JPH0975318A - 磁気共鳴撮像方法および装置 - Google Patents

磁気共鳴撮像方法および装置

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JPH0975318A
JPH0975318A JP7233118A JP23311895A JPH0975318A JP H0975318 A JPH0975318 A JP H0975318A JP 7233118 A JP7233118 A JP 7233118A JP 23311895 A JP23311895 A JP 23311895A JP H0975318 A JPH0975318 A JP H0975318A
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magnetic field
gradient
excitation
imaging
echo
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JP7233118A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Sato
博司 佐藤
Tetsuji Tsukamoto
鉄二 塚元
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GE Healthcare Japan Corp
Original Assignee
GE Yokogawa Medical System Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別に高スリューレートの勾配磁場発生装置
を必要とせずにエコープラナー法を実施できる磁気共鳴
撮像方法および装置を実現すること。 【解決手段】 エコープラナー法により磁気共鳴撮像を
行う装置において、読出勾配磁場方向に垂直な面内で2
次元的に限定した領域について被検体の高周波励起を行
う励起手段(B,G,TR,GR,CNT)を具備する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴撮像方法
および装置に関する。さらに詳しくは、被検体の高周波
励起を読出勾配磁場方向に垂直な面内で2次元的に限定
した領域について行いエコープラナー(echo planar) 法
により磁気共鳴撮像する磁気共鳴撮像方法および装置で
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、複数の磁気共鳴信号を超高速
に収集するスキャン(scan)方法として、例えば図9に示
すようなエコープラナー(echo planar) 法のパルスシー
ケンス(pulse sequence)が提唱されている。これは、9
0°RFパルス(radio frequency pulse) PEで被検体
内の例えば水素原子のスピン(spin)を励起し180°R
FパルスPRでスピンの位相を反転させた後、読出勾配
磁場Grと位相エンコード勾配磁場Gpを所定の関係で
高速に変化させることにより、1枚の画像を再構成する
のに必要な複数の磁気共鳴信号(エコー信号)Si(i
=1〜n)を発生させかつ収集するようにしたものであ
る。なお、90°RFパルスPEによる励起と180°
RFパルスPRによる位相反転についてはスライス(sli
ce) 勾配磁場Gsにより位置選択が行われる。
【0003】読出勾配磁場Grと位相エンコード勾配磁
場Gpの高速な変化は、k空間を例えば図10に示すよ
うな一筆描きの軌跡(トラジェクトリ(trajectory))に
沿って掃引するように定められる。ここで、横軸kxに
平行な軌跡は矩形波交流に従って変化する読出勾配磁場
Grによって形成され、縦軸kyに平行な軌跡は間欠的
に与えられる位相エンコード勾配磁場Gpによって形成
される。そして、エコー信号Siをサンプリング(sampl
ing)したデータ(data)はこのトラジェクトリ上に位置す
る。
【0004】このようなk空間のデータから2次元逆フ
ーリエ(Fourie)変換により被検体の断面像が再構成され
る。再構成画像の画素のマトリクスサイズ(matrix siz
e) はk空間におけるデータのマトリクスサイズに等し
い。すなわち、k空間におけるデータのマトリクスサイ
ズが256x256ならば再構成画像の画素のマトリク
スサイズも256x256となる。
【0005】逆に、マトリクスサイズが256x256
の再構成画像を得るためにはk空間において256x2
56のマトリクスサイズのデータが必要であり、そのよ
うなk空間のデータを得るために、エコー信号をkx軸
方向すなわち読出方向に256点サンプリングしかつk
y軸方向すなわち位相エンコード方向に256ステップ
で位相エンコードしなければならない。
【0006】図9のパルスシーケンスによるスキャンは
数10ms程度の極めて短い時間で実行されるので、被
検体の断面の瞬時の状態を示すエコー信号が収集され
る。したがって、そのような収集信号に基づく再構成画
像は被検体の断面の瞬時の像を示すものとなり、いわゆ
るスナップショット(snap shot) 画像が得られる。
【0007】このようなスキャンの超高速性を生かし
て、エコープラナー法は例えば心臓のような動いている
組織の実時間撮像等に用いられる。また、撮像の高スル
ープット(throughput)化や3次元撮像の高速化にも役立
てられる。
【0008】図9に示すパルスシーケンスは180°R
Fパルスを用いてスピンの位相を反転させるいわゆるス
ピンエコー形のエコープラナー法である。これに対して
勾配磁場によってスピンの位相を反転させるものもあ
り、グラディエントエコー(gradient echo) 形のエコー
プラナー法と呼ばれる。
【0009】そのパルスシーケンスは例えば図11に示
すようなものであり、90°RFパルスPEによる選択
励起後、読出勾配磁場Grによってスピンの位相を反転
させ、その後図9の場合と同様に読出勾配磁場Grと位
相エンコード勾配磁場Gpを高速に変化させてエコー信
号Siを発生させかつ収集するものである。これによっ
て、k空間では図10に示すのと同様な軌跡に沿ってエ
コー信号が収集される。
【0010】グラディエントエコー型のエコープラナー
法は図12に示すようなパルスシーケンスによっても実
施できる。すなわち、読出勾配磁場Grを矩形波交流で
変化させ、その間に位相エンード勾配磁場Gpを一定値
に保つようにしたものである。このようにすると、位相
エンード量が連続的に変化することによりエコー信号S
は図13に示すようにk空間においてつづら折れ状のト
ラジェクトリに沿って収集されるようになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記いずれの形のエコ
ープラナー法によってスキャンを行うにしても、数10
msの間に例えば256回の読出勾配磁場の切り換えを
行わなければならない。また、図12の場合を除き位相
エンコード勾配磁場についても同回数の磁場変化を必要
とする。なお、図12の場合は位相エンコード勾配磁場
について高速な変化を必要としないが、読出勾配磁場磁
場については高速な切り換えを必要とする。このため、
勾配磁場発生用に、それぞれ通常のスキャンに使用する
ものよりも桁違いに高速(高スリューレート(slew rat
e) )勾配磁場発生装置が必要になるという問題があ
る。
【0012】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、特別に高スリューレートの
勾配磁場発生装置を必要とせずにエコープラナー法を実
施できる磁気共鳴撮像方法および装置を実現することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】課題を解決するための第
1の発明は、エコープラナー法による磁気共鳴撮像方法
において、読出勾配磁場方向に垂直な面内で2次元的に
限定した領域について被検体の高周波励起を行うことを
特徴とする磁気共鳴撮像方法である。
【0014】なお、上記課題を解決するための第1の発
明におけるエコープラナー法の範疇には少なくとも下記
のものが含まれる。勿論下記のものは例示であって限定
を意味しない。 (1)スピンエコー形のエコープラナー法 (2)グラディエントエコー型のエコープラナー法 課題を解決するための第1の発明において、2次元的に
限定した領域はスライス方向と位相エンード方向にそれ
ぞれ限定した矩形領域とすることが複数の励起領域を隣
接させて1つの撮像領域を形成する点で好ましい。
【0015】課題を解決するための第1の発明によれ
ば、励起領域を2次元的に限定することにより、複数の
小さな撮像領域をスピンの緩和待ちを要せずに引き続い
て撮像できる。このため特別に高スリューレートの勾配
磁場発生装置を用いずにエコープラナー法を実施できる
磁気共鳴撮像方法が実現できる。
【0016】課題を解決するための第2の発明は、エコ
ープラナー法により磁気共鳴撮像を行う装置において、
読出勾配磁場方向に垂直な面内で2次元的に限定した領
域について被検体の高周波励起を行う励起手段を具備す
ることを特徴とする磁気共鳴撮像装置である。
【0017】なお、上記課題を解決するための第2の発
明におけるエコープラナー法の範疇は前述の通りであ
る。課題を解決するための第2の発明によれば、励起領
域を2次元的に限定することにより、複数の小さな撮像
領域をスピンの緩和待ちを要せずに引き続いて撮像でき
る。このため特別に高スリューレートの勾配磁場発生装
置を用いずにエコープラナー法を実施できる磁気共鳴撮
像装置が実現できる。
【0018】課題を解決するための第3の発明は、エコ
ープラナー法により磁気共鳴撮像を行う装置において、
スライス方向および位相エンコード勾配磁場方向におい
て領域を限定して被検体の高周波励起を行う励起手段を
具備することを特徴とする磁気共鳴撮像装置である。
【0019】なお、上記課題を解決するための第3の発
明におけるエコープラナー法の範疇は前述の通りであ
る。課題を解決するための第3の発明によれば、励起領
域をスライス方向および位相エンコード勾配磁場方向に
限定することにより、2次元限定領域を矩形にして複数
の小さな撮像領域を隣接させて1つの撮像領域を形成す
ることができ、また、隣接する複数の小さな撮像領域を
スピンの緩和待ちを要せずに引き続いて撮像できる。こ
のため特別に高スリューレートの勾配磁場発生装置を用
いずにエコープラナー法を実施できる磁気共鳴撮像装置
が実現できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1に磁気共鳴撮像装置の
ブロック(block) 図を示す。本装置は本発明の実施の一
形態である。なお、本装置の構成によって本発明の装置
に関する実施の一形態を示す。また、本装置の動作によ
って本発明の方法に関する実施の一形態を示す。
【0021】図1において、Mは静磁場発生装置であ
り、その静磁場空間内に勾配コイル(coil)G、送信コイ
ルBおよび受信コイルRが配置される。勾配コイルGは
3系統のコイルを有し、互いに垂直な3方向の勾配を静
磁場に付すようになっている。受信コイルRの内側には
被検体Oの撮影対象部位が挿入される。
【0022】勾配駆動装置GRは、勾配コイルGに駆動
信号を与えて静磁場空間内に所定の勾配磁場を発生させ
るものである。勾配駆動装置GRは3系統の駆動部を有
しそれぞれ勾配コイルGにおける3系統の勾配コイルを
駆動するようになっている。
【0023】送信装置TRは、送信コイルBに高周波
(RF)駆動信号を与えて、被検体O内の測定対象原子
例えば水素原子のスピンを励起するための高周波磁場を
静磁場空間内に発生させるものである。受信装置RV
は、受信コイルRが検出した被検体O内の磁気共鳴信号
を受信するものである。
【0024】アナログ・ディジタル(analog digital)変
換装置ADは、受信装置Rから出力される受信信号をデ
ィジタル信号に変換しコンピュータ(computer)COMに
入力するものである。制御装置CNTは勾配駆動装置G
R、送信装置TR、受信装置RVおよびアナログ・ディ
ジタル変換装置ADに制御信号を与えてそれらの動作を
制御しスキャンを遂行するものである。
【0025】勾配コイルG、送信コイルB、勾配駆動装
置GR、送信装置TR、および制御装置CNTは本発明
における励起手段の実施の一形態である。コンピュータ
COMは、アナログ・ディジタル変換装置ADから与え
られる入力データに基づいて画像再構成により被検体O
についての画像を形成するものである。コンピュータC
OMはまた制御装置CNTに指令を与えてその動作を管
制する。
【0026】操作装置OPは、操作者によって操作され
コンピュータCOMに操作者の指令を与えるものであ
る。表示装置DISは、コンピュータCOMが形成した
画像を表示するものである。表示装置DISはまた操作
者に対するメッセージ等を表示し、操作者が対話式にコ
ンピュータCOMを操作できるようにしている。
【0027】次に、本装置の動作を説明する。図2に本
装置によるスキャンのパルスシーケンスの模式図を示
す。このパルスシーケンスはRF励起を2次元的に限定
した領域、すなわ撮像領域内を部分的に選択した領域に
ついて行い、この励起によって生じた磁気共鳴信号をエ
コープラナー法により収集するものとなっている。
【0028】このパルスーケンスにおいて、RF励起信
号P1、位相エンコード勾配磁場信号P2およびスライ
ス勾配磁場信号P3を発生する段階が、2次元限定領域
を励起する段階であり、それ以降の部分はスピンエコー
形のエコープラナー法に従ってエコー信号を発生させか
つ収集する段階である。
【0029】RF励起信号P1と位相エンコード勾配磁
場信号P2とスライス勾配磁場信号P3との間に特定の
関係が形成され、これによって2次元限定領域の励起を
可能にしている。
【0030】2次元限定領域の励起については、例えば
文献 Journal of Magnetic Resonance 82, 647-654 (19
89) に記載されており、既に知られていることである。
図2のパルスーケンスはそれとエコープラナー法とをに
組み合わせたものである。
【0031】本装置の動作を説明する前に、先ず2次元
限定領域の励起の理論について説明する。2次元限定領
域を励起するためには、互いに垂直な2つの勾配磁場を
操作することにより、k空間に例えば図3に示すような
渦巻状のトラジェクトリが形成される。そのようなトラ
ジェクトリを形成するk空間上の2つの関数はそれぞれ
次式で与えられる。
【0032】
【数1】
【0033】
【数2】
【0034】ただし、 κ:定数 ω=2πnT n:渦巻数 0≦t≦T また、上式に対応する勾配磁場信号はそれぞれ次式で与
えられる。
【0035】
【数3】
【0036】
【数4】
【0037】ただし、 γ:磁気回転比(gyromagnetic ratio) 図4に(3),(4)式で与えられる勾配磁場信号の波
形を示す。これらは位相が互いに90°異なる正弦波減
衰振動波形となる。
【0038】いま、回転座標系における横磁化を
【0039】
【数5】
【0040】とし、そのためのRF励起信号を
【0041】
【数6】
【0042】とし、励起したい領域の2次元プロファイ
ル(profile) を
【0043】
【数7】
【0044】とすると、この領域を励起するためのRF
励起信号波形は次式で与えられる。
【0045】
【数8】
【0046】ここで、
【0047】
【数9】
【0048】
【数10】
【0049】すなわち、励起したい2次元領域のプロフ
ァイルPdes (r) を決めたとき、そのプロファイルP
des (r) を(6)式によってW(k(t))に変換し、それを
(5)式に当てはめてRF信号の波形を求め、その波形
によってRF励起を行えば良い。
【0050】2次元限定領域のプロファイルPdes (r)
と関数W(k(t))との対応を代表的なプロファイル形状に
ついて例示すれば下表の通りである。
【0051】
【表1】
【0052】ここで、r0 は円の半径を表し、x0 およ
びy0 は矩形の幅および高さを表す。ただし、 J0(x) :第1種ベッセル(Bessel)関数の0次項 J1(x) :第1種ベッセル(Bessel)関数の1次項
【0053】
【数11】
【0054】
【数12】
【0055】2次元限定領域の形状を矩形とし、それを
励起するためのRF信号波形を上表および(5)式を用
いて求めると例えば図5に示すような波形が得られる。
したがって、励起領域を矩形に限定してRF励起を行う
ときは、図4に示す波形の勾配磁場信号gx ,gy を2
つの勾配磁場系にそれぞれ印加しながら、図5に示す波
形のRF信号で励起すれば良い。
【0056】図2のパルスシーケンスにおけるスライス
勾配磁場信号P3、位相エンコード勾配磁場信号P2お
よびRF励起信号P1の波形はそのような関係を満足す
るように定められたものである。すなわち、図2のパル
スシーケンスは矩形領域について励起を行いエコープラ
ナー法によりエコー信号を収集するパルスシーケンスで
ある。
【0057】ここでは、矩形領域の大きさは例えば図6
において矩形領域EXで示すようにスライス方向に7m
m、位相エンコード勾配の方向に3cmと設定し、それ
に合わせたRFパルス波形を用いる。矩形領域EXに対
して垂直に撮像マトリクスRC(小さな撮像領域)が形
成される。撮像マトリクスRCのサイズは例えば読出勾
配の方向に256、位相エンコード勾配の方向に32と
設定される。
【0058】撮像マトリクスRCの実寸は例えば読出勾
配の方向に長さ20cm、位相エンコード勾配の方向に
幅3cmと設定される。なお、撮像マトリクスRCの読
出勾配の方向の長さは磁気共鳴信号受信用のフィルタの
通過帯域によって設定される。
【0059】撮像マトリクスRCは位相エンコード勾配
の方向の寸法が小さいのでこの方向のマトリクスサイズ
を比例的に小さくし、画像分解能を縦横均一にしてい
る。このような撮像マトリクスRCを複数個並べて例え
ば図7に示すように、撮像対象OBを包含する撮像領域
(大きな撮像領域)ZOが形成される。複数の撮像マト
リクスRC1,RC2,RC3,…は位相エンコード勾
配方向に隣接して形成される。
【0060】送信装置TRからRF励起信号P1が出力
され、勾配駆動装置GRから勾配磁場信号P2およびP
3が出力されて、例えば先ず撮像マトリクスRC1につ
きスライス方向に7mm、位相エンコード方向に3cm
に限定された領域(矩形領域EX)のスピンが励起され
る。
【0061】励起に続いて読出勾配信号P4と位相エン
コード勾配信号P5によってk空間のトラジェクトリの
始点決めが行われ、次いで、180°RFパルスP6に
よりスピンの位相反転が行われる。このとき位相エンコ
ード勾配信号P7による選択作用により位相エンコード
方向にある厚みのある平面のスピンが反転される。
【0062】次に、矩形波交流波形の読出勾配信号P8
とそれに同期した間欠的な位相エンコード勾配信号P9
がそれぞれ出力され、磁気共鳴信号のエコーS1,S
2,S3,…を発生させる。
【0063】撮像マトリクスRCの位相エンコード勾配
方向のマトリクスサイズが32であることにより、読出
勾配信号P8の変化の回数と位相エンコード勾配信号P
9の発生回数は32とされ、これによって32個のエコ
ー信号が発生する。
【0064】これらエコー信号S1,S2,S3,…S
32は受信装置RVによって受信され、アナログ・ディ
ジタル変換装置ADでディジタルデータに変換されてコ
ンピュータCOMに入力される。アナログ・ディジタル
変換装置ADは各エコー受信信号につき256点でサン
プリング(sampling)したディジタルデータを生じる。コ
ンピュータCOMはこれらのエコーデータから2次元逆
フーリエ変換により画像再構成を行う。256点でサン
プリングされた32のエコーデータが2次元逆フーリエ
変換されることにより、画素マトリクスが256x32
の画像が撮像マトリクスRC1について再構成される。
【0065】ここで、1回の励起に対するエコーの読み
出し回数が32なので、勾配駆動装置GRは1シーケン
ス当たり32回変化する読出勾配信号P8と位相エンコ
ード勾配信号P9を発生するが、この程度の変化速度の
勾配磁場は現在普通に用いられている勾配駆動装置で十
分発生可能である。したがって、勾配駆動装置GRとし
て特別に高スリューレートのものを用いる必要がない。
【0066】撮像マトリクスRC1についての信号収集
を終えたら、次に隣の撮像マトリクスRC2について同
様なパルスシーケンスによりRF励起とエコー信号の収
集が行われる。その際、励起領域を撮像マトリクスRC
2に垂直な矩形領域EXに移動させるためFR励起信号
P1の位相を変化させる。そのような位相の変更は次式
に従って行われる。
【0067】
【数13】
【0068】(10)式においてx0 が領域の移動距離
を表す。本装置ではx0 =3cmである。撮像マトリク
スRC1についての励起が2次元的に限定して行われた
ため、また180°パルスによるスピンの反転が位相エ
ンコード勾配を用いて選択的に行われたため、撮像マト
リクスRC2内のスピンは撮像マトリクスRC1につい
て行った励起および位相反転の影響を受けていない。し
たがって、撮像マトリクスRC2については、撮像マト
リクスRC1についての信号収集が終り次第、特にスピ
ンの緩和(T1緩和)を待つことなくすぐにRF励起を
行うことができる。
【0069】以下同様に、撮像マトリクスRC3〜RC
6についてRF励起とエコー信号の収集を緩和待ち時間
を入れずに順次に行う。撮像マトリクスRC1〜RC6
およびそれらに付いての2次元限定励起領域(矩形領域
EX)は全て大きさが同じなので、RF励起信号以外は
全く同じ信号を用いることができる。これによって、1
回のパルスーケンスの実行時間を例えば50msとする
と、撮像領域ZO全体については300msでスキャン
することができる。
【0070】収集されたエコー信号については各撮像マ
トリクスRCi(i:1〜6)毎に画像再構成が行わ
れ、それら各再構成画像を撮像マトリクスRCiの並び
に合わせて組み合わせることにより20cmx18cm
の撮像領域ZO全体についての再構成画像が形成され
る。この再構成画像のマトリクスサイズは256x19
2となる。
【0071】すなわち、300msのスキャン時間でマ
トリクスサイズが256x192相当のデータを収集す
ることができる。このスキャン速度は、超高速の勾配駆
動装置を用い数10msで256x256マトリクスの
データを収集する高級機種の磁気共鳴撮像装置と比べれ
ば遅いが、実用的には十分に高速である。そしてそのよ
うな磁気共鳴撮像装置が特別に高スリューレートの勾配
駆動装置を用いずに実現できる。
【0072】本装置は、スキャンの高速性を生かして水
素原子のブラウン(Brown) 運動を反映したIVIM(int
ravoxel incoherent motion)画像を撮像するのに好適に
用いることができる。IVIM画像はデフュージョン
(defusion) 画像とも呼ばれる。この画像は被検体の体
動の影響を受け易いが、本装置の高速なスキャンにより
体動の影響を受けない良質の画像を得ることができる。
【0073】図8にそのパルスシーケンスを示す。図8
のパルスシーケンスは、読出勾配信号P10,P11が
180°RFパルスP6の印加の前後にIVIM検出用
の勾配磁場信号として加えられるようになっている他は
図2と同様である。なお、読出勾配信号P10は180
°RFパルスP6の印加の前にスピンの位相を所定量巻
き上げ、読出勾配信号P11は180°RFパルスP6
の印加の後にスピンの位相を同量巻き戻すものであり、
これによって移動しないスピンによる信号が除かれIV
IM信号だけが検出される。
【0074】このパルスーケンスによって図7の撮像領
域ZOを前述のようにして撮像すれば撮像対象OBに関
するIVIM画像を得ることができる。以上、本発明の
実施の一形態について説明したが2次元的に限定した励
起領域は矩形に限るものではなく円形や楕円形としても
良くまた三角形やその他の多角形等適宜の形状にしても
良い。
【0075】また、各2次元限定領域は同じ大きさであ
る必要はなく大きさを異ならせ、それに対応して撮像マ
トリクスサイズを調節するようにしても良い。また、2
次元限定領域の励起の順序は領域の並びの順である必要
はない。
【0076】また、エコープラナー法はスピンエコー型
に限らずグラディエントエコー型によっても良い。ま
た、2次元領域限定に用いられる2つの勾配磁場信号は
k空間を一様に掃引するトラジェクトリを生じるもので
あれば良く、正弦波減衰振動波形に限らない。
【0077】また、それら勾配信号とRF励起信号の波
形はコンピュータシミュレーション(simulation)を利用
したシミュレーテッド・アニーリング(simulated aneal
ing)によって最適化することにより、一層正確な2次元
限定領域の選択励起を行うことができる。
【0078】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、課題を解決
するための第1の発明によれば、励起領域を2次元的に
限定することにより、複数の小さな撮像領域をスピンの
緩和待ちを要せずに引き続いて撮像できる。このため特
別に高スリューレートの勾配磁場発生装置を用いずにエ
コープラナー法を実施できる磁気共鳴撮像方法が実現で
きる。
【0079】また、課題を解決するための第2の発明に
よれば、励起領域を2次元的に限定することにより、複
数の小さな撮像領域をスピンの緩和待ちを要せずに引き
続いて撮像できる。このため特別に高スリューレートの
勾配磁場発生装置を用いずにエコープラナー法を実施で
きる磁気共鳴撮像装置が実現できる。
【0080】また、 課題を解決するための第3の発明
によれば、励起領域をスライス方向および位相エンコー
ド勾配磁場方向に限定することにより、2次元限定領域
を矩形にして複数の小さな撮像領域を隣接させて1つの
撮像領域を形成することができ、また、隣接する複数の
小さな撮像領域をスピンの緩和待ちを要せずに引き続い
て撮像できる。このため特別に高スリューレートの勾配
磁場発生装置を用いずにエコープラナー法を実施できる
磁気共鳴撮像装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の装置のブロック図であ
る。
【図2】本発明の実施の一形態の装置の動作説明図であ
る。
【図3】本発明の実施の一形態の装置の動作説明図であ
る。
【図4】本発明の実施の一形態の装置の動作説明図であ
る。
【図5】本発明の実施の一形態の装置の動作説明図であ
る。
【図6】本発明の実施の一形態の装置による撮像マトリ
クスおよび励起領域の形状と寸法の一例を示す図であ
る。
【図7】本発明の実施の一形態の装置による撮像マトリ
クスと撮像領域全体との関係を示す図である。
【図8】本発明の実施の一形態の装置が利用するIVI
M撮像用パルスシーケンスを示す図である。
【図9】スピンエコー形のエコープナラー法のパルスシ
ーケンスを示す図である。
【図10】エコープナラー法によるk空間のトラジェク
トリを示す図である。
【図11】グラディエントエコー形のパルスシーケンス
を示す図である。
【図12】グラディエントエコー形のパルスシーケンス
を示す図である。
【図13】エコープナラー法によるk空間のトラジェク
トリを示す図である。
【符号の説明】
M 静磁場発生装置 B 送信コイル G 勾配コイル R 受信コイル O 被検体 TR 送信装置 GR 勾配駆動装置 RV 受信装置 AD アナログ・ディジタル変換装置 CNT 制御装置 COM コンピュータ DIS 表示装置 OP 操作装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エコープラナー法による磁気共鳴撮像方
    法において、読出勾配磁場方向に垂直な面内で2次元的
    に限定した領域について被検体の高周波励起を行うこと
    を特徴とする磁気共鳴撮像方法。
  2. 【請求項2】 エコープラナー法により磁気共鳴撮像を
    行う装置において、読出勾配磁場方向に垂直な面内で2
    次元的に限定した領域について被検体の高周波励起を行
    う励起手段を具備することを特徴とする磁気共鳴撮像装
    置。
  3. 【請求項3】 エコープラナー法により磁気共鳴撮像を
    行う装置において、スライス方向および位相エンコード
    勾配磁場方向において領域を限定して被検体の高周波励
    起を行う励起手段を具備することを特徴とする磁気共鳴
    撮像装置。
JP7233118A 1995-09-11 1995-09-11 磁気共鳴撮像方法および装置 Pending JPH0975318A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100427146B1 (ko) * 2000-02-14 2004-04-14 지이 요꼬가와 메디칼 시스템즈 가부시끼가이샤 Rf코일 및 자기공명촬상장치

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