JPH09329544A - 光学式化学センサ及びそれを用いる検出方法 - Google Patents

光学式化学センサ及びそれを用いる検出方法

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JPH09329544A
JPH09329544A JP9046535A JP4653597A JPH09329544A JP H09329544 A JPH09329544 A JP H09329544A JP 9046535 A JP9046535 A JP 9046535A JP 4653597 A JP4653597 A JP 4653597A JP H09329544 A JPH09329544 A JP H09329544A
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Peter Moore Christopher
ペーター ムーア クリストファー
Jean Christophe Robert
ロベール ジャン−クリストフ
George Blue Robert
ジョージ ブルー ロバート
Stewart George
ステュワート ジョージ
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Eastman Kodak Co
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/75Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated
    • G01N21/77Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator
    • G01N21/78Systems in which material is subjected to a chemical reaction, the progress or the result of the reaction being investigated by observing the effect on a chemical indicator producing a change of colour
    • G01N21/80Indicating pH value

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高pH環境における既知の光学式化学センサ
の低安定性の問題を克服した光学式化学センサを提供す
る。 【解決手段】 光透過性基体、及び当該基体上のバイン
ダーにおける環境感受性化合物の被膜を有する光導波路
を含んでなる光学式化学センサであって、前記バインダ
ーがZr/Siゾル−ゲルガラスであることを特徴とす
る光学式化学センサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高pH環境で用い
るのに適した光学式化学センサに関し、特に、光透過性
基体及び環境感受性化合物(例えば、基体上のバインダ
ー中の化学感受性色素)の被膜を有する光導波路を含ん
でなる光学式化学センサに関する。
【0002】
【従来の技術】化学的に感受性を有する色素を用いて、
周囲媒体中の化学種の濃度を検出する光学式化学センサ
が長年に亘って知られている。例えば、pHインジケー
タ色素を光ファイバーに取り付けて、pHの変化を色素
による変調後の光の分光強度の変化として示すように、
ファイバーに沿って伝送される光で応答指令信号を送
る。文献中には、光学式化学的検出技法に関する広く概
括した論文がいくつか見られる。例えば、Wolfbeis O
S; "Analytical chemistry with optical sensors",Fre
senius Z. Analytical Chemistry, 1986, 325, 387-392
頁:Sietz W R; "Chemical sensors based on immobili
zed indicators and fibre optics", CRC Reviews in A
nalytical Chemistry, 19, 2号, 1988, 135-173 頁:No
rris J O W;" Current status and prospects for the
use fo optical fibres in chemicalanalysis", Analys
t, 114, 1989年11月, 1359-1372 頁、がある。
【0003】この分野での活動の大部分は、不良環境で
ない場合での化学検出を目的としてきた。例えば、特定
の目的は、水性でかつ中性pHに近い環境でのバイオセ
ンシングのためにファイバーオプティクス化学センサを
用いることであった。血液pH及び溶存酸素センサが、
超薄ファイバオプティクスプローブ上で固定化色素を用
いて商業化されている。現在まで、例えば、化学製造プ
ロセス及び写真現像溶液において見受けられるより不良
な高pH環境での、光学式化学検出に関する研究はほと
んど発表されていない。
【0004】光ファイバーでは、場の大きさは、コア/
クラッド境界のところで急にはゼロまで降下せず、エネ
ルギーの一部は、界面越えて光学的にまれな媒体に距離
が広がる。透過する場はエバネッセント場と呼ばれ、境
界に対して外向き法線の方向では示数関数的に減衰す
る。エバネッセント場が、界面のところでの値の1/
e、即ち37%までに減衰するエバネッセント場の距離
を侵入度(penetration depth )と呼ぶ。
【0005】ファイバーに沿う連続的なエバネッセント
場の存在は、クラッドにある吸収性色素と相互作用する
と、ファイバーコアを伝わる光を減衰することができる
検出領域としてはたらく。これが、光ファイバーもしく
は他の光導波路形態を用いて説明できる「エバネッセン
ト波検出」の原理である。エバネッセントファイバーオ
プティックpH検出が記載されている。例えば、Zhengf
ang G 等; 1993, Analytical Chemistry, 65, 2335頁に
は、光ファイバーのコアを被覆する導電性ポリマー(ポ
リアミン)に基づくpHセンサの構成が記載されてお
り、また、Attridge J W等, J. Phys. E: Sci. Instru
m., 20, 548頁には、ポリマー色素複合材での屈折率の
変化により、光を第二分岐に結合させてpH変化を測定
する二軸方向性結合器が記載されている。これらのセン
サは両方とも、主にpH6〜8の範囲で使用するための
ものである。
【0006】WO92/15862号には、短い長さの
裸シリカファイバーコアの3cmの端部上に色素フルオ
レセインを含有する無機シリカ系ガラスの薄膜を形成す
るために、ゾル−ゲルの化学作用を用いることが記載さ
れている。アルゴンイオンレーザーで488nmのとこ
ろで色素を励起させると、励起光とは反対方向に伝わる
蛍光を発生する。光電子増倍管で検出した後、このセン
サはpH3.5〜6.5の範囲でのpH対して最も高い
感受性を示す。
【0007】我々の研究によると、公表されている文献
に記載されているように化学的に感受性である色素を固
定するために通常の材料を用いると、光学式化学センサ
は、高pHで安定性に欠ける。色素が固定されている被
覆層は、比較的短期間に攻撃されダメになることが多
い。化学的に感受性である色素を捕まえるために用いる
シリカ系ゾル−ゲル被膜は、保護されていないシリカ光
ファイバーのコア及びクラッドを用いるので、高pHで
劣化する(例えば、Douglas R W 等の、Grass Technolo
gy, 1972, 13, 81頁)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高pH環境
における既知の光学式化学センサの低安定性の問題を克
服する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、光透過性基
体、及び当該基体上のバインダーにおける環境感受性化
合物の被膜を有する光導波路を含んでなる光学式化学セ
ンサであって、前記バインダーがZr/Siゾル−ゲル
ガラスであることを特徴とする光学式化学センサに関す
る。
【0010】また、本発明は、液体を、環境感受性化合
物が当該液体の化学特性もしくは物理特性の変化に感受
性を有する本発明の光学式化学センサと接触させるこ
と、当該センサを通して輻射線を伝送すること、そして
当該環境感受性化合物によって変わるかもしくは発生し
た輻射線を測定することを含んでなる、液体の化学特性
もしくは物理特性の変動を検出する方法も提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】環境感受性を有する化合物は、環
境の変化に応答して化合物の光学特性が変化するよう
な、環境の化学特性もしくは物理特性(例えば、湿度、
温度及び圧力)の変化に感受性であるいずれの化合物で
あってもよい。変化可能な光学特性の例は、波長の関数
としての複合屈折率である。
【0012】環境感受性化合物の例には、ナイルブル
ー、カリクサレン(calixarenes )(例えば、Shinkai
S.等の、Tetrahedron Letters, 33, 89, 1992 )、ルテ
ニウム錯体(例えば、Moore P.等の、JCS Chem. Comm.,
684, 1992)、キノリン類(例えば、Wolfbeis O., Ana
l. Chem., 56, 4, 1984 )及び塩化コバルトが含まれ
る。これらの化合物は、それぞれ、プロトン、カチオ
ン、銅、ハロゲン化物及び湿度に対して光学的応答を与
える。
【0013】好ましくは、環境感受性化合物は、化学感
受性を有する色素である。化学感受性を有する色素は、
その輻射線吸収特性が、当該色素が感受性を有する化学
種との相互作用によって変わるいずれの色素であっても
よい。化学感受性色素は蛍光色素であってもよい。別の
クラスの化学感受性色素の例には、pH感受性色素、カ
チオン感受性色素、アニオン感受性色素及び分子レセプ
ターベアリング色素(molecular receptorbearing dyes
)が含まれる。
【0014】本発明の好ましい態様では、化学感受性色
素はpH感受性色素である。そのような色素の例には、
ナイルブルー、フルオレセイン、オキサジン1及びブロ
モクレゾールグリーンが含まれる。バインダーは、Zr
/Siゾル−ゲルガラスである。低温「ゾル−ゲル」合
成を用いる無機、例えばシリカガラスの調製が知られて
いる。例えば、L. L. Hench 及びJ. K. Westの、Chem.
Rev. 1990, 90, 33-72, 「The Sol-Gel Process 」を参
照されたい。
【0015】ガラス状物質のアモルファスマトリックス
を、適当なモノマー(通常、金属アルコキシド類)の室
温重合で調製することができる。金属アルコキシド混合
物の重合により、1g当たり最大数100平方メートル
までの表面積を有し、小孔(例えば、0.5〜500n
m)を有する透明多孔質固体(キセロゲル)を生じる。
ガラス合成の温度が低いと有機分子(例えば、化学感受
性色素)で無機ガラスをドープすることができる。
【0016】ゾル−ゲルガラスは、添加物が高濃度であ
っても、一つのドーピング分子を個々のかごに分離でき
る、かごのような多孔性分子構造をもつ。ゾル−ゲルガ
ラスに捕らえられた分子は、孔空間中で、隣接する液体
相もしくは気体相において拡散性溶質もしくは成分と反
応することができる。ゾル−ゲルガラス中のSiに対す
るZrのモル%比は、5:95〜55:45であるのが
好ましく、より好ましくは、20:80〜40:60で
ある。
【0017】Zr/Siゾル−ゲルガラスバインダーの
環境感受性化合物の被膜を、導波路基体の長さの少なく
とも一部にそって提供し、この導波路内に伝送される光
のエバネッセント場を利用する。代替もしくは追加の被
膜を導波路の端部に与えてもよい。あるいは、この被膜
は、光が被膜並びに導波路基体を介して伝播するという
ような導波路の光伝送特性を変えることができる。
【0018】Zr/Siゾル−ゲルガラスバインダーの
環境感受性化合物の被膜は、多層被膜となることができ
る。被膜をより厚くすると導波路基体上の被膜内のエバ
ネッセント場の封じ込めを改善するので、感受性が改善
され、光と大部分の溶液との間の望ましくない相互作
用、とりわけ被膜と大部分の溶液との界面で生じる作用
が小さくなる。
【0019】導波路基体は、無機ガラス材料、好ましく
はシリカガラスとなることができる。そのような基体は
一般的に用いられており、容易に入手可能である。Zr
/Siゾル−ゲルは、シリカもしくはより大きな屈折率
のガラスのいずれの導波路基体に対しても良好な接着性
を示す。さらに、この被膜は、センサが液体中に浸漬さ
れている間、その化合物が次第に浸出しないように化合
物を保持するように見える。
【0020】この導波路は任意の形、例えば、平板状、
ファイバー、スラブ、ディスク、プリズム、ストリップ
状、ロッド状もしくはフィルムの形をとることができ
る。好ましい態様では、導波路は光ファイバーである。
平板状導波路の場合では、光透過性基体は、通常、二種
類の隣接する層を含んでなり、一方の層は、他方よりも
屈折率が大きく光をガイドする。バインダー中の環境感
受性化合物は、光をガイドする基体のトップ層として存
在する。
【0021】光ファイバーの場合では、光透過性基体
は、光をガイドし、そしてバインダー中に環境感受性化
合物が塗布されているファイバーである。この光ガイド
サブストレートをコアと呼び、そして被膜をクラッドと
呼ぶ。本発明に従う光学式化学センサを、ゾルを作成す
るために、ジルコニウムアルコキシド、シリコンアルコ
キシド及び環境感受性化合物を水性溶液中で混合するこ
と、前記ゾルで導波路基体を少なくとも一部被覆し、こ
の被膜をゾル−ゲルガラスに変えるために、この少なく
とも一部被覆された導波路基体を硬化すること、によっ
て調製する。
【0022】コーティングプロセスを繰り返して多層被
膜を作成してもよい。Zr(OR)4 の式のジルコニウ
ムアルコキシドを用いることができる。ここで、各R
は、独立して、炭素数1〜10の直鎖もしくは分枝鎖の
アルキル基であるか、又は炭素数1〜10のアリール基
である。好ましいジルコニウムアルコキシドは、ジルコ
ニウムn−プロポキシドである。このアルコキシドは、
20〜40モル%の量で存在するのが好ましい。
【0023】Si(OR)4 の式のシリコンアルコキシ
ドを用いることができる。ここで、各Rは、独立して、
炭素数1〜10の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基であ
るか、又は炭素数1〜10のアリール基である。好まし
いシリコンアルコキシドは、テトラエチルオルトシリケ
ートである。このアルコキシドは、60〜80モル%の
量で存在するのが好ましい。
【0024】アルコキシド混合物のpHは、3未満が好
ましく、0.5〜2がより好ましい。化学感受性色素
は、最終濃度0.01ミリM〜100ミリM、好ましく
は、0.01ミリM〜50ミリMを与える量で存在する
ことができる。また、好ましくは、この混合物は一種以
上の界面活性剤を含有する。
【0025】例えば、浸漬、噴霧、キャスト及びスピン
コート等の適切な技法を用いて、導波路基体を、ゾルで
一部コートすることができる。好ましい態様では、導波
路は光ファイバーであり、このファイバーをゾル浴に浸
漬し、所望する速度でこの浴からコートされたファイバ
ーを引っ張って、ファイバー上に所望する厚みの被膜を
形成する。被覆されるファイバーの表面上のクラッド
は、ゾルを導波路基体に付着させるために、コーティン
グ前に除かれる。
【0026】ゾル−ゲルガラスを作成するのに十分な温
度及び時間、例えば、100℃〜200℃及び8時間〜
48時間、加熱してこの被膜を硬化させるのが好まし
い。液体もしくは気体の化学特性又は物理特性の変化を
検出する方法は、当該液体を、環境感受性化合物が当該
液体の化学特性もしくは物理特性の変化に感受性を有す
る本発明の光学式化学センサと接触させること、当該セ
ンサを通して輻射線を伝送すること、そして当該環境感
受性化合物によって変わるかもしくは発生した輻射線を
測定することを含んでなる。
【0027】例えば、この方法を用いて、ある化学種に
感受性を有する色素を用い、その色素と化学種との相互
作用によって変わるかもしくは発生した輻射線を測定す
ることにより、液体中の化学種を検出する。この方法を
定性的もしくは定量的に行うことができる。化学種の存
在を示すことに加えて、この方法は、液体の特性(例え
ば、pH)も示すことができる。
【0028】光導波路を通って伝送される輻射線は、2
00nm〜5000nm、好ましくは350nm〜15
00nmの範囲の波長を有するものが好ましい。白熱電
球、レーザー、レーザーダイオードもしくは発光ダイオ
ードのような、適切な輻射線源を用いることができる。
環境感受性化合物によって変わるかもしくは発生した輻
射線を、既知の種々の方法で測定することができる。例
えば、光強度を、光電子増倍管、フォトダイオードもし
くは他の固体素子検出器を含む通常の方法で検出するこ
とができる。
【0029】本発明の光学式化学センサは、高pH(例
えば、9より高いpH)の液体での使用に最適である。
具体的な用途では、この光学式化学センサは、pH約
9.5〜12の写真現像液での使用に適している。特に
関心のあるpH範囲は、大部分の写真現像液をカバーす
る10〜11.5である。
【0030】本発明の化学感受性色素は、pH感受性色
素であってもよい。この用途に好ましい色素は、適当な
光感受性範囲を有し、赤の吸収帯を有し、LEDもしく
はレーザーダイオード等の安価な光源の使用が可能なナ
イルブルーである。以下の例に用いたセンサはpH9〜
12の範囲に感受性を示した。ナイルブルーの代わりに
別の色素と置き換えて、目的とする試薬を容易に変更す
ることができる。検出は気体と液体の両方に影響され
る。
【0031】
【実施例】以下の例によって本発明をさらに具体的に説
明する。例1 テトラエチルオルトシリケート(1.4当量、15.9
6ml)、エタノール(26.1当量、76.8ml)
及び水(1当量、0.9ml)の混合物を、クリーンル
ームで、0.5μmフィルターを備えた注射器でジャー
に移した。この混合物をHClを加えてpH1.5まで
酸性にし、10分間攪拌し、そして超音波浴に10分間
入れた。ジルコニウム(IV)n−プロポキシド(0.
6当量、6.72ml、1−プロパノール中70重量%
溶液)を、同様な注射器による移動でゆっくりと加え
た。最後に、十分量のナイルブルー塩酸塩を加えて、溶
液中の最終濃度0.001Mを与え、界面活性剤、TX-1
00(1mL)も加えた。5分間攪拌を続け、この混合物
を超音波浴に少なくとも2時間入れた。このゾルをおお
よそ1週間そのままにした。
【0032】200μm径のコアを有するプラスチック
クラッドシリカファイバーを、完全なクラッドファイバ
ーに沿っておおよそ半分の12cmに亘って剥いだ。ゾ
ルを浴中に濾過していれ、浴に浸漬して、ファイバー部
分をこの浴からコートし、10cm/分の速度で浴から
ファイバーを引上げた。塗布後、このファイバーを素早
くオーブンにいれ、この膜を130℃で24時間加熱処
理した。そして、6層の被膜が塗布されるまでコーティ
ングプロセスを繰り返した。被覆したファイバー部分を
水を満たした容器に入れ、おおよそ1週間、浸漬したま
ま放置した。
【0033】図1は、ゾル−ゲル被膜の色素の吸収特性
をテストするために用いた実験装置を示す。白熱電球1
0由来の白色光は、チョッパーを通り、そしてモノクロ
メータ12を通り、その後光ファイバー13中に発射さ
れる。光ファイバーの被覆部分14(即ち、ファイバー
の化学感受性部分)を、マグネチックスターラー16及
びpHメータ17を備えた水浴15に浸漬した。光源か
ら遠い光ファイバーの端部をチョッパー周波数に関連す
るロックイン検出手段を備えた光電子増倍管18に接続
した。モノクロメータ12を関心のある波長領域に亘っ
て走査しながら、伝送される光強度を光電子増倍管18
を用いてモニタした。浴15中の水のpHを変え、ファ
イバーの感受性部分を取り巻く水のいくつかのpH値に
ついて走査プロセスを繰り返した。対照として被覆され
ていない完全なクラッドファイバーを用いてさらに走査
を行った。
【0034】図2のグラフは、上記のような吸収性検出
技法を用いる、種々のpH溶液での被覆されたファイバ
ーの応答を示す。ナイルブルーを用いた蛍光検出も可能
である。この場合、He:Neレーザーを用いて色素を
励起し、pHが変化するときの蛍光スペクトルを走査す
ることができる。
【0035】ジルコニウムを含有する被膜は、高pHに
対して安定であり、13より高いpHにこれらの材料を
曝しても、3週間後に、ほとんどもしくは全く影響がな
かったのに対し、テトラエチルオルトシリケート製の類
似の被膜は、48時間内に大部分分解した。商業的なセ
ンサでは、全体スペクトルを走査する必要はない。代わ
りに二種類の波長だけを、検出する媒体のpHシフト、
並びにいくつかのメカニズムによる光源もしくは色素損
失のためのドリフトによって起きる二つのモニタ強度変
化に用いることができる。二種類の波長の一方を、測定
する目的の試薬に対する最小感度の波長帯に対応するよ
うに選択する。例えば、図2では、この波長帯は510
nmに集中する。
【0036】例2 Zrを含まない膜と比較したZr/Siゾル−ゲル膜の
アルカリ耐久性を実証するために実験を行った。Zr/
Siゾル−ゲル膜を、例1に示した一般的な予備操作の
後にスライド上に調製した。Zr含有率は0モル%〜7
0モル%の範囲である。
【0037】緩衝溶液を調製し、pHメータで正確なp
Hをチェックした。被覆したスライドのバッチをスライ
ドラックに置き、各スライドの半分を緩衝溶液に縦に浸
漬した。その後、この溶液を密封し、スライドを試験し
た後の一定期間そのままにした。種々のスライドのバッ
チを用いて行った結果は次の通りである。
【0038】バッチ1及び2 スライドを、pH12.65及び12.9の緩衝液に2
4時間浸漬した。高Zr含有率の場合、その膜は無傷で
あった。Zr含有率が30モル%未満の場合、液体に浸
漬していたスライドの範囲に沿ってかすかな沈み込み線
が現れ、このフィルムが僅かに薄くなったことを示し
た。
【0039】バッチ3 Zr0モル%及びZr30モル%を含有する膜をpH1
2.7の緩衝液に4日間浸漬した。Zr0モル%のスラ
イドは明瞭な沈み込み線を有したが、Zr30モル%の
スライドは無傷であった。バッチ4 種々の被膜のスライドをpH13の緩衝液に24時間浸
漬した。Zr10モル%及び20モル%の膜は、0モル
%の膜よりも損傷が少なかった。Zr0モル%の膜は著
しい沈み込み線があったが、Zr30モル%の膜は無傷
であった。
【0040】バッチ5 0%及び50%のZrゾルからコートし、室温で24時
間乾燥したスライドをpH10.66の緩衝液に約7日
間浸漬した。Zr0モル%の膜は完全にスライドから無
くなっていた。Zr50モル%の膜はスライドに残って
いた。バッチ6 0%及び50%のZrゾルからコートし、室温で24時
間乾燥したスライドをpH9.62の緩衝液に約7日間
浸漬した。Zr0モル%の膜は完全にもしくはほとんど
スライドから無くなっていた。Zr50モル%の膜はス
ライドに残っていた。
【0041】バッチ7 0%及び50%のZrゾルからコートし、80℃で24
時間燃焼したスライドをpH9.6の緩衝液に約10日
間浸漬した。Zr0モル%の膜は完全にもしくはほとん
どスライドから無くなっていた。Zr50モル%の膜は
無傷であった。バッチ8 0%及び50%のZrゾルからコートし、80℃で24
時間燃焼したスライドをpH10.16の緩衝液に約1
0日間浸漬した。Zr0モル%の膜は完全にもしくはほ
とんどスライドから無くなっていた。Zr50モル%の
膜は無傷であった。
【0042】バッチ9 0モル%、50モル%及び70モル%のZrゾルからコ
ートし、80℃で24時間燃焼したスライドをpH1
0.66の緩衝液に約10日間浸漬した。Zr0モル%
の膜は完全にもしくはほとんどスライドから無くなって
いた。Zr50モル%及び70モル%の膜は無傷であっ
た。
【0043】本発明の他の好ましい態様を請求項との関
連において、次に記載する。 (態様1)光透過性基体、及び当該基体上のバインダー
における環境感受性化合物の被膜を有する光導波路を含
んでなる光学式化学センサであって、前記バインダーが
Zr/Siゾル−ゲルガラスであることを特徴とする光
学式化学センサ。
【0044】(態様2)前記ゾル−ゲルガラスのZr対
Siのモルパーセンテージ比が5:95〜55:45で
ある態様1に記載のセンサ。 (態様3)前記Zr/Siゾル−ゲルガラスバインダー
の化学感受性色素の被膜を前記導波路基体長さの少なく
とも一部にそって提供する態様1もしくは2に記載のセ
ンサ。
【0045】(態様4)前記Zr/Siゾル−ゲルガラ
スバインダーの化学感受性色素の被膜が多層被膜である
態様1〜3のいずれか一つに記載のセンサ。 (態様5)前記導波路基体が無機ガラス材料からなる態
様1〜4のいずれか一つに記載のセンサ。 (態様6)前記導波路が光ファイバーである態様1〜5
のいずれか一つに記載のセンサ。
【0046】(態様7)前記環境感受性化合物が化学感
受性色素である態様1〜6のいずれか一つに記載のセン
サ。 (態様8)前記化学感受性色素がpH感受性色素である
態様7に記載のセンサ。 (態様9)前記化学感受性色素がナイルブルーである態
様8に記載のセンサ。
【0047】(態様10)液体を、環境感受性化合物が
当該液体の化学特性もしくは物理特性の変化に感受性を
有する態様1〜9のいずれか一つに記載の光学式化学セ
ンサと接触させること、当該センサを通して輻射線を伝
送すること、そして前記環境感受性化合物によって変わ
るかもしくは発生した輻射線を測定することを含んでな
る、前記液体の化学特性もしくは物理特性の変動を検出
する方法。
【0048】(態様11)液体のpH変動を検出する態
様10に記載の方法。 (態様12)前記液体のpHが9より高い態様10もし
くは11に記載の方法。
【0049】
【発明の効果】本発明の光学式化学センサを、例えば、
化学製造プロセス及び写真現像液に見受けられる高pH
環境で用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学式化学センサを用いる装置の概略
図。
【図2】本発明の光学式化学センサを用いて得られた結
果のグラフ。
【符号の説明】
10…白熱電球 12…モノクロメータ 13…光ファイバー 17…pHメータ 18…光電子増倍管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート ジョージ ブルー イギリス国,スコットランド,グラスゴー ジー43 2ワイエル,オードハウス,ビ ューフォート アベニュ 8 (72)発明者 ジョージ ステュワート イギリス国,スコットランド,エアシャー ケーエー4 8エイチアール,ガルスト ン,ワォーラス ストリート 32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性基体、及び当該基体上のバイン
    ダーにおける環境感受性化合物の被膜を有する光導波路
    を含んでなる光学式化学センサであって、前記バインダ
    ーがZr/Siゾル−ゲルガラスであることを特徴とす
    る光学式化学センサ。
  2. 【請求項2】 液体を、環境感受性化合物が当該液体の
    化学特性もしくは物理特性の変化に感受性を有する請求
    項1に記載の光学式化学センサと接触させること、 当該センサを通して輻射線を伝送すること、そして前記
    環境感受性化合物によって変わるかもしくは発生した輻
    射線を測定することを含んでなる、前記液体の化学特性
    もしくは物理特性の変動を検出する方法。
JP9046535A 1996-03-02 1997-02-28 光学式化学センサ及びそれを用いる検出方法 Pending JPH09329544A (ja)

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