JPH0992549A - 直流高電圧機器 - Google Patents

直流高電圧機器

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JPH0992549A
JPH0992549A JP7249667A JP24966795A JPH0992549A JP H0992549 A JPH0992549 A JP H0992549A JP 7249667 A JP7249667 A JP 7249667A JP 24966795 A JP24966795 A JP 24966795A JP H0992549 A JPH0992549 A JP H0992549A
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JP
Japan
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voltage
barrier
insulating
electric field
insulation
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Application number
JP7249667A
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English (en)
Inventor
Susumu Isaka
進 井坂
Eisuke Toyoda
英輔 豊田
Junpei Ueno
純平 上野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気絶縁寸法を極力小さくするとともに、高電
圧の絶縁性能を保持すること。 【解決手段】直流課電される高圧巻線1と低圧巻線2間
に所定間隔をおいて複数の固体絶縁板6,7が配置され
る多重絶縁バーリアを備えた直流高電圧機器において、
前記課電電圧と等しい交流電圧が課電される場合に比し
相対的に固体絶縁板6,7を厚く形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、UHV(超高電
圧)直流送電(+,−500kV)用の油入変圧器およ
びリアクトルや、それ以外の高電圧機器として例えば2
50kV以下の直流高電圧用油入機器およびガス絶縁機
器に適用される直流高電圧機器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、UHV直流変圧器の場合には、
輸送寸法制限の観点から電気絶縁寸法を極力小さくしな
ければならない反面、従来より高電圧の絶縁性能を確保
しなければならない。
【0003】また、直流回路に用いられる変圧器やリア
クトルなどの高電圧油入機器およびガス絶縁機器にあっ
て、機器内部の高電圧を絶縁する部分、特に主絶縁であ
る巻線間の絶縁、および対地絶縁である接地電位を有し
た鉄心やタンクと巻線との間の絶縁には、その電圧が高
いので絶縁性能を確保するために所定距離をおいた間
隔、すなわち絶縁距離が必要である。
【0004】この絶縁距離を確保するに際し、単純に絶
縁媒体としての絶縁油や絶縁ガスの空間に距離を持たせ
るのではなく、多重バーリア構成と称する構造を用いて
油隙やガス隙を細分化することにより、絶縁性能を向上
させている。この多重バーリア構成の構造は、交流回路
用の高電圧機器に広く用いられており、この技術はその
ままの形態で直流回路用の高電圧機器に広く用いられて
いる。
【0005】図5および図6はそれぞれ高電圧変圧器や
リアクトルなどの内部における多重バーリア構成の従来
例を示す。図5に示すように、高電圧変圧器は高圧巻線
1を高電圧側の系統に、低圧巻線2を低電圧側の系統に
それぞれ接続し、かつ電圧を変換しつつ一方から他方に
電力を伝達する。そして、鉄心脚3および鉄心ヨーク4
は大地に接地される。高圧巻線1と低圧巻線2との間に
は、両系統電圧の差電圧が印加されるとともに、それぞ
れの巻線1,2と大地との間には対地電圧が加わる。
【0006】また、高圧巻線1の電圧が高くなるにつれ
て、高圧巻線1と大地との間は高い絶縁性能を必要と
し、単に絶縁距離を増加させるだけでは、絶縁能力を保
持できなくなるので、高圧巻線1および低圧巻線2の各
端部には静電遮蔽リング5を設けて電力集中を回避する
とともに、巻線1,2間の絶縁に対しては絶縁筒6およ
びコーナリング絶縁物7を用いている。
【0007】さらに、図6に示すように巻線1,2と鉄
心ヨーク4との間には、コーナリング絶縁物7および絶
縁板8を用いて絶縁能力を高めている。絶縁スペーサ
9,10は絶縁筒6,コーナリング絶縁物7および絶縁
板8の所定箇所に挿入してその相互間隔を保持するよう
にしている。
【0008】この絶縁筒6,コーナリング絶縁物7およ
び絶縁板8のように、固体絶縁板を複数用いて絶縁油・
絶縁ガスなどの液体・気体絶縁媒体を分割して絶縁能力
を向上させる方式を一般にバーリア方式と称し、その構
造をバーリア構成の構造と称している。そして、バーリ
アの数が複数の場合にはこれを多重バーリア構成と称し
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来よりU
HV直流変圧器のような大容量機器の場合には、輸送制
限寸法内に機器を納めるように設計する必要性から電気
絶縁寸法を極力小さくしなければならない反面、従来よ
り高電圧の絶縁性能を確保しなければならない。このた
め、絶縁距離を可及的に小さくする必要があることか
ら、上記多重バーリア構成が使用される。
【0010】直流回路に用いられる変圧器やリアクトル
などの高電圧油入機器およびガス絶縁機器で従来広く用
いられている多重バーリア構成の構造は、交流回路用の
高電圧機器に用いられている構造をそのままの形態で使
用している。
【0011】交流回路用の多重バーリア構成をそのまま
直流回路用に使用すると、その特性が活かされないとい
う問題について、以下に順を追って先ず交流の場合と直
流の場合での有効性の相違を説明しつつ、次に交流用の
方式では直流用には適さないことを説明する。
【0012】先ず、交流回路での多重バーリア構成の有
効性について述べる。
【0013】交流回路では、電圧が時間とともに周波数
に応じて正弦波形をもって変化するので、絶縁距離を形
成している絶縁空間に生じる電界も時間的に変化する交
流電界が形成される。この交流電界における各部分の電
界強度は、静電容量の分布により決定されるため、バー
リア構成の電界分布においては誘電率の高いバーリアの
内部と、これと比べて誘電率の低い絶縁媒体(絶縁油ま
たは絶縁ガス)の空間との電界強度を比較すると、絶縁
媒体の空間の方が電界強度が高くなる。
【0014】この原理を図7に示す無限大面積を有する
理想平板電極およびバーリアの例で説明する。図7は電
界強度の原理を単純化して説明するため、無限大の大き
さを有する2枚の無限大平板電極11,12を示し、無
限大平板電極11,12と無限大バーリア13は全て平
行な間隔を有して配置されているものとする。そして、
無限大平板電極11,12の全間隔をl[m]、無限大
平板電極11,12と2枚の無限大バーリア13との間
隔をそれぞれl1,l2,l3[m]、2枚の無限大バ
ーリア13の厚みt1,t2[m]とし、無限大バーリ
ア13の比誘電率をεtとし、絶縁媒体14の比誘電率
をεlとする。
【0015】また、図7に示すように、2枚の無限大平
板電極11,12間に電圧を印加したときに生じる電界
は、無限大平板電極11,12および無限大バーリア1
3が無限大で平行に配置されているので、2枚の無限大
平板電極11,12と平行に生じ、絶縁媒体14および
無限大バーリア13の内部の分布はそれぞれ一様にな
る。無限大バーリア13の有無により電界強度を比較し
てみるに、無限大バーリア13が配置されていない場
合、絶縁媒体14の電界強度Elは、
【数1】El=V/l[V/m]…(1) である。
【0016】また、無限大バーリア13が配置されてい
る場合、比誘電率の異なる絶縁材料が共存する場合の電
界強度は、それぞれの絶縁材料に加わる分担電圧がその
間の静電容量に反比例して決定されることから、距離と
比誘電率に反比例して決まる。このことから、バーリア
絶縁物内の電界強度Etは以下の式になる。
【0017】
【数2】
【0018】また、絶縁媒体14の電界強度Elは、
【数3】 この式から明らかなように、一般の油入機器において
は、無限大バーリア13の比誘電率εtは絶縁媒体14
の比誘電率εlの約2倍程度大きいことと、それぞれの
間隔と厚みを合計した距離が全体の距離lに等しい。し
たがって、l=l1+l2+l3+t1+t2であるこ
とから、無限大バーリア13が配置されている場合の電
界強度は、配置されていないときに比較して次のように
なっている。
【0019】すなわち、無限大バーリア13の厚みt
1,t2が全体の距離lに比べて小さい場合には、絶縁
媒体14内の電界強度がわずかに増加する。無限大バー
リア13の厚みt1,t2を次第に厚くしていくと、絶
縁媒体14内の電界強度は増加の程度が大きくなる。
【0020】無限大バーリア13を構成する固体絶縁板
と絶縁媒体14の絶縁破壊に対する耐力を比較すると、
絶縁媒体14の方が低いのが一般的である。したがっ
て、バーリア構成を採用したことにより、絶縁媒体14
の電界強度が低くなるのであれば、その効果があること
になるが、実際にはそうではなく、むしろ高くなり逆効
果である。
【0021】それにも拘らず、バーリア構成を採用する
理由は、バーリアが配置されることにより、絶縁媒体1
4の間隔が細分化されるので、この間の絶縁媒体14中
に浮遊するごみや異物などが電極間に繋がってブリッジ
を形成することを妨げるので、電界強度が多少高くなっ
ても絶縁破壊強度の方がそれを上回って向上するからで
ある。
【0022】しかし、電界強度も可及的に高くならない
ようにした方が効果が大きいことから、交流回路での多
重バーリア構成にあっては、個々のバーリアの厚みは、
絶縁的な観点から可及的に薄い方がよく、構造的強度の
観点から許容できる厚みにしてあり、通常は1〜3mm
の厚みのものが使用されている。
【0023】次に、直流回路における多重バーリア構成
の有効性について説明する。
【0024】直流回路においては、交流回路と異なり電
界が時間的変化のない直流電界であり、交流電界分布が
静電容量で決定されるのに対し、その分布は漏れ電流を
支配する絶縁抵抗により決定される。
【0025】この原理を前述と同様、図7に示す無限大
面積を有する理想平板電極およびバーリアの例で説明す
る。そして、無限大平板電極11,12の全間隔、無限
大平板電極11,12と2枚の無限大バーリア13との
間隔、2枚の無限大バーリア13の厚みは前述の通りで
ある。また、無限大バーリア13の比誘電率をρtと
し、絶縁媒体14の比誘電率をρlとする。
【0026】図7に示すように、2枚の無限大平板電極
11,12間に電圧を印加したときに生じる電界が2枚
の無限大平板電極11,12と平行に生じ、絶縁媒体1
4および無限大バーリア13の内部の分布がそれぞれ一
様になるのは前述と同様である。無限大バーリア13の
有無により電界強度を比較してみるに、無限大バーリア
13が配置されていない場合には、絶縁媒体の電界強度
Elは、
【数4】El=V/l[V/m]…(4) である。
【0027】直流回路の場合に異なるのは無限大バーリ
ア13が配置されている場合である。すなわち、絶縁抵
抗率の異なる絶縁材料が共存する場合の電界強度は、そ
れぞれ絶縁材料に加わる分担電圧がその間の絶縁抵抗に
比例して決定されることから、距離に反比例し、絶縁抵
抗率に比例して決定される。このことから、バーリア絶
縁物内の電界強度Etは以下の式になる。
【0028】
【数5】
【0029】また、絶縁媒体14の電界強度Elは、
【数6】 この式から明らかなように、一般の油入機器において
は、無限大バーリア13の比誘電率ρtは絶縁媒体14
の比誘電率ρlの数倍から数百倍大きいことと、それぞ
れの間隔と厚みを合計した距離は全体の距離lに等し
い。したがって、l=l1+l2+l3+t1+t2で
あることから、無限大バーリア13が配置されている場
合の電界強度は、配置されていないときに比較して次の
ようになっている。
【0030】すなわち、無限大バーリア13の厚みt
1,t2が全体の距離lに比べて小さい場合には、絶縁
媒体14内の電界強度がわずかに減少する。無限大バー
リア13の厚みt1,t2を次第に厚くしていくと、絶
縁媒体14内の電界強度は益々減少する。
【0031】無限大バーリア13の厚みt1,t2を厚
くすると、絶縁媒体14中の電界強度が減少するところ
が、交流回路の場合と大きく異なる点である。したがっ
て、バーリア構成を採用することは、絶縁媒体14中の
電界強度を低くし、絶縁性能向上に直接的効果を有する
ことになる。このことにより、直流回路用のバーリア構
成にあっては、無限大バーリア13の厚みt1,t2を
可及的に厚くした方が効果が大である。また、併せて交
流回路の場合と同様に絶縁媒体14を細分化したことに
より、二重の効果を得ることができる。
【0032】次に、交流用の方式は直流用には好ましく
ないことを説明する。
【0033】従来より使用してきた交流回路用のバーリ
ア構成が交流電界分布の観点からバーリアの厚みを可及
的に薄くしてあったが、このことは直流回路用のバーリ
ア構成には好ましくないことになっている。因みに、直
流回路用のバーリア構成の場合には、分担する電圧が絶
縁抵抗の高いバーリアの固体絶縁板の厚みを増加するこ
とによって、絶縁破壊強度の低い絶縁媒体側から絶縁破
壊強度の高いバーリア側へ移行し、全体系として絶縁強
度を増加するにも拘らず、その効果を十分発揮していな
いからである。
【0034】また、従来から使用されている交流回路用
のバーリア構成では、バーリアが薄い材料で構成されて
いることを前提に配置していたので、図8に示すように
コーナリング絶縁物7と絶縁筒6との重ね部分のよう
に、単純にそのままの形状で重ねていることが多かっ
た。
【0035】この構造をそのままの形態で厚い絶縁板の
直流回路用のバーリア構成に使用すると、接合部の重ね
合せる部分が厚くなり過ぎる問題がある。すなわち、こ
のような単純な重ね合せでは電極間寸法lを変えずにバ
ーリアの厚みが2倍になることで、(3)式の分母で示
される交流電圧に対する等価絶縁寸法が小さくなり、絶
縁媒体の電界強度Elが大きくなるため、所定の電界強
度以下にするには、絶縁媒体の絶縁距離が必要以上に大
きくなり、機器の小形化に反する問題点がある。
【0036】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、電気絶縁寸法を極力小さくするとともに、高電
圧の絶縁性能を保持した直流高電圧機器を提供すること
を目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の請求項1は、直流課電される高圧巻線
と低圧巻線間に所定間隔をおいて複数の固体絶縁板が配
置される多重絶縁バーリアを備えた直流高電圧機器にお
いて、前記課電電圧と等しい交流電圧が課電される場合
に比し相対的に前記固体絶縁板を厚く形成したことを特
徴とする。
【0038】請求項2は、請求項1記載の固体絶縁板が
複数の絶縁板にて形成される場合、前記絶縁板相互の接
合は、スカーフジョイント構成であることを特徴とす
る。
【0039】請求項3は、請求項1記載の固体絶縁板の
厚さは、前記巻線に近接した位置に配置したものが相対
的に遠くに配置したものより厚く形成されていることを
特徴とする。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0041】図1は本発明に係る直流高電圧機器の第1
実施形態を示す断面図である。なお、従来の構成と同一
または対応する部分には図5と同一の符号を用いて説明
する。そして、本実施形態では直流回路に用いられる変
圧器やリアクトルなどの高電圧油入機器およびガス絶縁
機器を対象機器としている。
【0042】図1に示すように、直流高電圧機器は、直
流課電される高圧巻線1を高電圧側の系統に、直流課電
される低圧巻線2を低電圧側の系統にそれぞれ接続し、
かつ電圧を変換しつつ一方から他方に電力を伝達する。
そして、鉄心脚3および鉄心ヨーク4は大地に接地され
る。高圧巻線1と低圧巻線2との間には、両系統電圧の
差電圧が印加されるとともに、それぞれの巻線1,2と
大地との間には対地電圧が加わる。
【0043】また、高圧巻線1の電圧が高くなるにつれ
て、高圧巻線1と大地との間は高い絶縁性能を必要と
し、単に絶縁距離を増加させるだけでは、絶縁能力を保
持できなくなるので、高圧巻線1および低圧巻線2の各
端部には静電遮蔽リング5を設けて電力集中を回避する
とともに、巻線1,2間には固体絶縁板としての絶縁筒
6およびコーナリング絶縁物7を配置して絶縁性能を保
持している。
【0044】さらに、巻線1,2と鉄心ヨーク4との間
には、コーナリング絶縁物7が配置されて絶縁能力を高
めている。絶縁スペーサ9はコーナリング絶縁物7の所
定箇所に挿入され、その相互間隔を保持するようにして
いる。そして、高圧巻線1および低圧巻線2は、巻線締
付板15により締付固定されている。
【0045】ところで、交流回路用バーリア構成の単純
な重ね合せ構造を直流回路用のバーリア構成に用いる
と、絶縁筒6とコーナリング絶縁物7との接合部で厚さ
が厚くなり、必要以上の絶縁距離を設けなければならな
い。
【0046】そのため、本実施形態では、図2に示すバ
ーリア構成のように絶縁筒6とコーナリング絶縁物7と
の接合部をそれぞれ斜めに切断し、これらの切断部分が
重ね合せるように接着する、一般にスカーフジョイント
という接合方式を用いている。
【0047】このように固体絶縁板が複数の絶縁板にて
形成される場合、絶縁板相互の接合に、つまり絶縁筒6
とコーナリング絶縁物7との接合部に、スカーフジョイ
ントという接合方式を用いたことにより、絶縁筒6とコ
ーナリング絶縁物7との接合部が厚くならず、必要以上
の絶縁距離が不要となる結果、厚い絶縁板に形成するこ
とができる。
【0048】図3は第1実施形態におけるバーリア構成
の変形例を示す断面図である。この変形例では、スカー
フジョイント部において絶縁筒6とコーナリング絶縁物
7とを相互にずらして接合されている。このように絶縁
筒6とコーナリング絶縁物7とを相互にずらして接合し
ても、工作上多少のずれが生ずるものの、上記と同様の
効果が得られる。
【0049】また、本実施形態では、直流回路用のバー
リア構成としてバーリアの固体絶縁板を配置するに際
し、従来の交流回路用バーリア構成のバーリアの厚みを
可及的に薄くしてあった部分を可及的に厚くするように
している。具体的には、従来の交流回路用バーリア構成
のバーリアの厚みが1〜3mmに形成していた部分を少
なくとも3mmを超える厚みとし、可能な範囲で十数m
mまで厚くしている。すなわち、本実施形態では、直流
課電される高圧巻線1と低圧巻線2間に所定間隔をおい
て複数の固体絶縁板が配置される多重絶縁バーリアを備
えたものにおいて、前記課電電圧と等しい交流電圧が課
電される場合に比し、相対的に固体絶縁板を厚く形成し
たものである。
【0050】この場合、厚い材料を使用してバーリア構
成を適用し、直流回路用に使用することが望ましい。す
なわち、バーリアを厚く形成するには、厚い板材の絶縁
物を使用するか、薄い板材の絶縁物を積層して厚く形成
するようにしてもよい。
【0051】なお、バーリアの厚みを十数mmを超える
まで厚くすると、絶縁媒体の電界強度が大きくなるた
め、所定の電界強度以下にするには、絶縁媒体の絶縁距
離が必要以上に大きくなり、機器の小形化に反する このように従来の交流回路用バーリア構成のバーリアの
厚みが1〜3mmに形成していた部分を少なくとも3m
mを超える厚みとし、可能な範囲で十数mmまで厚くし
たことにより、直流回路における多重バーリア構成にあ
っては、電界強度が絶縁抵抗によって決定されるため、
絶縁媒体の電界強度をバーリアの厚みを厚くすることに
より低くすることができる。これは、同じ絶縁距離を有
している電極間にバーリア構成を適用したときに絶縁性
能を向上させ、その破壊電圧を高めることができる。
【0052】図4は本発明に係る直流高電圧機器の第2
実施形態を示す断面図である。なお、前記第1実施形態
と同一または対応する部分には同一の符号を付して説明
する。この第2実施形態では、高圧巻線1および低圧巻
線2から離間した位置に配置した部分のコーナリング絶
縁物7の厚さが高圧巻線1および低圧巻線2に近接した
位置に配置した部分より厚く形成されている。すなわ
ち、固体絶縁板としてのコーナリング絶縁物7の厚さ
は、高圧巻線1および低圧巻線2に近接した位置に配置
したものが相対的に遠くに配置したものより厚く形成さ
れている。
【0053】このように構成したことにより、静電遮蔽
リング5の表面に移行する電位線を少なくし、この静電
遮蔽リング5表面の沿面電界強度を緩和することができ
る。
【0054】なお、本発明は上記各実施形態に限定する
ことなく種々の変更が可能である。例えば、上記各実施
形態では本発明の対象機器を直流回路に用いられる変圧
器やリアクトルなどの高電圧油入機器およびガス絶縁機
器としたが、これ以外に直流回路で用いられるその他の
油入またはガス絶縁の高電圧機器として油入サイリスタ
バルブや油入タンク入りコンデンサバンクにも適用可能
である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、直流課電される高圧巻線と低圧巻線間に所定
間隔をおいて複数の固体絶縁板が配置される多重絶縁バ
ーリアを備えた直流高電圧機器において、前記課電電圧
と等しい交流電圧が課電される場合に比し相対的に前記
固体絶縁板を厚く形成したことにより、同じ絶縁距離を
有している電極間にバーリア絶縁構成を適用した場合に
は、絶縁性能を向上させ、その破壊電圧を高めることが
できる。また、規定の耐電圧試験に耐えるように機器を
設計する場合には、小型に設計することができ、かつ大
容量の機器を製造することができる。
【0056】請求項2によれば、固体絶縁板が複数の絶
縁板にて形成される場合、前記絶縁板相互の接合は、ス
カーフジョイント構成であることにより、絶縁板の接合
部が厚くならず、必要以上の絶縁距離が不要となる結
果、厚い絶縁板に形成することができる。
【0057】請求項3によれば、固体絶縁板の厚さは、
巻線に近接した位置に配置したものが相対的に遠くに配
置したものより厚く形成されていることにより、巻線の
電力集中を回避するための静電遮蔽リングの表面に移行
する電位線を少なくし、この静電遮蔽リング表面の沿面
電界強度を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る直流高電圧機器の第1実施形態を
示す断面図。
【図2】第1実施形態におけるバーリア構成を示す断面
図。
【図3】第1実施形態におけるバーリア構成の変形例を
示す断面図。
【図4】本発明に係る直流高電圧機器の第2実施形態を
示す断面図。
【図5】高電圧変圧器やリアクトルなどの内部における
多重バーリア構成の従来例を示す断面図。
【図6】高電圧変圧器やリアクトルなどの内部における
多重バーリア構成の他の従来例を示す断面図。
【図7】無限大面積を有する理想平板電極およびバーリ
アを示す断面図。
【図8】従来のバーリア構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 高圧巻線 2 低圧巻線 3 鉄心脚 4 鉄心ヨーク 5 静電遮蔽リング 6 絶縁筒(固体絶縁板) 7 コーナリング絶縁物(固体絶縁板) 9 絶縁スペーサ 15 巻線締付板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流課電される高圧巻線と低圧巻線間に
    所定間隔をおいて複数の固体絶縁板が配置される多重絶
    縁バーリアを備えた直流高電圧機器において、前記課電
    電圧と等しい交流電圧が課電される場合に比し相対的に
    前記固体絶縁板を厚く形成したことを特徴とする直流高
    電圧機器。
  2. 【請求項2】 前記固体絶縁板が複数の絶縁板にて形成
    される場合、前記絶縁板相互の接合は、スカーフジョイ
    ント構成であることを特徴とする請求項1記載の直流高
    電圧機器。
  3. 【請求項3】 前記固体絶縁板の厚さは、前記巻線に近
    接した位置に配置したものが相対的に遠くに配置したも
    のより厚く形成されていることを特徴とする請求項1記
    載の直流高電圧機器。
JP7249667A 1995-09-27 1995-09-27 直流高電圧機器 Pending JPH0992549A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7249667A JPH0992549A (ja) 1995-09-27 1995-09-27 直流高電圧機器

Applications Claiming Priority (1)

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JP7249667A JPH0992549A (ja) 1995-09-27 1995-09-27 直流高電圧機器

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