JPH0982121A - 車両用灯具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用灯具において消灯時に正面から見た場
合の灯具全体の一体感を向上させる。 【解決手段】 車両用灯具は、上下面が平行なハウジン
グ２の前面にレンズ６を備え、背面にバルブ３、４とそ
の発光を反射するリフレクタを備え、このリフレクタは
発光を前方へ反射するようにバルブ背後位置から側方へ
向かうのに伴ってレンズに向けて前進する第１の傾斜面
５ａと、この傾斜面よりも幅狭の後退する第２の傾斜面
５ｂとが交互に繰返される複数段の鋸歯形状に形成され
ている。バルブ３、４に、その周囲を包囲する直方体状
のバルブキャップ１０、２０を装着すると共に、複数段
の鋸歯形状の正面視に対応して、バルブキャップ１０、
２０の正面における第１の傾斜面５ａの正面視の横幅を
有する方形領域に第２の傾斜面５ｂの正面視の横幅の隙
間１２、２２を置いて完全もしくは不完全の反射膜１１
を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジングの平行
な上下面間の背面のリフレクタが、上下方向には同一面
状に形成され、かつ側方には複数段の鋸歯形状に形成さ
れた車両用灯具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３は、方向指示灯及び後退灯が共通の
ハウジング２に構成されたこの種の車両用灯具を示す。
一方のハウジング部分には、アンバキャップ３ａが装着
されたバルブ３が取付けられ、他方のハウジング部分に
はキャップが装着されていない後退灯用バルブ４が取付
けられている。さらに、ハウジング２の互に平行な上下
面２ａ、２ｂ間の背面に、所属のバルブ３、４の発光を
前方へ反射するために、車幅方向へ複数段の鋸歯形状に
形成されたリフレクタ５を備えている。

【０００３】各鋸歯形状部分は、バルブ３、４の発光を
ハウジング前方へ反射するようにバルブ３、４の背後位
置から側方へ離れるのに伴って前面のレンズ６に向けて
前進し、かつ側方へ幅広の傾斜面５ａと、隣接する傾斜
面５ａにバルブ発光を入射させるようにその入射方向に
沿ってバルブ３、４から側方へ離れるのに伴って急傾斜
で後退する幅狭の傾斜面５ｂとより構成されている。こ
れにより、リフレクタ５は、ハウジング２の上下面２
ａ、２ｂ間が狭く、横幅が広くても所属のバルブ３、４
の発光を有効に傾斜面５ａでハウジング前方へ反射す
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の車両用灯具においては、特にハウジング前面のレンズ
の素通し感が強い場合、消灯時にレンズを通して鋸歯形
状のリフレクタが見えるために、バルブ或はこれに装着
されたバルブキャップとの一体感、即ち灯具全体の一体
感が損なわれる問題がある。

【０００５】本発明は、このような点に鑑みて、消灯時
に正面から見た場合の灯具全体の一体感を向上させ得る
冒頭に述べた類の車両用灯具を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するために、請求項１により、上下面が平行なハウジ
ングの前面にレンズを備え、背面にバルブとその発光を
反射するリフレクタを備え、このリフレクタが発光を前
方へ反射するようにバルブ背後位置から側方へ向かうの
に伴ってレンズに向けて前進する第１の傾斜面と、この
傾斜面よりも幅狭の後退する第２の傾斜面とが交互に繰
返される複数段の鋸歯形状に形成された車両用灯具にお
いて、バルブに、その周囲を包囲する直方体状のバルブ
キャップを装着すると共に、複数段の鋸歯形状の正面視
に対応して、バルブキャップの正面における第１の傾斜
面の正面視の横幅を有する方形領域に第２の傾斜面の正
面視の横幅の隙間を置いて完全もしくは不完全の反射膜
を形成した、ことを特徴とする。

【０００７】消灯状態において、リフレクタは、レンズ
を通してハウジング正面から見た場合に、第１及び第２
の傾斜面の反射方向の相違により幅広及び幅狭が繰返さ
れる縞状の模様に見える。バルブキャップの正面におい
てもリフレクタの幅広の第１の反射性の傾斜面に対応す
る反射膜が複数段の鋸歯形状の正面視に対応して見え
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１乃至図２を基に本発明を図３
に示す車両用灯具に適用した場合の実施例を説明する。
したがって、図３のものと同一符号は同一もしくは同等
部分を示す。１０は、方向指示用のバルブ３の周囲を包
囲して装着される直方体状のアンバ色のバルブキャップ
である。その正面の表面には、幅広の傾斜面５ａを正面
から見た横幅に略相当する複数の方形領域に、幅狭の傾
斜面５ｂを正面から見た横幅に略相当する横幅の筋状の
隙間１２を置いて完全な反射膜１１がアルミニウムの蒸
着により形成されている。

【０００９】後退灯用バルブ４にも無着色のクリアな直
方体状のバルブキャップ２０が装着されている。その正
面の表面にも同様にアルミニウムの蒸着による反射膜２
１及びアルミニウムの蒸着されない複数条の隙間２２が
形成されている。

【００１０】このように構成された車両用灯具の動作
は、次の通りである。消灯時には、ハウジング２の互に
平行な上下面２ａ、２ｂ間の背面は、レンズ６を通して
ハウジング正面から見た場合に反射状態の相違により幅
広及び幅狭の反射面が繰返される縞状の模様に見える。
一方、バルブキャップ１０の正面は、リフレクタ５の幅
広の傾斜面５ａに対応した形状の反射膜１１が配列され
て見える。したがって、相対的に大きな面積の反射面で
ある傾斜面５ａと類似の反射面が、バルブキャップ１０
の正面にも同様に間欠的に見えるために、見掛け上でリ
フレクタ５が連続するように見え、車両用灯具の一体感
が増すことになる。後退灯用バルブ４にも本発明により
クリアのバルブキャップ２０を装着することにより、バ
ルブ４が直接見えることなく同様に一体感が得られるこ
とになる。

【００１１】点灯時にはバルブキャップ１０、２０の周
面から充分な光量が出射され、また隙間１２、２２から
もバルブキャップ１０、２０と同色に出射され、ハウジ
ング正面のレンズ６から本発明を適用しない場合と実質
上同等の光照射が行われることが確認されている。

【００１２】尚、前述の実施例に代えて扁平型のリヤコ
ンビネーションランプ或は１灯型等種々の車両用灯具に
適用可能である。またアルミ蒸着に代えて完全反射膜と
してホットスタンプにより完全反射膜を形成したり、或
はアルミニウムのハーフ蒸着により半透光性の不完全反
射膜を形成することも考えられる。

【００１３】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、簡単な構成に
より、消灯時においてハウジングを正面から見た連続感
がバルブ又はキャップにより損われず、ランプ全体の一
体感が向上する。消灯時の全体的な縞状模様と点灯時の
全域発光面との差が明確となり、視認性、安全性も向上
する。

【００１４】請求項２の発明によれば、方向指示灯のバ
ルブのアンバキャップにリフレクタの鋸歯形状に対応し
て完全又は不完全の反射膜を形成することにより、特に
前面レンズがクリアであっても一体感を増すことができ
る。

【００１５】請求項３の発明によれば、クリアな後退灯
用にも敢えてキャップを装着することにより、一体感を
増すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による車両用灯具のバルブキ
ャップを取外した状態の斜視図である。

【図２】同車両灯具の要部を示すもので、同図Ａはハウ
ジング背面の部分断面図、同図Ｂはその部分正面図であ
る。

【図３】従来の車両用灯具の分解斜視図である。

【符号の説明】

３、４ バルブ５ａ、５ｂ 傾斜面 １０、２０ バルブキャップ １１、２１ 反射膜 １２、２２ 隙間

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下面が平行なハウジングの前面にレン
   ズを備え、背面にバルブとその発光を反射するリフレク
   タを備え、このリフレクタが発光を前方へ反射するよう
   にバルブ背後位置から側方へ向かうのに伴ってレンズに
   向けて前進する第１の傾斜面と、この傾斜面よりも幅狭
   の後退する第２の傾斜面とが交互に繰返される複数段の
   鋸歯形状に形成された車両用灯具において、 バルブに、その周囲を包囲する直方体状のバルブキャッ
   プを装着すると共に、複数段の鋸歯形状の正面視に対応
   して、前記バルブキャップの正面における第１の傾斜面
   の正面視の横幅を有する方形領域に第２の傾斜面の正面
   視の横幅の隙間を置いて完全もしくは不完全の反射膜を
   形成した、ことを特徴とする車両用灯具。
2. 【請求項２】 方向指示用にハウジング前面のレンズが
   クリアであると共に、バルブキャップがアンバ色である
   ことを特徴とする請求項１の車両用灯具。
3. 【請求項３】 後退灯用にハウジング前面のレンズがク
   リアであると共に、バルブキャップもクリアであること
   を特徴とする請求項１の車両用灯具。