JPH0967442A - オルガノポリシロキサンエマルジョンの連続的製造方法 - Google Patents
オルガノポリシロキサンエマルジョンの連続的製造方法Info
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- JPH0967442A JPH0967442A JP24557495A JP24557495A JPH0967442A JP H0967442 A JPH0967442 A JP H0967442A JP 24557495 A JP24557495 A JP 24557495A JP 24557495 A JP24557495 A JP 24557495A JP H0967442 A JPH0967442 A JP H0967442A
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Abstract
び保存安定性に優れたオルガノポリシロキサンエマルジ
ョンを連続的に大量生産することのできる方法を提供す
る。 【構成】 下記(I)工程および(II)工程からなるオ
ルガノポリシロキサンエマルジョンの連続的製造方法。 (I)軸方向視で半径方向に対し斜めに傾斜した羽根を
持つタービン型ローターとステーターとからなる第1段
目の剪断撹拌機構と、軸方向に対し螺旋状に湾曲した羽
根を持つタービン型ローターとステーターとからなる第
2段目の剪断撹拌機構を配置した混合装置に、(a)液状
または生ゴム状のオルガノポリシロキサンと(b)乳化剤
と(c)水を連続供給し、オルガノポリシロキサン含有量
が10〜99重量%の水中オルガノポリシロキサンエマ
ルジョンとして吐出する工程。 (II)(I)工程で得られたエマルジョンと希釈用とし
ての水を上記工程(I)と同様な混合装置に導入し、混
合する工程。
Description
ンエマルジョンの連続的製造方法に関し、詳しくは、均
質性および保存安定性に優れたオルガノポリシロキサン
エマルジョンを生産性よく製造する方法に関する。
エマルジョンは、潤滑剤,離型剤,繊維処理剤,ガラス
繊維処理剤,化粧用基剤,艶出剤,塗料添加剤等とし
て、広く産業用に使用されている。従来、かかるオルガ
ノポリシロキサンエマルジョンの製造方法としては、原
料である液状のオルガノポリシロキサン,乳化剤,水
を、ヘンシェルミキサー,ニーダーミキサー等の撹拌作
用を与える混合機で混合する方法、コロイドミル,ホモ
ミキサー等の剪断作用を与えて混合する方法等が知られ
ている。また、特公昭59−51565号公報によれ
ば、回転軸に3枚以上の円板を一定の間隔に固定した撹
拌羽根を円筒状容器に内設し、この円筒状容器にジオル
ガノポリシロキサン油,乳化剤および水を連続的に供給
しながら撹拌羽根で剪断撹拌を行うようにする方法が提
案されている。
れもオルガノポリシロキサンを連続生産により大量生産
しようとすると、均質で分散性の高いオルガノポリシロ
キサンエマルジョンにすることが難しく、生産性に劣る
という問題があった。特に、特公昭59−51565号
公報の方法は、均質なエマルジョンにするためには加圧
下で剪断撹拌を行う必要があるため駆動エネルギーの増
大による運転コストが増加し、かつ装置構造上の補強コ
ストの点で不利にならざるを得なかった。さらに該公報
の方法で得られる物質はグリース状シリコーン水性液で
あり、前記各用途に供するためには、さらに振とう機等
を使って回分操作的に該グリース状シリコーン水性液を
水に溶解し、希釈する必要があった。
点を解決する方法として、先に、加圧下にすることなく
低駆動力で均質で分散性の高いオルガノポリシロキサン
エマルジョンを連続的に大量生産可能にする方法を提案
したが(特願平7ー9248号参照)、さらに検討した
結果、前記各種用途に適した濃度に水で希釈されたオル
ガノポリシロキサンエマルジョンを連続的に直接製造で
きる方法を見出し本発明に至った。即ち、本発明の目的
は、特殊な剪断撹拌機構を使用することにより、加圧下
にすることなく低駆動力で、用途に適した濃度に水で希
釈された均質性および保存安定性に優れたオルガノポリ
シロキサンエマルジョンを連続的に大量生産可能にする
生産性に優れたオルガノポリシロキサンエマルジョンの
連続的製造方法を提供することにある。
明によるオルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方
法は、下記(I)工程および(II)工程からなることを
特徴とするオルガノポリシロキサンエマルジョンの連続
的製造方法である。 (I)筒状ケーシングの供給口と吐出口との間のケーシ
ング内に、軸方向視で半径方向に対し斜めに傾斜した羽
根を持つタービン型ローターと、該ローター外周に配置
したステーターとからなる第1段目の剪断撹拌機構と、
軸方向に対し螺旋状に湾曲した羽根を持つタービン型ロ
ーターと、該ローター外周に配置したステーターとから
なる第2段目の剪断撹拌機構との少なくとも2組を原料
供給方向に直列且つ機構相互間に緩和域を介して配置し
た混合装置の前記供給口に、原料の(a)液状または生ゴ
ム状のオルガノポリシロキサンと(b)乳化剤と(c)水を
連続供給し、これら原料に前記第1段目の剪断撹拌機構
により主として吸入作用と剪断速度100/秒以上の剪
断作用を与え、次いで前記緩和域を経たのち前記第2段
目の剪断撹拌機構により主として位相の反転または回転
作用と剪断速度100/秒以上の剪断作用を与えて、前
記吐出口からオルガノポリシロキサン含有量が10〜9
9重量%の水中オルガノポリシロキサンエマルジョンと
して吐出する工程。 (II)続いて、前記(I)工程で得られた水中オルガノ
ポリシロキサンのエマルジョンと希釈用としての水を、
筒状ケーシングの供給口と吐出口との間のケーシング内
に、軸方向視で半径方向に対し斜めに傾斜した羽根を持
つタービン型ローターと、該ローター外周に配置したス
テーターとからなる第1段目の剪断撹拌機構と、軸方向
に対し螺旋状に湾曲した羽根を持つタービン型ローター
と、該ローター外周に配置したステーターとからなる第
2段目の剪断撹拌機構との少なくとも2組を原料供給方
向に直列且つ機構相互間に緩和域を介して配置した混合
装置の筒状ケーシングの供給口に連続的に供給し、これ
ら原料に前記第1段目の剪断撹拌機構により主として吸
入作用と剪断速度100/秒以上の剪断作用を与え、次
いで前記緩和域を経たのち前記第2段目の剪断撹拌機構
により主として位相の反転または回転作用と剪断速度1
00/秒以上の剪断作用を与えて、該筒状ケーシングの
吐出口から水で希釈された水中オルガノポリシロキサン
のエマルジョンとして吐出する工程。
(I)工程で、第1段目の剪断撹拌機構が軸方向視で半
径方向に対して斜めに傾斜した羽根を持つタービン型ロ
ーターと、該ローター外周に配置したステーターとから
構成されているため、原料は吸入作用を受け、かつ剪断
速度100/秒以上の剪断作用を受け、また第2段目の
剪断撹拌機構が螺旋状の羽根を持つタービン型ローター
とステーターとから構成されているため、混合物はター
ビン型ローターの螺旋状の羽根とステーターとの間で剪
断速度100/秒以上の強い剪断作用を受けると同時
に、回転軸に対し斜行した螺旋状羽根の側面に押圧され
て位相を半径方向や周方向に強制変更する強い反転また
は回転作用を受け、これらの作用が相乗することにより
オルガノポリシロキサンのエマルジョン化が進行する。
に連続する剪断撹拌機構間に緩和域を介して少なくとも
2段階にわたり繰り返されるためエマルジョン化が一層
進行し、均質で分散性の高いオルガノポリシロキサンの
エマルジョンが得られるようになる。
(I)工程で得られた高濃度のオルガノポリシロキサン
エマルジョンと希釈用としての水が、それぞれ互いに独
立に、筒状ケーシングの供給口と吐出口との間のケーシ
ング内に、軸方向視で半径方向に対し斜めに傾斜した羽
根を持つタービン型ローターと、該ローター外周に配置
したステーターとからなる第1段目の剪断撹拌機構と、
軸方向に対し螺旋状に湾曲した羽根を持つタービン型ロ
ーターと、該ローター外周に配置したステーターとから
なる第2段目の剪断撹拌機構との少なくとも2組を原料
供給方向に直列且つ機構相互間に緩和域を介して配置し
た混合装置の供給口に連続的に供給することで、該エマ
ルジョンと該希釈用の水は第1段目の剪断撹拌機構にお
いて吸入作用と剪断速度100/秒以上の剪断作用を受
け、次いで第2段目の剪断撹拌機構において剪断速度1
00/秒以上の剪断作用と反転または回転作用を受ける
ことで、未溶解の高濃度オルガノポリシロキサンエマル
ジョンが残留することなく、用途に適した濃度に均一に
水で希釈されたエマルジョンが連続的に直接得られるよ
うになる。ここで、本発明において「剪断速度」Vs
(1/秒)とは、タービン型ローターの周速度V(cm/
秒)と、その周速度の周面とステーター内面との隙間C
(cm)とから、下記式Iによって与えられるものをい
う。 Vs(1/秒)=V/C ・・・・I 尚、本発明の製造方法においては、上記(II)工程で使
用される混合装置は上記(I)工程で使用される混合装
置と同じ種類の装置であってもよいし、異種の装置であ
ってもよい。
置を参照して説明する。図1は、本発明によるオルガノ
ポリシロキサンエマルジョンの連続的製造方法を実施す
る混合装置を示す概略図である。図1において、1は軸
方向を横置きされた筒状ケーシングで、その一方の端部
に原料の供給口2が設けられ、他方の端部に混練後のエ
マルジョンが吐出する吐出口3が設けられている。筒状
ケーシング1には軸心に回転軸4が挿入されている。図
において、その回転軸4は筒状ケーシング1の左端側か
ら挿入され、右端の供給口2近くまで延長しており、か
つケーシング外側のモーター(図示せず)によって駆動
されるようになっている。この回転軸4には、供給口2
側の端部と中間部とにそれぞれローター5,7が固定さ
れ、さらにこれらローター5,7の外周側を囲むよう
に、それぞれ筒状ケーシング1の内周壁に固定されたス
テーター6,8が小さな隙間を介して設けられている。
このようにして、ローター5とステーター6とは第1段
目の剪断撹拌機構9を構成し、またローター7とステー
ター8とは第2段目の剪断撹拌機構10を構成し、かつ
第1段目の剪断撹拌機構9と第2段目の剪断撹拌機構1
0との間に比較的容積の大きな緩和空間11を設けてい
る。
ター5はタービン型ローターとして構成され、複数の羽
根5aが供給口2側に向けて放射状かつコーン状に延び
ている(図2及び図5参照)。これら複数の羽根5a
は、それぞれ平面視では軸方向に実質的に平行である
が、側面視では軸方向に対して傾斜し、かつ軸方向視で
は半径方向に対して斜めに傾斜するように取り付けられ
ている。
ー6は、ほぼコーン状の内周面を形成し、かつその内周
面に軸方向に延びる凹溝6bを有している。このコーン
状のステーター6の内側に上記ローター5がその羽根5
aの外周端との間に小さな隙間を介するように挿入さ
れ、その最小隙間が2mm以下、さらに好ましくは1mm以
下になるようにしている(図2参照)。また、第2段目
の剪断撹拌機構10を構成するローター7は、上記同様
にタービン型ローターとして構成されているが、複数の
羽根7aが軸方向に対し螺旋状に形成されている点で剪
断撹拌機構9とは異なっている。しかも、羽根7aの半
径方向高さは、剪断撹拌機構9のローター5の羽根5a
よりも短く形成されている(図3参照)。
ーン状に形成され、内周面に軸方向に延びる複数の直線
溝8bを設けている。このステーター8に上記ローター
7が螺旋状の羽根7aの外周面との間に小さな隙間を介
するように挿入されている。この隙間の形状は、図1に
示すように上流側から下流側に向けて楔状に次第に狭く
なるように形成され、最小隙間が2mm以下、さらに好ま
しくは1mm以下になるようにしてある。
の下流側端面(軸方向に垂直な面)には、多数の鋸刃状
の突起12が後方に突出するように設けられ、ステータ
ー部13側に設けた多数の鋸刃状の突起13aと半径方
向に小隙間を介して交互に配列されている。しかも、こ
れら突起12と13aの配列は螺旋状に湾曲して半径方
向に放射状になっている(図1および図4参照)。
ルジョンの製造方法では、上記した(I)工程で、少な
くとも第1段目の剪断撹拌機構9と第2段目の剪断撹拌
機構10とを直列に配列した混合装置の原料供給口2
に、(a)液状または生ゴム状のオルガノポリシロキサ
ン、(b)乳化剤、(c)水からなる3種類の原料を、それ
ぞれ互いに独立に供給するか、あるいはこれらを予め予
備混合した混合物として供給する。先ず第1段目の剪断
撹拌機構9は、ローター5の羽根5aが軸方向視で半径
方向に斜めに傾斜した放射状になっていることにより、
主として原料の吸入作用を行うと共に、併せて羽根5a
の外周面とステーター6の内壁との間で3種類の原料に
剪断作用(カッティング作用)を与えることにより液状
または生ゴム状のオルガノポリシロキサンを微粒化、乳
化させて初期エマルジョン化を行う。ここでの剪断作用
は、剪断速度100/秒以上の剪断を与えるようにす
る。第1段目の剪断撹拌機構9で初期エマルジョン化さ
れた混合物は、途中の流路14で絞られたのち緩和空間
11に供給され、この緩和空間11で圧縮状態からいっ
たん開放されたのち、第2段目の剪断撹拌機構10に吸
入される。第2段目の剪断撹拌機構10では、ローター
7の螺旋状羽根7aとステーター8との本体機構部分に
より粗砕作用が行われ、さらに下流端面に設けた鋸刃状
突起12とステーター部13の鋸刃状突起13aとの噛
み合わせに基づく剪断作用により磨砕作用が行われる。
ローター7の羽根7aとステーター8の内壁面とに囲ま
れた空間に導入された混合物は、軸方向に斜めに湾曲し
た羽根7aの作用により位相の反転または回転作用を受
け、位相を半径方向及び周方向に変化させる。混合物は
反転または回転作用を受けながら、同時に羽根7aの外
周面と複数の直線溝8bを設けたステーター8の内周面
との間で剪断作用(カッティング作用)が与えられるた
め、さらに微細かつ均一にエマルジョン化される。ここ
での剪断作用は、上記同様に剪断速度100/秒以上の
剪断を与えるようにする。
は、下流側の鋸刃状突起12と13aとの磨砕部におい
て、さらに微細にエマルジョン化され、分散性の高い均
質なオルガノポリシロキサンエマルジョンとなり、筒状
ケーシング1の吐出口3からオルガノポリシロキサン含
有量10〜99重量%、好ましくは20〜99重量%の
水中オルガノポリシロキサンエマルジョンとして吐出さ
れる。ここで吐出されたオルガノポリシロキサンエマル
ジョンは、通常、(a)液状または生ゴム状のオルガノポ
リシロキサン10〜99重量%、(b)乳化剤0.1〜8
9重量%、(c)水1.0〜89重量%からなる。
(I)工程で得られた高濃度のオルガノポリシロキサン
エマルジョンと希釈用としての水をそれぞれ互いに独立
に、前記の剪断撹拌機構9および10を直列に配列した
別の混合装置の原料供給口2に連続的に供給する。先
ず、第1段目の剪断撹拌機構9において、主として原料
の吸入作用と共に、原料に剪断作用(カッティング作
用)を与えることによる初期混合及び溶解を行う。ここ
での剪断作用は、剪断速度100/秒以上の剪断を与え
るようにする。第1段目の剪断撹拌機構9で初期混合及
び溶解された混合物は、途中の流路14で絞られたのち
緩和空間11に供給され、この緩和空間11で圧縮状態
からいったん開放されたのち、第2段目の剪断撹拌機構
10に吸入される。第2段目の剪断撹拌機構10では、
粗砕作用並びに磨砕作用が行われる。ローター7の羽根
7aとステーター8の内壁面とに囲まれた空間に導入さ
れた混合物は、軸方向に斜めに湾曲した羽根7aの作用
により位相の反転または回転作用を受け、位相を半径方
向及び周方向に変化させる。混合物は反転または回転作
用を受けながら、同時に羽根7aの外周面と複数の直線
溝8bを設けたステーター8の内周面との間で剪断作用
(カッティング作用)が与えられるため、さらに微細か
つ均一に溶解される。ここでの剪断作用は、上記同様に
剪断速度100/秒以上の剪断を与えるようにする。こ
のように溶解されたオルガノポリシロキサンエマルジョ
ンと水の混合物は、下流側の鋸刃状突起12と13aと
の磨砕部においてさらに微細に溶解され均一化され、各
用途に適した濃度に水で希釈された分散性の高い均質な
オルガノポリシロキサンエマルジョンとなり、筒状ケー
シング1の吐出口3から吐出される。
リシロキサンエマルジョンの連続的製造を行うに当たっ
て、原料の液状または生ゴム状のオルガノポリシロキサ
ン,乳化剤及び水は、そのまま別々に(I)工程の原料
供給口に送り込んでもよいが、予めこれらの原料を予備
混合してから供給するようにしてもよい。また、(II)
工程で使用される希釈用としての水は、(I)工程で得
られた比較的高濃度のオルガノポリシロキサンエマルジ
ョンとは互いに独立に供給するとよい。
マルジョンを連続的製造するに当たり、空気,窒素ガス
等の不活性ガスを吹き込みながら剪断撹拌操作を行うよ
うにすると、さらに均質性および安定性に優れたオルガ
ノポリシロキサンエマルジョンとすることができ、さら
に上記混合装置内の圧力の低減並びにそれに伴う撹拌駆
動力の低減を可能にする。かかるガスの吹き込みは、通
常原料の供給口において行うようにするとよい。
向に対して斜めに傾斜したタービン型ローターとステー
ターとから構成された第1段目の剪断撹拌機構と羽根が
軸方向に対し螺旋状に湾曲したタービン型ローターとス
テーターとから構成された第2段目の剪断撹拌機構との
少なくとも2組を直列に設けることが重要である。ま
た、さらに微細なエマルジョン化並びに溶解・均一化が
必要な場合には、この2組直列の組合せを、それぞれの
目的に対して複数回直列に繰り返すように連結してもよ
い。このような少なくとも2段の組み合わせによって高
度に微細化されたエマルジョン化並びに溶解・均一化を
可能にし、また主として原料の吸入と剪断作用を行う第
1段目の剪断撹拌機構を前段にし、主として反転または
回転作用と剪断作用とを同時に行う第2段目の剪断撹拌
機構を後段に配置したことにより、混合物を低圧力下、
かつ低駆動力でエマルジョン化並びに溶解・均一化する
ことが可能になる。さらに、第1段目と第2段目との剪
断撹拌機構の間に、十分な空間からなる緩和域を設ける
ことにより上記作用効果を一層向上させることができ
る。各剪断撹拌機構では、タービン型ローターとステー
ターとの間で混合物に100/秒以上、好ましくは1
0,000〜300,000/秒の剪断速度を与えるよう
にする。混合物に与える剪断速度が100/秒未満であ
っては、本発明が目的とする用途に適した濃度に水で希
釈された均質で分散性の高いエマルジョンを得ることが
できなくなる。また、少なくとも2段目以降の剪断撹拌
機構は、前半の剪断作用を粗砕部として粗くエマルジョ
ン化並びに溶解・均一化し、さらに後半の剪断作用を磨
砕部として緻密に磨り潰すようにして溶解・均一化させ
るとよい。また、本発明の連続的製造方法においては、
混合物に上記のような高い剪断速度を作用させることに
加えて、タービン型ローターの螺旋翼によって強い反転
作用を加えるようにする。この反転作用によって、混合
物は半径方向や周方向に位相を絶えず変化させ、これが
上記剪断作用と相乗することによって混合物を一層効率
よく均質なエマルジョンにすることが可能になる。
リシロキサンは、常温にて液状または生ゴム状を呈する
オルガノポリシロキサンであればよく、その種類等につ
いては特に限定されない。かかるオルガノポリシロキサ
ンの代表例としては、次の平均単位式で示される化合物
がある。式:RaSiO(4-a)/2(式中、Rはメチル
基,エチル基,プロピル基等のアルキル基、フェニル
基,トリル基等のアリール基、これらの基の炭素原子結
合水素原子の一部または全部がクロロメチル基,3,3,
3−トリフルオロプロピル基のような置換または非置換
の1価炭化水素基であり、aは1.9〜2.1の数であ
る)。かかるオルガノポリシロキサンとしては、例え
ば、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロ
キサン,両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサ
ン,両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサ
ン・フェニルメチルシロキサン共重合体,両末端シラノ
ール基封鎖ジメチルシロキサン・フェニルメチルシロキ
サン共重合体,両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチ
ルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体,両末端
シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロ
キサン共重合体,両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメ
チルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロ
ピル)シロキサン共重合体,両末端シラノール基封鎖ジ
メチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプ
ロピル)シロキサン共重合体等が挙げられる。また、そ
の分子構造は線状,一部分枝した線状,網目状等が挙げ
られる。これらの中でも線状のオルガノポリシロキサン
が好ましく使用される。かかるオルガノポリシロキサン
の粘度は液状のオルガノポリシロキサンの場合には、粘
度が25℃において1万センチストークス以上であるこ
とが好ましい。また、生ゴム状のオルガノポリシロキサ
ンのように非常に粘度の高いものを使用する場合はこれ
らを溶剤に溶解して使用してもよい。尚、本発明に使用
されるオルガノポリシロキサンに、必要に応じてシリカ
微粉末等の添加剤を含有させることは本発明の目的を損
なわない限りさしつかえない。
ては、ポリオキシアルキレンエーテル,ポリオキシアル
キレンアルキルフェノールエーテル,ポリオキシアルキ
レンアルキルエステル,ポリオキシアルキレンソルビタ
ンアルキルエステル,ポリプロピレングリコール,ジエ
チレングリコール等の非イオン系界面活性剤、ラウリン
酸ナトリウム,ステアリン酸ナトリウム,オレイン酸ナ
トリウム,リノレン酸ナトリウム等の脂肪酸塩,ヘキシ
ベンゼンスルホン酸,オクチルベンゼンスルホン酸,ド
デシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホ
ン酸及びその塩,オクチルトリメチルアンモニウムヒド
ロキシド,ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシ
ド,アルキルスルホネート,ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面
活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド,
ベンジルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤が挙
げられる。これらの界面活性剤は2種以上を併用しても
よい。本成分の配合量は、(a)成分の液状または生ゴム
状のオルガノポリシロキサンを(c)成分の水中に乳化す
るのに十分な量であり、(I)工程で得られるオルガノ
ポリシロキサンエマルジョン中に占める(b)成分の乳化
剤の量が0.1〜89重量%となる量が好ましい。ま
た、(a)成分の液状または生ゴム状のオルガノポリシロ
キサン100重量部に対して、1.0〜100重量部の
範囲内にあることが好ましい。
イオン交換水等が使用される。(I)工程で使用される
水の量は(I)工程得られるエマルジョン中の水の量が
1.0〜89重量%となる量であり、好ましくは1.0〜
79重量%となる量である。また、(I)工程で使用さ
れる水の量は(a)成分のオルガノポリシロキサン100
重量部に対して好ましくは1〜400重量部の範囲内で
ある。また、(II)工程で希釈用として使用される水の
量は、(a)成分のオルガノポリシロキサン100重量部
に対して1〜2,000重量部の範囲内にあることが好
ましい。
オルガノポリシロキサンエマルジョンは、通常、水の中
に液状または生ゴム状のオルガノポリシロキサンが乳化
分散したエマルジョンとして得られる。また、本発明の
連続的製造方法によって得られたオルガノポリシロキサ
ンエマルジョンは、通常、平均粒子径が0.1〜50μ
mの範囲内にある。
ノポリシロキサンエマルジョンは、そのまま繊維処理
剤,潤滑剤,離型剤,ガラス繊維処理剤,化粧品用油
剤,艶出剤,消泡剤,塗料添加剤等の用途に使用され
る。
装置を使用し、その1台目の混合装置の原料供給口2
に、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロ
キサン(25℃における粘度6万センチストークス)1
00重量部とポリオキシエチレンラウリルエーテル9.
0重量部とセチルトリメチルアンモニウムクロライド
3.4重量部とイオン交換水3.6重量部とを連続的に供
給し、均一に剪断撹拌操作を行って混合した後、該混合
装置の吐出口3から半透明なペースト状エマルジョン
(ジメチルポリシロキサン含有量86.2重量%)とし
て吐出した。さらに引き続いて該ペースト状エマルジョ
ン100重量部と希釈用としての水71重量部とを、2
台目の混合装置の原料供給口2に連続的に供給して均一
に剪断撹拌操作を行い、ジメチルポリシロキサンのエマ
ルジョン(ジメチルポリシロキサン含有量50.4重量
%)を製造した。ここで、上記1台目の混合装置の回転
軸4の回転数は4,200rpmとし、第1段目及び第
2段目の剪断撹拌機構9及び10の最小隙間をそれぞれ
0.2mmに設定し、第1段目及び第2段目の剪断撹拌機
構9及び10の剪断速度をそれぞれ93,000/秒及
び70,000/秒に設定した。また、上記1台目の混
合装置の原料供給口2及び吐出口3における圧力はそれ
ぞれ0.4kg/cm2G及び0.0kg/cm2Gであった。ま
た、上記2台目の混合装置の回転軸4の回転数は3,0
00rpmとし、第1段目及び第2段目の剪断撹拌機構
9及び10の最小隙間をそれぞれ0.2mmに設定し、第
1段目及び第2段目の剪断撹拌機構9及び10の剪断速
度をそれぞれ66,000/秒及び50,000/秒に設
定した。また、上記2台目の混合装置の原料供給口2及
び吐出口3における圧力はそれぞれ0.0kg/cm2G及び
0.0kg/cm2Gであった。上記剪断撹拌操作により得ら
れたジメチルポリシロキサンのエマルジョンは、水の中
にジメチルポリシロキサンが均一に分散し乳化した乳白
色のエマルジョンであり、その平均粒子径は0.4μm
であった。またこのエマルジョンの粘度は25℃におい
て200センチポイズであった。このエマルジョンは常
温にて6カ月間放置してもジメチルポリシロキサンと水
とは分離を起こすことのなく非常に安定なものであっ
た。
装置を使用し、その1台目の混合装置の原料供給口2
に、生ゴム状の両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチ
ルポリシロキサン(25℃における粘度1050万セン
チストークス)42重量部をイソパラフィン(40℃に
おける粘度2.4センチストークス、比重0.79)58
重量部に均一溶解した混合物(この混合物の25℃にお
ける粘度は10万センチストークスであった)100重
量部とポリオキシエチレンラウリルエーテル10重量部
とイオン交換水5.0重量部とを連続的に供給し、均一
に剪断撹拌操作を行って混合した後、該混合装置の吐出
口3から半透明なペースト状エマルジョン(ジメチルポ
リシロキサン含有量36.5重量%)として吐出した。
さらに引き続いて該ペースト状エマルジョンと希釈用と
しての水82.4重量部(1台目の混合装置から吐出さ
れた該ペースト状エマルジョン100重量部に対して7
1重量部に相当)とを、2台目の混合装置の原料供給口
2に連続的に供給して均一に剪断撹拌操作を行い、ジメ
チルポリシロキサン生ゴムエマルジョン(ジメチルポリ
シロキサン含有量21.3重量%)を製造した。ここ
で、上記1台目の混合装置の回転軸4の回転数は4,2
00rpmとし、第1段目及び第2段目の剪断撹拌機構
9及び10の最小隙間をそれぞれ0.2mmに設定し、第
1段目及び第2段目の剪断撹拌機構9及び10の剪断速
度をそれぞれ93,000/秒及び70,000/秒に設
定した。また、上記1台目の混合装置の原料供給口2及
び吐出口3における圧力はそれぞれ0.4kg/cm2G及び
0.0kg/cm2Gであった。また、上記2台目の混合装置
の回転軸4の回転数は3,000rpmとし、第1段目
及び第2段目の剪断撹拌機構9及び10の最小隙間をそ
れぞれ0.2mmに設定し、第1段目及び第2段目の剪断
撹拌機構9及び10の剪断速度をそれぞれ66,000
/秒及び50,000/秒に設定した。また、上記2台
目の混合装置の原料供給口2及び吐出口3における圧力
はそれぞれ0.0kg/cm2G及び0.0kg/cm2Gであっ
た。上記剪断撹拌操作により得られたジメチルポリシロ
キサンのエマルジョンは、水の中に生ゴム状のジメチル
ポリシロキサンが均一に分散し乳化した乳白色のエマル
ジョンであり、その平均粒子径は0.4μmであった。
このジメチルポリシロキサンエマルジョンは常温にて6
カ月間放置してもジメチルポリシロキサンと水とは分離
を起こすことのなく非常に安定なものであった。
均質で分散性が高く、保存安定性に優れたオルガノポリ
シロキサンエマルジョンを連続的に大量生産することが
できるという特徴を有する。
ョンの連続的製造方法を実施する混合装置の概略図であ
る。
ーターの斜視図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 下記(I)工程および(II)工程からな
ることを特徴とするオルガノポリシロキサンエマルジョ
ンの連続的製造方法。 (I)筒状ケーシングの供給口と吐出口との間のケーシ
ング内に、軸方向視で半径方向に対し斜めに傾斜した羽
根を持つタービン型ローターと、該ローター外周に配置
したステーターとからなる第1段目の剪断撹拌機構と、
軸方向に対し螺旋状に湾曲した羽根を持つタービン型ロ
ーターと、該ローター外周に配置したステーターとから
なる第2段目の剪断撹拌機構との少なくとも2組を原料
供給方向に直列且つ機構相互間に緩和域を介して配置し
た混合装置の前記供給口に、原料の(a)液状または生ゴ
ム状のオルガノポリシロキサンと(b)乳化剤と(c)水を
連続供給し、これら原料に前記第1段目の剪断撹拌機構
により主として吸入作用と剪断速度100/秒以上の剪
断作用を与え、次いで前記緩和域を経たのち前記第2段
目の剪断撹拌機構により主として位相の反転または回転
作用と剪断速度100/秒以上の剪断作用を与えて、前
記吐出口からオルガノポリシロキサン含有量が10〜9
9重量%の水中オルガノポリシロキサンエマルジョンと
して吐出する工程。 (II)続いて、前記(I)工程で得られた水中オルガノ
ポリシロキサンのエマルジョンと希釈用としての水を、
筒状ケーシングの供給口と吐出口との間のケーシング内
に、軸方向視で半径方向に対し斜めに傾斜した羽根を持
つタービン型ローターと、該ローター外周に配置したス
テーターとからなる第1段目の剪断撹拌機構と、軸方向
に対し螺旋状に湾曲した羽根を持つタービン型ローター
と、該ローター外周に配置したステーターとからなる第
2段目の剪断撹拌機構との少なくとも2組を原料供給方
向に直列且つ機構相互間に緩和域を介して配置した混合
装置の筒状ケーシングの供給口に連続的に供給し、これ
ら原料に前記第1段目の剪断撹拌機構により主として吸
入作用と剪断速度100/秒以上の剪断作用を与え、次
いで前記緩和域を経たのち前記第2段目の剪断撹拌機構
により主として位相の反転または回転作用と剪断速度1
00/秒以上の剪断作用を与えて、該筒状ケーシングの
吐出口から水で希釈された水中オルガノポリシロキサン
のエマルジョンとして吐出する工程。 - 【請求項2】 第2段目の剪断撹拌機構を構成するター
ビン型ローターの下流側端部の軸方向に垂直な面に多数
の鋸刃状突起を設け、該鋸刃状突起をステーター側に設
けた鋸刃状突起と小隙間を介して噛み合わせ状態にし
た、請求項1に記載のオルガノポリシロキサンエマルジ
ョンの連続的製造方法。 - 【請求項3】 タービン型ローターとステーターとの間
の最小隙間が2mm以下である、請求項1に記載のオルガ
ノポリシロキサンエマルジョンの連続的製造方法。 - 【請求項4】 液状のオルガノポリシロキサンの25℃
における粘度が1万センチストークス以上である、請求
項1に記載のオルガノポリシロキサンエマルジョンの連
続的製造方法。 - 【請求項5】 (I)工程で得られたエマルジョンが、
(a)液状または生ゴム状のオルガノポリシロキサン10
〜99重量%、(b)乳化剤0.1〜89重量%、(c)水
1.0〜89重量%からなるものである、請求項1に記
載のオルガノポリシロキサンエマルジョンの連続的製造
方法。 - 【請求項6】 (II)工程で使用される希釈用としての
水の量が、前記(I)工程で得られたオルガノポリシロ
キサンエマルジョン100重量部に対して1〜2,00
0重量部である、請求項1に記載のオルガノポリシロキ
サンエマルジョンの連続的製造方法。
Priority Applications (7)
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US08/704,478 US5741850A (en) | 1995-08-30 | 1996-08-27 | Method for the continuous preparation of organopolysiloxane emulsions |
CA002184341A CA2184341A1 (en) | 1995-08-30 | 1996-08-28 | Method for the continuous preparation of organopolysiloxane emulsions |
MXPA/A/1996/003738A MXPA96003738A (en) | 1995-08-30 | 1996-08-29 | Method for the continuous preparation of organopolisilox emulsions |
ES96306308T ES2150638T3 (es) | 1995-08-30 | 1996-08-30 | Metodo para la preparacion continua de emulsiones de organo-polisiloxano. |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1995
- 1995-08-30 JP JP24557495A patent/JP3549955B2/ja not_active Expired - Lifetime
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