JPH0989759A - 光導波路センサ及び測定方法 - Google Patents

光導波路センサ及び測定方法

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JPH0989759A
JPH0989759A JP27185995A JP27185995A JPH0989759A JP H0989759 A JPH0989759 A JP H0989759A JP 27185995 A JP27185995 A JP 27185995A JP 27185995 A JP27185995 A JP 27185995A JP H0989759 A JPH0989759 A JP H0989759A
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JP
Japan
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optical waveguide
waveguide
light
guided light
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JP27185995A
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English (en)
Inventor
Chiaki Igarashi
千秋 五十嵐
Kiminori Ito
公紀 伊藤
Giyoumin Chin
暁民 陳
Masayuki Murabayashi
眞行 村林
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動部なしで屈折率の高感度測定が行える光
導波路センサを提供する。 【解決手段】 基板11と、基板11の表面に形成し
た高屈折率の薄膜材料で形成した光導波路12と、光導
波路12表面上に形成した導波光損失の手段13とを備
えた。又、基板11と、基板11の表面に形成した第1
の導波路12と、導波路上に形成した高屈折率の薄膜材
料で形成した第2の導波路12Aとを備えた。更に又、
前記第2の導波路12A上に更に他の薄膜コート層15
を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種のモニタリング
あるいは各種プロセスの制御に利用するために、気体あ
るいは液体の屈折率変化を光導波路を用いて光学的に測
定する光導波路センサ及びそのセンサを用いた各種物理
量の測定方法に関する。
【0002】屈折率は、各種アルコール発酵プロセスの
工程管理や、HPLC(High Performance Liquid Chro
matgraphy)などの分析機器の検出手段として用いられ
ている物理量である。その測定手段としては、従来から
プリズムを用いて試料媒体中の光の屈折角度を直接測定
するアッベ屈折計等が知られている。これらの測定方法
は、光学式であるが、装置が大型になり、高精度測定に
は慎重な操作を要求される。従って、屈折率を測定する
ことによって、測定対象試料の普遍的な物理量を入手で
きるとしても、物理化学量測定のモニタ等には普及して
いないのが現状であり、簡易かつ高精度な測定手段の開
発が望まれている。
【0003】屈折率は光学的物理化学量の一つであるか
ら、測定も光学式がよい。光による測定の特徴には次の
ようなものがあげられる。(1)電磁気ノイズに強い、
(2)爆発性の雰囲気中でも安全に使える、(3)精密
な測定が可能である、(4)今後更に発展するであろう
光ファイバ通信システムとのマッチングが良い、また、
(5)光導波路をベースとした光集積回路を用いると、
装置がコンパクト化でき、高感度化の可能性もある。
【0004】
【従来の技術】光を用いる物理化学量の測定において
は、主として試料の光透過性や屈折率の変化を測定し
て、被測定物質の定量や定性分析を行う。この原理は、
例えば、ガスと反応して色が変化する色素を含んだ試験
セルを用いる分析において、通常の測定では、この試料
にモニタ光を当て、透過あるいは反射した光を観測す
る。この測定で感度を大きくするには、試料を十分に厚
くして、光学密度を大きくする必要がある。しかし、厚
い試料では、内部のガス分子の拡散に時間がかかり、応
答が悪くなる。また、全体のセンシングシステムはかな
り大掛かりなものとならざるを得ない。
【0005】例えば、タンパク質の濃度測定等の色素に
よる吸光等の手段が用い難い場合に、有効な光学的測定
手段は屈折率の測定である。被測定物質の屈折率や屈折
率の変化を測定するには、試料媒体中の透過光の屈折角
の変化を測定するのが通常であり、感度を大きくするた
めには光路長を大きくする必要がある。従って、光学部
品の取付け精度や強度などの点で限界がある。導波路に
接して設けた回折格子あるいはプリズムから導入あるい
は導出される光のカップリング角が、導波路に接するク
ラッド部の屈折率に依存することを利用して、カップリ
ング角度の変化を測定する、または入射角一定の条件下
で導波光強度の変化を検出するという方法である。この
方法では、光導波路の性質を使ってはいるものの、モニ
タに使用する光は導波路外部から導入し、あるいは外部
へ導出することが本質的に必要である。特に、カップリ
ング角変化を測定する時は、通常の光測定以上に精密な
可動部と、その機械的安定性が必要である。また、入射
角一定で導波光強度を測定する時にも、クラッドの屈折
率変化によってカップリング条件が変わるので、入射角
の変化に対する導波光強度安定性が極めて悪くなる。通
常の導波路測定では、入射角はカップリング条件が最適
になるように決める。つまり、入射角をθ1aとし、導波
光強度をIOWG とすると、カップリング最適条件では、
ΔIOWG /Δθ1a=0である。これに対して、カップリ
ング条件からはずれていれば、ΔIOWG /Δθ1a≠0と
なるので、入射角度が少しずれても、導波光強度に与え
る影響は大きい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】被測定物質の屈折率或
いは屈折率変化を測定することは、被測定物質のセンシ
ングに適当な色素がない場合等のセンシング手段として
適している。また、化学的分析手段として、機械的に安
定な屈折率測定あるいは示差屈折率測定は重要であり、
光導波路を用いた適当な屈折率測定法実現が期待されて
いる。
【0007】本発明は、前述のような従来技術の欠点を
改良するために為されたもので、可動部なしで屈折率の
高感度測定が行える光導波路センサを提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光導波路センサ
は、表面に意図的に減衰要因を設けた高屈折率薄膜導波
路における光減衰現象、あるいは導波路上に屈折率の高
い薄膜層を設けた複合導波路における導波光遷移現象と
薄膜中での光減衰現象を利用して、試料の屈折率あるい
は屈折率変化を高感度に検出する。
【0009】即ち、本発明の第1の態様の光導波路セン
サは、基板と、該基板の表面に形成した高屈折率の薄膜
材料で形成した光導波路と、該光導波路表面上に形成し
た導波光損失の手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】又、前記導波光損失の手段は、前記光導波
路表面上に形成した凹凸であることを特徴とする。
【0011】又、前記導波光損失の手段は、前記導波路
表面上に形成した分子の吸着層であることを特徴とす
る。
【0012】本発明の第2の態様の光導波路センサは、
基板と、該基板の表面に形成した第1の導波路と、該導
波路上に形成した高屈折率の薄膜材料で形成した第2の
導波路とを備えたことを特徴とする。
【0013】本発明の第3の態様の光導波路センサは、
前記第2の導波路上に更に他の薄膜コート層を備えたこ
とを特徴とする。
【0014】本発明の湿度の測定方法は、前記薄膜コー
ト層が空気中の湿気を吸収して屈折率が変化することに
より、空気中の湿度を測定することを特徴とする。
【0015】本発明のpHの測定方法は、前記第2の光
導波路がpHの異なる溶液に接する場合、該溶液のpH
により第2の導波路表面に接する試料の屈折率が変化す
ることにより、水溶液のpHを検出することを特徴とす
る。
【0016】本発明の屈折率の測定方法は、前記光導波
路センサの光導波路が、屈折率の異なる溶液に接する場
合、前記導波光が遷移現象を起こし、高感度で屈折率を
測定することを特徴とする。
【0017】本発明の物理化学量の測定方法は、前記光
導波路センサの導波路表面における試料の屈折率変化、
光導波路の透過光量の変化として取り出すことによっ
て、試料の屈折率或いは屈折率と相関のある物理化学量
を測定することを特徴とする。
【0018】本発明の物理化学量の測定方法は、前記光
導波路センサの導波光が、該光導波路の表面に設けられ
た、より高屈折率の第2の導波路又は表面の導波光損失
の手段により遷移現象を生じ、光減衰現象を生起させ
て、導波光損失量を大幅に変化させるものであることを
特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、発明
の実施の形態及び具体的な実施例を説明する。
【0020】図1は、本発明の光導波路センサの構造を
示す。例えば、シリカ系のガラス基板11に、光屈折率
の薄膜材料で形成した光導波路12を備える。高屈折率
の薄膜材料で形成した部分12は、その上面に試料とな
る液体又は気体と接し、基板11とサンドイッチ状に挟
まれて、光導波路12となる。この光導波路12は、例
えば酸化チタン(TiO2)等の透明な金属酸化膜薄膜であ
っても、又、シリカ系のガラス表面をカリウム系(K)
化合物に置換したものであっても良い。そして、光導波
路12の表面上に光導波路中を伝播する導波光の減衰の
要因13を備えている。この要因13は、図1(B)に
示すような、光導波路12の表面上に設けられた微細な
凹凸13Aであってもよく、又(C)に示すような吸収
或いは散乱性の分子層13Bであっても良い。
【0021】導波光損失の手段は、透過光量の絶対値が
適当な値になり、屈折率による透過光量の低下が顕著に
なるようなレベルに、導波光損失を調整する。この手段
としては以下のような態様がある。 (1)表面に凹凸を形成する。適当な大きさ(10〜数
10オングストローム)が必要である。導波路厚さ(数
ミクロン)に対して大きすぎてはいけない。また、導波
路を作成するときに、できてしまう場合もあり、積極的
に作成することもできる。例えば、スパッタリング法で
導波路12を作成するとき、その操作条件(ガス圧、ガ
ス流量、基板温度…)で表面の凹凸は、変化する。フラ
ットな表面を作れる条件で、導波路を作成し(光透過性
の良い導波路となる)、最後の表面のみ条件を変えて意
識的に作成すると良い。また、適当な表面の凹凸をもつ
板の転写による作成や、チタニアなどのゾルゲル法によ
る光導波路成分の生成でも作成できる。
【0022】(2)コロイドの吸着層を形成する。コロ
イド次元の大きさ(数10〜数千オングトローム)を持
つ、有機ポリマ(例えばメタクリル樹脂、ポリスチレン
等)あるいは無機ポリマ(シリカ、チタニア…)の物理
的もしくは化学的な吸着による、光の減衰手段を設け
る。 (3)タンパク質層を形成する。有機コロイドの範囲に
はいるが、タンパク質等の無色物質の吸着による光の散
乱による光の減衰手段を設ける。 (4)色素層を形成する。有色物質の吸着等による光の
吸収にともなう光の減衰手段を設ける。これらの手段が
過度になると、透過光量の絶対値が低下し計測不能とな
る。また、過小となると、透過光量は多いものの屈折率
による変化量が少なく、変化を計測することができな
い。適当なレベルがあるが、実験的に決定するしか無
い。
【0023】図1のように、光導波路の表面に凹凸ある
いは光吸収性もしくは光散乱性の分子が存在するとす
る。このとき、導波路12に垂直方向から測定した光損
失を基準とした導波光損失、すなわち相対感度Srelは、
図2のように試料側の屈折率に依存する。光導波路が屈
折率の高い材料で作った薄膜、特にシングルモード導波
路では、この屈折率依存性が大きい。従って、導波光の
減衰を測定すれば、クラッド層である試料液体又は気体
の屈折率あるいは、屈折率の変化が測定できる。
【0024】測定の感度は次のように評価きる。図2の
ような相対感度Srelの屈折率依存性があるとき、導波
光の屈折率依存性は図3のようになる。この曲線の勾配
が最大になる屈折率付近で、光強度変化を1%の精度で
測定できるとすれば、屈折率変化は10-4 オーダまで
測定できる。また、光強度変化が0.1%まで測定でき
れば、屈折率変化は10-5 オーダまで測定できる。こ
の値はプリズムを用いた精密な屈折率測定装置と同一精
度である。安定化レーザーを用いる、あるいは参照光と
の比を採る測定によれば、更に小さな屈折率変化を測定
することが可能である。
【0025】図1に示した高屈折率材料でできた光導波
路の導波光損失は、しばしば表面の導波光損失の要因に
よって決まってしまう。従って、1cm以上の光路長を取
ると導波光の減衰が極めて大きくなってしまうことが起
こり得る。また、図1に示すような一層の導波路では、
試料流体を入れる容器を取り付けることによって、導波
光に影響が出やすい。
【0026】図4は、本発明の第2の態様の光導波路セ
ンサを示す。図4に示すように、導波路12の表面に第
2の導波路12Aを設けた導波路系を作る。このとき、
導波路12は基板11との屈折率差Δnが小さく、従っ
て導波路の厚みが厚い(数μm程度)。第2の導波路1
2Aは屈折率の大きな材料、例えばTiO2 の薄膜であ
る。導波路12Aの両端には、ゆるやかなスロープを設
け、適当な条件下で断熱遷移によって第1の導波路12
から第2の導波路12Aに、またその逆に導波光が遷移
するようにする。
【0027】第1の導波路12における導波光損失の屈
折率依存性は小さく、第2の導波路12Aでは大きい。
従って、モニタ光の導入と導出、そして試料流体用容器
の取付けは全体を格納するように取付ける他、導波路1
2A部分を除けば導波路12の部分にも行うことができ
る。導波路12Aの部分では、導波路中を伝播する光の
減衰が起こり、試料流体の屈折率依存性が大きくなる。
【0028】この導波路系では、試料の屈折率変化によ
って、導波路12Aでの導波光損失だけでなく、導波路
12から導波路12Aへの導波光移行の確率の変化も起
こる。この様子を図5に示した。ルートでは、導波路
12Aへの導波光移行は起こっておらず、導波光は導波
路12のみを通っている。ルートでは、導波路12A
へ導波光が移行し、従って、導波光の損失は急激に増
す。これを観測することによって、試料の屈折率変化が
測定できる。導波路12Aでの減衰が大きいときには、
導波路12Aに導波光が移行すると導波光が消失するの
で、クラッドの屈折率の変化による導波光のスイッチン
グが可能になる。ルートでは、導波路12A中を導波
光が通り、導波路12中の導波光は、完全に導波路12
側に遷移していることを示している。
【0029】図6は、本発明の第3の態様の光導波路セ
ンサを示す。図4の導波路系を用いて試料の屈折率ある
いは屈折率変化が測定できるので、図6のように第2の
導波路12Aを適当な薄膜で覆えば、この薄膜中で起こ
る試料の屈折率変化を測定できる。この屈折率変化が、
この薄膜に接する試料流体(気体あるいは液体)から薄
膜に浸入する分子、あるいは薄膜と反応する分子によっ
て起こるときには、接触する試料流体中の浸入した分子
の流体中における濃度が測定できる。図6の薄膜15
は、単分子層程度に薄くてもよいし、数μm程度の比較
的厚いものであっても良い。また、この場合、測定でき
るのは薄膜15の屈折率変化自体ではなく、導波路12
A表面数百nmの範囲の媒体の平均屈折率であるので、
薄膜15自体の屈折率が変化しても良いし、薄膜15の
厚さが変わってもよい。
【0030】
【実施例】
[第1実施例]図4において、符号11は屈折率1.51
のガラス基板である。符号12は熱イオン交換によって
作製したカリウム(K+)イオン置換導波路で、表面屈
折率は1.518で、その厚さは2μmでシングルモー
ドである。本センサを作製するためには、必ずしもシン
グルモードである必要はないが、モード数が多いと、導
波光に無駄が生じやすい。符号12Aはシャドーマスク
スパッタリングによって作製したTiO2 薄膜である。
その屈折率は2.31、厚さは195オングストロー
ム、幅は4mmである。
【0031】図7は、上述した構造の光導波路センサを
用いた測定系の概略を示す。光の導入と導出は導波路1
2の両端に置いたプリズム(屈折率1.75)によって
行った。モニタ光はHe−Neレーザ源20によるもの
であり、導波光強度のモニタは、光電子増倍管21で行
った。レーザ源20から出射されたモニタ光はミラー2
3で反射し、プリズム25に入射する。プリズム25に
入射した光は、ベース27に平行な光線となり、光導波
路12に入射し、光導波路12中を伝播し、途中で導波
光損失の要因13により、試料の屈折率の影響を受けて
減衰した導波光はプリズム26及びミラー24を介して
光増倍管21に入る。光増倍管21に入射したモニタ光
の光量は、図示しない記録計により記録される。試料溶
液溜14には、入口14A及び出口14Bを備え、種々
の試料要因又は試料気体が溜められるようになってい
る。ベース12及びこれに固定された試料溶液溜14及
びプリズム25,26は、ターンテーブル22上に固定
され、レーザ源20及び光電子増倍管21への光路を調
整できるようになっている。
【0032】符号14の試料溶液溜には、色々な屈折率
を持つ液体試料を入れた。例えば、水とグリセリンの混
合比を変えて、1.33〜1.47までの任意の屈折率
を持つ液体を作った。これらの液体の屈折率nと導波光
強度IOWG の関係を図8に示す。この実験では、光強度
変化が、減衰がないときのIOWG の0.1%まで正確に
測定できたので、n=1.45付近での屈折率測定感度
は10-5である。
【0033】ここで与えられた導波光減衰の要因は、作
製したTiO2 薄膜の表面の凹凸であると考えられる。
前述の相対感度(光を導波路表面に垂直方向から入射し
たときに観測される損失〔基準損失〕が基準)が約10
4 であることと、導波光損失が約10dB/cmであったこ
とから計算した基準損失の値は10-5dBとなり、吸光度
になおすと10-4である。これら基準損失の実際の測定
は極めて困難である。また、スパッタ条件を変えること
によりこれらの値は変えられる。さらに基準損失が10
-4になると損失が小さくなりすぎてIOWG が小さくな
る。この際には凸凹がなさすぎるので、分子吸着で損失
を与えればよい。
【0034】[第2実施例]図9に示すように、光ファイ
バを使って導波光の導入・導出を行い、実施例1と同様
な実験を行った。同様な結果が得られ、測定装置の簡素
化が達成された。
【0035】[第3実施例]第1実施例の光導波路センサ
(図4に示す構造)におけるTiO2 薄膜12Aの代わ
りに、Nb25 、Ta25 、およびZnOの薄膜を用
いて、同様な実験を行い、それぞれの薄膜の屈折率nに
対する透過光量IOWG の結果が得られた。
【0036】[第4実施例]図6に示す光導波路センサで
あるTiO2 薄膜12Aの上に、屈折率1.45のポリ
ビニルアルコールの薄膜(厚さ0.2μm)15をコー
トした光導波路センサを用いて図7に示す装置で実験を
行った。この薄膜15に湿度の異なる種々の空気試料を
接触させたところ、図10に示す結果が得られた。ポリ
ビニルアルコールの膜15が水蒸気を吸収して屈折率が
下がり、損失が減少したのである。これにより、空気中
の湿度が測定できた。
【0037】[第5実施例]図4に示す構造の光導波路セ
ンサのTiO2 薄膜12Aに、pHの異なる水溶液試料
を接触させた。図11に示すように、透過光量IOWG
溶液のpHによって変化した。これはH+イオンが薄膜
12Aの表面に吸着し、H+イオンは分極しないものの
水(H2 O)の分極を促進させ、屈折率変化を生じさせ
たものと思われる。H+ 濃度が高い方が屈折率は小さく
なり、透過光量IOWG が大きくなる。これによって、溶
液のpHが測定できた。
【0038】[第6実施例]図4に示す構造の光導波路セ
ンサのTiO2 薄膜表面に、約1/100単分子層相当
のクロロフィル分子を吸着させた。この吸着分子による
吸光度は、633nm光の垂直入射に対して10-3であ
る。従って、クラッド層屈折率が低く、導波路12Aに
対してカットオフ状態になっているときは、導波光が導
波路12(相対感度は約20/cm)にあり、導波光の損
失は1%以下である。これに対して、クラッド層(試料
側)屈折率が高く、導波光が導波路12Aに入って導波
状態となると、相対感度は2×103以上であるから、
導波光損失は99%となり、ほとんど光が伝達されなく
なる。このように、本発明によって、導波光の移行現象
を用いたデジタル的な屈折率センシングが可能となっ
た。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、簡
単な構造の光導波路センサを用いて試料屈折率の高精度
なモニタリングが可能となり、各種環境計測や生産プロ
セスの制御・管理が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様の光導波路センサの説明
図。
【図2】図1に示したセンサの試料側屈折率ηcと相対
感度Srelとの関係を示す線図。
【図3】図1に示したセンサの試料側屈折率ηcと透過
光量IOWG との関係を示す線図。
【図4】本発明の第2の態様の光導波路センサの説明
図。
【図5】図4に示すセンサの光遷移現象の説明図であ
り、(A)は導波光遷移の状態を示し、(B)は試料側
屈折率と透過光量との関係を示す。
【図6】本発明の第3の態様の光導波路センサの説明
図。
【図7】上記各態様のの光導波路センサを用いて、試料
の物理化学量を測定する測定系全体の説明図。
【図8】第1実施例における実験結果の試料の屈折率η
cと透過光量IOWG との関係を示す線図。
【図9】本発明の第2実施例の光ファイバを用いた光導
波路センサの説明図。
【図10】本発明の第4実施例における、空気中の湿度
の変化による透過光量IOWG の関係を示す線図。
【図11】本発明の第5実施例のpH透過光量IOWG
の関係を示す線図。
【符号の説明】
11 基板 12 第1の光導波路 12A 第2の光導波路 13 導波光損失の要因 14 試料溶液溜 15 薄膜コート層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板の表面に形成した高屈折
    率の薄膜材料で形成した光導波路と、該光導波路表面上
    に形成した導波光損失の手段とを備えたことを特徴とす
    る光導波路センサ。
  2. 【請求項2】 基板と、該基板の表面に形成した第1の
    導波路と、該導波路上に形成した第1の導波路より高屈
    折率の薄膜材料で形成した導波光損失の手段をもつ第2
    の導波路とを備えて、導波光の遷移を生じせしめること
    を特徴とする光導波路センサ。
  3. 【請求項3】 前記導波光損失の手段は、前記導波路表
    面上に形成した分子の吸着層であることを特徴とする請
    求項1又は2記載の光導波路センサ。
  4. 【請求項4】 前記導波光損失の手段は、前記光導波路
    表面上に形成した凹凸であることを特徴とする請求項1
    又は2記載の光導波路センサ。
  5. 【請求項5】 前記第2の導波路上に更に他の薄膜コー
    ト層を備えたことを特徴とする請求項2記載の光導波路
    センサ。
  6. 【請求項6】 前記薄膜コート層が空気中の湿気を収
    着、吸着もしくは吸収して屈折率が変化することによ
    り、空気中の湿度を測定したことを特徴とする請求項5
    記載の光導波路センサを用いた湿度の測定方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の光導波路が接する溶液のpH
    により、該溶液の屈折率が変化することにより、溶液の
    pHを測定したことを特徴とする請求項4記載の光導波
    路センサを用いたpHの測定方法。
  8. 【請求項8】 前記請求項1乃至5のいずれか一項に記
    載の光導波路センサの光導波路が、溶液に接し、該溶液
    の屈折率に対応して前記導波光が遷移現象を起こすこと
    により、高感度で屈折率を測定することを特徴とする屈
    折率の測定方法。
  9. 【請求項9】 前記請求項1乃至5のいずれか一項に記
    載の光導波路センサの導波路表面における試料の屈折率
    変化を、導波光損失量の変化として取り出すことによっ
    て、試料の屈折率或いは屈折率と相関のある物理化学量
    を測定することを特徴とする物理化学量の測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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