JPH0991002A - 分布制御装置 - Google Patents

分布制御装置

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JPH0991002A
JPH0991002A JP24772795A JP24772795A JPH0991002A JP H0991002 A JPH0991002 A JP H0991002A JP 24772795 A JP24772795 A JP 24772795A JP 24772795 A JP24772795 A JP 24772795A JP H0991002 A JPH0991002 A JP H0991002A
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JP24772795A
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Takaaki Hattori
孝明 服部
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分布制御を少ない制御演算量で制御できるよ
うにする。 【解決手段】 分布パターン記憶部6に複数のプロセス
目標値それぞれを実現するのに必要な基本的な操作量の
分布パターンと、ある基本分布パターンから別の基本分
布パターンへ制御を移行する過渡期間の分布パターンを
記憶させておき、分布制御部5により、プロセス目標値
に対応する基本分布パターンを分布パターン記憶部6か
ら読み出して複数の操作端A〜Eそれぞれの操作量を設
定する。そしてプロセス目標値が変更された場合には、
分布パターン記憶部6から変更後の目標値に対応する基
本分布パターンを読み出すと共に、過渡期間に対する分
布パターンも読み出し、まず過渡期間の分布パターンに
従って各操作端A〜Eの操作量を調整し、所定の過渡期
間が終了すれば、その後、新たな基本分布パターンに従
って各操作端の操作量を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラインを連続的に
流れる無端の制御対象に対して、ライン出口ではあるプ
ロセス値が目標値と一致するようにライン上の複数の操
作端それぞれに対して個別に操作量を設定する分布制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、抄紙プラントのドレネー
ジのBM制御、製鉄、製鋼プラントの連続焼鈍プロセス
の板温制御、あるいは加熱炉のスラブ温度制御のよう
に、ライン上を連続的に流れる無端の制御対象に対して
複数の操作端それぞれに個別の操作量を設定してプロセ
ス処理を実行させ、ライン出口であるプロセス値が目標
値に一致するように制御する分布制御装置では、スカラ
ー制御するにしても、ベクトル制御するにしても、各入
出力点間の伝達関数、状態方程式、干渉式あるいは応答
波形からの演算によって制御式を決め、それに従って制
御を行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の分布制御装置では、各入出力点間の伝達関数、状
態方程式、干渉式あるいは応答波形からの演算によって
制御式を決め、それに従って制御する必要があり、大容
量で高速演算処理ができる制御装置を用いなければなら
ない問題点があった。
【0004】しかしながら、上述した抄紙プラントのド
レネージの水分制御、製鉄、製鋼プラントの連続焼鈍プ
ロセスの板温制御、あるいは加熱炉のスラブ温度制御で
は、制御対象のある部分が複数の操作端それぞれで同じ
処理、例えば、スチーム乾燥処理、加熱圧延処理などを
連続的に受けるので、あるプロセス値の目標値を変更す
る場合、あるいはプロセス値の目標値を変えずにライン
スピードのような制御変数の設定値を変更する場合な
ど、操作端それぞれに設定すべき操作量の組はプロセス
値の目標値ごとに、あるいは制御変数の設定値ごとにほ
ぼ一義的に決定することができるものである。
【0005】したがって、操作端それぞれに設定すべき
操作量の組をプロセス値の目標値ごとに、あるいは制御
変数の設定値ごとに基本的な分布パターンデータとして
登録しておくならば、プロセス目標値の変更、あるいは
制御変数の設定値の変更があっても対応する基本分布パ
ターンデータを読み出してきて操作端それぞれの操作量
を設定することにより、簡単な構成でありながら即応す
ることができるようになる。
【0006】本発明はこのような考察の下に発明された
もので、操作端が複数で、かつ制御変数に対して時間的
に一定の関係で分布しているプロセスに対して、各操作
端の操作量の基本分布パターンをプロセス目標値に対応
して、あるいは制御変数設定値に対応して多数登録し、
同時にある基本分布パターンによる制御から別の基本分
布パターンによる制御に切替える場合の過渡期間の各操
作端の操作量の分布パターンも登録しておき、それらの
分布パターンを用いて各操作端の操作量を設定すること
により、連続的に流れる無端の制御対象を少ない制御演
算量で即応性に優れた制御ができる分布制御装置を提供
することを目的とする。
【0007】また本発明の目的は、各操作端が制御対象
になす仕事エネルギを最小となる各操作端の操作量の分
布パターンを決定し、省エネルギが達成できる分布制御
装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ライ
ン上を連続的に送られる無端の制御対象に対して、当該
ライン上の複数の操作端それぞれに対してあらかじめ与
えられる分布パターンに従って操作量を設定して当該制
御対象に対するプロセス値を目標値に一致させる制御を
行う分布制御装置において、前記プロセス値を目標値に
一致させるために前記複数の操作端それぞれに必要とさ
れる操作量の組を基本分布パターンとして、複数の目標
値それぞれに対応する複数の基本分布パターンを記憶
し、同時に、ある基本分布パターンから別の基本分布パ
ターンへ移行する過渡期間に各操作端に対して設定する
操作量の組を過渡期間の分布パターンとして記憶する分
布パターン記憶部と、前記プロセス値の目標値が変更さ
れたときに、変更後の目標値に対応する基本分布パター
ンと、現在の基本分布パターンと変更後の目標値に対応
する基本分布パターンとの間の過渡期間に対応する分布
パターンとを前記分布パターン記憶部から読み出し、当
該プロセス値の目標値変更開始時点で入端にあった前記
制御対象の一部分が出端に到達するまでの過渡期間は過
渡期間の分布パターンに従って前記操作端それぞれの操
作量を設定し、過渡期間終了後は変更後の目標値に対応
する基本分布パターンに従って前記操作端それぞれの操
作量を設定する分布制御部とを備えたものである。
【0009】この請求項1の発明の分布制御装置では、
分布パターン記憶部に複数のプロセス目標値それぞれを
実現するのに必要な基本的な操作量の分布パターンと、
ある基本分布パターンから別の基本分布パターンへ制御
を移行する過渡期間の分布パターンを記憶させておき、
分布制御部により、プロセス目標値に対応する基本分布
パターンを分布パターン記憶部から読み出して複数の操
作端それぞれの操作量を設定する。そしてプロセス値の
目標値が変更された場合には、分布制御部が分布パター
ン記憶部から変更後の目標値に対応する基本分布パター
ンを読み出すと共に、現在の基本分布パターンから変更
しようとする基本分布パターンへの過渡期間に対する分
布パターンも読み出し、まず過渡期間の分布パターンに
従って各操作端の操作量を調整し、所定の過渡期間が終
了すれば、その後、新たな基本分布パターンに従って各
操作端の操作量を調整する。
【0010】こうして、いくつかの基本分布パターンに
従って各操作端の操作量を設定することにより、複雑な
演算処理をすることなく即応性に優れた分布制御ができ
るようになる。
【0011】請求項2の発明は、ライン上を連続的に送
られる無端の制御対象に対して、当該ライン上の複数の
操作端それぞれに対してあらかじめ与えられる分布パタ
ーンに従って操作量を設定して当該制御対象に対するプ
ロセス値を目標値に一致させる制御を行う分布制御装置
において、前記ラインのある制御変数がある値に設定さ
れているときに、当該条件下で前記プロセス値を目標値
に一致させるために必要とされる前記複数の操作端それ
ぞれに対する操作量の組を当該制御変数に対応する基本
分布パターンとして複数組記憶し、同時に、前記制御変
数が1つの値から別の値に変更されるときの過渡期間に
おいて前記複数の操作端それぞれに設定する操作量の組
を過渡期間の分布パターンとして記憶する分布パターン
記憶部と、前記制御変数の値が変更されたときに、当該
制御変数の変更後の値に対応する基本分布パターンと、
前記制御変数の現在の値に対応する基本分布パターンと
変更後の値に対応する基本分布パターンとの間の過渡期
間に対応する分布パターンとを前記分布パターン記憶部
から読み出し、当該制御変数の値変更開始時点で入端に
あった前記制御対象の一部分が出端に到達するまでの過
渡期間中は前記過渡期間の分布パターンに従って前記操
作端それぞれの操作量を設定し、過渡期間終了後は前記
制御変数の変更後の値に対応する基本分布パターンに従
って前記操作端それぞれの操作量を設定する分布制御部
とを備えたものである。
【0012】この請求項2の発明の分布制御装置では、
ラインのある制御変数がある値に設定されているとき
に、当該条件下でプロセス値を目標値に一致させるため
に必要とされる複数の操作端それぞれに対する操作量の
組を当該制御変数に対応する基本分布パターンとして複
数組、分布パターン記憶部に記憶させ、同時に、制御変
数が1つの値から別の値に変更されるときの過渡期間に
おいて複数の操作端それぞれに設定する操作量の組を過
渡期間との分布パターンとして分布パターン記憶部に記
憶させておき、分布制御部により、制御変数の設定値に
対応する基本分布パターンを分布パターン記憶部から読
み出して複数の操作端それぞれの操作量を設定する。そ
して制御変数の設定値が変更された場合には、分布制御
部が分布パターン記憶部から変更後の設定値に対応する
基本分布パターンを読み出すと共に、現在の基本分布パ
ターンから変更しようとする設定値に対応する基本分布
パターンへの過渡期間に対する分布パターンも読み出
し、まず過渡期間の分布パターンに従って各操作端の操
作量を調整し、所定の過渡期間が終了すれば、その後、
新たな基本分布パターンに従って各操作端の操作量を調
整する。
【0013】こうして、いくつかの基本分布パターンに
従って各操作端の操作量を設定することにより、複雑な
演算処理をすることなく即応性に優れた分布制御ができ
るようになる。
【0014】請求項3の発明は、請求項1または2の分
布制御装置において、前記各操作端が前記制御対象にな
す仕事エネルギの総和を求める仕事エネルギ加算部と、
前記分布パターン記憶部に記憶される基本分布パターン
に対して各操作端ごとの操作量を揺らし、前記仕事エネ
ルギ加算部が求める仕事エネルギが最小になる分布パタ
ーンを決定する最適パターン演算処理部とを備えたもの
である。
【0015】この請求項3の発明の分布制御装置では、
分布パターン記憶部に登録される基本分布パターンとし
て消費エネルギが最小となるものを自動的に求めるため
に、各操作端の操作量を基本分布パターンのものに設定
しておき、最適パターン演算処理部によって各操作端の
操作量を一度に少しずつ揺らし、その結果としてプロセ
ス目標値を達成しながらも仕事エネルギ加算部が算出す
る仕事エネルギが最小となる分布パターンを求める。
【0016】これによって分布パターン記憶部には複数
のプロセス目標値それぞれに対応した基本分布パターン
として消費エネルギが最小となる分布パターンを登録し
ておくことができ、省エネルギが達成できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は本発明の請求項1の発明の一
つの実施の形態の機能ブロック図を示しており、抄紙機
のドレネージ制御プロセスにおける分布制御装置を例示
している。この分布制御装置は、紙1がワイヤーパート
2から水分乾燥のためのシリンダ列3に連続的に送込ま
れてきて、シリンダ列3で各シリンダ中にスチームを通
して温度を上げ、紙1を乾燥させて送出すようにしてあ
って、シリンダ列3の出口側に設置されたBM計4によ
って紙1のプロセス値の1つである水分量を測定し、こ
の水分量測定信号を分布制御部5に入力し、分布制御部
5で水分量計測値が目標値と一致しているかどうか見P
ID演算を行い、シリンダ列3の各操作端A〜Eのバル
ブの開度を一定の分布パターンに則って増減操作し、各
シリンダに通すスチーム量を調整して各々のシリンダの
温度調整を行い、紙1の水分量を目標値に一致させる制
御を行う。
【0018】分布制御部5は各操作端A〜Eのバルブの
弁開度を与えられるスチーム量分布パターンに従って個
別に設定し、各操作端A〜Eはそれに与えられる所定の
スチーム量となるように弁開度のフィードバック制御を
行う。このスチーム量分布パターンは分布パターン記憶
部6に登録されている。また分布制御部5はプロセス値
である水分量目標値を設定する水分量目標値設定部7か
ら水分量目標値を取り込み、紙1のラインスピードを速
度検出器8から取り込み、また制御変数の一つであるラ
インスピードの設定値をラインスピード設定部9から取
り込むようにしてある。
【0019】分布パターン記憶部6に登録されているス
チーム量分布パターンは、ラインスピード設定部9から
与えられるラインスピードvi (ここでは、一定とす
る)、水分量目標値設定部7から与えられる目標水分量
pj に対して操作端A〜Eそれぞれのスチーム量bA 〜
bE を1つのグループの分布パターンPpj(bA 〜b
E)として設定され、これが複数の目標水分量それぞれ
に対して設定登録されている。また、ある目標水分量p
i から別の目標水分量pk にプロセス目標値を変更をす
る場合、その過渡期間に各操作端A〜Eのスチーム量b
A 〜bE も1つのグループの分布パターンPtpik(bA
〜bE )として設定登録されている。
【0020】次に、上記構成の分布制御装置の動作につ
いて説明する。図2(a)〜(c)はラインスピードを
変えずに、水分量目標値をp1 からそれよりも高いp2
に変更する時の手順を示している。この場合、分布制御
部5は分布パターン記憶部6から、図2(a)に示すよ
うな現在の水分量目標値p1 に対する操作端A〜Eそれ
ぞれの操作量であるスチーム量bA 〜bE の分布パター
ンPp1に代えて、同図(c)に示すような水分量目標値
p2 に対応する分布パターンPp2を読み出し、この分布
パターンPp2に基づいて各操作端A〜Eそれぞれのスチ
ーム量bA 〜bE を変更するのであるが、それに先立っ
て同図(b)に示すような目標値p1 から目標値p2 へ
の過渡期間の分布パターンPtp12をも読み出す。
【0021】そして、まず図2(b)に示すように、過
渡期間の制御変数分布パターンPtp12に基づいて操作端
A〜Eそれぞれのスチーム量bA 〜bE を変更調整し、
入端Aにあった紙1の一部分が出端Eに到達するまでに
要する時間が経過した時点で、同図(c)に示すように
目標値p2 に対応する分布パターンPp2に基づいて操作
端A〜Eそれぞれのスチーム量bA 〜bE を変更設定す
る。
【0022】逆に目標値p2 からそれよりも目標値p1
にプロセス値である水分量を小さくする時の手順を図3
に基づいて説明する。この場合、分布制御部5は分布パ
ターン記憶部6から、図3(a)に示すような目標値p
2 の際の操作端A〜Eそれぞれの操作量であるスチーム
量bA 〜bE の分布パターンPp2に代えて、同図(c)
に示すような目標値p1 に対応する分布パターンPp1を
読み出し、この分布パターンPp1に基づいて各操作端A
〜Eそれぞれのスチーム量bA 〜bE を変更するのであ
るが、それに先立って同図(b)に示すような目標値p
2 から目標値p1 への過渡期間の分布パターンPtp21を
も読み出す。
【0023】そして、まず図3(b)に示すように、過
渡期間の分布パターンPtp21に基づいて操作端A〜Eそ
れぞれのスチーム量bA 〜bE を変更調整し、上記同様
の過渡時間が経過した時点で、同図(c)に示すように
目標値p1 に対応する分布パターンPp1に基づいて操作
端A〜Eそれぞれのスチーム量bA 〜bE を変更設定す
る。
【0024】ここで過渡期間の分布パターンについて
は、次のように設定することになる。複数の操作端を有
し、制御変数に対して時間的に一定の関係で分布してい
るプロセスに対して、プロセス値の目標値を変更する外
乱が入れば、分布パターンを操作端位置の違いによる無
駄時間の違いを考慮して、図2に示すような設定を行
う。すなわち、この実施の形態のドレネージ制御でのあ
る定常時の操作端A〜Eのスチーム温度制御ループの設
定値を入端A側でやや高くして操作を早め、出端E側で
は誤差なく目標値になるようにほぼ一定の設定値での操
作を行うように図2(a)に示すような分布パターンP
p1を設定する(ここで、シリンダ温度設定値はスチーム
量と一対一に対応している)。そして水分量目標値を変
更する場合、設定変更後の安定時の分布パターンPp2は
図2(c)に示すようになる。
【0025】しかしながら、PP1の分布パターンから変
更後の分布パターンPP2への設定値の変更に対して、過
渡的には図2(a)に示す状態から出端Eではそれまで
の加熱累積量が低い設定値の目標に対してのもので、設
定値上方変更時には図2(c)の設定値に対してある比
率δE だけ大きめの設定を行い、その後の過渡状態完了
まで、つまり切替開始時点で入端Aにあった紙1の一部
分が出端Eを通過するまで、紙1のスピードに応じて図
2(b)の設定値から同図(c)の設定値まで設定変更
し、それまでの累積の低い分をカバーするのである。こ
の点、入端Aでは加熱累積量がないので設定値上方変更
時の過渡期間でも、変更後の設定値に一致させることが
できる。また、中間点B,C,Dそれぞれでは、いまま
での累積値は変更前の低い設定値の目標に対してのもの
なので、設定値上方変更時には出端Eの過渡変更量に応
じて、図2(c)に示す設定値に対して出口までの距離
による設定変更切替後からの累積量に比例させて、それ
ぞれある比率δB ,δC ,δD だけ大きめに設定し、紙
1のラインスピードに応じて図2(b)の設定値から同
図(c)の設定値まで設定変更し、それまでの累積の低
い分をカバーするのである。
【0026】逆に図3に示したように設定値を下方変更
する場合には、出口側の累積温度か必要以上に高くなっ
ているので、過渡期間の分布パターンでは変更後の設定
値よりもさらに低くめの設定値にして、紙1の通過スピ
ードに応じて図3(b)の設定値から同図(c)の設定
値まで設定変更し、それまでの累積の高い分をカバーす
るのである。
【0027】このようにして、上記の構成の分布制御装
置によれば、プロセス値の複数の目標値間で設定変更す
る場合に、それぞれの設定値に対応する分布パターンと
共にそれらの間の過渡期間の分布パターンも登録してお
き、過渡期間中は過渡期間の分布パターンによって制御
し、過渡期間完了時には変更後の目標値に対応する基本
分布パターンに従って制御するようにしているので、複
雑な制御演算を行なわなくても、操作点それぞれの操作
量を予め設定されているパターンに従って所要量だけ操
作するだけで即応性のよい制御が可能となる。
【0028】なお、上記実施の形態ではプロセス値とし
ての水分量の目標値の変更があった場合に複数の操作端
それぞれの操作量をどのように変更設定するかについて
説明したが、これに限定されず、制御対象のあるプロセ
ス目標値をライン出口で一定に維持しながら、制御対象
の制御変数の1つ、例えば、ラインスピードを変更する
ような場合にも適用することができる。
【0029】この場合には、ラインスピードを変更して
も同じプロセス目標値を達成するために必要な操作端A
〜Eそれぞれに対する操作量設定値bA 〜bE の組をラ
インスピードvi ごとにその基本分布パターンPvi(b
A 〜bE )として分布パターン記憶部6に登録してお
き、同時に、ラインスピードをvi からvj に変更する
場合の過渡期間においても同じプロセス目標値が達成で
きるような操作端A〜Eそれぞれの操作量設定値の組を
過渡期間の分布パターンPtpij(bA 〜bE )として分
布パターン記憶部6に登録しておく。そして、ラインス
ピードvi の変更があれば、変更後のラインスピードv
j に対応する基本分布パターンPvj(bA〜bE )と過
渡期間の分布パターンPtpij(bA 〜bE )とを分布パ
ターン記憶部6から読み出し、過渡期間の分布パターン
Ptpij(bA 〜bE )に基づいて操作端それぞれの操作
量を設定し、過渡期間が完了すれば変更後のスピードv
j に対応する基本分布パターンPvj(bA 〜bE )に基
づいて操作端それぞれの操作量を設定する。
【0030】これによっても第1の実施の形態と同じよ
うに、複雑な制御演算を行わなくても、操作点それぞれ
の操作量を予め設定されている分布パターンに従って所
要量だけ操作するだけで即応性のよい制御が可能とな
る。
【0031】なお、本発明は上記の第1、第2の実施の
形態のような抄紙プラントだけでなく、製鉄、製鋼プラ
ントの連続焼鈍プロセスの板温制御、あるいは加熱炉の
スラブ温度制御のように、ライン上を連続的に流れる無
端の制御対象に対して複数の操作端それぞれに一定の分
布パターンに則って個別に操作量を設定してプロセス処
理を実行させ、ライン出口であるプロセス値が目標値に
一致するように制御する分布制御装置に広く応用するこ
とができる。
【0032】次に本発明の第3の実施の形態について図
4に基づいて説明する。図4の実施の形態も抄紙機のド
レネージ制御プロセスにおける分布制御装置を例示して
いて、図1に示した第1の実施の形態に大部分で共通す
る。この第3の実施の形態の特徴部分は、各操作端A〜
Eからシリンダ列3に供給されるスチーム量を計測する
流量計11a〜11eと、これらの流量計11a〜11
eからの流量計測値を加算する加算器12と、分布パタ
ーン記憶部6に登録されている基本分布パターンの各操
作端ごとの操作量を若干揺らしながら、加算器12の加
算結果を見て流量総和が最小になる分布パターンを割出
し、これを以後、基本分布パターンとして使用するよう
に分布パターン記憶部6に記憶させる最適パターン演算
処理部13を備えた点にある。
【0033】この第3の実施の形態では、ラインスピー
ド設定部9により設定されたラインスピード、水分量目
標値設定部7で設定された水分量目標値に対応する各操
作端A〜Eそれぞれの操作量の基本分布パターンを分布
パターン記憶部6から呼出して各操作端の操作量を設定
する。そして分布制御部5で各操作端A〜Eの操作量を
制御する。
【0034】この初期設定状態で各操作端の操作量を流
量計11a〜11eそれぞれで計測し、その流量計測値
の総和を加算器12で求めて最適パターン演算処理部1
3に与える。
【0035】最適パターン演算処理部13は与えられた
基本分布パターンにおける流量総和を記憶し、次に、い
ずれかの操作端、例えばAの操作端の操作量を微小幅だ
け変化させ、同時に対応する他の操作端、例えばBの操
作端の操作量をA操作端の微小量の変動による水分量目
標値の変動をカバーすると考えられる量だけ反対方向に
変動させ、制御系が落着いたところで再び加算器12の
流量総和を取込み、最初の流量総和と比較し、その増減
を見る。ここで流量総和が最初に設定された基本パター
ンにおける流量総和よりも減少していれば、より少ない
スチーム量で同じ乾燥効果が得られることになるので、
基本分布パターンとしてあらたに変動後の分布パターン
を分布パターン記憶部6に更新登録する。
【0036】続いてさらに、新たに登録された基本分布
パターンにしたがって各操作端A〜Eの操作量を設定し
た後、制御系が落着いたところで、さらにいずれか1
つ、あるいは複数の操作端について操作量を流量総和が
減少する方向で変動させてみる。
【0037】こうして何度かの各操作端の操作量の変動
調整によって流量総和が最小となる分布パターンが求め
られると、最終的にそのときの各操作端A〜Eの操作量
の分布パターンをあるラインスピード、水分量目標値に
対応する基本分布パターンとして分布パターン記憶部6
に登録する。
【0038】以下、同じようにして種々のラインスピー
ド対応して最小スチーム量で水分量目標値を達成するこ
とができる分布パターンを最小パターン演算処理部13
で求め、それらを順次、基本分布パターン記憶部6に登
録していくことにより、最終的に当該制御系で考え得る
全てのラインスピード、水分量目標値それぞれに対応す
る最小エネルギの基本分布パターンを登録することがで
きるようになり、省エネルギによる制御系を実現するこ
とができるようになる。
【0039】なお、以上の手順は分布制御によって紙1
の乾燥度を最小エネルギで目標の乾燥度を得る場合につ
いて説明したが、本発明の第3の実施の形態は第1、第
2の実施の形態と同様の他のプラント、プロセスに対す
る分布制御装置についても適用することができるもので
ある。
【0040】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
プロセス値の目標値が変更された場合には、分布制御部
が分布パターン記憶部から変更後の目標値に対応する基
本分布パターンを読み出すと共に、現在の基本分布パタ
ーンから変更しようとする基本分布パターンへの過渡期
間に対する分布パターンも読み出し、まず過渡期間の分
布パターンに従って各操作端の操作量を調整し、所定の
過渡期間が終了すれば、その後、新たな基本分布パター
ンに従って各操作端の操作量を調整するようにしている
ので、複雑な制御演算を行なわなくても、操作点それぞ
れの操作量を予め設定されているパターンに従って所要
量だけ操作するだけで即応性のよい制御ができる。
【0041】請求項2の発明によれば、ラインのある制
御変数の設定値が変更された場合には、分布制御部が分
布パターン記憶部から変更後の設定値に対応する基本分
布パターンを読み出すと共に、現在の基本分布パターン
から変更しようとする設定値に対応する基本分布パター
ンへの過渡期間に対する分布パターンも読み出し、まず
過渡期間の分布パターンに従って各操作端の操作量を調
整し、所定の過渡期間が終了すれば、その後、新たな基
本分布パターンに従って各操作端の操作量を調整するよ
うにしているので、複雑な制御演算を行なわなくても、
操作点それぞれの操作量を予め設定されているパターン
に従って所要量だけ操作するだけで即応性のよい制御が
可能となる。
【0042】請求項3の発明によれば、分布パターン記
憶部に登録される基本分布パターンとして消費エネルギ
が最小となるものを自動的に求めるために、各操作端の
操作量を基本分布パターンのものに設定しておき、最適
パターン演算処理部によって各操作端の操作量を一度に
少しずつ揺らし、その結果としてプロセス目標値を達成
しながらも仕事エネルギ加算部が算出する仕事エネルギ
が最小となる分布パターンを求めるようにしているの
で、分布パターン記憶部には複数のプロセス目標値それ
ぞれに対応した基本分布パターンとして消費エネルギが
最小となる分布パターンを登録しておくことができ、省
エネルギが達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1及び請求項2の発明の共通する実施の
形態の機能ブロック図。
【図2】上記実施の形態におけるプロセス目標値の上方
変更時の複数の操作端それぞれの操作量設定値の変更操
作を示す説明図。
【図3】上記実施の形態におけるプロセス目標値の下方
変更時の複数の操作端それぞれの操作量設定値の変更操
作を示す説明図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の機能ブロック図。
【符号の説明】
1 紙 3 シリンダ列 4 水分計 5 分布制御部 6 分布パターン記憶部 7 水分量目標値設定部 8 速度検出器 9 ラインスピード設定部 11a〜11e 流量計 12 加算器 13 最適パターン演算処理部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライン上を連続的に送られる無端の制御
    対象に対して、当該ライン上の複数の操作端それぞれに
    対してあらかじめ与えられる分布パターンに従って操作
    量を設定して当該制御対象に対するプロセス値を目標値
    に一致させる制御を行う分布制御装置において、 前記プロセス値を目標値に一致させるために前記複数の
    操作端それぞれに必要とされる操作量の組を基本分布パ
    ターンとして、複数の目標値それぞれに対応する複数の
    基本分布パターンを記憶し、同時に、ある基本分布パタ
    ーンから別の基本分布パターンへ移行する過渡期間に各
    操作端に対して設定する操作量の組を過渡期間の分布パ
    ターンとして記憶する分布パターン記憶部と、 前記プロセス値の目標値が変更されたときに、変更後の
    目標値に対応する基本分布パターンと、現在の基本分布
    パターンと変更後の目標値に対応する基本分布パターン
    との間の過渡期間に対応する分布パターンとを前記分布
    パターン記憶部から読み出し、当該プロセス値の目標値
    変更開始時点で入端にあった前記制御対象の一部分が出
    端に到達するまでの過渡期間は過渡期間の分布パターン
    に従って前記操作端それぞれの操作量を設定し、過渡期
    間終了後は変更後の目標値に対応する基本分布パターン
    に従って前記操作端それぞれの操作量を設定する分布制
    御部とを備えて成る分布制御装置。
  2. 【請求項2】 ライン上を連続的に送られる無端の制御
    対象に対して、当該ライン上の複数の操作端それぞれに
    対してあらかじめ与えられる分布パターンに従って操作
    量を設定して当該制御対象に対するプロセス値を目標値
    に一致させる制御を行う分布制御装置において、 前記ラインのある制御変数がある値に設定されていると
    きに、当該条件下で前記プロセス値を目標値に一致させ
    るために必要とされる前記複数の操作端それぞれに対す
    る操作量の組を当該制御変数に対応する基本分布パター
    ンとして複数組記憶し、同時に、前記制御変数が1つの
    値から別の値に変更されるときの過渡期間において前記
    複数の操作端それぞれに設定する操作量の組を過渡期間
    の分布パターンとして記憶する分布パターン記憶部と、 前記制御変数の値が変更されたときに、当該制御変数の
    変更後の値に対応する基本分布パターンと、前記制御変
    数の現在の値に対応する基本分布パターンと変更後の値
    に対応する基本分布パターンとの間の過渡期間に対応す
    る分布パターンとを前記分布パターン記憶部から読み出
    し、当該制御変数の値変更開始時点で入端にあった前記
    制御対象の一部分が出端に到達するまでの過渡期間中は
    前記過渡期間の分布パターンに従って前記操作端それぞ
    れの操作量を設定し、過渡期間終了後は前記制御変数の
    変更後の値に対応する基本分布パターンに従って前記操
    作端それぞれの操作量を設定する分布制御部とを備えて
    成る分布制御装置。
  3. 【請求項3】 前記各操作端が前記制御対象になす仕事
    エネルギの総和を求める仕事エネルギ加算部と、 前記分布パターン記憶部に記憶される基本分布パターン
    に対して各操作端ごとの操作量を揺らし、前記仕事エネ
    ルギ加算部が求める仕事エネルギが最小になる操作量の
    分布パターンを決定する最適パターン演算処理部とを備
    えて成る請求項1または2記載の分布制御装置。
JP24772795A 1995-09-26 1995-09-26 分布制御装置 Pending JPH0991002A (ja)

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