JPH0976493A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH0976493A
JPH0976493A JP23443495A JP23443495A JPH0976493A JP H0976493 A JPH0976493 A JP H0976493A JP 23443495 A JP23443495 A JP 23443495A JP 23443495 A JP23443495 A JP 23443495A JP H0976493 A JPH0976493 A JP H0976493A
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JP
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ink
recording
colorant
component
colorant component
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Application number
JP23443495A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Nakao
英之 中尾
Shuzo Hirahara
修三 平原
Yasuo Hosaka
靖夫 保坂
Kazushi Nagato
一志 永戸
Koichi Ishii
浩一 石井
Hiroko Nomura
裕子 野村
Teruo Murakami
照夫 村上
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】記録用信号電圧をあまり高くすることなく、記
録紙上での滲みのない高品質の記録ができるインクジェ
ット記録装置を提供する。 【解決手段】溶媒中に帯電した色剤を分散させたインク
中の色剤成分を濃縮し記録媒体上に飛翔させて記録を行
うインクジェット記録装置において、ノズル基板15内
で導電性のフレネル回折帯板17と濃縮用電極19との
間に電圧源20から直流電圧を印加することで形成され
る電界により静電気力で色剤成分の濃縮を行い、この色
剤成分が濃縮された領域のインクに圧電素子アレイ10
から放射される超音波ビームを照射することによって、
色剤成分を記録媒体上に飛翔させて記録を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体インクを微小
な液滴として飛翔させて記録を行うインクジェット記録
装置に係り、特に溶媒中に色剤を分散させたインク中の
色剤成分を濃縮させて記録媒体に飛翔させるインクジェ
ット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体インクを微小な液滴として記録媒体
上に飛翔させることにより記録ドットを形成して画像を
記録する装置は、インクジェットプリンタとして実用化
されている。インクジェットプリンタは、他の記録方法
と比べて騒音が少なく、現像や定着などの処理が不要で
あり、また普通紙への記録が可能な記録技術として大い
に注目されている。
【0003】インクジェットプリンタの方式は現在まで
に数多くの考案されているが、特に発熱体の熱により発
生する蒸気の圧力でインク滴を飛翔させる方式(例えば
特公昭56−9429号、特公昭61−59911号な
ど)、圧電体が生じる機械的な圧力パルスによりインク
滴を飛翔させる方式(例えば特公昭53−12138号
など)は、複数のドットを並列に記録するマルチノズル
タイプとしての代表的なものである。しかし、これら従
来のインクジェット記録方式では、記録紙上でインクが
滲むことによる画質劣化が問題となっている。
【0004】インクの滲みによる画質劣化の対策として
は、表面をコーティングしたインクが滲まない記録紙を
使用するか、または速乾性のインクを使用するという方
法がとられているが、前者は記録紙が限定されるという
問題があり、後者はヘッドのノズル内でのインク詰まり
を促進させるという問題があるため、いずれも好ましい
方法とはいえない。インクを記録紙上で滲ませない他の
方法として、熱溶融性のインクを使い、飛翔時にヘッド
内で熱で溶かし飛翔させ、記録紙上で瞬時に固体化させ
る方法もあるが、ヘッドを加熱する消費電力を考えると
必ずしも最適な方法ではない。
【0005】また、帯電した色剤成分を含むインクを用
い、色剤の濃度を高めて記録媒体上に飛翔させる方式
(WO93/11866:PCT/AU92/0066
5)が提案されている。この方法では、飛翔するインク
の色剤成分の濃度を高めることで粘性を大きくして、記
録紙上での滲みを抑制している。この方法は、静電気力
でインクを飛翔させる静電型インクジェット記録方式の
一種であり、静電気力でインク中の帯電粒子を一方向に
電気泳動させてインク中の帯電粒子を濃縮し、静電気力
でこれら濃縮された帯電粒子を飛翔させるものである。
【0006】この方法の欠点としては、インクジェット
ヘッドを駆動するための記録用信号電圧が高くなること
が挙げられる。一般に、静電気力を用いたインクジェッ
ト方式ではインクの飛翔力が小さく、記録用信号電圧が
高くなる傾向がある。記録紙とヘッドの間隔を狭くすれ
ば記録用信号電圧を低くすることができるが、プリンタ
としての組立精度や記録紙の厚みのばらつきを考慮する
と、記録紙とインクジェットヘッドの間隔は1mm程度
は必要であり、その場合には記録用信号電圧は2kV以
上にもなってしまう。
【0007】その結果、インクジェットヘッドの駆動回
路系に高電圧をオン・オフ制御できる高耐圧の高価な駆
動ICを使うことになり、記録装置の価格を引き上げて
しまう。また、記録用信号電圧が高くなるとインクジェ
ットヘッドで放電が起こり易くなることも、この方式の
欠点の一つである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の一般的なインクジェット記録方式では、記録紙上での
インクの滲みを防止しようとすると、特殊な記録紙を必
要としたり、ノズル内でのインク詰まりを促進させた
り、あるいは消費電力の増大を伴うという問題点があっ
た。
【0009】一方、静電気力を利用してインク中の色剤
成分の濃縮と飛翔を行うインクジェット記録方式では、
インクの滲みを避けることができるが、インクジェット
ヘッドに印加する記録用信号電圧を高くする必要がある
ために、インクジェットヘッドの駆動回路系に高耐圧の
高価な駆動ICを使用することになり、記録装置の価格
上昇を招いたり、ヘッドでの放電が起こり易くなるとい
う問題点があった。
【0010】本発明は、このような従来の技術の問題点
を解決しようとするもので、インクジェットヘッドに印
加する記録用信号電圧をあまり高くすることなく、記録
紙上での滲みのない高品質の記録ができるインクジェッ
ト記録装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は溶媒中に帯電した色剤を分散させたインク
中の色剤成分を濃縮し記録媒体上に飛翔させて記録を行
うインクジェット記録装置において、インク中の色剤成
分を静電気力で濃縮する濃縮手段と、この濃縮手段によ
り濃縮された色剤成分を機械的圧力で記録媒体上に飛翔
させる飛翔手段とを有することを特徴とする。
【0012】本発明の第1の態様によると、飛翔手段は
超音波ビーム発生手段を含み、この超音波ビーム発生手
段により発生される超音波ビームを濃縮手段により色剤
成分が濃縮された領域のインクに照射することによって
該色剤成分を記録媒体上に飛翔させるように構成され
る。
【0013】本発明の第2の態様によると、飛翔手段は
熱エネルギーによる気泡を発生させるための発熱手段を
含み、この発熱手段により発生された気泡の圧力を濃縮
手段により色剤成分が濃縮された領域のインクに加える
ことによって該色剤成分を記録媒体上に飛翔させるよう
に構成される。
【0014】本発明の第3の態様によると、飛翔手段は
電気信号の印加によって機械的な変位を発生する圧電素
子のような変位発生手段を含み、この変位発生手段によ
り発生される変位を濃縮手段により色剤成分が濃縮され
た領域のインクに伝達することによって該色剤成分を記
録媒体上に飛翔させるように構成される。
【0015】このように本発明では、溶媒中に帯電した
色剤を分散させたインクを使用し、このインク中の色剤
成分を濃縮させる力として静電気力を用い、濃縮された
色剤成分をインク液面からインク滴として飛翔させる力
として超音波ビームによる圧力、熱エネルギーにより生
成される気泡による圧力、あるいは機械的な変位を発生
する手段を用いることにより、色剤成分を濃縮させてイ
ンク濃度を高めることができるようになる。濃度の薄い
搬送し易いインクを使用して、飛翔させる部分のインク
だけ濃縮させて吐出することで、濃度が高く、かつ記録
媒体上で滲まない高品質の画像を記録することが可能と
なる。
【0016】また、インク中の色剤成分である帯電粒子
を濃縮させる力と、濃縮された色剤成分を飛翔させる力
を分離することで、濃縮と飛翔についてそれぞれ最適な
状態を作ることができる。
【0017】すなわち、静電気力で色剤成分である帯電
粒子を濃縮するには、濃縮するための電極間隔を狭くと
ることでインクジェットヘッドに印加する電圧は高々1
00Vオーダで済む。一方、飛翔させる力として比較的
大きな力を取り出せる超音波ビームによる圧力、熱エネ
ルギーにより発生する気泡による圧力、機械的変位によ
る圧力を使うことによって、インクジェットヘッドと記
録媒体との間隔を1mm程度とっても、インクジェット
ヘッドに印加する記録用信号電圧はいずれも数10Vあ
るいは100Vオーダで済み、色剤成分の濃縮と飛翔を
共に静電気力で行う従来の方法のように1kVオーダも
の高電圧となることはない。従って、インクジェットヘ
ッドの駆動回路を耐圧の低い安価な駆動ICによって実
現することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0019】(第1の実施形態)図1は、本発明の第1
の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるイン
クジェットヘッドの要部の構成を示した斜視図である。
本実施形態は、インク中の色剤成分の濃縮を静電気力で
行い、濃縮された色剤成分の飛翔を超音波ビームの圧力
で行う例である。
【0020】図1において、超音波干渉層11はインク
ジェットヘッドの支持体としての機能と、圧電体層13
とインク16との間の音響的整合層を兼ねる層であり、
例えばガラス板からなる。この超音波干渉層11の裏面
側には、金属薄膜からなる共通電極12、圧電体層13
および個別電極14が順次積層され、これらの共通電極
12、圧電体層13および個別電極14によって圧電素
子アレイ10が構成されている。
【0021】圧電体層13は、ZnOあるいはPZTな
どの材料をスパッタリングなどの厚みのコントロールで
きるプロセスにより超音波干渉層11の裏面全面に一様
に形成するか、あるいは帯状に形成して構成される。こ
の圧電体層13上には、共通電極12と対をなす画素対
応の個別電極14が記録ドットに相当するピッチで形成
されている。圧電体層13の厚みは、使用する超音波の
波長によって決まり、両側の共通電極12および個別電
極14の等価的厚みも含めて超音波波長の半分となるよ
うに設定されている。圧電素子アレイ10は、駆動回路
18から共通電極12と個別電極14との間に駆動電圧
として、記録すべき画像信号に対応した記録用信号電圧
が印加されることによって駆動される。
【0022】超音波干渉層11の表面側、つまり圧電素
子アレイ10と反対側の面上には、断面が台形のスリッ
ト状のノズル兼インク室を形成したノズル基板15が圧
電体層13の真上にノズル兼インク室が位置するように
張り合わされている。ノズル兼インク室のノズル開口
は、インク滴吐出孔となる。ノズル兼インク室には、イ
ンク16が満たされている。このインク16は、例えぱ
プラス帯電性の色剤を帯電制御剤やバインダなどと共
に、108 cm以上の絶縁性を有する溶媒中にコロイド
状に分散させ浮遊させたものである。
【0023】超音波干渉層11とノズル兼インク室内の
インク16との境界面には、1次元のフレネル回折帯板
17が配置されている。このフレネル回折帯板17は、
回折中心からの距離、つまり圧電素子アレイ10のアレ
イ方向(圧電素子の配列方向)と直交する方向における
中心からの距離をxとすると、x=0〜(11/2 K),
(31/2 K)〜(51/2 K),(71/2 K)〜(91/2
K),(111/2 K)〜(131/2 K),…の位置に超
音波を位相シフトさせずに通過させる第1の領域を配置
し、またx=(11/2 K)〜(31/2 K),(5
1/2 K)〜(71/2 K),(91/2 K)〜(11
1/2 K),(131/2 K)〜…の位置に超音波の位相を
半波長シフトさせる第2の領域を配置して構成される。
但し、焦点距離、つまりノズル基板15の厚みをP、使
用する超音波の波長をλとしたとき、K=(λP/2)
1/2 である。これら第1および第2の領域は、いずれか
一方だけを金属蒸着膜のフォトリソグラフィ技術により
層状に形成し、他方については何も形成しなくとも良
く、その厚みはインク中の遅い音速との差により半波長
の位相シフトが生じる約数μmから十数μm程度とされ
る。
【0024】そして、この金属蒸着膜からなるフレネル
回折帯板17と、ノズル基板15の上にノズル兼インク
室のインク滴吐出口に沿って形成された濃縮用電極19
の間に、帯電した色剤成分の濃縮のための直流電圧が濃
縮用電圧源20から印加される。この直流電圧の印加に
よって形成される電界により、プラス極性に帯電した色
剤成分はインク滴吐出口方向に向かって移動する。ノズ
ル基板15のノズル兼インク室はインク滴吐出口へ向か
って狭まっているので、この移動に伴ってインク中の帯
電した色剤成分は濃縮されることになる。
【0025】次に、図2を用いて本実施形態における超
音波ビームの圧力によるインク滴の飛翔動作について説
明する。今、説明のため圧電素子アレイ10によりリニ
アスキャンを行うと共に4つの圧電素子により超音波ビ
ームの電子集束を行う場合について述べる。
【0026】リニアスキャンとは、圧電素子アレイ10
から放射される超音波ビームによる主走査方向の走査を
同時駆動素子群の切り替えによって行う動作である。ま
た、このリニアスキャンにおいては、一般に超音波ビー
ムの集束を同時駆動圧電素子群に対する駆動位相の制御
により行う。このような同時駆動圧電素子群に対する駆
動位相の制御による超音波ビームの集束動作は、電子集
束と呼ばれる。
【0027】図2には、個別電極14として圧電素子ア
レイ10のうちの8素子分の個別電極14a,14b,
14c,14dしか示されていないが、実際のインクジ
ェットヘッド、例えば、解像度400dpiでA4長手
サイズのライン型ヘッドの場合には、約4,800素子
分の個別電極が一列に並ぶ。所定の周波数の交流あるい
はパルス列からなるバースト電圧が個別電極14a,1
4b,14c,14dに印加される。このとき使用され
る周波数は、少なくとも音響的整合層でもある超音波干
渉層11内での波長が圧電素子アレイ10のピッチより
も長くなるように設定する必要があり、さらには超音波
干渉層11の厚みもある値以上の厚さが要請される。
【0028】このような条件の下で、4つの個別電極1
4a,14b,14c,14dのうち外側の2つの電極
14a,14dに内側の2つの電極14b,14cより
位相が進んだバースト電圧を印加すると、4つの圧電素
子から放射される超音波ビームどうしが互いに干渉する
ことにより、圧電素子アレイ10のアレイ方向、つまり
主走査方向でのレンズ効果が生じ、この方向に超音波ビ
ームが集束される。但し、超音波干渉層11内では圧電
素子アレイ10のアレイ方向と直交する方向、つまり副
走査方向には超音波ビームが集束することはない。
【0029】ノズル兼インク室との境界面に到達した超
音波ビームは、今度はフレネル回折帯板17によってア
レイ方向と直交する方向、つまり副走査方向へ求心的に
集束するようなレンズ効果を受ける。すなわち、主走査
方向の集束は音響的整合層でもある超音波干渉層11内
から始まり、副走査方向の集束はノズル基板15のノズ
ル兼インク室の中だけで行なわれる。主走査方向および
副走査方向とも、超音波ビームの焦点はノズル開口で表
面張力により止まっているインクの液面に合わされてい
る。
【0030】このようにして集束した超音波ビームの圧
力により、インクジェットヘッドの図中上方に配置され
た図示しない記録紙などの記録媒体に向けて、インク液
面から濃縮した色剤成分からなるインク滴が飛翔され、
これによって記録媒体上に画像が記録される。
【0031】この記録方法では図3に示すように、4つ
の圧電素子を使って1ドットに集束させる場合には、1
ラインを少なくとも1/4ずつのタイミングあるいはそ
れ以上に分割する分割駆動となる。つまり、4素子分の
リニアスキャン動作により主走査方向にシフトすること
が必要となる。また、ここでは説明の都合上、圧電素子
4素子からなる協調動作を述べたが、この数を限定する
必要は無い。1画点を記録するのにさらに多くの素子を
使用すれば、求心的に集束する超音波ビームの表面は滑
らかになり、エネルギー密度も高くなるので、インク滴
のばらつきを小さくし、また圧電素子アレイ10に駆動
電圧として印加する記録用信号電圧をさらに低くするこ
とができる。
【0032】次に、圧電素子アレイ10を記録すべき画
像信号に応じて駆動するための駆動回路18について具
体的に説明する。
【0033】まず、圧電素子アレイ10のアレイ方向で
ある主走査方向にリニアスキャンを行う動作について述
べる。ここでは、簡単のために4つの圧電素子を一つの
群(圧電素子群)としてこれらを同時駆動し、かつこれ
ら4つの圧電素子の個別電極(図2の個別電極14a,
14b,14c,14d)には、記録用信号電圧として
所定周波数の交流あるいはパルス列からなるバースト電
圧が印加されるものとする。この記録用信号電圧の周波
数は、少なくとも音響的整合層である超音波干渉層11
内での超音波波長が圧電素子アレイ10の配列ピッチよ
り長くなるように設定する必要がある。さらに、超音波
干渉層11の厚みのある値以上であることが要請され
る。プリンタとして必要な解像度を得ようとすると、記
録用信号電圧の周波数は数十MHz〜数百MHz程度の
範囲のものが必要となる。
【0034】このような条件の下で、4つの圧電素子を
内側の2つを第1グループとし、外側の2つを第2グル
ープとして、2つのグループに分ける。そして、第1グ
ループの圧電素子と第2グループの圧電素子に互いに逆
相、つまり0相とπ相の2相駆動信号(所定の周波数の
交流あるいはパルス列からなるバースト電圧)を記録用
信号電圧として駆動回路18により印加する。
【0035】インク滴を飛翔させるのに必要な同時に駆
動する圧電素子の数(同時駆動素子数という)は、実用
的には10〜100素子程度である。この圧電素子群を
0相とπ相の2相駆動信号にそれぞれ対応させてグルー
ピングする。このグルーピングはフレネル回折帯板の考
え方をベースに、焦点距離と波長から決まる幅およびピ
ッチから決める。そして、等間隔で配列された圧電素子
を求められた幅とピッチに丸めてグルーピングする。例
えば、圧電素子アレイ10を50μmのピッチで配列し
た場合、最大25μmの誤差でグルーピングを行う。
【0036】次に、圧電素子アレイ10を駆動する際の
グルーピングについて、さらに詳しく説明する。フレネ
ル回折帯板(フレネルゾーンプレート)は光学の分野で
良く知られているように、二次元の場合を例にとると、
半径Rが整数mの平方根に比例する同心円によって作ら
れるリングを一つおきに、光を位相シフトを伴わずに透
過させる第1のリング及び光の位相を半波長シフトさせ
る第2のリングとすることにより、各リングからの光が
同相で1点に集束するようにしたものである。このフレ
ネル回折帯板の原理は、光と同じく波動性を持つ超音波
にも適用することができる。実際、先に述べたフレネル
回折帯板17はこの原理を応用して一次元のフレネル回
折帯板として構成したものである。この場合、超音波を
位相シフトを伴わず通過させる第1の領域は第1のリン
グに、超音波の位相を半波長シフトさせる第2の領域は
第2のリングに相当する。
【0037】この考えを応用して、本実施形態では等間
隔で1次元に配列された圧電素子アレイ10の駆動方法
を定めることにより、圧電素子アレイ10を等価的に1
次元のフレネル回折帯板として機能させる。
【0038】図4は、インク中の音速(水中での音速と
同じ)を1,500m/sec、駆動信号周波数を10
0MHz、インク中の超音波波長を15μm、超音波ビ
ームの焦点距離fを5mm、圧電素子アレイ10の同時
駆動素子数Nを32素子、圧電素子アレイ10の配列ピ
ッチPを50μmとした場合について、図4(a)に示
すようにフレネル回折帯板の中心からの距離Rを圧電素
子アレイ10の配列ピッチ(50μm)で丸め、この丸
めた値Rrに基づいて図4(b)に示すように圧電素子
アレイ10の各素子に与える駆動信号の位相を定めた例
を示している。
【0039】図4(b)に示されるように、同時駆動す
べき連続した32素子の圧電素子群のうち、アレイ方向
中央部の複数の圧電素子(この例では素子番号12〜2
1の10素子)を第1グループとし、第1のグループの
アレイ方向両側に位置する複数の圧電素子(この例で
は、素子番号9〜11及び22〜24の両側各々3素子
ずつ)を第2のグループとしたとき、第1のグループの
圧電素子に対しては0相の駆動信号、第2のグループに
対してはπ相の駆動信号を与えている。
【0040】圧電素子アレイ10から放射される超音波
ビームによってリニアスキャンを実現するには、最低限
このようなグルーピングでよいが、本実施形態では第2
のグループのさらに外側に位置する圧電素子のうち、素
子番号が8および25の圧電素子を第1のグループ、そ
の外側の素子番号6〜7および26〜27の圧電素子を
第2のグループ、その外側の素子番号5および28の圧
電素子を第1のグループ、その外側の素子番号4および
29の圧電素子を第2のグループ…というようにグルー
ピングを行い、第1のグループの圧電素子に対しては0
相、第2のグループの圧電素子に対してはπ相の駆動信
号をそれぞれ与えている。このようにすることにより、
超音波ビームの集束性を上げることができる。
【0041】このように、圧電素子アレイ10について
同時駆動する圧電素子群の中でグルーピングを行って、
第1のグループと第2のグループの各々の圧電素子に0
相,π相の駆動信号を与え、さらに同時駆動する圧電素
子群の位置を例えば1素子分ずつ圧電素子アレイ10の
配列方向に移動させて同様の駆動を繰り返し行うことに
より、超音波ビームをインク16の液面上に集束させ、
かつその集束点を圧電素子アレイ10のアレイ方向(主
走査方向に)リニアに移動させてリニア走査を行うこと
ができる。
【0042】このように本実施形態によれば、溶媒中に
帯電した色剤を分散させたインクを使用し、このインク
中の色剤成分を濃縮させる力として静電気力を用い、ま
た濃縮された色剤成分をインク液面からインク滴として
飛翔させる力として超音波ビームの圧力を用いることに
より、濃度が高く、かつ記録媒体上で滲まない高品質の
画像記録が可能となる。
【0043】また、インク中の色剤成分を濃縮させる作
用と、濃縮された色剤成分を飛翔させる作用を分離する
ことで、それぞれの最適な状態を作ることができる。
【0044】すなわち、静電気力で帯電した色剤成分を
濃縮する場合、濃縮領域を小さくすれば印加電圧は高々
100Vオーダで済む。
【0045】一方、濃縮された色剤成分を飛翔させる力
として、比較的大きな力を取り出せる超音波ビームを使
っているため、記録紙との間隔を1mm程度とっても、
駆動信号である記録用信号電圧は数10Vオーダであれ
ばよく、1kVのオーダになることはなく、放電の危険
もない。
【0046】また、インク滴を静電気力で飛翔させる場
合、比較的飛翔力が弱く、飛翔開始時の安定性や長距離
の飛翔に問題があったが、本実施形態のように超音波ビ
ームによる圧力でインク滴を飛翔させるようにすれば、
このような安定性および長距離飛翔能力の問題が解消さ
れる。
【0047】さらに、超音波ビームの圧力による飛翔で
は、飛翔するインク滴の粒径は超音波の周波数に依存し
ており、実際の高精細画像を記録するためには100M
Hzオーダの周波数が必要になるが、本実施形態のよう
に帯電した色剤成分を含むインク滴を飛翔させる場合、
この周波数を下げることができる。
【0048】すなわち、帯電した色剤成分を主成分とす
るインク滴を飛翔させる場合は、粒径は帯電量に依存す
るので、飛翔するインク滴の粒径は色剤成分を濃縮する
ための濃縮用電極の制御で決まる。従って、超音波の周
波数は100MHzよりも低く設定しても、高精細画像
の記録に適した微小な粒径のインク滴を飛翔させること
ができる。これにより、圧電素子アレイ10の駆動回路
18の追随性や、配線間の電気的な干渉などの条件を緩
やかにできるという利点もある。
【0049】しかも、本実施形態によると超音波ビーム
による圧力でインク滴を飛翔させる場合のエネルギーの
使用効率を改善することができる。従来の超音波による
インクジェット記録では、圧電体より放射される超音波
のエネルギーのうちインク滴の飛翔に使われる割合は数
%程度であり、ほとんどが液面から反射されて散乱され
る波として消費されていた。
【0050】これに対し、本実施形態ではインク液面近
くに高密度で浮遊する固形物である濃縮された色剤成分
が存在することにより、超音波ビームの屈折あるいは吸
収が起こり、効率よくエネルギーが伝えられるようにな
ると同時に、圧電素子アレイ10に印加する記録信号電
圧を下げることが可能となり、効率が著しく向上すると
いう利点がある。
【0051】次に、第2〜第6の実施形態としてインク
中の色剤の濃縮を静電気力によって行い、濃縮された色
剤成分の飛翔を超音波ビームの圧力によって行う他の実
施形態を説明する。
【0052】(第2の実施形態)図5は、本発明の第2
の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるイン
クジェットヘッドの要部の構成を示す斜視図である。ま
た、図6はその作用を説明するための断面図である。
【0053】本実施形態では、超音波ビームを主走査方
向に集束する手段については、第1の実施形態と同じよ
うに圧電素子アレイ10による電子集束を用いるが、副
走査方向へ集束する手段としては、従来と同じ曲面構造
のバルクによるシリンドリカルレンズ21を用いてい
る。シリンドリカルレンズ21は、この例では超音波干
渉層11の表面の一部を主走査方向に沿って円筒面状に
加工することにより形成されている。また、シリンドリ
カルレンズ21の面には、色剤成分の濃縮用電極22が
形成されている。
【0054】この場合、図6に示したようにシリンドリ
カルレンズ21に対して垂直に入射する中心部(A−
A′)のビームの焦点距離(fa)と、レンズ21に対
して斜めに倒れた方向から入射する端部(B−B′)の
ビームの焦点距離(fb)とが異なるため、超音波ビー
ムの集束特性が悪くなり、さらに両端部からのビームは
複雑な3次元面での屈折となるので収差を発生する。従
って、本実施形態のインクジェットヘッドでは飛翔する
インク滴を生成するためのエネルギー効率やインク滴の
均一性などの劣化が認められる。前述した第1の実施形
態は、この部分の特性も改善したところに特徴があっ
た。
【0055】しかしながら、本実施形態では第1の実施
形態で用いたフレネル回折帯板17と異なり、色剤成分
の濃縮用電極22として単純なパターンの電極を用いる
ことができるという利点がある。すなわち、第1の実施
形態では超音波ビームの集束特性を良くするためにはフ
レネル回折帯板17のパターンを高精度とする必要があ
ったが、第2の実施形態ではこのような要求が緩和され
る。
【0056】(第3の実施形態)図7は、本発明の第3
の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるイン
クジェットヘッドの要部の構成を示す断面図であり、超
音波ビームの主走査方向と直交する方向への集束には1
次元のフレネル回折帯板17を使用し、主走査方向への
集束は電子集束によらず行うようにしたものである。
【0057】このために、本実施形態では超音波ビーム
の波長を圧電素子アレイ10のピッチに比べて十分短く
設定する。すなわち、このような周波数の設定で圧電素
子アレイ10を駆動することにより放射された超音波ビ
ームは、主走査方向(圧電素子アレイ10のアレイ方
向)に拡がることなく、圧電体層13の面と垂直の方向
へ真っ直ぐに進む。そして、この超音波ビームはそのま
まインク室の中を通過してインクの液面を叩いて、イン
ク中での超音波波長に近い直径、すなわち必要とする解
像度に対しては小さすぎる粒径のインク滴23を飛翔さ
せる。
【0058】発明者らの実験によれば、本実施形態のよ
うに超音波波長のサイズに相当するインク滴に比べて太
すぎる超音波ビームでインク液面を叩く場合でも、その
ビーム内には半径方向外側へ減衰する強度分布があるた
め、インク滴は正確にかつ安定して超音波ビームの中心
部分から吐出する。また、解像度に比べて飛翔インク滴
が小さ過ぎる課題については、同一の画点上に連続して
何回もインク滴を飛翔させる多重記録、いわゆる「重ね
書き」を行なうことにより、画点を太らせることで解決
することができる。
【0059】この重ね書きにより画点を太らせて成長さ
せる作用は、先行して飛翔したインク滴が記録紙に吸収
される前に後続のインク滴を到達させて、インク滴の状
態でドットを融合させることが可能となるように、高速
の繰り返し周期でインク滴を発生できる方法でしか実用
にできない。本実施形態のようにインク滴の飛翔に超音
波ビームの圧力を使用する方式によれば、インク滴を短
い間隔で飛翔させて高速に記録を行うことが可能である
ため、このような重ね書きによる画点の成長が容易であ
る。
【0060】また、本実施形態によれば超音波ビームの
圧力により非常に細かいインク滴を連続的に生成するこ
とが可能な特性を利用することにより、圧電素子アレイ
10に印加する記録用信号電圧であるバースト電圧のバ
ースト幅を制御して、従来のインクジェット記録装置で
は容易に実現し得なかった実用的で画質の良い階調記録
をも可能とすることができる。さらに、本実施形態はイ
ンク滴の細かい動作領域を使う方法なので、高解像度の
記録にも適している。
【0061】また、本実施形態で用いているフレネル回
折帯板17の直線パターンは、第1の実施形態でも述べ
たように、この直線パターンと直交する個別電極14の
直線パターンとの組み合わせにより、高い解像度を実現
できる。従って、フレネル回折帯板17の使用は、高解
像度記録に向いた本実施形態の能力をより効果的に引き
出す効果がある。
【0062】(第4の実施形態)図8は、本発明の第4
の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるイン
クジェットヘッドの要部の断面図であり、ノズル基板1
5のノズル開口付近を除去した例である。すなわち、第
1〜第3の実施形態では副走査方向の断面形状が台形の
ノズル兼インク室を有するノズル基板15を用いたが、
ノズル兼インク室の断面形状はこれに限られるものでは
なく、本実施形態のような形状とすることも可能であ
る。
【0063】本実施形態においては、ノズル基板15に
形成されたノズル兼インク室におけるノズル付近では、
インクは副走査方向に流れている。図中24はインク中
の帯電している色剤成分を示している。インクは常に図
中右から左へ一定流速で流れており、ノズル付近でフレ
ネル回折帯板17と濃縮用電極19との間の電界で帯電
している色剤成分がインク層上部に移動する。本実施形
態によると、ノズル基板15の形状が簡単になり、製作
コストを抑制することができる。
【0064】(第5の実施形態)図9は、本発明の第5
の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるイン
クジェットヘッドの要部を示す断面図である。第1〜第
4の実施形態では、インクが液滴として飛翔するノズル
付近でインク中の色剤成分を濃縮していたのに対して、
本実施形態はノズル付近にインクが到達する前に、濃縮
室25で予め色剤成分をある程度濃縮させるようにした
例である。
【0065】濃縮室25へのインクの供給はインク供給
孔28より行われ、このインク中の帯電している色剤成
分は濃縮用電極26,電極27により形成される電界に
よってノズル開口方向に移動する。濃縮用電極26,電
極27には、図示しない濃縮用電圧源から直流電圧が印
加される。濃縮室25の両側にはインク排出孔29,3
0がそれぞれ形成されており、第1のインク排出孔29
からは主に溶媒のみが排出される。第2のインク排出孔
30は例えば図示しないポンプにより負圧にされてお
り、色剤成分が濃縮されたインクをノズル開口付近に搬
送している。
【0066】高速記録を行う場合、帯電した色剤成分を
ノズル内で濃縮するだけでは、消費量に追いつかなくな
る可能性がある。これに対し、本実施形態のように色剤
成分の濃縮領域を飛翔領域とは別に設ければ、大量かつ
高速に色剤成分を濃縮することができ、高速記録に有利
となる。
【0067】(第6の実施形態)第6の実施形態とし
て、超音波ビームの主走査方向および副走査方向への集
束を共に音響レンズで行うようにしてもよい。その場
合、1画素に一つずつ音響レンズが必要なことと、音響
レンズが大きくなることから、インクジェットヘッドと
しては一列の圧電素子アレイで必要な解像度を得ること
はできないが、複数列の圧電素子アレイを千鳥状に配列
してインクジェットヘッドを構成することにより解像度
を確保することができる。本実施形態においても、イン
ク室内で帯電している色剤成分を電界を用いて濃縮する
ことで、記録紙上でインクの滲みが少ない高画質な記録
が可能となる。
【0068】(第7の実施形態)図10は、本発明の第
7の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるイ
ンクジェットヘッドの要部の構成を示す一部を切り欠い
た斜視図である。本実施形態は、インク中の色剤成分の
濃縮を静電気力で行い、濃縮された色剤成分の飛翔を熱
エネルギーが生成する気泡の圧力を用いて行う例であ
る。
【0069】図10において、絶縁性基板41上には絶
縁層42が一様に設けられており、その上に発熱抵抗体
43と、この発熱抵抗体43に電流を供給する通電電極
44が設けられ、さらにその上に酸化防止膜45、衝撃
吸収膜46および反応防止膜47が順次積層されて多層
基板40を構成している。発熱抵抗体43と通電電極4
4は、画素に対応した数だけ形成されている。
【0070】また、隔壁48を介してインク供給孔50
を有する上蓋49が多層基板40の上に配置され、さら
にインク滴吐出孔52を有する導電性のノズル板51が
ノズル前面に配置されることにより、インクジェットヘ
ッドが構成される。通電用電極44には、図示しない駆
動回路から記録すべき画像信号に対応した記録用信号電
圧が印加される。
【0071】図11は、図10のインクジェットヘッド
のノズル軸方向の断面図であり、図12は画素配列方向
の断面図である。図11に示されるように、ノズル後方
には濃縮用電極53が設けられている。この濃縮用電極
53とノズル板51の間に濃縮用電圧源54から直流電
圧が印加されることにより、色剤成分を濃縮するための
電界が形成される。本実施形態では、プラスに帯電して
いる色剤成分を用いているので、ノズル板51を接地
し、濃縮用電極53がプラスになるように濃縮用電圧源
54によって直流電圧を印加している。
【0072】濃縮用電極53には、インク中の主として
溶媒成分を回収するためのインク回収孔55が開けられ
ている。インク中の帯電した色剤成分は、濃縮用電極5
3とノズル板51とで形成される電界によりインク滴吐
出孔52の方向に移動するので、インク供給孔50と濃
縮用電極53の間の領域には、色剤成分の濃度の薄いイ
ンクが存在する。この濃度の薄いインクは、インク回収
孔55より図示しないポンプによって負圧で引かれて図
示しない回収タンクに回収される。この回収タンク内の
インクは、図示しないインク濃度制御装置で元の濃度に
されてから、インク供給孔50よりインクジェットヘッ
ドに送られる。
【0073】図12に示すように、本実施形態ではイン
ク回収孔55は複数個設けられている。インク供給孔5
0およびインク回収孔55は一つでも構わないが、これ
らを複数個設けると、インクジェットヘッド内のインク
の色剤成分の濃度を均一化する上で有利である。
【0074】次に、本実施形態における記録動作につい
て説明する。インクはインク供給孔50よりインクジェ
ットヘッド内に入り、このインク中の帯電した色剤成分
が電界の力でインク滴吐出孔52の方向に移動する。こ
こで、発熱抵抗体43通電電極44を介してに短時間で
十分な電流を通電することにより、発熱抵抗体43の温
度が急激に上昇し、発熱抵抗体43の上面に気泡が生成
される。この気泡が短時間に成長するために、インクジ
ェットヘッドのノズル内の圧力は急に大きくなり、この
圧力によってインク滴吐出孔52から濃縮された色剤成
分がインク滴として飛翔される。このとき飛翔するイン
ク滴はヘッドに供給されるインクより色剤成分の濃度が
高く、記録紙上での滲みが少ない。そして、ノズル内の
気泡が消滅するときにインクの供給が行われ、次の飛翔
動作の準備となる。
【0075】濃縮用電圧源54からの電圧は、記録休止
段階では印加されておらず、記録装置の制御部に印字開
始信号がくると、インク飛翔動作に先立ち、色剤成分濃
縮のために一定の時間が印加される。
【0076】また、記録休止時間が一定値を越えると、
ノズル内の目詰まり防止のために、インクジェットヘッ
ドに図示しないヘッドキャップが装着され、ノズル内の
色剤成分が濃縮されたインクはヘッドキャップへと吸い
出される。
【0077】このように本実施形態によれば、溶媒中に
帯電した色剤を分散させたインクを使用し、このインク
中の色剤成分を濃縮させる力として静電気力を用い、ま
た濃縮された色剤成分をインク液面からインク滴として
飛翔させる力として熱エネルギーによって生成される気
泡の圧力を用いることにより、第1〜第6の実施形態と
同様に、濃度が高く、かつ記録媒体上で滲まない高品質
の画像記録が可能となる。
【0078】また、インク中の色剤成分を濃縮させる作
用と、濃縮された色剤成分を飛翔させる作用を分離する
ことで、それぞれの最適な状態を作ることができる。す
なわち、静電気力で帯電した色剤成分を濃縮する場合、
濃縮領域を小さくすれば印加電圧は高々100Vオーダ
で済む。一方、濃縮された色剤成分を飛翔させる力とし
て、比較的大きな力を取り出せる熱沸騰方式を使うこと
で、記録紙との間隔を1mm程度とっても、通電電極4
4を介して発熱抵抗体43に印加する記録記録用信号電
圧は数10V電圧でよく1kVのオーダにもなることは
なく、放電の危険もなくなる。
【0079】また、インク滴を静電気力で飛翔させる場
合、比較的飛翔力が弱く、飛翔開始時の安定性や長距離
の飛翔に問題があったが、本実施形態のように熱エネル
ギーで生成された気泡の圧力でインク滴を飛翔させるよ
うにすれば、このような安定性および長距離飛翔能力の
問題が解消される。
【0080】さらに、従来の気泡の圧力によるインク滴
の飛翔では、飛翔するインク滴の粒径は気泡の圧力に依
存しており、実際の高精細画像を記録するためには発熱
抵抗体により短い通電時間で、より大きな電流を流す必
要があったが、本実施形態のように帯電した色剤成分を
含むインク滴を飛翔させる場合、この圧力が低くてよ
く、それだけ発熱抵抗体への通電条件を緩和できる。
【0081】すなわち、帯電した色剤成分を含む液滴を
飛翔させる場合は、粒径は帯電量に依存するので、飛翔
するインク滴の粒径は色剤成分を濃縮するための濃縮用
電極の制御で決まる。従って、発熱抵抗体への電流値を
従来より小さくし、通電時間を長くしても、高精細画像
の記録に適した粒径のインク滴を飛翔させることができ
る。このことにより、発熱抵抗体の耐熱性、駆動回路の
追随性やヘッドの多層膜の衝撃耐久性などの条件を緩や
かにできるという利点がある。
【0082】(第8の実施形態)図13は、本発明の第
8の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるイ
ンクジェットヘッドの要部の構成を示す図である。第7
の実施形態では、インク中の色剤成分の濃縮を直流電圧
の印加により行ったのに対し、本実施形態ではインクジ
ェットヘッド内で色剤成分を濃縮するために、インク流
路に上側から面して主走査方向に延びた複数のストライ
プ状の補助電極56a〜56fを平行に配列し、これら
の補助電極56a〜56fに駆動回路57によって順次
パルス状の電圧を印加すると共に、補助電極56a〜5
6fに対向するようにインク流路に下側から面して多層
基板40上に共通電極58を形成し、この共通電極58
に電圧源59から直流電圧を印加する構成をとってい
る。
【0083】次に、本実施形態での色剤成分の濃縮動作
を説明する。補助電極56a〜56fには、図14
(a)(b)(c)で示すように駆動回路57から順次
パルス状の電圧が印加され、これとインク流路を介して
対向する共通電極58には、電圧源59から一定の直流
電圧が印加される。このような直流電圧の印加により形
成される電界によって色剤成分60は図に示すように濃
縮され、この濃縮した色剤成分が集中している領域が時
間と共に移動して、インク滴吐出孔52の方向へ向か
う。
【0084】具体的には、複数の補助電極56〜56f
に印加するパルス状の電圧を図15のようにするとよ
い。すなわち、図15(a)に示すようにその電圧印加
位置が時間と共に順次インク滴吐出孔52の方向へ移動
するように位相シフト制御された3相の電圧パルス列が
駆動回路57によって印加される。記録休止時間が長い
ときは、ノズル内の目詰まりを防ぐために複数の補助電
極56a〜56fに印加する電圧の順序を逆にして、色
剤成分がインク供給孔50へ向かうようにする。このよ
うにすることにより、ノズル内のインクはインク供給孔
50から供給される色剤成分の濃度が薄いインクで満た
され、目詰まりを起こすこともない。
【0085】本実施形態に関しては、次のように種々に
変形して実施することができる。例えば、上記の説明で
は複数の補助電極56a〜56fを3相駆動するに当た
り、φ1、φ2、φ3の3相のうち常に1相だけの電圧
パルスを印加したが、複数相の電圧パルスを異なる電極
に同時に印加する期間があっても構わない。例えば、図
15(b)に示すように3相のうち2相の電圧パルスを
ある期間で同時に異なる補助電極に印加しても構わな
い。
【0086】また、上記の説明では補助電極56a〜5
6fに印加する電圧波形をパルス波形としたが、これに
限定されるものではなく、例えば図15(c)に示すよ
うに位相が異なる正弦波でもよい。さらに、上記の説明
では位相数を3として説明したが、これに限定されるも
のではなく、例えば図15(d)に示すように4相の電
圧パルスを使っても構わない。
【0087】(第9の実施形態)図16は、本発明の第
9の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるイ
ンクジェットヘッドの要部の構成を示す断面図である。
第7および第8の実施形態では、インク滴吐出孔付近は
記録動作に入ると常時、色剤成分が高濃度な状態になっ
ており、記録休止時にはノズルの目詰まりのためにヘッ
ドキャップなどにより高濃度なインクを吸い出すことが
必要となるので、記録休止回数が増えると共にインク消
費量が増える。本実施形態は、インクの搬送路の構成法
を工夫することによって、この点を改良したものであ
る。
【0088】図16において、インクはインク供給孔6
1よりインクジェットヘッド内に供給され、濃縮用電極
62とインク滴吐出孔52が開けられているノズル板5
1との間で色剤成分が濃縮されて、インク滴吐出孔52
付近に色剤成分の濃いインクが供給される。インク供給
孔61より供給されたインクのうち、色剤成分が薄いイ
ンクはバイパスのインク搬送路63を通って回収され
る。インク滴の飛翔動作は第7および第8の実施形態と
同じであり、発熱抵抗体43の上方に生成された気泡の
圧力でインク滴吐出孔52からインク滴が飛翔する。イ
ンク滴吐出孔52付近を通り過ぎたインクは、そのまま
インク排出孔64からインクジェットヘッドの外に出
る。
【0089】この場合、気泡の圧力がインク供給経路の
方へ及ばないようにするために、発熱抵抗体43とイン
ク供給経路の相対位置やインク供給経路の断面積などを
考慮する必要がある。また、記録休止時間がある程度以
上長くなると、濃縮用電極62はノズル板51と同電位
にされて色剤成分の濃縮は行われず、ノズル内には色剤
成分の薄いインクが供給されることになる。
【0090】(第10の実施形態)図17は、本発明の
第10の実施形態に係るインクジェット記録装置におけ
るインクジェットヘッドの要部の構成を示す断面図であ
る。第7〜第9の実施形態はインク滴吐出孔52が発熱
抵抗体43に対して横方向に配置されている、いわゆる
サイドシュータの例であったのに対し、本実施形態はイ
ンク滴吐出孔が発熱抵抗体43の上に配置されている場
合の例である。
【0091】発熱抵抗体43および通電電極44などが
形成されている多層基板40は、基本的には第7の実施
形態で示したものと同じである。
【0092】インクジェットヘッド内では、インクは図
の右側から左側に向かって副走査方向に流れており、イ
ンク滴吐出孔52が開けられているノズル板51と通電
電極44の間に電圧源65から印加された電圧により形
成される電界によって、帯電している色剤成分がインク
層の上方に移動し、インク滴吐出孔52に濃縮された色
剤成分が供給される。なお、電源67は通電電極44を
介して発熱抵抗体43に流す電流を供給するためのもの
である。
【0093】本実施形態によると、インクの搬送経路が
単純で、目詰まりが少ない利点がある。また、記録休止
時間が長くなったときはノズル板51と通電電極44を
同電位として、ノズル内に色剤成分の濃度が低いインク
を供給することで、さらに効果的に目詰まりを防ぐこと
ができる。
【0094】(第11の実施形態)図18は、本発明の
第11の実施形態に係るインクジェット記録装置におけ
るインクジェットヘッドの要部の構成を示す断面図であ
る。第7〜第10の実施形態では、インク滴が飛翔する
インク滴吐出孔52付近でインク中の色剤成分を濃縮し
ていたが、本実施形態はインク滴吐出孔52付近にイン
クが到達する前に濃縮室70で予めある程度濃縮させる
ようにした例である。
【0095】濃縮室70へのインクの供給はインク供給
孔71より行われ、このインク中の帯電している色剤成
分は電圧源74から電圧が印加された濃縮用電極72,
73による電界によってインク滴吐出孔52の方向に移
動する。濃縮室70の両側にはインク排出孔75,76
がそれぞれ形成されており、第1のインク排出孔75か
らは主に溶媒のみが排出されている。第2のインク排出
孔76は例えば図示しないポンプにより負圧にされてお
り、色剤成分が濃縮されたインクをノズル開口付近に搬
送している。
【0096】高速記録を行う場合、帯電した色剤成分を
ノズル内で濃縮するだけでは、消費量に追いつかなくな
る可能性があるが、本実施形態のように色剤成分の濃縮
領域を飛翔領域とは別に設ければ、大量かつ高速に色剤
成分を濃縮することができ、高速記録に有利となる。
【0097】(第12の実施形態)図19は、本発明の
第12の実施形態に係るインクジェット記録装置におけ
るインクジェットヘッドの構成を示す一部切り欠いた斜
視図である。本実施形態は、インク中の色剤成分の濃縮
を静電気力で行い、濃縮された色剤成分の飛翔を圧電素
子が生成する圧力を用いて行う例である。
【0098】本実施形態におけるインクジェットヘッド
80は大きく分けて、インク滴が吐出するノズル81を
持つノズル板82、インクの供給・排出経路を構成する
基板83、インク室に圧電素子の伸縮を伝える振動伝達
板84、そして電気信号の印加によって伸縮して機械的
な変位を発生する積層圧電素子85からなる。
【0099】積層圧電素子85は複数の圧電素子を積層
して構成されたもので、電気信号が印加されることによ
り積層方向、すなわち長手方向に伸縮する。この積層圧
電素子85の一方の端部は固定部材86に固定され、他
方の端部に振動伝達板84が連結されているので、その
伸縮に伴って振動伝達板84を変位させる。この振動伝
達板84の変位によって、インク室87の体積が変化し
てその内部に圧力が発生するので、インク室87内の加
圧されたインク中の色剤成分がノズル81から飛翔する
ことになる。
【0100】図20は、図19に示したインクジェット
ヘッド80のインク室87周辺の構成を拡大して示す断
面図であり、黒点はインク中の色剤成分を示している。
同図29に示されるように、振動伝達板84に対向して
インク室87にはインク中の帯電した色剤成分を濃縮す
るための電界を形成する濃縮用電極88が設けられてい
る。振動伝達板84は金属板により形成されており、0
Vに設定されている。濃縮用電極88に−500〜−1
000V程度の電圧を印加することで、インク供給孔8
9から供給されるプラスに帯電した色剤成分は濃縮用電
極88の方向に移動する。この結果、ノズル周辺は色剤
成分の濃度が高くなり、色剤成分の濃度が低いインクは
インク排出孔90から排出される。
【0101】このように本実施形態によれば、溶媒中に
帯電した色剤を分散させたインクを使用し、このインク
中の色剤成分を濃縮させる力として静電気力を用い、ま
た濃縮された色剤成分をインク液面からインク滴として
飛翔させる力として圧電素子が生成する機械的変位に伴
う圧力を用いることにより、濃度が高く、かつ記録媒体
上で滲まない高品質の画像記録が可能となる。
【0102】また、インク中の色剤成分を濃縮させる作
用と、濃縮された色剤成分を飛翔させる作用を分離する
ことで、それぞれの最適な状態を作ることができる。す
なわち、静電気力で帯電した色剤成分を濃縮する場合、
濃縮領域を小さくすれば印加電圧は高々100Vオーダ
で済む。一方、濃縮された色剤成分を飛翔させる力とし
て、比較的大きな力を取り出せる圧電素子を使うこと
で、記録紙との間隔を1mm程度とっても、圧電素子に
印加する記録用信号電圧が1kVのオーダになることは
なく、放電の危険もない。
【0103】さらに、本実施形態によると圧電素子に周
波数の高い信号を入力して細かい振動を生じさせ、ノズ
ルやインク搬送経路に付着したインクの乾燥した成分を
取り除くことができるという副次的な効果も得られる。
なお、この周波数は記録すべき画像信号の周波数とは著
しく異なり、この周波数の信号ではインク滴の飛翔が起
こることはない。
【0104】(第13の実施形態)図20は、本発明の
第13の実施形態に係るインクジェット記録装置におけ
るインクジェットヘッドの要部の構成を示す断面図であ
る。第12の実施形態ではインク室中で色剤成分の濃縮
を行ったのに対して、本実施形態はインクがインク室に
導かれる前にインク中の色剤成分の濃縮を行うようにし
た例である。具体的には、濃縮用電極88と導電性部材
91の間に図示しない電圧源から適当な直流電圧電圧を
印加して電位差を設けることで、インク供給孔92から
供給されるインクを色剤成分の濃度の高いインクにして
インク室87内に導いている。色剤成分の濃度の低くな
ったインクは、インク排出孔93からインクジェットヘ
ッドの外部へ排出される。
【0105】第12の実施形態では、静電気力により色
剤成分を移動させて色剤成分濃度が高いインクがノズル
81の周辺に導かれるようにしているが、インク室内が
振動伝達板84の振動によるインクの動きで撹拌されて
しまい、その色剤成分の濃縮の効率は比較的低いのに対
して、本実施形態ではインクがインク室に導かれる前に
色剤成分の濃度が高められており、インク室内の色剤成
分濃度は一様なので、振動伝達板83による撹拌の影響
はない。
【0106】このようにインク室に導かれる前にインク
中の色剤成分の濃度を上げても、濃度が濃く、かつ記録
紙上で滲まない画像の記録が可能となる。
【0107】なお、第12および第13の実施形態では
圧電素子として積層圧電素子を用いたが、バイモルフ素
子を用いてもよい。また、機械的な変位を発生する素子
は圧電素子に限られるものではなく、電歪素子や磁歪素
子などを用いてもよい。
【0108】以上に説明した実施形態では、記録速度で
有利なマルチノズルヘッドを例にして説明したが、これ
に限定されるわけではなく、本発明はシングルノズルの
場合でも有効で、特に各画点の濃度ばらつきが望ましく
ない高精細記録において本発明の効果は顕著である。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば溶
媒中に帯電した色剤を分散させたインクを使用し、この
インク中の色剤成分を濃縮させる力として静電気力を用
い、濃縮された色剤成分をインク液面からインク滴とし
て飛翔させる力として超音波ビームによる圧力、熱エネ
ルギーにより生成される気泡による圧力、あるいは機械
的な変位を発生する手段を用いることにより、色剤成分
を濃縮させてインク濃度を高めことができ、濃度が高
く、かつ記録媒体上で滲まない高品質の画像を記録する
ことが可能となる。
【0110】また、静電気力で色剤成分である帯電粒子
を濃縮する際、濃縮するための電極間隔を狭くとること
でインクジェットヘッドに印加する電圧は高々100V
オーダで済み、一方、濃縮した色剤成分を飛翔させる力
として比較的大きな力を取り出せる超音波ビームによる
圧力、熱エネルギーにより発生する気泡による圧力、機
械的変位による圧力といった機械的圧力を利用すること
によって、インクジェットヘッドと記録媒体との間隔を
1mm程度とっても、インクジェットヘッドに印加する
記録用信号電圧はいずれも数10Vあるいは100Vオ
ーダで済み、色剤成分の濃縮と飛翔を共に静電気力で行
う従来の方法のように1kVオーダもの高電圧となるこ
とはないので、インクジェットヘッドの駆動回路を耐圧
の低い安価な駆動ICによって実現することができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るインクジェット
記録装置におけるインクジェットヘッドの斜視図
【図2】同実施形態の動作説明図
【図3】同実施形態におけるリニアスキャンおよび電子
集束動作の説明図
【図4】同実施形態における圧電素子アレイのグルーピ
ング及び各グループに与える2相駆動信号について説明
するための図
【図5】本発明の第2の実施形態に係るインクジェット
記録装置におけるインクジェットヘッドの要部の構成を
示す斜視図
【図6】同実施形態における変動する焦点位置を示す図
【図7】本発明の第3の実施形態に係るインクジェット
記録装置におけるインクジェットヘッドの要部の構成を
示す断面図
【図8】本発明の第4の実施形態に係るインクジェット
記録装置におけるインクジェットヘッドの要部の構成を
示す断面図
【図9】本発明の第5の実施形態に係るインクジェット
記録装置におけるインクジェットヘッドの要部の構成を
示す断面図
【図10】本発明の第7の実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置におけるインクジェットヘッドの要部の構成
を示す斜視図
【図11】同実施形態のインクジェットヘッドの要部の
構成を示す断面図
【図12】同実施形態のインクジェットヘッドの要部の
構成を示す断面図
【図13】本発明の第8の実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置におけるインクジェットヘッドの構成図
【図14】同実施形態における色剤成分の搬送動作を説
明するための模式的な断面図
【図15】同実施形態における色剤成分の搬送動作を説
明するためのタイムチャート
【図16】本発明の第9の実施形態に係るインクジェッ
ト記録装置におけるインクジェットヘッドの要部の構成
を示す断面図
【図17】本発明の第10の実施形態に係るインクジェ
ット記録装置におけるインクジェットヘッドの要部の構
成を示す断面図
【図18】本発明の第11の実施形態に係るインクジェ
ット記録装置におけるインクジェットヘッドの要部の構
成を示す断面図
【図19】本発明の第12の実施形態に係るインクジェ
ット記録装置におけるインクジェットヘッドの要部の構
成を示す斜視図
【図20】同実施形態のインクジェットヘッドの要部の
構成を示す断面図
【図21】本発明の第12の実施形態に係るインクジェ
ット記録装置におけるインクジェットヘッドの要部の構
成を示す断面図
【符号の説明】
10…圧電素子アレイ 11…超音波干渉層 12…共通電極 13…圧電体層 14…個別電極 15…ノズル基板 16…インク 17…フレネル回折基板 18…駆動回路 19…濃縮用電極 20…濃縮用バイアス電圧源 21…シリンドリカルレンズ 22…濃縮用電極 23…飛翔インク滴 24…色剤成分 25…濃縮室 28…インク供給孔 29…インク排出孔 30…インク排出孔 40…多層基板 41…絶縁性基板 42…絶縁層 43…発熱抵抗体 44…通電電極 45…酸化防止膜 46…衝撃吸収膜 47…反応防止膜 48…隔壁 49…上蓋 50…インク供給孔 51…ノズル板 52…インク滴吐出孔 53…濃縮用電極 54…濃縮用電圧源 55…インク回収孔 56a〜56f…補助電極 57…駆動回路 58…共通電極 59…バイアス電圧源 60…色剤成分 61…インク供給孔 62…濃縮用電極 63…インク搬送路 64…インク排出孔 65…電圧源 66…色剤成分 67…電源 70…濃縮室 71…インク供給孔 72,73…濃縮用電極 74…濃縮用電圧源 75,76…インク排出孔 80…インクジェットヘッド 81…ノズル 82…ノズル板 83…基板 84…振動伝達板 85…積層圧電素子 86…固定部材 87…インク室 88…濃縮用電極 89…インク供給孔 90…インク排出孔 91…導電性部材 92…インク供給孔 93…インク排出孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永戸 一志 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 石井 浩一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 野村 裕子 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 村上 照夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶媒中に帯電した色剤を分散させたインク
    中の色剤成分を濃縮し記録媒体上に飛翔させて記録を行
    うインクジェット記録装置において、 前記インク中の色剤成分を静電気力で濃縮する濃縮手段
    と、 この濃縮手段により濃縮された色剤成分を機械的圧力で
    前記記録媒体上に飛翔させる飛翔手段とを有することを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】溶媒中に帯電した色剤を分散させたインク
    中の色剤成分を濃縮し記録媒体上に飛翔させて記録を行
    うインクジェット記録装置において、 前記インク中の色剤成分を静電気力で濃縮する濃縮手段
    と、 超音波ビーム発生手段と、 この超音波ビーム発生手段により発生される超音波ビー
    ムを前記濃縮手段により色剤成分が濃縮された領域のイ
    ンクに照射することによって該色剤成分を前記記録媒体
    上に飛翔させる手段とを有することを特徴とするインク
    ジェット記録装置。
  3. 【請求項3】溶媒中に帯電した色剤を分散させたインク
    中の色剤成分を濃縮し記録媒体上に飛翔させて記録を行
    うインクジェット記録装置において、 前記インク中の色剤成分を静電気力で濃縮する濃縮手段
    と、 熱エネルギーによる気泡を発生させるための発熱手段
    と、 この発熱手段により発生された気泡の圧力を前記濃縮手
    段により色剤成分が濃縮された領域のインクに加えるこ
    とによって該色剤成分を前記記録媒体上に飛翔させる手
    段とを有することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】溶媒中に帯電した色剤を分散させたインク
    中の色剤成分を濃縮し記録媒体上に飛翔させて記録を行
    うインクジェット記録装置において、 前記インク中の色剤成分を静電気力で濃縮する濃縮手段
    と、 電気信号の印加によって機械的な変位を発生する変位発
    生手段と、 この変位発生手段により発生される変位を前記濃縮手段
    により色剤成分が濃縮された領域のインクに伝達するこ
    とによって該色剤成分を前記記録媒体上に飛翔させる手
    段とを有することを特徴とするインクジェット記録装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001026114A (ja) * 1999-06-28 2001-01-30 Xerox Corp 音響インクプリントヘッドの蓋付けと充填の方法およびその装置
US6302529B1 (en) 1998-04-16 2001-10-16 Victor Company Of Japan, Ltd. Electrostatic ink-jet printer

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6302529B1 (en) 1998-04-16 2001-10-16 Victor Company Of Japan, Ltd. Electrostatic ink-jet printer
JP2001026114A (ja) * 1999-06-28 2001-01-30 Xerox Corp 音響インクプリントヘッドの蓋付けと充填の方法およびその装置
JP4651158B2 (ja) * 1999-06-28 2011-03-16 ゼロックス コーポレイション 音響インクプリントヘッドの蓋付けと充填の方法およびその装置

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