JPH0978217A - 耐摩耗性および耐食性のすぐれたNi基合金プラズマ溶射皮膜 - Google Patents

耐摩耗性および耐食性のすぐれたNi基合金プラズマ溶射皮膜

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JPH0978217A
JPH0978217A JP7263592A JP26359295A JPH0978217A JP H0978217 A JPH0978217 A JP H0978217A JP 7263592 A JP7263592 A JP 7263592A JP 26359295 A JP26359295 A JP 26359295A JP H0978217 A JPH0978217 A JP H0978217A
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JP
Japan
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coating film
sprayed
corrosion resistance
wear resistance
compsn
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Withdrawn
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JP7263592A
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English (en)
Inventor
Yasushi Toyokura
康司 豊蔵
Katsuo Sugawara
克生 菅原
Saburo Wakita
三郎 脇田
Norichika Kato
法親 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性および耐食性のすぐれたNi基合金
プラズマ溶射皮膜を提供する。 【解決手段】 溶射雰囲気通過中に形成された表面酸化
層を介して相互に溶着した溶射粒子の集積体からなり、
前記表面酸化層を除く前記溶射粒子が、重量%で、C
r:15〜30%、Mo:5〜25%、Ta:1〜8%
を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組成、並
びに素地中に位相的最密構造を有する微細な硬質Ni−
Cr−Mo−Ta系金属間化合物が分散析出した組織を
有するNi基合金からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばボイラー
廃ガスからの熱回収に用いられる熱交換器におけるヒー
トパイプなどの構造部材の表面に適用されるNi基合金
プラズマ溶射皮膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、例えば火力発電所のボイ
ラー廃ガスから熱回収することが行なわれており、これ
には構造部材としてヒートパイプを用いた型式の熱交換
器などが用いられている。また、上記ヒートパイプの表
面は、きわめて腐食性の強いSOx やNOx 、さらにH
Clなどの腐食因子、さらにススや各種ダストなどを含
有した廃ガス流にさらされることから、その表面には、
耐食性および耐摩耗性を具備した各種のNi基合金プラ
ズマ溶射などが施されている。さらに、上記Ni基合金
プラズマ溶射皮膜として、重量%で(以下、%は重量%
を示す)、Ni−16%Cr−16%Mo−3%W−4
%FeおよびNi−22%Cr−9%Mo−4%Nbの
代表組成を有する固溶体組織のNi基合金からなる溶射
粒子の相互融着体からなるものなどが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年、上記ボイ
ラーなどは大型化および高性能化の傾向にあり、これに
伴ない、廃ガスは、高温化するばかりでなく、流量の増
大化および流速の高速化が避けられず、このための熱交
換器における、例えばヒートパイプなどの構造部材に対
する摩耗および腐食環境は一段と厳しさを増す状況にあ
るが、このような厳しい環境下では、上記の従来Ni基
合金プラズマ溶射皮膜は十分な耐摩耗性および耐食性を
示さないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、一段と耐摩耗性および耐食性を
向上せしめたプラズマ溶射皮膜を開発すべく研究を行な
った結果、Cr:15〜30%、 Mo:5〜25
%、Ta:1〜8%、を含有し、残りがNiと不可避不
純物からなる組成をもったNi基合金粉末を用い、これ
を溶射雰囲気を酸化性雰囲気として基体表面にプラズマ
溶射すると、前記Ni基合金粉末は、溶射雰囲気通過中
に表面が酸化された溶射粒子となって基体表面に集積し
てプラズマ溶射皮膜を形成するようになり、このように
前記プラズマ溶射皮膜は、これを構成する溶射粒子がそ
の表面に形成された酸化層を介して相互に融着した集積
体からなるが、前記表面酸化層同志はきわめてすぐれた
密着性を有するので、プラズマ溶射皮膜自体の強度が著
しく向上するようになり、またこれを構成する前記表面
酸化層を除く溶射粒子は、粒径で0.5μm以下の微細
な位相的最密構造を有する硬質Ni−Cr−Mo−Ta
系金属間化合物が前記固溶体の素地中に分散析出するよ
うになり、この結果のNi基合金プラズマ溶射皮膜にお
いては、上記金属間化合物によってすぐれた耐摩耗性が
確保され、かつ上記素地によってすぐれた耐食性が確保
されるようになるという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、溶射雰囲気通過中に形成された
表面酸化層を介して相互に融着した溶射粒子の集積体か
らなり、前記表面酸化層を除く前記溶射粒子を、Cr:
15〜30%、 Mo:5〜25%、Ta:1〜8
%、を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組
成、並びに素地中に位相的最密構造を有する微細な硬質
Ni−Cr−Mo−Ta系金属間化合物が分散析出した
組織を有するNi基合金で構成してなる、耐摩耗性およ
び耐食性のすぐれたNi基合金プラズマ溶射皮膜に特徴
を有するものである。
【0006】なお、この発明のプラズマ溶射皮膜におい
て、溶射粒子を構成するNi基合金の組成を上記の通り
に限定したのは以下に述べる理由によるものである。す
なわち、この発明の溶射皮膜は、上記の通り、Ni−C
r−Mo−Ta系合金の固溶体で構成された溶射粒子素
地によってすぐれた耐食性を確保し、前記素地中に微細
分散析出した硬質のNi−Cr−Mo−Ta系金属間化
合物によってすぐれた耐摩耗性を確保するものであり、
したがってこれの構成成分であるCr,Mo、およびT
aのうちのいずれかの含有量でも、Cr:15%未満、
Mo:5%未満、およびTa:1%未満になると、所望
のすぐれた耐食性と耐摩耗性を確保することができず、
またCr,Mo、およびTaのうちのいずれかの含有量
でも、Cr:30%、Mo:25%、およびTa:8%
を越えると、前記素地の耐食性が低下するようになるこ
とから、その含有量を、それぞれCr:15〜30%、
望ましくは17〜23%、Mo:5〜25%、望ましく
は17〜21%、およびTa:1〜8%、望ましくは1
〜4%と定めた。
【0007】
【発明の実施の形態】高周波誘導炉を用い、Ar雰囲気
中で、それぞれ表1に示される成分組成をもったNi基
合金溶湯を調整し、ガスアトマイズ法にてNi基合金粉
末とし、10〜100μmの範囲内の粒度をもつように
粒度調整(篩分)し、このNi基合金粉末を用い、溶射
雰囲気:大気(760torr)雰囲気、プラズマガス組
成:Ar/H2 =容量比で50/5、ガス流量:55l
/min 、プラズマ電流:600A、粉末供給量:25〜
30g/min 、粉末搬送ガス:Ar、溶射距離:100
mmの条件で、外径:25.4mm×肉厚:1.8mm×長
さ:1000mmの寸法をもった9/1キュプロニッケル
(Ni−90%Cu)製ヒートパイプのショットブラス
ト処理表面に、実質的に上記Ni基合金粉末と同じ組成
をもった溶射粒子が表面酸化層を介して相互に融着した
集積体からなる厚さ:300μmの本発明Ni基合金プ
ラズマ溶射皮膜(以下、本発明溶射皮膜という)1〜9
をそれぞれ形成した。また、比較の目的で、Ni基合金
粉末(溶射粒子)の成分組成を表1に示される通りとす
ると共に、溶射雰囲気を50torr(減圧)とする以外は
同一の条件で従来Ni基合金プラズマ溶射皮膜(以下、
従来溶射皮膜という)1,2を形成した。
【0008】この結果得られた各種の溶射皮膜につい
て、透過型電子顕微鏡によりミクロ組織を観察したとこ
ろ、本発明溶射皮膜1〜9においては、表面酸化層を除
く溶射粒子の素地に粒径で0.5μm以下の微細な析出
物が存在し、一方従来溶射皮膜1,2には何の析出物の
形成も見られなかった。また、上記析出物を制限視野回
折パターンおよびエネルギー分散型X線分析装置を用い
て観察したところ、位相的最密構造を有するNi−Cr
−Mo−Ta系金属間化合物(μ相)であることが確認
された。
【0009】つぎに、上記溶射皮膜形成のヒートパイプ
を、一方端部を煙道外に露出して水冷した状態で、ボイ
ラー廃ガス煙道内に取付け、前記煙道に、湿り廃ガス
量:50900Nm3 /hr、乾き廃ガス量:48000
Nm3 /hr、廃ガス温度:250℃、廃ガス水分量:
5.7容量%、ダスト濃度:0.188g/Nm3 、S
x 濃度:1300ppm 、NOx 濃度:32ppm 、CO
2 濃度:12.2容量%、O2 濃度:7.4容量%、N
2 濃度:80.4容量%からなる廃ガスを、8.7m/
秒の流速で通し、この間一方端部の水冷によりヒートパ
イプの表面温度を120〜130℃に保持することから
なる苛酷な条件での暴露試験を2160時間(約3ヶ
月)に亘って行ない、試験前後におけるヒートパイプの
外径寸法の最大変化量を測定し、これより減肉速度を算
出して、溶射皮膜の耐食性および耐摩耗性を評価した。
これらの結果を表1に示した。また、表1には上記溶射
皮膜のビッカース硬さも示した。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】表1に示される結果から、本発明溶射皮
膜1〜9は、溶射粒子相互を強固に融着する表面酸化層
によって高強度が確保され、かつ特に素地中に微細に分
散析出した位相的最密構造を有する硬質Ni−Cr−M
o−Ta系金属間化合物によって、苛酷な条件下でも、
これの形成がない従来溶射皮膜1,2に比して一段と遅
い減肉速度を示し、耐食性および耐摩耗性にすぐれてい
ることが明らかである。上述のように、この発明のNi
基合金プラズマ溶射皮膜は、すぐれた耐食性と耐摩耗性
を有するので、ボイラー廃ガスの熱交換器や耐酸ポンプ
などの厳しい摩耗と腐食にさらされる構造部材の表面に
適用した場合に、苛酷な条件下での運転においても前記
構造部材を十分に保護し、著しく長期に亘っての操業を
可能とするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 法親 兵庫県朝来郡生野町口銀谷字猪野々985− 1 三菱マテリアル株式会社生野製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶射雰囲気通過中に形成された表面酸化
    層を介して相互に溶着した溶射粒子の集積体からなり、
    前記表面酸化層を除く前記溶射粒子を、重量%で、C
    r:15〜30%、Mo:5〜25%、Ta:1〜8
    %、を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる組
    成、並びに素地中に位相的最密構造を有する微細な硬質
    Ni−Cr−Mo−Ta系金属間化合物が分散析出した
    組織を有するNi基合金で構成したことを特徴とする耐
    摩耗性および耐食性のすぐれたNi基合金プラズマ溶射
    皮膜。
JP7263592A 1995-09-18 1995-09-18 耐摩耗性および耐食性のすぐれたNi基合金プラズマ溶射皮膜 Withdrawn JPH0978217A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103422047A (zh) * 2012-05-14 2013-12-04 中国科学院上海硅酸盐研究所 一种制备碳化硼-钼复合涂层的方法
CN111058774A (zh) * 2019-12-12 2020-04-24 北京工商大学 一种用于钻进砂石土层的截齿及其制备方法
CN114450426A (zh) * 2020-03-31 2022-05-06 日立金属株式会社 合金、合金粉末、合金构件和复合构件

Cited By (4)

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US11883880B2 (en) 2020-03-31 2024-01-30 Proterial, Ltd. Alloy, alloy powder, alloy member, and composite member

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Effective date: 20021203