JPH0980366A - 音響光学デバイス - Google Patents
音響光学デバイスInfo
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- JPH0980366A JPH0980366A JP23693595A JP23693595A JPH0980366A JP H0980366 A JPH0980366 A JP H0980366A JP 23693595 A JP23693595 A JP 23693595A JP 23693595 A JP23693595 A JP 23693595A JP H0980366 A JPH0980366 A JP H0980366A
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- lens
- acousto
- diffractive lens
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、光学系を集積化することにより、小
型化および低コスト化を実現することができる音響光学
デバイスを提供することを目的とする。 【解決手段】本発明に係る音響光学デバイスは、音響光
学材料4を母材とする基板14と、基板14の表面に周
期的な光学的位相差を発生させる構造を有する回折型レ
ンズ3と、回折型レンズ3へのレーザ光を発生させるレ
ーザ光源1と、基板14中に音響波を励起させるための
トランスジューサ5および高調波電源6と、音響波の反
射を防ぐための吸音材9を有することを特徴とする。
型化および低コスト化を実現することができる音響光学
デバイスを提供することを目的とする。 【解決手段】本発明に係る音響光学デバイスは、音響光
学材料4を母材とする基板14と、基板14の表面に周
期的な光学的位相差を発生させる構造を有する回折型レ
ンズ3と、回折型レンズ3へのレーザ光を発生させるレ
ーザ光源1と、基板14中に音響波を励起させるための
トランスジューサ5および高調波電源6と、音響波の反
射を防ぐための吸音材9を有することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光偏向と光周波数
シフトの効果を利用した光センシングおよび計測システ
ムに関する音響光学デバイスに関する。
シフトの効果を利用した光センシングおよび計測システ
ムに関する音響光学デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を図9に示す。
【0003】従来の音響光学効果を利用した光装置は、
その構成部品である音響光学変調器(AOM;Acoustu
c Optical Modulator)とレンズとがそれぞれが分
離されて構成されている。また、ファイバへの結合を含
めたシステムになると、その他に光結合レンズ系を必要
とした。
その構成部品である音響光学変調器(AOM;Acoustu
c Optical Modulator)とレンズとがそれぞれが分
離されて構成されている。また、ファイバへの結合を含
めたシステムになると、その他に光結合レンズ系を必要
とした。
【0004】図9を用いて、この従来の光装置の動作原
理を説明する。
理を説明する。
【0005】図9に示すように、半導体レーザ1から照
射された発散光2は空間を伝搬し、コリメータレンズ3
1に入射される。
射された発散光2は空間を伝搬し、コリメータレンズ3
1に入射される。
【0006】コリメータレンズ31により、平行光34
に変換されたビームは音響光学変調器32へ入射され
る。
に変換されたビームは音響光学変調器32へ入射され
る。
【0007】そして高調波電源6で音響光学変調器32
内に励起される周期f1 の音響波の回折格子によって、
平行光34は回折光12と非回折光13とに分離され
る。
内に励起される周期f1 の音響波の回折格子によって、
平行光34は回折光12と非回折光13とに分離され
る。
【0008】これらのビームは、図9に示すように、結
合レンズ33を通してそれぞれの光ファイバ21、22
に結合される。
合レンズ33を通してそれぞれの光ファイバ21、22
に結合される。
【0009】
(1)従来の、音響光学効果を応用した光装置は、音響
光学変調器とレンズ等の光学系とが分離して構成せざる
を得ないため、光装置と各光学部品との光軸調整が必要
である。
光学変調器とレンズ等の光学系とが分離して構成せざる
を得ないため、光装置と各光学部品との光軸調整が必要
である。
【0010】そのために大きな収納スペースを必要とす
る。
る。
【0011】また、光軸調整の煩雑さと別途光学系が必
要なことから、これらの光装置は高コストになるという
問題がある。
要なことから、これらの光装置は高コストになるという
問題がある。
【0012】(2)従来の回折型レンズの基板は、ほと
んどがSiやガラスのような単元素(または、単純な原
子構造)から成る材料であった。そのため、従来の作製
法であるRIEによるエッチング(反応性ガスによる選
択的なドライエッチング)でも良好な回折型レンズが作
製できた。
んどがSiやガラスのような単元素(または、単純な原
子構造)から成る材料であった。そのため、従来の作製
法であるRIEによるエッチング(反応性ガスによる選
択的なドライエッチング)でも良好な回折型レンズが作
製できた。
【0013】しかし、LiNbO3 のような音響光学材
料は、多元化合物(多くの元素から構成されている材
料)の場合が多く、RIEエッチングで形状を作製した
場合、そのエッチングされた表面は、エッチングに用い
た反応性ガスと基板を構成する一部の元素との複雑な化
学反応によって様々なダメージを受ける。例えば、Li
NbO3 では白くなって光が透過しなくなるようなこと
が生じる。
料は、多元化合物(多くの元素から構成されている材
料)の場合が多く、RIEエッチングで形状を作製した
場合、そのエッチングされた表面は、エッチングに用い
た反応性ガスと基板を構成する一部の元素との複雑な化
学反応によって様々なダメージを受ける。例えば、Li
NbO3 では白くなって光が透過しなくなるようなこと
が生じる。
【0014】そのため、RIEエッチングを用いようと
すれば、複雑な条件の抽出が必要になる。
すれば、複雑な条件の抽出が必要になる。
【0015】本発明は、これらの問題を解決することが
できる音響光学デバイス、および回折型レンズの製作方
法を提供することを目的とする。
できる音響光学デバイス、および回折型レンズの製作方
法を提供することを目的とする。
【0016】
(第1の手段)本発明に係る音響光学デバイスは、音響
光学材料を母材とする基板を有する光学デバイスにおい
て、前記基板の表面に周期的な光学的位相差を発生させ
る構造を有する回折型レンズを設けたことを特徴とす
る。
光学材料を母材とする基板を有する光学デバイスにおい
て、前記基板の表面に周期的な光学的位相差を発生させ
る構造を有する回折型レンズを設けたことを特徴とす
る。
【0017】(第2の手段)本発明に係る音響光学デバ
イスは、(A)音響光学材料を母材とする基板と、
(B)前記基板の表面に周期的な光学的位相差を発生さ
せる構造を有する回折型レンズと、(C)前記回折型レ
ンズへのレーザ光を発生させるレーザ光源と、(D)前
記基板中に音響波を励起させるためのトランスジューサ
および高調波電源と、(E)音響波の反射を防ぐための
吸音材を有することを特徴とする。
イスは、(A)音響光学材料を母材とする基板と、
(B)前記基板の表面に周期的な光学的位相差を発生さ
せる構造を有する回折型レンズと、(C)前記回折型レ
ンズへのレーザ光を発生させるレーザ光源と、(D)前
記基板中に音響波を励起させるためのトランスジューサ
および高調波電源と、(E)音響波の反射を防ぐための
吸音材を有することを特徴とする。
【0018】(第3の手段)本発明に係る音響光学デバ
イスは、(A)音響光学材料を母材とする基板と、
(B)前記基板の表面に周期的な光学的位相差を発生さ
せる構造を有する第1回折型レンズおよび第2回折型レ
ンズと、(C)前記第1回折型レンズへのレーザ光を発
生させるレーザ光源と、(D)前記基板中に音響波を励
起させるためのトランスジューサおよび高調波電源と、
(E)音響波の反射を防ぐための吸音材と、(F)第1
光ファイバと第2光ファイバを有し、(G)前記第2回
折型レンズは、基板の中で形成された音響波回折格子に
よる回折光と非回折光を、該第2回折型レンズの焦点面
上の第1光ファイバと第2光ファイバに結合することを
特徴とする。
イスは、(A)音響光学材料を母材とする基板と、
(B)前記基板の表面に周期的な光学的位相差を発生さ
せる構造を有する第1回折型レンズおよび第2回折型レ
ンズと、(C)前記第1回折型レンズへのレーザ光を発
生させるレーザ光源と、(D)前記基板中に音響波を励
起させるためのトランスジューサおよび高調波電源と、
(E)音響波の反射を防ぐための吸音材と、(F)第1
光ファイバと第2光ファイバを有し、(G)前記第2回
折型レンズは、基板の中で形成された音響波回折格子に
よる回折光と非回折光を、該第2回折型レンズの焦点面
上の第1光ファイバと第2光ファイバに結合することを
特徴とする。
【0019】(第4の手段)本発明に係る回折型レンズ
の製作方法は、(A)音響光学効果を有する基板上に、
レジストをコーティングしてレジスト膜を形成する工程
と、(B)前記基板上にレンズパターンを転写するフォ
トリソグラフィの工程と、(C)前記レンズパターンに
従ったエッチングにより、所望の断面形状を作製する工
程と、(D)不要になった前記基板上のレジスト膜を除
去して回折レンズを作製する工程から成ることを特徴と
する。
の製作方法は、(A)音響光学効果を有する基板上に、
レジストをコーティングしてレジスト膜を形成する工程
と、(B)前記基板上にレンズパターンを転写するフォ
トリソグラフィの工程と、(C)前記レンズパターンに
従ったエッチングにより、所望の断面形状を作製する工
程と、(D)不要になった前記基板上のレジスト膜を除
去して回折レンズを作製する工程から成ることを特徴と
する。
【0020】音響光学効果とは、音波によって媒質中の
屈折率を時間的に変化させ、その周期的な屈折率変動の
層に言わば回折格子の役割をさせ、これに光を斜入射し
て回折を生じさせる効果をいう。
屈折率を時間的に変化させ、その周期的な屈折率変動の
層に言わば回折格子の役割をさせ、これに光を斜入射し
て回折を生じさせる効果をいう。
【0021】この音響光学効果に優れた材料としては、
ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )をはじめ、水晶、二
酸化テルル(TcO2 )、モリブデン酸鉛(PbMoO
4 )、ルチル(TiO2 )等がある。
ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )をはじめ、水晶、二
酸化テルル(TcO2 )、モリブデン酸鉛(PbMoO
4 )、ルチル(TiO2 )等がある。
【0022】これらの音響光学効果に優れた材料の基板
表面に、回折現象を利用して通常のレンズと同様な集光
やビーム整形を行うことが可能な回折型レンズを構成す
る。
表面に、回折現象を利用して通常のレンズと同様な集光
やビーム整形を行うことが可能な回折型レンズを構成す
る。
【0023】具体的には、その断面形状が周期的な凹
凸、階段状、またはブレーズ状をなし、平面パターンは
端に行くほど同心円状に縞周期が狭くなっている円形マ
イクロフレネルレンズや、平行な直線パターンが端に行
くほど狭くなっている方形型マイクロフレネルレンズ等
を集積することにより、従来の光学系と音響光学変調器
とのモノリシック型構造の光デバイスを構成する。
凸、階段状、またはブレーズ状をなし、平面パターンは
端に行くほど同心円状に縞周期が狭くなっている円形マ
イクロフレネルレンズや、平行な直線パターンが端に行
くほど狭くなっている方形型マイクロフレネルレンズ等
を集積することにより、従来の光学系と音響光学変調器
とのモノリシック型構造の光デバイスを構成する。
【0024】これにより、装置全体の小型化と光軸調整
の問題を解決することができる。
の問題を解決することができる。
【0025】また、回折型レンズは、半導体のプレーナ
技術を用いて大量に作製できるため、低コスト化を実現
することができる。
技術を用いて大量に作製できるため、低コスト化を実現
することができる。
【0026】そのため、次のような作用をする。
【0027】半導体レーザからの発散光は直接、本発明
の音響光学デバイスの入力側表面に形成されている第1
回折型レンズ3によって平行光に変換され、基板中を伝
搬し、音響波による音響波回折格子10によって回折光
と、非回折光に分離される。これらのビームは、出力側
表面の第2回折型レンズ11によって、光ファイバ2
1、22や光導波路への結合等の様々な出力形態に応じ
ることができる。
の音響光学デバイスの入力側表面に形成されている第1
回折型レンズ3によって平行光に変換され、基板中を伝
搬し、音響波による音響波回折格子10によって回折光
と、非回折光に分離される。これらのビームは、出力側
表面の第2回折型レンズ11によって、光ファイバ2
1、22や光導波路への結合等の様々な出力形態に応じ
ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係わる音響光学
デバイスの好適な実施の形態を説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
デバイスの好適な実施の形態を説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0029】[第1の実施の形態]本発明の第1の実施
の形態を図1〜図6に示す。
の形態を図1〜図6に示す。
【0030】図1は音響光学デバイスの第1の実施の形
態の全体構成の斜視図を示し、その動作を図2の断面図
で説明する。
態の全体構成の斜視図を示し、その動作を図2の断面図
で説明する。
【0031】それに含まれている回折型レンズのパター
ン設計については図3と図4により説明する。
ン設計については図3と図4により説明する。
【0032】そして、その回折型レンズの作製法につい
ては図5と図6を用いて説明する。
ては図5と図6を用いて説明する。
【0033】本発明の第1の実施の形態は、図1に示す
ように、半導体レーザ光源1と、音響光学材料4を基板
14の母材とする回折型レンズ3と、音響波を基板中に
励起させるためのトランスジューサ5と、高調波電源6
と、音響波の反射を防ぐための吸音材9により構成され
ている。
ように、半導体レーザ光源1と、音響光学材料4を基板
14の母材とする回折型レンズ3と、音響波を基板中に
励起させるためのトランスジューサ5と、高調波電源6
と、音響波の反射を防ぐための吸音材9により構成され
ている。
【0034】次に、前記光デバイスの音響光学材料4と
して、LiNbO3 を基板母材とした場合の、断面形状
が凹凸もしくは階段状の回折型レンズ3の平面パターン
の設計について、図3および図4を用いて説明する。
して、LiNbO3 を基板母材とした場合の、断面形状
が凹凸もしくは階段状の回折型レンズ3の平面パターン
の設計について、図3および図4を用いて説明する。
【0035】中心から最初(m=1)の輪帯101(マ
スク乾版では抜きパターンに相当する)の内半径r1
は、下記の式(1)で与えられ、その輪帯の幅W1 は式
(2)で与えられる。
スク乾版では抜きパターンに相当する)の内半径r1
は、下記の式(1)で与えられ、その輪帯の幅W1 は式
(2)で与えられる。
【0036】そして、m番目の輪帯の内半径rm は、下
記の式(3)で与えられ、その輪帯の幅Wm は、式
(4)で与えられる。
記の式(3)で与えられ、その輪帯の幅Wm は、式
(4)で与えられる。
【0037】
【数1】
【0038】この関係に基づいて、輪帯を同心円状に配
置した円形型マイクロフレネルレンズのパターンを図3
に示し、直線の縞で配置した方形型マイクロフレネルレ
ンズを図4に示す。
置した円形型マイクロフレネルレンズのパターンを図3
に示し、直線の縞で配置した方形型マイクロフレネルレ
ンズを図4に示す。
【0039】このような平面パターンにすると、レンズ
と等価な作用が、回折型レンズによって実現できる。
と等価な作用が、回折型レンズによって実現できる。
【0040】次にこの平面パターンに従った回折型レン
ズ作製法を、図5および図6を用いて説明する。
ズ作製法を、図5および図6を用いて説明する。
【0041】図6で示した断面形状が凹凸301、階段
302、ブレーズ303の場合によって、使用するマス
クの種類や、図5で説明する基本工程の繰り返し回数等
異なる点はあるが、基本的な作製工程は、図5に示す手
順により回折型レンズを作製することができる。
302、ブレーズ303の場合によって、使用するマス
クの種類や、図5で説明する基本工程の繰り返し回数等
異なる点はあるが、基本的な作製工程は、図5に示す手
順により回折型レンズを作製することができる。
【0042】ここでは、図5を用いて断面形状が凹凸の
場合を例にとりその作製方法を説明する。
場合を例にとりその作製方法を説明する。
【0043】工程1において、基板上にレジスト(TS
MR8800・Scp;東京応化製)を、3000rp
m,30sの条件下でスピンコーティングして、500
0〜7000A°の厚みのレジスト膜を形成する。
MR8800・Scp;東京応化製)を、3000rp
m,30sの条件下でスピンコーティングして、500
0〜7000A°の厚みのレジスト膜を形成する。
【0044】工程2は、図3と図4で設計したレンズパ
ターンを基板上に転写するフォトリソグラフィの工程で
ある。
ターンを基板上に転写するフォトリソグラフィの工程で
ある。
【0045】まず、レンズパターンが描かれたマスク乾
版を、水銀燈等の紫外光源によって、基板上のレジスト
を露光(露光時間2〜3s)する。
版を、水銀燈等の紫外光源によって、基板上のレジスト
を露光(露光時間2〜3s)する。
【0046】その基板を現像液(NSD−TD2.38
%)に浸して現像(現像時間65s)することで、レン
ズパターンが転写される。
%)に浸して現像(現像時間65s)することで、レン
ズパターンが転写される。
【0047】そして工程3では、レジストが抜けている
部分が、選択的にイオンミリング装置によるArガスプ
ラズマ雰囲気中の物理的なドライエッチングにより、精
度良く掘られる。
部分が、選択的にイオンミリング装置によるArガスプ
ラズマ雰囲気中の物理的なドライエッチングにより、精
度良く掘られる。
【0048】その深さは、材質の屈折率、使用波長によ
って異なるが、前記光デバイスの音響光学材料4とし
て、LiNbO3 を基板母材とした場合、使用波長0.
633μmでは2600〜2700A°である。
って異なるが、前記光デバイスの音響光学材料4とし
て、LiNbO3 を基板母材とした場合、使用波長0.
633μmでは2600〜2700A°である。
【0049】このようにして、所望する断面形状を作製
することができる。
することができる。
【0050】最後に、工程4において、不要になった基
板上のレジスト膜を、アセトン溶液と超音波洗浄で取り
除き、回折型レンズを完成する。
板上のレジスト膜を、アセトン溶液と超音波洗浄で取り
除き、回折型レンズを完成する。
【0051】次に図2を用いて第1の実施の形態の動作
を説明する。
を説明する。
【0052】半導体レーザ光源1からの周波数f0 の直
接発散光2は、回折型レンズ3によって平行光に変換さ
れ、基板中を伝搬する。
接発散光2は、回折型レンズ3によって平行光に変換さ
れ、基板中を伝搬する。
【0053】そして、トランスジューサ5と周波数f1
の高調波電源6で励起される音響波は、基板中において
周期的な屈折率分布(音響波回折格子10)を構成す
る。
の高調波電源6で励起される音響波は、基板中において
周期的な屈折率分布(音響波回折格子10)を構成す
る。
【0054】この音響波回折格子10に対して斜入射す
る平行光は、音響波回折格子面の周波数f1 のドップラ
ーシフトを受け、f1 で決定されるブラッグ反射角で回
折される回折光7(f0 +f1 )と、回折されない非回
折光(f0 )8とに分離される。
る平行光は、音響波回折格子面の周波数f1 のドップラ
ーシフトを受け、f1 で決定されるブラッグ反射角で回
折される回折光7(f0 +f1 )と、回折されない非回
折光(f0 )8とに分離される。
【0055】そして、それぞれのビームは平行光として
外部へ出力される。
外部へ出力される。
【0056】これら二つのビームは、光計測の分野では
光源として用いる。
光源として用いる。
【0057】例えば、一方のビーム(非回折光)を測定
したい対象物に照射し、その反射光と、もう一方のビー
ム(回折光)とを干渉させると、ヘテロダイン検波が可
能になる。
したい対象物に照射し、その反射光と、もう一方のビー
ム(回折光)とを干渉させると、ヘテロダイン検波が可
能になる。
【0058】そしてその干渉光のf1 の変動によって、
その対象物の速度、振動等が計測できる。
その対象物の速度、振動等が計測できる。
【0059】本発明によれば、音響光学材料であるLi
NbO3 基板に、プレーナ技術によって作製できる回折
型レンズを集積し、音響光学変調器を形成することによ
り、ワンチップ上にすべての光学系部品を集積した音響
光学デバイスを作製することができる。
NbO3 基板に、プレーナ技術によって作製できる回折
型レンズを集積し、音響光学変調器を形成することによ
り、ワンチップ上にすべての光学系部品を集積した音響
光学デバイスを作製することができる。
【0060】これにより、装置全体の小型化と光軸無調
整化と、低コスト化を実現できることができる。
整化と、低コスト化を実現できることができる。
【0061】[第2の実施の形態]本発明の第2の実施
の形態を図7〜図8に示す。
の形態を図7〜図8に示す。
【0062】図7は音響光学デバイスの第2の実施の形
態の全体構成の斜視図を示し、その動作を図8の断面図
を用いて説明する。
態の全体構成の斜視図を示し、その動作を図8の断面図
を用いて説明する。
【0063】本発明の第2の実施の形態は、第1の実施
の形態の音響光学デバイスから外部へ出る回折光12と
非回折光13を、光ファイバ21と、22により取り出
せるようにするために、音響光学デバイスの出力側表面
に、もう一つ回折型レンズを集積したものである。
の形態の音響光学デバイスから外部へ出る回折光12と
非回折光13を、光ファイバ21と、22により取り出
せるようにするために、音響光学デバイスの出力側表面
に、もう一つ回折型レンズを集積したものである。
【0064】次に図8を用いて、第2の実施の形態の動
作を説明する。
作を説明する。
【0065】回折光12と非回折光13とが音響波によ
る音響波回折格子10により分離される動作は第1の実
施の形態と同じである。
る音響波回折格子10により分離される動作は第1の実
施の形態と同じである。
【0066】しかし、第2の実施の形態では、その後、
基板中を伝搬するそれぞれの平行光は、基板出力面に形
成されている二つ目の第2回折型レンズ11により、外
部に集光作用するビーム12、13に変換される。
基板中を伝搬するそれぞれの平行光は、基板出力面に形
成されている二つ目の第2回折型レンズ11により、外
部に集光作用するビーム12、13に変換される。
【0067】これらのビームは、第2回折型レンズ11
の焦点面上の光ファイバ21、22に結合し、それぞれ
の光ファイバを伝搬して、出力光23、24となる。
の焦点面上の光ファイバ21、22に結合し、それぞれ
の光ファイバを伝搬して、出力光23、24となる。
【0068】これらのことから、第1の実施の形態の場
合と同様に、装置全体の小型化と、光軸の無調整化、お
よび低コスト化を実現することができる。
合と同様に、装置全体の小型化と、光軸の無調整化、お
よび低コスト化を実現することができる。
【0069】さらに光ファイバへの出力を可能にするこ
とから、様々な場面で実用化に適した光音響効果を応用
した光装置に利用することができる。
とから、様々な場面で実用化に適した光音響効果を応用
した光装置に利用することができる。
【0070】
【発明の効果】本発明は前述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。
で、以下に記載するような効果を奏する。
【0071】(1)プレーナ技術を用いることにより、
音響光学材料への回折型レンズを作製することができる
結果、光学系を集積化した音響光学デバイスの小型化に
寄与することができる。
音響光学材料への回折型レンズを作製することができる
結果、光学系を集積化した音響光学デバイスの小型化に
寄与することができる。
【0072】そのため光装置全体の省スペース化と、低
コスト化を実現することができる。
コスト化を実現することができる。
【0073】(2)音響光学材料であるLiNbO3 基
板表面に、イオンビームミリング装置によるドライエッ
チングを用いることにより、基板表面のダメージが少な
い良質な回折型レンズを作製することができる。
板表面に、イオンビームミリング装置によるドライエッ
チングを用いることにより、基板表面のダメージが少な
い良質な回折型レンズを作製することができる。
【0074】(3)音響光学材料の基板上に、回折型レ
ンズや、トランスジューサ等の全てを集積した音響光学
デバイスを光装置に利用しているので、光軸の無調整
化、省スペース化、および低コストを実現することがで
きる。
ンズや、トランスジューサ等の全てを集積した音響光学
デバイスを光装置に利用しているので、光軸の無調整
化、省スペース化、および低コストを実現することがで
きる。
【0075】(4)本発明の回折型レンズと通常のレン
ズとは根本的に集光原理が異なる。
ズとは根本的に集光原理が異なる。
【0076】従来のレンズは研磨加工により、レンズ形
状を曲面にしてその形状に従った屈折作用で集光する。
従来の研磨加工に従うと音響光学材料表面のある一部分
だけを曲面加工することになり、ほとんど集積不可能で
ある。
状を曲面にしてその形状に従った屈折作用で集光する。
従来の研磨加工に従うと音響光学材料表面のある一部分
だけを曲面加工することになり、ほとんど集積不可能で
ある。
【0077】しかし、本発明の回折型レンズは、根本的
には、平面パターンのみに従った回折作用によって集光
する。(断面形状は集光効率に関係する。) そのため、表面を機械加工する必要はなく、エッチング
ができる材料ならば集積可能である。
には、平面パターンのみに従った回折作用によって集光
する。(断面形状は集光効率に関係する。) そのため、表面を機械加工する必要はなく、エッチング
ができる材料ならば集積可能である。
【0078】(5)本発明で用いたイオンミリングによ
るプラズマを用いた物理的なエッチングを用いれば、従
来のRIEによるエッチングにおいて発生するような表
面ダメージを生じる心配はない。
るプラズマを用いた物理的なエッチングを用いれば、従
来のRIEによるエッチングにおいて発生するような表
面ダメージを生じる心配はない。
【0079】しかも、エッチング工程以外の他の工程は
従来と変わらない。
従来と変わらない。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る「音響光学デ
バイス」の全体構成を示す斜視図。
バイス」の全体構成を示す斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る「音響光学デ
バイス」の動作を説明する断面図。
バイス」の動作を説明する断面図。
【図3】円形型マイクロフレネルレンズの平面パターン
図。
図。
【図4】方形型マイクロフレネルレンズの平面パターン
図。
図。
【図5】断面形状が凹凸の回折型レンズの作製法を説明
する図。
する図。
【図6】回折型レンズの断面形状の種類を説明する図。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る「光ファイバ
出力型音響光学デバイス」の全体構成を示す斜視図。
出力型音響光学デバイス」の全体構成を示す斜視図。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る「光ファイバ
出力型音響光学デバイス」の動作を説明する断面図。
出力型音響光学デバイス」の動作を説明する断面図。
【図9】従来技術に係る「音響光学変調器と光学系から
なる光装置」の構成図。
なる光装置」の構成図。
1…半導体レーザ、 2…発散光、 3…第1回折型レンズ、 4…音響光学材料、 5…トランスジューサ、 6…高調波電源、 7…回折光、 8…非回折光、 9…吸音材、 10…音響波回折格子、 11…第2回折型レンズ、 12…回折光、 13…非回折光、 14…基板、 21…第1光ファイバ、 22…第2光ファイバ、 23…回折出力光、 24…非回折出力光、 31…コリメータレンズ、 32…音響光学変調器、 33…結合レンズ、 34…平行光、 101…第1番目(m=1)の輪帯、 301…凹凸の断面形状、 302…階段状の断面形状、 303…ブレーズ状の断面形状。
Claims (4)
- 【請求項1】 音響光学材料(4)を母材とする基板
(14)を有する光学デバイスにおいて、 前記基板(14)の表面に周期的な光学的位相差を発生
させる構造を有する回折型レンズ(3)を設けたことを
特徴とする音響光学デバイス。 - 【請求項2】(A)音響光学材料(4)を母材とする基
板(14)と、(B)前記基板(14)の表面に周期的
な光学的位相差を発生させる構造を有する回折型レンズ
(3)と、(C)前記回折型レンズ(3)へのレーザ光
を発生させるレーザ光源(1)と、(D)前記基板(1
4)中に音響波を励起させるためのトランスジューサ
(5)および高調波電源(6)と、(E)音響波の反射
を防ぐための吸音材(9)を有することを特徴とする音
響光学デバイス。 - 【請求項3】(A)音響光学材料(4)を母材とする基
板(14)と、(B)前記基板(14)の表面に周期的
な光学的位相差を発生させる構造を有する第1回折型レ
ンズ(3)および第2回折型レンズ(11)と、(C)
前記第1回折型レンズ(3)へのレーザ光を発生させる
レーザ光源(1)と、(D)前記基板(14)中に音響
波を励起させるためのトランスジューサ(5)および高
調波電源(6)と、(E)音響波の反射を防ぐための吸
音材(9)と、(F)第1光ファイバ(21)と第2光
ファイバ(22)を有し、(G)前記第2回折型レンズ
(11)は、基板(14)の中で形成された音響波回折
格子(10)による回折光(12)と非回折光(13)
を、該第2回折型レンズ(11)の焦点面上の第1光フ
ァイバ(21)と第2光ファイバ(22)に結合するこ
とを特徴とする音響光学デバイス。 - 【請求項4】(A)音響光学効果を有する基板上に、レ
ジストをコーティングしてレジスト膜を形成する工程
と、(B)前記基板上にレンズパターンを転写するフォ
トリソグラフィの工程と、(C)前記レンズパターンに
従ったエッチングにより、所望の断面形状を作製する工
程と、(D)不要になった前記基板上のレジスト膜を除
去して回折レンズを作製する工程から成ることを特徴と
する回折型レンズの製作方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23693595A JPH0980366A (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 音響光学デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23693595A JPH0980366A (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 音響光学デバイス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0980366A true JPH0980366A (ja) | 1997-03-28 |
Family
ID=17007934
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23693595A Withdrawn JPH0980366A (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 音響光学デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0980366A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106896535A (zh) * | 2017-05-10 | 2017-06-27 | 中国电子科技集团公司第二十六研究所 | 用于聚焦光束声光衍射的高衍射效率换能器 |
-
1995
- 1995-09-14 JP JP23693595A patent/JPH0980366A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106896535A (zh) * | 2017-05-10 | 2017-06-27 | 中国电子科技集团公司第二十六研究所 | 用于聚焦光束声光衍射的高衍射效率换能器 |
CN106896535B (zh) * | 2017-05-10 | 2023-05-30 | 中国电子科技集团公司第二十六研究所 | 用于聚焦光束声光衍射的高衍射效率换能器 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021203 |