JPH0976877A - シートベルト用リトラクター - Google Patents

シートベルト用リトラクター

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Publication number
JPH0976877A
JPH0976877A JP7258239A JP25823995A JPH0976877A JP H0976877 A JPH0976877 A JP H0976877A JP 7258239 A JP7258239 A JP 7258239A JP 25823995 A JP25823995 A JP 25823995A JP H0976877 A JPH0976877 A JP H0976877A
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JP
Japan
Prior art keywords
plunger
winding
spring
force
seat belt
Prior art date
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Application number
JP7258239A
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English (en)
Inventor
Bai Matsuki
培 松木
Satoshi Hirase
敏 平瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作動機構の信頼性を高めると共に、組立てが
容易で安価な巻取り力軽減機構を備えたシートベルト用
リトラクターを提供する。 【解決手段】 電磁ソレノイド21のプランジャ22により
駆動されるロックアーム31が、巻取り軸に巻取り力を付
与する第1及び第2の巻取りバネに連結されるラチェッ
トホイール17のラチェット歯17a に係脱することによっ
て、巻取り軸に作用する巻取り力を軽減可能な巻取り力
軽減機構において、ラチェット歯17a と係合する方向へ
ロックアーム31の先端係合部34を付勢する電磁ソレノイ
ド21のプランジャ復帰用バネが、つづみ型コイルスプリ
ング23から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シートベルトの
リトラクター(巻取り装置)に関し、特にシートベルト
装着時のウェビング巻取り力を軽減する巻取り力軽減機
構(テンションレデューサ)を備えたシートベルト用リ
トラクターの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のシートベルト装置は、
車両の乗員を衝突事故から保護すべく乗員の身体を座席
に拘束するが、巻取りバネのウェビング巻取り力を乗員
の拘束時に適当になる様に設定すると、シートベルト格
納時にウェビング巻取り力が不充分となり、逆にシート
ベルト格納時のウェビング巻取り力を充分に設定する
と、シートベルト装着時の乗員拘束力が強くなり過ぎる
という問題点がある。
【0003】そこで、これらの問題点を解消するため、
例えば特公平7−47382号及び実公平7−8329
号公報等に開示されたシートベルト巻取装置のように、
電磁ソレノイドのプランジャにより駆動されるロック部
材が、巻取り軸に巻取り力を付与する第1バネ手段と第
2バネ手段とに連結された連係部材のラチェット歯に係
脱することによって、これら第1バネ手段及び第2バネ
手段の接続態様を切替えて巻取り軸に作用する巻取り力
を軽減可能な巻取り力軽減機構を備えたシートベルト用
リトラクターが提案されている。
【0004】図10は、上述の如き巻取り力軽減機構の
要部拡大斜視図である。第1バネ手段48と第2バネ手
段49とにそれぞれ連結された連係部材であるラチェッ
ト車47の近傍には、該ラチェット車47のラチェット
歯に係脱可能な爪部44を一体成形したロック部材であ
るストッパー43が回動自在に軸支される。該ストッパ
ー43には電磁ソレノイド41のプランジャ42がスプ
リングピン45で連結され、該プランジャ42にはプラ
ンジャ復帰用バネであるコイルスプリング50が装着さ
れる。
【0005】そして、電磁ソレノイド41が励磁されな
い常時には、該コイルスプリング50によって前記スト
ッパー43がラチェット車47のラチェット歯と非係合
な方向(図中、時計回り方向)へ回転付勢されるので、
前記ラチェット車47が図示しない巻取り軸のウェビン
グ引出し方向の回転に応じて回転でき、巻取り軸に対し
て十分な巻取り力が付与されるように構成されている。
【0006】一方、乗員がシートベルトを装着すること
により前記電磁ソレノイド41が励磁されると、前記ス
トッパー43が回動され、爪部44がラチェット車47
のラチェット歯と係合するので、ラチェット車47が図
示しない巻取り軸のウェビング引出し方向の回転に応じ
て回転できなくなり、巻取り軸に対する巻取り力が軽減
されるように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記コ
イルスプリング50の荷重特性は直線であり、曲線であ
る前記電磁ソレノイド41の吸引力特性とは合わない。
即ち、図11中の直線Aのように、プランジャ42の復
帰力を強くする為にコイルスプリング50のばね力Fを
大きくとると、ストロークが足りなくなる。
【0008】一方、図11中の直線Bのように、コイル
スプリング50のストロークを大きくとると、ばね力F
が小さくなってプランジャ42の復帰力が弱くなるの
で、前記爪部44の先端がラチェット車47のラチェッ
ト歯と干渉し、巻取り力軽減機構の解除性が悪くなる可
能性がある。或いは、図11中の直線Cのように、コイ
ルスプリング50のばね力Fを大きくとると共にストロ
ークも十分にとると、プランジャ42のストローク途中
でコイルスプリング50のばね力Fが電磁ソレノイド4
1の吸引力を上回るので、前記ストッパー43はラチェ
ット車47と係合する方向へ回動できなくなってしま
う。又、ソレノイドの吸引力を大きくしようとすると、
ソレノイドが大型化してリトラクターへの組付け性が低
下すると共にコストアップとなる。
【0009】従って、これらコイルスプリング50及び
電磁ソレノイド41の選択と組合せには、それぞれの荷
重特性及び吸引力特性に応じた慎重な設計を要し、部品
精度や組立精度も高くしなければならないので、製造コ
ストが高くなるという問題がある。また、上述の如き巻
取り力軽減機構においては、前記プランジャ42と前記
ストッパー43とを連結する為にスプリングピン45を
用いているので、リトラクターの部品点数が増加すると
共に、予めスプリングピン45をプランジャ42に挿着
しなければならず、組立工程も増えるという問題があ
る。
【0010】即ち、本発明の目的は上記課題を解消する
ことにあり、作動機構の信頼性を高めると共に、組立て
が容易で安価な巻取り力軽減機構を備えたシートベルト
用リトラクターを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、電
磁ソレノイドのプランジャにより駆動されるロック部材
が、巻取り軸に巻取り力を付与する第1バネ手段と第2
バネ手段とにそれぞれ連結された連係部材のラチェット
歯に係脱することによって、巻取り軸に作用する巻取り
力を軽減可能な巻取り力軽減機構を備えたシートベルト
用リトラクターにおいて、前記プランジャに装着される
電磁ソレノイドのプランジャ復帰用バネが、略つづみ型
の非線形コイルバネから成ることを特徴とするシートベ
ルト用リトラクターにより達成される。
【0012】又、本発明の上記目的は、電磁ソレノイド
のプランジャにより駆動されるロック部材が、巻取り軸
に巻取り力を付与する第1バネ手段と第2バネ手段とに
それぞれ連結された連係部材のラチェット歯に係脱する
ことによって、巻取り軸に作用する巻取り力を軽減可能
な巻取り力軽減機構を備えたシートベルト用リトラクタ
ーにおいて、前記プランジャと前記ロック部材とを連結
する連結構造が、前記プランジャの先端部に形成された
小径の頸部を有するプランジャ頭部と、該プランジャ頭
部を係止すべく前記ロック部材に形成された係合穴とか
ら成り、前記係合穴が、前記プランジャ頭部のくぐり抜
けを可能とする挿入部と、該挿入部に連通すると共に前
記プランジャ頭部の外径より狭く、前記頸部の外径より
広いスリット幅を有するスリット部とを備えており、前
記プランジャ頭部が前記スリット部の周縁部に係止され
てロック部材と連結されることを特徴とするシートベル
ト用リトラクターにより達成される。
【0013】尚、好ましくは前記プランジャ頭部を係止
する前記周縁部の当接面に円弧状の当接部を突設し、プ
ランジャ頭部とロック部材との当接部における接触抵抗
を減ずる。又、好ましくは前記ロック部材のスリット部
近傍には、該ロック部材に当接するプランジャ復帰用バ
ネの一端部の半径方向のズレを規制可能な保持壁が形成
される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の一実施形態を詳細に説明する。図1乃至図3に示す本
発明の一実施例に基づくシートベルト用リトラクター
は、その大部分がコの字断面を有するベース1と、ベー
ス1の両側板1aに回転自在に橋架される巻取り軸4
と、該巻取り軸4をウェビング巻取り方向に付勢する第
1バネ手段である巻取りバネ9と、巻取り軸4に対して
該巻取りバネ9と並列的に配置された第2バネ手段であ
る巻取りバネ20と、該巻取りバネ20の付勢力を巻取
り軸4に対して巻取りバネ9の付勢力と同方向に作用さ
せると共に、巻取りバネ9の付勢力により巻取りバネ2
0を弾性エネルギー蓄積方向に付勢できるように巻取り
軸4と巻取りバネ20との間に配設された歯車手段であ
る遊星歯車装置18と、これら巻取りバネ9,20及び
遊星歯車装置18を覆うべく側板1aの外側に固定され
たロアカバー10及びアッパーカバー27とを備えてお
り、ウェビング29を巻取り方向に付勢するウェビング
巻取り機構と共に乗員のシートベルト装着時におけるウ
ェビング巻取り力を軽減するための巻取り力軽減機構
(テンションレデューサ)が構成されている。
【0015】そして、ウェビング29の一端は、前記巻
取り軸4に嵌装された巻取りリール(図示せず)に巻取
り可能に接続されており、他端は車体の適宜箇所に取付
けられている。巻取り軸4の図示しない他端部には、緊
急時にウェビングの引出しを阻止するための図示しない
公知の緊急ロック機構が配置される。前記遊星歯車装置
18は、図2に示すように、巻取り軸4の一端に嵌まる
太陽歯車であるメインギア8と、外周部にラチェット歯
17aを有し、アッパーカバー27の内壁面に突設され
た支軸に回転自在に軸支されるキャリア部材であるラチ
ェットホイール17と、該ラチェットホイール17の支
軸17bに回転自在に支持されてメインギア8と噛み合
う遊星歯車16と、アッパーカバー27の支軸27aに
回転自在に軸支されて遊星歯車16と噛み合う内歯15
aを有する内歯歯車である円盤状のリテーナ15とによ
り構成される。
【0016】即ち、本実施例においては、前記ラチェッ
トホイール17が巻取りバネ9と巻取りバネ20とに連
結された連係部材として構成されている。前記メインギ
ア8の係止溝8aには、他端部を前記ロアカバー10の
係止部10aに係止された巻取りバネ9の一端部が保持
され、メインギア8を介して巻取り軸4をウェビング巻
取り方向(図3中、矢印X1 方向)へ付勢している。ま
た、リテーナ15の係止溝15cには、他端部をアッパ
ーカバー27の係止部に係止された巻取りバネ20の一
端部が保持され、該リテーナ15を前記矢印X1 方向へ
付勢している。
【0017】図3に示すように、前記リテーナ15の内
歯15aの内方(図3中、手前側)には係合突起15b
が形成されており、該リテーナ15の底面に対向する遊
星歯車16の側面に形成された係合突起16aと係合す
ることにより、該遊星歯車16の反時計回り方向の自転
及びリテーナ15に対する相対移動を拘束するストッパ
ー手段を構成している。前記係合突起16aは、遊星歯
車16の歯先ピッチ円内に納まるように遊星歯車16の
側面に突設されている。そして、図3中反時計回り方向
に自転する遊星歯車16の回転方向に対し前方側に位置
する係合突起16aの側面16bが、リテーナ15の係
合突起15bの対向面15cとリテーナ15のラジアル
方向に対向するように圧接される。
【0018】テンションレデューサを作動させる為、シ
ートベルトに付いたタングプレートとバックルとの正常
な結合を検知する結合検知部26は、図示しないシート
ベルトに取り付けられたタングプレートとバックルが正
常な結合状態にある時にその状態を検知する公知の検知
回路により構成される。例えば、タングプレートがバッ
クルに正常に挿入された時に、予めバックル内に設置さ
れたスイッチが検知信号を出力するように構成しておく
ことが考えられる。
【0019】前記結合検知部26の検知信号に基づいて
ラチェットホイール17の回転を阻止し、リテーナ15
をメインギア8に対し逆方向に相対回転するように切り
換える切り換え手段は、図1に示すロアカバー10の保
持部10c内に固定される電磁ソレノイド21と、該電
磁ソレノイド21のプランジャ22に装着されるプラン
ジャ復帰用バネとしてのつづみ型コイルスプリング23
と、プランジャ22の先端部に連結されるロック部材と
してのロックアーム31と、ロアカバー10の外側面に
突設されてロックアーム31の係合ボス穴33を挿通す
る支軸10bとにより構成される。
【0020】前記プランジャ22の先端部には、図4に
示すように、小径の頸部22bと共に、ロックアーム3
1に連結されるプランジャ頭部22aが形成されてい
る。該プランジャ22は、電磁ソレノイド21が励磁さ
れることにより、図4中左方へ駆動される。前記支軸1
0bに回動自在に軸支されるロックアーム31には、図
5に示すように、ラチェットホイール17のラチェット
歯17aに係脱可能な先端係合部34と、前記プランジ
ャ頭部22aに連結されるアーム部32とが、その係合
ボス穴33を中心に半径方向外方へ延設されている。ア
ーム部32には、プランジャ頭部22aを係止する為の
係合穴35と、該アーム部32に当接する前記つづみ型
コイルスプリング23の一端部の半径方向のズレを規制
可能な保持壁36とが形成されている。
【0021】更に、前記係合穴35は、プランジャ頭部
22aのくぐり抜けを可能とする挿入部である半円形の
挿入口35aと、該挿入口35aに連通してアーム部3
2の先端側へ延びるスリット部35bとを有しており、
該スリット部35bのスリット幅はプランジャ頭部22
aの外径より狭く、頸部22bの外径より広い。そこ
で、アーム部32にプランジャ22を組付ける際には、
図6に示すように、プランジャ頭部22aを挿入口35
aに通した後、頸部22bをスリット部35bの先端側
まで移動させることにより、プランジャ頭部22aを該
スリット部35bの周縁部で係止する。即ち、ピン等の
連結部材を用いずに、プランジャ頭部22aを係合穴3
5に挿入するだけでロックアーム31にプランジャ22
を組付けることができるので、ピン等による部品点数及
び組立工数の増加を防止し、製造コストを下げることが
できる。
【0022】この状態でプランジャ22が軸方向に移動
すると、ロックアーム31は係合ボス穴33を中心に回
転する。ここで、プランジャ頭部22aと接するアーム
部32の当接面には円弧状の当接部37が突設されてお
り、プランジャ頭部22aとアーム部32の当接部にお
ける接触抵抗を減ずるので、プランジャ22の軸方向の
動きは滑らかにロックアーム31のアーム部32に伝達
される。
【0023】次に、上記巻取り力軽減機構の動作につい
て説明する。先ず、乗員が乗車し、シートベルトを装着
する前の状態では、ウェビング巻取り機構はウェビング
29の巻取りを完了しており、図3の状態で静止してい
る。この時、タングプレートはバックルに挿着されてお
らず、結合検知部26からは検知信号が発信されず、電
磁ソレノイド21は励磁されていない。そこで、ロック
アーム31は、図3に示すように、前記つづみ型コイル
スプリング23のばね力により支軸10bを中心に反時
計回り方向(矢印Y1 方向)へ回転付勢され、その先端
係合部34がラチェットホイール17のラチェット歯1
7aと噛み合わない状態となる。
【0024】ここで、メインギア8は巻取りバネ9によ
り矢印X1 方向へ付勢されているが、ウェビング29が
全量巻取り状態であるため、それ以上回転できない。ま
た、リテーナ15は同様に矢印X1 方向へ巻取りバネ2
0により付勢されているが、図3に示した状態では、メ
インギア8及びリテーナ15の双方と噛み合う遊星歯車
16の係合突起16aがリテーナ15の係合突起15b
と圧接し、リテーナ15は遊星歯車16に対し矢印X1
方向へ相対移動できない。ここで、遊星歯車16はメイ
ンギア8とも噛み合っている為、リテーナ15はメイン
ギア8に対しても矢印X1 方向へ相対回転できず、図3
のように静止している。
【0025】この状態でウェビング29が引出される
と、巻取り軸4に嵌合されたメインギア8がウェビング
引出し方向(図中、矢印X2 方向)に回転する。この
時、リテーナ15はメインギア8に対し矢印X1 方向へ
の相対回転ができない為、メインギア8及び遊星歯車1
6と共に巻取り軸4と直結状態となって減速されること
なく矢印X2 方向に回転する。そこで、巻取り軸4には
巻取りバネ9のバネ付勢力と巻取りバネ20のバネ付勢
力との合成付勢力がウェビング巻取り力として作用す
る。即ち、この状態でウェビング29から手を放せば、
2本の巻取りバネ9,20による十分な巻取りトルクに
よって良好な巻取りを行うことができる。
【0026】次に、シートベルト装着時には、リトラク
ターからウェビング29が適量引出された後にシートベ
ルト装置のタングプレートとバックルとが結合され、結
合検知部26から検知信号が発信されると、図7に示す
ように電磁ソレノイド21が励磁され、ロックアーム3
1は前記つづみ型コイルスプリング23のばね力に抗し
て支軸10bを中心に時計回り方向へ回転し、先端係合
部34が前記ラチェットホイール17のラチェット歯1
7aと噛み合うロック状態となる。
【0027】ところで、前記つづみ型コイルスプリング
23は、図4に示すように、中央部のコイル径が前記プ
ランジャ22の外径より僅かに大きく、両端部に向かっ
て徐々にコイル径が大きくなる略つづみ型の形状を有し
ている。そこで、ある変位量を与えられた時に中央部よ
り大きな捩じりモーメントを受けるつづみ型コイルスプ
リング23の両端部は中央部より変形し易い。この為、
変位量が小さいうちはコイル径の大きな両端部のみが変
形し、バネ定数は小さい。そして、変位量が増すに連れ
てコイル径の小さな中央部も変形しだし、つづみ型コイ
ルスプリング23のバネ定数も増していく。
【0028】即ち、バネの変位量とばね力Fの関係は非
線形となり、図9に示すように前記つづみ型コイルスプ
リング23の荷重特性は、前記電磁ソレノイド21の吸
引力特性に近い曲線となる。この結果、略つづみ型の非
線形コイルバネであるつづみ型コイルスプリング23の
ばね力Fは、テンションレデューサ作動状態では強く、
テンションレデューサ非作動状態では弱くすることがで
き、ばねストロークも長くとれる。
【0029】従って、それぞれの荷重特性及び吸引力特
性に応じたこれらつづみ型コイルスプリング23及び電
磁ソレノイド21の選択と組合せが容易になり、大型の
電磁ソレノイドを用いたり、必要以上に部品精度や組立
精度を高くする必要がないので、巻取り力軽減機構の信
頼性を向上させると共に製造コストを下げることができ
る。
【0030】また、前記つづみ型コイルスプリング23
は、両端部のコイル径が中央部よりも大きく、内方に向
かって窄まる所謂誘い込み形状を有しているので、前記
プランジャ22に装着する際の挿入が容易と成ると共
に、プランジャ22に対するガタツキを少なくすること
ができ、組立性が良い。更に、前記つづみ型コイルスプ
リング23は前記電磁ソレノイド21のケーシングと前
記アーム部32との間に圧縮状態で介装されるが、ソレ
ノイド側の端部はプランジャ22の外径よりも十分に大
きなコイル径を有しているので、該つづみ型コイルスプ
リング23のソレノイド側の端部が電磁ソレノイド21
のスリーブとプランジャ22との隙間に入り込んで作動
不良を起こす可能性は無い。
【0031】一方、テンションレデューサ解除時に電磁
ソレノイド21から飛び出すプランジャ22の速度VP
に比べ、前記つづみ型コイルスプリング23の各コイル
の移動速度はVP /n(n:コイル巻き数)となり遅い
が、前記つづみ型コイルスプリング23のロックアーム
側の端部もプランジャ22の外径よりも十分に大きなコ
イル径を有しているので、テンションレデューサ解除時
に該つづみ型コイルスプリング23がプランジャ22の
頸部22bに引っ掛かることは無い。
【0032】そして、シートベルトを乗員の体にフィッ
トさせる為にウェビング29から手を放すと、メインギ
ア8は巻取りバネ9のバネ付勢力によって矢印X1 方向
へ回転するが、ラチェットホイール17はロックアーム
31により矢印X1 方向の回転が拘束されているので、
該ラチェットホイール17に突設された支軸17bを回
転軸とする遊星歯車16はメインギア8に対して矢印X
1 方向へ公転できず、該メインギア8と噛み合っている
遊星歯車16はメインギア8と反対の時計回り方向へ自
転させられる。
【0033】そこで、内歯15aが遊星歯車16と噛み
合っているリテーナ15は、メインギア8に対し減速さ
せられ、巻取り軸4のウェビング巻取り方向と反対の矢
印X2 方向へ回転させられる。そして、該リテーナ15
の係止溝15cに一端が保持された巻取りバネ20は、
メインギア8の矢印X1 方向の回転に応じ、弾性エネル
ギー蓄積方向である矢印X2 方向に巻締められる。
【0034】従って、シートベルト装着時には、巻取り
バネ20のバネ付勢力が巻取り軸4のウェビング巻取り
方向には作用しなくなると共に、メインギア8を矢印X
1 方向に回転させる巻取りバネ9のバネ付勢力により矢
印X2 方向に巻締められて巻取り軸4のウェビング巻取
り方向と逆方向に作用する前記巻取りバネ20の巻締ま
り力が前記巻取りバネ9のバネ付勢力を相殺するという
二重の効果で前記巻取りリール7に作用するウェビング
巻取り力を減少させる。即ち、巻取り軸4のウェビング
巻取り力を減少させることによって、乗員がシートベル
ト装着時に圧迫感を感じないようにシートベルト張力を
軽減することができる。
【0035】次に、この状態でウェビング29を引出す
と、シートベルト装着時にタングプレートとバックルを
結合する為に適量引き出されたウェビング29の引出し
量までは、上述の如く巻取り軸4のウェビング巻取り力
が減少させられた状態となるので、軽い力でウェビング
29を引出すことができる。しかしながら、タングプレ
ートとバックルを結合する為に引き出された引出し量以
上にウェビング29をシートベルト装着時に引き出す
と、前述のように遊星歯車16の係合突起16aがリテ
ーナ15の係合突起15bとほぼラジアル方向に対向す
るように圧接されて遊星歯車16は自転が阻止されるの
で、該遊星歯車16はメインギア8に対してそれ以上は
矢印X1 方向へ回転できなくなり、リテーナ15はメイ
ンギア8及び遊星歯車16を介して巻取り軸4と直結状
態となって減速されることなく矢印X2 方向に回転す
る。そこで、シートベルト格納時の場合と同様に、巻取
りバネ9のバネ付勢力と巻取りバネ20のバネ付勢力と
の合成付勢力に抗してウェビング29を引出すことにな
る。
【0036】この時、前記先端係合部34が前記ラチェ
ット歯17aと噛み合ってラチェットホイール17の矢
印X1 方向の回転はロックアーム31により阻止されて
いるが、ロックアーム31の係合ボス穴33は支軸10
bに対して遊嵌状態なので隙間があり、その分ロックア
ーム31の反時計回り方向の揺動が許容され、先端係合
部34は図8に示すようにラチェット歯15aから非係
合方向へ逃げることができるので、ラチェットホイール
17は矢印X2 方向へ自由に回転できる。
【0037】又、この状態でウェビング29から手を放
した場合には、テンションレデューサを作動状態にしな
ければならず、ロックアーム31はラチェットホイール
17の矢印X1 方向の回転を阻止する図7の状態に復帰
する。この時、ロックアーム31は前記当接部37の頂
点を中心に回転するが、該頂点まわりの回転モーメント
は前記つづみ型コイルスプリング23により付与され
る。即ち、図8に示すように、電磁ソレノイド21とア
ーム部32との間で偏倚されたつづみ型コイルスプリン
グ23は、上側が下側より圧縮されており、ロックアー
ム31を当接部37の頂点を中心に時計回り方向へ回転
させようとする力が大きい為である。
【0038】尚、この回転モーメントの大きさは、電磁
ソレノイド21の取付け位置、プランジャ22の取付け
ガタ及びロックアーム31の位置精度の影響を受けて前
記つづみ型コイルスプリング23が当接部37の頂点に
対して図8中の上下方向に移動することにより変化する
が、該つづみ型コイルスプリング23はロックアーム側
の端部が十分に大きなコイル径を有すると共にアーム部
32の保持壁36により半径方向のズレを規制されるの
で、ロックアーム31の揺動トルクの変動を小さく抑え
ることができ、テンションレデューサ作動時のロックア
ーム31の姿勢制御が容易である。そこで、この様なロ
ックアームの姿勢を制御するために姿勢制御用のバネ等
を別個に設ける必要がなくなり、部品点数の増加を防止
できる。
【0039】次に、降車のためシートベルト装置のバッ
クルが解離され、結合検知部26から検知信号が発信さ
れなくなると、電磁ソレノイド21が励磁されなくな
り、ロックアーム31はラチェットホイール17の回転
力により支軸10bを中心に図3中矢印Y1 方向に回転
させられ、ロック状態が解除される。この後、ロックア
ーム31はつづみ型コイルスプリング23のばね力によ
って先端係合部34がラチェット歯17aと噛み合わな
い位置に保持される。
【0040】この際、非線形バネであるつづみ型コイル
スプリング23は十分なストロークを得ることができ、
ロック解除時に先端係合部34がラチェット歯17aと
干渉しないように予めロックアーム31の回動範囲を大
きく設定することできるので、上記巻取り力軽減機構の
解除性を良好にできる。そして、メインギア8及びリテ
ーナ15はそれぞれ巻取りバネ9,20によりウェビン
グ巻取り方向へ回転し、メインギア8及びリテーナ15
は巻取り軸4が全量巻取り状態となるまで回転する。こ
の際、リテーナ15は回転負荷がかからない状態で巻取
りバネ20により瞬時にウェビング巻取り方向へ回転
し、前述の係合突起15bが係合突起16aと係合し巻
取り軸4と直結状態となり、メインギア8と共に一体と
なりウェビング巻取り方向へ回転する。
【0041】即ち、シートベルト格納時には、巻取りバ
ネ20のバネ付勢力が巻取りバネ9のバネ付勢力に対し
て同方向に作用させられるので、巻取り軸4には巻取り
バネ9のバネ付勢力と巻取りバネ20のバネ付勢力との
合成付勢力がウェビング巻取り力として矢印X1 方向に
作用する。尚、本発明におけるウェビング装着時の巻取
り力軽減装置の構成は上記実施例の構成に限るものでは
なく、種々の構成を採りうることは勿論である。例え
ば、上記実施例においては、電磁ソレノイド21のプラ
ンジャ復帰用バネとして両端部のコイル径がほぼ同じ形
状のつづみ型コイルスプリング23を用いたが、本発明
はこれに限定されるものではなく、両端部のコイル径が
異なる略つづみ型の非線形コイルバネを用いることもで
きる。
【0042】
【発明の効果】即ち、本発明の巻取り力軽減機構におい
ては、電磁ソレノイドのプランジャ復帰用バネが略つづ
み型の非線形コイルバネから成るので、該プランジャ復
帰用バネのばね力は、テンションレデューサ作動状態で
は強く、テンションレデューサ非作動状態では弱くする
ことができ、ばねストロークも長くとれる。又、略つづ
み型の非線形コイルバネは、両端部のコイル径がプラン
ジャの外径に対して大きいので、プランジャに装着する
際の挿入が容易となると共に、プランジャの作動に支障
を及ぼすような不所望な干渉を生じることなくプランジ
ャに対するガタツキを防止できる。
【0043】そこで、それぞれの荷重特性及び吸引力特
性に応じたこれらプランジャ復帰用バネ及び電磁ソレノ
イドの選択と組合せが容易になり、大型の電磁ソレノイ
ドを用いたり、必要以上に部品精度や組立精度を高くす
る必要がないので、巻取り力軽減機構の信頼性を向上さ
せると共に製造コストを下げることができる。又、プラ
ンジャのストロークを大きくしてロック部材の回動範囲
を大きく設定することも容易なので、巻取り力軽減機構
の解除性も良好にできる。更に、プランジャ復帰用バネ
の組立性が良くなる。
【0044】又、本発明の巻取り力軽減機構において
は、プランジャとロック部材とを連結する連結構造が、
プランジャの先端部に形成された小径の頸部を有するプ
ランジャ頭部と、ロック部材に形成された係合穴とから
成り、ピン等の連結部材を用いずにロック部材にプラン
ジャを組付けることができるので、ピン等による部品点
数及び組立工数の増加を防止し、製造コストを下げるこ
とができる。
【0045】従って、作動機構の信頼性を高めると共
に、組立てが容易で安価な巻取り力軽減機構を備えたシ
ートベルト用リトラクターを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に基づくシートベルト用リトラ
クター要部分解斜視図の一部である。
【図2】図1に示したシートベルト用リトラクターの残
り部分の要部分解斜視図である。
【図3】図1に示したシートベルト用リトラクターの要
部断面図である。
【図4】本発明の一実施例によるプランジャ復帰用バネ
を電磁ソレノイドに装着した状態を示す一部破断正面図
である。
【図5】(a)はロックアームの正面図であり、(b)
はそのV−V断面矢視図である。
【図6】ロックアームにプランジャを組付ける際の手順
を説明する為の要部断面図である。
【図7】本発明におけるロックアームの動作を説明する
ための要部拡大図である。
【図8】本発明におけるロックアームの動作を説明する
ための要部拡大図である。
【図9】本発明におけるプランジャ復帰用バネの荷重特
性と電磁ソレノイドの吸引力特性を示すグラフである。
【図10】従来の巻取り力軽減機構の要部拡大斜視図で
ある。
【図11】従来のプランジャ復帰用バネの荷重特性と電
磁ソレノイドの吸引力特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ベース 4 巻取り軸 8 メインギア 9 巻取りバネ 10 ロアカバー 15 リテーナ 16 遊星歯車 17 ラチェットホイール 18 遊星歯車装置 20 巻取りバネ 21 電磁ソレノイド 23 つづみ型コイルスプリング 31 ロックアーム 26 結合検知部 29 ウェビング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁ソレノイドのプランジャにより駆動
    されるロック部材が、巻取り軸に巻取り力を付与する第
    1バネ手段と第2バネ手段とにそれぞれ連結された連係
    部材のラチェット歯に係脱することによって、巻取り軸
    に作用する巻取り力を軽減可能な巻取り力軽減機構を備
    えたシートベルト用リトラクターにおいて、 前記プランジャに装着される電磁ソレノイドのプランジ
    ャ復帰用バネが、略つづみ型の非線形コイルバネから成
    ることを特徴とするシートベルト用リトラクター。
  2. 【請求項2】 電磁ソレノイドのプランジャにより駆動
    されるロック部材が、巻取り軸に巻取り力を付与する第
    1バネ手段と第2バネ手段とにそれぞれ連結された連係
    部材のラチェット歯に係脱することによって、巻取り軸
    に作用する巻取り力を軽減可能な巻取り力軽減機構を備
    えたシートベルト用リトラクターにおいて、 前記プランジャと前記ロック部材とを連結する連結構造
    が、前記プランジャの先端部に形成された小径の頸部を
    有するプランジャ頭部と、該プランジャ頭部を係止すべ
    く前記ロック部材に形成された係合穴とから成り、 前記係合穴が、前記プランジャ頭部のくぐり抜けを可能
    とする挿入部と、該挿入部に連通すると共に前記プラン
    ジャ頭部の外径より狭く、前記頸部の外径より広いスリ
    ット幅を有するスリット部とを備えており、 前記プランジャ頭部が前記スリット部の周縁部に係止さ
    れてロック部材と連結されることを特徴とするシートベ
    ルト用リトラクター。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100513743B1 (ko) * 2002-12-12 2005-09-08 현대자동차주식회사 자동차용 시트벨트의 리트랙터 장치
CN108189798A (zh) * 2017-12-20 2018-06-22 南京英达迪赛工业设计有限公司 一种汽车安全带系统

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