JPH0979745A - 帯電性材料を対象とした流動層処理方法並びにその装置 - Google Patents

帯電性材料を対象とした流動層処理方法並びにその装置

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JPH0979745A
JPH0979745A JP25680895A JP25680895A JPH0979745A JP H0979745 A JPH0979745 A JP H0979745A JP 25680895 A JP25680895 A JP 25680895A JP 25680895 A JP25680895 A JP 25680895A JP H0979745 A JPH0979745 A JP H0979745A
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ray
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fluidized
rays
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JP25680895A
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Atsushi Hagino
敦 萩野
Koichiro Oba
弘一郎 大庭
Sumio Kawai
純夫 川合
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Hamamatsu Photonics KK
Okawara Mfg Co Ltd
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J8/00Chemical or physical processes in general, conducted in the presence of fluids and solid particles; Apparatus for such processes
    • B01J8/18Chemical or physical processes in general, conducted in the presence of fluids and solid particles; Apparatus for such processes with fluidised particles
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明者は、軟X線を流動中の粉粒体に照射
することで効率的に粉粒体の帯電を防止したり帯電した
電荷を除去することができる、安全性に優れた新規な流
動層処理方法並びにその装置を開発することを技術課題
としたものである。 【解決手段】 本発明の帯電性材料を対象とした流動層
処理方法は、流動中の粉粒体Gに向けてX線を照射して
粉粒体Gの帯電の防止あるいは帯電した電荷の除去を行
うものであり、粉粒体Gに向けて照射されるX線は人体
に与える影響が極めて低い軟X線であるため、安全性に
優れた流動層処理方法をなすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粉粒体の乾燥、熱処
理、造粒等の操作を行う流動層処理方法並びにその装置
に関するものであって、特に処理対象物を帯電性材料と
したものに係る。
【0002】
【発明の背景】従来より、粉粒体の乾燥、熱処理、造粒
等の操作には流動層処理装置が広く使用されているが、
特にプラスチック等電気抵抗が大きく帯電性の高い素材
を扱う際には、被処理物が帯電してしまい、種々の問題
が生じていた。例えば帯電した粉粒体は流動室の壁面に
付着して、処理後に流動室から粉粒体が全量回収できな
かったり、またこのような流動室の壁面に付着した粉粒
体が塊の状態で剥離すると流動状態の不安定化を引き起
こし、処理後の品質が低下したり不均一となってしま
う。更にまた、帯電電位が高い場合にはスパークが発生
し、粉塵爆発を引き起こす等、危険を伴うことも多いの
である。
【0003】このような粉粒体が帯電することに起因す
る問題を改善する試みとして、帯電した電荷を除去する
ためにコロナ放電によって空気をイオン化し、このイオ
ン化した空気により粉粒体の帯電を防止したり、帯電し
た電荷を除去する方法が行われている。しかし、コロナ
放電部を流動層内に直にあるいは近接して設けた場合に
は、特に引火性溶剤を乾燥する場合や、引火性粉体を扱
うときに発火、爆発の危険性が極めて高く、安全性に問
題があった。一方、このような事態を回避するために流
動層から離れた場所でコロナ放電を起こして空気をイオ
ン化し、このイオン化した空気を流動層に導く方法で
は、イオン化した空気を流動層に導くための管路内での
空気との混合作用や、管壁との接触作用等によりイオン
が中和消滅してしまい、もはや粉粒体に帯電した電荷を
除去する効果を失ってしまうという欠点があった。この
ため安全且つ確実に、粉粒体の帯電を防止したり、帯電
した電荷を除去するための方法、並びにそのための装置
の出現が望まれていた。
【0004】
【開発を試みた技術課題】本発明者はこのような背景か
ら、軟X線を流動中の粉粒体に照射することで、効率的
に粉粒体の帯電を防止したり、帯電した電荷を除去する
ことができ、更に安全性に優れた、新規な帯電性材料を
対象とした流動層処理方法並びにその装置を開発するこ
とを技術課題としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
帯電性材料を対象とした流動層処理方法は、流動層処理
装置を用いて粉粒体の乾燥、熱処理、造粒等の操作を行
う流動層処理方法において、流動中の粉粒体に向けてX
線を照射して粉粒体の帯電の防止あるいは帯電した電荷
の除去を行うことを特徴とする。この発明によれば、電
磁波であるX線の照射により、マイナスに帯電しがちの
粉粒体に対し、X線照射により発生するプラスの電荷を
与えることにより、帯電の防止あるいは帯電した電荷を
除去することができる。またプラスに帯電しがちの流動
層本体に対してはマイナスの電荷を持つ電子を与えるこ
とで帯電の防止あるいは帯電した電荷を除去することが
できる。
【0006】また請求項2記載の帯電性材料を対象とし
た流動層処理方法は、前記要件に加え、前記粉粒体に向
けて照射されるX線は軟X線であることを特徴とする。
この発明によれば、軟X線は人体に与える影響が極めて
低く更に、被曝防護のための遮蔽が簡単にできるため、
安全性に優れた流動層処理方法を容易になすことができ
る。
【0007】更にまた請求項3記載の帯電性材料を対象
とした流動層処理方法は、前記要件に加え、前記粉粒体
に向けて照射されるX線の経路には、パージエアを噴出
させることを特徴とする。この発明によれば、パージエ
アによりX線の照射源に近付いた粉粒体を吹き飛ばす等
して、X線の照射源に粉粒体が入り込むのを防ぐととも
に、X線の照射源あるいはこの周辺に粉粒体が付着する
のを防ぐことができる。
【0008】更にまた請求項4記載の帯電性材料を対象
とした流動層処理装置は、流動風吹込室の上部に流動室
を具え、流動室の上部に排気室を具え、流動風吹込室と
流動室との間を複数の吹出孔を有する多孔板で仕切られ
て成る流動層本体の流動風吹込室に熱風を吹き込み、流
動室内に投入された粉粒体の乾燥、熱処理、造粒等の操
作を行う流動層処理装置において、照射部が流動層本体
内部に臨むようにX線照射装置を設けたことを特徴とす
る。照射部が流動層本体内部に臨むとは、照射部を流動
層本体外部に設置して、流動層側壁に設けた照射孔から
流動室内で流動する粉粒体に向けたり、照射部を流動層
本体内部に設置して流動室内で流動する粉粒体に向けた
り、更には照射部を流動風に向けたりするということを
意味する。この発明によれば、粉粒体と熱風とから成る
流動層の全域あるいはかなりの部分に向けてX線を照射
することができ、電磁波であるX線の照射により、マイ
ナスに帯電しがちの粉粒体に、X線照射により発生する
プラスの電荷を与えることにより帯電の防止あるいは帯
電した電荷を除去することができる。またプラスに帯電
しがちの流動層本体に対してはマイナスの電荷を持つ電
子を与えることで帯電の防止、あるいは帯電した電荷を
除去することができる。
【0009】更にまた請求項5記載の帯電性材料を対象
とした流動層処理装置は、前記請求項4記載の要件に加
え、前記X線の照射部近傍にパージング機構を設けたこ
とを特徴とする。この発明によれば、パージング機構か
ら噴出されるパージエアにより、X線の照射部に近付い
た粉粒体を吹き飛ばす等して、X線の照射部に粉粒体が
入り込むのを防ぐとともに、X線の照射部あるいはこの
周辺に粉粒体が付着するのを防ぐことができ、X線を粉
粒体の位置する空間に効率良く照射することができる。
更に高温である流動層とX線の照射部とをパージエアに
より遮断するため、X線の照射部の温度上昇を防ぐこと
ができる。
【0010】更にまた請求項6記載の帯電性材料を対象
とした流動層処理装置は、前記請求項4記載の要件に加
え、X線の照射部または流動層本体に設けた照射孔のい
ずれか一方または双方には、軟X線の透過性素材から成
る透過膜を装着したことを特徴とする。この発明によれ
ば、透過膜は軟X線を透過し粉粒体を遮断するので、粉
粒体がX線の照射部に付着したり、入り込んだりするの
を防ぐことができる。
【0011】更にまた請求項7記載の帯電性材料を対象
とした流動層処理装置は、前記請求項6記載の要件に加
え、前記軟X線の透過性素材は、ベリリウム、窒化ボロ
ン、カーボン及びプラスチックより成る群から選ばれた
ことを特徴とする。この発明によれば、これら素材から
成る透過膜は軟X線を高効率で透過し、軟X線をほとん
ど減衰させない。そしてこれら各請求項記載の発明によ
り前記課題の解決が図られる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の帯電
性材料を対象とした流動層処理装置について具体的に説
明し、この装置の作動状態と併せて本発明の帯電性材料
を対象とした流動層処理方法について説明する。図中、
符号1で示すのが流動層処理装置の一例である流動層乾
燥装置であり、流動風吹込室3の上部に流動室6を具
え、流動室6の上部には排気室7を具えて成る。更に流
動風吹込室3と流動室6との間は複数の吹出孔19を有
する多孔板4で仕切られている。そして流動風吹込室
3、流動室6、排気室7の順に熱風の流路となる流動層
本体2を構成し、流動室6内に流動層を形成してここで
粉粒体Gの乾燥等を行う。また本発明の特徴的構成部材
としてX線照射装置5を一例として流動室6に対して二
基具える。なお流動室6を機枠Fを支点に回動自在に構
成すれば内部洗浄等のサニタリー性が向上する。
【0013】以下、流動層乾燥装置1を構成する諸部材
について詳細に説明する。まず流動風吹込室3について
説明する。流動風吹込室3は図1、2に示すように、ス
テンレス等の板を一例として円筒状に加工した中空体で
あり、側周部には落下した処理品等の点検口11を形成
し、更に熱風取入口12を設ける。
【0014】次に流動室6について説明する。流動室6
はステンレス等の板を一例として円筒状に加工した中空
体であり、側周部には運転中の内部状況を確認するため
の一例としてアクリル製の覗き窓14を設ける。そして
図示は省略するが、材料の投入口、製品の排出口が、側
周部等の適宜の位置に設けられる。なお、流動層処理装
置により行われる操作が、乾燥や熱処理ではなく造粒の
場合には、図1、2に二点鎖線で示すように、流動室6
の内側上部に外部からバインダー供給管16を中央まで
延ばし、その先端にバインダー噴霧ノズル17を下方を
臨むように設ける。以下、図3、4、5、8、9、10
では、バインダー供給管16及びバインダー噴霧ノズル
17を設けない例を示す。
【0015】更に流動室6の側壁の対向する二カ所には
図3に拡大して示すように、照射孔10を穿設するとと
もに、後述するパージフード20を介してX線照射装置
5を照射部たるX線管28が照射孔10を臨むように設
置する。照射孔10及びX線照射装置5の設置位置は、
要は流動室6内に形成される流動層に対してX線が照射
されればよいので、種々の位置とすることができる。図
3、4に示すのは照射孔10を多孔板4の上方50mm
の位置に設け、流動層の横から照射するように設け、且
つX線照射装置5をほぼ水平に設置した例である。また
図5に示すのは照射孔10を流動室6の上部に設け、X
線照射装置5に俯角を持たせて適宜のブラケットを用い
て設置する例であり、流動層のほぼ中心部を斜め上方か
ら照射することができる。因みにX線は流動層の全体に
照射することが好ましいが、例え部分的にX線が照射さ
れない死角部が存在しても、流動層内の粉粒体Gは処理
中は流動室6内を満遍なく浮遊しているのでどの粒子も
均一にX線に照射されることになる。
【0016】ここでX線の発生源であるX線照射装置5
について説明する。X線照射装置5は図7に示すよう
に、X線照射部25とコントローラ26とをケーブル2
7で接続して成る。X線照射部25は適宜のX線シール
ドを施した筐体内にX線管28を具えて成る。またコン
トローラ26はX線管28内における電子線の発生量を
調節する電流ボリューム21及びこの値を表示する電流
値表示部22並びに前記電子線に印加する電圧を調節す
る電圧ボリューム23及びこの値を表示する電圧値表示
部24を具えて成る。そしてX線管28内において、熱
陰極から発生した電子線に10kV〜20kVの高電圧
をかけて加速し、この電子線をタングステン、銅、モリ
ブデン、銀等でできた対陰極に衝突させてX線を発生さ
せるものである。因みにX線は透過能の低い軟X線と、
X線写真等に用いられる透過能の高い硬X線とに大別さ
れる。軟X線とは波長が100Å〜数Åの電磁波の一種
で、そのエネルギーは20keV以下である。一方、硬
X線とは波長が10-1Å〜10-2Åで、そのエネルギー
が70keV〜120keVのX線を指す。本発明にお
いては、硬X線と比べて透過能が低く人体に及ぼす影響
が極めて少ない、軟X線を用いる。そして電子線の発生
量及び、電子線に印加する電圧を電流ボリューム21と
電圧ボリューム23とで適宜の値に設定し、X線管28
において所望の軟X線を発生させるとともに、その先端
からX線を放射する。このX線管28による照射形態は
一例としてコーン状に成されるものとする。
【0017】また流動室6には、粉粒体Gが照射孔10
から外部に流出したり、X線照射装置5内に侵入したり
するのを防止するために、X線の経路に対してパージエ
アを吹き出すパージング機構を設ける。この機構は特定
するものではないが一例として、図3に拡大して示すよ
うに照射孔10の外側に対して先端がやや先細りとなっ
た円筒状のパージフード20を流動室6内を臨むように
取り付け、更にこのパージフード20に送気管18を接
続したものを用いる。従ってパージフード20は、この
後端に取り付けられるX線照射装置5におけるX線管2
8から照射されるX線と、送気管18から送り込まれる
パージエアとが流動室6内へ至るための経路となる。
【0018】また図4に示すように、X線の照射部たる
X線管28の先端に対して軟X線の透過性素材から成る
透過膜15を装着したり、照射孔10に対して透過膜1
5を流動室6の側壁に貼り付けるようにして粉粒体Gが
外にこぼれ出るのを防ぐようにしてもよい。ここで透過
膜15について説明する。透過膜15は一例として厚さ
200μm程度の薄膜であり、素材は、ベリリウム、窒
化ボロン、カーボンまたはプラスチックより成る群から
選択する。また厚さはX線を減衰させることなく透過
し、なお且つ粉粒体Gの衝突に耐え得ることが要求され
るため、選択する素材のX線透過度及び機械的強度によ
り、適宜の値に設定する。
【0019】また前記プラスチックとは、ポリエチレ
ン、メタクリル樹脂、芳香族ポリエステル、フェノール
樹脂、強化ポリアミド、ポリアミド46、ポリアリルス
スルホン、ポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルニト
リン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケト
ン、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリケト
ン等を適用する。図6はX線透過率の高いベリリルム、
カーボン、ポリエチレン、メタクリル樹脂及びX線透過
率の低いポリ塩化ビニル、アルミニウムを素材とする厚
さ200μmの薄膜に照射するX線エネルギーを変化さ
せ、このときのX線透過率を示すグラフである。このグ
ラフより、ベリリルム、カーボン、ポリエチレン及びメ
タクリル樹脂はX線透過率が高く、本発明に適用するの
に好適な素材であることを示している。
【0020】次に多孔板4について説明する。多孔板4
は図1に拡大して示すように金属板に吹出孔19を多数
穿設して構成する。この他、パンチングメタル、ネット
等を用いてもよい。
【0021】次に排気室7について説明する。排気室7
は図1、2に示すように、ステンレス等の板で一例とし
て上部が拡大するテーパー状の中空体を構成し、その上
部を円筒状とする。そして円筒部の上面には天蓋を設
け、この天蓋あるいは側周の上端部付近には熱風排気口
13を設ける。
【0022】そしてこれら諸部材は、運転状態において
は図3に示すように、流動風吹込室3の上部に、一例と
してリング形状をした発泡シリコン製のシール材Sを介
して多孔板4を設置し、更にこの上部には前記シール材
Sを介して流動室6が位置し、流動室6の上方には排気
室7が位置することで、流動層本体2を形成している。
【0023】本発明の帯電性材料を対象とした流動層処
理装置の一例である流動層乾燥装置1は前記したような
構成を有するものであり、以下この装置の作動状態を説
明し、併せて本発明の帯電性材料を対象とした流動層処
理方法について説明する。まず粉粒体Gを流動室6に供
給し、次いで別途設けた適宜の熱風発生機から熱風取入
口12に熱風を供給すると、この熱風は多孔板4の吹出
孔19を通過して流動室6に吹き込まれ、粉粒体Gとと
もに流動層を形成する。次いでX線照射装置5を起動し
て流動層に対して軟X線を照射するとともに、別途設け
た適宜のコンプレッサから送気管18を経由してパージ
フード20にエアを供給し、ここから照射孔10を経て
流動室6内にパージエアを噴出するため、照射孔10に
流動室6内の気体あるいは固体を近付けないことで照射
孔10が目詰まりするのを防ぐとともに、X線照射装置
5に粉粒体Gが入り込むのを防止する。粉粒体Gは流動
層内において熱風からの対流伝熱により水分が蒸発する
とともに、混合されながら均一に軟X線が照射され、こ
の過程において帯電が防止されながら、あるいは帯電し
た電荷が除去されながら、やがて目的の処理(ここでは
乾燥を意味する)を終えて製品状態となった後、図示し
ない製品排出口より回収される。また、以上の操作を連
続的に行う連続流動層においても、本発明を適用するこ
とができる。
【0024】ここで仮にX線照射装置5による軟X線の
照射を行わないとすると、粉粒体Gは乾燥の過程におい
て、流動室6の側壁、多孔板4、覗き窓14等との接触
により、例えば粉粒体Gはマイナスに帯電し、装置側は
プラスに帯電する。ここでこの帯電状態の測定結果の一
例を示す。図3に示すように、内径250mmの流動室
6を用い、粉粒体Gとして平均径1.2mmの発泡スチ
ロールを静止層高200mmに積み、熱風の風速を0.
3m/sで流動化させ、照射孔10を多孔板4の上方5
0mmの位置に対向して設けた状態で流動層乾燥装置1
を四分間運転し、X線照射装置5の設定値を変化させて
照射を行ったとき、及び軟線の照射を行わなかったとき
の、流動層上部(粉粒体G)及び覗き窓14(アクリ
ル)の電位を測定した結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】この結果から、軟X線の照射を行っていな
いときの流動層上部と覗き窓14との電位差が35kV
であるのに対し、軟X線の照射を行ったときの電位差は
最小で0.06kV、最大で7.56kVとなってお
り、極めて効果的に帯電の防止がなされているか、ある
いは帯電した電荷の除去が瞬時になされていることがわ
かる。
【0027】
【実施の形態2】表2に示すのは流動層乾燥装置1を図
8に示すように、下部内径760mm、上部内径100
0mmのコーン型流動室6を用い、粉粒体Gとして平均
径1.2mmの発泡スチロールを静止層高200mmに
積み、多孔板4上600mmの位置にX線照射装置5を
下向きに一基設置した状態で、X線照射装置5の設定値
を変化させて照射を行ったとき、及び軟X線の照射を行
わなかったとき、及び熱風の風速を変化させたときの、
それぞれ三分間流動化させた直後に流動層上部(粉粒体
G)の電位を測定した結果である。この結果から、軟X
線の照射を行っていないときの流動層上部の電位が−
1.21kVであるのに対し、軟X線の照射を行ったと
きの電位差は最小で0.01kV、最大で0.52kV
となっており、極めて効果的に帯電の防止がなされてい
るか、あるいは瞬時に帯電した電荷の除去がなされてい
ることがわかる。因みにX線照射装置5は、流動室6の
容量に応じて二基以上の複数を設けるようにしてもよ
い。
【0028】
【表2】
【0029】
【他の実施の形態】本発明の流動層処理装置は以上述べ
たような、X線照射装置5を流動層本体2外部に設置し
て、流動室6の側壁に設けた照射孔10から流動室6内
で流動する粉粒体Gに向けてX線を照射するようにした
り、X線照射装置5を流動層本体2内部に設置して流動
室6内で流動する粉粒体Gに向けてX線を照射するよう
にした構成を基本の実施の形態とするものであるが、本
発明の技術的思想に基づき以下に示すような態様とする
こともできる。本実施の形態においては、流動層本体2
の内部あるいは外部にX線照射装置5を設置し、ここか
らX線を照射して流動風吹込室3内部の空気をイオン化
し、イオン化した空気を流動室6に送り込むことにより
粉粒体Gの帯電防止、あるいは帯電した電荷を除去する
ような構成とする。図9に示すのは、流動風吹込室3内
の多孔板4の下方にX線照射装置5を上方を臨ませて設
け、流動風吹込室3及び流動室6内にX線を照射するよ
うな構成である。この場合、多孔板4における吹出孔1
9から粉粒体Gが落下してくることもあるため、X線照
射装置5の筐体に機密性を持たせるとともに、X線の経
路に沿ってパージエアを噴出させるようにパージフード
20を設ける。またはX線管28の照射部を透過膜15
で覆うようにしてもよい。更にX線照射装置5の耐熱性
の考慮、及びX線照射装置5の設置により流動層の形成
に影響が出ないような考慮が必要である。
【0030】また図10に示すのは、流動風吹込室3の
側周にX線照射装置5を設け、照射孔10から流動風吹
込室3の内部に向けてX線を照射して、流動風吹込室3
内の空気をイオン化する構成である。これらのようにイ
オン化した空気により粉粒体Gの帯電防止、あるいは帯
電した電荷を除去するような場合には、イオン化された
空気が多孔板4を通過する際、多孔板4の厚さ、多孔板
4における吹出孔19の大きさや開孔比によってイオン
化度が大きく減衰することがあるので、各寸法の設定に
は留意する必要がある。
【0031】
【発明の効果】まず請求項1記載の帯電性材料を対象と
した流動層処理方法は、流動層乾燥装置1を用いて粉粒
体Gの乾燥、熱処理、造粒等の操作を行う流動層処理方
法において、流動中の粉粒体Gに向けてX線を照射して
粉粒体Gの帯電の防止あるいは帯電した電荷の除去を行
うので、帯電によるスパークの発生に起因する粉塵爆発
の危険性を排除するとともに、流動室6への粉粒体Gの
付着を防止し、処理後に流動室6から回収される粉粒体
Gの量の減少及びこのような流動室6の壁面に付着した
粉粒体Gが塊の状態で剥離して流動状態の不安定化を引
き起こし、品質が低下したり不均一となってしまうこと
を防止することができる。
【0032】また請求項2記載の帯電性材料を対象とし
た流動層処理方法は、粉粒体Gに向けて照射されるX線
は軟X線であるので、被曝防護のための遮蔽が簡単にで
きるとともに、人体に与える影響が極めて低い軟X線を
用いた安全性に優れた流動層処理方法をなすことができ
る。
【0033】更にまた請求項3記載の帯電性材料を対象
とした流動層処理方法は、粉粒体Gに向けて照射される
X線の経路には、パージエアを噴出させるので、この気
体により、X線の照射源に粉粒体Gが入り込むことがな
く、照射源に粉粒体Gが付着するのを防ぐことができ
る。このためX線を確実に流動層に照射することができ
る。
【0034】また請求項4記載の帯電性材料を対象とし
た流動層処理装置は、流動風吹込室3の上部に流動室6
を具え、流動室6の上部に排気室7を具え、流動風吹込
室3と流動室6との間を複数の吹出孔19を有する多孔
板4で仕切られて成る流動層本体2の流動風吹込室3に
熱風を吹き込み、流動室6内に投入された粉粒体Gの乾
燥、熱処理、造粒等の操作を行う流動層処理装置におい
て、照射部たるX線管28が流動室6内部に臨むように
X線照射装置5を設けたので、粉粒体Gから成る流動層
の全域あるいはかなりの部分に向けてX線を照射するこ
とができ、電磁波であるX線の照射により、流動する粉
粒体Gの帯電の防止、あるいは帯電した電荷を除去する
ことができる。このため帯電によるスパークの発生に起
因する粉塵爆発の危険性を排除するとともに、流動室6
への粉粒体Gの付着を防止し、処理後に流動室6から回
収される粉粒体Gの量の減少及びこのような流動室6の
壁面に付着した粉粒体Gが塊の状態で剥離して流動状態
の不安定化を引き起こし、品質が低下したり不均一とな
ってしまうことを防止することができる。
【0035】更にまた請求項5記載の帯電性材料を対象
とした流動層処理装置は、X線の照射部の近傍にパージ
フード20を設けたので、パージフード20からパージ
エアを噴出することでX線の照射部たるX線管28また
は照射孔10あるいはこの周辺に粉粒体Gが付着するの
を防止し、X線を確実に流動層に照射できるとともに高
温である流動層とX線照射装置5とをパージエアにより
遮断するため、X線照射装置5の温度上昇を防ぐことが
できる。
【0036】更にまた請求項6記載の帯電性材料を対象
とした流動層処理装置は、X線の照射部たるX線管28
または流動層本体2に設けた照射孔10のいずれか一方
または双方には、軟X線の透過性素材から成る透過膜1
5を装着したので、X線の照射部たるX線管28に粉粒
体Gが付着するのを防ぎ、また粉粒体GがX線管28ま
たは照射孔10に入り込むのを防ぐ。このため確実にX
線を流動層に照射できるとともにサニタリー性を向上す
ることができる。
【0037】更にまた請求項7記載の帯電性材料を対象
とした流動層処理装置は、軟X線の透過性素材が、ベリ
リウム、窒化ボロン、カーボン及びプラスチックより成
る群から選ばれたので、これら素材から成る透過膜15
は軟X線を高効率で透過し、軟X線をほとんど減衰させ
ない。このため、帯電した電荷を効率良く除去すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流動層処理装置の一例である流動層乾
燥装置を示す斜視図並びに一部を拡大して示す斜視図で
ある。
【図2】同上側面図である。
【図3】エアパージ機構を具えた流動層本体を拡大して
示す縦断側面図である。
【図4】照射孔に透過膜を貼り付けた流動層本体を拡大
して示す縦断側面図である。
【図5】X線照射装置の設置位置を異ならせた流動層本
体を拡大して示す縦断側面図である。
【図6】素材を異ならせた厚さ200μmの透過膜のX
線透過率を示すグラフである。
【図7】X線照射装置を示す正面図である。
【図8】X線照射装置の設置位置を異ならせた流動層本
体を拡大して示す縦断側面図である。
【図9】同上X線照射装置の設置位置を異ならせた流動
層本体を拡大して示す縦断側面図である。
【図10】流動風吹込室内の空気をイオン化するための
流動層本体の構成を拡大して示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 流動層乾燥装置 2 流動層本体 3 流動風吹込室 4 多孔板 5 X線照射装置 6 流動室 7 排気室 10 照射孔 11 点検口 12 熱風取入口 13 熱風排気口 14 覗き窓 15 透過膜 16 バインダー供給管 17 バインダー噴霧ノズル 18 送気管 19 吹出孔 20 パージフード 21 電流ボリューム 22 電流値表示部 23 電圧ボリューム 24 電圧値表示部 25 X線照射部 26 コントローラ 27 ケーブル 28 X線管 F 機枠 G 粉粒体 S シール材
フロントページの続き (72)発明者 川合 純夫 静岡県榛原郡吉田町神戸1235番地 株式会 社大川原製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流動層処理装置を用いて粉粒体の乾燥、
    熱処理、造粒等の操作を行う流動層処理方法において、
    流動中の粉粒体に向けてX線を照射して粉粒体の帯電の
    防止あるいは帯電した電荷の除去を行うことを特徴とす
    る帯電性材料を対象とした流動層処理方法。
  2. 【請求項2】 前記粉粒体に向けて照射されるX線は軟
    X線であることを特徴とする請求項1記載の帯電性材料
    を対象とした流動層処理方法。
  3. 【請求項3】 前記粉粒体に向けて照射されるX線の経
    路には、パージエアを噴出させることを特徴とする請求
    項1または2記載の帯電性材料を対象とした流動層処理
    方法。
  4. 【請求項4】 流動風吹込室の上部に流動室を具え、流
    動室の上部に排気室を具え、流動風吹込室と流動室との
    間を複数の吹出孔を有する多孔板で仕切られて成る流動
    層本体の流動風吹込室に熱風を吹き込み、流動室内に投
    入された粉粒体の乾燥、熱処理、造粒等の操作を行う流
    動層処理装置において、照射部が流動層本体内部に臨む
    ようにX線照射装置を設けたことを特徴とする帯電性材
    料を対象とした流動層処理装置。
  5. 【請求項5】 前記X線の照射部近傍にパージング機構
    を設けたことを特徴とする請求項4記載の帯電性材料を
    対象とした流動層処理装置。
  6. 【請求項6】 前記X線の照射部または流動層本体に設
    けた照射孔のいずれか一方または双方には、軟X線の透
    過性素材から成る透過膜を装着したことを特徴とする請
    求項4記載の帯電性材料を対象とした流動層処理装置。
  7. 【請求項7】 前記軟X線の透過性素材は、ベリリウ
    ム、窒化ボロン、カーボン及びプラスチックより成る群
    から選ばれたことを特徴とする請求項6記載の帯電性材
    料を対象とした流動層処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1839737A1 (en) * 2004-12-21 2007-10-03 Eisai R&D Management Co., Ltd. Fluidized bed device
JP2013071104A (ja) * 2011-09-29 2013-04-22 Powrex Corp 流動層装置
JP2017047397A (ja) * 2015-09-04 2017-03-09 株式会社パウレック 流動層装置

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