JP2014515324A - 液滴速度変調を有する液体排出システム - Google Patents

液滴速度変調を有する液体排出システム Download PDF

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Abstract

連続液体排出システムは、ノズルと流体をやりとりする液体チャンバを有する。前記液体チャンバは、前記ノズルを介して液体噴流を排出するのに十分な圧力下で液体を含む。液滴生成装置は、前記液体噴流に係り、かつ、前記液体噴流内で変調を生じさせるように作用しうる。前記変調は、前記液体噴流の一部を、ある経路に沿って進行する液滴対の列に分裂させる。各液滴対は、液滴対の周期に合わせて平均的に分離される。各液滴対は第1液滴と第2液滴を有する。帯電装置は、前記液滴噴流に係る帯電電極、及び、前記帯電電極と前記液体噴流との間の電位を変化させる電源を有する。前記電源は、前記液滴対の周期と等しい周期を有する波形を供する。前記波形は、第1の明確に識別可能な電圧状態と第2の明確に識別可能な電圧状態をも含む。前記帯電装置は、前記第1液滴上に第1帯電状態を生成して前記第2液滴上に第2帯電状態を生成するように前記液滴生成装置に同期される。液滴速度変調装置は、選択された液滴対の第1液滴と第2液滴の相対速度を変化させることで、前記選択された液滴対の第1液滴と第2液滴が互いに結合して、結合液滴を生成するか否かを制御する。前記結合液滴は第3帯電状態を有する。偏向装置は、前記第1帯電状態を有する前記第1液滴を第1経路に沿って進行させ、前記第2帯電状態を有する前記第2液滴を第2経路に沿って進行させ、かつ、前記第3帯電状態を有する前記結合液滴を第3経路に沿って進行させる。

Description

本発明は、デジタル制御された印刷システムの分野に関し、より詳細には、液体流が複数の液滴に分裂して、前記複数の液滴の一部は静電的に偏向される連続印刷システムに関する。
インクジェットプリントは、デジタル制御された電子印刷分野における有力な候補として認識されてきた。その理由はたとえば、インクジェットプリントが、非衝突であり、低ノイズ特性を有し、普通紙を使用し、並びに、トナーの移行及び固定を必要としないためである。インクジェットプリント機構は、技術的には、ドロップ・オン・デマンドインクジェット(DOD)又は連続インクジェット(CIJ)のいずれかとして分類されうる。
第1の技術である「ドロップ・オン・デマンド」インクジェットプリントは、加圧アクチュエータ−たとえば熱、圧電、又は静電アクチュエータ−を用いて記録面に衝突するインク液滴を供する。一の広く用いられているドロップ・オン・デマンド技術は、熱作動を利用してノズルからインク液滴を排出する。ノズル(付近)に設けられるヒーターが、沸騰させるのに十分な程度にインクを加熱させることで、インク液滴を排出させるのに十分な内部圧力を発生させる気泡を生成する。このインクジェットの形態は一般に「熱インクジェット(TIJ)」と呼ばれる。
「連続」インクジェット(CIJ)プリントと一般的に呼ばれている第2の技術は、加圧されたインク源を利用して、圧力下でノズルを介してインクを押し出すことによって、インクの連続液滴噴流を生成する。インク流は、液体噴流が予測可能なようにインク液滴に分裂するように外部からの影響を受ける。印刷は、意図しないインク液滴の選択的な偏向及び捕獲によって起こる。液滴を選択的に偏向させる様々な方法−静電偏向、空気偏向、及び熱偏向を含む−が開発されてきた。
第1の静電偏向に基づくCIJ方法では、液体噴流は、ある方法によって外部からの影響を受けることで、ノズルから公称上一定の距離−分裂長−で均一なサイズの液滴に分裂する。帯電電極構造は、分裂時に液滴上でデータに依存する電荷量を誘起するように、公称上一定の分裂点に設置される。続いて帯電した液滴は、固定された静電領域を通り抜けるように案内される。それにより各液滴は、その電荷に比例して偏向する。分裂点に設定された電荷レベルは、液滴を記録媒質上の特定の位置へ向かうように又は回収若しくは再利用のためにガターへ向かうように進行させる。この方法は特許文献1で開示されている。特許文献1に開示されたCIJ装置は、単一の噴流−つまり単一の液滴生成液体チャンバ−と単一のノズル構造で構成される。この方法を利用する多噴流CIJプリントヘッドは特許文献2に開示されている。特許文献2は、各々が独自の帯電電極を備える複数の液滴放出ノズルの列(アレイ)をやりとりする共通の液滴生成チャンバを有するCIJプリントヘッドを開示している。この方法は、各ノズルが独自の帯電電極を有することを必要とする。このとき各独立する電極の各々には、印刷される画像データに依存する電気波形が供給される。このような各独立にアドレス指定可能な帯電電極の要求は、基本ノズル間隔、ひいては印刷システムの解像度を制限する。
第2の静電偏向に基づくCIJ方法は特許文献3に開示されている。特許文献3は、二値CIJ法について開示している。二値CIJ法では、伝導性インクが加圧され、かつ、校正されたノズルを介して放出され、生成された液体インク噴流は2つの異なる時間間隔で分裂する。印刷される液滴又は印刷されない液滴は、ノズルでの周期的刺激パルスによって生成される。印刷される液滴の各々は、相対的に強くて、かつ、印刷される液滴を生成するインク噴流を相対的に短い分裂長で分離する周期的刺激パルスによって生成される。印刷されない液滴の各々は、相対的に弱くて、かつ、印刷される液滴を生成するインク噴流を相対的に長い分裂長で分離する周期的刺激パルスによって生成される。各異なる印加DC電位を有する近接して配置される電極で構成される2つの組が、2つの分裂位置に隣接するノズルの下流に設けられ、かつ、生成される際に、相対的に短い分裂長の液滴と相対的に長い分裂長の液滴に複数の明確に識別可能な電荷レベルを供する。分裂長の長い液滴は、その電荷のために偏向装置によって経路から外れ、かつ、捕獲装置表面へ向かうように偏向される。捕獲装置表面では、液滴がガター内に回収されて再利用のために容器へ戻される。特許文献3はまた、相対的に短い分裂長と相対的に長い分裂長との間での分裂長の差異が、連続するインク液滴間の距離又は液体噴流におけるインクの節間の距離である波長(λ)未満であることをも要求している。このことは、2つの刺激振幅(印刷刺激振幅と非印刷刺激振幅)が用いられることを必要とする。分裂長の位置の差異をλ未満に限定することは、使用されなければならない刺激振幅の差異を非常に小さな値に制約する。1つの噴流しか有しないプリントヘッドでは、電極の位置、帯電電極の電圧、並びに、印刷及び非印刷刺激振幅を調節して、印刷液滴と非印刷液滴の望むように分離するのは非常に容易である。しかしノズルのアレイを有するプリントヘッドでは、部分的な許容度のために、これが非常に難しくなるおそれがある。液滴分裂領域において高い電場勾配を有する必要があるため、液滴選択システムは、帯電電荷の平坦性、電極の厚さ、及び間隔に非常に影響を受けやすくなる。帯電電荷の平坦性、電極の厚さ、及び間隔はすべて、アレイ中の各異なる液体噴流について、液滴分裂領域での電場強度と電場勾配を変化させうる。それに加えて、液滴生成装置と付随する刺激装置は、ノズルアレイまで完全に均一ではなく、ノズル間で異なる刺激振幅に特定の分裂長を生じさせることを必要とする。これらの問題は、時間とともにドリフトするインク特性及び帯電電極を温度とともに変動及び曲げるおそれのある熱膨張によって複合される。係るシステムではノズル間での印刷刺激振幅と非印刷刺激振幅との間での調節して、印刷液滴と非印刷液滴とを意図通りに分離することを保証するのに、追加の複雑な制御が必要とされる。分裂長の変化の利用については特許文献4に開示されている。
特許文献5は、分裂長及び液滴サイズに基づく静電帯電及び偏向機構について開示している。上部で低いDC電圧が印加され、かつ、下部で高いDC電圧が印加される分離した共通帯電電極が、小さな液滴と大きな液滴を、その直径に従ってそれぞれ異なるように帯電させるのに利用される。
特許文献6は、大きな液滴と小さな液滴を交互に生成するインクジェット記録装置を開示している。すべての液滴には、液体噴流の分裂領域内においてDC静電場が印加される。特許文献6はまた、記録に必要のない小さな液滴の励起液滴の大きさを変化させることで、これらを衝突させて、大きな液滴と結合させる。大きな液滴及び小さな液滴と結合する大きな液滴は、ガターへ流されて印刷されない。同時に偏向された小さな液滴は印刷される。この方法の欠点の一つは、偏向された液滴が印刷される結果、液滴の位置の誤りが生じうるおそれのあることである。さらに、各液滴上で各異なる帯電状態を生成することを可能にするため、小さな液滴は大きな液滴よりもはるかに小さい必要があるので、所望の印刷液滴を生成するのにより大きなノズル直径のノズルが必要とされる。このため、係る方法で利用されうるノズル間隔の密度は制限され、かつ、高解像度の画像を印刷する能力は顕著に制限される。
そのため、選択された液滴を静電的に偏向させ、液滴の分裂長に関して許容度を有し、単純な設計を有し、かつ、印刷品質が改善された連続印刷システムを供することが必要とされる。
米国特許第3596275号明細書 米国特許第3373437号明細書 米国特許第6273559号明細書 米国特許第7192121号明細書 米国特許第7712879号明細書 米国特許第4068241号明細書 米国特許第3656171号明細書
F. R. S. (Lord) Rayleigh, "Instability of jets," Proc. London Math. Soc. 第10巻、 (4)、1878年 J. A. Katerberg, "Drop charging and deflection using a planar charge plate", 4th International Congress on Advances in Non-Impact Printing Technologies
本発明の目的は、液滴の変位の精度を維持又は改善し、かつ、印刷液滴の体積変化を抑制しながら、CMOS-MEMSプリントヘッドによる質量体帯電及び静電偏向を利用して上述した問題のうちの少なくとも1つを解決することである。
複数の液体噴流の各々の分裂による液滴生成の画像データ依存制御、及び、画像データ依存の時間変化する電位−帯電電極波形とも呼ばれる−を有する帯電電極が、本発明によって供される。液滴の生成は、液滴生成装置へ供される液滴生成波形を用いることによって、液滴対を生成するように制御される。前記液滴対は液滴対周期で生成される。前記帯電電極波形は、前記液滴対周期に等しい周期を有する。前記帯電電極波形と前記液滴生成波形は、2つの帯電状態のうちの一において連続する液滴を交互に帯電させるように違いに同期される。前記液滴生成波形は、前記液滴対の液滴が、より大きな液滴を生成するように合体するか否かを制御するように選択的に変化してよい。
本発明は、長いノズルアレイ内の噴流間での分裂時間変化について大きな許容度を可能にすることによってシステムに耐久性を与える。それに加えて、少なくとも他の液滴すべては、捕獲装置によって回収される。前記捕獲装置は、液体が前記捕獲装置上に残ることを保証することで、動作中に液体がばちゃばちゃはねる危険性を減少させる。本発明は、前記ノズルアレイのノズルに付随する刺激装置へ送られる信号制御の複雑さを減少させる。これによって、帯電電極構造の複雑さが減少し、かつ、前記帯電電極構造と前記ノズルとの間の間隔が増大することが容易になる。
本発明の態様によると、連続液体排出システムが供される。当該システムは、ノズルと流体をやりとりする液体チャンバを有する。前記液体チャンバは、前記ノズルを介して液体噴流を排出するのに十分な圧力下で液体を含む。液滴生成装置は、前記液体噴流に付随し、かつ、前記液体噴流内で変調を生じさせるように作用しうる。前記変調は、前記液体噴流の一部を、ある経路に沿って進行する液滴対の列に分裂させる。各液滴対は、液滴対の周期に合わせて平均的に分離される。各液滴対は第1液滴と第2液滴を有する。帯電装置は、前記液滴噴流に付随する帯電電極、及び、前記帯電電極と前記液体噴流との間の電位を変化させる電源を有する。前記電源は、前記液滴対の周期と等しい周期を有する波形を供する。前記波形は、第1の明確に識別可能な電圧状態と第2の明確に識別可能な電圧状態をも含む。前記帯電装置は、前記第1液滴上に第1帯電状態を生成して前記第2液滴上に第2帯電状態を生成するように前記液滴生成装置に同期される。液滴速度変調装置は、選択された液滴対の第1液滴と第2液滴の相対速度を変化させることで、前記選択された液滴対の第1液滴と第2液滴が互いに結合して、結合液滴を生成するか否かを制御する。前記結合液滴は第3帯電状態を有する。偏向装置は、前記第1帯電状態を有する前記第1液滴を第1経路に沿って進行させ、前記第2帯電状態を有する前記第2液滴を第2経路に沿って進行させ、かつ、前記第3帯電状態を有する前記結合液滴を第3経路に沿って進行させる。
本発明による典型的な連続インクジェットシステムの単純化されたブロック図である。 液滴生成装置から排出される液滴噴流と、それに続く規則的な周期での液滴の分裂を表す画像を示している。 本発明の典型的な実施例によるノズルと、該ノズルに付随する液滴生成装置及び速度変調装置の単純化されたブロック図である。 本発明の他の典型的な実施例によるノズルと、該ノズルに付随する刺激装置の単純化されたブロック図である。 すべて印刷する条件で動作する本発明の連続液体排出システムの第1実施例の液体噴流の断面を示している。 非印刷条件で動作する本発明の連続液体排出システムの第1実施例の液体噴流の断面を示している。 本発明の連続液体排出システムの第1実施例の液体噴流の断面を示し、また一般的な印刷条件をも表している。 すべて印刷する条件で動作する本発明の連続液体排出システムの代替実施例の液体噴流の断面を示している。 非印刷条件で動作する本発明の連続液体排出システムの代替実施例の液体噴流の断面を示している。 一般的な印刷条件で動作する本発明の連続液体排出システムの代替実施例の液体噴流の断面を示している。 すべて印刷する条件で動作する本発明の連続液体排出システムの第2代替実施例の液体噴流の断面を示している。 非印刷条件で動作する本発明の連続液体排出システムの第2代替実施例の液体噴流の断面を示している。 aからhまでの一連の低速度撮像内で液体噴流から生成される液滴の前面像を示している。前記液滴は、本発明の連続液体排出システムによって連続する液滴対を生成する。 本発明の連続液体排出システムの複数の隣接する液体噴流の前面図を表している。 液滴生成パルス、速度変調パルス、帯電電極波形、及び液滴の分裂を表すタイミングの第1の典型的な実施例を示している。 液滴生成パルス、速度変調パルス、帯電電極波形、及び液滴の分裂を表すタイミングの第2の典型的な実施例を示している。 液滴生成パルス、速度変調パルス、帯電電極波形、及び液滴の分裂を表すタイミングの第3の典型的な実施例を示している。 本発明の典型的な実施例による液滴排出方法のブロック図である。
以降で与えられる本発明の典型的な実施例の詳細な説明では、添付図面が参照される。
本明細書において述べているように、本発明の典型的な実施例は、インクジェットプリントシステムにおいて典型的に用いられるプリントヘッド又はプリントヘッド部品を供する。係るシステムでは、液体は、記録媒質上での印刷用のインクである。しかし他の用途も考えられる。たとえばインクジェットプリントヘッドを用いて、細かな計量と高空間分解能での堆積が必要な(インク以外の)液体を放出するような用途である。そのため、本明細書で述べられているように、「液体」及び「インク」という語句は、後述するプリントヘッド又はプリントヘッド部品によって排出される任意の材料を指称する。
連続インクジェット(CIJ)生成装置は、制約を受けない流体噴流の物理に依拠する。これはレイリー卿によって最初に解析された(非特許文献1参照)。レイリーの解析は、圧力Pを受けた液体がノズルの孔を飛び出して、直径djの液体噴流を生成して速度vjで移動することを示した。噴流の直径djは実効的なノズルの直径dnにほぼ等しい。噴流の速度は容器の圧力Pの平方根に比例する。レイリーの解析は、πdj以上の波長λ(つまりλ≧πdj)を有する表面波に基づいて、噴流が様々なサイズの液滴に自然に分裂することを示した。レイリーの解析はまた、特定の表面波の波長が十分な大きさである場合には、その特定の表面波の波長が支配的となることで、噴流を「刺激」して単一サイズの液滴を生成することも示した。連続インクジェット(CIJ)液滴生成装置は、周期的な物理過程−特定の支配的な表面波を起こすことによって噴流に影響を及ぼす所謂「摂動」又は「刺激」−を用いる。刺激の結果、噴流は、摂動の基本周波数と同期するように単一サイズの液滴に分裂する。噴流分裂は、最適周波数Foptでの最大効率となる。その結果分裂時間は最短になる。最適周波数Fopt(最適レイリー周波数)では、摂動波長λは4.5djにほぼ等しい。摂動波長λがπdjに等しくなる周波数は、レイリーカットオフ周波数FRと呼ばれる。その理由は、カットオフ周波数よりも高い周波数での液体噴流の摂動は、液滴を生成させるほど大きくならないからである。
レイリー刺激を与える結果生じる液滴流は、本明細書においては、所定体積の液滴流の生成と指称される。従来技術に係るCIJシステムでは、印刷又はパターンを有する層の堆積用の関心液滴は不変の単位体積であったのに対し、本発明では、刺激信号は、単位体積の所定の倍数の液滴を生成するように操作することが可能である。従って、「所定体積の液滴流」という語句は、すべてが一のサイズを有する液滴に分裂する液滴流又は意図した各異なる体積の液滴に分裂する液滴流を含む。
CIJシステムでは、噴流が狭められて、流体がわずかにつながった状態になることで、一部の液滴−通常は所定の単位体積よりもはるかに小さな「サテライト」と呼ばれる−が生成されうる。係るサテライトは、完全に予測可能ではなく、又は、必ずしも予測可能なように他の液滴と一緒になり得ない。そのため印刷又はパターニング用に意図した液滴の体積がわずかに変化してしまう。しかし小さくて予測不可能なサテライト液滴の存在は、本発明にとって重要ではなく、液滴サイズが、本発明において用いられるエネルギー信号を同期させることによってあらかじめ決定されたという事実を否定するものとは解されない。よって本発明を表すのに用いられる「所定の体積」という語句は、意図した目標値についての液滴体積の小さな変化は、予測不可能なサテライト液滴の生成に起因して起こりうるものとして解されなければならない。
以降で図1〜図13を参照しながら論じられる典型的実施例は、特定の構成要素の組み合わせ−たとえば液滴帯電構造、液滴偏向構造、液滴捕獲構造、液滴生成構造、及び液滴速度変調構造の特定の組み合わせ−を用いて説明される。これらの構成要素は交換可能であり、かつ、これらの構成要素の別な組み合わせも本発明の技術的範囲内に属することに留意して欲しい。
図1を参照すると、連続インクジェットプリントシステム10はインク容器11を有する。インク容器11は、インク排出装置とも呼ばれるプリントヘッド12へインクを連続的に押し出すことで、インク液滴の連続流を生成する。プリントシステム10は、画像源13からデジタル化された画像処理データを受け取る。画像源13とはたとえば、スキャナ、コンピュータ、デジタルカメラ、又は、ラスタ画像データ、ページ記述言語の形式で表された輪郭画像データ、若しくは他の形式のデジタル画像データを供する他のデジタルデータ源である。画像源13からの画像データは、周期的に画像処理装置16へ送られる。画像処理装置16は、画像データを処理し、かつ、画像データを保存するメモリを有する。画像処理装置16は典型的にはラスタ画像処理装置(RIP)である。以降で説明するように、画像処理装置16内の画像メモリ内に保存される画像処理装置16内の印刷データとも呼ばれる画像データが周期的に、刺激制御装置18へ送られる。刺激制御装置18は、時間変化する電気刺激パルスのパターンを生成することで、プリントヘッド12上のノズルの各々の排出口で液滴流を生成する。これらの刺激パルスは、適切な時間かつ適切な周波数でノズルの各々に付随する(複数の)刺激装置へ印加される。プリントヘッド12と偏向機構14は、インク液滴が、画像メモリ内のデータによって指定される記録媒質19上の適切な位置に印刷されるか、又は、インク再利用装置15を介して偏向及び再利用されるかを決定するために協働する。インク再利用装置15内のインクは、インク容器11へ戻されるように導かれる。インクは圧力が印加された状態で、一般的にはシリコンで構成される基板内に生成されるチャンバ又はプレナムを含むインクチャネルによってプリントヘッド12の背面へ分配される。あるいはその代わりに、チャンバは、シリコン基板が取り付けられるマニホールド部分内に生成されてもよい。インクは、チャンバから、プリントヘッド12のシリコン基板を貫通するようにエッチングされて生成されたスロット及び/又は孔を通り抜けて前面へ向かって流れる。前記前面には複数のノズルと刺激装置が設けられる。最適動作に適したインク圧力は多数の因子に依存する。多数の因子には、ノズルの熱特性、並びに、インクの熱特性及び流体力学特性が含まれる。一定のインク圧力は、インク圧力レギュレータ20の制御下で、インク容器11へ圧力を印加することによって実現されうる。
(ドロップ・オン・デマンド型インクジェット又は連続インクジェットを問わず)任意の種類のインクジェットプリンタに係る一の周知な問題は、ドットの位置設定の精度に関する問題である。インクジェットプリントの分野においてよく知られているように、1つ以上の液滴が受像体上の画素領域(複数の画素)−画素領域はたとえばデジタル画像を含む情報の画素に対応する−内部に位置することが望ましい。一般的には、これらの画素領域は受像体上の正方形又は長方形の実際又は仮想の配列を含み、かつ、プリンタの液滴は、単純な印刷法用に各画素内部の所望の位置−たとえば各画素領域の中央−に設けられるか、又は、ハーフトーンを実現するために各画素領域内部の複数の厳密な位置に設けられることが意図される。液滴の位置設定が正しくない場合、及び/又は、液滴の位置設定が各画素領域内での所望の設置を実現するように制御できない場合、特に所望の位置から同様の種類のずれが隣接する画素領域上で繰り返されるときに、画像のアーティファクトが生じるおそれがある。RIP又は他の種類の処理装置16は、印刷用に、画像データを画素でマッピングされた画像のページ画像に変換する。印刷中、記録媒質19は、複数の輸送ローラー19によってプリントヘッド12に対して変動する。複数の輸送ローラー19は媒質輸送制御装置21によって制御される。論理制御装置17−好適には周知であるようにマイクロプロセッサに基づき、かつ、適切にプログラムされる−は、輸送制御装置21と協働するための制御信号をインク圧力レギュレータ20及び刺激制御装置18に供する。刺激制御装置18は液滴制御装置を有する。前記液滴制御装置は、画像処理装置16の画像メモリ生成部から得られる画像データに従って、各独立するインク液滴をプリントヘッド12から記録媒質19へ排出する駆動信号を供する。画像データは、生の画像データ、印刷画像の品質を向上させる画像処理アルゴリズムから生成される追加の画像データ、及び、液滴位置設定補正からのデータを含んでよい。前記液滴位置設定補正からのデータは多くのデータ源−たとえば当業者に周知なプリントヘッド12内の各ノズルの操縦誤差の測定−から生成されてよい。よって画像処理装置16内の情報は、液滴排出の一般的なデータ源−たとえば印刷されるインク液滴の所望の位置及び再利用のために回収されるそれらの液滴の識別−を表すと言える。
受像体の輸送を制御するために様々な機械的構成が用いられてよいことに留意して欲しい。たとえばページ幅のプリントヘッドの場合、記録媒質19を静止プリントヘッド12を通過するように移動させるのが便利である。他方、走査型のプリントシステムの場合、相対ラスタ運動において、プリントヘッドを一の軸(つまり主走査方法)に沿って移動させ、かつ、記録媒質を直交する軸(つまり副走査方向)に沿って移動させるのがより便利である。
当業者に知られているように、液滴生成パルスは、一般的には液滴制御装置と指称されうる刺激制御装置18によって供され、かつ、典型的には電気的接続を介してプリントヘッド12へ送られる電圧パルスである。しかし当業者に知られているように、他の種類のパルス−たとえば光パルス−も、印刷液滴と非印刷液滴が特定のノズルで生成されるように、プリントヘッド12へ送られてよい。一旦生成されると、印刷液滴は、大気を通り抜けて記録媒質へ向かって進行し、その後記録媒質の特定の画素領域上に衝突するか、又は、以降で説明するように捕獲装置によって回収される。
図2を参照すると、プリントシステムが、ノズルのアレイ50から液体噴流のアレイ43を生成するように動作可能なプリントヘッドに関連づけられる。液滴生成装置89は各液体噴流43に付随する。液滴生成装置は、液滴生成トランスデューサ42、及び、該液滴生成トランスデューサ42に波形を供給する液滴生成波形源55を有する。液滴生成トランスデューサは液体噴流及ぼす摂動を生成するのに適した任意の種類であってよい。液滴生成トランスデューサはたとえば、熱装置、圧電装置、MEMSアクチュエータ、電気流体力学装置、光学装置、電気抵抗装置、及び上記の組み合わせであってよい。使用されるトランスデューサの種類に依存して、トランスデューサは、液体をノズルへ供給する液体チャンバ内又は液体チャンバに隣接して設けられることで、前記液体チャンバ内の液体に作用してよい。あるいはトランスデューサは、ノズル内又はノズルのすぐ近くに設けられることで、液体が前記ノズルを通過した際に前記液体に作用してよい。あるいは、トランスデューサは、液体噴流に隣接して設けられることで、液体噴流がノズルを通過した後に前記液体噴流に作用してよい。液滴生成波形源は、基本周波数f0と基本周期T0=1/ f0を有する波形を液滴生成トランスデューサへ供給する。前記液滴生成トランスデューサは、液体噴流内に波長λの変調を発生させる。変調の振幅が大きくなることで、液体噴流の一部が液滴に分裂する。液滴生成装置の作用を介して、一連の液滴が基本周波数f0と基本周期T0=1/f0で生成される。図2では、液体噴流43は、ノズル50から距離BLに位置する分裂位置32にて規則的な周期で複数の液滴に分裂する。一対の連続する液滴35と36の間の距離は基本的に、液体噴流に及ぼされる摂動の波長λに等しい。液体噴流から分裂するこの一連の液滴は、液滴対の列34を生成する。各液滴対は第1液滴と第2液滴を有する。よって液滴対34の生成周波数−液滴対周波数fpと広く呼ばれている−はfp=f0/2によって与えられる。対応する液滴対周期はTp=2T0である。
液滴の生成は、基本周波数f0で動作する液滴生成装置によって供給されるエネルギーに係る。基本周波数f0は、距離λによって隔てられる基本的に同一体積を有する複数の液滴を生成する。「基本的に同一体積」とは典型的には、一の液滴の体積が先行する液滴の体積の±30%以内であることを意味する。より好適には一の液滴の体積が先行する液滴の体積の±30%以内である。第1液滴と第2液滴とが基本的に同一体積を有する実施例が図2に図示されているが、第1液滴と第2液滴とが異なる体積を有することで、第1液滴と第2液滴からなる対が、周波数f0/2で平均的に生成されてもよいことに留意して欲しい。たとえば第1液滴と第2液滴との体積比は約4:3〜約3:4まで変化してよい。図2の液体噴流43の刺激は、液体噴流又はノズル50に付随する液滴生成トランスデューサによって独立に制御される。一の実施例では、液滴生成トランスデューサ42は、ノズルに隣接する1つ以上の抵抗素子を有する。この実施例では、液体噴流の刺激は、任意の形状の周期的な電流パルスを送ることによって実現される。前記任意の形状の周期的な電流パルスは、液滴生成波形源によって液滴生成装置の各オリフィスを取り囲む抵抗素子を介して供給される。特定のインクジェットノズルについての液滴の分裂時間は、パルス振幅、パルスデューティサイクル、又は、パルス列内の他のパルス若しくはノズルオリフィスを取り囲む各対応する抵抗素子に対するパルスタイミングのうちの少なくとも1つによって制御されてよい。このようにして、パルスのデューティサイクル又は振幅のいずれかが小さく変化することで、液滴分裂時間が予測可能なように変調可能となる。液滴生成装置のオリフィスを取り囲む抵抗素子に対する刺激制御装置の振幅又はデューティサイクルのわずかな変化は、液滴噴流から分裂した後の液滴の速度に影響を及ぼす。
また図2には、帯電電極44と帯電パルス電源51を有する帯電装置83が図示されている。液体噴流に付随する帯電電極44は、液体噴流43の分裂点32に隣接して設けられる。電圧が帯電電極44に印加される場合、電場が帯電電極と電気的に接地される液体噴流との間に生成され、かつ、2つの間での容量結合が、電気伝導性の液体噴流の端部に正味の電荷を生成する(液体噴流は、接地された液滴生成装置の液体チャンバと接することによって接地される)。液体噴流の端部が分裂して液滴を生成する一方で液体噴流の端部に正味の電荷が存在する場合、その液体噴流の端部での電荷は、新たに生成された液滴によって捕獲される。
帯電電極44での電圧は帯電パルス源51によって制御される。帯電パルス源51は、基本周波数の半分であるfp=f0/2によって与えられる液滴対周波数fpで−つまりは液滴対周期Tp=2T0で−動作する2状態波形を与えることで、連続して生成される液滴35と36上に2つの明確に識別可能な帯電状態を生成する。よって帯電パルス電源51は、帯電電極44と液体噴流43との間で変化する電位を供する。変化する電位の電源は帯電電極波形97を発生させる。帯電電極波形は、液滴対周期に等しい周期を有する。帯電電極波形は第1の明確に識別可能な電圧状態と第2の明確に識別可能な電圧状態を有する。好適実施例では、帯電電極波形97の各電圧状態は、基本周波数に等しい時間間隔で起動状態となる。帯電電極に供給されるこの波形は、印刷される画像データとは独立である(すなわち画像データに応答しない)。帯電装置83は液滴生成装置と同期する。それにより帯電パルス電源51によって生成される帯電電極波形と液滴生成波形源のクロックとの間での位相関係が一定に維持される。その結果、液滴生成波形によって生成される液体流からの液滴の分裂の位相は、帯電電極波形に対して位相ロックされる。図10に示されているように、帯電電極波形と液滴生成波形との間には遅延93で表される位相シフトが存在しうる。位相シフトが設定されることで、生成される各液滴対について、第1液滴が噴流から分裂する一方で帯電電極が第1電圧状態であることで、第1液滴36上に第1電荷質量比の第1帯電状態が得られ、かつ、液滴対の第2液滴が噴流から分裂する一方で帯電電極が第2電圧状態であることで、液滴対の第2液滴35上に第2電荷質量比の第2帯電状態が生成される。
図5A〜図7Bでは、第1帯電状態を有する第1液滴36は負の電荷を占めた状態で表され、かつ、第2帯電状態を有する第2液滴35は帯電されていない状態として表されている。第1帯電状態と第2帯電状態はこの実施例に限定されないことに留意して欲しい。代替実施例では、第1波形状態と第2波形状態は、第1液滴を負に帯電させずに正に帯電させるように構成される。他の実施例では、第1帯電状態は帯電されていない液滴状態に対応し、かつ、第2帯電状態は帯電された液滴状態に対応する。さらに他の実施例では、第1帯電状態は一の極性の電荷を有し、かつ、第2帯電状態は反対の極性の電荷を有してよい。第1帯電状態の電荷の大きさと第2帯電状態の電荷の大きさは、同一であってもよいし、又は異なってもよい。
液滴速度変調装置90は液体噴流に付随する。液滴速度変調装置は、液滴変調装置トランスデューサ41と速度変調源54で構成される。液滴変調装置トランスデューサは、熱装置、圧電装置、MEMSアクチュエータ、電気流体力学装置、光学装置、電気抵抗装置、及び上記の組み合わせであってよい。使用されるトランスデューサの種類に依存して、トランスデューサは、液体をノズルへ供給する液体チャンバ内又は液体チャンバに隣接して設けられることで、前記液体チャンバ内の液体に作用してよい。あるいはトランスデューサは、ノズル内又はノズルのすぐ近くに設けられることで、液体が前記ノズルを通過した際に前記液体に作用してよい。あるいは、トランスデューサは、液体噴流に隣接して設けられることで、液体噴流がノズルを通過した後に前記液体噴流に作用してよい。液滴速度変調装置は、第1液滴、第2液滴、又は液滴対中の両方の液滴の速度を選択的に変化すなわち変調させることで、液滴対中の第1液滴と第2液滴を放出させるのに用いられる。液滴を生成するように液滴噴流に移行されるエネルギーパルスの振幅、デューティサイクル、及び波形のわずかな変化が、生成された液滴の速度に影響を及ぼすので、液滴対中の一方又は両方の液滴の速度は変調され、かつ、液滴対中の一方又は両方の液滴の速度は、液体噴流に移行されるエネルギーの特性を変化させることによって実現される。前記液体噴流に移行されるエネルギーは前記液体噴流に及ぼされる摂動を生成し、前記摂動は前記液体噴流から前記液滴を分裂させる。液滴対中の複数の液滴の液滴速度は、速度変調源へ供給される印刷データ又は画像データに応答して選択的に変調される。よって液滴速度変調波形は印刷データ又は画像データに依存する。一部の実施例では、液滴対中の複数の液滴のうちの一の速度が変調される一方で、前記液滴対中の複数の液滴のうちの他の速度は変化しないままである。他の実施例では、両方の液滴の速度が変調される。
生成された液滴の速度に影響を及ぼすようにインク噴流に移行されるエネルギーパルスの振幅、デューティサイクル、波形のわずかな変化は、一部の実施例では、速度変調装置トランスデューサ41によって供される。速度変調装置トランスデューサ41は、液滴生成装置トランスデューサ42及び液滴生成源55から明確に分かれている。図3は、速度変調装置トランスデューサ41及び液滴生成装置トランスデューサ42が、ノズル50の周りで同心円状に設けられる別個のヒーターである実施例を表している。液滴生成装置トランスデューサ42は、液滴生成源55から画像データに依存するパルス列を受け取り、規則的なエネルギーパルス列をノズル50を貫流する液滴噴流に移行させる。このパルス列は、パルス91を生成する第1液滴とパルス92を生成する第2液滴で構成されるパルス対の列を生成する。画像データに依存する速度変調パルス94のパルス列が速度変調源54によって供給される結果、速度変調装置トランスデューサ41は、画像データに依存するエネルギーパルス列をノズル50を貫流する液滴噴流に移行させる。
他の実施例では、液滴生成装置89と速度変調装置90は、図4に図示されている刺激装置として広く呼ばれている同一の装置である。刺激装置60は、刺激波形源56と刺激トランスデューサ59で構成される。この実施例では、刺激波形源56は、液滴生成波形源と速度変調装置の両方の役割を果たす。刺激波形源56は、第1液滴生成パルス91と第2液滴生成パルス92のみならず、速度変調パルス94をも刺激トランスデューサ59に供する。
他の実施例では、液滴生成装置と液滴速度変調装置は同一の装置である。係る実施例では、単一のトランスデューサが、液滴の生成とその液滴速度の変調の両方に用いられる。供給の波形源は、パルスをトランスデューサに与えて液滴を生成し、かつ、選択されたパルスの振幅又は幅を変化させて選択された液滴の速度を変調させる。あるいはその代わりに、供給の波形源は、規則的な間隔の液滴生成パルス間に1つ以上の狭いパルスを挿入することで、1つ以上の液滴の速度を変調させてよい。係る実施例では、刺激装置に供給される波形は画像データに依存する。
図5A〜図7Bは、詳細に記載された連続液体排出システムの様々な実施例を図示している。連続液体排出システムの実施例は、図1に図示された連続インクジェットシステムを参照して説明された構成要素のほとんどを含む。連続的排出システムの実施例40のすべては、ノズル50又はノズルアレイと流体をやりとりする液体チャンバを有する(これらの図では、ノズルアレイは図面に入り込んで見えなくなった状態で延びている)。液体チャンバは、ノズルを介して液体噴流43を排出するのに十分な圧力下で液体を含む。液体噴流の各々は、各々に付随する液滴生成装置89を有する。液滴生成装置は液滴生成装置トランスデューサ42と液滴生成波形源55を有する。液滴生成装置トランスデューサ42と液滴生成波形源55は、液体噴流中で変調を生じさせて、液体噴流の一部を、ある経路に沿って進行する第1液滴35と第2液滴36を含む液滴対の列に分裂させる。各液滴対は、基本周期の2倍に合わせて平均的に分離される。
連続液体排出システムはまた、液体噴流のアレイに付随する帯電電極44又は45及び帯電電極と液体噴流との間での電位を変化させる電源51を有する。電源51は、液滴対周期に等しい周期の帯電電極波形97を帯電電極に印加する。波形は第1の明確に識別可能な電圧状態と第2の明確に識別可能な電圧状態を有する。図2で論じたように、帯電電極44は、ノズルアレイ中の液体噴流の分裂位置に隣接するように設置される。帯電電極は液滴生成装置に同期される。それにより、液滴対のうちの第1液滴が電極に隣接する位置で分裂するときには第1電圧状態が起動し、かつ、液滴対のうちの第2液滴が電極に隣接する位置で分裂するときには第2電圧状態が起動する。第1電圧状態及び第2電圧状態において帯電電極によって電場が生成される結果、第1帯電状態が各液滴対の第1液滴上に生成され、かつ、第2帯電状態が各液滴対の第2液滴上に生成される。
連続液体排出システムはまた各液体噴流43に付随する液滴速度変調装置42をも有する。液滴速度変調装置は、選択された液滴対のうちの第2液滴35に対する第1液滴36の相対速度を変化させる。それにより図5Bに図示されているように、選択された液滴対の第1液滴と第2液滴は結合し、第3液滴49−結合又は併合液滴49とも呼ばれる−を生成する。図5Bに図示されているように、選択された液滴対を構成する複数の液滴は、上向き矢印と下向き矢印との間の液滴併合位置31で併合する。第1液滴と第2液滴とを併合させる速度変調のための液滴対の選択は一般的に、刺激制御装置18によって画像処理装置16から受け取られる印刷データに基づく。第1液滴が第1帯電状態で、かつ、第2液滴は第2帯電状態であるため、結果として得られる結合液滴は第3帯電状態を有する。連続液体排出システムはまた偏向装置14をも有する。偏向装置14は、第1帯電状態を有する第1液滴を第1経路38に沿って進行させ、第2帯電状態を有する第2液滴を第2経路37に沿って進行させ、かつ、第3帯電状態を有する結合液滴を第3経路39に沿って進行させる。
図5A〜図5Cに図示された実施例では、帯電電極44は偏向装置14の一部である。分裂位置に隣接して液体噴流の一方の側に位置するバイアス印加された帯電電極44は、液滴の分裂前に電荷を噴流端部へ引きつけるだけではなく、液滴が液体噴流から分裂した後の帯電液滴をも引きつける。この偏向機構は非特許文献2に記載されている。捕獲装置47はまた偏向装置14の一部をも構成する。特許文献7に記載されているように、伝導性捕獲装置の面の前を通過する帯電液滴は、伝導性捕獲装置の面52上の電荷を、帯電液滴が伝導性捕獲装置の面52上に引きつけられるように再分布させる。この実施例では、帯電板が第1液滴と第2液滴を偏向させ始めることで、第1液滴と第2液滴はそれぞれ第1経路と第2経路に従って進行し始める。第1液滴と第2液滴が分裂すると、その直後に速度変調を受ける液滴対の第1液滴と第2液滴は、併合して結合液滴を生成する前に第1経路と第2経路に沿って進行し始める。速度変調は、第1経路と第2経路が広がることで第1液滴と第2液滴の併合が妨げられる前に、第1液滴と第2液滴とを併合させるのに十分でなければならない。
基板上で液滴を選択的に印刷するため、1つ以上の捕獲装置が、第1経路、第2経路、及び第3経路のうちの2つの経路に沿って下方へ進行するのを妨げるのに利用される。図5A〜図5C及び図7A〜図7Bは、捕獲装置が第1経路と第3経路に沿って進行する液滴を妨害する一方で、第2経路に沿って進行する液滴は基板への接触と印刷が許される実施例を表している。図6A〜図6Cは、捕獲装置が第2経路と第3経路に沿って進行する液滴を妨害する一方で、第1経路に沿って進行する液滴は基板への接触と印刷が許される実施例を表している。他の実施例には、第1経路、第2経路、及び第3経路のうちの任意の2つの経路に沿って進行する液滴を妨害するために2つの捕獲装置を用いる一方で、残りの経路に沿って進行する液滴は基板への接触と印刷が許される実施例が含まれる。
図5A〜図5Cは、連続液体排出システムの主な構成要素の断面図を示し、かつ、本発明の第1実施例の様々な印刷モードを表している。連続液体排出システムはプリントヘッド12を有する。プリントヘッド12は、液体流43を放出する1つ以上のノズル50のアレイと流体をやりとりする液体チャンバ24を有する。液滴生成装置トランスデューサ42と速度変調装置トランスデューサ41は各液体噴流に付随する。図示された実施例では、液滴生成装置トランスデューサ42と速度変調装置トランスデューサ41は、ノズル50周辺の壁内に形成される。複数の各独立した液滴生成装置トランスデューサ42が、複数のノズルのうちの各ノズルと統合されてよい。あるいは共通の液滴生成装置トランスデューサ42が複数のノズル用に用いられてよい。速度変調装置トランスデューサ41は、複数のノズルのうちの各ノズルと統合される。液滴生成装置トランスデューサ42は、基本周波数T0で液体噴流43の周期的刺激を与える液滴生成波形源55によって作動する。速度変調装置トランスデューサ41はまた、別個の速度変調源54によって作動されてもよい。プリントヘッドの一部の実施例では、液滴生成装置トランスデューサ42と速度変調装置トランスデューサ41は同一のトランスデューサ素子であってよく、かつ、液滴生成波形源55と速度変調源54は同一の源を含んでよい。プリントヘッド12−MEMS-CMOSプリントヘッドと広く呼ばれる−は、デジタルプリントシステムと容易に統合できる点で有利である。主としてシリコンで構成されるプリントヘッドはノズルのアレイを有する。前記ノズルのアレイは、噴流の分裂及び印刷液滴と非印刷液滴の選択的生成を引き起こすように各独立にアドレス指定される。この特徴は、より高いノズル密度での高解像度の印刷を可能にする。
接地された捕獲装置47は、帯電電極44の下方に設けられる。捕獲装置47の目的は、帯電液滴を妨害又はガターに流すことで、その帯電液滴が印刷媒質又は基板19と接触せずに印刷されないようにすることである。図5A及び後続の図に示されるプリントヘッド12を適切に動作させるため、捕獲装置47及び/又は捕獲装置底部の板57は、インクが捕獲装置の面52へ向けて下方に流れてインク戻りチャネル58に入り込む際に、妨害される液滴上の電荷を消失させることを可能にするように接地される。捕獲装置47の面52は、図2に図示されている液体噴流軸87に対して角度θをなす。よって図5Aに図示されているように、帯電液滴36は接地された捕獲装置47の捕獲面52へ引きつけられる。液滴36は帯電液滴捕獲接触点26で捕獲面52によって妨害されることで、捕獲装置47の面へ向かって下方に進行するインク膜48が生成される。捕獲装置の底部は、半径Rの局面を有し、かつ、インク膜48中のインクの捕獲及び再循環を行うため、底部捕獲面57及び該底部捕獲面57上方に位置するインク回復チャネル58を含む。電極に隣接する位置で分裂する液滴の分裂時に電極44から液体噴流43までで正の電位差が存在する場合、負の電荷が生成される液滴上に誘起される。これは液体噴流から液滴が分裂した後も保持される。電極に隣接する位置で分裂する液滴の分裂時に電極44から液体噴流43までで電位差が存在しない場合、生成される液滴上には電荷が誘起されない。これは液体噴流から液滴が分裂した後も保持される。しかし液体噴流から分裂する第2液滴35が帯電した第1液滴36と容量結合するので、たとえ帯電電極が第2帯電状態において0[V]であるときでも、第2液滴上にはわずかな電荷が誘起されうる。個々の液滴は、基本周波数f0と基本周期T0で順次生成される。2つの液滴からなる液滴対は、周波数f0/2と周期2T0で生成される。
本発明の理解の便宜のため、図5A〜図5C及び後続の図は、第2経路37の方向によって示される液滴対の第2液滴35が(ほとんど)偏向しないように、第2帯電状態がゼロ電荷付近の状態となる場合について表すことにする。理解の便宜のため、第2経路37は、図2に図示された液体噴流軸87に相当するように描かれる。液滴対34の第1液滴36が高い帯電状態となることで、第1液滴36は、第1経路38に沿って進行することで偏向される。よって本発明は、液滴対周波数fp=f0/2又は液滴対周期T=2T0で液滴対サイクル毎に一の印刷液滴の印刷を可能にする。これは、基本周波数f0で生成される交互の液滴の印刷を可能にする小さな液滴印刷モードと定義される。基本周波数f0は、噴流の分裂のための最適周波数に調節されうる。これは、大きな結合液滴が印刷に用いられる大きな液滴印刷モードとは対照的である。
上述したように、帯電電極が第2帯電状態において0[V]であるときでさえ、わずかな電荷が第2液滴上に誘起されてよい。従って第2液滴は小さな偏向を起こしうる。ある実施例では、第1液滴の電荷によって第2液滴上に誘起される電荷は、帯電電極波形の第2電圧状態を変化させることによって中性化される。第2帯電状態で0[V]ではなく、0[V]からわずかに外れたオフセット電圧が用いられる。第2電圧状態中に帯電電極に隣接した位置で分裂する液滴上に誘起される電荷が、その前の液滴によってその液滴上に誘起される電荷と同一の大きさでかつ反対の極性を有するように、このオフセット電圧は選択される。その結果、基本的に電荷を有しない液滴は、静電力による偏向を基本的に受けなくなる。DCオフセットの大きさは、システムの具体的構成(たとえば用いられる帯電電極が1つなのか又は2つなのか)又はシステムの構造(たとえば噴流と(複数の)帯電電極の相対位置及び隣接する液滴間の間隔)に依存する。典型的には第1電圧状態に対する第2電圧状態の範囲は50%〜10%である。たとえば一部の用途では、第1電圧状態が200[V]を有するとき、第2電圧状態は50[V]のDCオフセット(第1電圧状態の25%)を有する。
連続する液滴35と36は液滴対とみなされる。このとき、液滴対の第1液滴36は帯電電極によって第1帯電状態となり、かつ、液滴対の第2液滴35は帯電電極によって第2帯電状態となる。図5Aはすべて印刷される条件を表している。すべてを印刷する条件では、液滴対の長い列が生成され、かつ、速度変調装置の速度変調は行われない。速度変調を行わないと、各液滴対中の第1液滴と第2液滴は同一の速度を有するので、第2液滴は、液滴対中で第1液滴と併合しない。これらの2つの液滴での電荷がそれぞれ異なるため、2つの液滴は、偏向装置14によってそれぞれ異なる偏向を受ける。第1液滴36が第1経路38に従って進行するように偏向される一方で、第2液滴35は第2経路37に従って進行して記録媒質19に衝突する。図5Bは、長い液滴対の列が生成される非印刷条件を表している。速度変調装置トランスデューサは、各液滴対中の第1液滴と第2液滴の相対速度を変化させる。それによって、各滴滴対の2つの液滴は結合して、より大きな結合液滴49が生成される。結合した第3液滴49は、第1液滴36上の電荷と第2液滴35上の電荷の合計に等しい正味の電荷を有する。第3液滴上の正味の電荷は第3帯電状態に相当する。偏向装置は、第3帯電状態を有する結合液滴49に作用する。それにより結合液滴は第3経路に沿って進行する。結合液滴が、第1液滴と第2液滴のいずれとも異なる電荷質量比を有するので、結合液滴は、第1液滴と第2液滴のいずれとも異なる大きさの偏向を受ける。その結果、結合液滴は、第1経路と第2経路のいずれとも異なる第3経路に沿って進行する。捕獲装置は第3経路を妨害するように設けられる。よってすべての結合(併合)液滴は捕獲装置によって妨害される。図5Cは通常の印刷手順を表している。前記通常の印刷手順では、速度変調装置は液滴対に対して選択的に作用する。それにより、ある液滴対の液滴は併合せずに、印刷液滴とガターに向かう液滴になり、別な液滴対の第1液滴と第2液滴は併合して、ガターへ向かうように偏向される。
図5Aは、本発明による連続インクジェットシステムの第1実施例に係る液体噴流43の断面を表し、かつ、すべて印刷する条件における液滴対の列を表している。すべて印刷する条件では、連続する液滴対の第2液滴35は、帯電電極44によって第2帯電状態に帯電され、捕獲装置47には引きつけられずに印刷液滴46の列として記録媒質19上に印刷され、かつ、連続する液滴対の第1液滴36は、帯電電極44によって第1帯電状態に帯電され、捕獲装置47へ引きつけられて印刷されない。図5Aに図示されているように生成された液滴については、連続する液滴が、基本周期T0での液滴生成波形源55の刺激によって基本周期で生成される。液滴速度変調装置41は液体噴流に作用しないので、すべての液滴は同一の液滴速度を有する。その結果、液滴対中の第1液滴と第2液滴は併合しない。電極44Aに印加される適切な波形は、液滴対周期がTp=2T0で、高い状態が正の電圧で、かつ、低い状態が接地電位であるデューティサイクル50%の正方形波である。通常印刷中、記録媒質19は、図5Aに示されているように、速度vmで右に移動する。
図5Bは、本発明による連続インクジェットシステムの第1実施例に係る液体噴流43の断面を表し、かつ、非印刷条件における液滴対の列を表している。非印刷条件では、連続する液滴対の第1液滴は帯電電極によって第1帯電状態に帯電され、第2液滴は帯電電極によって第2帯電状態に帯電され、それぞれ異なる第1液滴と第2液滴で構成される対が、ノズル50の排出口からの距離dmに位置する併合位置31で併合して、第3帯電状態の結合液滴49の列となる。第3帯電状態の結合液滴49もまた、捕獲装置47によって引きつけられて妨害され、印刷されない。結合液滴49は、図5Aに図示された帯電液滴36と基本的に同一の電荷を有するが、液滴35と液滴36の質量の基本的に2倍の質量を有する。結合液滴49もまた、捕獲装置47に隣接する位置に進行するときに偏向され、帯電液滴捕獲装置の接触位置27で捕獲装置の面52に衝突することで、捕獲装置47の面へ向かって下方に進行するインク膜48が生成される。帯電液滴捕獲装置の接触位置27は、捕獲装置の面52上において単一の帯電液滴36の接触点26よりも低い位置である。図5Bに図示された液滴対の液滴35と36は結合する。なぜなら2つの液滴の速度が異なる−典型的には2〜20%異なる−からである。これは、速度変調源54からのエネルギーを加えることで、液滴対の複数の液滴のうちの一を生成する間に速度変調装置トランスデューサ41を起動させた結果、又は、液滴対の複数の液滴のうちの一を生成する間に液滴生成波形源55に印加される波形を変化させることで熱プリントヘッドの液滴生成装置トランスデューサ42へ大きな熱エネルギーを与える結果である。よって図5Bに図示されているように、非印刷条件における液滴対列中では、すべての液滴対が結合されてガターへ向かい、記録媒質19上には印刷されない。すべての液滴が適切にガターに向かうことを保証するため、併合距離dmは、ノズル50の排出口から捕獲装置の上部59までの距離よりも短いことが好ましい。
図5Cは、本発明による連続インクジェットシステムの第1実施例に係る液体噴流43の断面を表し、かつ、通常の印刷条件を表している。通常の印刷条件では、ある液滴は第1帯電状態をとり、別な液滴は第2帯電状態をとり、かつ、さらに別な併合液滴は第3帯電状態をとる。図1を参照しながら説明したように、印刷液滴46のパターンは画像源13からの画像データに対応する。
図6A〜図6Cは、本発明による連続インクジェットシステムの代替実施例を表す。液体噴流の断面図が示されている。図中、併合液滴と偏向されない液滴がガターへ向かい、偏向された単一の液滴が印刷される。図6Aは、すべてを印刷する条件における液滴対の列を表している。図6Bは、非印刷条件における液滴対の列を表している。図6Cは、液滴の一部が印刷される通常の印刷条件を表している。図5A〜図5Cと同一の参照番号の部品は、以降の図においても同一の部品である。
この実施例では、液滴生成装置89と速度変調装置90は同一の装置である。この実施例における同一の装置とは、刺激波形源56と刺激トランスデューサ59で構成される刺激嘘うち60である。刺激波形源56は、液滴生成パルスと速度変調パルスの両方を刺激トランスデューサ59へ与えることで、液体噴流に摂動を生成して、液体噴流から液滴を分裂させ、かつ、選択された液滴の速度を変調させる。
図5A〜図5Cで論じられたように、帯電パルス源51は、液滴生成の基本周波数の半分の周波数で波形を供給する。それにより、連続する液滴対のうちの第1液滴36が帯電電極44によって第1帯電状態に帯電され、かつ、液滴対のうちの第2液滴35が帯電電極44によって第2帯電状態に帯電される。この実施例では、帯電電極44は第1部分44aと第2部分44bを有する。第1部分44aと第2部分44bは、液体噴流のそれぞれ対向する側に設けられている。液体噴流は第1部分44aと第2部分44bとの間で分裂する。典型的には、帯電電極44の第1部分44aと第2部分44bは、各独立して明確に識別可能な電極であるか、又は、同一装置の各独立する部分であるかのいずれかである。帯電電極の左側部分と右側部分は、帯電パルス源51によって同一電位にバイアス印加される。第1部分44aから見て液体噴流の対向する側に第1部分44aと同一電位にバイアス印加された第2帯電電極部分44bが追加されることで、帯電電極部分が生成される。このとき電場は噴流の中心に対して左右対称となる。その結果、電極間で液体噴流から分裂する液滴の帯電は、噴流の横方向位置でのわずかな変化にはほとんど影響を受けなくなる。液体噴流の周りで電場がほぼ対称であることで、分裂点付近の液滴に大きな横方向の偏向力を印加することなく帯電させることが可能となる。このため、偏向装置によって生成される液滴偏向場が、液滴の軌道を外れさせ始める前に、液滴対中の速度変調された液滴は併合する。偏向装置が、第1帯電状態を有する第1液滴を第1経路に沿って進行させ、かつ、第2帯電状態を有する第2液滴を第2経路に沿って進行させる前に、選択された液滴対の第1液滴と第2液滴は結合する。液滴偏向場が、小さなサテライト液滴−通常の液滴と共に生成されてよい−と通常の液滴の軌道を、両者が併合できないほど離してしまう前に、偏向装置は、小さなサテライト液滴と通常の液滴との併合をも可能にする。この実施例では、偏向機構14は、図6Bに図示されているように、液滴併合位置31の下方に位置する偏向電極53と63を有する。これら2つの電極間の電位は、負に帯電した液滴を左側へ偏向させる電場をこれらの2つの電極間に生成する。液滴偏向電場の強度は、これら2つの電極間の間隔と電圧に依存する。この実施例では、偏向電極53は正にバイアス印加され、かつ、偏向電極63は負にバイアス印加される。これら2つの電極を互いに反対の極性となるように接地された液体噴流に対してバイアス印加することによって、液体噴流から分裂する液滴の電荷に対するこれらの電極の寄与を抑制することが可能である。
この実施例では、ナイフエッジ捕獲装置67が、印刷されない液滴を妨害するのに用いられた。ガターレッジを含む捕獲装置67は、偏向電極53と偏向電極63の下方に設けられる。捕獲装置67とガターレッジ30の配置は、捕獲装置が、図6Aに図示されているように単一の帯電していない液滴の第2経路37に沿って進行する液滴を妨害し、図6Bに図示されているように第3経路39に沿って進行する結合液滴49をも妨害するが、第1経路38に沿って進行する単一の帯電液滴36を妨害しないように設定される。好適には、捕獲装置の位置設定は、捕獲装置に衝突する液滴が、衝突の際の飛散を抑制するようにガターレッジ30の傾斜面に衝突するように行われる。第1経路38に沿って進行する帯電液滴36は記録媒質19上に印刷される。
以降の議論では、帯電パルス源51は、液滴生成の基本周波数の半分である液滴対周波数fpでデューティサイクルが50%の正方形波を供給する。電極44が正の電位を有するとき、液滴36が接地された噴流43から分裂する際に、液滴36上には負の電荷が生じる。液滴35の生成中に電極44上に(ほとんど)電圧が存在しないとき、液滴35が接地された噴流43から分裂する際に、液滴35上には(ほとんど)電荷が誘起されない。正の電位が偏向電極53上に設定される。偏向電極53は、負に帯電した液滴を偏向電極53の面へ向かうように引きつける。偏向電極63上に負の電圧を設定することで、負に帯電した液滴36は偏向電極63から反発される。偏向電極63は、液滴63が偏向電極53へ向かうように偏向するのを補助する。偏向電極上に印加される電圧によって生成される電場は、液滴36に十分な力を与える。それにより、液滴36は、ガターレッジ36を外れるのに十分な程度偏向して、記録媒質19上に印刷される。図5A〜図5Cで論じられたように、速度変調は、隣接する液滴を、図6Bに図示された液滴併合位置31で、生成された後に結合又は併合させるのに用いられる。結合液滴49は、帯電液滴36と基本的に同一の電荷を有するが、帯電液滴36の2倍の質量を有する。結合液滴49はまた、偏向電極53へ向かうように引きつけられるが、単一液滴36ほどには偏向されない。結合液滴49は、経路39に沿って下方に進行して、ガターレッジ39で捕獲装置67によって妨害される。
図6Cに図示された実施例では、エアプレナム61が、帯電電極とノズルプレートとの間に生成される。空気源(図示されていない)によってエアプレナムへ供給される空気は、液体噴流と液滴流が矢印65で示されているように帯電電極の第1部分44aと第2部分44bとの間を通り抜ける際に、液体噴流と液滴流を取り囲む。液滴の軌跡に対してほぼ平行に移動するこの空気流は、液滴位置設定誤差を生成しうる液滴への空気引き込み効果を緩和することができる。
図7A〜図7Bは、電極とガターが統合された設計を表す本発明による連続インクジェットシステムの第2代替実施例の液体噴流の断面図を表している。図7Aは、すべて印刷される条件における液滴対の列を表す。図7Bは、非印刷条件における液滴対の列を表す。噴流43の右側に示されるすべての構成要素は任意である。図5A〜図5Cと同一の参照番号の付された部品は、図5A〜図5Cに図示された部品と同一の機能を示す。絶縁体68と任意の絶縁体68aは、帯電電極45と任意の第2帯電電極部45aの上面にそれぞれ接合され、かつ、帯電電極45と任意の第2帯電電極部45aが、液体噴流43の分裂位置32に隣接する位置に設けられることを保証するスペーサとして機能する。ギャップ66が、絶縁体68の上部とノズル50の放出面との間に存在する。図7A及び図7Bでは、噴流43に対向する帯電電極45と45aの端部には、分裂領域での電場強度を最大にするように角度がつけられている。分裂領域は、帯電液滴36上により多くの電荷を誘起する。絶縁スペーサはまた、帯電電極45の底面にも接合される。任意の絶縁スペーサ71は、任意の帯電電極45aの底面に接合される。絶縁体68の底部領域は、液体噴流43に対向する帯電電極45の上面付近に絶縁性接合剤64を有する。同様に、任意の絶縁体68aの底部領域は、液体噴流43に対向する帯電電極45の上面付近に絶縁性接合剤64aを有する。絶縁性スペーサ69は、インクジェット液滴に対向する面及び電極45の底面に接合する絶縁性接合剤62をも有する。任意の絶縁性スペーサ69もまた、インクジェット液滴に対向する面及び電極45の底面に接合する絶縁性接合剤62aを有する。接合剤64,64a,62,62aの目的は、絶縁体表面上に液体が捕らえられる可能性を減少させ、かつ、液体を電極45から遠ざけるためである。その結果、電気短絡の可能性は減少する。図7A及び図7Bに図示されているように、接地されたガター47は、絶縁性スペーサ69と絶縁性接合剤62の底面に接合される。接地された導体70は、任意の絶縁性スペーサ71の底面に接合する。他の任意の絶縁体72は、接地された導体70の底面に接合する。ガター47の上部領域に対向する任意の偏向電極47は、絶縁体72の底面に接合する。任意の絶縁体73は、偏向電極74の底面に接合する。接地された導体75は、ガター47の底部領域に隣接して設けられ、かつ、絶縁体73の底面に接合される。接地された導体70は、電極45aと偏向電極74との間の遮蔽体として機能することで、液滴分裂地点付近の液滴帯電電場を捕獲装置前方の液滴偏向場から孤立させる。これにより、噴流から分裂する際の液滴が偏向電極によって生成される電場によって帯電されないことが保証される。接地された導体75の目的は、偏向電極によって生成される電場から捕獲装置の液滴衝突領域を遮蔽することである。液滴衝突領域内での係る電場の存在は、ガター47の表面からの噴霧の生成に寄与するおそれがある。偏向電極74は、図6A〜図6Cに図示された偏向電極63と同じように機能する。
図8は、aからhまでの一連の低速度撮像内で液体噴流から生成される液滴の前面像を示している。前記液滴は、本発明の連続液体排出システムによって連続する液滴対を生成する。図8aは、生成される印刷されない結合液滴49の列を表している。結合液滴49は、帯電電極44に隣接する分裂位置32で分裂し、液滴併合位置31で結合して、帯電結合液滴とガターとの接触点27でガターによって妨害される。それによりインク膜48aが生成され、インク膜48aは捕獲装置47の表面へ向かって下方に流れる。捕獲装置へ向かって下方に流れるインク膜は、捕獲装置の面52の底部で半径(図5においてRで表されている)の周りを流れ、捕獲装置47と捕獲装置の底部板57との間のインク回復チャネル58へ流入する。インク回復チャネル58から、インク膜は、プリンタのインク再利用装置15によって回収される。液滴対の第1(下側)液滴36は併合位置31で帯電される。第2(上側)液滴35は併合位置31で帯電されない。液滴は、図5Bで説明したように速度変調を利用することによって併合される。よって結合液滴49はこの動作モードでは印刷されない。図8bは、印刷されない液滴列の後に第1印刷液滴を生成するように生成される次の液滴対を表している。繰り返しになるが、液滴対の第1液滴36は帯電され、かつ、液滴対の第2液滴35は帯電されない。帯電されない液滴は印刷される。帯電された液滴はガターへ導かれて捕獲装置47によって捕らえられる。図8c〜図8hは、生成される連続の印刷液滴対を表している。対角状の鎖線81−低速度での液滴の生起順序表示線とも呼ばれる−は、一連の図中での同一の液滴の位置を示している。図8aにおいて生成される最後の印刷されない液滴対は、図8dにおいて帯電結合液滴とガターとの接触点27で捕獲装置によって妨害されているのが示されている。図8bにおいて生成される第1印刷液滴対の第1帯電液滴36は、図8dにおいて帯電液滴とガターとの接触点26で捕獲装置によって妨害されるのが示されている。単一の液滴の捕獲装置上の接触点26は、結合液滴の捕獲装置上の接触点27よりも高い。その理由は、単一液滴の電荷質量比が、結合液滴の電荷質量比よりも大きいからである。図8bにおいて生成される第1印刷液滴対の帯電されない印刷液滴35は、図8hにおいて記録媒質19に到達して印刷液滴46として印刷されるのが示されている。
図9は、印刷中での本発明の連続インクジェットシステムのプリントヘッド12の9本の隣接する液体噴流からなるアレイの前面図を表している。様々なノズルは、通常の印刷動作中に起こる様々な連続の印刷事象及び非印刷事象を示している。単一の帯電電極44と単一の捕獲装置47はプリントヘッド全体で共通している。帯電電極44は、ノズルアレイからの各液体噴流に付随する。帯電電極44は、本発明の適切な動作にとって必要なように、様座万噴流の分裂位置32に隣接して設けられる。併合位置31は、帯電電極44よりも下で共通の捕獲装置47よりも上である。帯電液滴36と帯電結合液滴49が捕獲装置に妨害されるときに、連続インク膜48が、捕獲装置の表面全体にわたって生成される。ガター上のインク膜48は、捕獲装置47と共通の捕獲装置の底部板57との間のチャネル内で回収され、かつ、プリンタのインク再利用装置へ送られる。
図10〜図12は、5つの連続する液滴対サイクルを生成するための、液滴生成波形、速度変調波形、帯電電極波形、及び、液滴の分裂タイミングを表す様々な実施例のタイミングを示している。5つの連続する液滴対サイクルでは、第2液滴対サイクルでの液滴対の第2液滴35が印刷され、かつ、第1,3,4,5液滴対サイクルでは何も印刷されない。図10は、Aにおいて液滴生成パルスを表し、Cにおいて速度変調パルスを表し、かつ、Bにおいて生成される液滴対を表している。図のA,B,Cの各々では、横軸は時間に対応する。図10のAは、液滴対の列の液滴生成パルス列を表している。この液滴生成パルスは、液滴生成源によって生成され、かつ、液滴生成装置トランスデューサへ印加される。時間軸は、液滴対時間の周期、間隔、又はサイクルの間隔で1〜5までの数字でラベル付けされている。液滴生成装置トランスデューサは、ノズルから流れる液体噴流への摂動を生じさせる。これらの液滴生成パルスが、前述したようにカットオフ周波数未満で、かつ、最適レイリー周波数に近いので、各摂動が液体噴流の端部を液体噴流から分裂させるまで、摂動は大きくなる。各液滴対間隔は第1液滴生成パルス91と第2液滴生成パルス92を有する。各液滴対の間隔での第1液滴生成パルス91は、対応する液滴対の第1液滴36を、ある遅延時間後に液体流から分裂させる。各液滴対間隔での第2液滴生成パルス92は、対応する液滴対の第2液滴35を、同様の遅延時間後に液体流から分裂させる。液滴が液体噴流から分裂する瞬間は、図中、対応する液滴の参照番号の付された菱形図形で示される。速度変調パルスが存在しない場合、第1液滴と第2液滴は、分裂後も同一の速度を有するので、併合しない。
図10のBは、時間変化する電圧Vを表している。時間変化する電圧Vは、帯電パルス源51によって液滴の分裂が起こるのと同時に帯電電極44へ供給される帯電電極波形97と一般的には呼ばれる。時間の関数としての帯電電極波形97は波線で示される。帯電電極波形97は、デューティサイクルが50%の正方形波で、高い正の電圧から0[V]へ液滴対周期と等しい周期−これは液滴生成の基本周期の2倍である−で変化する。そのため2つの液滴からなる1つの液滴対は、1つの液滴帯電波形サイクル中に生成される。各液滴対の時間間隔の液滴帯電波形は、第1電圧状態95と第1電圧状態96を有する。この実施例では、第1電圧状態は高い正の電圧に対応し、かつ、第2電圧状態は0[V]に対応する。各液滴対の時間間隔では、第1液滴36は第1電圧状態中に分裂して、第1液滴上に第1帯電状態が生成される。第2液滴35は第2電圧状態中に分裂して、各液滴対の第2液滴上に第2帯電状態が生成される。矢印が、第1液滴対間隔内において、図10のA内に示されている液滴生成パルスから図10のB内に示されている図10のAのパルスに対応する分裂の起こる時間まで描かれている。図10のAに図示されているように、第1液滴と第2液滴が第1帯電状態と第2帯電状態の間にそれぞれ分裂することが可能となるように、帯電電圧波形97は、液滴生成波形の位相に対して93に示されたように位相遅延する。
図10のCは、速度変調源54によってノズル50に係る速度変調装置トランスデューサ42へ供給される速度変調波形を表している。印刷される画像データに従って、選択された液滴対間隔は速度変調パルス94を含む。速度変調トランスデューサの作用による速度変調パルスは、噴流への摂動を発生させる。前記噴流への摂動は、液滴対中の第1液滴と第2液滴の一方又は両方の速度を変調させる。それにより第1液滴と第2液滴は併合する。図10のB内において第1液滴36の分裂が起こったことを示す菱形と第2液滴35の分裂が起こったことを示す菱形との間での水平な点線が示されることで、図10のCで示される速度変調パルスの印加によって併合する液滴対が示される。図10のCで示される速度変調パルス94と、その速度変調パルス94によって速度変調を起こす図10のBで示される液滴対との間に矢印が描かれている。この図では、速度変調パルス94は液滴対の時間間隔1,3,4,5内に示されている。これらの速度変調パルス94の結果、液滴の速度が変調されて、これらの液滴対の各時間間隔内で第1液滴と第2液滴とが併合する。第2液滴対の時間間隔は液滴対に対応する。液滴対とはつまり、ガターへ導かれる帯電液滴36とそれに続く印刷される帯電していない液滴35である。この時間間隔中には速度変調パルスは存在しない。この図は、液滴対間隔の第1液滴生成パルスと第2液滴生成パルスとの間に生じるようなタイミングの速度変調パルスを表しているが、本発明は、そのような速度変調パルスのタイミングに限定されない。たとえば速度変調パルスが、液滴対の第2液滴生成パルスと部分的若しくは完全に重なり又は一致しうることも考えられる。
図11を参照すると、図11のAは、波形源からヒーターまでのパルス列を表す図を示している。前記波形源は、液滴生成源及び液滴生成装置トランスデューサの両方として機能する。速度変調装置トランスデューサは、本発明のCIJプリントシステムの熱的に刺激される型のプリントヘッドのノズルに位置する。図11のBは、これらのパルスによって生成される各液滴が液体流から分裂する瞬間の対応する相対的なタイミングを表している。よって図11のAは、図5A〜図7Bに図示されているように熱刺激液滴生成装置トランスデューサ42を刺激するように、液滴生成波形源55に印加される時間に対するヒーター電圧のタイミング図を表している。時間軸は、液滴生成の基本周期の2倍である液滴対周期の間隔内に印が付されている。液滴生成波形の各液滴対周期−すなわち周期1〜5−は、波形の一の部分と他の部分を含む。前記一の部分によって、第1液滴すなわち第1液滴パルス91が生成される。前記他の部分によって、第2液滴すなわち第2液滴パルス92が生成される。各液滴対サイクル内の第1液滴生成パルス91は、ある程度の遅延時間後、対応する液滴対の第1液滴36を液体流から分裂させる。各液滴対サイクル内の第2液滴生成パルス92は、対応する液滴対の第2液滴35を液体流から分裂させる。液滴生成パルスの周波数は、前述したように液滴生成の最適周波数Foptに近いことが好ましい。選択された液滴サイクル1,3,4,5では、速度変調パルス94も存在する。速度変調パルス94は、液滴生成パルス91と92よりも狭い。液滴生成パルス91と92との間での速度変調パルスのタイミングは、速度変調パルスが分離した液滴を生成しないようにとられる。つまり第1液滴生成パルス91と第2液滴生成パルス92のうちの少なくとも1つに対する速度変調パルス94の時間は、速度変調パルスによって生成される摂動が液滴を生成しないようなものである。実際、パルスの瞬間的な周波数はレイリーカットオフ周波数FRを超える。
図11のBは、液滴の分裂事象が起こるときと一致するように帯電パルス源51によって帯電電極44へ印加される時間変化する電圧Vを表している。時間の関数としての電圧波形プロファイルが波線で示されている。前記電圧波形プロファイルは、50%デューティサイクルで液滴対周期−これは液滴生成の基本周期の2倍である−に等しい周期で高い正の電圧から0[V]で変化する。それにより2つの液滴からなる1つの液滴対が一の電圧サイクル中に生成される。各液滴対の時間間隔の液滴帯電波形は、第1電圧状態と第2電圧状態を有する。この実施例では、第1電圧状態は高い正の電圧に対応し、かつ、第2電圧状態は0[V]に対応する。各液滴対の時間間隔内で、第1液滴36が第1電圧状態中に分裂して、第1液滴上に第1帯電状態が生成される。、第2液滴35が第2電圧状態中に分裂して、各液滴対の第2液滴上に第2帯電状態が生成される。第1帯電電圧状態中と第2帯電電圧状態中で第1液滴と第2液滴をそれぞれ分裂させることを可能にするため、帯電電圧波形の位相は、液滴生成波形の位相に対して93で示されるように位相遅延する。液滴サイクル対1,3,4,5における図5のAに示された非印刷液滴対は液滴対の生成に対応する。つまり、帯電液滴36とそれに続く印刷される帯電していない液滴35が併合することで、ガターへ導かれる結合した帯電液滴49が生成される。第2液滴生成パルス92と速度変調パルス94が結合することで、液滴対の第1液滴36の速度に対する液滴対の第2液滴35の速度が増大する。その結果、2つの液滴が併合することで、結合帯電液滴49が生成される。波線の矢印はさらに下方で併合する液滴を示している。ヒーター電圧パルスの開始は、第1帯電液滴36と第2帯電液滴35との間での基本周期によって時間的に分離される。非印刷ヒーター電圧サイクルは、図11に図示された液滴対サイクル1,3,4,5で同一である。
第2液滴対サイクルは液滴対の生成に対応する。液滴対とはつまり、ガターへ導かれる第1帯電液滴36と、それに続く印刷される帯電されていない液滴35である。第2液滴対生成サイクルの第1ヒーターパルスは、帯電電極への高電圧がオン状態になるときに分裂する液滴対の第1液滴36の生成に対応する。第2液滴対生成サイクルの第2ヒーター電圧パルスは、帯電電極への高電圧がオフ状態になるときに分裂する液滴対の第2液滴35の生成に対応する。第1の帯電液滴36と第2の帯電していない液滴35との間でのヒーター電圧パルスの開始は、基本周期によって時間的に分離される。2つのパルスは同一のエネルギーを有する。これにより、2つの液滴の速度は同一に近づく。その結果、2つの液滴がプリントヘッドから下流へ向かって進行するにつれて、2つの液滴は併合しなくなる。図Aから図Bへの点線の矢印は、各液滴対の印刷サイクル中にどの液滴が生成されるのかを示している。
図11では、速度変調パルス94が、第1液滴生成パルスと第2液滴生成パルスとの間の時間間隔中に生じるものとして表されている。本発明は、そのような変調パルスのタイミングに限定されない。たとえば液滴対の第2液滴生成パルスと部分的若しくは完全に重なる又は一致することで、第2液滴生成パルスのパルス幅を実効的に増大させて液滴生成パルスの少なくとも一部のパルス振幅を増大させる速度変調パルスが、液滴対の第1液滴と第2液滴とを併合させるように実効的に利用されうることも考えられる。
速度変調パルス94は、液滴速度を意図したように変調させることで、液滴対の第1液滴36と第2液滴35との併合を可能にする。図11に示されているように、速度変調パルスはまた、第1液滴と第2液滴の一方又は両方の分裂位相の一部をもシフトさせる。分裂位相のシフトは、第1液滴又は第2液滴の帯電状態を変化させない。速度変調パルスによって生成される小さな位相シフトは、通常の第1電圧状態ではない第2電圧状態の間に第1液滴を分裂させないし、通常の第2電圧状態ではない第1電圧状態の間に第2液滴を分裂させない。
上述した実施例では、液滴対34の第1液滴36と第2液滴35は実質的に同一の体積を有する。液滴対34すなわち大きな液滴49の生成は、液滴対周期Tp=2T0で生じる。これにより、効率的な液滴の生成と、最高速度での印刷が可能となる。他の実施例では、液滴対の第1液滴と第2液滴の体積はそれぞれ異なってよく、かつ、液滴対34すなわち大きな液滴49の生成の液滴対生成周期Tpは2T0よりも大きい。ここでT0は、液滴対中の2つの液滴のうちの小さい方の周期と定義する。例として、液滴対の第1液滴と第2液滴は、7T0/3若しくは5T0/3の液滴対周期Tpに対応する4/3又は3/2の体積比を有してよい。最小可能液滴のサイズは、レイリーカットオフ周波数FRによって決定される。係る実施例では、帯電電極波形の周期は、液滴対34又は大きな液滴49を生成する液滴対周期に等しい。
図12は、液滴対中の第1液滴と第2液滴とが同一の体積を有しない実施例を表している。図10と図11と同様に、時間軸は液滴対サイクル又は周期内で印が付されている。各液滴対サイクルは、第1液滴生成パルス91と第2液滴生成パルスを有する。液滴対サイクル内での第1液滴生成パルス91と第2液滴生成パルス92との間の時間は、後続の液滴対サイクルの第2液滴生成パルス92と第1液滴生成パルス91との間の時間よりも短い。その結果、液滴対の第1液滴は、液滴対の第2液滴よりも大きくなる。第1液滴生成パルスと第2液滴生成パルスとの間の不均一な時間が、液滴対の第1液滴と第2液滴との間での速度差を生じさせる。そのような速度差によって、液滴対の第1液滴と第2液滴は、速度変調パルスを利用することなく併合しうる。よって速度変調パルス94は、第2液滴対サイクルにおいて示されているように、液滴対の2つの液滴の併合を防止するのに用いられ得る。
本発明を利用するバイナリプリンタでは、任意のパターンを印刷するのに2種類の液滴サイクルの対しか必要とされない。前記2種類の液滴サイクルの対とは、非印刷サイクル対と、印刷されない液滴とそれに続く印刷液滴で構成される印刷サイクル対である。一般的には本発明は、1〜100plの範囲内で印刷液滴を生成するのに用いられ得る。このときノズルの直径は、印刷される画像の解像度の要求に依存して5〜50μmの範囲である。噴流速度は10〜30m/sの範囲内であることが好ましい。液滴生成の基本周波数は50〜1000kHzの範囲内であることが好ましい。
本発明は、液体噴流のアレイ内の各噴流に各独立する帯電電極を用いることを必要とせずに、液滴を印刷する又は印刷しないという選択を可能にする。その代わりに、単一の帯電電極が、アレイ内のすべての液体噴流からの液滴を帯電させるのに用いられ得る。このため、帯電電極とノズルとを厳密な位置合わせは不要となる。各異なる液体噴流に付随する帯電電極による一の液体噴流からの液滴のクロストーク帯電は重要ではない。クロストーク帯電が重要ではないため、従来の液滴帯電システムで要求されてきたような、帯電電極と液体噴流との間の間隔を小さくしようとする必要がない。噴流軸からの帯電電極の間隔は、25〜300μmの範囲で利用可能である。各液体噴流で各独立する帯電電極が不要となることで、各ノズルについて各独立した帯電電極を必要とする従来の静電偏向連続インクジェットシステムよりも高密度のノズルが可能となる。ノズルアレイ密度は75ノズル/インチ(npi)〜1200npiの範囲であってよい。
図13を参照すると、液滴を排出する方法が工程150で開始される。工程150では、液体が、液体チャンバのノズルを介して液体噴流を排出するのに十分な圧力下で供される。工程150の後に工程155が続く。
工程155では、液体噴流が液滴生成装置を用いて変調されることで、液滴噴流は、ある経路に沿って進行する第1液滴と第2液滴を含む液滴対の列に分裂する。各液滴対は、液滴対周期に合わせて平均的に分離される。工程155の後には工程160が続く。
工程160では、帯電装置が供される。帯電装置は、帯電電極と電位が変化する電源を有する。帯電電極は液体噴流に付随する。電位が変化する電源は、帯電電極に波形を与えることによって、帯電電極と液体噴流との間の電位を変化させる。波形は、液滴対生成周期に等しい周期、第1の明確に識別可能な電圧状態、及び、第2の明確に識別可能な電圧状態を有する。工程160の後には工程165が続く。
工程165では、帯電装置及び液滴生成装置は、第1液滴上に第1帯電状態を生成し、かつ、第2液滴上に第2帯電状態を生成するように同期する。工程165の後には工程170が続く。
工程170では、選択された液滴対の第1液滴と第2液滴の相対速度が、液滴速度変調装置を用いることによって変化することで、選択された液滴対の第1液滴と第2液滴が互いに結合して結合液滴を生成するか否かが制御される。結合液滴は第3帯電状態を有する。工程170の後には工程175が続く。
工程175では、偏向装置が、第1帯電状態を有する第1液滴を第1経路に従って進行させ、第2帯電状態を有する第2液滴を第2経路に従って進行させ、かつ、第3帯電状態を有する結合液滴を第3経路に従って進行させるのに用いられる。工程175の後には工程180が続く。
工程180では、捕獲装置は、第1経路又は第2経路のいずれか一に沿って進行する液滴を妨害するのに用いられる。捕獲装置はまた、第3経路に沿って進行する液滴を妨害するのにも用いられる。
工程155において液滴生成装置に供給される波形と工程160において帯電電極に供給される波形は画像データに独立している一方で、工程170において速度変調装置に供給される波形は画像データに依存することに留意して欲しい。

Claims (48)

  1. 連続液体排出システムであって:
    ノズルと流体をやりとりするように備えられて前記ノズルを介して液体噴流を排出するのに十分な圧力下で液体を含む液体チャンバ;
    前記液体噴流に付随し、かつ、前記液体噴流内で変調を生じさせるように作用しうる液滴生成装置であって、
    前記変調は、前記液体噴流の一部を、ある経路に沿って進行する液滴対の列に分裂させ、
    前記液滴対の各々は前記液滴対の周期に合わせて平均的に分離され、
    前記液滴対の各々は第1液滴と第2液滴を有する、
    液滴生成装置;
    前記液滴噴流に付随し、かつ、前記帯電電極と前記液体噴流との間の電位を変化させる電源を有する帯電装置であって、
    前記電源は、前記液滴対の周期と等しい周期を有する波形を供し、
    前記波形は、第1の明確に識別可能な電圧状態と第2の明確に識別可能な電圧状態をも含み、
    前記帯電装置は、前記第1液滴上に第1帯電状態を生成して前記第2液滴上に第2帯電状態を生成するように前記液滴生成装置に同期される、
    帯電装置;
    選択された液滴対の第1液滴と第2液滴の相対速度を変化させることで、前記選択された液滴対の第1液滴と第2液滴が互いに結合して、第3帯電状態を有する結合液滴を生成するか否かを制御する液滴速度変調装置;
    前記第1帯電状態を有する前記第1液滴を第1経路に沿って進行させ、前記第2帯電状態を有する前記第2液滴を第2経路に沿って進行させ、かつ、前記第3帯電状態を有する前記結合液滴を第3経路に沿って進行させる偏向装置;
    を有する連続液体排出システム。
  2. 前記選択された液滴対の第1液滴と第2液滴が、前記第1帯電状態を有する前記第1液滴を第1経路に沿って進行させ、かつ、前記第2帯電状態を有する前記第2液滴を第2経路に沿って進行させる前記偏向装置による作用の前に結合する、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記第3経路が、前記第1経路及び前記第2経路と比較して異なる、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記第1経路及び前記第2経路のうちの一に沿って進行する液滴を妨害するように設置される捕獲装置をさらに有する、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記捕獲装置が、前記第3経路に沿って進行する液滴を妨害するように設置される、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記捕獲装置が第1捕獲装置である請求項4に記載のシステムであって、前記第3経路に沿って進行する液滴を妨害するように設置される第2捕獲装置をさらに有する、システム。
  7. 前記第1経路及び前記第2経路のうちの一の経路に沿って進行する液滴を妨害する一方で、前記第1経路及び前記第2経路のうちの一の経路に沿って進行する他の液滴が基板に接することを可能にするように設置される捕獲装置をさらに有する、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記偏向装置が、前記選択された液滴対の前記第1液滴を第1経路に沿って進行させ始め、かつ、前記選択された液滴対の前記第2液滴を第2経路に沿って進行させ始めた後に、前記選択された液滴対の前記第1液滴と前記第2液滴とが結合する、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記ノズルがノズルアレイのうちの一で、
    前記帯電装置の帯電電極は、前記ノズルアレイの各ノズルから排出される前記液体噴流で共通して付随する、
    請求項1に記載のシステム。
  10. 前記液滴生成装置が複数の液体噴流で共通する、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記第1液滴と前記第2液滴が実質的に同一の体積を有する、請求項1に記載のシステム。
  12. 前記液滴生成装置と前記液滴速度変調装置が同一の装置である、請求項1に記載のシステム。
  13. 前記液滴生成装置が:
    前記液体チャンバ、前記ノズル、及び前記液体噴流のうちの一に付随する液滴生成トランスデューサ;並びに、
    前記液滴生成トランスデューサに液滴生成波形を供給する波形源;
    をさらに有する、請求項1に記載のシステム。
  14. 前記液滴生成トランスデューサが、熱装置、圧電装置、MEMSアクチュエータ、電気流体力学装置、光学装置、電気抵抗装置、及び上記の組み合わせのうちの一である、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記液滴生成波形が、前記液滴対の前記第1液滴を生成する第1部分、及び、前記液滴対の前記第2液滴を生成する第2部分を有する、請求項13に記載のシステム。
  16. 前記液滴速度変調装置が:
    前記液体チャンバ、前記ノズル、及び前記液体噴流のうちの一に付随する液滴速度変調トランスデューサ;並びに、
    前記液滴速度変調トランスデューサに液滴速度変調波形を供給する波形源;
    をさらに有する、請求項1に記載のシステム。
  17. 前記液滴速度変調装置が、熱装置、圧電装置、MEMSアクチュエータ、電気流体力学装置、光学装置、電気抵抗装置、及び上記の組み合わせのうちの一である、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記液滴速度変調トランスデューサに供給される前記液滴速度変調波形が、刺激制御装置によって供給される印刷データに応答する、請求項16に記載のシステム。
  19. 前記第1液滴と前記第2液滴のうちの一が帯電される一方で、前記第1液滴と前記第2液滴のうちの他が帯電されない、請求項1に記載のシステム。
  20. 前記帯電電極と前記液体噴流との間での電位を変化させる電源が、刺激制御装置によって供給される画像データに対して応答しない、請求項1に記載のシステム。
  21. 前記帯電電極と前記液体噴流との間での電位を変化させる電源が波形を生成し、
    前記波形内では、前記第1の明確に識別可能な電圧状態と前記第2の明確に識別可能な電圧状態の各々が、前記基本周期に等しい時間間隔で活性となる、
    請求項1に記載のシステム。
  22. 前記偏向装置が、帯電液滴を偏向させる少なくとも1つの偏向電極をさらに有し、
    前記少なくとも1つの偏向電極は、電源及び接地電位のうちの一と電気をやりとりする、
    請求項1に記載のシステム。
  23. 前記帯電装置が帯電電極を有し、
    前記帯電電極は、前記液体噴流の第1側部に位置する第1部分及び前記液体噴流の第2側部に位置する第2部分を有する、
    請求項1に記載のシステム。
  24. 前記偏向装置が偏向電極をさらに有し、
    前記偏向電極は、帯電液滴を偏向させる液滴偏向場を生成する電源と電気をやりとりする、
    請求項1に記載のシステム。
  25. 前記液体が記録媒質上に印刷するためのインクを含む、請求項1に記載のシステム。
  26. 前記第2の明確に識別可能な電圧状態がDCオフセットを含む、請求項1に記載のシステム。
  27. 液滴の排出方法であって:
    液体チャンバのノズルを介して液体噴流を排出するのに十分な圧力下で液体を供する工程;
    液滴生成装置を用いて前記液体噴流を変調させることで、前記液体噴流の一部を、ある経路に沿って進行する液滴対の列に分裂させ、
    前記液滴対の各々は前記液滴対の周期に合わせて平均的に分離され、
    前記液滴対の各々は第1液滴と第2液滴を有する、
    工程;
    帯電装置を供する工程であって、
    前記帯電装置は、前記液滴噴流に付随する帯電電極、及び、
    前記帯電電極と前記液体噴流との間の電位を変化させる電源、
    を有し、
    前記電源は、前記液滴対の周期と等しい周期を有する波形を供し、
    前記波形は、第1の明確に識別可能な電圧状態と第2の明確に識別可能な電圧状態をも含む、
    工程;
    前記帯電装置と前記液滴生成装置とを同期させることで、前記第1液滴上に第1帯電状態を生成して前記第2液滴上に第2帯電状態を生成する工程;
    選択された液滴対の第1液滴と第2液滴の相対速度を変化させることで、前記選択された液滴対の第1液滴と第2液滴が互いに結合して、第3帯電状態を有する結合液滴を生成するか否かを制御する工程;並びに、
    前記第1帯電状態を有する前記第1液滴を第1経路に沿って進行させ、前記第2帯電状態を有する前記第2液滴を第2経路に沿って進行させ、かつ、前記第3帯電状態を有する前記結合液滴を第3経路に沿って進行させる工程;
    を有する方法。
  28. 前記選択された液滴対の第1液滴と第2液滴が、前記第1帯電状態を有する前記第1液滴を第1経路に沿って進行させ、かつ、前記第2帯電状態を有する前記第2液滴を第2経路に沿って進行させる前記偏向装置による作用の前に結合する、請求項27に記載の方法。
  29. 前記第3経路が、前記第1経路及び前記第2経路と比較して異なる、請求項27に記載の方法。
  30. 捕獲装置を用いて前記第1経路及び前記第2経路のうちの一に沿って進行する液滴を妨害する工程;並びに、
    前記捕獲装置を用いて前記第3経路に沿って進行する液滴を妨害する工程;
    を有する、請求項27に記載の方法。
  31. 前記偏向装置が、前記選択された液滴対の前記第1液滴を第1経路に沿って進行させ始め、かつ、前記選択された液滴対の前記第2液滴を第2経路に沿って進行させ始めた後に、前記選択された液滴対の前記第1液滴と前記第2液滴とが結合する、請求項27に記載の方法。
  32. 前記ノズルがノズルアレイのうちの一で、
    前記帯電装置の帯電電極は、前記ノズルアレイの各ノズルから排出される前記液体噴流で共通して付随する、
    請求項27に記載の方法。
  33. 前記第1液滴と前記第2液滴が実質的に同一の体積を有する、請求項27に記載の方法。
  34. 前記液滴生成装置と前記液滴速度変調装置が同一の装置である、請求項27に記載の方法。
  35. 前記液滴生成装置が:
    前記液体チャンバ、前記ノズル、及び前記液体噴流のうちの一に付随する液滴生成トランスデューサ;並びに、
    前記液滴生成トランスデューサに液滴生成波形を供給する波形源;
    をさらに有する、
    請求項27に記載の方法。
  36. 前記液滴生成トランスデューサが、熱装置、圧電装置、MEMSアクチュエータ、電気流体力学装置、光学装置、電気抵抗装置、及び上記の組み合わせのうちの一である、請求項35に記載の方法。
  37. 前記液滴生成波形が、前記液滴対の前記第1液滴を生成する第1部分、及び、前記液滴対の前記第2液滴を生成する第2部分を有する、請求項36に記載の方法。
  38. 前記液滴速度変調装置が:
    前記液体チャンバ、前記ノズル、及び前記液体噴流のうちの一に付随する液滴速度変調トランスデューサ;並びに、
    前記液滴速度変調トランスデューサに液滴速度変調波形を供給する波形源;
    をさらに有する、
    請求項27に記載の方法。
  39. 前記液滴速度変調装置が、熱装置、圧電装置、MEMSアクチュエータ、電気流体力学装置、光学装置、電気抵抗装置、及び上記の組み合わせのうちの一である、請求項38に記載の方法。
  40. 前記液滴速度変調トランスデューサに供給される前記液滴速度変調波形が、刺激制御装置によって供給される印刷データに応答する、請求項38に記載の方法。
  41. 前記第1液滴と前記第2液滴のうちの一が帯電される一方で、前記第1液滴と前記第2液滴のうちの他が帯電されない、請求項27に記載の方法。
  42. 前記帯電電極と前記液体噴流との間での電位を変化させる電源が、刺激制御装置によって供給される画像データに対して応答しない、請求項27に記載の方法。
  43. 前記帯電電極と前記液体噴流との間での電位を変化させる電源が波形を生成し、
    前記波形内では、前記第1の明確に識別可能な電圧状態と前記第2の明確に識別可能な電圧状態の各々が、前記基本周期に等しい時間間隔で活性となる、
    請求項27に記載の方法。
  44. 前記偏向装置が、帯電液滴を偏向させる少なくとも1つの偏向電極をさらに有し、
    前記少なくとも1つの偏向電極は、電源及び接地電位のうちの一と電気をやりとりする、
    請求項27に記載の方法。
  45. 前記帯電装置が帯電電極を有し、
    前記帯電電極は、前記液体噴流の第1側部に位置する第1部分及び前記液体噴流の第2側部に位置する第2部分を有する、
    請求項27に記載の方法。
  46. 前記偏向装置が偏向電極をさらに有し、
    前記偏向電極は、帯電液滴を偏向させる液滴偏向場を生成する電源と電気をやりとりする、
    請求項27に記載の方法。
  47. 前記液体が記録媒質上に印刷するためのインクを含む、請求項27に記載の方法
  48. 前記第2の明確に識別可能な電圧状態がDCオフセットを含む、請求項27に記載の方法
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