JPH0970062A - 移動通信の無線信号伝送方法およびシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタル移動通信方式の無線信号伝送方法お
よびシステムに関する。 【解決手段】 基地局側装置は、基地局装置（５）から
送出する無線制御信号を自動検出し、前記無線制御信号
を基に発信器の発信周波数を安定させ高精度な基準信号
を生成（１５）する。この基準信号を基に複数の無線信
号を周波数多重信号として作成（１８）、または周波数
多重信号から複数の無線信号を復元（２１）する。対応
装置は、複数の無線信号を周波数多重信号として作成
（１８）、または周波数多重信号から複数の無線信号を
復元する（２１）。このように、複数の無線信号を周波
数変換する際に用いる標準信号を基地局装置から送出し
ている無線制御信号から作り出す。無線信号を周波数変
換する際に必要な精度の高い標準信号を、高価な標準信
号発生装置を用いずに発生している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル移動通信
方式の経済的な無線信号伝送方法およびシステムに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図４は従来のデジタル移動通信方式の基
地局である。この基地局において、基地局送受信装置２
から外部アンテナ３までの無線信号伝送路４として、同
軸ケーブルや光ファイバを使用している。移動通信方式
では一基地局を３セクタで構成する場合、１つのセクタ
にて送信系である下り回線には１本、受信系では無線信
号の受信方式にダイバシティ受信を使用した場合の上り
回線には２本、合計で３本の回線が必要となる。つまり
現在、主に３セクタ構成の基地局では、合計９本の回線
が必要である。現在同軸ケーブルや光ファイバなどの伝
送路には１伝送路につき１回線を割り当てているので、
主要な基地局では９本の伝送路が必要となる。

【０００３】光ファイバ伝送路は同軸ケーブルに比べて
ケーブル直径が小さく、軽くて敷設高次も簡易に済む特
徴があるが、その反面、光ファイバに電気信号である無
線信号を通すためには送信側で一度電気信号を光信号に
変換して光ファイバに送信して、受信側で光信号を電気
信号に変換しなくてはならない。従来この変換を行うた
めには高価なレーザダイオードを使用していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】基地局における伝送装
置を含む伝送路全体のコストを下げる方法として、複数
の無線信号を周波数多重方式により合成して、伝送路の
数を減らし、レーザダイオードの数を少なくすることで
達成できる。

【０００５】しかし、このような構成とすると、伝送す
る無線信号を伝送路の両端にて２度周波数変換する必要
がある。このため、周波数変換における無線信号の周波
数精度が問題となる。デジタル移動通信方式の標準規格
における基地局送受信装置の周波数精度は０．０５×１
０^-6で規定している（デジタル方式自動車電話システム
／ＲＣＲ ＳＴＤ−２７Ｄ：参照）。このため、ルビジ
ウム標準信号発生器などの精度が高く高価な標準信号発
信器の出力をもとに、無線信号の周波数変換を行う必要
があった。

【０００６】本発明では、移動通信の無線信号の伝送の
際に、精度の高い標準信号発生器を使用せずに、安価な
標準信号発生器を用いて、高価な標準信号発生器の周波
数精度と同等の精度で、周波数多重の周波数変換を行う
ことを特徴とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、デジタ
ル移動通信において無線信号を周波数多重で伝送すると
きに、安価で精度の高い標準信号を提供することにあ
る。

【０００８】上記目的を達成するために、請求項１記載
の発明は、移動通信の複数の無線信号の伝送方法におい
て、送出されている高精度の特定信号を自動検出し、前
記特定信号を基に周波数を安定させた基準信号を生成
し、前記基準信号を基に複数の無線信号を周波数多重信
号として伝送し、前記周波数多重信号を多重前の前記複
数の無線信号に復元することを特徴とする。

【０００９】請求項２記載の発明は、前記周波数多重信
号を作成または復元する場合、送られてきた前記周波数
多重信号から高精度の特定信号を自動検出し、前記特定
信号を基に周波数を安定させた基準信号を生成し、前記
周波数多重信号を作成または復元することを特徴とす
る。

【００１０】請求項３記載の発明は、前記周波数多重信
号を送る際に、生成した前記基準信号を周波数多重信号
と共に送り、送られてきた前記基準信号を分離し、前記
基準信号を用いて前記周波数多重信号を作成または復元
することを特徴とする。

【００１１】請求項４記載の発明は、前記特定信号が無
線制御信号であることを特徴とする。

【００１２】請求項５記載の発明は、移動通信の複数の
無線信号の伝送システムにおいて、基地局側装置は、基
地局装置から送出する高精度の特定信号を自動検出し、
前記特定信号を基に周波数を安定させた基準信号を生成
し、前記基準信号を基に、複数の無線信号を周波数多重
信号として作成または周波数多重信号から複数の無線信
号を復元し、対応装置は、複数の無線信号を周波数多重
信号として作成または周波数多重信号から複数の無線信
号を復元することを特徴とする。

【００１３】請求項６記載の発明は、前記対応装置にお
いて、送られてきた周波数多重信号から高精度の特定信
号を自動検出し、前記特定信号を基に周波数を安定させ
た基準信号を生成し、前記生成した基準信号を基に、複
数の無線信号を周波数多重信号として作成または周波数
多重信号から複数の無線信号を復元することを特徴とす
る。

【００１４】請求項７記載の発明は、前記基地局側装置
は、生成した前記基準信号を周波数多重信号と共に送
り、対応装置は、送られてきた前記基準信号を分離し、
前記分離した基準信号を基に、複数の無線信号を周波数
多重信号として作成または周波数多重信号から複数の無
線信号を復元することを特徴とする。

【００１５】請求項８記載の発明は、前記特定信号が無
線制御信号であることを特徴とする。

【００１６】請求項９記載の発明は、前記基準信号の生
成にＰＰＬ回路を用いることを特徴とする。

【００１７】従来の技術とは、無線信号を周波数変換す
る際に必要な精度の高い標準信号を、高価な標準信号発
生装置を用いずに発生している点が大きく異なる。

【００１８】

【発明の実施の形態】図１は、本発明における高精度な
標準信号を作り出す信号発生装置の一例のブロック構成
図である。

【００１９】この図１において、帯域フィルタ６は、基
地局送受信装置５から送出する無線信号内の無線制御信
号が割り当てられている帯域を取り出すように作動して
る。受信部７は、各基地局により割り当てている周波数
が異なる無線制御信号を自動検出してその周波数を制御
部８に報告するように作動している。制御部８は、受信
部７より報告された周波数を基に、プリアンプ９により
増幅した無線制御信号を分周する可変分周器１０と、水
晶振動子などの安価なＶＣＯ（電圧制御発信器）１１か
らの信号を分周する可変分周器１２に対して、分周率Ｍ
および分周率Ｎを送るように制御している。位相比較器
１３は、可変分周器１０および可変分周器１２により分
周された無線制御信号とＶＣＯの信号を位相比較しその
出力信号を本回路のループ構成によりＶＣＯ１１に入力
するように作動している。バッファ１４は、ＶＣＯ１１
からの信号を緩衝増幅するように作動している。これら
はＰＰＬ（位相同期ループ）を構成している。その結
果、上記の構成の信号発生装置１５は精度の高い無線制
御信号を基準にしているので、その無線制御信号と同程
度の精度の標準信号ｆｓを作り出すことができる。

【００２０】この場合、受信した無線制御信号の周波数
ｆ_r と標準信号の周波数ｆs とは、

【００２１】

【数１】ｆ_r ／Ｍ＝ｆ_s ／Ｎ の関係がある。

【００２２】（実施形態１）図２は本発明の第１の実施
形態である。これは、上記の図１に示した信号発生装置
１５を用いて、基地局送受信装置５の信号を周波数多重
化して、アンテナと送受信するための構成を示してい
る。

【００２３】図２において、基地局送受信装置からの無
線制御信号を入力して基準信号ｆｓを作り出す送信側信
号発生装置１５₁ から、Ｎ分周器１６から、シンセサイ
ザ１７_1,2,...,N に標準信号を分配している。そして、
シンセサイザ１７_{1,2,...,N 1,2,...,N} において、標準
信号ｆ_s から、単一もしくは複数の無線信号を変換する
周波数（ｆ′₁ −ｆ₁ ），（ｆ′₂ −ｆ₂ ），…，
（ｆ′_N −ｆ_N ）の信号を作り出す。

【００２４】上記の作り出した周波数（ｆ′₁ −ｆ
₁ ），（ｆ′₂ −ｆ₂ ），…，（ｆ′_N−ｆ_N ）の信号
は周波数群ｆ_1,2,...,N の各無線信号群を周波数変換す
る送信側のミキサ１８_1,2,...,N に入力する。周波数ｆ
_1,2,...,N の各チャネルの無線信号群は、ミキサ１８
_1,2,...,N により、周波数群ｆ′_1,2,...,N の無線信号
群に周波数変換される。変換した各無線信号群は合成さ
れて、１本の伝送路上を伝送する。これは例えばアンテ
ナへの伝送路である。伝送された合成無線信号は、帯域
フィルタ１９_1,2,...,N により、周波数群ｆ′
_1,2,...,N の各無線信号群に分波される。一方、送信側
信号発生装置１５₁ と構成の同じ受信側信号発生装置１
５₂ を伝送路受信側にも用意している。この受信側装置
においても、周波数ｆ′_1,2,...,N の各無線信号群内の
いずれかの無線制御信号から標準信号ｆｓを作り出す。
標準信号ｆｓはＮ分周器１６₂ にて分配する。そして、
シンセサイザ２０_1,2,...,N において、伝送した周波数
群ｆ′_1,2,...,N の各無線信号群を元の周波数群ｆ
_1,2,...,N の無線信号群に変換するための周波数（ｆ₁
−ｆ′₁ ），（ｆ₂ −ｆ′₂ ），…，（ｆ_N −ｆ′_N ）
の信号を作り出す。前記変換するための周波数（ｆ₁ −
ｆ′₁ ），（ｆ₂ −ｆ′₂ ），…，（ｆ_N −ｆ′_N ）の
信号と周波数ｆ′_1,2,...,N の各無線信号群をそれぞれ
のミキサ２１_1,2,...,N に入力することにより、元の信
号の周波数群ｆ_1,2,...,N と同程度の精度で周波数群
ｆ″_1,2,...,N の無線信号を作り出すことができる。元
の信号の周波数群ｆ_1,2,...,N と伝送後再変換して作り
出した周波数群ｆ″_1,2,...,N の精度は信号発生装置１
５₁ ，１５₂ から作り出した標準信号ｆｓの精度に依存
する。この場合、上記図１の回路構成により、安価な発
信源であるＶＣＯ１１は、周波数精度の高い基地局送受
信装置からの無線信号を基準としているので、同程度の
精度の発振が得られる。本発明の構成例である信号発生
装置１５の標準信号ｆｓにより、複数の無線信号を精度
の高い周波数をもちいることにより、少ない伝送路数に
て伝送できる。

【００２５】上記の説明は、基地局内装置から基地局外
装置の方向である下り方向について述べている。上り方
向についても同様に、下り方向の信号発生装置１５₁ ，
１５ ₂ より生成した基準信号ｆｓを基に分配器１６₁ ，
１６₂ 、シンセサイザ１７_1,2,...,N 、２０
_1,2,...,N 、ミキサ１８_1,2,...,N 、２１_1,2,...,N 、
帯域フィルタ１９を、図２の下に示すように構成するこ
とにより、複数の無線信号をより精度の高い、より少な
い伝送路数にて伝送できる。

【００２６】（実施形態２）図３は、本発明の第２の実
施形態であり、実施形態１で述べた送信側信号発生装置
１５₁ により作り出した標準信号ｆｓを受信側の標準信
号としても利用する。

【００２７】図２に示した送信側の構成と同様に、信号
発生装置１５₁ により標準信号ｆ_s生成し、周波数群ｆ
_1,2,...,N を変換した無線信号群ｆ′_1,2,...,N を合成
し、周波数多重を行う。

【００２８】また、信号発生装置１５₁ からの標準信号
ｆｓを周波数多重の信号に合わせて、伝送路に送出す
る。

【００２９】受信側では、標準信号ｆｓのみを帯域フィ
ルタ２２にて取り出す。この標準信号ｆｓを使用するこ
とにより、受信側では、実施１で述べた受信側信号発生
装置１５₂ を用意することなく標準信号ｆｓを取り出す
ことができる。送信側信号発生装置１５₁ により作り出
され伝送された標準信号ｆｓは分配器１６₂ により分配
し、各シンセサイザ２０_1,2,...,N により伝送された周
波数群ｆ′_1,2,...,Nの各無線信号群を元の周波数群ｆ
_1,2,...,N の無線信号群に変換するための周波数（ｆ₁
−ｆ′₁ ），（ｆ₂ −ｆ′₂ ），…，（ｆ_N −ｆ′_N ）
の無線信号を作り出す。前記変換するための周波数（ｆ
₁ −ｆ′₁ ），（ｆ₂ −ｆ′₂ ），…，（ｆ_N −ｆ′
_N ）の無線信号と周波数群ｆ′_1,2,...,N の各無線信号
群をそれぞれのミキサ２１_1,2,...,N に入力することに
より、元の信号の周波数群ｆ_1,2,...,N と周波数の差が
わずかな周波数群ｆ″_1,2,...,N の無線信号群を作り出
す。標準信号ｆｓが高い周波数精度を持っているため
に、伝送後に再変換して作り出した周波数群ｆ″
_1,2,...,N と元の周波数群ｆ_1,2,...,N の差分はわずか
である。

【００３０】本発明の構成例である信号発生装置１５₁
が出力する標準信号ｆｓにより、複数の無線信号を精度
の高い周波数により少ない伝送路数にて伝送できる。

【００３１】本実施例は基地局内装置から基地局外装置
の方向である下り方向について述べたが、上り方向につ
いても下り方向で伝送された標準信号ｆｓを用いて周波
数変換することにより複数の無線信号群をより精度の高
い、より少ない伝送路数にて伝送できる。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明により、高
い精度の標準信号を作り出す回路を安価で提供し、その
標準信号を利用することにより複数の無線信号群をより
少ない伝送路で伝送することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の作動例を示すブロック図である。

【図２】本発明の一実施例を示すブロック図である。

【図３】本発明の一実施例を示すブロック図である。

【図４】従来の基地局の一例を示す図である。

【符号の説明】

１ デジタル移動通信方式基地局 ２ デジタル移動通信方式基地局送受信装置 ３ デジタル移動通信方式基地局屋外装置 ４ 伝送路 ５ 基地局送受信装置 ６ 帯域フィルタ ７ 受信部 ８ 制御部 ９ プリアンプ １０ 可変分周器 １１ ＶＣＯ（電圧制御発信器） １２ 可変分周器 １３ 位相比較器 １４ バッファ １５₁ ，１５₂ 信号発生装置 １６₁ ，１６₂ Ｎ分配器 １７₁ ，１７₂ ，１７_N ，２０₁ ，２０₂ ，２０_N シ
ンセサイザ １８ 送信側ミキサ １９₁ ，１９₂ ，１９_N 帯域フィルタ ２０ シンセサイザ ２１₁ ，２１₂ ，２１_N 受信側ミキサ ２２ 帯域フィルタ

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 移動通信の複数の無線信号の伝送方法に
   おいて、 送出されている高精度の特定信号を自動検出し、 前記特定信号を基に周波数を安定させた基準信号を生成
   し、 前記基準信号を基に複数の無線信号を周波数多重信号と
   して伝送し、 前記周波数多重信号を多重前の前記複数の無線信号に復
   元することを特徴とする無線信号伝送方法。
2. 【請求項２】 前記周波数多重信号を作成または復元す
   る場合、 送られてきた前記周波数多重信号から高精度の特定信号
   を自動検出し、 前記特定信号を基に周波数を安定させた基準信号を生成
   し、 前記周波数多重信号を作成または復元することを特徴と
   する請求項１記載の無線信号伝送方法。
3. 【請求項３】 前記周波数多重信号を送る際に、生成し
   た前記基準信号を周波数多重信号と共に送り、 送られてきた前記基準信号を分離し、 前記基準信号を用いて前記周波数多重信号を作成または
   復元することを特徴とする請求項１記載の無線信号伝送
   方法。
4. 【請求項４】 前記特定信号が無線制御信号であること
   を特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の無線
   信号伝送方法。
5. 【請求項５】 移動通信の複数の無線信号の伝送システ
   ムにおいて、 基地局側装置は、基地局装置から送出する高精度の特定
   信号を自動検出し、 前記特定信号を基に周波数を安定させた基準信号を生成
   し、 前記基準信号を基に、複数の無線信号を周波数多重信号
   として作成または周波数多重信号から複数の無線信号を
   復元し、 対応装置は、複数の無線信号を周波数多重信号として作
   成または周波数多重信号から複数の無線信号を復元する
   ことを特徴とする無線信号伝送システム。
6. 【請求項６】 前記対応装置において、 送られてきた周波数多重信号から高精度の特定信号を自
   動検出し、 前記特定信号を基に周波数を安定させた基準信号を生成
   し、 前記生成した基準信号を基に、複数の無線信号を周波数
   多重信号として作成または周波数多重信号から複数の無
   線信号を復元することを特徴とする請求項５記載の無線
   信号伝送システム。
7. 【請求項７】 前記基地局側装置は、生成した前記基準
   信号を周波数多重信号と共に送り、 対応装置は、送られてきた前記基準信号を分離し、 前記分離した基準信号を基に、複数の無線信号を周波数
   多重信号として作成または周波数多重信号から複数の無
   線信号を復元することを特徴とする請求項５記載の無線
   信号伝送システム。
8. 【請求項８】 前記特定信号が無線制御信号であること
   を特徴とする請求項５ないし７のいずれかに記載の無線
   信号伝送システム。
9. 【請求項９】 前記基準信号の生成にＰＰＬ回路を用い
   ることを特徴とする請求項５ないし８のいずれかに記載
   の無線信号伝送システム。