極のうち7でも8でも構わ
ないことは言うまでもない。
【0010】本実施例では、光スイッチング信号に応じ
てスイッチ群13、電源12により電極7−1〜7−4
に印加される電界により、回折格子5−1〜5−4の凹
部に充填された液晶9の屈折率を制御することで、入射
光3に対する回折効果を制御し、出力ポート11に入力
信号を伝送する。即ち、本実施例は、液晶9に印加する
電界を制御することで、入射光3に対する回折効果を制
御し、出力ポート11に入力信号を伝送することを目的
としている。
【0011】しかしながら、入射光2の偏光状態が液晶
9の配向と直交する場合(P偏光)は、電界印加の有無
にかかわらず、常に液晶9の常屈折率noを感じ、常に
入射光に回折を生じさせる(下で述べる様に、回折格子
を形成する基板5の屈折率ngと液晶9の異常屈折率ne
とをほぼ一致させているとする)。従って、入射光の偏
光状態は液晶9の配向に平行(S偏光)にする必要があ
る(図1の紙面に垂直方向)。
【0012】次に、本実施例における回折作用について
説明する。図1において、電界が印加されていない部
分、例えば電極7−2の部分は、液晶9が回折格子5−
2の凹部内で格子方向(紙面に垂直方向)に配向された
ホモジニアス配向の状態にされているとする。この時、
入射光3−2(図示する様に、偏光状態は液晶9の配向
に平行)は液晶9の異常屈折率neを感じる。回折格子
5−2を形成する基板5の屈折率をng、入射光3の波
長をλ、回折格子の高さをhとすれば、矩形状の回折格
子の場合、零次透過回折光の回折効率η0は近似的に次
式で表される。 η0≒1/2{1十cos(2π△n′h/λ)} (1) ここで、△n′は回折格子5−2の屈折率ngと異常屈
折率neとの屈折率差を表し、△n′=|ne−ng|で
ある。
【0013】つまり、回折格子を形成する基板5の屈折
率ngと液晶9の異常屈折率neとをほぼ一致させると
(このとき△n′=△n=|ne−no|、ここで、△n
は液晶材料の異常屈折率neと常屈折率noとの屈折率差
を表す))、常に△n′=0となる。従って、液晶9に
電界が印加されていない時の零次透過回折光の回折効率
η0は、η0=lとなり、すべての光量が透過され、入射
光3−2は回折されずに光束9−2となり、レンズ10
−2bを介してOFFモードの出力ポート11−2bに
出力される。
【0014】一方、電界が印加されている部分、例えば
電極7−1の部分では、電界印加量に従つて液晶9の異
常屈折率neと常屈折率noとが所定の比率で合成された
合成屈折率を感じ、或る印加電界量で液晶9は基板5に
対して垂直に配向され、ホメオトロピック配向状態とな
り、液晶9の常屈折率noを感じ飽和する。従つて、入
射光3−1は基板屈折率ng(=ne)と液晶9の常屈折
率noの屈折率差を有する位相格子に入射した時と同様
に回折され、入射光3−1はONモードの出力ポート1
1−laに出力される。この状態で更に、前記凹凸部の
位相格子の高さhが、屈折率差△n′と、入力ポートに
入力される光信号の光波長λとを用いて h=((m十1/2)λ)/△n′(m=0、1、2、3、・・・) (2) である時、η0=0となる。つまり入射光3−1はOF
Fモードの出力ポート11−lbには透過しない。従つ
て、回折格子の高さを(2)式で与えられるものにする
ことで、スイッチング信号のS/Nを高める事ができ
る。
【0015】本実施例では、入力ポート1−1、1−
2、1−3、1−4に入射させる光の波長としてそれぞ
れλ1=1.5μm、λ2=1.3μm、λ3=0.8
3μm、λ4=0.78μmを用いている。この時、出
力ポート11を規則正しく配列させる為に、回折角をす
べて等しく約26度に設定し、使用する液晶9としてチ
ッソのKN−5008(商標名)を用いた。この液晶材
料は異常屈折率ne=1.496、異常屈折率neと常屈
折率noとの屈折率差△n=0.130である。従っ
て、回折格子を形成する基板5は、屈折率ng(=ne
=1.496である日本電子硝子(株)のBLC(商標
名)を用いた。
【0016】このときそれぞれの回折格子5−1、5−
2、5−3、5−4のピッチ/高さは、それぞれ3.3
5μm/5.77μm、2.91μm/5.00μm、
1.86μm/3.19μm、1.74μm/3.00
μmとした。ここで高さhを決定するのに異常屈折率n
eと常屈折率noとの屈折率差△n=0.130を用いた
が、厳密には液晶材料の分散を考慮して決定することが
望ましい。
【0017】今、図示するように回折格子5−1、5−
3の部分にのみ透明電極7−1、7−3によつて電界を
印加すると、上述した様に入射光束が回折されONモー
ドの出力ポート11−la、11−3aに、それぞれ波
長λl、λ3の光が出力され、波長λ2、λ4の光はO
FFモードの出力ポート11−2b、11−4bに出力
される。
【0018】本実施例において、上述した様に入射光の
偏光状態は液晶9の配向に平行(S偏光)にする必要が
あるために、本光スイッチに入射させる光信号は偏光板
で直線偏光にしたり、入力ポートから本デバイス4まで
の伝送路としては偏波面保存ファイバを用い、本デパイ
ス4ヘ入射する光の偏光方向を揃える様に偏波面保存フ
ァイバを適宜回転させて調整することが望ましい。
【0019】(実施例2)図2は本発明の光スイッチの
実施例2の要部概略図である。本実施例では、図1の実
施例に比べて、1つの光ファイバに波長多重された入力
信号をスイッチングする様に構成し、出力ポートもON
/OFF信号それぞれをまとめて伝送する様に構成して
いる点が異なっている。図2において、図1で示す要素
と同一要素には同番号を付している。
【0020】本実施例では、1つの光ファイバ14に波
長多重された入力信号はレンズ15で平行光束にして回
折格子16上に入射する。この回折格子16は入射光束
を分光し、レンズ17によって夫々を結像させる。これ
らの光束をレンズ20−1、20−2、20−3、20
−4によりほぼ平行光束にして、実施例1で説明したデ
バイス4へそれぞれの入力を入射させる。本実施例で
は、ON信号を伝送するための光ファイバ25、および
OFF信号を伝送するための光ファイバ30とにスイッ
チングするために、次の様にしている。ON信号として
回折されて出力される信号光19−la、19−3aは
レンズ18−1a〜18−4a、21−1a〜21−4
a、23を介して光束を変換し回折格子22を用いて合
波し、レンズ24で光ファイバ25へ出力し、OFF信
号として回折されずに出力される信号光19−2b、1
9−4bはレンズ18−1b〜18−4b、21−1b
〜21−4b、26を介して光束を変換し回折格子27
を用いて合波し、レンズ29を用いて光ファイバ30へ
それぞれ出力する様に構成している。このように構成す
ることにより、波長多重された入力信号でも所定のポー
トヘ出力することができる。
【0021】(実施例3)図3は本発明の光スイッチの
実施例3の要部概略図である。本実施例では、図1の実
施例に比べて、入力ポート1からの入射光を本デバイス
4へ或る所定の角度θinで入射させることにより、各回
折格子の格子ピッチを狭くしている点が異なっている。
図3において、図1で示す要素と同一要素には同番号を
付している。
【0022】本実施例では、入射角θin、回折角θout
ともに30度と設定した。このとき回折格子の各部(図
3では不図示であるが、図1における5−1、5−2、
5−3、5−4に相当する)におけるピッチ/高さは、
それぞれ1.5μm/5.77μm、1.3μm/5.
0Oμm、0.83μm/3.19μm、0.78μm
/3.0Oμmとなる。格子ピッチに比べて格子の高さ
を高くすることにより、矩形形状の回折格子の1次回折
効率を高くすることができるので、実施例1の場合より
も出力信号が大きくなり、スイッチング信号のS/Nを
更に高めることができる。
【0023】(実施例4)図4は本発明の光スイッチの
実施例4の要部概略図である。図1の実施例が基板5を
凹凸の形状にすることで回折格子を形成しているのに対
し、本実施例は、基板5の凹凸部が入力ポートヘ入力さ
れる光信号の光波長に応じた深さを有するステップ状の
構造である点が異なつている。図4において、図1で示
す要素と同一要素には同番号を付している。
【0024】本実施例では、光スイッチング信号に応じ
てTN(ツイステッド・ネマチック)液晶9に印加され
る電界により入射光3の偏光状態を制御し、その変化に
応じて出力ポート11に入力信号をスイッチングする様
に構成されている。従って、前記実施例1では、入射光
の偏光状態は液晶9の配向に平行(振動面が紙面に垂直
な偏光状態)にする必要があったが、本実施例ではこれ
に直交する偏光光も利用できる。
【0025】図4において電界が印加されていない部
分、例えば電極7−2の部分に入射する入力ポート1−
2の光はコリメータレンズ2−2により平行光束3−2
にされる。いま、入射光は振動面が紙面に垂直な偏光状
態(S偏光)であるとする。この時、入射光3−2の偏
光面はTN液晶9によつて(3−2)′で図示する様に
偏光面を90度回転させられ、偏光ビームスプリッタ3
3へP偏光として入射する。偏光ビームスプリッタ33
はこの偏光を透過させ、(3−2)″の光束になり集光
レンズl0−2bを介してOFFの出力ポート11−2
bへ出力される。
【0026】一方、電界が印加されている部分、例えば
電極7−1の部分に入射する入力ポート1−1の光3−
1は偏光面になんら作用を受けずに、S偏光(3−
1)′のまま偏光ビームスプリッタ33へ入射し、ここ
で反射されて(3−1)″の光束になりONの出力ポー
ト11−laへ出力される。
【0027】本実施例では、それぞれの入力ポートに入
力される光信号はそれぞれ波長が異なつており、各入力
ポート1−1〜1−4の液晶層の厚さdをそれぞれ最適
化することで高いコントラストを実現している。Goo
thとTarryによれば(J. Phys. D:
Appl. Phys., 8(1975)157
5)、2枚の偏光板の偏光軸を平行にしたTNモードセ
ルの光透過率Iは次式で与えられる。 I=sin2[π{1十u21/2/2]/{1十u2} (3) ここで、u=2d△n/λであり、u=√3、√15、
√35・・・のときI=0となり、コントラストを高く
することができる。しかし、本実施例では使用波長が光
通信で用いられている赤外域の波長であるため、u=√
15以上の場合はセル厚dが厚くなりすぎ、スイッチン
グの応答性を考慮するとu=√3の場合が最適である。
本実施例で用いる液晶6としては、高速で作動し高コン
トラストが得られるものが良く、そのためには粘性係数
が20cp程度、素子ギャップは10μm程度以下にす
ることができる液晶を選ぶことが望ましい。
【0028】本実施例では、入力ポート1−1、1−
2、1−3、1−4に入射させる光の波長としてそれぞ
れλl=1.5μm、λ2=1.3μm、λ3=0.8
3μm、λ4=0.78μmを用い、更に液晶9として
チッソのKN−5008(商標名)を用いた。この液晶
材料は異常屈折率ne=1.496、異常屈折率neと常
屈折率noとの屈折率差△n=0.130である。従つ
て、d=(√3λ)/2△nなる条件より、ステップ状
基板5の各部の液晶層の厚さdは、それぞれ9.99μ
m、8.66μm、5.53μm、5.2Oμmとし
た。
【0029】もし、入射光がP偏光(振動面が紙面に平
行な偏光状態)である場合には、出力ポート11のON
/OFFのそれぞれのポート群を入れ替えれば上記の動
作でスイッチングできる。また、図中、31の位置へ偏
光板を設け、デバイス32への入射光3の偏光方向を揃
えることも可能である。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高速動作が可能な小型の光スイッチを安価で容易に作製
することができる。さらに、光学的に等方的な基板に形
成する凹凸部を、使用する波長ごとに最適化することで
色々な波長に対応でき、入力ポートに入力される光信号
が波長多重されている場合にも使用できる光スイッチを
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の要部概略図。
【図2】本発明の実施例2の要部概略図。
【図3】本発明の実施例3の要部概略図。
【図4】本発明の実施例4の要部概略図。
【図5】従来の光スイッチの要部概略図。
【符号の説明】
1 入力ポート 2、9、10、15、17、18、20、21、23、
23、26、29レンズ 4、32 基板、液晶、制御手段を有するデバイス 5 凹凸部を有する基板(位相格子5−1〜5−4ま
たはステップ状基板) 6 基板 7、8 透明電極 9 液晶 12 電源 13 スイッチ群 11 出力ポート 12 電源 13 スイッチ群 14、25、30 光ファイバ 16、22、27 回折格子 31 偏光板 33 偏光ビームスプリッタ 101 入力ポート群 102 出力ポート群 103 強誘電性液晶空間光変調器 104 ホログラム生成用制御光源アレイ 105 偏光ビームスプリッタ 106、107 レンズ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の入力ポートと出力ポートを有し、入
    力ポートに供給される入力光信号を所望の出力ポートか
    ら出力光信号として出力する光スイッチにおいて、一方
    に入力光信号が入射し他方から出力光信号が出射する2
    枚の光学的等方性を有する基板を有し、該基板の対向す
    る面の一方に凹凸部が形成されており、該2枚の基板の
    間に液晶を充填し、該液晶の配向状態を制御する制御手
    段を設けた事を特徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】前記入力ポートに入力され、前記基板、液
    晶、制御手段を有するデバイスに入射する光信号は、直
    線偏光である事を特徴とする請求項1記載の光スイッ
    チ。
  3. 【請求項3】前記入力ポートと前記基板、液晶、制御手
    段を有するデバイスとの間の光路中に、偏光板を設けた
    事を特徴とする請求項2記載の光スイッチ。
  4. 【請求項4】前記入力ポートに入力される光信号が直線
    偏光光であつて、該ポートから前記デバイスまでの間に
    用いる光ファイバが偏波面保存ファイバである事を特徴
    とする請求項2記載の光スイッチ。
  5. 【請求項5】前記複数の入力ポートに入力される光信号
    は複数の光波長を有し、かつ前記凹凸部が位相型の回折
    格子構造である事を特徴とする請求項1記載の光スイッ
    チ。
  6. 【請求項6】前記凹凸部が形成される光学的等方性を有
    する基板の屈折率と前記液晶の異常屈折率とがほぼ一致
    している事を特徴とする請求項5記載の光スイッチ。
  7. 【請求項7】前記複数の入力ポートに入力される光信号
    は複数の光波長を有し、かつ前記凹凸部が前記光波長に
    応じた深さを有するステップ状の構造である事を特徴と
    する請求項1記載の光スイッチ。
  8. 【請求項8】前記凹凸部が前記複数の入力ポートの数と
    同じに分割され、前記制御手段はそれぞれの部分に充填
    された液晶の配向状態を独立に制御する事を特徴とする
    請求項5、6又は7に記載の光スイッチ。
  9. 【請求項9】前記凹凸部の位相型の回折格子の高さh
    は、前記充填される液晶の異常屈折率と常屈折率との差
    △nと、該入力ポートに入力される光信号の光波長λと
    を用いて、 h=((m十1/2)λ)/△n (m=0、1、2、3、・・・) である事を特徴とする請求項5、6又は8に記載の光ス
    イッチ。
  10. 【請求項10】前記ステップ状の液晶層の間隔dは、前
    記充填される液晶の異常屈折率と常屈折率との差△n
    と、該入力ポートに入力される光信号の光波長λとを用
    いて、 d=(√3λ)/2△n である事を特徴とする請求項7又は8に記載の光スイッ
    チ。
  11. 【請求項11】スイッチング信号により変調された入力
    光信号の偏光光は、偏光ビームスプリッタを介して透過
    または反射させることにより、前記複数の出力ポートに
    出力される事を特徴とする請求項10記載の光スイッ
    チ。
  12. 【請求項12】1つのファイバに波長多重された光信号
    を回折格子によって分波するとともに、該回折格子の中
    心に焦点を有するレンズによってそれぞれ略平行光束に
    変換し、該複数の入力光信号を前記デバイスに入射させ
    る事を特徴とする請求項5乃至11の何れかに記載の光
    スイッチ。
  13. 【請求項13】前記デバイスから出射する複数の出力光
    信号を、回折格子の中心に焦点を有するレンズによって
    それぞれ略平行光束に変換し、該回折格子によって合波
    して1つのファイバに波長多重された光信号として出射
    させる事を特徴とする請求項5乃至11の何れかに記載
    の光スイッチ。
  14. 【請求項14】入力光信号が、前記基板、液晶、制御手
    段を有するデバイスに角度を成して入射する様に構成さ
    れている事を特徴とする請求項1記載の光スイッチ。
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