JPH097539A - 質量分析装置 - Google Patents
質量分析装置Info
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- JPH097539A JPH097539A JP7154883A JP15488395A JPH097539A JP H097539 A JPH097539 A JP H097539A JP 7154883 A JP7154883 A JP 7154883A JP 15488395 A JP15488395 A JP 15488395A JP H097539 A JPH097539 A JP H097539A
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- ionization
- reaction gas
- introduction
- ions
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の目的は電子衝撃によるイオン化空間に
反応ガスを導入することなしにそのイオン化部での化学
イオン化を可能にするのに適した質量分析装置を提供す
ることにある。 【構成】矢印10の方向から三次元四重極空間18に導
入される試料は電子9による衝撃を受けてイオン化さ
れ、検出器14によって検出される。化学イオン化の場
合は、電子9の三次元四重極空間18への導入が止めら
れ、代わりに、反応ガスが反応ガスイオン源2でイオン
化される。それによって生成された反応ガスイオンは偏
向器5によって三次元四重極空間10に導入され、ここ
で試料分子とイオン−分子反応する。それによって生成
された試料イオンは同様に検出器14によって検出され
る。
反応ガスを導入することなしにそのイオン化部での化学
イオン化を可能にするのに適した質量分析装置を提供す
ることにある。 【構成】矢印10の方向から三次元四重極空間18に導
入される試料は電子9による衝撃を受けてイオン化さ
れ、検出器14によって検出される。化学イオン化の場
合は、電子9の三次元四重極空間18への導入が止めら
れ、代わりに、反応ガスが反応ガスイオン源2でイオン
化される。それによって生成された反応ガスイオンは偏
向器5によって三次元四重極空間10に導入され、ここ
で試料分子とイオン−分子反応する。それによって生成
された試料イオンは同様に検出器14によって検出され
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は質量分析装置、特に試料
の電子衝撃イオン化および化学イオン化に好適な質量分
析装置に関する。
の電子衝撃イオン化および化学イオン化に好適な質量分
析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】質量分析装置においては、電子衝撃によ
って試料をイオン化する場合、試料によっては開裂が起
こってしまい、重要な分子イオンの検出が困難なことが
ある。その解決策として分子イオンのフラグメンテ−シ
ョンを極力抑え、分子イオン又は擬分子イオンを検出し
やすくする、化学イオン化法と呼ばれるソフトイオン化
法が注目されている。この方法によれば、メタン、イソ
ブタン、アンモニア等の反応ガスがイオン化部に、その
内部圧力が1 Torr 程度に維持されるように封じ込めら
れ、その中でイオン化される。このようにしてイオン化
された一次イオンは反応ガスイオンとして試料分子とイ
オン−分子反応を起こし、その結果として(M+H)+イオ
ンや(M+C2H5)+イオン等のイオンが生成される。これら
のイオンは安定であることから開裂を起こしがたく、し
たがってフラグメントイオンの少ない単純なスペクトル
を与える。
って試料をイオン化する場合、試料によっては開裂が起
こってしまい、重要な分子イオンの検出が困難なことが
ある。その解決策として分子イオンのフラグメンテ−シ
ョンを極力抑え、分子イオン又は擬分子イオンを検出し
やすくする、化学イオン化法と呼ばれるソフトイオン化
法が注目されている。この方法によれば、メタン、イソ
ブタン、アンモニア等の反応ガスがイオン化部に、その
内部圧力が1 Torr 程度に維持されるように封じ込めら
れ、その中でイオン化される。このようにしてイオン化
された一次イオンは反応ガスイオンとして試料分子とイ
オン−分子反応を起こし、その結果として(M+H)+イオ
ンや(M+C2H5)+イオン等のイオンが生成される。これら
のイオンは安定であることから開裂を起こしがたく、し
たがってフラグメントイオンの少ない単純なスペクトル
を与える。
【0003】一方、質量分析装置としては、三次元四重
極空間内にイオンを蓄積し、そしてその蓄積されたイオ
ンを質量掃引して順次検出する三次元四重極形のものが
知られている。これは三次元四重極空間を、回転放物面
をもつリング電極とその両開口端に設けられた放物面を
もつ一対のエントキャップ電極とで構成するもので、極
めて小形であることからその実際の利用が図られるよう
になってきている。
極空間内にイオンを蓄積し、そしてその蓄積されたイオ
ンを質量掃引して順次検出する三次元四重極形のものが
知られている。これは三次元四重極空間を、回転放物面
をもつリング電極とその両開口端に設けられた放物面を
もつ一対のエントキャップ電極とで構成するもので、極
めて小形であることからその実際の利用が図られるよう
になってきている。
【0004】三次元四重極形質量分析装置においては、
試料のイオン化は、三次元四重極空間内に試料を導入
し、その中で電子衝撃することにより行われる。この場
合、三次元四重極空間内で生じた測定のバックグラウン
ドとなるイオン(たとえばリ−クした空気由来のイオン
やガスクロマトグラフのカラム由来のイオン等)は試料
イオン取り出し口以外の部分から三次元四重極空間外に
放出される。ある質量数のイオン固有の振動数に相当す
る周波数をもつ電圧をエンドキャップ電極に印加する
と、そのイオンはその周波数エネルギ−を吸収し、三次
元四重極空間からその外部へ飛び出してしまう。バック
グラウンドイオンの三次元四重極空間外への放出はこの
原理を利用して行われる。すなわち、バックグラウンド
イオンの三次元四重極空間外への放出は、それぞれのバ
ックグラウンドイオン固有の振動数に相当する複数の周
波数の電圧をエンドキャップに同時に印加することによ
って行われる。
試料のイオン化は、三次元四重極空間内に試料を導入
し、その中で電子衝撃することにより行われる。この場
合、三次元四重極空間内で生じた測定のバックグラウン
ドとなるイオン(たとえばリ−クした空気由来のイオン
やガスクロマトグラフのカラム由来のイオン等)は試料
イオン取り出し口以外の部分から三次元四重極空間外に
放出される。ある質量数のイオン固有の振動数に相当す
る周波数をもつ電圧をエンドキャップ電極に印加する
と、そのイオンはその周波数エネルギ−を吸収し、三次
元四重極空間からその外部へ飛び出してしまう。バック
グラウンドイオンの三次元四重極空間外への放出はこの
原理を利用して行われる。すなわち、バックグラウンド
イオンの三次元四重極空間外への放出は、それぞれのバ
ックグラウンドイオン固有の振動数に相当する複数の周
波数の電圧をエンドキャップに同時に印加することによ
って行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】三次元四重極形質量分
析装置において化学イオン化を実施する場合は、通常の
考えに従えば、反応ガスを三次元四重極空間に導入し、
その中でイオン化するということになる。しかし、上述
から理解されるように、三次元四重極空間はバックグラ
ウンドイオンをその外部に放出するのに好都合であるよ
うに開放形となっており、したがって、化学イオン化に
必要な1 Toor 程度という比較的高い圧力を維持するよ
うに反応ガスを三次元四重極空間内に封じ込めることは
実際上困難である。このため、三次元四重極形質量分析
装置では化学イオン化、したがって電子衝撃に弱い試料
についての分子イオンや擬イオンの検出は不可能かある
いは不可能ではないにしても極めて困難である。
析装置において化学イオン化を実施する場合は、通常の
考えに従えば、反応ガスを三次元四重極空間に導入し、
その中でイオン化するということになる。しかし、上述
から理解されるように、三次元四重極空間はバックグラ
ウンドイオンをその外部に放出するのに好都合であるよ
うに開放形となっており、したがって、化学イオン化に
必要な1 Toor 程度という比較的高い圧力を維持するよ
うに反応ガスを三次元四重極空間内に封じ込めることは
実際上困難である。このため、三次元四重極形質量分析
装置では化学イオン化、したがって電子衝撃に弱い試料
についての分子イオンや擬イオンの検出は不可能かある
いは不可能ではないにしても極めて困難である。
【0006】また、反応ガスを電子衝撃イオン化のため
に三次元四重極空間に導入することはその空間を形成す
る壁の汚れを引き起こすという大きな問題を提供する。
この問題は三次元四重極形以外の質量分析装置にも当て
はまる。
に三次元四重極空間に導入することはその空間を形成す
る壁の汚れを引き起こすという大きな問題を提供する。
この問題は三次元四重極形以外の質量分析装置にも当て
はまる。
【0007】本発明の目的は電子衝撃によるイオン化空
間に反応ガスを導入することなしにそのイオン化部での
化学イオン化を可能にするのに適した質量分析装置を提
供することにある。
間に反応ガスを導入することなしにそのイオン化部での
化学イオン化を可能にするのに適した質量分析装置を提
供することにある。
【0008】本発明のもう一つの目的は電子衝撃イオン
化と化学イオン化を行うのに適した三次元四重極形の質
量分析装置を提供することにある。
化と化学イオン化を行うのに適した三次元四重極形の質
量分析装置を提供することにある。
【0009】本発明の更にもう一つの目的は電子衝撃イ
オン化と化学イオン化を交互に迅速に行って、結果的に
その両者を同時に行うのと実質的に等価ならしめるのに
適した質量分析装置を提供することにある。
オン化と化学イオン化を交互に迅速に行って、結果的に
その両者を同時に行うのと実質的に等価ならしめるのに
適した質量分析装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の課題解決手段は
次のとおりである。
次のとおりである。
【0011】1. イオン化部と、電子を発生させる手
段と、前記イオン化部に試料を導入する手段と、その導
入された試料を電子衝撃イオン化してその試料のイオン
を生成するように前記電子を前記イオン化部に導入する
手段と、前記生成された試料のイオンを質量分散する手
段とを備えた質量分析装置において、反応ガスイオンを
生成するイオン源と、前記イオン化部に導入された試料
を化学イオン化して前記試料のイオンを生成するように
前記生成された反応ガスイオンを前記イオン化部に導入
する手段とを備えていることを特徴とする(請求項
1)。
段と、前記イオン化部に試料を導入する手段と、その導
入された試料を電子衝撃イオン化してその試料のイオン
を生成するように前記電子を前記イオン化部に導入する
手段と、前記生成された試料のイオンを質量分散する手
段とを備えた質量分析装置において、反応ガスイオンを
生成するイオン源と、前記イオン化部に導入された試料
を化学イオン化して前記試料のイオンを生成するように
前記生成された反応ガスイオンを前記イオン化部に導入
する手段とを備えていることを特徴とする(請求項
1)。
【0012】2. 課題解決手段1の質量分析装置であ
って、これは、前記イオン源によって生成された反応ガ
スイオンの前記イオン化部への導入をオン−オフする反
応ガスイオン導入オン−オフ手段と、前記発生した電子
の前記イオン化部への導入をオン−オフする電子導入オ
ン−オフ手段と、前記反応ガスイオンの前記イオン化部
への導入がオンにされたとき前記電子の前記イオン化部
への導入をオフにするように前記反応ガスイオン導入オ
ン−オフ手段と前記電子導入オン−オフ手段の作動を制
御する手段とを備えていることを特徴とする(請求項
2)。
って、これは、前記イオン源によって生成された反応ガ
スイオンの前記イオン化部への導入をオン−オフする反
応ガスイオン導入オン−オフ手段と、前記発生した電子
の前記イオン化部への導入をオン−オフする電子導入オ
ン−オフ手段と、前記反応ガスイオンの前記イオン化部
への導入がオンにされたとき前記電子の前記イオン化部
への導入をオフにするように前記反応ガスイオン導入オ
ン−オフ手段と前記電子導入オン−オフ手段の作動を制
御する手段とを備えていることを特徴とする(請求項
2)。
【0013】3. 課題解決手段2の質量分析装置であ
って、前記反応ガスイオン導入オン−オフ手段はイオン
偏向器を含み、該イオン偏向器は作動されたとき前記生
成された反応ガスイオンを前記イオン化部に導入するこ
とを特徴とする(請求項3)。
って、前記反応ガスイオン導入オン−オフ手段はイオン
偏向器を含み、該イオン偏向器は作動されたとき前記生
成された反応ガスイオンを前記イオン化部に導入するこ
とを特徴とする(請求項3)。
【0014】4. 課題解決手段2又は3の質量分析装
置であって、前記電子導入オン−オフ手段は第1の極性
及びこれとは反対の第2の極性への極性切換えを行い得
るグリッドを含み、該グリッドは前記第1の極性にされ
たときは前記電子を前記イオン化部に導入し、前記第2
の極性にされたときは前記電子の前記イオン化部への導
入を妨げることを特徴とする(請求項4)。
置であって、前記電子導入オン−オフ手段は第1の極性
及びこれとは反対の第2の極性への極性切換えを行い得
るグリッドを含み、該グリッドは前記第1の極性にされ
たときは前記電子を前記イオン化部に導入し、前記第2
の極性にされたときは前記電子の前記イオン化部への導
入を妨げることを特徴とする(請求項4)。
【0015】5. 課題解決手段2〜4のいずれかの質
量分析装置であって、前記質量分散されたイオンの質量
掃引を繰り返し行うように構成し、前記制御手段は前記
質量掃引に同期していることを特徴とする(請求項
5)。
量分析装置であって、前記質量分散されたイオンの質量
掃引を繰り返し行うように構成し、前記制御手段は前記
質量掃引に同期していることを特徴とする(請求項
5)。
【0016】6. 課題解決手段1〜5のいずれかの質
量分析装置であって、前記質量分散手段は前記イオン化
部を三次元四重極空間部とする三次元四重極形のもので
あることを特徴とする(請求項6)。
量分析装置であって、前記質量分散手段は前記イオン化
部を三次元四重極空間部とする三次元四重極形のもので
あることを特徴とする(請求項6)。
【0017】
【作用】本発明では、イオン化部と、電子を発生させる
手段と、前記イオン化部に試料を導入する手段と、その
導入された試料を電子衝撃イオン化してその試料のイオ
ンを生成するように前記電子を前記イオン化部に導入す
る手段と、前記生成された試料のイオンを質量分散する
手段とを備えた質量分析装置において、反応ガスイオン
を生成するイオン源と、前記イオン化部に導入された試
料を化学イオン化して前記試料のイオンを生成するよう
に前記生成された反応ガスイオンを前記イオン化部に導
入する手段とを備えていることを特徴としている。した
がって、前記イオン化部に反応ガスを導入することなし
にそのイオン化部での化学イオン化が可能となり、その
結果そのイオン化部はこれへの反応ガスの導入による汚
れの問題から実質的に解放される。
手段と、前記イオン化部に試料を導入する手段と、その
導入された試料を電子衝撃イオン化してその試料のイオ
ンを生成するように前記電子を前記イオン化部に導入す
る手段と、前記生成された試料のイオンを質量分散する
手段とを備えた質量分析装置において、反応ガスイオン
を生成するイオン源と、前記イオン化部に導入された試
料を化学イオン化して前記試料のイオンを生成するよう
に前記生成された反応ガスイオンを前記イオン化部に導
入する手段とを備えていることを特徴としている。した
がって、前記イオン化部に反応ガスを導入することなし
にそのイオン化部での化学イオン化が可能となり、その
結果そのイオン化部はこれへの反応ガスの導入による汚
れの問題から実質的に解放される。
【0018】前記質量分散手段は前記イオン化部を三次
元四重極空間とする三次元四重極形のものである。この
ため、前記イオン化部での電子衝撃イオン化及び化学イ
オン化が可能な三次元四重極形質量分析装置が提供され
る。
元四重極空間とする三次元四重極形のものである。この
ため、前記イオン化部での電子衝撃イオン化及び化学イ
オン化が可能な三次元四重極形質量分析装置が提供され
る。
【0019】更に、前記イオン源によって生成された反
応ガスイオンの前記イオン化部への導入をオン−オフす
る反応ガスイオン導入オン−オフ手段と、前記発生した
電子の前記イオン化部への導入をオン−オフする電子導
入オン−オフ手段と、前記反応ガスイオンの前記イオン
化部への導入がオンにされたとき前記電子の前記イオン
化部への導入をオフにするように前記反応ガスイオン導
入オン−オフ手段と前記電子導入オン−オフ手段の作動
を制御する手段とが備えられている。これによれば、反
応ガスイオン導入オン−オフ手段や電子導入オン−オフ
手段としては非機械的なものを用いることが可能になる
ため、そのオン−オフは迅速に行うことが可能ならしめ
られ、したがって、電子衝撃イオン化と化学イオン化を
交互に迅速に行って、結果的にその両者を同時に行うの
と実質的に等価ならしめるのに適した質量分析装置が提
供されることになる。
応ガスイオンの前記イオン化部への導入をオン−オフす
る反応ガスイオン導入オン−オフ手段と、前記発生した
電子の前記イオン化部への導入をオン−オフする電子導
入オン−オフ手段と、前記反応ガスイオンの前記イオン
化部への導入がオンにされたとき前記電子の前記イオン
化部への導入をオフにするように前記反応ガスイオン導
入オン−オフ手段と前記電子導入オン−オフ手段の作動
を制御する手段とが備えられている。これによれば、反
応ガスイオン導入オン−オフ手段や電子導入オン−オフ
手段としては非機械的なものを用いることが可能になる
ため、そのオン−オフは迅速に行うことが可能ならしめ
られ、したがって、電子衝撃イオン化と化学イオン化を
交互に迅速に行って、結果的にその両者を同時に行うの
と実質的に等価ならしめるのに適した質量分析装置が提
供されることになる。
【0020】
【実施例】図1を参照するに、断面が放物線形をしたリ
ング電極すなわち回転放物面をもつリング電極12とそ
の両開口部に互いに対向して設けられた放物面をもつ一
対のエンドキャップ11とで三次元四重極空間18が形
成されている。一対のエンドキャップ11は互いに電気
的に接続され、これらのエンドキャップとリング電極1
2の間には高周波電源13から高周波が供給される。
ング電極すなわち回転放物面をもつリング電極12とそ
の両開口部に互いに対向して設けられた放物面をもつ一
対のエンドキャップ11とで三次元四重極空間18が形
成されている。一対のエンドキャップ11は互いに電気
的に接続され、これらのエンドキャップとリング電極1
2の間には高周波電源13から高周波が供給される。
【0021】直接試料導入系やガスクロマトグラフ等か
らの試料は矢印10の方向から三次元四重極空間18に
導入される。導入された試料はその中で、フイラメント
8から放出されて一対のエンドキャップ11のうちの一
方の電子通過穴を通る電子9による衝撃を受けてイオン
化され、それによって生じたイオンは三次元四重極空間
18内に封じ込められる。電子9が三次元四重極空間1
8に導入される場合はフイラメント8に近接配置された
グリッド7には負の電圧が印加され、その導入を阻止す
る場合はグリッド7に正の電圧が印加される。その電圧
印加の制御はグリッド電源19をコンピュ−タ16で制
御することにより行われる。
らの試料は矢印10の方向から三次元四重極空間18に
導入される。導入された試料はその中で、フイラメント
8から放出されて一対のエンドキャップ11のうちの一
方の電子通過穴を通る電子9による衝撃を受けてイオン
化され、それによって生じたイオンは三次元四重極空間
18内に封じ込められる。電子9が三次元四重極空間1
8に導入される場合はフイラメント8に近接配置された
グリッド7には負の電圧が印加され、その導入を阻止す
る場合はグリッド7に正の電圧が印加される。その電圧
印加の制御はグリッド電源19をコンピュ−タ16で制
御することにより行われる。
【0022】三次元四重極空間18でイオン化され蓄積
されたイオンについてはエンドキャップ11に印加され
る高周波を掃引することにより質量掃引が行われ、質量
数の異なるイオンが一対のエンドキャップ11の他方に
設けられたイオン取出し穴を通して検出器であるイオン
コレクタ14によって順次検出される。その検出された
イオン信号は増幅器15を介してコンピュ−タ16に導
入され、ここでその信号に処理が施されて質量スペクト
ルが出力され、レコ−ダ17に記録される。
されたイオンについてはエンドキャップ11に印加され
る高周波を掃引することにより質量掃引が行われ、質量
数の異なるイオンが一対のエンドキャップ11の他方に
設けられたイオン取出し穴を通して検出器であるイオン
コレクタ14によって順次検出される。その検出された
イオン信号は増幅器15を介してコンピュ−タ16に導
入され、ここでその信号に処理が施されて質量スペクト
ルが出力され、レコ−ダ17に記録される。
【0023】一方、メタン、イソブタン、アンモニア等
の反応ガスは反応ガス導入系1から反応ガス用イオン源
2に導入される。ここではコンピュ−タ16により制御
される反応ガス用イオン源電源4からの電圧によってイ
オン化される。このイオン化はもちろん電子衝撃によっ
て行われてもよいし、あるいは針状電極に高電圧を印加
することによって生じるコロナ放電を利用して行われて
もよい。生成されたイオンは反応ガスと反応して更にイ
オンを生成する。このようにして生成されて放出された
反応ガスイオン3は偏向器5により偏向されて一対のエ
ンドキャップ11の一方に設けられた電子通過穴を通し
て三次元四重極空間18に導入される。偏向器5による
反応ガスイオンの偏向制御は偏向電源6をコンピュ−タ
16で制御することにより行われる。三次元四重極空間
18に導入された反応ガスイオン3は矢印10の方向か
ら導入される試料分子とイオン−分子反応し、それによ
って生成された試料イオンは一対のエンドキャップ11
の他方に設けられたイオン取出し穴を通してイオンコレ
クタ14によって検出される。フイラメント9からの電
子によるイオン化の場合とまったく同様にして質量掃引
が行われ、そのによって得られた質量スペクトルはレコ
−ダ17に記録される。
の反応ガスは反応ガス導入系1から反応ガス用イオン源
2に導入される。ここではコンピュ−タ16により制御
される反応ガス用イオン源電源4からの電圧によってイ
オン化される。このイオン化はもちろん電子衝撃によっ
て行われてもよいし、あるいは針状電極に高電圧を印加
することによって生じるコロナ放電を利用して行われて
もよい。生成されたイオンは反応ガスと反応して更にイ
オンを生成する。このようにして生成されて放出された
反応ガスイオン3は偏向器5により偏向されて一対のエ
ンドキャップ11の一方に設けられた電子通過穴を通し
て三次元四重極空間18に導入される。偏向器5による
反応ガスイオンの偏向制御は偏向電源6をコンピュ−タ
16で制御することにより行われる。三次元四重極空間
18に導入された反応ガスイオン3は矢印10の方向か
ら導入される試料分子とイオン−分子反応し、それによ
って生成された試料イオンは一対のエンドキャップ11
の他方に設けられたイオン取出し穴を通してイオンコレ
クタ14によって検出される。フイラメント9からの電
子によるイオン化の場合とまったく同様にして質量掃引
が行われ、そのによって得られた質量スペクトルはレコ
−ダ17に記録される。
【0024】電子衝撃イオン化と化学イオン化は図2に
示されるように交互に行われる。すなわち、質量掃引は
(c)のように繰り返し行われ、そしてこの質量掃引に
同期して偏向器5に与えられる電圧が(a)のようにオ
ン−オフされると共にグリッド7に与えられる電圧が
(b)のようにオン−オフされる。図からは、偏向器5
の電圧はグリッド7の電圧と極性が逆であることがわか
る。このようにすることによって、偏向器5の電圧がオ
ンとなって反応ガスイオンが三次元四重極空間に導入さ
れる場合はグリッド7の電圧は正となってフイラメント
8からの電子は三次元四重極空間18に導入されないた
め、化学イオンが行われ、逆に、偏向器5の電圧がオフ
となって反応ガスイオンが三次元四重極空間に導入され
ない場合はグリッド7の電圧は負となってフイラメント
8からの電子が三次元四重極空間に導入されるため、電
子衝撃イオン化が行われる。そしてこの電子衝撃イオン
化と化学イオン化は質量掃引ごとにこれと同期して行わ
れ、しかもその各質量掃引はミリ秒オ−ダ−で行われ得
る。したがって、電子衝撃イオン化と化学イオン化との
交互掃引はその両者の実質的同時掃引と等価であること
が理解される。
示されるように交互に行われる。すなわち、質量掃引は
(c)のように繰り返し行われ、そしてこの質量掃引に
同期して偏向器5に与えられる電圧が(a)のようにオ
ン−オフされると共にグリッド7に与えられる電圧が
(b)のようにオン−オフされる。図からは、偏向器5
の電圧はグリッド7の電圧と極性が逆であることがわか
る。このようにすることによって、偏向器5の電圧がオ
ンとなって反応ガスイオンが三次元四重極空間に導入さ
れる場合はグリッド7の電圧は正となってフイラメント
8からの電子は三次元四重極空間18に導入されないた
め、化学イオンが行われ、逆に、偏向器5の電圧がオフ
となって反応ガスイオンが三次元四重極空間に導入され
ない場合はグリッド7の電圧は負となってフイラメント
8からの電子が三次元四重極空間に導入されるため、電
子衝撃イオン化が行われる。そしてこの電子衝撃イオン
化と化学イオン化は質量掃引ごとにこれと同期して行わ
れ、しかもその各質量掃引はミリ秒オ−ダ−で行われ得
る。したがって、電子衝撃イオン化と化学イオン化との
交互掃引はその両者の実質的同時掃引と等価であること
が理解される。
【0025】
【効果】本発明によれば、次のような効果が奏せられ
る。
る。
【0026】1.電子衝撃によるイオン化空間に反応ガ
スを導入することなしにそのイオン化部での化学イオン
化を可能にするのに適した質量分析装置が提供される。
スを導入することなしにそのイオン化部での化学イオン
化を可能にするのに適した質量分析装置が提供される。
【0027】2.電子衝撃イオン化と化学イオン化を行
うのに適した三次元四重極形の質量分析装置が提供され
る。
うのに適した三次元四重極形の質量分析装置が提供され
る。
【0028】3.電子衝撃イオン化と化学イオン化を交
互に迅速に行って、結果的にその両者を同時に行うのと
実質的に等価ならしめるのに適した質量分析装置が提供
される。
互に迅速に行って、結果的にその両者を同時に行うのと
実質的に等価ならしめるのに適した質量分析装置が提供
される。
【図1】本発明の一実施例を示す質量分析装置の全体構
成図。
成図。
【図2】本発明にもとづく電子衝撃イオン化と化学イオ
ン化の、質量掃引との関連におけるタイミングを示すタ
イムチャ−ト図。
ン化の、質量掃引との関連におけるタイミングを示すタ
イムチャ−ト図。
1…反応ガス導入系、2…反応ガス用イオン源、3…反
応ガスイオン、4…反応ガス用イオン源電源、5…偏向
器、6…偏向電源、7…グリッド、8…フィラメント、
9…電子ビーム、10…試料、11…エンドキャップ電
極、12…リング電極、13…高周波電源、14…コレ
クタ、15…増幅器、16…コンピュ−タ、17…レコ
−ダ、18…三次元四重極空間、19…グリッド電源。
応ガスイオン、4…反応ガス用イオン源電源、5…偏向
器、6…偏向電源、7…グリッド、8…フィラメント、
9…電子ビーム、10…試料、11…エンドキャップ電
極、12…リング電極、13…高周波電源、14…コレ
クタ、15…増幅器、16…コンピュ−タ、17…レコ
−ダ、18…三次元四重極空間、19…グリッド電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千田 直人 茨城県ひたちなか市堀口字長久保832番地 2 日立計測エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 高橋 利明 茨城県ひたちなか市堀口字長久保832番地 2 日立計測エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 板東 智美 茨城県ひたちなか市堀口字長久保832番地 2 日立計測エンジニアリング株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】イオン化部と、電子を発生させる手段と、
前記イオン化部に試料を導入する手段と、その導入され
た試料を電子衝撃イオン化してその試料のイオンを生成
するように前記電子を前記イオン化部に導入する手段
と、前記生成された試料のイオンを質量分散する手段と
を備えた質量分析装置において、反応ガスイオンを生成
するイオン源と、前記イオン化部に導入された試料を化
学イオン化して前記試料のイオンを生成するように前記
生成された反応ガスイオンを前記イオン化部に導入する
手段とを備えていることを特徴とする質量分析装置。 - 【請求項2】前記イオン源によって生成された反応ガス
イオンの前記イオン化部への導入をオン−オフする反応
ガスイオン導入オン−オフ手段と、前記発生した電子の
前記イオン化部への導入をオン−オフする電子導入オン
−オフ手段と、前記反応ガスイオンの前記イオン化部へ
の導入がオンにされたとき前記電子の前記イオン化部へ
の導入をオフにするように前記反応ガスイオン導入オン
−オフ手段と前記電子導入オン−オフ手段の作動を制御
する手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記
載された質量分析装置。 - 【請求項3】前記反応ガスイオン導入オン−オフ手段は
イオン偏向器を含み、該イオン偏向器は作動されたとき
前記生成された反応ガスイオンを前記イオン化部に導入
することを特徴とする請求項2に記載された質量分析装
置。 - 【請求項4】前記電子導入オン−オフ手段は第1の極性
及びこれとは反対の第2の極性への極性切換えを行い得
るグリッドを含み、該グリッドは前記第1の極性にされ
たときは前記電子を前記イオン化部に導入し、前記第2
の極性にされたときは前記電子の前記イオン化部への導
入を妨げることを特徴とする請求項2又は3に記載され
た質量分析装置。 - 【請求項5】前記質量分散されたイオンの質量掃引を繰
り返し行うように構成し、前記制御手段は前記質量掃引
に同期していることを特徴とする請求項2〜4のいずれ
かに記載された質量分析装置。 - 【請求項6】前記質量分散手段は前記イオン化部を三次
元四重極空間部とする三次元四重極形のものであること
を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載された質量
分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7154883A JPH097539A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 質量分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7154883A JPH097539A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 質量分析装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH097539A true JPH097539A (ja) | 1997-01-10 |
Family
ID=15594045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7154883A Pending JPH097539A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 質量分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH097539A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6396564B2 (en) | 1998-06-10 | 2002-05-28 | Fuji Photo Film Co., Ltd | Photographic printing system and photographic printing method |
KR20150068991A (ko) * | 2013-01-30 | 2015-06-22 | 칼 짜이스 에스엠티 게엠베하 | 혼합 가스의 질량 분석 검사 방법 및 그 질량 분석계 |
JP2017067779A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | アジレント・テクノロジーズ・インクAgilent Technologies, Inc. | 検体の誘導体化及び向上したソフトイオン化の方法 |
-
1995
- 1995-06-21 JP JP7154883A patent/JPH097539A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6396564B2 (en) | 1998-06-10 | 2002-05-28 | Fuji Photo Film Co., Ltd | Photographic printing system and photographic printing method |
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JP2016512647A (ja) * | 2013-01-30 | 2016-04-28 | カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー | ガス混合物の質量分析試験のための方法および質量分析計 |
JP2018032641A (ja) * | 2013-01-30 | 2018-03-01 | カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー | ガス混合物の質量分析試験のための方法および質量分析計 |
US10903060B2 (en) | 2013-01-30 | 2021-01-26 | Leybold Gmbh | Method for mass spectrometric examination of gas mixtures and mass spectrometer therefor |
JP2017067779A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | アジレント・テクノロジーズ・インクAgilent Technologies, Inc. | 検体の誘導体化及び向上したソフトイオン化の方法 |
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