JPH097826A - 電磁マイクロアクチュエータおよびそれを製造するための方法 - Google Patents

電磁マイクロアクチュエータおよびそれを製造するための方法

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JPH097826A
JPH097826A JP7343424A JP34342495A JPH097826A JP H097826 A JPH097826 A JP H097826A JP 7343424 A JP7343424 A JP 7343424A JP 34342495 A JP34342495 A JP 34342495A JP H097826 A JPH097826 A JP H097826A
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electromagnetic
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Pascal Blind
パスカル・ブリン
Abdelkrim Choujaa
アブデルクリム・シュジャー
Olivier Ngoagouni
オリビエー・ゴアーグニ
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CROUZET AUTOM
KUROOZE OOTOMATEISUME
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集積回路の技術のために発展した技術から引
き出される技術を用いてすべての素子が製作される電磁
マイクロアクチュエータを提供する。 【解決手段】 電磁マイクロアクチュエータは、少なく
とも部分的に磁気材料からなる可動素子上で作用する磁
界を生成するためのコイル(23)と、可動素子の動き
によって閉じることが可能な間隙の方に磁束を駆動する
ための磁気回路(20)とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】この発明は、マイクロ電磁石または電磁
アクチュエータに関する。この発明はより特定的には、
集積回路の製造に用いられる技術から導き出される技術
を用いてそのようなアクチュエータを製造することに関
する。
【0002】
【関連技術の説明】電磁アクチュエータでは、コイルを
用いた磁界の発生によりこの界磁に感応する素子の変位
が生じる。電磁アクチュエータは特に継電器、変位セン
サ、電気弁などに適用する。
【0003】電気弁の場合、アクチュエータは弁体の内
側の流体の通路を開けたり閉めたりするように用いられ
る。この発明が関連する微細構造の応用では、アクチュ
エータは一般的には、流体のための通路を規定しかつた
とえばシリコンプレート中に形成される台座を開けたり
閉めたりするようなアクチュエータによって変位される
覆い蓋を構成する、変形可能なダイヤフラムに作用す
る。
【0004】電磁マイクロ弁は特定的には他のタイプの
(静電、圧電、熱電流体、光流体、または熱電機械)マ
イクロ弁と比較して特に有利である。なぜならそれら
は、有効な性能、すなわちそのダイヤフラムの変形能
力、そのアクチュエータの電力、その低い電気消費量、
その電源電圧要件、その応答遅延を最大限にマイクロ弁
に提供するからである。
【0005】しかしながら、電磁の存在のために電磁マ
イクロ弁を製造するのは非常に複雑であって、先行技術
では統合されたシステムに完全に組込まれることはなか
った。
【0006】図1(A)および1(B)は、弁体が集積
回路技術を用いて形成される従来の電磁マイクロ弁の一
例を表わしている。図1(A)はマイクロ弁の断面図で
ある。図1(B)は弁体の部分的な上面図である。図1
(A)の断面は図1(B)の点線A−A′によって示さ
れている。
【0007】電磁マイクロ弁は従来は、流体のための通
路を規定する弁体1と、1つまたはそれより多くの通路
を塞ぐためのダイヤフラム3と組合せられた電磁アクチ
ュエータ2とを含む。
【0008】弁体1は、流体のための2つの横断通路、
すなわち入力4および出力5を規定するために、たとえ
ばシリコンから作られエッチングされたプレートから形
成される。ダイヤフラム3と協働するための環状の台座
6はまた、環状のダイヤフラムのほぼ中央に通じている
出力通路5の開口部5′あたりのシリコンプレート中に
形成される。ダイヤフラム3はダイヤフラムに面する弁
体の表面の上に突き出てている周辺リング7上に置かれ
ている。
【0009】ダイヤフラム3が位置づけられると、電磁
アクチュエータ2が、得られた弁体上に配置される。コ
イル9を受取るリング8はたとえば弁体1に接着され
る。所与の例では、リング8は、コイル9を構成するソ
レノイドの外側ねじ切11と協働するように適合された
内側ねじ10を有する。コイルの下端は、ダイヤフラム
の周辺を受取るリング7の上の、ダイヤフラム3の上に
置かれる。ダイヤフラム3はこのようにしてリング7と
コイル9との間に封止される。
【0010】永久磁石、この場合は永久磁界材料からな
る円筒バー12が、コイル9の中央に離れて配置され
る。磁石12は、コイル9によって軸方向に変位される
ように適合された可動素子を構成する。
【0011】電流がコイル9を流れるとき、コイルの内
側に生成された磁界はバー12が下向きに滑ることを引
き起こし、それはダイヤフラム3を動かして台座6上で
止める。弁は閉じられて入力通路4から出力通路5まで
の流体の流れを塞ぐ。弁を開けるためには、弁に入来す
る流体の、ダイヤフラム上の圧力が、出力通路5に通じ
るように、コイル9のバイアスを取消すことによって磁
界を取消せば一般的に十分である。
【0012】従来の電磁マイクロ弁の欠点は、コイルお
よび永久磁石が統合されておらず弁体上に付加される別
個の素子であるために、それらの製造が複雑であるとい
うことである。さらに、この方法では、弁体を作製する
のに用いられるバッチ製造のような完全なバッチ製造の
実現は可能にならない。
【0013】
【発明の概要】この発明の目的は、すべての素子が集積
回路の製造のために開発された技術から引き出される技
術を用いて製造される電磁マイクロアクチュエータを提
供することによって、上述の欠点を回避することであ
る。この発明はまた、これらの技術を用いることによっ
て完全な電磁マイクロ弁をバッチ製造することにも適用
する。
【0014】これらの目的を達成するために、この発明
は、少なくとも部分的に電磁材料からなる可動素子に作
用する磁界を生成するためのコイルと、可動素子の動き
によって閉鎖できる間隙に磁束を駆動する磁気回路とを
含む、電磁マイクロアクチュエータを提供する。
【0015】この発明の実施例に従えば、マイクロアク
チュエータは、コイルが形成されている第1の表面上に
形成されかつ厚みにおいて磁気回路の横断部分が形成さ
れる第1のプレートを含み、中央部分が間隙の固定端部
を規定する。
【0016】この発明の実施例に従えば、マイクロアク
チュエータは可動素子と可動素子を周辺領域に吊るすた
めのアームとが形成される第2のプレートを含む。可動
素子は間隙を規定する第1のプレートの中央部分に面
し、可動素子およびその吊りアームは少なくとも一般的
に磁気材料からなっている。
【0017】この発明の実施例に従えば、吊りアームは
排他的に磁気材料からなっている。この発明の実施例に
従えば、可動素子は、吊りアームを含む連続的な磁気回
路によって第1のプレートの中央部分に接続される。第
1のプレートの他の横断部分および磁気カバーは第1の
プレートの第1の表面に当接している。
【0018】この発明の実施例に従えば、可動素子は、
電磁マイクロ弁を形成するために流体の少なくとも1つ
の通路を閉じる覆い蓋を構成する。
【0019】この発明の実施例に従えば、通路は、第3
のプレート中に形成されかつ覆い蓋の前に通じている横
断開口部によって構成される。
【0020】この発明の実施例に従えば、マイクロアク
チュエータはさらに、第1のプレートから間隙に通じる
排出開口部を含み、排出開口部は覆い蓋によって閉じら
れるように適合されている。
【0021】この発明はまた、少なくとも部分的に磁気
材料からなる可動素子に作用する磁界を生成するための
コイルを含む電磁マイクロアクチュエータを製造するた
めの方法に関する。この方法は以下のようなステップ、
つまり、第1のプレートの第1の表面から、磁気回路の
横断通路を規定するための3つの窪みを、エッチングす
るステップを含み、中央の窪みは2つの他の窪みよりも
浅く、さらに、磁気材料を用いて窪みを充填し、かつ第
1の表面上に、中央の窪みの周りの巻き面によってコイ
ルを形成するステップと、窪みを充填する磁気材料が、
対向する表面に現われるように、コイルに対向する表面
をエッチングし、一方で中央の窪みを中心としてかつそ
れから距離を隔てたところに肩を形成するステップと、
第2のプレートの上および第1のプレート中の磁気材料
充填材を含む表面積に等しい表面積上に堆積された磁気
材料中に、アームによって周辺領域に延在する中央部分
を形成するステップと、第2のプレートの中央部分によ
って規定される可動端部と第1のプレートの中央充填材
によって構成される固定端部とを有する間隙を規定する
ために、第1のプレートの中央充填材を第2のプレート
の中央部分と整合することによってプレートを積み上げ
るステップと、第1のプレートの第1の表面の上に、充
填材に接触する磁気カバーを組立てるステップとを含
む。
【0022】この発明の実施例に従えば、プレートはシ
リコンからなっており、磁気材料はフェロニッケルから
なっている。
【0023】この発明の前掲のおよび他の目的、特徴、
局面、および利点は添付図面と関連づけられるとき、こ
の発明の以下の詳しい説明から明らかになるであろう。
【0024】明瞭にするために、図面はスケーリングす
るようには描かれておらず、同じ要素が同じ参照番号で
さまざまな図面に参照されている。
【0025】
【詳しい説明】図2(A)は、この発明に従ったマイク
ロ電磁石または電磁アクチュエータの断面図である。図
2(B)は図2(A)のラインB−B′に沿った長手の
上面断面図である。図2(C)は、図2(A)のライン
C−C′に沿った長手の底面断面図である。図2(A)
の横断面は図2(B)および2(C)のラインA−A′
によって示されている。
【0026】図2(A)に示されているように、この発
明に従った電磁アクチュエータは、固定部分21と可動
部分22とを有する磁気回路20を含む。磁気回路は、
回路20のコイル23の中央の下に形成される間隙24
の方に磁束を駆動するためにコイル23を取巻いてい
る。
【0027】この発明の特徴は、間隙24の第1の端部
が磁界の作用の下で間隙を閉じる可動素子22によって
規定されるということである。
【0028】磁気回路20の可動素子22およびコイル
23は、たとえばシリコンプレートなどの集積回路基板
を形成するのに用いられるようなプレートから実現され
る。
【0029】この発明に従えば、コイル23は、たとえ
ば好ましくは酸化したシリコンからなる第1のプレート
25上のその組立を容易にすべく好ましくは酸化した好
ましくは真っ直ぐな部分を有する巻き面(図2(B))
によって、実現する。コイル23は、プレート25の上
に導電性材料を堆積することによって得られる。絶縁層
26は、磁気回路20を閉じる磁気カバー27からコイ
ル23を電気的に保護する。
【0030】磁気回路20の可動素子22は、たとえば
軟鉄、フェロシリコン、フェロコバルト、またはフェロ
ニッケルなどの軟質な磁気材料によって構成される層に
よって形成される。可動素子がコイル供給のカットオフ
の後にその最初の位置に戻るように、磁気材料は高い透
磁率(低い磁気抵抗)および低い残留磁気を伴って選択
される。この層はたとえば好ましくは酸化したシリコン
からなる第2のプレート28の上に形成される。
【0031】周辺領域30から間隙24の可動端部を構
成する中央部分31まで延びる吊りアーム29を規定す
る型に従って、プレート28はエッチングされる。この
ようにして可動素子35は磁気回路の中央部分31およ
びこの中央部分が置かれているシリコン部分によって形
成される。
【0032】磁気カバー27と周辺領域30との間の接
合部は、横断部分、または第1のプレート25中に形成
され横断通路を充填する部分32によって実現される。
間隙24の第2の固定端部はまた、コイル23の中央付
近のプレート25を横断する通路を充填する横断部分3
3によって形成される。プレート25は、プレート28
に面するその表面上に、間隙24の2つの端部間の距離
を固定する肩34を有する。肩34は可動素子35が磁
界の作用の下で動くのを可能にする。
【0033】このようにして、電磁アクチュエータのす
べての素子は統合され、シリコンウエハ上のバッチプロ
セスによって実現され得る。ウエハは、アクチュエータ
が形成するアクチュエータのすべての素子の形成の後に
組立てたれ、そしてアクチュエータを個体化するべく切
取られる。
【0034】この発明の代替的実施例に従えば、吊りア
ーム29、周辺領域30、および中央領域31は軟質磁
気材料からなるプレートから実現される。このプレート
はたとえば、従来で言えばシリコン基板を備えることな
く切取られ、加工され、またはフォトエッチングされ得
る。また、この場合は、個々のアクチュエータに切取ら
れる前にたとえばプレート25を形成するシリコンウエ
ハと同じ型を有し得るこれらのプレートを組立てること
によってバッチ製造プロセスが用いられる。任意に、プ
レートは、正方形でかつシリコンウエハ上に適切に位置
づけられ得る磁気材料からなる。
【0035】図3(A)−3(G)、4(A)−4
(F)、および5は、シリコンウエハから、図2(A)
−2(C)中に表わされるようなアクチュエータ構造を
得るためのこの発明の実施例を示している。
【0036】図3(A)−3(G)はこの発明に従った
方法のさまざまなステップにおけるコイル23を支持す
るプレート25の部分的な断面図である。
【0037】第1に、プレート25はその2つの表面上
を濃い酸化剤(図示せず)に晒されている。
【0038】第1のプレート25には、磁気材料充填材
32を受取るための横断通路のブランク41(図3
(A))が実現される。ブランク41はフォトエッチン
グされる。それらは、以下で説明されるように、間隙2
4の所望の高さに対応する低い深さ(たとえば、およそ
50μm)を有している。
【0039】なおもフォトエッチングプロセスを用い
て、深いエッチングステップが実行され(図3
(B))、窪み43および44を得る。窪み43および
44の深さは充填材32および33それぞれの所望の厚
みに対応する。深いエッチングステップは、たとえば2
70μmの深さで達成され、窪み43および44の深さ
はそれぞれ、およそ320μmおよび270μmである
ようにされる。
【0040】エッチングステップはたとえば等方性化学
エッチング型である。シリコンプレートにおけるエッチ
ング角度はシリコンの結晶構造に依存しており、平面
(1,0,0)に対応する平面を切取るウエハの場合に
はおよそ54°である。
【0041】薄い導電層(図示せず)、たとえばクロム
がリフトオフプロセス(図示せず)によって窪み43お
よび44中に堆積される。軟質な磁気材料、たとえばフ
ェロニッケルが、窪み43および44における電鋳によ
って堆積され、充填材32および33が得られる(図3
(C))。
【0042】コイル23(図3(D))が充填材32お
よび33の形成に用いられた方法と同じ方法で実現され
る。言い換えれば、コイルの型に従ってエッチングされ
かつクロム残留物のためのリフトオフ層を構成するレジ
ストの層(図示せず)の上にクロムの薄い層(図示せ
ず)が吹きつけられる。残りのクロムの層は、厚みが少
なくともコイル23の所望の厚みに対応するレジストマ
スク(図示せず)の電鋳によって堆積される、導電性材
料たとえば銅の接着層を構成する。
【0043】充填材32および33にプレート25を横
断させてプレート25と28との間のシリコン−シリコ
ン接触を与えるために、連続的エッチングステップがプ
レート25の底面から行なわれる(図3(E)および3
(F))。
【0044】第1のエッチングステップは、磁気回路が
コイル23の外側の方に続くことを確実にするために、
充填材32がプレートを横断するのを引き起こし、プレ
ート25と28との間のシリコン/シリコン接触を可能
にする。示されているように、肩45が形成される。肩
45の深さは磁気回路の可動素子の所望の厚みの関数と
して選択され、たとえばおよそ60μmである。上で示
されたさまざまなエッチングの深さを考慮にいれると、
プレート25は最初はおよそ380μmの厚みを有し得
る。
【0045】第2のエッチングステップは、充填材33
がアクチュエータの中央部分を横断するのを引き起こ
す。肩34(図3(F))が形成される。肩34の深さ
は間隙24の選択された深さに対応し、たとえばおよそ
50μmである。
【0046】最後に絶縁層26(図3(G))がコイル
23の上に堆積される。上述されたこの発明に従った方
法のステップは異なる順序で実現され得る。たとえば、
プレート25の底面をエッチングする前に、絶縁層26
が図3(D)に示されたような構造の上に形成され得
る。
【0047】図4(A)−4(F)は、この発明に従っ
た方法のさまざまなステップにおける、磁気回路20の
可動素子22を支持するプレート28の部分的な断面図
である。明瞭にするために、図4(B)−4(D)は、
吊りアーム29が形成される図4(A)および4(D)
−4(F)において表わされた中央部分の拡大図であ
る。
【0048】プレート28は、第1にその2つの表面上
を濃い酸化剤(図示せず)に晒される。
【0049】型50(図4(A))を規定するために異
方性フォトエッチングステップがプレート28の底面か
ら行なわれ、周辺領域30と中央領域31とから隔てら
れた吊りアーム29が形成される。エッチングステップ
は、磁気回路20の可動素子22を支持すべく設計され
たプレート28の前面から短い距離(たとえばおよそ2
0μm)を隔ててストップされる。プレート28の残り
の部分は、中央部分31の下で、それとともに可動本体
35を構成する。
【0050】吊りアーム29と周辺および中央領域3
0、31との間の開口部の型は、所望の型に従って薄い
レジスト層51(図4(B))によって規定される。レ
ジスト層51はたとえばクロム52からなる薄い接着層
52のリフトオフ層として用いられ、堆積される。
【0051】層52が開かれると、層52中に開かれた
開口部の型に従ってレジスト層53(図4(C))が形
成される。レジスト層53の厚みは、磁気回路20の可
動素子22のための所望の厚みに少なくとも等しくなる
ように選択される。
【0052】そして、軟質の材料たとえばフェロニッケ
ルが、レジスト層53によって規定された型における電
鋳によって堆積される。可動素子22を規定するこの材
料の厚みは、たとえばおよそ60μmである。層53が
リフトオフされると(図4(D)および4(E))、吊
りアーム29、周辺領域30、および中央領域31が磁
気材料中に形成される。
【0053】最後に、異方性フォトエッチングステップ
(図4(F))が達成され、吊りアーム29とアーム2
9を周辺領域30、中央領域31から隔てる開口部とに
対応する小さな厚みの残留するプレート28を除く。
【0054】この発明の代替的実施例に従えば(図示せ
ず)、図4(A)に表わされた第1のステップの間に行
なわれるプレート28のエッチングは中央領域31の下
におよび、シリコンだけが可動素子22の周辺に残る。
【0055】図5は、コイル23の上方の磁気回路20
を閉じるように設計された磁気カバー27の起こり得る
形状の一例を示す。たとえば軟鉄、フェロシリコン、フ
ェロコバルト、またはフェロニッケルの軟質な磁気材料
からなるプレートから製造されたようなカバーは、窪み
をつけられるだけで、溝55を形成し、プレート25か
ら突出するコイル26を受取り得る。
【0056】プレート25および28ならびにカバー2
7が形成されると、それらはたとえば溶接または接着な
どによって組立てられる。磁気回路の可動素子22はプ
レート25の肩45によって規定された量で係合され、
プレート25のシリコンが磁気回路の外側のプレート2
8のシリコン上に置かれるようにする。これは、シリコ
ン/シリコン接触によってより簡単な溶接の達成を可能
にする。シリコンプレートの上に磁気カバー27を形成
することによって同様の技術が磁気カバー27に適用さ
れ、図5に表わされたような構造が達成される。この場
合、カバーの外部表面はシリコンおよびたとえばプレー
ト25の充填材32の前面の周辺の磁気材料充填材の端
部によって構成される。
【0057】図6−10は、この発明に従った電磁マイ
クロ弁の実施例を示す横断断面図であって、アクチュエ
ータは上述の図面において表わされたような構造によっ
て構成される。図6はこの発明に従って組立てられたマ
イクロ弁を表わす。図7、8、および10は、図6に表
わされたマイクロ弁のアクチュエータのプレート25、
プレート28、およびカバー27をそれぞれ表わす。図
9(A)および9(B)はこの発明に従った方法の実現
のさまざまなステップにおける弁体を構成する第3のプ
レートを表わす。
【0058】この発明に従ったマイクロ弁の以下の説明
では、図2(A)−2(C)に表わされたアクチュエー
タの構造に関して行なわれた修正だけが開示される。
【0059】図6に表わされたようなマイクロ弁は、弁
体を構成するたとえばシリコンからなる第3のプレート
60を含む。このプレート60は、たとえば、弁が設計
されている流体の入力61および出力62のための2つ
の横断開口部を有する。開口部61は、開口部61のた
めの閉じ覆い蓋を構成する可動セット35の底面に面し
ている。開口部62はアクチュエータの吊りアーム29
に面している。好ましくは、覆い蓋35と協働するため
の台座63は開口部61の周辺において形成される。
【0060】第1のプレート25は、充填材33におい
て、マイクロ弁のための排出管を構成する横断開口部6
4を含む。開口部64は磁気カバー27においてアクチ
ュエータの上部まで及ぶ。
【0061】間隙24が閉じられるとき開口部64と弁
体との間の封止を確実にすべく、中央領域31の周辺と
の係合のために中央領域33の周辺において台座65
(図7)を備えるように、第1のプレート25が僅かに
変形される。間隙が開けられた(図6に表わされたよう
な位置である)とき開口部62と64との間の排出機能
を向上させるために、台座65がシリコンプレート25
において、吊りアーム29の前方の窪み66と組合せら
れ得る。
【0062】台座65および窪み66が形成され一方で
肩34が形成される(図3(F))を参照)。
【0063】第2のプレート28(図8)は図4
(F))の構造と同じ構造を有する。弁体を構成するプ
レート60は、たとえば、第1のステップにおいて開口
部61および62にそれぞれ対応する深いブランク67
および68(図9(A))の型に従って異方性で下部表
面からエッチングされる。このエッチングステップの後
に残るシリコンの厚みは、台座63に所望の高さに対応
するように選択される。
【0064】そして、浅いエッチングステップがプレー
ト60の前面から達成され(たとえば20μm)、台座
63を形成し、開口部61および62を達成する。
【0065】開口部61および62、ならびに台座63
および65は、好ましくは環状であって、一方で必要と
あれば、それらがそれぞれに協働する覆い蓋35の2つ
の表面によって規定される正方形の面内に置かれる。
【0066】図6に表わされたマイクロ弁は、3つの通
り道61、62、および64ならびに2つの状態(開/
閉)を有する弁を構成する。この弁は、コイルに電流が
ないとき覆い蓋35が入力開口部61を閉じていれば、
通常閉弁である。さらに、アクチュエータは直接覆い蓋
35上に作用するのでこの弁は直接制御弁である。
【0067】通常開弁を形成するために、開口部64は
流体入力を構成し、開口部62は流体出力を構成し、開
口部61は排出口を構成する。
【0068】2つの流体出力間の切換機能もまた実現さ
れ得る。開口部62が流体入力を構成する一方で、開口
部61および64は出力を構成する。
【0069】さらに、通常閉の2方向2状態弁は、開口
部64を除くかまたは永久的に閉じることによって実現
され得る。通常開の2方向2状態弁を実現するために
は、開口部61は形成されない。
【0070】図11は、この発明に従った電磁マイクロ
弁の第2の実施例の横断断面図である。そのようなマイ
クロ弁の実現は、上述の図面に関連して開示された技術
と同じエッチング技術を用いる。
【0071】この第2の実施例は、特に流体の通路のた
めの横方向開口部70の存在のために、図6に関連して
開示された実施例とは異なる。この目的のために第3の
プレート60に面する第2のプレート28の表面上に、
覆い蓋35の吊りアーム29が形成される。
【0072】コイル23が実現される第1のプレート2
5は、横断通路32の1つが開口部70の第1の部分7
1の実現を可能にするために中断されている点以外は、
図7に表わされた第1の実施例のプレート25と同様で
ある。
【0073】この実施例の第2のプレート28は横方向
の開口部70の第2の部分72を含む。周辺領域30は
横断充填材73と関連して、磁気回路がプレート25の
充填材32とつながることを確実にする。中央充填材7
4は間隙24をプレート25の中央充填材33で規定す
る。
【0074】第3のプレート60は、中央開口部61が
このプレート60において実現される点を除いて、図9
(A)および9(B)に表わされたプレートと同様であ
る。
【0075】磁気カバー27は図10に表わされたカバ
ーと同様である。図11に表わされたマイクロ弁は3方
向(61、70、および64)2状態(閉/開)弁を構
成する。入口が開口部61に対応しかつ出口が開口部7
0に対応すると仮定すると、この弁は通常閉弁であり、
コイルに電流がなければ、覆い蓋35は入力開口部61
を閉じる。
【0076】通常開弁を実現するためには、開口部64
が入口を構成し、開口部70が出口を構成し、開口部6
1が排出口を構成すれば十分である。
【0077】2つの流体出力間の切換機能を実現するた
めに、開口部70は流体入力を構成する一方で開口部6
1および64は出力を構成する。
【0078】通常閉の2方向2状態弁はまた、開口部6
4を削除するかまたは永久に閉じることによって実現さ
れ得る。通常開の2方向2状態弁を実現するためには、
開口部61は形成されない。
【0079】当業者には明らかであるように、さまざま
な修正が上述の開示された好ましい実施例になされ得
る。たとえば、堆積層の材料の各々が同じ機能を有する
1つまたはそれ以上の材料に置換えられ得る。
【0080】さらに、この発明およびその代替物は、構
造を構成するプレートがシリコンプレートである場合に
限って説明されてきた。実際、エッチング技術はほとん
どシリコンを対象として開発されている。しかしなが
ら、説明された構造において、シリコンの半導体特性は
用いられないことが注目されるべきである。そして、所
望の物理化学的特性(ガラス、絶縁体、など)に依存し
て、磁気を有さない他の材料をシリコンにとって代わる
ように用いることができる。
【0081】上述の説明では、一般的に正方形のアクチ
ュエータに対して述べられただけであるが、この発明は
たとえば長方形、円形、長円形、多角形を有するアクチ
ュエータの実現を可能にする。
【0082】この発明の少なくとも1つの例示的な実施
例を述べてきたが、さまざまな変更、修正、および改良
が当業者には容易に思いつくであろう。そのような変
更、修正、および改良点はこの発明の精神および範囲内
にあることが意図される。したがって、上の説明は単な
る一例であって、限定するようには意図されていない。
この発明は前掲の特許請求の範囲およびそれの均等物に
規定されるようにだけ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)および(B)は、上述されたように当該
技術の状態およびそれに生じる問題を示す図である。
【図2】(A)−(C)は、この発明に従った電磁マイ
クロアクチュエータの実施例の横断断面図および長手の
断面図である。
【図3】(A)−(G)は、図2(A)−2(C)に表
わされたアクチュエータなどのアクチュエータの第1の
プレートを製造するための方法の実現のステップを示す
図である。
【図4】(A)−(F)は、図2(A)−2(C)に表
わされたアクチュエータなどのアクチュエータの第2の
プレートを製造するための方法の実現のステップを示す
図である。
【図5】図2(A)−2(C)に表わされたアクチュエ
ータなどのアクチュエータの磁気カバーの実施例の部分
的断面図である。
【図6】この発明に従った電磁マイクロ弁の第1の実施
例の断面図である。
【図7】図6に表わされたような電磁マイクロ弁の第1
のプレートを実現するための方法の実現を示す図であ
る。
【図8】図6に表わされたような電磁マイクロ弁の第2
のプレートを実現するための方法の実現例を表わす図で
ある。
【図9】(A)および(B)は、図6に表わされたよう
な電磁マイクロ弁の第3のプレートを実現するための方
法の実現例を示す図である。
【図10】図6に表わされたような電磁マイクロ弁のた
めの電磁カバーの横断断面図である。
【図11】この発明に従った電磁マイクロ弁の第2の実
施例の断面図である。
【符号の説明】 20 電磁回路 23 コイル 31 磁気材料 35 可動素子
フロントページの続き (72)発明者 アブデルクリム・シュジャー フランス国、39700 フレーサン、リュ・ ドゥ・ポン、25 (72)発明者 オリビエー・ゴアーグニ フランス国、01270 コリニィ、ビーユ・ スー・シャルモー(番地なし)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも部分的に磁気材料(31)か
    らなる可動素子(35)に作用する磁界を生成するため
    のコイル(23)と、 前記可動素子(35)の動きによって閉じることが可能
    な間隙(24)に磁束を駆動するための磁気回路(2
    0)とを含む、電磁マイクロアクチュエータ。
  2. 【請求項2】 コイル(23)が形成されている第1の
    表面上に形成され、かつ厚みにおいて磁気回路(20)
    の横断部分(32、33)が形成される第1のプレート
    (25)と、 前記間隙(24)の固定端部を規定する中央部分(3
    3)とを含む、請求項1に記載の電磁マイクロアクチュ
    エータ。
  3. 【請求項3】 前記可動素子(35)と周辺領域(3
    0)にその可動素子を吊すためのアーム(29)とが形
    成される第2のプレート(28)を含み、可動素子(3
    5)は間隙(24)を規定する第1のプレート(25)
    の前記中央部分(33)に面し、可動素子(35)およ
    びその吊りアーム(29)は少なくとも部分的に磁気材
    料からなっている、請求項2に記載の電磁マイクロアク
    チュエータ。
  4. 【請求項4】 前記吊りアーム(29)は排他的に磁気
    材料からなる、請求項3に記載の電磁マイクロアクチュ
    エータ。
  5. 【請求項5】 前記可動素子(35)は、吊りアーム
    (29)を含む連続する磁気回路によって第1のプレー
    ト(25)の中央部分(33)に接続されており、第1
    のプレート(25)の他の横断部分(32)および磁気
    カバー(27)は第1のプレート(25)の前記第1の
    表面に当接している、請求項3または4に記載の電磁マ
    イクロアクチュエータ。
  6. 【請求項6】 前記可動素子(35)は、電磁マイクロ
    弁を形成するために流体の少なくとも1つの通路(6
    1、64、70)を閉じる覆い蓋を構成する、請求項2
    ないし5のいずれかに記載の電磁マイクロアクチュエー
    タ。
  7. 【請求項7】 前記通路は、第3のプレート(60)中
    に形成されかつ前記覆い蓋(35)の前に通じている横
    断開口部(61)によって構成される、請求項6に記載
    の電磁マイクロアクチュエータ。
  8. 【請求項8】 前記第1のプレート(25)から前記間
    隙(24)に通じる排出開口部(64)をさらに含み、
    前記排出開口部(64)は、前記覆い蓋(35)によっ
    て閉じられるように適合されている、請求項6または7
    に記載の電磁マイクロアクチュエータ。
  9. 【請求項9】 少なくとも部分的に磁気材料(31)か
    らなる可動素子(35)に作用する磁界を生成するため
    のコイル(23)を含む電磁マイクロアクチュエータを
    製造するための方法であって、 第1のプレート(25)の第1の表面から、磁気回路
    (20)の横断通路を規定するための3つの窪み(4
    3、44)をエッチングするステップを含み、中央の窪
    み(44)は、他の2つの窪み(43)よりも浅く、さ
    らに、 磁気材料を用いて前記窪み(43、44)を充填し、か
    つ前記第1の表面上に、中央の窪み(44)の周りの巻
    き面によってコイル(23)を形成するステップと、 前記窪み(43、44)の前記磁気材料充填材(32、
    33)が、対向する表面上に現われるように、前記コイ
    ル(23)に対向する面をエッチングし、一方で前記中
    央の窪み(44)を中心としてかつそれから隔てたとこ
    ろに肩(34)を形成するステップと、 第2のプレート(28)の上および第1のプレート(2
    5)中の前記磁気材料充填材(32、33)を含む表面
    積に等しい表面積上に堆積された磁気材料において、ア
    ーム(29)によって周辺領域(30)に延在する中央
    部分(31)を形成するステップと、さらに、 第2のプレート(28)の前記中央部分(31)によっ
    て規定される可動端部と第1のプレート(25)の前記
    中央充填材(33)によって構成される固定端部とを有
    する間隙(24)を規定するために、第1のプレート
    (25)の前記中央充填材(33)を第2のプレート
    (28)の前記中央部分(31)と整合することによっ
    て前記プレート(25、28)を積み上げるステップ
    と、 第1のプレート(25)の前記第1の表面上に、前記充
    填材(32、33)に接触する磁気カバー(27)を組
    立てるステップとを含む、方法。
  10. 【請求項10】 前記プレート(25、28)はシリコ
    ンからなり、前記磁気材料はフェロニッケルからなる、
    請求項9に記載の方法。
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