JPH0987049A - セラミックス基繊維複合材料の製造方法 - Google Patents

セラミックス基繊維複合材料の製造方法

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JPH0987049A
JPH0987049A JP7247973A JP24797395A JPH0987049A JP H0987049 A JPH0987049 A JP H0987049A JP 7247973 A JP7247973 A JP 7247973A JP 24797395 A JP24797395 A JP 24797395A JP H0987049 A JPH0987049 A JP H0987049A
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ceramic
matrix
preform
fiber bundle
reaction sintering
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JP7247973A
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Inventor
Akiko Suyama
章子 須山
Tsuneji Kameda
常治 亀田
Yoshinori Hayakawa
義則 早川
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミックス長繊維の繊維束内部まで均質にマ
トリックスを形成させる。これにより耐熱性、耐酸化性
等の耐環境性に優れ、かつ初期破壊強度および破壊エネ
ルギー等の機械的特性にも優れた製品を製造する。 【解決手段】細径なセラミックス長繊維でプリフォーム
を形成し、このプリフォームにマトリックス原料を含浸
させ、反応焼結によってセラミックスマトリックスを形
成させる。セラミックス長繊維をヤーン(繊維束)にす
るために用いるサイジング剤とプリフォームを保形する
ために用いる保形剤に、焼成によりセラミックスとなる
有機ポリマーと液状の出発原料を選択的に、または混合
して適用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合繊維として細
径なセラミックス長繊維の繊維束(ヤーン)を用いると
ともに、反応焼結によって生成するセラミックスマトリ
ックスを繊維束の内部までに亘って緻密に形成させるセ
ラミックス基繊維複合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、セラミックスマトリックス中にセ
ラミックス繊維を複合させたセラミックス基繊維複合材
料(CMC)が開発され、特に繊維として長繊維を用い
た場合には短繊維を用いた場合に比較して破壊靭性が大
きく増大するとともに、破壊エネルギーの向上、損傷許
容性の向上等が図られることから、大型,複雑形状構造
部品への応用あるいは高温構造部品への適用等への期待
が高まっている。
【0003】このようなセラミックス基繊維複合材料を
構成するためのセラミックス長繊維は通常、数百本から
数万本の単位で撚りをかけずに束ねた繊維束の状態をサ
イジング剤によって保持している。
【0004】そして、製造すべき複合材料の形状に対応
して、予め繊維束を一方向に揃えてシート状に固定した
プリプレグの状態にしたり、2次元または3次元に製織
して2次元織物(クロス)、3次元織物の状態にした
り、これらを積層したり、組み合わせてプリフォームを
形成し、このプリフォームの形状を保形剤によって保持
している。
【0005】セラミックス基繊維複合材料の製造に際し
ては、繊維束を保持するサイジング剤およびプリフォー
ム形状を保持する保形剤を除去処理した後、そのプリフ
ォームの繊維間にマトリックスを含浸させるようにして
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したサイジング剤
や保形剤は、セラミックスマトリックスの形成前に簡便
な方法で完全に除去することを前提としている。このこ
とから従来ではサイジング剤や保形剤にポリビニルある
いはポリエチレン等を適用し、例えば400℃前後の熱
処理を施したり、または水もしくは湯等への浸漬等によ
って除去するようにしている。
【0007】ところが実際には、サイジング剤や保形剤
が除去しきれず、プリフォームの繊維束の内部に残渣と
して残存し易い。この状態でマトリックス材料をプリフ
ォームに含浸させた場合には、繊維束の内部およびその
近傍へのマトリックスの形成が阻害される。そのため、
その部分が欠陥となり強度が低下し、もしくは繊維との
界面が形成されず繊維の引き抜き時の界面強度が低くな
り靭性が低下する。
【0008】特にプリフォームを2次元または3次元の
織物とする場合には、製織が容易な直径が10μm前後
(3〜20μm)の細径なセラミックス繊維を多数束ね
た繊維束が適用されるが、この繊維束の繊維間隔は小さ
いため、前記の繊維束の内部およびその近傍への欠陥が
生じ易い。さらに、セラミックス長繊維を用いて繊維体
積率(Vf)が高く、異方性が小さい形状の複合材料製
品を作製するためには、かなり多量のサイジング剤や保
形剤が使用されるため、除去しきれない残渣がさらに多
くなり、上記欠陥による影響は無視できないレベルにな
り得る。
【0009】また、セラミックス長繊維で作製した2次
元または3次元形状のプリフォームにマトリックスを形
成する場合、直径10μm前後の繊維の間隙部分に緻密
なマトリックスを均質に形成することが困難である。特
に粉末スラリーを用いた含浸成形法では、マトリックス
の繊維束の内部およびその近傍への充填効率を高めるこ
とが殆どできず、したがって耐熱性および耐酸化性等の
耐環境性がモノリシック材料に比べて低下した材料,部
品しか得られなかった。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、セラミックス長繊維の繊維束内部の繊維の間隙
に亘って均質にマトリックスを形成させることができ、
これにより耐熱性、耐酸化性等の耐環境性に優れ、かつ
初期破壊強度および破壊エネルギー等の機械的特性にも
優れた材料,部品が製造できるセラミックス基繊維複合
材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】セラミックスマトリック
スを形成する方法は、前述した粉末法の他、各種の方法
が知られている。その一つとして、焼成によりセラミッ
クスとなる物質、例えば有機ポリマーを繊維プリフォー
ムに含浸させて、焼成により繊維間にセラミックスマト
リックスを形成する方法がある。有機ポリマーとして
は、Si,C,N等を含むポリシラザン、ポリカルボシ
ラン、ポリシラスチレン等が適用され、これらの焼成に
よりSi,C,Nが合成してSi−C−O、またはSi
−N−O等が合成される。
【0012】また、別の方法として反応焼結を用いる方
法がある。例えばマトリックスがSiCの場合、CとS
iとの反応によりSiCマトリックスを合成するもので
ある。
【0013】発明者においては、このような焼成により
セラミックスとなる有機ポリマーあるいは反応焼結マト
リックスの出発原料として液状のものを用いることで、
直径が10μm前後の細系なセラミックス繊維の繊維束
の内部までマトリックスを均質に形成するこができ、さ
らにセラミックス長繊維の繊維束のサイジング剤または
プリフォームの保形剤として適用することが可能なこと
を見出した。これにより、従来用いられていたセラミッ
クス長繊維のサイジング剤や保形剤は不要となり、従来
行われていたサイジング剤や保形剤の除去工程も省略で
きる。したがって、繊維間隙にサイジング剤や保形剤の
残渣によるマトリックス充填上の欠陥の発生を防止する
ことが可能となる。
【0014】以上の知見に基づき、本発明は、細径なセ
ラミックス長繊維からなる繊維束でプリフォームを形成
し、このプリフォームにマトリックス原料を含浸させ、
反応焼結によってセラミックスマトリックスを生成させ
るセラミックス基繊維複合材料の製造方法において、反
応焼結前に、セラミックス長繊維を数十〜数万本単位の
ヤーン(繊維束)にするために用いるサイジング剤とプ
リフォームを保形するために用いる保形剤とに、焼成に
よりセラミックスとなる液状の有機ポリマーと反応焼結
マトリックスの出発原料となる物質とを選択的に、また
は混合して適用するものである。
【0015】本発明において、セラミックス長繊維を用
いるのは、前述したように、セラミックス長繊維がセラ
ミックス基繊維複合材料の強化素材として最も高い破壊
エネルギーを付与できる等の優れた特性を有するもので
あり、一方向に揃えたり、2次元または3次元に製織す
る等により複雑な形状や大型の部品に対応でき広範な分
野での利用が期待できるからである。
【0016】また、セラミックス長繊維のうち細径なも
のを適用するのは、製織等が行える程度の細い繊維径と
解して差支えないが、望ましくは直径が10μm前後
(3〜20μm)のものである。
【0017】また、本発明においてプリフォームとは、
繊維束を一方向に配列したプリプレグの状態や交差状に
配列したもの、2次元または3次元に製織もしくは編製
したもの、またはこれらの積層等、組合せたものを広く
含める。
【0018】また、焼結によりセラミックスとなる液状
の有機ポリマー、反応焼結マトリックスの液状の出発原
料の種類や取扱い手順等については、以下に示す各発明
の毎く、種々の組合せが可能である。
【0019】即ち、本発明のセラミックス基繊維複合材
料の製造方法は、細径なセラミックス長繊維を、焼成に
よりセラミックスとなる液状の有機ポリマーと反応焼結
マトリックスの液状の出発原料を選択的にまたは混合し
てサイジング剤として適用して繊維束にし、次いで焼成
によりセラミックスとなる液状の有機ポリマーと反応焼
結マトリックスの液状の出発原料を選択的にまたは混合
して保形剤として適用してプリフォームを形成し、この
後プリフォームにマトリックス原料粉末スラリーを含浸
させ反応焼結によってセラミックスマトリックスを生成
させるものである。
【0020】本発明において望ましくは、焼成によりセ
ラミックスとなる有機ポリマーにポリシラザン、ポリカ
ルボシラン、ポリシラスチレン等を用い、液状の出発原
料高残炭率の樹脂を用いる。
【0021】この場合、特に望ましい手順は、細径のセ
ラミックス長繊維を、焼成によりセラミックスとなる有
機ポリマーをサイジング剤として適用して繊維束にし、
次いで熱処理により出発原料となる樹脂を保形剤として
適用してプリフォームを形成し、この後プリフォームに
マトリックス原料粉末スラリーを含浸させ反応焼結によ
ってセラミックスマトリックスを生成させる。
【0022】なお、有機ポリマーとしては、ポリカルボ
シラン、ポリシラザン、ポリシラスチレン、ポリビニル
シラン等のSi系有機ポリマーを適用することができ
る。
【0023】また、樹脂としては、フェノール樹脂、フ
ラン樹脂等の高残炭率の樹脂を適用することができる。
【0024】そして本発明では、細径なセラミックス長
繊維の繊維束を有機ポリマーでサイジングし、このサイ
ジングした繊維束をプリフォームとして液状の樹脂で保
形し、得られたプリフォームに熱処理を施して前記繊維
束の内部に充填されている有機ポリマーを無機化するこ
とによりセラミックスとする一方、前記プリフォームを
保形している樹脂を炭化させて出発原料のカーボンとし
た後、プリフォームにマトリックス原料粉末スラリーを
含浸させて反応焼結を行わせることでマトリックスを形
成する。
【0025】また、本発明によるセラミックス基繊維複
合材料の製造方法は、細径のセラミックス長繊維を数十
〜数万本単位のヤーン(繊維束)にし、この繊維束を一
方向または交差配列、2次元または3次元に製織もしく
は編製、またはこれらの組合せによってプリフォームを
形成し、このプリフォームの繊維束およびその内部近傍
に、焼成によりセラミックスとなる有機ポリマーと液状
の出発原料を選択的にまたは混合して含浸させ、この後
プリフォームの各繊維束間およびその周辺部にマトリッ
クス原料粉末スラリーを含浸させ反応焼結によってセラ
ミックスマトリックスを生成させるものである。
【0026】さらに、本発明によるセラミックス基繊維
複合材料の製造方法は、細径のセラミックス長繊維を数
十〜数万本単位のヤーン(繊維束)にし、この繊維束を
一方向または交差配列、2次元または3次元に製織もし
くは編製、またはこれらの組合せによってプリフォーム
を形成し、このプリフォームの繊維束の内部およびその
近傍に、焼成によりセラミックスとなるSi系有機ポリ
マーと、反応焼結SiCの出発原料のCとなる液状の樹
脂とを選択的にまたは混合して含浸させ、この後プリフ
ォームの各繊維束間およびその周辺部にマトリックス原
料の粉末スラリーを含浸させ反応焼結によってセラミッ
クスマトリックスを生成させるものである。
【0027】以上の本発明において望ましくは、セラミ
ックス長繊維として主成分がSiCのものを用い、マト
リックスは、反応焼結によって主成分がSiCのセラミ
ックスを生成させる。
【0028】本発明によれば、セラミックス長繊維を繊
維束にする段階、繊維束でプリフォームを形成する段
階、マトリックス原料含浸前のいずれかの段階におい
て、焼成によりセラミックスとなる液状の有機ポリマー
または液状の出発原料を含浸,成形し、有機合成または
反応焼結により、マトリックスを形成するので、繊維束
内部までマトリックスが緻密に形成できる。
【0029】さらに、従来タイプのサイジング剤や保形
剤の場合と異なり、除去処理後残渣がマトリックスの形
成を阻害する問題も排除できる。
【0030】また、緻密なマトリックスが繊維束の内部
まで形成できることで、繊維束の内部の欠陥を排除し、
複合した全繊維の界面が形成され、初期破壊強度が向上
し、かつ繊維の引抜けにより、準安定的な破壊が進行
し、破壊エネルギーが増大する。さらにまた、マトリッ
クスが緻密なため、耐熱性や耐酸化性等の耐環境性の優
れたモノリシック材料と同等レベルまで向上できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。
【0032】(実施例1)直径11μmのSiC長繊維
(商品名:チラノ)800本を揃え、キシレンで希釈し
たポリカルボシランでサイジングし、繊維束とした。こ
の繊維束を用い、3次元織物(X:Y:Z=33:3
7:30,Vf=35%)を、アルコールで希釈したフ
ラン樹脂で保形しながら製織し、プリフォームとした。
【0033】このプリフォームを不活性雰囲気中、60
0〜1100℃で熱処理した。これにより、繊維束の内
部に充填されたポリカルボシランは無機化してSi−C
−Oのセラミックス骨材とし、フラン樹脂は炭化してカ
ーボンとした。
【0034】この後、プリフォームを成形型内に配置
し、SiCのマトリックス原料粉末スラリーを減圧後、
加圧しながら鋳込み成形した。乾燥後、真空または不活
性雰囲気中、1400〜1600℃で、溶融Siを含浸
しながら、反応焼結(Si+C→SiC)した。
【0035】このようにして形成した焼結体より、幅5
〜10mm、厚み2〜4mmの試験片を切り出し、3点曲げ
試験、酸化試験を行い、機械的特性を評価した。
【0036】これらの試験の結果、表1に示すように、
強度および破壊エネルギーが大きく、また酸化試験後も
強度の低下は小さく耐酸化性も優れていることが確認さ
れた。
【0037】(実施例2)直径14μmのSiC長繊維
(商品名:ハイニカロン)500本を揃え、アルコール
で希釈したフェノール樹脂でサイジングし、繊維束とし
た。この繊維束を用い、キシレンで希釈したポリシラザ
ンで保形しながら、平織りクロスを製織した。
【0038】このクロスを不活性雰囲気中、600〜1
100℃で熱処理した。これにより、繊維束の内部に充
填されたポリシラザンは無機化してSi−N−Oのセラ
ミックス骨材とし、フェノール樹脂は炭化してカーボン
とした。
【0039】得られたクロスを積層してプリフォームと
し、成形型内に配置し、マトリックス原料粉末スラリー
を減圧後、加圧しながら鋳込み成形した。乾燥後、真空
または不活性雰囲気中、1400〜1600℃で、溶融
Siを含浸しながら、反応焼結(Si+C→SiC)し
た。
【0040】このようにして形成した焼結体より、前記
実施例1と同様に幅5〜10mm、厚み2〜4mmの試験片
を切り出し、3点曲げ試験、酸化試験等を行った。
【0041】この結果、表1に示すように、前記実施例
1のものと同様に曲げ強度および破壊エネルギーとも高
く、また耐酸化性にも優れていることが確認された。
【0042】(実施例3)直径11μmのSiC長繊維
(商品名:チラノ)400本をサイジングせずに繊維束
とし、この繊維束で3次元織物(X:Y:Z=33:3
7:30,Vf=35%)を製織し、これをアルコール
で希釈したフラン樹脂を含浸し、プリフォームとした。
【0043】その後、このプリフォームを不活性雰囲気
中、600〜1100℃で熱処理した。繊維束の内部に
充填されたフラン樹脂は炭化によりカーボンとなった。
【0044】プリフォームを成形型内に配置し、マトリ
ックス原料粉末スラリーを減圧および加圧を選択的に行
って含浸させ、成形を行った。乾燥後、真空または不活
性雰囲気中、1400〜1600℃で、溶融Siを含浸
しながら、反応焼結した。
【0045】このようにして形成した焼結体より、幅5
〜10mm、厚み2〜4mmの試験片を切り出し、3点曲げ
試験、酸化試験を行なった。
【0046】この結果、表1に示すように、前記実施例
1のものと同様に強度および破壊エネルギーとも高く、
また耐酸化性にも優れていることが確認された。
【0047】(実施例4)直径14μmのSiC長繊維
(商品名:ハイニカロン)500本をサイジングせずに
繊維束とし、この繊維束で平織りクロスを製織した。
【0048】また、ポリカルボシランとフェノール樹脂
を、キシレンで希釈し、これに前記のクロスを浸漬し、
減圧および加圧含浸を選択的に行った。
【0049】その後、このクロスを不活性雰囲気中、6
00〜1100℃で熱処理した。繊維束の内部に充填さ
れたポリカルボシランは無機化してSi−C−Oセラミ
ックス骨材とし、フェノール樹脂は炭化してカーボンと
なった。
【0050】得られたクロスを積層してプリフォームと
し、成形型内に配置し、マトリックス原料粉末スラリー
を減圧および加圧を選択的に行って含浸させ、成形し
た。乾燥後、真空または不活性雰囲気中、1400〜1
600℃で、溶融Siを含浸しながら、反応焼結した。
【0051】このようにして形成した焼結体より、幅5
〜10mm、厚み2〜4mmの試験片を切り出し、3点曲げ
試験、酸化試験を行なった。
【0052】この結果、表1に示すように、前記実施例
1のものと同様に強度および破壊エネルギーとも高く、
また耐酸化性にも優れていることが確認された。
【0053】(比較例1)直径11μmのSiC長繊維
(商品名:チラノ)を、ポリエチレンからなるサイジン
グ剤を用いて繊維束とし、この繊維束で3次元織物
(X:Y:Z=33:37:30,Vf=35%)をつ
くり、プリフォームとした。保形剤にはエポキシを用い
た。
【0054】このプリフォームをサイジング剤および保
形剤除去後、成形型内に配置し、マトリックス原料粉末
スラリーを減圧および加圧を選択的に行って含浸させ
た。乾燥後、真空または不活性雰囲気中、1400〜1
600℃で、溶融Siを含浸しながら、反応焼結した。
【0055】得られた焼結体より、幅5〜10mm、厚み
2〜4mmの試験片を切り出し、3点曲げ試験、酸化試験
を行った。
【0056】これらの試験の結果、表1に示すように、
曲げ強度および破壊エネルギーが前記各実施例に比して
低く、耐酸化性も低下していることが認められた。
【0057】(比較例2)直径14μmのSiC長繊維
(商品名:ハイニカロン)を、ポリビニルアルコールか
らなるサイジング剤を用いて繊維束とし、この繊維束で
平織りクロスを織製した。保形剤にはポリエチレングリ
コールを用いた。
【0058】積層したクロスをプリフォームとして型内
に配置し、マトリックススラリーを減圧および加圧を選
択的に行って含浸させた。乾燥後、真空または不活性雰
囲気中、1400〜1600℃で、溶融Siを含浸しな
がら、反応焼結した。
【0059】得られた焼結体より、幅5〜10mm、厚み
2〜4mmの試験片を切り出し、3点曲げ試験、酸化試験
を行った。
【0060】これらの試験の結果、表1に示すように、
曲げ強度および破壊エネルギーが前記各実施例に比して
低く、耐酸化性も低下していることが認められた。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、セラミックス長繊維の
繊維束内部まで均質にマトリックスを形成させることが
でき、これにより耐熱性、耐酸化性等の耐環境性に優
れ、かつ初期破壊強度および破壊エネルギー等の機械的
特性にも優れたセラミックス基繊維複合材料が製造でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 義則 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細径なセラミックス長繊維からなる繊維
    束でプリフォームを形成し、このプリフォームにマトリ
    ックス原料を含浸させ、反応焼結によってセラミックス
    マトリックスを生成させるセラミックス基繊維複合材料
    の製造方法において、反応焼結前に、セラミックス長繊
    維を繊維束にするために用いるサイジング剤とプリフォ
    ームの形状を保持するために用いる保形剤とに、焼成に
    よりセラミックスとなる有機ポリマーと反応焼結マトリ
    ックスの出発原料となる物質とを選択的に、または混合
    して適用することを特徴とするセラミックス基繊維複合
    材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 細径なセラミックス長繊維を、焼成によ
    りセラミックスとなる有機ポリマーと反応焼結マトリッ
    クスの出発原料となる物質とを選択的にまたは混合して
    サイジング剤として適用して繊維束にし、次いで焼成に
    よりセラミックスとなる有機ポリマーと反応焼結マトリ
    ックスの出発原料となる物質とを選択的にまたは混合し
    て保形剤として適用して繊維束よりプリフォームを形成
    し、この後プリフォームにマトリックス原料を含浸させ
    反応焼結によってセラミックスマトリックスを生成させ
    ることを特徴とするセラミックス基繊維複合材料の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 細径なセラミックス長繊維を、焼成によ
    りセラミックスとなる有機ポリマーと反応焼結マトリッ
    クスの出発原料となる液状の物質とを選択的にまたは混
    合してサイジング剤として適用して繊維束にし、次いで
    焼成によりセラミックスとなる有機ポリマーと反応焼結
    マトリックスの出発原料となる液状の物質とを選択的に
    または混合して保形剤として適用して繊維束よりプリフ
    ォームを形成し、この後プリフォームに粉末スラリー状
    のマトリックス原料を含浸させ反応焼結によってセラミ
    ックスマトリックスを生成させることを特徴とするセラ
    ミックス基繊維複合材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 焼成によりセラミックスとなる有機ポリ
    マーにポリカルボシラン、ポリシラザン、ポリスチレン
    等のSi系有機ポリマーを用い、反応焼結マトリックス
    の出発原料となる物質に高残炭率の樹脂を用いることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のセラミ
    ックス基繊維複合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 細径なセラミックス長繊維を、焼成によ
    りセラミックスとなる有機ポリマーをサイジング剤とし
    て適用して繊維束にし、次いで反応焼結マトリックスの
    出発原料となる樹脂を保形剤として適用して繊維束を用
    いた3次元織物または2次元織物からなるプリフォーム
    を形成し、この後プリフォームにマトリックス原料を含
    浸させ反応焼結によってセラミックスマトリックスを生
    成させることを特徴とするセラミックス基繊維複合材料
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 細径なセラミックス長繊維の繊維束を有
    機ポリマーでサイジングし、この繊維束を用いて3次元
    織物または2次元織物からなるプリフォームとして組上
    げ液体状態の樹脂で保形し、得られたプリフォームに熱
    処理を施して前記繊維束の内部に充填されている有機ポ
    リマーを無機化することによりセラミックスとする一
    方、前記プリフォームを保形している樹脂を炭化させて
    カーボン源とした後、プリフォームにセラミックスマト
    リックス材料を含浸させて反応焼結を行わせることでセ
    ラミックスマトリックスを生成することを特徴とするセ
    ラミックス基繊維複合材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 多数の細径なセラミックス長繊維を予め
    各繊維間に介在物がない状態で揃えて繊維束とし、この
    繊維束を平行または交差配列、2次元または3次元の製
    織もしくは編製、またはこれらの組合せ、その他の手段
    によりプリフォームとして形成しておき、このプリフォ
    ームを構成する各セラミックス長繊維間および各繊維束
    間に、焼成によりセラミックスとなる液体状態の有機ポ
    リマーと反応焼結マトリックスの出発原料となる液体状
    態の物質とを選択的にまたは混合して含浸させ、この後
    繊維束間およびプリフォーム内部にプリフォームにマト
    リックス原料を含浸させ反応焼結によってセラミックス
    マトリックスを生成させることを特徴とするセラミック
    ス基繊維複合材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 多数の細径なセラミックス長繊維を予め
    各繊維間に介在物がない状態で揃えて繊維束とし、この
    繊維束を平行または交差配列、2次元または3次元の製
    織もしくは編製、またはこれらの組合せ、その他の手段
    によりプリフォームとして形成しておき、このプリフォ
    ームを構成する各セラミックス長繊維間および繊維束内
    部に、焼成によりセラミックスとなる液体状態のSi系
    有機ポリマーと、反応焼結マトリックスの出発原料とな
    る高残炭率の液体状態の樹脂とを選択的にまたは混合し
    て含浸させ、この後繊維束間およびプリフォーム内部に
    プリフォームにマトリックス原料を含浸させ反応焼結に
    よってセラミックスマトリックスを生成させることを特
    徴とするセラミックス基繊維複合材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 セラミックス長繊維として主成分がSi
    Cを主成分としたものを用いる一方、マトリックスとし
    て反応焼結SiCを主成分としたことを特徴とする請求
    項1から7までのいずれかに記載のセラミックス基繊維
    複合材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 セラミックス長繊維として直径が3〜
    20μmのものを用いることを特徴とする請求項1から
    9までのいずれかに記載のセラミックス基繊維複合材料
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009073918A (ja) * 2007-09-20 2009-04-09 Toyota Industries Corp プリフォームの製造方法

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