JPH0976081A - 棒鋼の接合方法及び接合装置 - Google Patents

棒鋼の接合方法及び接合装置

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JPH0976081A
JPH0976081A JP26103695A JP26103695A JPH0976081A JP H0976081 A JPH0976081 A JP H0976081A JP 26103695 A JP26103695 A JP 26103695A JP 26103695 A JP26103695 A JP 26103695A JP H0976081 A JPH0976081 A JP H0976081A
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steel
bar
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pressure
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JP26103695A
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English (en)
Inventor
Hiroichi Nomura
博一 野村
Saburo Mori
三郎 森
Tadashi Takimoto
正 滝本
Hideyuki Chiyoda
頴征 千代田
Kiyoteru Hirabayashi
清照 平林
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Nippon Kokan Koji KK
Original Assignee
Nippon Kokan Koji KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】壁面鋼板又は鋼管杭に異形棒鋼を接合するとき
に、短時間で良好な継手を形成することは困難であっ
た。 【解決手段】壁面鋼板1の表面に異形棒鋼2の端面を加
圧接触させながら、異形棒鋼2の端部に振動を加える。
この振動により壁面鋼板1の表面と異形棒鋼2の接合端
面を摩擦し、発生した摩擦熱と加圧力により壁面鋼板1
と異形棒鋼2の接合端面を圧接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄筋コンクリ−
ト構造物における立型の壁面鋼板又は鋼管杭に異形棒鋼
や丸棒を直角に融着する接合方法及び接合装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄筋コンクリ−ト構造物の大型化
に伴い、壁面鋼板や鋼管杭に高強度、大径の異形棒鋼を
接合して鉄筋コンクリ−トの構造強度を高めている。従
来、壁面鋼板や鋼管杭に直角に異形棒鋼を接合する方法
としてはア−クスタッド溶接が一般に用いられていた。
ア−クスタッド溶接法はスタッドと呼ばれる丸棒を壁面
鋼板や鋼管杭に接触しておいて電流を流し、次にスタッ
ドを壁面鋼板や鋼管杭から少し離してア−クを発生さ
せ、適当に溶融したときにスタッド端部を壁面鋼板や鋼
管杭に押し付けて溶着させる方法である。
【0003】また、二つの被溶接物の接合面に圧力をか
けた状態で互いに相対的な回転を与え、摩擦発熱により
接合部が適当な高温に達したときに相対的な回転速度を
ゼロにして加圧力を増加して圧接する回転摩擦溶接法に
より鉄筋を接合する方法も、例えば実開平4−50447号
公報や実開昭61−136011号公報に開示されている。
【0004】実開平4−50447号公報に示された方法は
角型の鋼板の両面に鉄筋と雄ネジ棒を回転摩擦溶接によ
り溶着して杭頭接合金物を形成している。実開昭61−13
6011号公報に示された方法は、あらかじめ必要な寸法に
加工された雄ねじを接合すべき鉄筋端部に回転摩擦圧接
法により圧着し、この雄ねじを雌ねじを有するカプラ−
に螺合して、異形鉄筋を接合するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ア−ク
スタッド溶接法でスタッドを立型壁面鋼板に対して直角
に接合する場合、スタッドの直径は最大約18mmが限界で
あった。すなわち、スタッドの直径が約18mmを越えると
溶接電流が大きくなって入熱量の増大を伴い、溶融した
鋼が重力で下に垂れ下がり、上側はアンダ−カットが生
成されて健全な溶接金属が得られないという短所があっ
た。また、スタッド溶接による方法ではスタッド端面に
はア−ク熱による酸化防止と濡れ性改善のための特殊な
フラックスやセラミックス保護管等を使用しなければな
らず不経済であった。
【0006】また、壁面鋼板が高張力鋼であったり、ス
タッドが高張力鋼であったりした場合にはア−ク熱源の
ために溶接熱影響部の硬化が著しく、施工中に予熱が必
要なこともあり、現場環境及び経済性の点からも良好で
はなかった。
【0007】また、実開平4−50447号公報や実開昭61
−136011号公報に示され回転摩擦による鉄筋の接合方法
では、接合する鉄筋全体を機械的に回転させるため、接
合装置が巨大化し現場で適用することは困難であった。
さらに棒鋼全体を機械的に回転させるため、回転数に限
度があり、接合するために必要な摩擦熱を得るのに長時
間かかり、作業能率が悪いとともに端部の加熱帯域が広
くなって熱影響部が拡大し性能に悪影響を与えるという
短所があった。
【0008】この発明はかかる短所を解消するためにな
されたものであり、壁面鋼板又は鋼管杭に短時間で確実
に接合することができるとともに、性能の良好な接合部
を得ることができる棒鋼の接合方法及び装置を得ること
を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る棒鋼の接
合方法は、壁面鋼板の表面又は鋼管杭の側面に異形棒鋼
又は丸棒の端面を加圧接触させ、異形棒鋼又は丸棒の端
部に振動を加え、該振動により壁面鋼板の表面又は鋼管
杭の内面若しくは外面の側面と異形棒鋼又は丸棒の接合
端面を摩擦し、発生した摩擦熱と加圧力により壁面鋼板
又は鋼管杭と異形棒鋼又は丸棒の接合端面を圧接するこ
とを特徴とする。
【0010】上記接合端面を加圧接触させる接合圧力P
を25N/mm2から75N/mm2の範囲とし、振動は振幅A=
0.5mm〜5mm,周波数f=50Hzから250Hzの範囲で、
接合圧力Pが75N/mm2のときの振幅A=0.5mm,周波数
f=50Hzを基準として接合圧力Pと振幅A及び周波数
fの積P・A・fが一定値を示す曲線を超えた範囲であ
り、接合圧力Pが25N/mm2のときの振幅A=5mm,周
波数f=215Hzを基準として接合圧力Pと振幅A及び
周波数fの積P・A・fが一定値を示す曲線を超えない
範囲にすることが望ましい。このとき、端部の振動時間
を5秒から60秒の範囲に設定すると良い。
【0011】また、この発明に係る棒鋼の接合装置は、
ホルダと加圧手段と振動発生手段とを有し、ホルダは断
面が凹状に形成され、開口側先端部には壁面鋼板の表面
又は鋼管杭の側面に対して固定するロック機構を有し、
加圧手段はホルダの開口側と相対する面に取付けられ、
異形棒鋼又は丸棒を保持するクランプ手段とアプセット
用油圧シリンダを有し、クランプ手段で保持された異形
棒鋼又は丸棒の端面をアプセット用油圧シリンダで壁面
鋼板の表面又は鋼管杭の側面に対して加圧接触させ、振
動発生手段はホルダの開口側先端部近傍に取付けられ、
異形棒鋼又は丸棒の先端部に振動を与えることを特徴と
する。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明においては、壁面鋼板の
表面又は鋼管杭の側面に異形棒鋼又は丸棒を接合する接
合装置をホルダと加圧手段と振動発生手段で構成する。
ホルダは断面が凹状に形成され、開口側先端部にはロッ
ク機構、例えば磁気吸着板や真空吸着板を有し、開口側
先端部が壁面鋼板の表面又は鋼管杭の側面に対して固定
される。このホルダの開口側と相対する面には加圧手段
が取付けられ、開口側先端部近傍には振動発生手段が取
付けられている。加圧手段はホルダに取付けられたアプ
セット用油圧シリンダと、アプセット用油圧シリンダの
ピストンと連動する例えば油圧チャックからなるクラン
プ手段を有し、クランプ手段で異形棒鋼又は丸棒を保持
し、アプセット用油圧シリンダはクランプ手段で保持し
た異形棒鋼又は丸棒を移動して壁面鋼板の表面又は鋼管
杭の側面に対して圧接し、接合面に接合圧力を与える。
振動発生手段は電気−油圧サ−ボ機構からなり、異形棒
鋼又は丸棒の端部を所定の振幅と周波数で振動させる。
そして加圧手段で加えられる接合圧力Pと振動発生手段
で加えられる振動により壁面鋼板又は鋼管杭と異形棒鋼
又は丸棒の接合面に摩擦熱を発生させ、発生した摩擦熱
で接合面を半溶融状態にしながら接合圧力Pで加圧し
て、接合面を圧接溶着させる。
【0013】このように壁面鋼板又は鋼管杭に異形棒鋼
又は丸棒を接合するときに、接合端面を加圧接触させる
接合圧力Pを25N/mm2から75N/mm2の範囲として接合
面を確実に圧接する。また、接合圧力Pを25N/mm2
ら75N/mm2の範囲にするとともに、異形棒鋼又は丸棒
の端部に与える振動を振幅A=0.5mm〜5mm,周波数f
=50Hzか250Hzの範囲で、接合圧力Pが75N/mm2
ときの振幅A=0.5mm,周波数f=50Hzを基準として
接合圧力Pと振幅A及び周波数fの積P・A・fが一定
値を示す曲線を超えた範囲であり、接合圧力Pが25N/
mm2のときの振幅A=5mm,周波数f=215Hzを基準と
して接合圧力Pと振幅A及び周波数fの積P・A・fが
一定値を示す曲線を超えない範囲にすることにより、接
合面の摩擦により単位時間に発生する熱量を多くして、
接合面を確実に半溶融状態にさせ、溶融金属の垂れ下が
りを防ぎ、良好な継手を短時間で形成する。
【0014】さらに、端部の振動時間を5秒から60秒の
範囲に設定して、発生する全熱量が不足したり過剰にな
ることを防ぐ。
【0015】
【実施例】図1はこの発明の一実施例を示す側面断面図
である。図に示すように、鉄筋コンクリ−ト構造物にお
ける立型の壁面鋼板1に異形棒鋼2を溶着する接合装置
3はホルダ4と加圧手段5と振動発生手段6を有する。
ホルダ4は断面が凹状に形成され、開口側の先端脚部4
1には例えば磁気吸着板や真空吸着板からなるロック機
構42を有し、開口側と相対する例えば円板状又は角板
状の面43には異形棒鋼2を通す貫通孔44が設けられ
ている。なお、ここでロック機構42を省略して、ホル
ダ4を別の支持機構により保持して加圧反力を支持する
ようにしても良い。加圧手段5はアプセット用油圧シリ
ンダ51とクランプ手段52を有する。アプセット用油
圧シリンダ51はホルダ4の開口側と相対する面43に
取付けられている。クランプ手段52は、例えば油圧シ
リンダを有する油圧チャックからなり、アプセット用油
圧シリンダ51のピストンと連動して移動するようにア
プセット用油圧シリンダ51に取付けられている。
【0016】振動発生手段6は、図2のブロック図に示
すように、異形棒鋼2の端部を把持するクランプ手段6
1を装着した振動用油圧シリンダ62と電気−油圧サ−
ボ弁63及び油圧シリンダ62の移動量を検出する例え
ば差動トランス等の変位検出器64とを有する。この振
動発生手段6は振動制御部7と油圧ユニット8に接続さ
れている。振動発生手段6の動作を制御する振動制御部
7には振動周波数fと振幅A及び振動時間tを入力する
入力部71と、入力部71で入力された振動周波数fと
振幅A及び振動時間tで制御信号を発生する信号発生部
72と、サ−ボ増幅器73及び変位検出器64からの変
位信号を増幅するフィ−ドバック用の増幅器74とを有
する。油圧ユニット8にはアプセット用油圧シリンダ制
御部9を介してアプセット用油圧シリンダ51が接続さ
れ、クランプ用油圧シリンダ制御部10を介してクラン
プ手段52が接続されている。そして振動発生手段6
は、図1に示すように、ホルダ4に取付けられた摺動台
座11に装着され、異形棒鋼2の先端部に振動を与え
る。
【0017】上記のように構成された接合装置3で壁面
鋼板1に異形棒鋼2を圧接するときは、まず、加圧手段
5のアプセット用油圧シリンダ51を後退させた状態で
ホルダ4をロック機構42で壁面鋼板1の所定の位置に
固定する。次に異形棒鋼2の先端部をホルダ4の貫通孔
44を通してホルダ4内に挿入し、油圧ユニット8を作
動させ、クランプ手段61で異形棒鋼2を把持してアプ
セット用油圧シリンダ51に固定する。次に、異形棒鋼
2の先端部近傍を摺動台座11に設けた振動発生手段6
のクランプ手段61で把持する。
【0018】この状態で振動制御部7の入力部71に所
定の振動周波数fと振幅A及び振動時間tを入力して設
定し、アプセット用油圧シリンダ制御部9に所定の接合
圧力Pを設定してから振動発生手段6の動作を開始す
る。振動発生手段6の動作を開始すると信号発生部72
は設定された振動周波数fと振幅Aに応じた信号Viを
サ−ボ増幅器73に送る。サ−ボ増幅器73は送られた
信号Viを電流Iに変換して電気−油圧サ−ボ弁63に
送る。電気−油圧サ−ボ弁63は送られた電流により主
スプ−ルを移動させ、振動用油圧シリンダ62に送る圧
油の流れ方向を可変して振動用油圧シリンダ62のピス
トンを移動する。この振動用油圧シリンダ62の移動量
を変位検出器64で検出し、増幅器74で増幅してフィ
−ドバック信号Vfとしてサ−ボ増幅器73に送り、信
号Viとフィ−ドバック信号Vfが比較演算され、閉ル−
プ系を構成している。したがってサ−ボ増幅器73に所
定の振動周波数fと振幅Aに応じた信号Viを送ること
により、振動用油圧シリンダ62を所定の振動周波数f
と振幅Aに応じて振動させることができ、クランプ手段
61で把持した異形棒鋼2の端部を一定の方向に振動さ
せる。このように異形棒鋼2を端部から一定距離だけ隔
てた位置で固定して、端部を振動させるから、従来のよ
うに鉄筋等の異形棒鋼2の全体を回転する場合と比べて
任意の周波数で簡単に異形棒鋼2を振動させることがで
きる。
【0019】上記のようにして振動発生手段6により異
形棒鋼2端部の振動を開始したら、アプセット用油圧シ
リンダ制御部9でアプセット用油圧シリンダ51を作動
させて異形棒鋼2を壁面鋼板1の方向に移動して壁面鋼
板1の表面に異形棒鋼2の端面を接触させて所定の接合
圧力Pで加圧する。この接合圧力Pと異形棒鋼2の振動
により接合面に摩擦熱が発生し、壁面鋼板1と異形棒鋼
2の接合面を圧接させる。そして振動制御部7の入力部
71に設定した振動時間Tが経過したら信号発生部72
からサ−ボ増幅器73に送る信号Viをゼロにして振動
用油圧シリンダ62の動作を停止させる。
【0020】この壁面鋼板1と異形棒鋼2を接合すると
きに、接合面に発生する単位時間当たりの摩擦熱は接合
圧力Pと異形棒鋼2の振動の周波数fと振幅Aにより異
なる。そして接合面を溶かすためには、接合面の摩擦に
よる仕事量に相当する接合圧力Pと振動の振幅Aと周波
数fとの積P・A・fが一定の限界値以上になる必要が
ある。
【0021】1グラムの軟鋼を室温から1500℃の半溶融
状態にするのに必要な熱量Qmは、軟鋼の1500℃までの
平均比熱を0.17とすると、おおよそQm=0.17×1500(c
al)になる。但し熱量Qmは加熱温度を軟鋼の融点直下
の1500℃としているので溶融潜熱は省略してある。そし
て直径dの異形棒鋼2の端部から長さLcmまで半溶融状
態に加熱するのに必要な熱量Qは、Q=(7.8・π・d2
・L・Qm)/4になる。ここで7.8は軟鋼の比重である。
いまL=0.7cmとすると、Q=1392πd2/4になる。こ
の必要な熱量Qを壁面鋼板1と異形棒鋼2の摩擦により
発生する熱量Qfで与える必要がある。
【0022】摩擦により発生する熱量Qfは、Qf=(k
・F・A・f・t)になる。ここで、kは摩擦係数、F
は加圧力、tは振動時間である。この摩擦により発生す
る熱量Qfで必要な熱量Qを与えるから、(k・F・A・
f・t)=1392πd2/4になる。接合圧力Pは、P=F
/(πd2/4)で与えられ、k=1/100とすると、上
記式から、接合圧力Pは、P=(1392×100)/(A・f・
t)で与えられる。
【0023】ここで異形棒鋼2の振動時間の適正時間を
5秒から60秒の範囲とすると、接合圧力Pは、P=2784
0/(A・f)からP=2320/(A・f)の範囲になる。
【0024】また、継手性能が良好な接合をするために
必要な各種条件を調べた結果、適正接合圧力Pは25N/m
m2(260kgf/cm2)から75N/mm2(770kgf/cm2)の範囲である
ことが判明した。すなわち、接合圧力Pが25N/mm2未満
の場合には、接合面の温度が摩擦熱によって高くなって
も、圧着不足のために所定の接合強度が得られず、接合
圧力Pが75N/mm2を超えると接合面全体が粗いビ−ドに
なり、好ましい条件とはならないからである。
【0025】また、壁面鋼板1と異形棒鋼2の接合面の
相対変位量すなわち振動の振幅Aは0.5mmから5mmの範
囲が適正であった。すなわち振幅Aを0.5mm未満にする
と、摩擦面があまりにも小さくなり過ぎて、接合に必要
な摩擦熱を短時間を得ることが困難であり、軟化域が大
きくなり過ぎて良好な継手を得ることができなかった。
また、振幅Aが5mmを超えると接合面での芯ずれを起こ
しやすく、寸法精度が良好とならないからである。
【0026】さらに、振動の周波数fは50Hzから250
Hzが適正範囲であった。すなわち、周波数が50Hz以
下の振動では加熱時間が長くなり、加熱帯の幅が大きく
なって継手の性能が劣化し、周波数が250Hzを超える
と正常で滑らかな継手が得られないことが確認された。
【0027】また、異形棒鋼2の振動時間tは5秒から
60秒の範囲が適正時間であった。すなわち、振動時間t
が5秒未満の場合には、接合端面は接合に必要とされる
温度分布まで上昇せず、良好な継手が得られず、振動時
間tが60秒を越えると、接合箇所での摩擦面は過熱しす
ぎて、熱影響部が大きくなりすぎ材質劣化を招いてしま
うからである。
【0028】そこで、これらの各種条件と、半溶融状態
で接合するために必要な熱量Qを得る接合圧力Pと振幅
A及び周波数fの関係を示す上記P=27840/(A・f)
からP=2320/(A・f)の範囲から、図3に示すよう
に、良好な継手性能が得られる限界は、接合圧力Pを25
N/mm2(260kgf/cm2)から75N/mm2(770kgf/cm2)の範囲
とし、振動は振幅A=0.5mm〜5mm,周波数f=50Hz
から250Hzの範囲で、接合圧力Pが75N/mm2のときの
振幅A=0.5mm,周波数f=50Hzを基準として接合圧
力Pと振幅A及び周波数fの積P・A・fが一定値を示
す曲線Aを超えた範囲であり、接合圧力Pが25N/mm2
のときの振幅A=5mm,周波数f=215Hzを基準とし
て接合圧力Pと振幅A及び周波数fの積P・A・fが一
定値を示す曲線Bを超えない範囲の領域で示される条件
を最適条件としたのである。
【0029】このように半溶融状態で接合する条件を設
定した結果、振動時間が5秒から60秒の短時間で良好な
継手を得ることができるとともに、溶接姿勢に限定され
ずに良好な継手を得ることができる。
【0030】また、冷却は強制冷却、自然冷却のいずれ
でも良いが、強制冷却の場合に急冷すると接合面が硬く
なり過ぎて伸び特性が十分でなくなるから、冷却時間を
適正に管理することが好ましい。
【0031】なお、上記実施例は異形棒鋼2を垂直方向
に振動させる場合について説明したが、任意の方向に振
動させてても良い。また、振動は直線上の振動でも円弧
状の振動でも良い。また、上記実施例は異形棒鋼2を壁
面鋼板1に接合する場合について説明したが、丸棒を壁
面鋼板1に接合したり、異形棒鋼2や丸棒を鋼管杭に接
合する場合にも上記実施例と同様にして圧着することが
できる。
【0032】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、異形棒
鋼又は丸棒の端面を壁面鋼板の表面又は鋼管杭の側面に
対して圧接しながら、異形棒鋼又は丸棒の端部を所定の
振幅と周波数で振動させ、異形棒鋼又は丸棒の端面と壁
面鋼板の表面又は鋼管杭の側面との接合圧力Pと振動に
より壁面鋼板又は鋼管杭と異形棒鋼又は丸棒の接合面に
摩擦熱を発生させ、発生した摩擦熱で接合面を半溶融状
態にしながら接合圧力Pで圧接するから、壁面鋼板又は
鋼管杭に対して異形棒鋼又は丸棒を確実に突合せ接合す
ることができる。
【0033】また、壁面鋼板又は鋼管杭に対して異形棒
鋼又は丸棒を接合するときに、異形棒鋼又は丸棒の端部
を振動させるから、異形棒鋼又は丸棒を簡単に振動させ
ることができるとともに、振動の振幅Aと周波数fを任
意に可変することができる。
【0034】このように壁面鋼板又は鋼管杭に対して異
形棒鋼又は丸棒を接合するときに、半溶融状態で接合す
るために必要な熱量Qを得るための条件として、接合端
面を加圧接触させる接合圧力Pを25N/mm2から75N/m
m2の範囲とし、振動は振幅A=0.5mm〜5mm,周波数f
=50Hzから250Hzの範囲で、接合圧力Pが75N/mm2
のときの振幅A=0.5mm,周波数f=50Hzを基準とし
て接合圧力Pと振幅A及び周波数fの積P・A・fが一
定値を示す曲線を超えた範囲であり、接合圧力Pが25N
/mm2のときの振幅A=5mm,周波数f=215Hzを基準
として接合圧力Pと振幅A及び周波数fの積P・A・f
が一定値を示す曲線を超えない範囲とすることにより、
接合面の摩擦により単位時間に発生する熱量を多くし
て、接合面を確実に加熱させることができ、良好な継手
を短時間で形成することができる。したがって、接合の
作業効率を大幅に高めることができる。また、半溶融状
態で接合するから溶接姿勢に限定されずに良好な継手を
得ることができる。
【0035】さらに、異形棒鋼端部や丸棒端部の振動時
間を5秒から60秒の範囲に設定して、発生する全熱量が
不足したり過剰になることを防ぐことにより、信頼性の
高い継手を安定して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す側面断面図である。
【図2】上記実施例の振動発生手段を示すブロック図で
ある。
【図3】接合圧力Pと振動周波数f×振幅Aの関係を示
す特性図である。
【符号の説明】
1 壁面鋼板 2 異形棒鋼 3 接合装置 4 ホルダ 5 加圧手段 6 振動発生手段 7 振動制御部 8 油圧ユニット 11 摺動台座 42 ロック機構 51 アプセット用油圧シリンダ 52 クランプ手段 61 クランプ手段 62 振動用油圧シリンダ 63 電気−油圧サ−ボ弁 64 変位検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平林 清照 東京都品川区西大井3−16−20−203

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁面鋼板の表面又は鋼管杭の側面に異形
    棒鋼又は丸棒の端面を加圧接触させ、異形棒鋼又は丸棒
    の端部に振動を加え、該振動により壁面鋼板の表面又は
    鋼管杭の内面若しくは外面の側面と異形棒鋼又は丸棒の
    接合端面を摩擦し、発生した摩擦熱と加圧力により壁面
    鋼板又は鋼管杭と異形棒鋼又は丸棒の接合端面を圧接す
    ることを特徴とする棒鋼の接合方法。
  2. 【請求項2】 上記接合端面を加圧接触させる接合圧力
    Pを25N/mm2から75N/mm2の範囲とし、振動は振幅A
    =0.5mm〜5mm,周波数f=50Hzから250Hzの範囲
    で、接合圧力Pが75N/mm2のときの振幅A=0.5mm,周
    波数f=50Hzを基準として接合圧力Pと振幅A及び周
    波数fの積P・A・fが一定値を示す曲線を超えた範囲
    であり、接合圧力Pが25N/mm2のときの振幅A=5m
    m,周波数f=215Hzを基準として接合圧力Pと振幅A
    及び周波数fの積P・A・fが一定値を示す曲線を超え
    ない範囲である請求項1記載の棒鋼の接合方法。
  3. 【請求項3】 上記端部の振動時間を5秒から60秒の範
    囲に設定した請求項2記載の棒鋼の接合方法。
  4. 【請求項4】 ホルダと加圧手段と振動発生手段とを有
    し、ホルダは断面が凹状に形成され、開口側先端部には
    壁面鋼板の表面又は鋼管杭の側面に対して固定するロッ
    ク機構を有し、加圧手段はホルダの開口側と相対する面
    に取付けられ、異形棒鋼又は丸棒を保持するクランプ手
    段とアプセット用油圧シリンダを有し、クランプ手段で
    保持された異形棒鋼又は丸棒の端面をアプセット用油圧
    シリンダで壁面鋼板の表面又は鋼管杭の側面に対して加
    圧接触させ、振動発生手段はホルダの開口側先端部近傍
    に取付けられ、異形棒鋼又は丸棒の先端部に振動を与え
    ることを特徴とする棒鋼の接合装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101858412B1 (ko) * 2017-11-21 2018-06-27 노치현 플라스틱 부재 결합방법

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