JPH0967668A - スパッタターゲット - Google Patents

スパッタターゲット

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JPH0967668A
JPH0967668A JP21858395A JP21858395A JPH0967668A JP H0967668 A JPH0967668 A JP H0967668A JP 21858395 A JP21858395 A JP 21858395A JP 21858395 A JP21858395 A JP 21858395A JP H0967668 A JPH0967668 A JP H0967668A
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JP
Japan
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sputtering
sputter
mosaic
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JP21858395A
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English (en)
Inventor
Akira Sakai
亮 酒井
Takashi Ishigami
隆 石上
Teiji Takado
禎治 貴戸
Hideo Hirayama
秀雄 平山
Koji Hidaka
浩二 日高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DCスパッタおよびRFスパッタにかかわら
ず、カソード形状の変更や不純物材料の混入やダスト発
生等を招くことなく、スパッタ率が異なる複数のターゲ
ット材料の浸食量を容易に均一化させることが望まれて
いる。 【解決手段】 モザイク状に配置された複数のターゲッ
ト材料1、2と、これら複数のターゲット材料1、2を
支持するバッキングプレート3とを具備するスパッタタ
ーゲット4である。複数のターゲット材料1、2のうち
スパッタ率が大きいターゲット材料1の下方に強磁性材
料板5を配置することによって、スパッタ率が大きいタ
ーゲット材料1上方の磁界強度を低下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モザイク状のスパ
ッタターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】スパッタリング技術により合金膜や複合
材料膜等を成膜する場合には、例えば目的組成の薄膜が
得られるような合金ターゲットやコンパウンドターゲッ
ト等が用いられる。しかし、様々な理由からコンパウン
ドターゲットが得られない場合、あるいは膜組成を変動
させたい場合には、モザイクターゲットが広く用いられ
ている。モザイクターゲットは、複数のターゲット材料
をモザイク状に配置したものであり、各ターゲット材料
の面積比を制御することによって、目的組成の複合材料
膜等を容易に得ることができる。
【0003】モザイクターゲットの実用例としては、半
導体素子のゲート電極膜を形成するための Mo-Siターゲ
ットやW-Siターゲット、あるいは液晶ディスプレイのゲ
ート電極や配線の形成に用いられる Mo-Taターゲットが
知られている。また、液晶ディスプレイのブラックマト
リックス膜の形成等には、金属−セラミックス複合ター
ゲット等の使用が検討されている。
【0004】ところで、上述したようなモザイクターゲ
ットでは、スパッタ率が異なる複数のターゲット材料を
用いる場合が多く、このような際に目的組成の薄膜を得
るためには、スパッタ率が大きい材料の面積比を小さく
すると共に、スパッタ率が小さい材料の面積比を大きく
すればよい。しかし、モザイクターゲットを構成する各
ターゲット材料のスパッタ率が大きく異なる場合には、
スパッタ率が大きい材料が先に消費されてしまい、スパ
ッタターゲットの寿命が短くなるという問題がある。
【0005】そこで、例えば特開昭 63-183170号公報に
は、スパッタ率が大きいターゲット材料の下側に高抵抗
体を挿入し、スパッタ率が大きいターゲット材料部分の
抵抗率を大きくすることによって、そのスパッタ率を低
下させる方法が記載されている。しかし、この方法はD
Cスパッタに対しては効果を示すものの、例えば一方の
ターゲット材料がセラミックス材料等から場合に必須と
なるRFスパッタでは十分な効果を得ることができな
い。さらに、モザイク状に配置する各ターゲット材料間
に隙間を開けることが必須となり、隙間からの不純物材
料の混入や異常放電によるダストの発生等が生じてしま
う。
【0006】一方、マグネトロンスパッタにおいては、
同一材料からなる均一なターゲットでも、ターゲット表
面の磁界分布の不均一に起因して、ターゲットが局部的
に浸食されてターゲットの利用効率が悪くなるという問
題があり、カソードを改良する等してターゲットの利用
効率を高める工夫がなされている。
【0007】例えば、カソードの磁石対の間に磁性体を
挿入し、ターゲット表面における磁力線の平行成分を増
すことによって、浸食部分を広げる方法(特開平2-1077
64号公報、特開平3-183123号公報、特開平4-358063号公
報参照)や、カソードの磁石対を部分的に磁性体でシー
ルドし、ターゲット表面における磁界分布を均一化する
ことによって、局部的な浸食を抑える方法(特開平3-15
0359号公報参照)、さらにターゲットを電磁石の間に配
置すると共に、ターゲットと同じ高さに磁性体を設け、
磁界水平成分を増加させることによって、ターゲットの
浸食を均一化する方法(特開平 4-63270号公報参照)等
である。しかし、これらはいずれもターゲット表面の浸
食領域を全体的に一様にする方法であり、前述したよう
な各ターゲット材料間のスパッタ率が大きく異なるモザ
イクターゲットの長寿命化には適用することはできな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
からマグネトロンスパッタにおけるターゲットの浸食領
域を均一化するための方法が種々提案されているが、各
ターゲット材料間のスパッタ率が大きく異なるモザイク
ターゲットに対しては有効な方法が見出されていないの
が現状である。このように、従来のモザイクターゲット
では、スパッタ率が大きく異なる複数のターゲット材料
を使用する場合に、DCスパッタおよびRFスパッタに
かかわらず、カソード形状の変更や不純物材料の混入、
ダスト発生等を招くことなく、スパッタ率が大きいター
ゲット材料のスパッタ率を有効に低下させ、各ターゲッ
ト材料の浸食量を均一化させることによって、モザイク
ターゲットの寿命を延ばすことが課題とされていた。
【0009】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、DCスパッタおよびRFスパッタに
かかわらず、カソード形状の変更や不純物材料の混入や
ダスト発生等を招くことなく、スパッタ率が異なる複数
のターゲット材料の浸食量を容易に均一化させることを
可能にしたスパッタターゲットを提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のスパッタターゲ
ットは、モザイク状に配置されたスパッタ率が異なる複
数のターゲット材料の、前記複数のターゲット材料のう
ち、スパッタ率が大きいターゲット材料の下方に、強磁
性材料板が配置されていることを特徴としている。
【0011】本発明の他のスパッタターゲットは、モザ
イク状に配置された複数のターゲット材料と、前記複数
のターゲット材料を支持するバッキングプレートとを具
備するスパッタターゲットにおいて、前記複数のターゲ
ット材料のうちスパッタ率が大きいターゲット材料の下
方に、強磁性材料板が配置されていることを特徴として
いる。
【0012】スパッタ率が大きいターゲット材料の下方
に強磁性材料板を配置することによって、スパッタ率が
大きいターゲット材料の上方における磁界強度を小さく
することができる。ここで、マグネトロンスパッタはタ
ーゲット近傍に電界と直交する磁界を供給し、プラズマ
をターゲットの極近傍の領域に閉じ込めることによっ
て、イオン入射密度の上昇すなわち成膜速度の向上や基
板温度の上昇抑制等を図るものである。従って、スパッ
タ率が大きいターゲット材料の上方における磁界強度を
小さくすることによって、そのターゲット材料上のプラ
ズマ密度、言い換えるとAr等のスパッタ粒子の密度を小
さくすることができる。その結果、高スパッタ率のター
ゲット材料のスパッタ率を低下させることができる。こ
のようにして、スパッタ率を低下させた分を考慮して、
複数のターゲット材料の面積比を目的組成に応じて設定
すれば、スパッタ率が異なる複数のターゲット材料を均
一に消耗させることが可能となるため、目的組成の複合
材料膜を得た上で、モザイクターゲットの寿命を向上さ
せることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスパッタターゲッ
トを実施するための形態について説明する。図1は、本
発明のスパッタターゲットの一実施形態を示す図であ
る。同図おいて、1は第1のターゲット材料、2は第2
のターゲット材料であり、第1のターゲット材料1は第
2のターゲット材料2よりスパッタ率が大きいものとす
る。これら第1のターゲット材料1と第2のターゲット
材料2とをモザイク状に配置すると共に、これらターゲ
ット材料1、2をバッキングプレート3で支持すること
によって、モザイク状のスパッタターゲット(モザイク
ターゲット)4が構成されている。
【0014】そして、高スパッタ率の第1のターゲット
材料1の下方には、それぞれ強磁性材料板5が配置され
ている。これら強磁性材料板5は、図1に示すように、
第1のターゲット材料1の直下のバッキングプレート3
中に埋め込んでもよいし、また図2に示すようにバッキ
ングプレート3の内部に埋め込んだり、図3に示すよう
にバッキングプレート3の図示しないカソード側に埋め
込んでもよい。さらに、第1のターゲット材料1とバッ
キングプレート3との間や、バッキングプレートと図示
しないカソードとの間に単に挿入配置してもよい。ま
た、図示はしていないが、ターゲット材料内に埋め込ん
でもよい。
【0015】ただし、ターゲット材料1、2の冷却効率
等を考慮して、バッキングプレート3内に埋め込むこと
が好ましく、また高スパッタ率の第1のターゲット材料
1上方における磁界強度を考慮すると、第1のターゲッ
ト材料1に近い位置に設置することが望ましい。
【0016】強磁性材料板5の構成材料には、高飽和磁
束密度を有すると共に、透磁率が大きい強磁性材料を用
いることが好ましい。これは強磁性材料板5がカソード
からの磁界により飽和してしまうと、第1のターゲット
材料1の上方における磁界強度の低下効果が十分に得ら
れなくなるおそれがある。強磁性材料板5の磁束飽和を
避けるために、強磁性材料板5の厚さを厚くすることも
考えられるが、ターゲット材料1、2の冷却効率を高め
る上で強磁性材料板5はより薄い方が好ましい。従っ
て、これらの観点から強磁性材料板5には飽和磁束密度
が大きく、また同様の理由から透磁率が大きい強磁性材
料を使用することが望ましい。ここで、強磁性材料板と
しては、飽和磁束密度が 1テスラ(T) 以上の材料を用い
ることが好ましい。強磁性材料板5の具体的な構成材料
としては、上述したような理由からFe系や Fe-Co系の強
磁性材料が好ましい。
【0017】上述したモザイクターゲット4における第
1のターゲット材料1および第2のターゲット材料2の
具体的な構成は特に限定されるものではなく、スパッタ
率が異なる複数のターゲット材料1、2を使用する場合
であれば本発明の適用が可能である。具体的には、前述
した半導体素子のゲート電極膜を形成するための Mo-Si
ターゲットやW-Siターゲット、液晶ディスプレイのゲー
ト電極や配線の形成に用いられる Mo-Taターゲット、液
晶ディスプレイのブラックマトリックス膜の形成等に用
いられる金属−セラミックス複合ターゲット、具体的に
はAl、 B、Bi、Cd、Co、Cr、Fe、In、Mn、Ni、Pd、 V、
Nb、Ta等の金属ターゲットと窒化ケイ素、窒化アルミニ
ウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化硼素、酸化イ
ットリウム、マジネシア、カルシア、酸化バリウム等の
セラミックスターゲットとの複合ターゲット、抵抗膜の
形成等に用いられるTa-SiO2 、Nb-SiO2 ターゲット等が
挙げられる。
【0018】次に、上述したモザイクターゲット4の作
用について図4を参照して述べる。なお、図4はモザイ
クターゲット4の基本構成を模式的に示す図であり、マ
グネトロンスパッタ装置のカソード上に配置した状態を
示している。同図において、6は電界供給手段と主磁界
供給手段とが一体となったマグネトロンカソードであ
り、このマグネトロンカソード6はターゲット4の中心
付近に位置する第1の永久磁石7と、この第1の永久磁
石7とは逆磁極となるように、その周囲を包囲するよう
に配置された第2の永久磁石8と、第1の永久磁石7お
よび第2の永久磁石8のターゲット4とは反対側の面を
磁気的に結合するヨーク9とを有しており、図示を省略
した直流電源や交流電源で駆動されるように構成されて
いる。
【0019】マグネトロンカソード6は、モザイクター
ゲット4のホルダも兼ねており、モザイクターゲット4
はマグネトロンカソード6上に配置される。マグネトロ
ンカソード6は、モザイクターゲット4の表面側に円弧
状の磁力線(図中、矢印で示す)を形成し、この磁界と
モザイクターゲット4と図示を省略した成膜基板との間
に形成される電界とによって、プラズマはモザイクター
ゲット4の極近傍の領域に閉じ込められ、マグネトロン
スパッタが行われる。
【0020】ここで、高スパッタ率の第1のターゲット
材料1の下方には、上述したように強磁性材料板5が配
置されているため、第1のターゲット材料1側ではマグ
ネトロンカソード6からの磁力線の一部が強磁性材料板
5内を通過し、第1のターゲット材料1表面における磁
界強度が低下する。これによって、第1のターゲット材
料1上方のプラズマ密度、言い換えるとAr等のスパッタ
粒子の密度が小さくなり、その結果として高スパッタ率
の第1のターゲット材料1のスパッタ率を低下させるこ
とができる。
【0021】そして、高スパッタ率の第1のターゲット
材料1のスパッタ率を低下させた分を考慮して、第1の
ターゲット材料1と強磁性材料板5を配置していない第
2のターゲット材料2との面積比を目的組成に応じて設
定すれば、得ようとするスパッタ膜の組成を目的組成と
した上で、スパッタ率が異なる複数のターゲット材料
1、2を均一に消耗させることができる。これによっ
て、モザイクターゲット4の寿命を向上させることが可
能となる。
【0022】上述したように、本発明のスパッタターゲ
ットにおいては、ターゲット上方の磁界強度を制御する
ことによって、高スパッタ率の第1のターゲット材料1
のスパッタ率を低下させているため、DCスパッタおよ
びRFスパッタにかかわりなく適用することができると
共に、第1および第2のターゲット材料1、2の構造等
を変更する必要はない。また、マグネトロンカソード6
側の設計変更等も特に必要としない。また、強磁性材料
板5の構成材料や厚さ等は、上述したように第1のター
ゲット材料1と第2のターゲット材料2のスパッタ率を
違いを考慮して設定すればよい。
【0023】また、モザイクターゲットを構成するター
ゲット材料は 2種類に限らず、 3種類以上のターゲット
材料を組合せたモザイクターゲットであってもよく、こ
のような場合には各ターゲット材料のスパッタ率に応じ
て、構成材料や厚さを変えた強磁性材料板5を配置すれ
ばよい。
【0024】例えば、スパッタ率が異なる 3種類以上の
ターゲット材料を組合せたモザイクターゲットの場合、
そのスパッタ率の最も大きいターゲット材料の下方に最
も強磁性の材料、例えば飽和磁束密度が最も高い材料を
配置し、次にスパッタ率が中間のターゲット材料の下方
に、上記スパッタ率の最も大きいターゲット材料の下方
に配置した強磁性材料より低い特性の強磁性材料、例え
ば飽和磁束密度がそのスパッタ率の強度に応じて低い材
料を配置することにより、そのスパッタ率が異なる複数
の材料より構成されたモザイクターゲットを均一に消耗
させることができる。なお、最もスパッタ率が小さいタ
ーゲット材料の下方には、強磁性材料を配置する必要は
ないが、必要により、スパッタ率が大きい材料の下方に
配置された強磁性材料より低い特性の強磁性材料、例え
ば飽和磁束密度が低い材料を配置してもよく、それらは
ターゲット材料のスパッタ率、あるいは面積等に応じて
適宜設定されるものである。
【0025】さらに、上述した実施形態では複数のター
ゲット材料1、2を矩形状に配置したモザイクターゲッ
ト4について説明したが、本発明はこれに限られるもの
ではなく、複数のターゲット材料を円板状に配置したモ
ザイクターゲット等、種々の形状のモザイクターゲット
に適用することができる。また、上記説明においては、
ターゲット材料はバッキングプレートに支持した状態で
の説明を行ったが、パッキングプレートがない構成のも
のにおいても同様に採用することができる。
【0026】なお、本発明の趣旨とは異なるが、同一の
ターゲット材料より構成されたスパッタターゲットにお
けるスパッタ効率を一定にするため、あるいはそれを制
御するために、スパッタ材料の下方に強磁性材料を適宜
配置することも可能である。
【0027】
【実施例】次に、本発明のスパッタターゲットの具体的
な実施例について説明する。
【0028】比較例1 長方形のターゲットにおいて、Biからなる第1のターゲ
ット材料とSi3 N 4 からなる第2のターゲット材料とを
組合せ、これらを銅製のバッキングプレートにボンディ
ングし、厚さ 6mmのモザイクターゲットを作製した。な
お、Biからなる第1のターゲット材料とSi3 N 4 からな
る第2のターゲット材料の面積比は、Biからなる第1の
ターゲット材料のスパッタ率に応じて、第1のターゲッ
ト材料の面積が目的組成に基く面積比より小さくなるよ
うに設定した。
【0029】上述したようなモザイクターゲットをRF
マグネトロンスパッタ装置に設置して、スパッタ成膜を
行った。その結果、Biからなる第1のターゲット材料の
浸食がSi3 N 4 からなる第2のターゲット材料の浸食に
対して早いため、Bi部分が先に消費尽くされ、ターゲッ
トライフは40時間であった。
【0030】実施例1 図1に示したように、バッキングプレート3に厚さ 1m
m、幅30mmの溝を設け、そこに強磁性材料板5としてFe
板を埋め込んだ。このようなバッキングプレート3上
に、Biからなる第1のターゲット材料1とSi3 N 4 から
なる第2のターゲット材料2とを組合せ、Biからなる第
1のターゲット材料1がFe板(5)上に配置されるよう
にボンディングして、モザイクターゲット4を得た。な
お、Biからなる第1のターゲット材料1とSi3 N 4 から
なる第2のターゲット材料2の面積比は、膜組成が比較
例1と同じになるように、比較例1に比べてBiからなる
第1のターゲット材料1の幅を広げ、Si3 N 4 からなる
第2のターゲット材料2の幅を狭くした。
【0031】上述したようなモザイクターゲットをRF
マグネトロンスパッタ装置に設置して、比較例1と同様
にスパッタ成膜を行った。その結果、比較例1と同様の
組成および特性の膜が得られた上で、Biからなる第1の
ターゲット材料1およびSi3N4 からなる第2のターゲッ
ト材料2共ほぼ同時に消費尽くされ、ターゲットライフ
は 100時間であった。
【0032】また、比較例1によるモザイクターゲット
と、強磁性材料板を配置した実施例1によるモザイクタ
ーゲットのBi部分上方における磁界強度をそれぞれ測定
した。それら結果をターゲット中心からの距離と磁界強
度との関係として図5に示す。図5から明らかなよう
に、実施例1によるモザイクターゲットによれば、Bi部
分上方の磁界強度が低下していることが分かる。
【0033】さらに、比較例1によるモザイクターゲッ
トと、強磁性材料板を配置した実施例1によるモザイク
ターゲットのスパッタ時間に対する浸食深さをそれぞれ
測定した。それら結果をスパッタ時間と浸食深さとの関
係として図6に示す。図6から明らかなように、実施例
1によるモザイクターゲットによれば、Bi部分の浸食速
度が低下して、Si3 N 4 部分の浸食速度とほぼ同等とな
り、ターゲット寿命が大幅に向上していることが分か
る。
【0034】実施例2 バッキングプレートに厚さ 1mm、幅20mmの溝を設け、そ
こに強磁性材料板としてパーマロイ板を埋め込んだバッ
キングプレートを用いた以外は、実施例1と同様のモザ
イクターゲットを作製した。このモザイクターゲットを
用いて、同様にスパッタ成膜を行ったところ、比較例1
と同様の組成および特性の膜が得られ、ターゲットライ
フは70時間であった。
【0035】比較例2 長方形のターゲットにおいて、Moからなる第1のターゲ
ット材料とSiからなる第2のターゲット材料とを組合
せ、これらを銅製のバッキングプレートにボンディング
し、厚さ 6mmのモザイクターゲットを作製した。なお、
Moからなる第1のターゲット材料とSiからなる第2のタ
ーゲット材料の面積比は、Moからなる第1のターゲット
材料のスパッタ率に応じて、第1のターゲット材料の面
積が目的組成に基く面積比より小さくなるように設定し
た。
【0036】上述したようなモザイクターゲットをRF
マグネトロンスパッタ装置に設置して、スパッタ成膜を
行った。その結果、Moからなる第1のターゲット材料の
浸食がSiからなる第2のターゲット材料の浸食に対して
早いため、Mo部分が先に消費尽くされ、ターゲットライ
フは 200時間であった。
【0037】実施例3 バッキングプレートに厚さ 1mm、幅30mmの溝を設け、そ
こに強磁性材料板としてFe板を埋め込んだ。このような
バッキングプレート上に、Moからなる第1のターゲット
材料1とSiからなる第2のターゲット材料2とを組合
せ、Moからなる第1のターゲット材料がFe板上に配置さ
れるようにボンディングして、モザイクターゲットを得
た。なお、Moからなる第1のターゲット材料とSiからな
る第2のターゲット材料の面積比は、膜組成が比較例2
と同じになるように、比較例2に比べてMoからなる第1
のターゲット材料の幅を広げ、Siからなる第2のターゲ
ット材料の幅を狭くした。
【0038】このようなモザイクターゲットをRFマグ
ネトロンスパッタ装置に設置して、比較例2と同様にス
パッタ成膜を行った。その結果、比較例2と同様の組成
および特性の膜が得られた上で、Moからなる第1のター
ゲット材料およびSiからなる第2のターゲット材料共ほ
ぼ同時に消費尽くされ、ターゲットライフは 400時間で
あった。
【0039】実施例4 バッキングプレートに厚さ 1mm、幅20mmの溝を設け、そ
こに強磁性材料板としてパーマロイ板を埋め込んだバッ
キングプレートを用いた以外は、実施例3と同様のモザ
イクターゲットを作製した。このモザイクターゲットを
用いて、同様にスパッタ成膜を行ったところ、比較例2
と同様の組成および特性の膜が得られ、ターゲットライ
フは 340時間であった。
【0040】比較例3 長方形のターゲットにおいて、Moからなる第1のターゲ
ット材料とTaからなる第2のターゲット材料とを組合
せ、これらを銅製のバッキングプレートにボンディング
し、厚さ 6mmのモザイクターゲットを作製した。なお、
Moからなる第1のターゲット材料とTaからなる第2のタ
ーゲット材料の面積比は、Moからなる第1のターゲット
材料のスパッタ率に応じて、第1のターゲット材料の面
積が目的組成に基く面積比より小さくなるように設定し
た。
【0041】上述したようなモザイクターゲットをRF
マグネトロンスパッタ装置に設置して、スパッタ成膜を
行った。その結果、Moからなる第1のターゲット材料の
浸食がTaからなる第2のターゲット材料の浸食に対して
早いため、Mo部分が先に消費尽くされ、ターゲットライ
フは 100時間であった。
【0042】実施例5 バッキングプレートに厚さ 1mm、幅30mmの溝を設け、そ
こに強磁性材料板としてFe板を埋め込んだ。このような
バッキングプレート上に、Moからなる第1のターゲット
材料1とTaからなる第2のターゲット材料2とを組合
せ、Moからなる第1のターゲット材料がFe板上に配置さ
れるようにボンディングして、モザイクターゲットを得
た。なお、Moからなる第1のターゲット材料とTaからな
る第2のターゲット材料の面積比は、膜組成が比較例3
と同じになるように、比較例3に比べてMoからなる第1
のターゲット材料の幅を広げ、Taからなる第2のターゲ
ット材料の幅を狭くした。
【0043】このようなモザイクターゲットをRFマグ
ネトロンスパッタ装置に設置して、比較例3と同様にス
パッタ成膜を行った。その結果、比較例3と同様の組成
および特性の膜が得られた上で、Moからなる第1のター
ゲット材料およびTaからなる第2のターゲット材料共ほ
ぼ同時に消費尽くされ、ターゲットライフは 200時間で
あった。
【0044】実施例6 バッキングプレートに厚さ 1mm、幅20mmの溝を設け、そ
こに強磁性材料板としてパーマロイ板を埋め込んだバッ
キングプレートを用いた以外は、実施例5と同様のモザ
イクターゲットを作製した。このモザイクターゲットを
用いて、同様にスパッタ成膜を行ったところ、比較例3
と同様の組成および特性の膜が得られ、ターゲットライ
フは 140時間であった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスパッタ
ターゲットによれば、スパッタ率が異なる複数のターゲ
ット材料の浸食量を容易に均一化させることが可能とな
る。この浸食量の均一化は、DCスパッタおよびRFス
パッタにかかわらず、さらにカソード形状の変更や不純
物材料の混入、ダスト発生等を招くことなく達成するこ
とができる。従って、各種のターゲット材料を用いたモ
ザイクターゲットを、容易にかつ膜特性等に悪影響を与
えることなく、長寿命化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスパッタターゲットの一実施形態を
示す図であって、(a)はその平面図、(b)は断面図
である。
【図2】 図1に示すスパッタターゲットの変形例を示
す断面図である。
【図3】 図1に示すスパッタターゲットの他の変形例
を示す断面図である。
【図4】 本発明のスパッタターゲットにおけるカソー
ドからの磁界分布を模式的に示す図である。
【図5】 実施例1によるモザイクターゲットのBi部分
上方における磁界強度を従来のターゲットと比較して示
す図である。
【図6】 実施例1によるモザイクターゲットのスパッ
タ時間と浸食深さとの関係を従来のターゲットと比較し
て示す図である。
【符号の説明】
1……第1のスパッタ材料 2……第2のスパッタ材料 3……バッキングフレート 4……モザイクターゲット 5……強磁性材料板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平山 秀雄 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 日高 浩二 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モザイク状に配置されたスパッタ率が異
    なる複数のターゲット材料の、前記複数のターゲット材
    料のうち、スパッタ率が大きいターゲット材料の下方
    に、強磁性材料板が配置されていることを特徴とするス
    パッタターゲット。
  2. 【請求項2】 モザイク状に配置された複数のターゲッ
    ト材料と、前記複数のターゲット材料を支持するバッキ
    ングプレートとを具備するスパッタターゲットにおい
    て、 前記複数のターゲット材料のうち、スパッタ率が大きい
    ターゲット材料の下方に、強磁性材料板が配置されてい
    ることを特徴とするスパッタターゲット。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のスパッタターゲットにお
    いて、 前記強磁性材料板は、前記バッキングプレート内に埋め
    込まれていることを特徴とするスパッタターゲット。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載のスパッタ
    ターゲットにおいて、前記強磁性材料板は、前記ターゲ
    ット材料内に埋め込まれていることを特徴とするスパッ
    タターゲット。
  5. 【請求項5】 モザイク状に配置された複数のスパッタ
    率が異なるターゲット材料と、前記複数のターゲット材
    料を支持するバッキングプレートとを具備するスパッタ
    ターゲットにおいて、 前記複数のターゲット材料のうち、スパッタ率が大きい
    ターゲット材料の下方に、飽和磁束密度が 1テスラ以上
    の材料板が配置されていることを特徴とするスパッタタ
    ーゲット。
JP21858395A 1995-08-28 1995-08-28 スパッタターゲット Withdrawn JPH0967668A (ja)

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