JPH0972113A - 建 物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋上の庭園としての価値を高めることができ
る建物を提供する。 【解決手段】 １階部分２の略半分の領域上に２階部分
３を構築し、１階部分２と２階部分３との境界部から２
階部分３の屋上７に連なる階段状の屋上１を設ける。階
段状の屋上１における各段を花壇にして屋上１全体を庭
園とする。建物の中央には円柱状空間４を形成し、１階
部分２および階段状の屋上１には円柱状空間４の周囲を
巡る階段を設ける。こうすることによって、地上から屋
上１上の庭園の全景を一望できる。また、１階部分２に
おける円柱状空間４の箇所を中庭として屋上１まで到達
するような大きな樹木を植えることができる。また、子
供や老人でも、上記階段を上りつつ円柱状空間４の樹木
や屋上１の庭園を鑑賞しながら２階部分３上のバーベキ
ューコーナーや屋上庭園まで容易に行き着くことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、屋上を有する建
物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、屋上を有する建物においては、そ
の屋上は平坦に形成されている。そして、その平坦な屋
上を庭として利用する場合がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記平坦な屋上を有す
る建物には、その屋上に樹木や草花を植えた場合に、一
々それを屋上に上がらないと鑑賞できず、庭園としての
価値は極めて低いものである。

【０００４】そこで、この発明の目的は、屋上の庭園と
しての価値を高めることができる建物を提供することに
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１に係る発明は、下層階の屋上と上層階の屋
上とを有する建物において、上記下層階の屋上と上層階
の屋上とを連通する階段状の庭を備えたことを特徴とし
ている。

【０００６】上記構成によれば、地上から屋上の方を見
上げると上記下層階の屋上から上層階の屋上へと連なっ
ている階段状の庭が一望される。したがって、屋上庭園
を屋上に上がらなくしても鑑賞できる。

【０００７】また、請求項２に係る発明は、請求項１に
係る発明の建物において、中央には中庭を有して,この
中庭から屋上に至る円柱状空間を設けたことを特徴とし
ている。

【０００８】上記構成によれば、中央に設けられた中庭
には、屋上に達するような大きな樹木であっても植え付
けることが可能である。

【０００９】また、請求項３に係る発明は、請求項１に
係る発明の建物において、上記階段状の庭には上記下層
階の屋上から上層階の屋上へ至る階段を備えたことを特
徴としている。

【００１０】上記構成によれば、上記階段状の庭に設け
られた階段を上ることによって、老人や子供であっても
上記下層階の屋上から上層階の屋上へ向かって容易に上
記庭内を散策できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。図１および図２は本実施の形
態の建物における外観図であり、図３は屋上の平面図で
ある。図１〜図３に示すように、本実施の形態における
建物は、１階部分２の底面は矩形を成している。そし
て、この１階部分２における略半分の領域上には２階部
分３が建築されており、屋上の全外周部には安全を確保
するための腰壁１６を設けている。上記２階部分３上に
はＬ字状の仕切り壁６を設け、その仕切り壁６と腰壁１
６でバーベキューコーナーを囲っている。これによっ
て、上記バーベキューコーナーは目隠しされる。そし
て、本建物の中央には、垂直方向に円柱状空間４を有し
ている。屋上１は、１階部分２と２階部分３へ向けて円
柱状空間４の周囲を回る略扇状の複数の扇形部１７−
１,１７−２,…,１７−６が階段状に形成されている。
また、上記扇形部１７−６は、平面状を呈する２階部分
３の屋上７に連なっている。

【００１２】図１〜図３に示すように、屋上１における
扇形部１７−１,１７−２,…,１７−６には花壇が設け
られており、扇形部１７−１,１７−２,…,１７−６の
内側には円柱状空間４の周囲を回るように階段５が設け
られている。上記扇形部１７−１,１７−２,…,１７−
６は、この建物の玄関１２側から全体が見渡せるよう
に、後方に行くほど高くなっている。一方、屋上１に連
なる２階部分の屋上７には屋上庭園が設けられている。

【００１３】上述のように、上記屋上１を階段状に形成
することによって、この建物の正面(玄関１２側)に出て
斜め上方を見上げると屋上１上に形成された庭園全体を
一望でき、屋上全体を恰も丘陵地帯のように眺めること
ができるのである。また、屋上１を階段状に形成してこ
の階段状の箇所に花壇を設けることによって、花壇に対
する散水を扇形部１７−６から下側の扇形部に向かって
行えば、水は上記階段状の花壇を上段から下段に向かっ
て自然に流れ落ちる。したがって、扇形部１７−６に散
水装置を設置すれば、例えば、屋内からの制御によって
自動的に庭園全体に散水できるのである。

【００１４】図４は、上述のような屋上１を有する建物
の各階の平面図である。ここで、図４(a)は１階部分２
の平面図であり、図４(b)は上記階段状の屋上１下の空
間を含む２階部分３の平面図である。以下、屋上１下の
空間の部分を半２階部分９と言う。図３および図４に示
すように、上記円柱状空間４は１階部分２,半２階部分
９および２階部分３を貫通して屋上１に達している。

【００１５】上記１階部分２には、上記円柱状空間４を
囲んで通常の建物と同様に玄関１２,寝室,和室,浴室,洗
面所あるいワードローブ等の部屋や設備を設けている。
そして、円柱状空間４の下面は地面が露出して中庭とな
っており、屋上１に達する高さの樹木が植えてある。そ
して、円柱状空間４を形成する円筒形の壁(円筒壁)１１
の壁面には、中庭やこの中庭に植えられた樹木を鑑賞す
ることができるように窓が設けられている。上記２階部
分３への階段１０は玄関１２の箇所から円筒壁１１に沿
って螺旋状に設けられており、上記窓より中庭や中庭に
植えられた樹木を周囲の異なる方向から連続的に眺めな
がら２階部分３へ行くことができる。

【００１６】図４(b)に見られるように、上記２階部分
３にはキッチン,ダイニングルームおよびリビングルー
ムが設けられている。また、半２階部分９には床面と天
井面との高さに応じて、倉庫やレセプションルームが設
けられており、階段状の屋上１下の空間の有効利用が図
られている。また、上記２階部分３における１階部分２
上の屋上１aを望む箇所には、屋上１に出入りするため
の出入口８が設けてある。

【００１７】すなわち、本実施の形態における建物で
は、玄関１２から１階部分２に入り、円柱状空間４を形
成する円筒壁１１の周囲に螺旋状に設けられた階段１０
を円筒壁１１の窓から中庭や中庭に植えられた樹木を鑑
賞しつつ上るとやがて２階部分３に至る。そして、その
まま円筒壁１１に沿って歩き続けると中庭を鑑賞しなが
らやがて庭園のある屋上１への出入口８に至るのであ
る。

【００１８】さらに、上記出入口８から屋上１に出て屋
上１の各段に設けられた花壇や円柱状空間４から突出し
ている中庭の樹木を含む庭園全体を一望しつつ階段５を
上ると、やがて２階部分３上に設けられたバーベキュー
コーナーや屋上庭園に行き着くのである。つまり、本実
施の形態における建物は、各階においては元より、１階
部分２から２階部分３へ、また、２階部分３から屋上１
へ行く過程においても中庭を鑑賞することができるので
ある。

【００１９】上述のように、本実施の形態における建物
は、１階部分２の略半分の領域上に２階部分３を構築
し、１階部分２と２階部分３との境界部から２階部分３
の屋上７に連なる階段状の屋上１を設け、各段を花壇に
して階段状の屋上１全体を庭園としている。したがっ
て、玄関１２側から屋上１上の庭園の全景を一望できる
のである。また、中央には円柱状空間４を形成したの
で、１階部分２における円柱状空間４の箇所を中庭とし
て、屋上１まで到達するような大きな樹木を植えること
ができる。また、階段状の屋上１には、円柱状空間４を
形成する円筒壁１１の周囲を巡る階段５を設けているの
で、子供や老人でも、屋上１に設けられた庭園を鑑賞し
ながら２階部分３上のバーベキューコーナーや屋上庭園
まで容易に行き着くことができる。さらに、上記１階部
分２の玄関１２から屋上１に続く螺旋状の階段１０を円
柱状空間４の円筒壁１１の周囲に設けたので、玄関１２
から入って、円柱状空間４の中庭やこの中庭に植えられ
た樹木を鑑賞しつつ屋上１に行くことができる。つま
り、本実施の形態における屋上１は居間と連続してお
り、生活の場として有効に利用できる外部空間を提供す
るのである。

【００２０】上記実施の形態の建物においては、１階部
分２の一部に２階部分３を建築して１階部分２と２階部
分３との境界部から２階部分３の屋上７に連なる階段状
の屋上１を構築しているが、これに限らず、下層階とこ
の下層階の一部に建築された上層階との境界部から上記
上層階の屋上に連なる階段状の屋上であればよい。尚、
各階の外郭形状や間取りは上記実施の形態に限定される
ものではなく、花壇を菜園に代えてもよいことは言うま
でもない。

【００２１】

【発明の効果】以上より明らかなように、請求項１に係
る発明の建物は、下層階の屋上と上層階の屋上とを階段
状の庭で連通したので、地上から屋上側を見上げること
によって庭を一望できる。また、上記上層階の屋上から
上記階段状の庭に向かって散水することによって水は自
然に上記下層階の屋上に向かって流れ落ち、上記庭に植
えられた草木全体に水を供給できる。

【００２２】また、請求項２に係る発明の建物は、中央
には中庭から屋上に至る円柱状空間を設けたので、上記
中庭には屋上に達するような大きな樹木を植え付けるこ
とが可能となる。

【００２３】また、請求項３に係る発明の建物は、上記
階段状の庭には上記下層階の屋上から上層階の屋上へ至
る階段を設けたので、老人や子供であっても上記階段状
の庭内を容易に散策できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の建物における外観図である。

【図２】図１とは視線の角度が異なる外観図である。

【図３】図１および図２における屋上の平面図である。

【図４】各階の平面図である。

【符号の説明】

１,７…屋上、 ２…１階部分、３
…２階部分、 ４…円柱状空間、
５,１０…階段、 ８…出入口、９…
半２階、 １１…円筒壁、１２…玄
関、 １７−１〜１７−６…扇形
部。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下層階の屋上と上層階の屋上とを有する
   建物において、 上記下層階の屋上と上層階の屋上とを連通する階段状の
   庭を備えたことを特徴とする建物。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の建物において、 中央には中庭を有し、この中庭から屋上に至る円柱状空
   間を設けたことを特徴とする建物。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の建物において、 上記階段状の庭には上記下層階の屋上から上層階の屋上
   へ至る階段を備えたことを特徴とする建物。