JPH0966040A - 磁気共鳴画像の取得方法と、糖尿病診断方法 - Google Patents
磁気共鳴画像の取得方法と、糖尿病診断方法Info
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- JPH0966040A JPH0966040A JP7224185A JP22418595A JPH0966040A JP H0966040 A JPH0966040 A JP H0966040A JP 7224185 A JP7224185 A JP 7224185A JP 22418595 A JP22418595 A JP 22418595A JP H0966040 A JPH0966040 A JP H0966040A
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- Japan
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- brain
- blood flow
- magnetic resonance
- imaging
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R33/00—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
- G01R33/20—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
- G01R33/44—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
- G01R33/48—NMR imaging systems
- G01R33/54—Signal processing systems, e.g. using pulse sequences ; Generation or control of pulse sequences; Operator console
- G01R33/56—Image enhancement or correction, e.g. subtraction or averaging techniques, e.g. improvement of signal-to-noise ratio and resolution
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- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R33/00—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
- G01R33/20—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
- G01R33/44—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
- G01R33/48—NMR imaging systems
- G01R33/4806—Functional imaging of brain activation
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- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
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- Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 血流の変化そのものを捉えることにより、脳
内の微細な脳機能の変化をも明瞭に画像化することので
きる新しいfMRIの取得方法を提供する。 【解決手段】 磁気共鳴画像装置を用いて脳内血流の変
化を画像化する方法であって、高速グラディエントエコ
ー法の撮像パルス系列に、XYZ方向にプロトンスピン
のデフューズとリフューズを行うグラディエントを付加
するとともに、RFパルス強度を高速グラディエントエ
コー法の2〜3倍とする。
内の微細な脳機能の変化をも明瞭に画像化することので
きる新しいfMRIの取得方法を提供する。 【解決手段】 磁気共鳴画像装置を用いて脳内血流の変
化を画像化する方法であって、高速グラディエントエコ
ー法の撮像パルス系列に、XYZ方向にプロトンスピン
のデフューズとリフューズを行うグラディエントを付加
するとともに、RFパルス強度を高速グラディエントエ
コー法の2〜3倍とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気共鳴画像の
取得方法と糖尿病診断方法に関するものである。さらに
詳しくは、この発明は、磁気共鳴画像装置を用い、脳内
血流の変化を指標として脳活動部位を特定する機能的磁
気共鳴画像の取得方法、ならびにこの機能的磁気共鳴画
像を用いた新しい糖尿病診断方法に関するものである。
取得方法と糖尿病診断方法に関するものである。さらに
詳しくは、この発明は、磁気共鳴画像装置を用い、脳内
血流の変化を指標として脳活動部位を特定する機能的磁
気共鳴画像の取得方法、ならびにこの機能的磁気共鳴画
像を用いた新しい糖尿病診断方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒトの知覚や運動、恒常性の維持、ある
いは情動、記憶、言語、思考等の様々な機能は、脳の特
定の部位・領域ごとにその制御機構が存在していること
が多い。このような脳の機能局在は、古くは、外傷や脳
血管障害で脳に限局性損傷が生じた患者が示す行動上の
変化やてんかん発作の性状等を詳細に観察し、その損傷
部位の機能を推定することによって確認されてきた。ま
た、大脳皮質に対する局所的な電気刺激実験の結果も、
脳の様々な機能局在性について有力な証拠を提供してき
た。
いは情動、記憶、言語、思考等の様々な機能は、脳の特
定の部位・領域ごとにその制御機構が存在していること
が多い。このような脳の機能局在は、古くは、外傷や脳
血管障害で脳に限局性損傷が生じた患者が示す行動上の
変化やてんかん発作の性状等を詳細に観察し、その損傷
部位の機能を推定することによって確認されてきた。ま
た、大脳皮質に対する局所的な電気刺激実験の結果も、
脳の様々な機能局在性について有力な証拠を提供してき
た。
【0003】これに対し、近年の電子工学技術や画像処
理技術の急速な進歩は、コンピューター断層法(CT)
やポジトロン断層法(PET)あるいは磁気共鳴画像
(MRI)といった新しい脳構造撮影方法とそのための
装置を実現させた。これらの装置・方法により、従来は
解剖所見や手術所見からしか確認できなかった病巣部位
を容易に診断することが可能になったばかりか、侵襲を
加えることなく正常人の脳の機能局在を研究することも
出来るようになってきている。
理技術の急速な進歩は、コンピューター断層法(CT)
やポジトロン断層法(PET)あるいは磁気共鳴画像
(MRI)といった新しい脳構造撮影方法とそのための
装置を実現させた。これらの装置・方法により、従来は
解剖所見や手術所見からしか確認できなかった病巣部位
を容易に診断することが可能になったばかりか、侵襲を
加えることなく正常人の脳の機能局在を研究することも
出来るようになってきている。
【0004】なかでもMRIは、生きたヒトの脳におけ
る極めて微細な構造を明瞭に描写することができるため
医療分野において広く用いられているが、最近では、こ
の技術を応用して脳の実際の活動部位を画像化する機能
的MRI(以下、fMRIと記載することがある)が開
発され、脳・神経機構の研究手段として、あるいは新し
い脳診断手段として注目を集めている。
る極めて微細な構造を明瞭に描写することができるため
医療分野において広く用いられているが、最近では、こ
の技術を応用して脳の実際の活動部位を画像化する機能
的MRI(以下、fMRIと記載することがある)が開
発され、脳・神経機構の研究手段として、あるいは新し
い脳診断手段として注目を集めている。
【0005】このfMRIは、神経細胞が活動している
脳部位(興奮部位)では血流が増加することを利用す
る。fMRIを含めたMRI画像取得のためには、脳に
照射する電磁波のパルス系列等を様々に工夫することが
試みられており、その主なものとしては、インバーショ
ンリカバリー(IR)法、グラディエントエコー(G
E)法、スピンエコー(SE)法等が知られている。
脳部位(興奮部位)では血流が増加することを利用す
る。fMRIを含めたMRI画像取得のためには、脳に
照射する電磁波のパルス系列等を様々に工夫することが
試みられており、その主なものとしては、インバーショ
ンリカバリー(IR)法、グラディエントエコー(G
E)法、スピンエコー(SE)法等が知られている。
【0006】このうち、GE法は血液流量の変化や血液
中のヘモグロビンの酸化還元状態を測定するための方法
として発達したものである。すなわち、ヘモグロビンは
脳をはじめとして全身の組織に酸素を運搬しており、肺
から血液中に送り込まれた酸素は酸化型ヘモグロビンと
して動脈から脳などの組織に送られ、末梢血管で組織に
供給される。酸素を切り離したヘモグロビンは還元型ヘ
モグロビンへと変化して静脈から心臓に戻るが、この還
元型ヘモグロビンはその常磁性体としての性質により静
磁場を乱してMRI信号の低下をもたらす。一方、脳の
興奮部位では血流が増加するが、興奮した神経細胞は酸
素をそれほど消費しないため、血流とともに増加した酸
化型ヘモグロビンの一部が還元されずに静脈側へ流れ込
むことになる。その結果、相対的に還元型ヘモグロビン
が減少し、MRI信号の強度低下が抑えられて、興奮部
位での信号強度の増加が観察される。
中のヘモグロビンの酸化還元状態を測定するための方法
として発達したものである。すなわち、ヘモグロビンは
脳をはじめとして全身の組織に酸素を運搬しており、肺
から血液中に送り込まれた酸素は酸化型ヘモグロビンと
して動脈から脳などの組織に送られ、末梢血管で組織に
供給される。酸素を切り離したヘモグロビンは還元型ヘ
モグロビンへと変化して静脈から心臓に戻るが、この還
元型ヘモグロビンはその常磁性体としての性質により静
磁場を乱してMRI信号の低下をもたらす。一方、脳の
興奮部位では血流が増加するが、興奮した神経細胞は酸
素をそれほど消費しないため、血流とともに増加した酸
化型ヘモグロビンの一部が還元されずに静脈側へ流れ込
むことになる。その結果、相対的に還元型ヘモグロビン
が減少し、MRI信号の強度低下が抑えられて、興奮部
位での信号強度の増加が観察される。
【0007】従来のGE法では、還元型ヘモグロビンの
存在を強調する目的で、エコータイムをできるだけ長く
設定するT2*強調画像が用いられてきた。しかしなが
ら、この方法では、脳内の血流の変動により信号強度が
様々に変化し、興奮部位の特定が困難であった。このた
め、酸素消費量の解析制度を上げるために従来のGE法
に改良を加え、血流の変動による影響を取り除いて還元
型ヘモグロビンの存在のみを捉える方法が開発され、よ
り正確な脳機能解析方法として認められてきている。
存在を強調する目的で、エコータイムをできるだけ長く
設定するT2*強調画像が用いられてきた。しかしなが
ら、この方法では、脳内の血流の変動により信号強度が
様々に変化し、興奮部位の特定が困難であった。このた
め、酸素消費量の解析制度を上げるために従来のGE法
に改良を加え、血流の変動による影響を取り除いて還元
型ヘモグロビンの存在のみを捉える方法が開発され、よ
り正確な脳機能解析方法として認められてきている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、血流の
影響を取り除いたGE法の場合には、非常に感度が低い
ため、実際の使用に際しては事前に造影剤を投与した
り、あるいは医療用としては認められていない高磁場パ
ルスを用いる必要があった。また、この方法は、MRI
信号が静磁場の乱れの影響を強く受けるため、明瞭な画
像が得られないという問題も有していた。
影響を取り除いたGE法の場合には、非常に感度が低い
ため、実際の使用に際しては事前に造影剤を投与した
り、あるいは医療用としては認められていない高磁場パ
ルスを用いる必要があった。また、この方法は、MRI
信号が静磁場の乱れの影響を強く受けるため、明瞭な画
像が得られないという問題も有していた。
【0009】この発明は、以上のとおりの事情に鑑みて
なされたものであって、還元型ヘモグロビンではなく、
血流の変化そのものを捉えることによって、脳内の微細
な脳機能の変化をも明瞭に画像化することのできる新し
いfMRIの取得方法を提供することを目的としてい
る。また、この発明は、fMRIによる特定脳部位の興
奮状態を指標とする糖尿病の診断方法を提供することを
目的としてもいる。
なされたものであって、還元型ヘモグロビンではなく、
血流の変化そのものを捉えることによって、脳内の微細
な脳機能の変化をも明瞭に画像化することのできる新し
いfMRIの取得方法を提供することを目的としてい
る。また、この発明は、fMRIによる特定脳部位の興
奮状態を指標とする糖尿病の診断方法を提供することを
目的としてもいる。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を解決するものとして、磁気共鳴画像装置を用いて脳内
血流の変化を画像化する方法であって、高速グラディエ
ントエコー法の撮像パルス系列に、XYZ方向にプロト
ンスピンのデフューズとリフューズを行うグラディエン
トを付加するとともに、RFパルス強度を高速グラディ
エントエコー法の2〜3倍とすることを特徴とする磁気
共鳴画像の取得方法を提供する。
を解決するものとして、磁気共鳴画像装置を用いて脳内
血流の変化を画像化する方法であって、高速グラディエ
ントエコー法の撮像パルス系列に、XYZ方向にプロト
ンスピンのデフューズとリフューズを行うグラディエン
トを付加するとともに、RFパルス強度を高速グラディ
エントエコー法の2〜3倍とすることを特徴とする磁気
共鳴画像の取得方法を提供する。
【0011】すなわち、この発明のfMRIは、高速グ
ラディエントエコー法(RGE法)を一部改良して、血
流の変化を強調して脳内興奮部位を画像化することを特
徴としている。一般的なRGE法は、例えば図1に模式
的に示したような撮像パルス系列を用いている。これに
対して、この発明の方法では、図1のようなパルス系列
に、XYZ方向にプロトンスピンのデフューズとリフュ
ーズを行うグラディエントを付加する。すなわち、図2
に例示したような撮像パルス系列を用いる。
ラディエントエコー法(RGE法)を一部改良して、血
流の変化を強調して脳内興奮部位を画像化することを特
徴としている。一般的なRGE法は、例えば図1に模式
的に示したような撮像パルス系列を用いている。これに
対して、この発明の方法では、図1のようなパルス系列
に、XYZ方向にプロトンスピンのデフューズとリフュ
ーズを行うグラディエントを付加する。すなわち、図2
に例示したような撮像パルス系列を用いる。
【0012】また、RGE法における通常のRFパルス
強度はフリップアングル5〜30°であるのに対し、こ
の発明の方法ではこのRFパルス強度をフリップアング
ル45〜60°程度に設定する。このようなパルス系列
とRFパルス強度を採用することにより、還元型ヘモグ
ロビンの増減に起因する静磁場の乱れの影響を排除する
ことができ、血流の変化を指標として興奮部位を明瞭に
画像化することが可能となる。しかも、高い時間分解能
(約5秒)で画像取得が可能であるとともに、T2*強
調画像、T1強調画像および液体拡散強調画像等を同時
に組み合わせて取得することができるといった特徴を有
してもいる。
強度はフリップアングル5〜30°であるのに対し、こ
の発明の方法ではこのRFパルス強度をフリップアング
ル45〜60°程度に設定する。このようなパルス系列
とRFパルス強度を採用することにより、還元型ヘモグ
ロビンの増減に起因する静磁場の乱れの影響を排除する
ことができ、血流の変化を指標として興奮部位を明瞭に
画像化することが可能となる。しかも、高い時間分解能
(約5秒)で画像取得が可能であるとともに、T2*強
調画像、T1強調画像および液体拡散強調画像等を同時
に組み合わせて取得することができるといった特徴を有
してもいる。
【0013】さらにこの発明は、脳内の海馬、視床下部
室傍核、視床下部背内側核および/または視床下部腹内
側核におけるインスリン投与後の血流変化を上記の方法
によって画像化することを特徴とする糖尿病診断方法を
も提供する。すなわち、この発明の発明者等は、下記の
実施例にも示したように、糖尿病モデル動物にインスリ
ンを投与した際の脳内血流の変化を上記のfMRI方法
によって撮影した結果、インスリン投与後の時間経過に
伴って海馬、視床下部室傍核、視床下部背内側核および
視床下部腹内側核におけるMRI信号の増強を観察し
た。このような結果は、グルコース飢餓状態の脳が急激
にグルコースに反応したために上記の各脳部位への血流
が増加したことを反映するものであると考えられる。従
って、糖尿病の可能性のある者にインスリンを投与した
場合の脳をこの発明の方法を用いて画像化し、上記の各
脳部位の血流パタンを撮影することによって糖尿病の有
無およびその進行状態を診断することができる。
室傍核、視床下部背内側核および/または視床下部腹内
側核におけるインスリン投与後の血流変化を上記の方法
によって画像化することを特徴とする糖尿病診断方法を
も提供する。すなわち、この発明の発明者等は、下記の
実施例にも示したように、糖尿病モデル動物にインスリ
ンを投与した際の脳内血流の変化を上記のfMRI方法
によって撮影した結果、インスリン投与後の時間経過に
伴って海馬、視床下部室傍核、視床下部背内側核および
視床下部腹内側核におけるMRI信号の増強を観察し
た。このような結果は、グルコース飢餓状態の脳が急激
にグルコースに反応したために上記の各脳部位への血流
が増加したことを反映するものであると考えられる。従
って、糖尿病の可能性のある者にインスリンを投与した
場合の脳をこの発明の方法を用いて画像化し、上記の各
脳部位の血流パタンを撮影することによって糖尿病の有
無およびその進行状態を診断することができる。
【0014】以下、実施例を示し、この発明の実施の形
態をさらに詳しく説明するが、この発明は以下の例によ
って限定されるものではない。
態をさらに詳しく説明するが、この発明は以下の例によ
って限定されるものではない。
【0015】
【実施例】この発明の方法によるMRIにより、糖尿病
モデル動物のインスリン投与後の脳内血流の変化を測定
した。ウイスターラット(体重約200g)にストレプトゾ
トシン(SZ)を40mg/体重kg投与し、膵ランゲルハン
ス島のβ細胞を破壊してインスリン分泌能を低下させた
糖尿病モデルラットを作成し、SZ投与後1〜2日の血
糖値が300g/血液dl以上のラットを被験体として使用し
た。
モデル動物のインスリン投与後の脳内血流の変化を測定
した。ウイスターラット(体重約200g)にストレプトゾ
トシン(SZ)を40mg/体重kg投与し、膵ランゲルハン
ス島のβ細胞を破壊してインスリン分泌能を低下させた
糖尿病モデルラットを作成し、SZ投与後1〜2日の血
糖値が300g/血液dl以上のラットを被験体として使用し
た。
【0016】インスリン投与用のチューブを大腿部皮下
に挿入し、頭部をRFプローブで固定したラットをMR
I装置(SMIS社製)のマグネット(40cm径)中
心部に設置した。厳密な静磁場平坦化調整をしたのち、
以下の撮像パルス系列からなるこの発明のMRI: 定磁場=4.7テスラ; エコー時間(TE)=5 ms; 繰り返し時間(TR)=10 ms; 繰り返し数(NEX)=4; 撮影領域(FOV)=4 cm ×4 cm; スライス厚=3 mm; 画素数=128×128 pixels; RFパルス=45〜60度 を用い、インスリン投与(20U/体重kg)の前1回
と、投与直後から20分ごとに2時間測定を行った。
に挿入し、頭部をRFプローブで固定したラットをMR
I装置(SMIS社製)のマグネット(40cm径)中
心部に設置した。厳密な静磁場平坦化調整をしたのち、
以下の撮像パルス系列からなるこの発明のMRI: 定磁場=4.7テスラ; エコー時間(TE)=5 ms; 繰り返し時間(TR)=10 ms; 繰り返し数(NEX)=4; 撮影領域(FOV)=4 cm ×4 cm; スライス厚=3 mm; 画素数=128×128 pixels; RFパルス=45〜60度 を用い、インスリン投与(20U/体重kg)の前1回
と、投与直後から20分ごとに2時間測定を行った。
【0017】結果は、図3に示したとおりである。すな
わち、インスリン投与20分後に海馬、40分後に視床
下部室傍核(PVN)、60分後にPVNと視床下部背
内側核(DMH)、80分後にDMH、100分後に視
床下部腹内側核(VMH)をそれぞれ含む領域の信号が
明らかに増強された。そして、ラットの血糖値がほぼイ
ンスリン投与前のレベルとなる120分後には、特定部
位の信号強度の変化は認められなくなった。
わち、インスリン投与20分後に海馬、40分後に視床
下部室傍核(PVN)、60分後にPVNと視床下部背
内側核(DMH)、80分後にDMH、100分後に視
床下部腹内側核(VMH)をそれぞれ含む領域の信号が
明らかに増強された。そして、ラットの血糖値がほぼイ
ンスリン投与前のレベルとなる120分後には、特定部
位の信号強度の変化は認められなくなった。
【0018】以上の結果から、グルコース飢餓状態にあ
る動物個体において、末梢のグルコース利用性が一度に
上昇した場合には、その末梢からの情報は脳内の海馬、
PVN、DMH、そして最終的にはVMHという脳内機
能円柱のような機構で処理されていることが確認され
た。従って、今回用いたモデル動物と同様のグルコース
飢餓状態にある糖尿病患者においても、この発明のMR
I方法によってインスリン投与後の脳内血流変化を撮影
した場合には、海馬、PVN、DMHおよびVMHにお
ける同様の信号強度変化が観察されるものと推定され
る。
る動物個体において、末梢のグルコース利用性が一度に
上昇した場合には、その末梢からの情報は脳内の海馬、
PVN、DMH、そして最終的にはVMHという脳内機
能円柱のような機構で処理されていることが確認され
た。従って、今回用いたモデル動物と同様のグルコース
飢餓状態にある糖尿病患者においても、この発明のMR
I方法によってインスリン投与後の脳内血流変化を撮影
した場合には、海馬、PVN、DMHおよびVMHにお
ける同様の信号強度変化が観察されるものと推定され
る。
【0019】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
よって、血流の変化そのものを捉えることにより、脳内
の微細な脳機能の変化をも明瞭に画像化することのでき
る新しいMRIの取得方法が提供される。これにより、
脳内の特定部位のMRI信号の変化を指標として、糖尿
病を簡便かつ確実に診断することが可能となる。
よって、血流の変化そのものを捉えることにより、脳内
の微細な脳機能の変化をも明瞭に画像化することのでき
る新しいMRIの取得方法が提供される。これにより、
脳内の特定部位のMRI信号の変化を指標として、糖尿
病を簡便かつ確実に診断することが可能となる。
【図1】従来法における撮像パルス系列を例示した模式
図である。
図である。
【図2】この発明の方法における撮像パルス系列を例示
した模式図である。
した模式図である。
【図3】インスリン投与後の糖尿病モデルラットの脳内
血流の変化を示すMRI画像である。
血流の変化を示すMRI画像である。
Claims (2)
- 【請求項1】 磁気共鳴画像装置を用いて脳内血流の変
化を画像化する方法であって、高速グラディエントエコ
ー法の撮像パルス系列に、XYZ方向にプロトンスピン
のデフューズとリフューズを行うグラディエントを付加
するとともに、RFパルス強度を高速グラディエントエ
コー法の2〜3倍とすることを特徴とする磁気共鳴画像
の取得方法。 - 【請求項2】 脳内の海馬、視床下部室傍核、視床下部
背内側核および/または視床下部腹内側核におけるイン
スリン投与後の血流変化を請求項1記載の方法によって
画像化することを特徴とする糖尿病診断方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7224185A JPH0966040A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 磁気共鳴画像の取得方法と、糖尿病診断方法 |
US08/696,461 US5833610A (en) | 1995-08-31 | 1996-08-14 | Magnetic resonance imaging of cerebral blood flow and diagnosis of diabetes |
CA002183398A CA2183398A1 (en) | 1995-08-31 | 1996-08-15 | Magnetic resonance imaging of cerebral blood flow and diagnosis of diabetes |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7224185A JPH0966040A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 磁気共鳴画像の取得方法と、糖尿病診断方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0966040A true JPH0966040A (ja) | 1997-03-11 |
Family
ID=16809864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7224185A Pending JPH0966040A (ja) | 1995-08-31 | 1995-08-31 | 磁気共鳴画像の取得方法と、糖尿病診断方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5833610A (ja) |
JP (1) | JPH0966040A (ja) |
CA (1) | CA2183398A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008206969A (ja) * | 2007-01-30 | 2008-09-11 | Toshiba Corp | 診療支援システム、診療支援装置及び診療支援プログラム |
KR101008041B1 (ko) * | 2009-07-17 | 2011-01-13 | 한국과학기술원 | 근적외선 분광과 기능자기공명영상의 동시측정을 이용하여 과탄산혈증 단계없이 뇌혈류량 및 뇌산소대사량을 측정하는 시스템 및 그 방법 |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69841476D1 (de) * | 1997-12-08 | 2010-03-18 | Koninkl Philips Electronics Nv | Gerät und verfahren zur bildformung eines objektes durch magnetische resonanz |
JP2002501774A (ja) * | 1998-02-03 | 2002-01-22 | ザ、ボード、オブ、トラスティーズ、オブ、ザ、ユニバシティー、オブ、イリノイ | 脳循環モデルと用途 |
US7191110B1 (en) * | 1998-02-03 | 2007-03-13 | University Of Illinois, Board Of Trustees | Patient specific circulation model |
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