JPH0987745A - 軽金属製タペットの熱処理方法 - Google Patents
軽金属製タペットの熱処理方法Info
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- JPH0987745A JPH0987745A JP24421095A JP24421095A JPH0987745A JP H0987745 A JPH0987745 A JP H0987745A JP 24421095 A JP24421095 A JP 24421095A JP 24421095 A JP24421095 A JP 24421095A JP H0987745 A JPH0987745 A JP H0987745A
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- cooling
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 水冷時において、タペットのスカート部内に
空気溜まりの生じるのを防止して、スカート部の真円度
を向上させる。 【解決手段】 タペット1に、JISにおけるT6処理
に基づく熱処理を施すための水冷時において、前記タペ
ットを、そのスカート部2の開口端を上方を向けて冷却
水5に浸漬する。
空気溜まりの生じるのを防止して、スカート部の真円度
を向上させる。 【解決手段】 タペット1に、JISにおけるT6処理
に基づく熱処理を施すための水冷時において、前記タペ
ットを、そのスカート部2の開口端を上方を向けて冷却
水5に浸漬する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばアルミニウ
ム合金により成形されたタペットの熱処理方法に係り、
特に、熱処理時において、スカート部の変形を抑えうる
ようにした軽金属製タペットの熱処理方法に関する。
ム合金により成形されたタペットの熱処理方法に係り、
特に、熱処理時において、スカート部の変形を抑えうる
ようにした軽金属製タペットの熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、内燃機関における直動型の動弁機
構に用いられるタペットを、これまでの鋼製に代えて、
アルミニウム合金により成形し、動弁系を軽量化するこ
とが広く行われている。
構に用いられるタペットを、これまでの鋼製に代えて、
アルミニウム合金により成形し、動弁系を軽量化するこ
とが広く行われている。
【0003】このようなアルミニウム合金製のタペット
は、通常、冷間鍛造、熱処理、機械加工の工程順序で製
造され、熱処理工程においては、従来は次の要領により
行われている。すなわち、アルミニウム合金の熱処理
は、通常、500℃前後で数時間加熱したのち、水冷却
により急冷し、その後、100〜200℃で数時間加熱
するT6処理(JIS)に基づいて行われる。上記水冷却
の際、タペット(1)は、図5に示すように、その円筒形
をなすスカート部(2)の開口端を下方に向けて、冷却水
に浸漬される。
は、通常、冷間鍛造、熱処理、機械加工の工程順序で製
造され、熱処理工程においては、従来は次の要領により
行われている。すなわち、アルミニウム合金の熱処理
は、通常、500℃前後で数時間加熱したのち、水冷却
により急冷し、その後、100〜200℃で数時間加熱
するT6処理(JIS)に基づいて行われる。上記水冷却
の際、タペット(1)は、図5に示すように、その円筒形
をなすスカート部(2)の開口端を下方に向けて、冷却水
に浸漬される。
【0004】これは、前工程である冷間鍛造後における
プレス装置よりのワークの排出が、スカート部(2)を下
向きとして行われ、かつワークをこの姿勢のまま、熱処
理工程に流れ作業的に送り込むことができるようにする
ためである。
プレス装置よりのワークの排出が、スカート部(2)を下
向きとして行われ、かつワークをこの姿勢のまま、熱処
理工程に流れ作業的に送り込むことができるようにする
ためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、軽金
属製のタペット(1)のスカート部(2)の開口端を下向き
として水冷却を施すと、熱ひずみによりスカート部(2)
が変形し、その真円度が悪くなるということがある。こ
の原因を究明したところ、図5に示すように、スカート
部(2)の上部に、比較的高温の空気溜まり(3)が形成さ
れ、この部分に冷却水が行き渡らないために、冷却むら
が生じるためであることが判った。
属製のタペット(1)のスカート部(2)の開口端を下向き
として水冷却を施すと、熱ひずみによりスカート部(2)
が変形し、その真円度が悪くなるということがある。こ
の原因を究明したところ、図5に示すように、スカート
部(2)の上部に、比較的高温の空気溜まり(3)が形成さ
れ、この部分に冷却水が行き渡らないために、冷却むら
が生じるためであることが判った。
【0006】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたもので、スカート部内に空気溜まりが生じるのを防
止することにより、スカート部の真円度を向上させうる
ようにした、軽金属製タペットの熱処理方法を提供する
ことを目的としている。
れたもので、スカート部内に空気溜まりが生じるのを防
止することにより、スカート部の真円度を向上させうる
ようにした、軽金属製タペットの熱処理方法を提供する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、次のようにして解決される。 (1)上面が閉塞された円筒形のスカート部を有する軽金
属製タペットの熱処理方法であって、前記タペットに、
JISにおけるT6処理に基づく熱処理を施すための水
冷時において、前記タペットを、そのスカート部の開口
端を上方に向けて冷却水に浸漬する。
題は、次のようにして解決される。 (1)上面が閉塞された円筒形のスカート部を有する軽金
属製タペットの熱処理方法であって、前記タペットに、
JISにおけるT6処理に基づく熱処理を施すための水
冷時において、前記タペットを、そのスカート部の開口
端を上方に向けて冷却水に浸漬する。
【0008】(2) 上記(1)項において、冷却水の温度
領域を、30〜60℃とする。
領域を、30〜60℃とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を、図面
に基づいて説明する。まず、図1のグラフを参照して、
本発明の熱処理の要領を工程順に説明する。なお、この
熱処理の要領は、JISにおけるT6処理と基本的に同
じである。
に基づいて説明する。まず、図1のグラフを参照して、
本発明の熱処理の要領を工程順に説明する。なお、この
熱処理の要領は、JISにおけるT6処理と基本的に同
じである。
【0010】アルミニウム合金(例えば、Al−Si系、
Al−Cu系)よりなる素材を冷間鍛造して予め成形され
たタペットを、まず加熱炉内においてほぼ490℃まで
加熱し、この状態を約3時間に亘り保持して、溶体化処
理(A)を施す。
Al−Cu系)よりなる素材を冷間鍛造して予め成形され
たタペットを、まず加熱炉内においてほぼ490℃まで
加熱し、この状態を約3時間に亘り保持して、溶体化処
理(A)を施す。
【0011】ついで、水冷却により急冷して、均一化処
理(B)を施す。ついで、ほぼ170℃まで再度加熱し、
この状態を約8時間保持して時効処理(C)を行ったの
ち、空気により自然冷却する。
理(B)を施す。ついで、ほぼ170℃まで再度加熱し、
この状態を約8時間保持して時効処理(C)を行ったの
ち、空気により自然冷却する。
【0012】上記水冷時において、図2に示すように、
タペット(1)を倒立させて、すなわちスカート部(2)の
開口端を上方に向けて、水槽(4)内に貯留した冷却水
(5)に浸漬する。このようにすると、冷却水(5)がスカ
ート部(2)の内部に速やかに流入するため、従来のよう
な空気溜まりが発生することはなく、スカート部(2)全
体が内外より均一に冷却される。その結果、熱ひずみに
よりスカート部(2)が変形するのが防止され、真円度が
向上する。
タペット(1)を倒立させて、すなわちスカート部(2)の
開口端を上方に向けて、水槽(4)内に貯留した冷却水
(5)に浸漬する。このようにすると、冷却水(5)がスカ
ート部(2)の内部に速やかに流入するため、従来のよう
な空気溜まりが発生することはなく、スカート部(2)全
体が内外より均一に冷却される。その結果、熱ひずみに
よりスカート部(2)が変形するのが防止され、真円度が
向上する。
【0013】図3及び図4は、それぞれ冷却水(4)の水
温とスカート部(2)の真円度との関係、及び水温と熱処
理後のタペット(1)の硬度(ロックウェル硬さ試験にお
けるBスケール)との関係を調査したグラフを示す。
温とスカート部(2)の真円度との関係、及び水温と熱処
理後のタペット(1)の硬度(ロックウェル硬さ試験にお
けるBスケール)との関係を調査したグラフを示す。
【0014】図3に示すように、スカート部(2)の真円
度は、水温が50℃付近で最良となっている。硬度は、
図4より明らかなように、水温とほぼ比例関係にあり、
水温が高くなるにしたがって硬度は低下している。
度は、水温が50℃付近で最良となっている。硬度は、
図4より明らかなように、水温とほぼ比例関係にあり、
水温が高くなるにしたがって硬度は低下している。
【0015】本願の発明者は、上記真円度と硬度とを両
立させるべく、水温の好ましい温度領域を設定した。す
なわち、スカート部(2)の真円度の上限値は、熱処理後
の機械加工による修正可能代を考慮すると、ほぼ40μ
m以下とする必要があり(図3参照)、従って水温は30
℃以上とするのが好ましい。一方、タペット(1)に要求
される硬度は、HRB80以上とされていることから、
水温はほぼ60℃以下とする必要がある。
立させるべく、水温の好ましい温度領域を設定した。す
なわち、スカート部(2)の真円度の上限値は、熱処理後
の機械加工による修正可能代を考慮すると、ほぼ40μ
m以下とする必要があり(図3参照)、従って水温は30
℃以上とするのが好ましい。一方、タペット(1)に要求
される硬度は、HRB80以上とされていることから、
水温はほぼ60℃以下とする必要がある。
【0016】以上のことから、水温の好ましい温度領域
は、30〜60℃の範囲であり、このようにすると、真
円度及び硬度は、ハッチングで示す好ましい範囲内に収
まることが確かめられた。また、最も好ましい温度領域
は、網目ハッチングで示すように、真円度及び硬度が共
に優れる45±2℃である。
は、30〜60℃の範囲であり、このようにすると、真
円度及び硬度は、ハッチングで示す好ましい範囲内に収
まることが確かめられた。また、最も好ましい温度領域
は、網目ハッチングで示すように、真円度及び硬度が共
に優れる45±2℃である。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、スカート部の開口端を
上方に向けて水冷をするので、スカート部内に空気溜ま
りが生じる恐れはなく、従って、スカート部は均一に冷
却され、真円度は大幅に向上する。
上方に向けて水冷をするので、スカート部内に空気溜ま
りが生じる恐れはなく、従って、スカート部は均一に冷
却され、真円度は大幅に向上する。
【0018】請求項2のようにすると、スカート部の真
円度及びタペット全体の硬度を、許容範囲内に収めるこ
とができる。
円度及びタペット全体の硬度を、許容範囲内に収めるこ
とができる。
【図1】本発明に適用されるT6処理を工程順に示す説
明図である。
明図である。
【図2】同じく水冷時におけるタペットの冷却水への浸
漬要領を示す中央縦断正面図である。
漬要領を示す中央縦断正面図である。
【図3】冷却水の水温とスカート部の真円度との関係を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図4】同じく水温とタペットの硬度との関係を示す説
明図である。
明図である。
【図5】従来のタペットの冷却水への浸漬要領を示す説
明図である。
明図である。
(1)タペット (2)スカート部 (3)空気溜まり (4)水槽 (5)冷却水
Claims (2)
- 【請求項1】 上面が閉塞された円筒形のスカート部を
有する軽金属製タペットの熱処理方法であって、 前記タペットに、JISにおけるT6処理に基づく熱処
理を施すための水冷時において、前記タペットを、その
スカート部の開口端を上方に向けて冷却水に浸漬するこ
とを特徴とする軽金属製タペットの熱処理方法。 - 【請求項2】 冷却水の温度領域を、30〜60℃とす
ることを特徴とする請求項1記載の軽金属製タペットの
熱処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24421095A JPH0987745A (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 軽金属製タペットの熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24421095A JPH0987745A (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 軽金属製タペットの熱処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0987745A true JPH0987745A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17115401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24421095A Pending JPH0987745A (ja) | 1995-09-22 | 1995-09-22 | 軽金属製タペットの熱処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0987745A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104152658A (zh) * | 2014-07-16 | 2014-11-19 | 江苏昆仲机械有限公司 | 冷成形封头热处理方法 |
-
1995
- 1995-09-22 JP JP24421095A patent/JPH0987745A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104152658A (zh) * | 2014-07-16 | 2014-11-19 | 江苏昆仲机械有限公司 | 冷成形封头热处理方法 |
CN104152658B (zh) * | 2014-07-16 | 2016-08-24 | 江苏昆仲机械有限公司 | 冷成形封头热处理方法 |
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