JPH0985064A - 浸漬型平膜分離装置 - Google Patents
浸漬型平膜分離装置Info
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- JPH0985064A JPH0985064A JP27358595A JP27358595A JPH0985064A JP H0985064 A JPH0985064 A JP H0985064A JP 27358595 A JP27358595 A JP 27358595A JP 27358595 A JP27358595 A JP 27358595A JP H0985064 A JPH0985064 A JP H0985064A
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- membrane
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- flat membrane
- membranes
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 効率よく膜面上のケーキを除去しながら、長
時間ろ過を継続することのできる浸漬型平膜分離装置を
提供すること。 【解決手段】 複数の平膜11を一定間隔に垂直に配置
し、平膜の下方に散気手段15を設置した浸漬型膜分離
装置において、可撓性の透水材の両面にろ過膜を被覆し
た平膜11を用い、垂直に配置した平膜の横方向の両端
又は片端に透過液取出部13及び14を設け、複数の平
膜及び透過液取出部の全体を枠18で囲んで固定し、平
膜の横方向の張りの度合いを調節する。
時間ろ過を継続することのできる浸漬型平膜分離装置を
提供すること。 【解決手段】 複数の平膜11を一定間隔に垂直に配置
し、平膜の下方に散気手段15を設置した浸漬型膜分離
装置において、可撓性の透水材の両面にろ過膜を被覆し
た平膜11を用い、垂直に配置した平膜の横方向の両端
又は片端に透過液取出部13及び14を設け、複数の平
膜及び透過液取出部の全体を枠18で囲んで固定し、平
膜の横方向の張りの度合いを調節する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜分離装置に係
り、特に精密ろ過膜や限外ろ過膜による廃水中の懸濁物
を効率良く分離しうる浸漬型膜分離装置に関する。
り、特に精密ろ過膜や限外ろ過膜による廃水中の懸濁物
を効率良く分離しうる浸漬型膜分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、膜分離は、技術発展に伴い薬品や
食品の製造ラインの固液分離だけでなく、用水の製造、
排水からの有機物の回収、上水、中水及びし尿の固液分
離に広く適用され、更には下水や産業廃水処理にまで適
用されようとしている。廃水処理に適用できるランニン
グコストの安価な方法として、原液槽に膜を浸漬しなが
ら、全量ろ過する浸漬方式が開発されている。これは、
膜面上に原液の流れを与えない代わりに、液循環方式よ
り低い膜間差圧でろ過することによって膜面へのケーキ
の蓄積を抑制してろ過する方式で、低動力の運転が可能
である。また、構造がシンプルなためメンテナンスが容
易という利点がある。ろ過するため膜間に差圧を生じさ
せるには、加圧方式より目詰まりの少ないこと、膜を原
液槽に浸漬するだけでよいことから吸引方式が多く用い
られている。膜面上に付着するケーキは、膜の下部に設
けた散気管又は散気板から空気を供給しながらバブリン
グして剥離、除去される。
食品の製造ラインの固液分離だけでなく、用水の製造、
排水からの有機物の回収、上水、中水及びし尿の固液分
離に広く適用され、更には下水や産業廃水処理にまで適
用されようとしている。廃水処理に適用できるランニン
グコストの安価な方法として、原液槽に膜を浸漬しなが
ら、全量ろ過する浸漬方式が開発されている。これは、
膜面上に原液の流れを与えない代わりに、液循環方式よ
り低い膜間差圧でろ過することによって膜面へのケーキ
の蓄積を抑制してろ過する方式で、低動力の運転が可能
である。また、構造がシンプルなためメンテナンスが容
易という利点がある。ろ過するため膜間に差圧を生じさ
せるには、加圧方式より目詰まりの少ないこと、膜を原
液槽に浸漬するだけでよいことから吸引方式が多く用い
られている。膜面上に付着するケーキは、膜の下部に設
けた散気管又は散気板から空気を供給しながらバブリン
グして剥離、除去される。
【0003】使用される膜の形状としては、管状膜、中
空糸膜及び平膜がある。これらのうち管状膜は膜面積を
大きく確保できないため大量処理には不向きである。ま
た、中空糸膜は、容積効率が高いが、特開平4−265
128号公報などで示されているように、中空糸膜の束
の内部に懸濁物が付着又は固着するためにろ過抵抗が高
くなり、これらの懸濁物をエアバブリングによって除去
することは極めて困難である。これに対して平膜は、中
空糸膜のように局部的に懸濁物が付着しないため、エア
バブリングによる膜面の洗浄が容易であり、また、管状
膜より容積効率が高い。このような観点から懸濁物濃度
の高い液をろ過する場合の浸漬型のろ過方式は、平膜の
適用が望ましい。
空糸膜及び平膜がある。これらのうち管状膜は膜面積を
大きく確保できないため大量処理には不向きである。ま
た、中空糸膜は、容積効率が高いが、特開平4−265
128号公報などで示されているように、中空糸膜の束
の内部に懸濁物が付着又は固着するためにろ過抵抗が高
くなり、これらの懸濁物をエアバブリングによって除去
することは極めて困難である。これに対して平膜は、中
空糸膜のように局部的に懸濁物が付着しないため、エア
バブリングによる膜面の洗浄が容易であり、また、管状
膜より容積効率が高い。このような観点から懸濁物濃度
の高い液をろ過する場合の浸漬型のろ過方式は、平膜の
適用が望ましい。
【0004】しかしながら、平膜の下方からのエアバブ
リングによる膜面上のケーキの除去や剥離が充分でない
ときがあり、これを補うために多くの膜面積を必要と
し、コストの上昇につながるなどの問題がある。これに
対処する方法として、特開平6−327949号公報に
開示されているように複数枚の平膜を分離槽内に浸漬、
立設し、平膜間にひも状の可撓性の洗浄体を設けたもの
がある。これは、下方からのエアバブリングによって、
可撓性の洗浄体が膜面に接触して付着物を剥離するもの
であるが、接触状態が不均一のため効率的でない。この
ようにエアバブリングによる洗浄には、未だ改善される
べき問題が残されている。
リングによる膜面上のケーキの除去や剥離が充分でない
ときがあり、これを補うために多くの膜面積を必要と
し、コストの上昇につながるなどの問題がある。これに
対処する方法として、特開平6−327949号公報に
開示されているように複数枚の平膜を分離槽内に浸漬、
立設し、平膜間にひも状の可撓性の洗浄体を設けたもの
がある。これは、下方からのエアバブリングによって、
可撓性の洗浄体が膜面に接触して付着物を剥離するもの
であるが、接触状態が不均一のため効率的でない。この
ようにエアバブリングによる洗浄には、未だ改善される
べき問題が残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の欠点を解消し、効率よく膜面上のケーキを除去しな
がら、長時間ろ過を継続することのできる浸漬型平膜分
離装置を提供することを目的とする。
術の欠点を解消し、効率よく膜面上のケーキを除去しな
がら、長時間ろ過を継続することのできる浸漬型平膜分
離装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の浸漬型平膜分離
装置は、複数の平膜を一定間隔に垂直に配置し、平膜の
下方に散気手段を設置した浸漬型膜分離装置において、
可撓性の透水材の両面にろ過膜を被覆した平膜を用い、
垂直に配置した平膜の横方向の両端又は片端に透過液取
出口を設け、複数の平膜及び透過液取出口の全体を枠で
囲んで固定し、平膜の横方向の張りの度合いを調節する
手段を設けたことを特徴とする。
装置は、複数の平膜を一定間隔に垂直に配置し、平膜の
下方に散気手段を設置した浸漬型膜分離装置において、
可撓性の透水材の両面にろ過膜を被覆した平膜を用い、
垂直に配置した平膜の横方向の両端又は片端に透過液取
出口を設け、複数の平膜及び透過液取出口の全体を枠で
囲んで固定し、平膜の横方向の張りの度合いを調節する
手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】平膜のろ過膜の内側にある支持体
は、可撓性及び剛性のものに大別される。これらの支持
体の両面にろ過膜を被覆した平膜を用いてろ過し、膜面
上からのケーキの除去、剥離のために平膜の下方からエ
アバブリングした場合、可撓性の支持体を用いた平膜で
は、気泡が左右に揺れ、蛇行しながら上昇して膜面に間
欠的に圧力を加えるために、分離槽に垂直に浸漬した平
膜の表裏方向にろ過膜と支持体とが一緒になって揺れ
る。即ち、可撓性の支持体を用いた平膜は揺動する。こ
れに対し、剛性の支持体を用いた平膜では、ろ過膜が支
持体側から吸引ろ過されて支持体に密着しているため
に、ろ過膜のみで揺動しないことから、平膜として揺動
しない。したがって、剛性の支持体を用いた平膜より可
撓性の支持体を用いたものの方が膜面上のケーキの除
去、剥離を効率よく行うことができ、透過流束を長期間
にわたって高いレベルに維持することができると考えら
れる。
は、可撓性及び剛性のものに大別される。これらの支持
体の両面にろ過膜を被覆した平膜を用いてろ過し、膜面
上からのケーキの除去、剥離のために平膜の下方からエ
アバブリングした場合、可撓性の支持体を用いた平膜で
は、気泡が左右に揺れ、蛇行しながら上昇して膜面に間
欠的に圧力を加えるために、分離槽に垂直に浸漬した平
膜の表裏方向にろ過膜と支持体とが一緒になって揺れ
る。即ち、可撓性の支持体を用いた平膜は揺動する。こ
れに対し、剛性の支持体を用いた平膜では、ろ過膜が支
持体側から吸引ろ過されて支持体に密着しているため
に、ろ過膜のみで揺動しないことから、平膜として揺動
しない。したがって、剛性の支持体を用いた平膜より可
撓性の支持体を用いたものの方が膜面上のケーキの除
去、剥離を効率よく行うことができ、透過流束を長期間
にわたって高いレベルに維持することができると考えら
れる。
【0008】そこで、可撓性の支持体を用いたろ過膜と
剛性の支持体を用いた平膜のろ過性を下記の試験により
比較した。可撓性の透水材からなる支持体として、ポリ
エステル製不織布、剛性の支持体としてFRPを用い、
各々の支持体にポリエチレン系の精密ろ過膜を被覆して
平膜とした。膜の孔径は、0.4μmであり、平膜の寸
法は、図4に示すように130mm×500mmの縦長
のものを用いた。SS20g/Lの無機系の模擬液中に
縦長の状態で平膜を浸漬し、膜間差圧25kPaで平膜
上部から吸引ろ過した。ろ過時間の経過と共に透過流束
が低下して、透過流束が安定する4時間後にろ過を停止
した。その後、供給エア量を平膜と平膜間の断面積で除
した上昇速度0.7cm/sで、所定の時間エアバブリ
ングして膜面上のケーキを剥離、除去した。そして、再
び膜間差圧25kPaで1時間吸引ろ過して累積のろ過
量を求め、これらの操作を各バブリング時間毎に実施
し、結果を図5に示す。なお、1時間の累積ろ過量が多
いほど透過流束が回復していることを示す。その結果、
図5に示すように、可撓性の支持体を用いた平膜と剛性
の支持体を用いた平膜による累積ろ過量の差は、エアバ
ブリング時間が10分以下のときはあまり見られない
が、10分を過ぎると、可撓性の平膜のろ過量が多い傾
向であった。これは気泡の上昇、移動による膜の揺動
が、可撓性の平膜面に間歇的な圧力変動と膜の局部的な
伸縮を起こさせ、膜面上のケーキを効率よく除去してい
ると考えられる。
剛性の支持体を用いた平膜のろ過性を下記の試験により
比較した。可撓性の透水材からなる支持体として、ポリ
エステル製不織布、剛性の支持体としてFRPを用い、
各々の支持体にポリエチレン系の精密ろ過膜を被覆して
平膜とした。膜の孔径は、0.4μmであり、平膜の寸
法は、図4に示すように130mm×500mmの縦長
のものを用いた。SS20g/Lの無機系の模擬液中に
縦長の状態で平膜を浸漬し、膜間差圧25kPaで平膜
上部から吸引ろ過した。ろ過時間の経過と共に透過流束
が低下して、透過流束が安定する4時間後にろ過を停止
した。その後、供給エア量を平膜と平膜間の断面積で除
した上昇速度0.7cm/sで、所定の時間エアバブリ
ングして膜面上のケーキを剥離、除去した。そして、再
び膜間差圧25kPaで1時間吸引ろ過して累積のろ過
量を求め、これらの操作を各バブリング時間毎に実施
し、結果を図5に示す。なお、1時間の累積ろ過量が多
いほど透過流束が回復していることを示す。その結果、
図5に示すように、可撓性の支持体を用いた平膜と剛性
の支持体を用いた平膜による累積ろ過量の差は、エアバ
ブリング時間が10分以下のときはあまり見られない
が、10分を過ぎると、可撓性の平膜のろ過量が多い傾
向であった。これは気泡の上昇、移動による膜の揺動
が、可撓性の平膜面に間歇的な圧力変動と膜の局部的な
伸縮を起こさせ、膜面上のケーキを効率よく除去してい
ると考えられる。
【0009】したがって、本発明においては、可撓性の
透水材の両面にろ過膜を被覆した平膜を用い、この平膜
の横方向の張りの度合いを調節する手段を設け、隣接す
る平膜との膜間距離を設定可能とした。平膜の横方向の
張りの度合いを調節する手段としては、特に制限はない
が、例えば、平膜及び透過液取出部の全体を囲む枠を横
方向に長さ調節可能としたものがある。すなわち、枠材
の固定位置をねじなどで調節可能とすればよい。支持体
として用いる可撓性の透水材としては、通水路を確保す
るため通水抵抗がろ過膜より著しく低いことが望まれ、
例えば、天然繊維あるいはポリエステル等の合成繊維か
らなる不織布、網状体などを用いることができる。
透水材の両面にろ過膜を被覆した平膜を用い、この平膜
の横方向の張りの度合いを調節する手段を設け、隣接す
る平膜との膜間距離を設定可能とした。平膜の横方向の
張りの度合いを調節する手段としては、特に制限はない
が、例えば、平膜及び透過液取出部の全体を囲む枠を横
方向に長さ調節可能としたものがある。すなわち、枠材
の固定位置をねじなどで調節可能とすればよい。支持体
として用いる可撓性の透水材としては、通水路を確保す
るため通水抵抗がろ過膜より著しく低いことが望まれ、
例えば、天然繊維あるいはポリエステル等の合成繊維か
らなる不織布、網状体などを用いることができる。
【0010】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示す浸漬型膜分
離装置の系統図である。図1において、可撓性の透水材
の両面をろ過膜で被覆した平膜11を分離槽10に垂直
に入れ、設定の膜間距離で等間隔に複数枚並べ、その両
端縁又は片端を合成樹脂等でポッティングしたのちカッ
トし、塩化ビニル管などで透過液取出部13及び14を
設けて透過液のみを取り出しうるようにした。12は膜
シール部である。平膜11の全体を枠18で囲んで透過
液取出部13及び14の両端を固定し、調節ねじ19で
移動できるようにして、平膜11の張り具合を調節でき
る膜モジュールを分離槽10内に浸漬してある。
離装置の系統図である。図1において、可撓性の透水材
の両面をろ過膜で被覆した平膜11を分離槽10に垂直
に入れ、設定の膜間距離で等間隔に複数枚並べ、その両
端縁又は片端を合成樹脂等でポッティングしたのちカッ
トし、塩化ビニル管などで透過液取出部13及び14を
設けて透過液のみを取り出しうるようにした。12は膜
シール部である。平膜11の全体を枠18で囲んで透過
液取出部13及び14の両端を固定し、調節ねじ19で
移動できるようにして、平膜11の張り具合を調節でき
る膜モジュールを分離槽10内に浸漬してある。
【0011】平膜11の張り度合いは、図2に示したよ
うに横方向に張った平膜11の中央が隣接する平膜11
に最も近寄ったときの距離bが設定した膜間距離aを下
まわることが望ましい。
うに横方向に張った平膜11の中央が隣接する平膜11
に最も近寄ったときの距離bが設定した膜間距離aを下
まわることが望ましい。
【0012】分離槽10の下部には原液及び濃縮液を供
給する原液入口16が設けてあり、上部には循環水が分
離槽10内で偏流しないようにするため均一にオーバー
フローできるようにすることが望ましく、さらに排出す
るための循環水出口17が設けてある。また、分離槽1
0の底部は、沈殿した懸濁物を含む濃縮液を容易に排出
させるため、濃縮液排出口20が最も低くなるように傾
斜させてある。散気部15は、平膜11の下部に設けて
あるが、膜間に設けてもよい。散気部15には、通常の
散気管、散気板などを用いることができ、目詰まりしに
くいものが好ましい。エアバブリング用の空気は、送風
機33を用いて平膜11の下部から供給できるようにし
てある。
給する原液入口16が設けてあり、上部には循環水が分
離槽10内で偏流しないようにするため均一にオーバー
フローできるようにすることが望ましく、さらに排出す
るための循環水出口17が設けてある。また、分離槽1
0の底部は、沈殿した懸濁物を含む濃縮液を容易に排出
させるため、濃縮液排出口20が最も低くなるように傾
斜させてある。散気部15は、平膜11の下部に設けて
あるが、膜間に設けてもよい。散気部15には、通常の
散気管、散気板などを用いることができ、目詰まりしに
くいものが好ましい。エアバブリング用の空気は、送風
機33を用いて平膜11の下部から供給できるようにし
てある。
【0013】図1に示した分離装置を用いてろ過運転を
行う場合には、まず、原液入口16から原液を供給して
分離槽10内を満たし、循環水出口17から原液を循環
させる。次に、吸引ポンプ30を稼動させ、流量調節弁
39を開にして流量指示調節計32を見ながら透過液取
出部13、14から吸引ろ過する。吸引ろ過は、透過液
の確保、つまり処理水量が優先されることから、定量ろ
過することが多い。原液中の懸濁物は、吸引ろ過によっ
て平膜11面上に捕集されて付着し、堆積しながらケー
キ層となる。この間、送風機33を稼動させ、空気配管
中の流量調節弁36で流量計35を見ながら流量を調節
して散気部15からエアバブリングし、平膜11の下部
から膜間に気泡を供給する。気泡が膜間を揺れながら上
昇するため、気泡が膜面上のケーキと接触したり、膜を
揺動したりして平膜11上のケーキを効率よく剥離、除
去する。空気の供給は間欠的でも連続的でもよい。ろ過
の初期は、膜間差圧が大変低いため、問題ないが、長期
間ろ過すると増加してくることから設定の膜間差圧を超
える場合には、圧力指示調節計31で検知して吸引ポン
プ30を停止できるようにする。
行う場合には、まず、原液入口16から原液を供給して
分離槽10内を満たし、循環水出口17から原液を循環
させる。次に、吸引ポンプ30を稼動させ、流量調節弁
39を開にして流量指示調節計32を見ながら透過液取
出部13、14から吸引ろ過する。吸引ろ過は、透過液
の確保、つまり処理水量が優先されることから、定量ろ
過することが多い。原液中の懸濁物は、吸引ろ過によっ
て平膜11面上に捕集されて付着し、堆積しながらケー
キ層となる。この間、送風機33を稼動させ、空気配管
中の流量調節弁36で流量計35を見ながら流量を調節
して散気部15からエアバブリングし、平膜11の下部
から膜間に気泡を供給する。気泡が膜間を揺れながら上
昇するため、気泡が膜面上のケーキと接触したり、膜を
揺動したりして平膜11上のケーキを効率よく剥離、除
去する。空気の供給は間欠的でも連続的でもよい。ろ過
の初期は、膜間差圧が大変低いため、問題ないが、長期
間ろ過すると増加してくることから設定の膜間差圧を超
える場合には、圧力指示調節計31で検知して吸引ポン
プ30を停止できるようにする。
【0014】実施例1 上記の浸漬型平膜装置を用いて無機系の懸濁物を主体と
してSS20g/Lの実液をろ過した。平膜は、支持体
に透水材のポリエステル製不織布を用い、その両面をポ
リエチレン系で孔径0.4μmの精密ろ過膜で被覆した
ものを使用した。膜面積25m2 (1m×0.5m、1
m2 /枚×25枚)、膜間距離7mm、膜の張り度合い
は膜間距離の1/2とした。そして気泡の上昇速度を
0.7cm/sとして連続エアバブリングしながら、透
過流束0.4m3 /(m2 ・d)で定量ろ過した。な
お、比較のため、剛性の支持体としてFRPを用いた以
外は同じ平膜を用いて、同様の実験を行った。その結
果、図3に示すように膜間差圧は両方の平膜とも約2ケ
月間約5kPaで推移した。しかし、剛性支持体を用い
た平膜は、約2ケ月間過ぎ頃から膜間差圧が上昇しはじ
め、急激に20kPa以上になった。これに対して、可
撓性の支持体を用いた平膜は、約4ケ月間初期の膜間差
圧を保持して定量ろ過をすることができた。このように
懸濁物を含む原液中の懸濁物を長期間にわたって効率よ
く膜分離できることから、本発明によれば、膜面上のケ
ーキを効率よく除去できることが分かる。
してSS20g/Lの実液をろ過した。平膜は、支持体
に透水材のポリエステル製不織布を用い、その両面をポ
リエチレン系で孔径0.4μmの精密ろ過膜で被覆した
ものを使用した。膜面積25m2 (1m×0.5m、1
m2 /枚×25枚)、膜間距離7mm、膜の張り度合い
は膜間距離の1/2とした。そして気泡の上昇速度を
0.7cm/sとして連続エアバブリングしながら、透
過流束0.4m3 /(m2 ・d)で定量ろ過した。な
お、比較のため、剛性の支持体としてFRPを用いた以
外は同じ平膜を用いて、同様の実験を行った。その結
果、図3に示すように膜間差圧は両方の平膜とも約2ケ
月間約5kPaで推移した。しかし、剛性支持体を用い
た平膜は、約2ケ月間過ぎ頃から膜間差圧が上昇しはじ
め、急激に20kPa以上になった。これに対して、可
撓性の支持体を用いた平膜は、約4ケ月間初期の膜間差
圧を保持して定量ろ過をすることができた。このように
懸濁物を含む原液中の懸濁物を長期間にわたって効率よ
く膜分離できることから、本発明によれば、膜面上のケ
ーキを効率よく除去できることが分かる。
【0015】
【発明の効果】本発明の浸漬型平膜分離装置によれば、
膜面上のケーキを効率よく除去でき、懸濁物を含んだ廃
液中の懸濁物を効率よく膜分離することができ、長時間
ろ過を継続することができる。
膜面上のケーキを効率よく除去でき、懸濁物を含んだ廃
液中の懸濁物を効率よく膜分離することができ、長時間
ろ過を継続することができる。
【図1】本発明の一実施例を示す浸漬型平膜分離装置の
略示系統図である。
略示系統図である。
【図2】平膜の張り度合いを示す説明図である。
【図3】実施例1における長期ろ過の結果を示す膜間差
圧の経日変化図である。
圧の経日変化図である。
【図4】可撓性の支持体を用いた平膜と剛性の支持体を
用いた平膜の比較実験に用いた平膜の説明図である。
用いた平膜の比較実験に用いた平膜の説明図である。
【図5】図4に示した平膜による1時間の累積ろ過量を
示すグラフである。
示すグラフである。
10 分離槽 11 平膜 13 透過液取出部 14 透過液取出部 15 散気部 18 枠 19 ねじ 20 濃縮液排出口 30 吸引ポンプ 31 圧力指示調節計 32 流量指示調節計 33 送風機 a 設定した膜間距離 b 平膜の中央部が隣接する平膜に最も近寄ったとき
の距離
の距離
フロントページの続き (72)発明者 河西 正隆 東京都千代田区内神田1丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 複数の平膜を一定間隔に垂直に配置し、
平膜の下方に散気手段を設置した浸漬型膜分離装置にお
いて、可撓性の透水材の両面にろ過膜を被覆した平膜を
用い、垂直に配置した平膜の横方向の両端又は片端に透
過液取出部を設け、複数の平膜及び透過液取出部の全体
を枠で囲んで固定し、平膜の横方向の張りの度合いを調
節する手段を設けたことを特徴とする浸漬型平膜分離装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27358595A JPH0985064A (ja) | 1995-09-27 | 1995-09-27 | 浸漬型平膜分離装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27358595A JPH0985064A (ja) | 1995-09-27 | 1995-09-27 | 浸漬型平膜分離装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0985064A true JPH0985064A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17529852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27358595A Pending JPH0985064A (ja) | 1995-09-27 | 1995-09-27 | 浸漬型平膜分離装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0985064A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003086987A1 (en) * | 2002-04-12 | 2003-10-23 | Seghers Keppel Technology Group | Method and device for purifying a liquid medium |
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WO2011004743A1 (ja) * | 2009-07-10 | 2011-01-13 | 住友電工ファインポリマー株式会社 | 濾過用平膜エレメント、平膜型分離膜モジュールおよび濾過装置 |
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1995
- 1995-09-27 JP JP27358595A patent/JPH0985064A/ja active Pending
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CN102470323A (zh) * | 2009-07-10 | 2012-05-23 | 住友电工超效能高分子股份有限公司 | 用于过滤的平膜元件、平膜型分离膜组件以及过滤装置 |
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