JPH098378A - 磁歪素子 - Google Patents

磁歪素子

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JPH098378A
JPH098378A JP7171556A JP17155695A JPH098378A JP H098378 A JPH098378 A JP H098378A JP 7171556 A JP7171556 A JP 7171556A JP 17155695 A JP17155695 A JP 17155695A JP H098378 A JPH098378 A JP H098378A
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JP
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magnetostrictive
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magnetostrictive element
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Withdrawn
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JP7171556A
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Inventor
Hiroko Uyama
浩子 宇山
Naoya Hasegawa
直也 長谷川
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 希土類−鉄系の磁歪材料のうち、希土類(正
の磁歪を示す元素と負磁歪を示す元素)の組成比を変
え、磁歪値に傾斜をつけることにより、例えば磁歪アク
チュエータの効率を向上させる。 【構成】 希土類−鉄系の磁歪材料で構成された、正磁
歪を示す希土類元素と負磁歪を示す希土類元素を組み合
わせとする素子であって、特に膜面内または膜厚方向に
おいて、磁歪に傾斜をつけた磁歪素子と膜方向で磁歪に
傾斜をつけた磁歪素子とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁界を印加することに
よって作動する磁歪素子、特に高磁歪を利用した磁歪応
用デバイスに適した磁歪素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁歪を利用した装置としては、磁歪フィ
ルタ、磁歪センサ、磁歪駆動アクチュエータ、磁歪振動
子、超音波遅延線等が知られている。これらには特にF
eと希土類元素を含む高磁歪材料を使用した磁歪素子が
用いられてきた。磁歪材料を実際の装置に応用する際
は、低磁界の印加で高磁歪が実現できる特性が望まし
く、希土類系の材料を用いた磁歪素子がよく知られてい
る。
【0003】このような磁歪素子の例として、図10、
図12に示したものがある。図10に示す磁歪素子はユ
ニモルフ型の片持ち梁型アクチュエータであり、図12
に示すものはユニモルフ型の磁歪素子をさらに進歩させ
たバイモルフ型のアクチュエータを示すものである。
【0004】図10に示したユニモルフ型の磁歪素子は
長方形の基板1にFeと希土類元素を含み、絶対値で1
0−5〜10−3の高い磁歪値を有する磁性膜2を成膜
したものである。磁性膜2に外部から磁界が印加される
と、磁性膜2が膨張もしくは圧縮する。この時、例えば
磁性膜2が正の磁歪を有しているとすると、基板1の長
手方向(図11、矢印Gの方向)に磁界が印加されたと
き、磁性膜2が矢印Gの方向に膨張するため、磁歪素子
は図11(a)のように変位する。また、Hの方向に磁
界が印加されたとき、磁性膜2はHの方向に膨張するた
め、矢印Gの方向においては圧縮する。従って、磁歪素
子は図11(b)のように変位する。
【0005】一方、図12に示すバイモルフ型の磁歪素
子はユニモルフ型の磁歪素子と同様の基板1の両面に高
い磁歪値を有する磁性膜3、4が成膜されている。磁性
膜3、4はどちらかが正磁歪、どちらかが負磁歪を示す
磁性膜であり、外部から磁界を印加した場合、磁性膜
3、4は一方が圧縮し、他方は膨張する。従って、ユニ
モルフ型の磁歪素子の場合と同様、磁歪素子が変位す
る。しかし、バイモルフ型の磁歪素子の場合、磁性膜
3、4の2層の磁性膜で基板を変位させることができる
ため、より大きな変位と駆動力を得ることが出来る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たようなユニモルフ、バイモルフ型の磁歪素子には次の
ような欠点があった。
【0007】ユニモルフ型の素子においては基板1に磁
性膜2を片方にだけ成膜すればよいだけであるため、構
造が簡単で磁歪素子が製造しやすいという利点があるも
のの、振動を励起させる磁性膜が単層であるため、大き
な変位を得ることが難しいという欠点があった。
【0008】また、バイモルフ型の磁歪素子においては
ユニモルフ型の磁歪素子よりも大きな変位が得られると
いう利点があるものの、基板の両面に磁性膜を形成しな
くてはならず、スパッタリング法などで磁性膜3、4を
成膜する場合、基板1の両面に2回に分けて磁性膜3、
4を成膜しなくてはならないため、製造工程が複雑であ
る。また、基板と磁性膜との総接触面積がユニモルフ型
の場合に比較して2倍に増加するため応力による影響が
大きくなり、磁歪素子に変位が発生した場合、その応力
によって、磁性膜3、4が基板1からはがれやすくなる
という欠点があった。
【0009】本発明は、上述したような課題を解決すべ
くなされたものであり、本発明の目的は、大きな変位量
が得られ、膜はがれが少なく、製造するのが容易な磁歪
素子を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に第1の発明は、基板上に磁歪値の絶対値が最大で10
−5〜10−3である磁性合金からなる磁性薄膜を成膜
した磁歪素子であって、前記磁性薄膜は正の磁歪値を示
す領域と、負の磁歪値を示す領域が存在している磁歪素
子としたものである。
【0011】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて前記磁性薄膜の膜面内で磁歪値に傾斜をつけた磁歪
素子としたものである。
【0012】また、第3の発明は、前記第1の発明また
は第2の発明において前記磁性薄膜の膜厚方向で磁歪値
に傾斜をつけた磁歪素子としたものである。
【0013】また、第4の発明は、前記第1乃至第3の
発明において前記磁性薄膜のうち正の磁歪値を示す領域
はFeとTb、Dy、Hoのうちの1種または2種以上
の元素M1 とを含み、負の磁歪値を示す領域はFeとS
m、Er、Tmのうちの1種または2種以上の元素M2
とを含む磁歪素子としたものである。
【0014】さらに、第5の発明においては前記第1乃
至第4の発明において前記磁性薄膜は磁歪値が最大の領
域から連続的に磁歪値が変化し、磁歪値がほぼゼロとな
る遷移領域を経て磁歪値が最小となる領域を有する磁歪
素子としたものである。
【0015】
【作用】上記手段において、基板上に磁歪値の絶対値が
最大で10−5〜10−3である磁性合金からなる磁性
薄膜を成膜する際に、正の磁歪値を示す領域と、負の磁
歪値を示す領域を存在させることによって、従来のバイ
モルフ型の磁歪素子と同等の変位量を得ることが出来
る。
【0016】また、同一面内でまたは膜厚方向で磁歪値
に傾斜を付けて成膜することにより、単層の磁性膜で大
きな変位量を得ることが出来る。
【0017】さらに、正の磁歪値を示す領域をFeとT
b、Dy、Hoのうちの1種または2種以上の元素M1
とを含ませるように構成し、負の磁歪値を示す領域はF
eとSm、Er、Tmのうちの1種または2種以上の元
素M2 とを含ませるように構成することにより磁歪値の
制御がより確実にできるため、大きな変位量が確実に得
られる。
【0018】また、磁歪値が最大の領域から連続的に磁
歪値を変化させ、磁歪値がほぼゼロとなる遷移領域を経
て磁歪値が最小となる領域を有する磁性膜の構成とする
ことにより磁性膜への応力の集中が緩和され、膜はがれ
が起こりにくくなる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。 (実施例1)図1は本発明の第1実施例における磁歪素
子の側面図である。本実施例の磁歪素子はホウケイ酸ガ
ラス、結晶化ガラス等からなり長方形もしくは梁状に加
工された基板1上に磁性膜2が形成されている。この磁
性膜2は長手方向に沿って、磁歪値が正の値を示す正磁
歪の領域20と磁歪値が零または零近傍の値を示す遷移
領域21と磁歪値が負の値を示す負磁歪の領域22がこ
の順に形成されている。
【0020】このようにして構成された磁歪素子は次の
ように変位する。図2に示すように、成膜後の磁歪素子
の梁の長さ方向(矢印Aの方向)に磁界を印加した場
合、磁性膜2の正磁歪の領域20は矢印Aの方向に伸
び、負磁歪の領域22は縮む。従って、図2に示すよう
に、正磁歪の領域20が下方にたわみ、Cの変位量を生
じる。また、負磁歪の領域22が上方にたわみ、Dの変
位量を生じる。そして、印加磁界の方向を磁歪素子の長
さ方向とは垂直の方向(矢印Bの方向)にすると、たわ
み方は上下逆になる。このように本実施例の磁歪素子に
よれば、素子全体の変位量はCとDを加え合わせたもの
となるため、従来のユニモルフ型より大きな変位量が得
られる。
【0021】次に、本実施例における磁歪素子の製造方
法の例を説明する。図5は、上記した磁性膜2を成膜す
る場合のターゲットのセッティングを示す図である。図
5に示すように、正磁歪の領域20と遷移領域21と負
磁歪の領域22を有するように磁歪値に傾斜を持たせる
ためには、アーク溶解で作成された純鉄ターゲット6に
希土類チップを貼った複合ターゲットを用いる。符号7
に示す白抜きのチップはFeと複合添加することによ
り、負の磁歪を示す元素(Sm、Er、Tm等)を使用
した負磁歪チップであり、8に示す斜線を施したチップ
はFeと複合添加することにより正の磁歪を示す元素
(Tb、Dy、Ho等)を使用した正磁歪チップであ
る。なお、負磁歪チップ7、正磁歪チップ8は磁歪の符
号が逆であれば正負は逆でもよい。図5に示すように、
本実施例では中央部に近づくにしたがって負磁歪チップ
7と正磁歪チップ8を徐々に減らし、中央部では純鉄に
近い組成になるようにする。このようにターゲットを作
成し、スパッタリングを行うと、基板1には正磁歪の領
域20と遷移領域21と負磁歪の領域22を有し、磁歪
素子の長手方向に沿って磁歪値に傾斜を有する磁性膜2
が形成される。この際のスパッタリングの条件は、RF
パワー:500W以下、Ar圧:4mtorr〜5mT
orr(ただし、O、Nを含んでもよい)、Ar 流量:
75sccm〜80sccm(ただし、O、Nを含んで
もよい)、ターゲット−基板間距離:50mm以下とし
た。このような条件で磁性膜2を作成したところ、基板
1上に1μm〜3μmの磁性膜が成膜された。
【0022】さらに、本実施例の磁歪素子の他の製造例
について説明する。図5は本製造例ににおけるターゲッ
トのセッティングを示す図である。本製造例によれば、
ターゲットに取り付けるチップの配置を、前述した製造
例のように中央部に近づくに従ってチップの枚数を減ら
していくのではなく、負磁歪チップ7と正磁歪チップ8
の枚数を中央部においてしだいに同数に近づけ、つまり
組成比を近づけていくようにして配置する。このように
作成されたターゲットを使用することにより、やはり、
前に述べたように基板1に磁歪値が傾斜した磁性膜2が
形成される。この際のスパッタリングの条件は、RFパ
ワー:500W以下、Ar圧:4mTorr〜5mTo
rr(ただし、O、Nを含んでもよい)、Ar流量:7
5sccm〜80sccm(ただし、O、Nを含んでも
よい)、ターゲット−基板間距離:50mm以下であ
り、基板1上に1μm〜3μmの磁性膜が成膜された。
【0023】上述した2つの製造例においては、磁歪値
を調整するために負磁歪チップ7と正磁歪チップ8の枚
数を適宜調整すれば良いため、容易に磁歪値が傾斜した
磁性膜2が成膜できる。
【0024】なお、本実施例においては遷移領域21を
作成しているが、遷移領域は磁性膜2に対する応力の集
中を回避させるものであり、このような応力の集中によ
る影響が無視できれば、正磁歪の領域20と負磁歪の領
域22のみで磁性膜2を成膜しても良い。 (実施例2)図3は本発明の第2実施例を示す図であ
る。本実施例においては第1実施例と同様、ホウケイ酸
ガラス、結晶化ガラス基板等からなり、長方形もしくは
梁状に加工された基板1上に磁性膜2が形成されてい
る。磁性膜2は基板1に近い方から順に負磁歪の領域2
2と遷移領域21と正磁歪の領域20が形成されてい
る。
【0025】このようにして形成された本実施例におけ
る磁歪素子の変位を図4を参照しながら説明する。図4
は本実施例の変位の様子を示した斜視図である。磁歪素
子の梁の長さ方向(矢印Eの方向)に磁界を印加すると
磁性膜2のうち、正磁歪の領域20の部分は磁歪素子の
長手方向に伸び、負磁歪の領域22の部分は逆に縮むた
め、図4に示すように磁性膜2の方向に膨らむように磁
歪素子がたわむ。また、磁歪素子の長手方向と垂直な方
向(図中Fの方向)に磁界を印加すると正磁歪の領域2
0の部分は磁歪素子の長手方向に縮み、逆に負磁歪の領
域22は伸びるため、磁歪素子の基板1側が膨らむよう
に、すなわち、図4の場合とは逆の方向にたわむ。
【0026】このように、本実施例における磁歪素子の
場合、磁性膜2の正磁歪の領域20及び負磁歪の領域2
2が互いに逆の方向に変位するため、磁歪素子全体の変
位(たわみ)を互いに促進させることとなる。従って、
従来のユニモルフ型の磁歪素子よりも大きな変位を1つ
の基板の片側に磁性膜2を成膜するだけで得ることがで
きる。
【0027】また、遷移領域21は正磁歪の領域20と
負磁歪の領域22が逆に変位することに対する応力の集
中を緩和する働きをするが、このような影響を無視すれ
ば遷移領域21は設ける必要はない。
【0028】次に、本実施例における磁歪素子の製造例
について説明する。図7は本製造例に用いるスパッタリ
ング用のターゲットの平面図、図8はΙ−Ι線における
断面図である。図7、図8に示すように、負磁歪チップ
7と正磁歪チップ8を円錐系にしたもの(断面的に見る
とくさび型である)を純鉄ターゲット6の中に埋めこ
む。この純鉄ターゲット6は、例えば、あらかじめ円錐
形の穴ができるように型に円錐状の形状を作っておき、
この型に純鉄を流し込み、できあがった円錐形の窪みの
中に、Tb、Dy、Ho、Sm、Er、Tm等の金属を
流し込むことによって作成できる。
【0029】このようにして作成されたターゲットを用
いてスパッタリングを始めると、ターゲットは図中の下
から削られていくため、基板1上には膜厚方向に正磁歪
から負磁歪に傾斜した、すなわち、基板に近い方から順
に負磁歪の領域22と遷移領域21と正磁歪の領域20
を有する磁性膜2が形成できる。なお、負磁歪チップ7
と正磁歪チップ8の配置は逆でもよい。
【0030】次に、本実施例の他の製造例を図9を参照
しながら説明する。図9に実施例3とは別の方法で膜厚
方向に磁歪値の傾斜をつける実施例を示す。本製造例に
おいては、1つのスパッタ装置内に2つのターゲット1
3,14を配置し、2極放電をしながら基板ホルダー1
6をH方向に回転させ、基板15が2つのターゲットの
下を交互に通過するようにセッテイングする。例えば、
ターゲット13は負磁歪チップ7のついた純鉄ターゲッ
トとし、ターゲット14は正磁歪チップ8のついた純鉄
ターゲットとし、ターゲット13には700Wの高いパ
ワーをかけ、ターゲット14には100Wの低いパワー
をかける。そして、時間の経過とともターゲット13の
パワーを700Wから100Wに徐々に下げ、それと同
時にターゲット14のパワーを100Wから700Wに
上げていく。
【0031】その下で基板ホルダー16をH方向、ある
いは逆方向に回転させながら成膜すると、パワーの高い
方の元素が多量にスパッタされるため、基板に近い側に
負の磁歪値を示す元素、基板から遠く表面に近い側に正
の磁歪値を示す元素が多く含まれるような磁歪値に傾斜
のついた磁性膜2ができる。
【0032】なお、膜作成の方法として、ターゲットの
配置、パワーのかけ方は逆でもよい。このとき、注意す
べき点は基板ホルダーの回転速度を遅くし過ぎると正磁
歪膜と負磁歪膜の多層膜ができてしまうことである。そ
のため、ある程度回転速度を速くし、原子のオーダーで
正磁歪元素と負磁歪元素が積層されるように調節する必
要がある。
【0033】上記各実施例においては、成膜後、磁歪値
が正または負の領域は、正磁歪あるいは負磁歪の大きな
磁歪値を持たなければならない。正磁歪を示す希土類元
素を多く含む正磁歪の領域20または負磁歪を示す希土
類元素を多く含む負磁歪の領域22は、希土類−鉄系ラ
ーベス型金属間化合物REFe2であること、磁歪値は
10−5〜10−3、より好ましくは10−4〜10−
3のオーダーであることが望ましい。正磁歪元素として
は、Tb、Dy、Hoが、負磁歪元素としてはSm、E
r、Tm等が挙げられる。これらの元素の添加量は30
〜60原子%であることが好ましい。
【0034】上述したように、ユニモルフ型の構造の中
に、磁歪値を負から正の広い範囲に設定することによっ
て、大きなたわみを生じることができる。さらに、N
(窒素)を加えることで軟磁性化し、低磁界でも大きな
変位が生じるようにすることができる。低磁界で感度が
良い磁性膜2を得ることによって、磁歪素子の応用製品
への用途が広がる。なお、磁性膜2中にO(酸素)が少
量含まれていても良い。
【0035】また、上記実施例のおいては、磁性膜2が
単層であるため、バイモルフ型に比べ、基板と膜の接触
面を2分の1となる。従って、強い圧縮応力、あるいは
引っ張り応力の影響が低減できるため、磁性膜2の膜は
がれ等の発生を防止できる。
【0036】さらに、面積的に利点があるだけでなく、
磁歪値に傾斜を持たせ、遷移領域21を設けることによ
り、膜表面に無理な応力がかかることがなく、ひび割れ
などの損傷を少なくすることができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
〜3に記載した磁歪素子によれば、磁性膜を単層で形成
できるため、内部応力による磁歪特性劣化を最低限に抑
え、バイモルフ型の磁歪素子に匹敵する変位量を得るこ
とができる。従って、本発明の磁歪素子を磁歪アクチュ
エータとして使用した場合、磁気−機械変換効率が向上
する。また、磁性膜を単層とすることができるため、基
板と膜の接触面を従来のバイモルフ型の磁歪素子と比較
して、1/2とすることができるため、応力による膜は
がれ等を低減することができ、製造工程も簡略化でき
る。
【0038】また、請求項4に記載した磁歪素子によれ
ば、大きな正磁歪または負磁歪を有する磁性膜が確実に
得ることができる。
【0039】さらに、請求項に記載の5に記載の磁歪素
子によれば、磁性膜の応力の集中を避けることが可能で
あり、磁性膜のひび割れなどの損傷を防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における磁歪素子を示す斜
視図である。
【図2】本発明の第1実施例における磁歪素子の変位の
様子を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例における磁歪素子を示す斜
視図である。
【図4】本発明の第2実施例における磁歪素子の変位の
様子を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施例における磁歪素子の磁性膜
を成膜するためのスパッタリング用ターゲットを示す平
面図である。
【図6】本発明の第1実施例における磁歪素子の磁性膜
を成膜するためのスパッタリング用ターゲットの他の実
施例を示す平面図である。
【図7】本発明の第2実施例における磁歪素子の磁性膜
を成膜するためのスパッタリング用ターゲットを示す平
面図である。
【図8】本発明の第2実施例における磁歪素子の磁性膜
を成膜するためのスパッタリング用ターゲットのΙ−Ι
線における断面図である。
【図9】本発明の第2実施例における磁歪素子の磁性膜
を成膜するためのスパッタリング装置の概要図である。
【図10】従来の磁歪素子(ユニモルフ型)を示す斜視
図である。
【図11】従来の磁歪素子の動作を示す図である。
【図12】従来の磁歪素子(バイモルフ型)を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 基板 2 磁性膜 6 純鉄ターゲット 7 正磁歪チップ 8 負磁歪チップ 20 正磁歪領域 21 遷移領域 22 負磁歪の領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に磁歪値の絶対値が最大で10−
    5〜10−3である磁性合金からなる磁性薄膜を成膜し
    た磁歪素子であって、前記磁性薄膜は正の磁歪値を示す
    領域と、負の磁歪値を示す領域が存在していることを特
    徴とする磁歪素子。
  2. 【請求項2】 前記磁性薄膜の膜面内で磁歪値に傾斜を
    つけたことを特徴とする請求項1に記載の磁歪素子。
  3. 【請求項3】 前記磁性薄膜の膜厚方向で磁歪値に傾斜
    をつけたことを特徴とする請求項1に記載の磁歪素子。
  4. 【請求項4】 前記磁性薄膜のうち正の磁歪値を示す領
    域はFeとTb、Dy、Hoのうちの1種または2種以
    上の元素M1 とを含み、負の磁歪値を示す領域はFeと
    Sm、Er、Tmのうちの1種または2種以上の元素M
    2 とを含むことを特徴とする請求項1乃至3に記載の磁
    歪素子。
  5. 【請求項5】 前記磁性薄膜は磁歪値が最大の領域から
    連続的に磁歪値が変化し、磁歪値がほぼゼロとなる遷移
    領域を経て磁歪値が最小となる領域を有することを特徴
    とする請求項1乃至4に記載の磁歪素子。
JP7171556A 1995-06-14 1995-06-14 磁歪素子 Withdrawn JPH098378A (ja)

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