JPH0967195A - ダイヤモンド結晶の製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド結晶の製造方法

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JPH0967195A
JPH0967195A JP7217961A JP21796195A JPH0967195A JP H0967195 A JPH0967195 A JP H0967195A JP 7217961 A JP7217961 A JP 7217961A JP 21796195 A JP21796195 A JP 21796195A JP H0967195 A JPH0967195 A JP H0967195A
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diamond
boron
diamond crystal
crystal
ion implantation
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JP7217961A
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Hiroyuki Yagyu
博之 柳生
Masahiro Deguchi
正洋 出口
Makoto Kitahata
真 北畠
Akio Hiraki
昭夫 平木
Toshimichi Ito
利道 伊藤
Akimitsu Hatta
章光 八田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶性回復処理の効果を多大に促進させ、より
残留欠陥密度の低い不純物含有層を有するダイヤモンド
結晶を形成することができるダイヤモンド結晶の製造方
法を提供することにある。 【解決手段】原料ガスとして一酸化炭素1、水素2、水
素希釈ジボラン3を用いた。各ガスの流量は質量流量制
御器4を用いて制御され、常に一定に保った。合成室と
なる反応管5は透明石英円筒から成り、その中央部にダ
イヤモンド結晶を成長させる下地となる基板6を設置し
た。基板6を設置した後、反応管5内を約0.1Pa以
下まで排気したのち、各バルブ7を開いて原料ガスを混
合した混合ガス8を導入し、その後、マイクロ波10の
エネルギーで導入して、原料ガスをプラズマ状態11に
した。このプラズマ状態11を約6時間維持し、基板6
上に膜厚約3μmのホウ素含有ダイヤモンド多結晶薄膜
を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体材料または
新機能材料としての気相合成のダイヤモンド結晶の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは、物質中で一番硬い物質
であり、また耐摩耗性が高いなど、その機械的性質は良
く知られているが、その他にも、5.5eVの間接遷移
型のエネルギーギャップを持ち、電気絶縁性が高く、そ
の反面電子と正孔の移動度がシリコンよりも大きいな
ど、ユニークな電気的性質を持っている。特に半導体的
性質を持ったダイヤモンドは、高耐圧素子、高温動作素
子、耐環境素子への応用が期待され続けてきた。
【0003】しかしながらその実用化を阻んでいる原因
として、ダイヤモンド結晶内の物質の拡散定数が極めて
小さいために、ダイヤモンドの導電型(p型、n型)を
制御するための不純物元素を添加(以下ドーピングとい
う)する場合、シリコンのような半導体で実用化されて
いる拡散法などの手法では非常に困難であることが挙げ
られる。故にイオン注入法のような物理的な不純物の導
入方法は、ダイヤモンド結晶のような物質の導電型制御
には必要不可欠なものである。
【0004】イオン注入法は所望の不純物を、制御性良
く、ターゲット(この場合ダイヤモンド)にドーピング
することができる方法であるが、不純物イオンが注入さ
れると、その運動エネルギーのために、ターゲットの結
晶に欠陥が発生する。シリコンのプロセスでは、高真空
中で、熱による焼き鈍し(以下アニーリングという)を
行うことによって、その結晶欠陥を修復できる。しかし
ながら、ダイヤモンドで同じプロセスを用いると、イオ
ン注入欠陥の周りで、炭素のもう一つの安定相であるグ
ラファィト(黒鉛)に相転位するなど、シリコンでは起
こらなかった現象が生じる。
【0005】この現象を回避する為に、アニーリング手
法を熱からプラズマやレーザー等に変える方法や、イオ
ン注入時のターゲット結晶温度を極めて低く、あるいは
極めて高く保持する方法など、多種多様な欠陥回復処理
が提案されている。これらの方法を用いて残留欠陥の低
減及び電気抵抗率の低下が達成されたと報告されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】p型及びn型半導体ダ
イヤモンドを作製する為のイオン注入技術において、イ
オン注入による結晶欠陥を回復させる為の手段として用
いられる各種の方法に関し、前述したような結晶性の回
復は見られているが、注入した不純物の量からすると、
考えられる抵抗率の低下率が小さい。その原因として、
注入された不純物が電気的に活性化していない(炭素原
子の置換位置に入っていない等)、または、まだ結晶中
に欠陥が多く残っており、それが荷電担体の寿命を下げ
たり、散乱因子として働いたりしているなど様々に孝え
られる。
【0007】本発明は、上記の点に鑑みて為されたもの
で、その目的とするところは結晶性回復処理の効果を多
大に促進させ、より残留欠陥密度の低い不純物含有層を
有するダイヤモンド結晶を形成することができるダイヤ
モンド結晶の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、イ
オン注入法により不純物含有層が形成され、かつ、イオ
ン注入後には不純物含有層の欠陥の除去または回復を行
うためのアニーリングが施されるダイヤモンド結晶の製
造方法に於いて、イオン注入以前に少なくとも注入不純
物含有領域となる領域に予めホウ素を微量添加したダイ
ヤモンド結晶を用いることを特徴とし、ホウ素が添加さ
れることによる結晶格子への作用から、イオン注入等の
外因的結晶欠陥の熱アニーリング等による回復処理に於
いて、極めて残留欠陥の少ないダイヤモンド結晶が得ら
れる。
【0009】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、イオン注入を被るダイヤモンド結晶の合成におい
て、添加されるホウ素の原料ガス組成に於ける添加量を
ホウ素原子対炭素原子比で1000ppm以下とするこ
とを特徴とする。請求項3の発明では、請求項1の発明
において、イオン注入を被るダイヤモンド結晶のホウ素
含有領域に関して、少なくともイオン注入元素の注入後
の原子密度が、ホウ素含有層中のホウ素原子密度より
も、少なくとも1桁程度は高くなるようにホウ素含有領
域を形成することを特徴とする。
【0010】請求項4の発明では、請求項1の発明にお
いて、イオン注入を被るダイヤモンド結晶のホウ素含有
領域が、ラマン散乱効果の測定に於いて、ダイヤモンド
結晶に起因する一次のラマンシフトピークの強度が、非
ダイヤモンド成分に起因するピークの強度よりも十分に
大きく且つダイヤモンド結晶に起因する一次のラマンシ
フトピークの半値幅が十分に小さいような高度な結晶格
子性を有することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】まず本発明の原理について説明す
る。一般にホウ素を含んだダイヤモンド結晶は天然でも
産出し、また人工でも合成され得る。特に薄膜状のダイ
ヤモンドが合成できる低圧気相合成法(化学蒸着法、C
VD法とも言う)は、ダイヤモンドの応用範囲を拡張す
るのに大いに貢献した合成法であると認識されている。
この方法では、ダイヤモンドの原料として、主に、メタ
ン、ブタン、アセチレン等のパラフィン系炭化水素、メ
タノール、エタノール等のアルコール類、一酸化炭素、
二酸化炭素、ケトン類等の広く炭素を含有する物質の少
なくとも一種類と水素との混合ガスを用いる。前記の原
料ガスにジボラン等のホウ素含有ガスをさらに混入させ
ることにより、ホウ素を含有したダイヤモンド結晶が容
易にかつ再現性良く合成される。
【0012】ホウ素の混入は、ダイヤモンド結晶の質
(結晶性とも言う)に影響を与えると言われている。ダ
イヤモンド結晶にホウ素のような異元素が混入した場
合、点欠陥の誘起や、結合半径の差や格子間位置に異元
素が入ることによる格子定数の変化等が生じることが考
えられるが、例えばChateignerらの文献 (Journal
ofCrystal Growth 第148巻110〜115頁(19
95年))によると、ホウ素含有濃度〔ホウ素含有濃度
とは、実際にダイヤモンド結晶中に含有されたホウ素原
子の濃度のことで、ダイヤモンド結晶合成時の、原料ガ
ス組成に於ける、ホウ素含有ガスの添加量をホウ素原子
対炭素原子比で表したもの(以下この値を使用する場合
に於いてのみ、仕込量と言う言葉をその値の前に添え
る)とは区別する〕が約100ppm(仕込量で約10
00ppmに相当)以下の時には、格子置換位置に入っ
たホウ素原子が、結晶欠陥を低減させ、ホウ素を含まな
い時よりも結晶格子定数を小さくさせる。また反対に、
ホウ素含有濃度が約100ppm以上の時には、ホウ素
原子同士が相互にポテンシャルを及ぼし得る領域中で存
在しあうようになり、その結果結晶格子定数は大きくな
る、と報告されている。またGheeraert らの文献(Diam
ond and Related Materals 第2巻742〜745頁
(1993年))によると、ラマン散乱の測定に於い
て、一次のラマンシフトピークの半値幅が、ホウ素仕込
量400ppmの時最小となり、それ以上の仕込量の時
でも、以下の仕込量の時でも、その半値幅は大きくな
る、と報告されている。一般に、一次のラマンシフトピ
ークの半値幅が小さいほど、結晶の質が高い、すなわち
種々の結晶欠陥が少ない、と理解されており、前記の報
告はホウ素仕込量400ppmの時に於いて、合成され
たホウ素含有ダイヤモンド結晶の結晶欠陥が最も低減さ
れている可能性を示唆するものである。
【0013】以上のように含有ホウ素がダイヤモンド結
晶の質の向上に貢献することが指摘されているわけであ
るが、イオン注入によって発生した結晶欠陥を回復させ
るためのアニーリング等の処理後においても、微量にホ
ウ素を含有しているダイヤモンド結晶が、ホウ素を含有
しないものと比較して、より残留欠陥が低減されたもの
となることを、我々はこれまでの一連の研究に於いて見
いだした。
【0014】イオン注入によってダイヤモンド結晶中に
さまざまな結晶欠陥が導入された場合、通常それを回復
させるために行われるアニーリング等の処理を施すと、
その温度及び圧力の範囲が、同素体である黒鉛の安定傾
城であるため、大多数の結晶欠陥はもとに戻らず、その
各々の欠陥の周りで黒鉛に代表される非ダイヤモンド成
分が生成する。これを避けるために種々の回復処理方法
が提案されている。
【0015】例えばBraunsteinらの文献(Nuclear Inst
ruments and Methods 第182/183巻691〜69
7頁(1981年))によると、ダイヤモンド結晶を1
400℃まで加熱しながらイオン注入を行う方法が、Pr
ins の文献 (NuclearInstruments and Methods i
n Physics Research B第59/60巻1387〜1
390頁(1991年))によると、ダイヤモンド結晶
を液体窒素温度で冷却しながらイオン注入を行い、続い
て一気に約1000℃くらいでアニーリングする方法
が、Moriらの文献(Japnese Journal of Applied P
hysics 第31巻Ll191〜Ll194頁(1992
年))によると、水素プラズマ中でアニーリングする方
法が、又Jamiesonらの文献(Nuclear Instruments and
Methods inPhysics Research B第77巻4S7〜4
62頁(1993年))によると、レーザー光を用いて
アニーリングする方法等が、提案されている。例えばこ
れらに代表されるイオン注入損傷回復手法と、本発明を
組み合わせて行うことにより、更に多大に回復効果を向
上させることができる。
【0016】以下本発明を実施形態により説明する。図
1は本発明方法の実施に当たって用いた装置を示してお
り、該装置により、以下の如く、ホウ素添加ダイヤモン
ド結晶の合成を行った。まず原料ガスとして一酸化炭素
1、水素2、水素希釈ジボラン3を用いた。混合比は一
酸化炭素1が10%、水素2が90%で、水素希釈ジボ
ラン3はホウ素仕込量が200ppmとなるように混合
した。この混合ガス8の総流量は100cm3 /分と
し、各ガスの流量は質量流量制御器4を用いて制御さ
れ、常に一定に保った。合成室となる反応管5は透明石
英円筒から成り、その中央部にダイヤモンド結晶を成長
させる下地となる基板6を設置した。基板6としては、
ダイヤモンド砥粒で表面を軽く磨いたシリコンウェハー
を用いた。基板6を設置した後、反応管5内を約0.1
Pa以下まで排気したのち、各バルブ7を開いて前述の
混合ガス8を導入する。排気9の制御によって反応管5
内の圧力を約6000Paに調整した。
【0017】その後、励起源である2.45GHzのマ
イクロ波10を275Wのエネルギーで導入して、原料
ガスをプラズマ状態11にした。このプラズマ状態11
を約6時間維持し、基板6上に膜厚約3μmのホウ素含
有ダイヤモンド多結晶薄膜を得た。また比較のためにホ
ウ素を含まないダイヤモンド多結晶薄膜を合成した。前
述の合成法に於て、水素希釈ジボラン3を用いない他は
合成条件は全て同様であった。
【0018】次にイオン注入を行った。注入種は質量数
11の一価のホウ素イオンで、加速エネルギー100k
eV、打ち込み量1.0×1015/cm2 とした。また
注入は室温の下で行った。打ち込まれたイオンの投影飛
程は約200nmであった。続いてイオン注入回復処理
を行った。処理法としては水素プラズマによるアニーリ
ングを行った。そのための装置は図1に示したものと全
く同一である。但し使用するガスは水素2のみで、基板
6の代わりに試料(イオン注入されたダイヤモンド多結
晶結薄膜)を設置した。その後の手順は前述した、ダイ
ヤモンド結晶の合成方法の時と全く同じである。ただし
反応管5内の圧力は約5000Pa、マイクロ波10の
入力は約300W、処理時間は約30分とした。このと
きプラズマによる自然加熱で試料は約10000℃まで
昇温される。
【0019】図2は以上のような過程を経て作製され
た、ホウ素イオン注入ダイヤモンド多結晶薄膜からの、
一次のラマン散乱スペクトルである。(A)は何も添加
していないダイヤモンド結晶の場合を、(B)はホウ素
を予め添加したダイヤモンド結晶の場合のスペクトルで
ある。1334cm-1付近の鋭いピークが、ダイヤモン
ド結晶からの寄与を表す.また1570cm-1付近のな
だらかなピークは、黒鉛などのような非ダイヤモンド成
分からの寄与を表す。両者のダイヤモンド結晶からのピ
ークの半値幅はともに約10cm-1と同じであり、これ
はダイヤモンド結晶の質としては両者は同様であること
がわかる。しかし(A)の方では非ダイヤモンド成分が
まだ多く残留していることが理解でき、(A)(B)両
者の比較からホウ素添加の効果が顕著に見てとることが
できる。
【0020】本実施形態ではホウ素を注入イオンとして
選択しているが、例えばドナー元素であるV族のリン、
ヒ素、アンチモンを選択した場合、本発明によるとn型
の導電性を持つ半導体ダイヤモンド結晶が作製可能であ
る。但しこの場合少なくとも注入されるV族元素の注入
後の原子密度が、ホウ素含有層中のホウ素原子密度より
も、少なくとも1桁程度は高くなるように設定する必要
がある。
【0021】
【発明の効果】請求項1の発明は、イオン注入法により
不純物含有層が形成され、かつ、イオン注入後には不純
物含有層の欠焔の除去または回復を行うためのアニーリ
ングが施されるダイヤモンド結晶に於いて、イオン注入
以前に少なくとも注入不純物含有領域となる領域に、予
めホウ素を微量添加したダイヤモンド結晶を用いるもの
であるから、ホウ素が添加されることによる結晶格子へ
の作用から、イオン注入等の外因的結晶欠陥の熱アニー
リング等による回復処理に於いて、極めて残留欠陥の少
ないダイヤモンド結晶が得られ、そのため例えばより実
用的なイオン注入法によるp型及び皿型半導体ダイヤモ
ンド結晶や、機能材料としての価値が付加されたダイヤ
モンド結晶の作製が可能となる。
【0022】特に請求項2の発明では、請求項1の発明
において、イオン注入を被るダイヤモンド結晶の合成に
おいて、添加されるホウ素の原料ガス組成に於ける添加
量をホウ素原子対炭素原子比で1000ppm以下と
し、また請求項3の発明では、請求項1の発明におい
て、イオン注入を被るダイヤモンド結晶のホウ素含有領
域に関して、少なくともイオン注入元素の注入後の原子
密度が、ホウ素含有層中のホウ素原子密度よりも、少な
くとも1桁程度は高くなるようにホウ素含有領域を形成
し、更に請求項4の発明では、請求項1の発明におい
て、イオン注入を被るダイヤモンド結晶のホウ素含有領
域が、ラマン散乱効果の測定に於いて、ダイヤモンド結
晶に起因する一次のラマンシフトピークの強度が、非ダ
イヤモンド成分に起因するピークの強度よりも十分に大
きく且つダイヤモンド結晶に起因する一次のラマンシフ
トピークの半値幅が十分に小さいような高度な結晶格子
性を有するので、夫々非ダイヤモンド成分が少ないダイ
ヤモンド結晶が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は気相合成ダイヤモンド結晶を合成するた
めの、および水素プラズマ中でのアニーリングを施すた
めの装置の基本的横成図である。
【図2】図2はホウ素無添加及び微量添加ダイヤモンド
多結晶薄膜へ、イオン注入および結晶回復処理を施した
試料からの、一次のラマン散乱スペクトルの説明図であ
る。
【符号の説明】
1 一酸化炭素 2 水素 3 水素希釈ジボラン 4 質量流量制御器 5 反応管 6 基板 7 バルブ 8 混合ガス 10 マイクロ波 11 プラズマ状態
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北畠 真 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 平木 昭夫 滋賀県草津市南笠町字新池91番地南笠宿舎 F−102 (72)発明者 伊藤 利道 大阪府箕面市小野原東6丁目28番7号202 (72)発明者 八田 章光 大阪府吹田市片山町2丁目2番17号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン注入法により不純物含有層が形成さ
    れ、かつ、イオン注入後には不純物含有層の欠陥の除去
    または回復を行うためのアニーリングが施されるダイヤ
    モンド結晶の製造方法に於いて、イオン注入以前に少な
    くとも注入不純物含有領域となる領域に、予めホウ素を
    微量添加したダイヤモンド結晶を用いることを特徴とす
    るダイヤモンド結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】イオン注入を被るダイヤモンド結晶の合成
    において、添加されるホウ素の原料ガス組成に於ける添
    加量をホウ素原子対炭素原子比で1000ppm以下と
    することを特徴とする請求項1記載のダイヤモンド結晶
    の製造方法。
  3. 【請求項3】イオン注入を被るダイヤモンド結晶のホウ
    素含有領域に関して、少なくともイオン注入元素の注入
    後の原子密度が、ホウ素含有層中のホウ素原子密度より
    も、少なくとも1桁程度は高くなるようにホウ素含有領
    域を形成することを特徴とする請求項1記載のダイヤモ
    ンド結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】イオン注入を被るダイヤモンド結晶のホウ
    素含有領域が、ラマン散乱効果の測定に於いて、ダイヤ
    モンド結晶に起因する一次のラマンシフトピークの強度
    が、非ダイヤモンド成分に起因するピークの強度よりも
    十分に大きく且つダイヤモンド結晶に起因する一次のラ
    マンシフトピークの半値幅が十分に小さいような高度な
    結晶格子性を有することを特徴とする請求項1記載のダ
    イヤモンド結晶の製造方法。
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