JPH0985127A

JPH0985127A - 放電型静電選別装置

Info

Publication number: JPH0985127A
Application number: JP25224595A
Authority: JP
Inventors: Hiroshige Arai; 浩成荒井; Hidehiko Maehata; 英彦前畑; Takeshi Kato; 剛加藤; Chiaki Tojo; 千明東條
Original assignee: Hitachi Zosen Corp
Current assignee: Hitachi Zosen Corp
Priority date: 1995-09-29
Filing date: 1995-09-29
Publication date: 1997-03-31
Anticipated expiration: 2015-09-29
Also published as: JP3159901B2

Abstract

(57)【要約】【課題】被選別粒子が粉砕ゴミのような場合、高電圧
電極の先端から、高電界により発生する空気分子のイオ
ン風のため、ゴミが舞い上がり、選別能力が低下する。
また、電界強度が大きいのは高電圧電極の先端であり、
接地電極表面付近は、電界強度がもっとも小さい部分で
あり、したがって効率よい選別を実施するためには、よ
り印加電圧を高くする必要がある。【解決手段】水平かつ平行に配置されワイヤーからな
る高電圧電極から形成され、これら高電圧電極間を上方
から落下する被選別粉砕ゴミ13に帯電させる帯電装置17
と、帯電装置17の真下に配置され、水平軸心回りに回転
する接地された金属ドラム電極14と、金属ドラム電極14
に吸着した被選別粉砕ゴミ13をかき落とすブラシ20と、
金属ドラム電極14の前方位置に配置された第１分離容器
22と、金属ドラム電極14の下方に配置された第２分離容
器23を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、都市ゴミ、粗大ゴ
ミなどを粉砕した後、この粉砕したゴミの中からプラス
チックあるいは可燃物などの選別を行う放電型静電選別
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】コロナ放電による選別方法を使用した、
従来の放電型静電選別装置を図６にしたがって説明す
る。

【０００３】被選別粒子１はホッパ２へ投入され、ホッ
パ２の出口から振動給送板３上へ落下し、この振動給送
板３より切り出され、水平軸心周りに所定方向に回転さ
れ、接地されている金属ドラム電極４の上面へ散布され
る。

【０００４】金属ドラム電極４の回転方向斜め上方に
は、粒子１へ放電する針状の高電圧電極５が設けられて
おり、この高電圧電極５には高圧電源装置６の陰極が接
続されている。また高圧電源装置６の陽極は接地されて
いる。この接続によって、金属ドラム電極４により回転
接地電極が形成され、高電圧電極５と金属ドラム電極４
との間にコロナ放電界が形成される。

【０００５】また金属ドラム電極４の下方には、金属ド
ラム電極４の前方位置（回転方向上流側）に上方へ開口
した第１分離容器７が設けられ、金属ドラム電極４の径
の前半分位置に上方へ開口した第２分離容器８が設けら
れ、さらに金属ドラム電極４の径の後半分位置に上方へ
開口した第３分離容器９が設けられている。また、金属
ドラム電極４の回転方向の下流位置（第３分離容器９の
上方位置）には被選別粒子１をかき落とすブラシ10が設
けられている。

【０００６】上記構成による作用を説明する。ホッパ１
より振動給送板３を介して金属ドラム電極４上に散布さ
れた被選別粒子１は、高電圧電極５と金属ドラム電極４
間に形成される放電界中で、分極ならびに電子放射を受
ける。すなわち、高電圧電極５から単極性イオンが放出
され、ドラム４上の被選別粒子１にふりそそぎ、粒子１
はイオンと同極に帯電される。

【０００７】帯電した被選別粒子１が導電性粒子（導
体）１Ａの場合には、コロナ放電による電荷は接地電極
（金属ドラム電極４）からの反対電荷とたちまち中和
し、逆に接地電極から電荷が与えられるため、反発力と
なって接地電極から分離跳躍し、前方の第１分離容器７
内に落下する。

【０００８】また被選別粒子１が絶縁性粒子（絶縁体）
１Ｂの場合には、接地電極（金属ドラム電極４）からの
電荷補給がないため、電子放射により与えられた電界に
より接地電極に吸引力として働き、さらに分極の吸引力
と総合され、接地電極に強く吸着される。したがって、
絶縁性粒子１Ｂは金属ドラム電極４の回転方向の後方位
置で落下するか、ブラシ10によりかき落とされて、第３
分離容器９内に分離される。

【０００９】また被選別粒子１が半導電性粒子（半導
体）１Ｃの場合には、絶縁性粒子１Ｂと導電性粒子１Ａ
の中間位置に落下し、第２分離容器８内に分離される。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のコ
ロナ放電を使用した静電選別装置の場合、被選別粒子１
が乾燥され、かつ細かく粉砕されたゴミのような場合、
高電圧電極５の先端から、高電界により発生する空気分
子のイオン風のため、ゴミが舞い上がり、選別能力が低
下するという問題があった。

【００１１】また、被選別粒子１の帯電は、印加電圧で
はなく、電界強度に関係していることから、十分に帯電
させ選別能力を揚げるためには、電界強度を増大させる
必要がある。しかし、電界強度が大きいのは高電圧電極
５の先端であり、被選別粒子１が放電にさらされる接地
電極（金属ドラム電極４）表面付近は、電界強度がもっ
とも小さい部分であり、したがって効率よい選別を実施
するためには、より印加電圧を高くする必要があった。

【００１２】そこで、本発明は、イオン風を逆に利用
し、また被選別粒子を電界強度の大きい領域を通過させ
ることによって、印加電圧を増大させることなく効率的
な選別を行える放電型静電選別装置を提供することを目
的としたものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうち請求項１記載の放電型静電選別装
置は、水平に配置された複数のワイヤーからなる高電圧
電極から形成され、これら高電圧電極間を上方から落下
する被選別粉砕ゴミに帯電させる帯電装置と、前記帯電
装置の真下に配置され、水平軸心回りに回転する接地さ
れた金属ドラム電極と、前記金属ドラム電極に吸着した
被選別粉砕ゴミをかき落とすブラシと、前記金属ドラム
電極の下方でかつ前方位置に配置された第１回収手段
と、前記金属ドラム電極の径の下方に配置された第２回
収手段とを備えたことを特徴とするものである。

【００１４】上記構成により、落下中の被選別粉砕ゴミ
は、帯電装置により非常に強い電界を受け、帯電し、電
界により形成されるイオン風により金属ドラム電極へ吹
きつけられ、強制的に金属ドラム電極へ叩きつけられ
る。

【００１５】帯電した粉砕ゴミが導電性粉砕ゴミ（また
は半導電性粉砕ゴミ）の場合には、電荷は金属ドラム電
極からの反対電荷と中和し、逆に金属ドラム電極から電
荷が与えられるため、反発力となって金属ドラム電極か
ら分離跳躍し、前方の第１回収手段内へ落下し、回収さ
れる。

【００１６】また粉砕ゴミが絶縁性粉砕ゴミ（絶縁体）
の場合には、電荷は長い間保持され、金属ドラム電極に
吸引力として働き、さらに分極の吸引力と総合され、金
属ドラム電極に強く吸着される。吸着された絶縁性粉砕
ゴミは金属ドラム電極とともに回転し、回転方向の後方
位置で落下するか、ブラシによりかき落とされて、第２
回収手段内に落下し、回収される。

【００１７】このように、絶縁性粉砕ゴミを第２回収手
段内に、導電性粉砕ゴミを第１回収手段内に選別するこ
とができる。また請求項２記載の放電型静電選別装置
は、上記請求項１記載の放電型静電選別装置であって、
帯電装置のワイヤーからなる高電圧電極に代えて、メッ
シュ状電極あるいは格子状に配置された複数の針状電極
としたことを特徴とするものである。

【００１８】上記構成により、メッシュ状電極あるいは
複数の針状電極を通過、あるいは接触する粉砕ゴミは、
同様に非常に強い電界を受け、帯電される。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１に本発明の実施の形態を示す
放電型静電選別装置の基本構成図を示す。

【００２０】高圧電源装置11の陽極に接続された複数の
ワイヤーからなる高電圧電極12は水平かつ平行に配置さ
れ、これら複数の高電圧電極12間に、上方より被選別粉
砕ゴミ13が落下される。高圧電源装置11の陰極は接地さ
れている。

【００２１】被選別粉砕ゴミ13は、図１（ｂ）に示すよ
うに上記高電圧電極12による強電界領域Ｒを通過、また
は直接接触することにより、非常に強い電界を受けるこ
とにより、強い帯電力を持つ。

【００２２】高電圧電極12の真下に、接地され、接地電
極を形成している金属ドラム電極14が設けられ、水平軸
心回りに矢印ａの方向へ回転している。電界により形成
されるイオン風Ｗは、高電圧電極12より金属ドラム電極
14へ吹きつけられ、帯電した粉砕ゴミ13は、強制的に金
属ドラム電極14へ叩きつけられる。

【００２３】帯電した粉砕ゴミ13が導電性粉砕ゴミ（ま
たは半導電性粉砕ゴミ）13Ａの場合には、電荷は接地電
極（金属ドラム電極14）からの反対電荷と中和し、逆に
接地電極から電荷が与えられるため、反発力となって金
属ドラム電極14から分離跳躍する。

【００２４】また粉砕ゴミ13が絶縁性粉砕ゴミ（絶縁
体）13Ｂの場合には、電荷は長い間保持され、接地電極
に吸引力として働き、さらに分極の吸引力と総合され、
接地電極に強く吸着される。吸着された絶縁性粒子13Ｂ
は金属ドラム電極14とともに回転する。上記構成によ
り、導電性粉砕ゴミ13Ａと絶縁性粉砕ゴミ13Ｂを分離回
収することができる。

【００２５】上記ワイヤーからなる高電圧電極12を使用
する理由を、図２のワイヤー電極12−平行電極31と針条
電極32−平行電極33との電位分布および形成電場の模式
図により説明する。ワイヤー電極12と針条電極32には高
電圧が印加され、平行電極31，33は接地されている。な
お、電極は断面形状としている。

【００２６】図示するように、ワイヤー電極12の電界Ｒ
は、針条電極32の先端の電界Ｒ’と比較して円形となる
ため、集中性は劣るが、ワイヤー電極12の長さ方向に対
し、均一に形成されることから、有効エリアでは、ワイ
ヤー電極12の方が有利であるという理由による。また、
形成電界強度Ｅは平行電極31，33付近より、針条電極32
またはワイヤー電極12付近の方が遙に強い。したがっ
て、この部分電界強度を利用すれば、すなわち、ワイヤ
ー電極12付近を粉砕ゴミ13を通過させれば、十分に帯電
させることができ、電界強度増大のために印加電圧を上
げすぎて、電極12−31，32−33間に橋絡放電が発生する
ことを防ぐことができる。

【００２７】上記基本構成を適用した、本発明の放電型
静電選別装置の構成図を図３に示す。図１と同一の構成
には同一の符号を付している。被選別粉砕ゴミ13は搬送
用ベルトコンベヤ装置15によりホッパ16へ投入され、下
端の出口から自由落下される。

【００２８】前記ホッパ16の出口の真下には、上記高電
圧電極12に相当し、高電圧電源装置11より高電圧が印加
され、ホッパ12から落下する粉砕ゴミ13が通過、または
接触することにより帯電させる帯電装置17が設けられて
いる（詳細は後述する）。前記高電圧電源装置11は陽極
が帯電装置17に接続され、陰極は接地されている。

【００２９】また帯電装置17の真下に、モータ18により
水平軸心周りに所定方向に回転される金属ドラム電極14
が設けられている。この金属ドラム電極14は一端でアー
ス接地電極19に接触して、接地されており、また回転方
向の下流側に吸着した被選別粉砕ゴミ13をかき落とすブ
ラシ20が設けられている。

【００３０】また金属ドラム電極14の下方には、金属ド
ラム電極14の前方位置（回転方向上流側）に上方に開口
した第１分離容器22が設けられ、金属ドラム電極14の径
位置（ブラシ20の取付け位置）に上方に開口した第２分
離容器23が設けられている。

【００３１】帯電装置17は、図４に示すように、水平で
かつ平行に配置された複数のワイヤー24と、これらワイ
ヤー24を保持するブスバー兼固定枠25から形成されてい
る。なお、ワイヤー24に換えて金属製のメッシュを取付
けてもよい。

【００３２】以下、上記構成における作用を説明する。
金属ドラム電極14はモータ18により回転されているもの
とする。ホッパ16から落下した被選別粉砕ゴミ13は、帯
電装置17により非常に強い電界を受け、帯電し、電界に
より形成されるイオン風により金属ドラム電極14へ吹き
つけられ、強制的に金属ドラム電極14へ叩きつけられ
る。

【００３３】帯電した粉砕ゴミ13が導電性粉砕ゴミ13Ａ
の場合には、電荷は接地電極（金属ドラム電極14）から
の反対電荷とたちまち中和し、逆に接地電極から電荷が
与えられるため、反発力となって金属ドラム電極14から
分離跳躍し、前方の第１分離容器22内へ落下し、回収さ
れる。

【００３４】また粉砕ゴミ13が絶縁性粉砕ゴミ13Ｂの場
合には、電荷は長い間保持され、接地電極に吸引力とし
て働き、さらに分極の吸引力と総合され、接地電極に強
く吸着される。吸着された絶縁性粉砕ゴミは金属ドラム
電極14とともに回転し、回転方向の下流位置で落下する
か、ブラシ20によりかき落とされて、第２分離容器23内
に落下し、回収される。

【００３５】上記作用により、絶縁性粉砕ゴミ13Ｂを第
２分離容器23内に、導電性粉砕ゴミ13Ａを第１分離容器
22内に選別することができる。このように絶縁性粉砕ゴ
ミ13Ｂと導電性粉砕ゴミ13Ａを選別回収できるととも
に、高電圧極である帯電装置17から接地極の金属ドラム
電極14に吹きつけるイオン風により、放電領域に進入し
た粉砕ゴミ13を接地極の金属ドラム電極14に強制的に接
地させることができ、よって従来のように粉砕ゴミ13が
舞い上がり選別能力が低下するという不具合を解消する
ことができる。また、粉砕ゴミ13は、帯電装置17内を通
過することにより、高電圧極に直接接触または付近を通
過し、強電界領域を通ることから、十分に帯電させるこ
とができ、選別能力を向上することができる。また、電
界集中領域を利用することから、印加電圧を上げる必要
はなくなり、橋絡現象を防止することができる。

【００３６】上記帯電装置17を図５に示すように、構成
することもできる。すなわち、格子状にブスバー兼固定
枠26を形成し、この固定枠26の各枠交点に下方に向けて
針状電極27を垂設している。

【００３７】この帯電装置17’により、格子の隙間を、
粉砕ゴミ13が通過するときに、同様に十分に帯電するこ
とができる。なお、上記実施の形態では、選別された粉
砕ゴミ13の回収手段として、第１，第２分離容器22，23
を使用しているが、分離回収できるものであればよく、
ベルトコンベヤ装置や台車を使用することも可能であ
る。

【００３８】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、絶縁
性粉砕ゴミと導電性粉砕ゴミを選別回収できるととも
に、高電圧極である帯電装置から接地極の金属ドラム電
極に吹きつけるイオン風により、放電領域に進入した粉
砕ゴミを接地極の金属ドラム電極に吹きつけ、強制的に
接地させることができ、従来のようにイオン風により粉
砕ゴミが舞い上がり選別能力が低下するという不具合を
解消することができる。また、粉砕ゴミは、帯電装置内
を通過することにより、高電圧極に直接接触または付近
を通過し、強電界領域を通ることから、十分に帯電させ
ることができ、選別能力を向上することができる。ま
た、電界集中領域を利用することから、印加電圧を上げ
る必要はなくなり、橋絡現象を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す放電型静電選別装置
の基本構成図である。

【図２】同放電型静電選別装置の高電圧電極の説明図で
ある。

【図３】同放電型静電選別装置の構成図である。

【図４】同放電型静電選別装置の帯電装置の斜視図であ
る。

【図５】同放電型静電選別装置の他の帯電装置の正面図
と平面図である。

【図６】従来の放電型静電選別装置の構成図である。

【符号の説明】

11 高圧電源装置 12 高電圧電極 13 被選別粉砕ゴミ 13Ａ導電性粉砕ゴミ 13Ｂ絶縁性粉砕ゴミ 14 金属ドラム電極 15 搬送用ベルトコンベヤ装置 16 ホッパ 17，17’ 帯電装置 18 モータ 20 ブラシ 22 第１分離容器（回収手段） 23 第２分離容器（回収手段） 24 ワイヤー 25，26 ブスバー兼固定枠 27 針状電極Ｒ強電界領域

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者東條千明大阪府大阪市此花区西九条５丁目３番28号日立造船株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水平に配置された複数のワイヤーからな
る高電圧電極から形成され、これら高電圧電極間を上方
から落下する被選別粉砕ゴミに帯電させる帯電装置と、前記帯電装置の真下に配置され、水平軸心回りに回転す
る接地された金属ドラム電極と、前記金属ドラム電極に吸着した被選別粉砕ゴミをかき落
とすブラシと、前記金属ドラム電極の下方でかつ前方位置に配置された
第１回収手段と、前記金属ドラム電極の径の下方に配置された第２回収手
段とを備えたことを特徴とする放電型静電選別装置。
【請求項２】請求項１記載の放電型静電選別装置であ
って、帯電装置のワイヤーからなる高電圧電極に代えて、メッ
シュ状電極あるいは格子状に配置された複数の針状電極
としたことを特徴とする。