JPH0965887A - ブタ補体インヒビターをコードするdna - Google Patents
ブタ補体インヒビターをコードするdnaInfo
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- JPH0965887A JPH0965887A JP8181318A JP18131896A JPH0965887A JP H0965887 A JPH0965887 A JP H0965887A JP 8181318 A JP8181318 A JP 8181318A JP 18131896 A JP18131896 A JP 18131896A JP H0965887 A JPH0965887 A JP H0965887A
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Abstract
それから発現されるブタ補体インヒビター及び補体イン
ヒビターのスクリーニング方法を提供する。 【解決手段】 ブタ血管内皮細胞からcDNAライブラ
リーを作製し、スクリーニングすることによりブタ補体
インヒビターをコードするcDNAを単離し、その塩基
配列を決定した。得られたcDNAを用いて、ブタ補体
インヒビターを遺伝子組換技術で生産することができ
る。また、ブタ補体インヒビターのプロモーター領域の
解析にも有用である。
Description
ーをコードするDNAに関する。より詳細は、ブタ補体
活性を抑制するインヒビター蛋白をコードするDNA、
それから発現されるブタ補体インヒビター蛋白及び補体
インヒビター遺伝子のスクリーニング方法に関する。
り、特に優れた免疫抑制剤(シクロスポリン、FK50
6など)の開発により、ヒトからヒトへの臓器移植の拒
絶反応は解決された。しかし、臓器提供者(ドナー)の
不足が深刻な問題となっている。このような問題から、
動物臓器のヒトへの移植、即ち異種移植が研究されてい
る。例えば、欧米では年間約3500例の心臓移植が行
われているものの、この例数は心臓移植を必要としてい
る患者の約2〜3割にしか満たないのが現状である。ド
ナー動物として、ヒトの近縁種(例えば、ヒヒ、チンパ
ンジーなどの霊長類)を用いることは、ドナー動物数が
少ないことや知能の高いことによる倫理的な点から問題
が多い。それに対して、家畜をドナー動物とする場合に
は問題が少ない。特に、ブタは大量に飼育されており供
給が容易であること、ブタの臓器の大きさはヒトの臓器
に近いこと、系統の保存などの基盤が確立されているこ
となどの利点を有し、ブタの臓器をヒトに移植する研究
が行われている。ブタの臓器をヒトに移植した場合に生
じる拒絶反応のうち、MHCの関与する細胞性免疫によ
る急性の拒絶反応(Acute rejection)は、ブタとヒトで
は遠縁種の関係にあり、MHCの類似性がないので、起
こり難いと予測されている。また、万一、このような拒
絶反応が生じた場合でも、上述の優れた免疫抑制剤の使
用により、回避できると考えられている。しかし、ヒト
の血中にはブタに対する抗体が既に存在する(自然抗体
と称される)。その結果、ブタの組織がヒトに移植され
ると、ヒト血中の自然抗体がブタの組織(抗原)を認識
し、抗原・抗体複合体が形成され、この抗原・抗体複合
体がヒトの補体を活性化し、活性化されたヒトの補体が
移植されたブタの組織を壊死させる(拒絶)。このよう
な現象は、移植後速やかに(1時間以内)に起こるの
で、超急性拒絶(Hyperacute rejection)と呼ばれてい
る。
薬剤は開発されていない。ヒトの組織はヒトの補体によ
る損傷を受けない。これは、ヒトの組織には補体の活性
化反応を抑制する因子が発現しているからであり、この
因子は補体インヒビター(又は補体制御因子)と称され
ている。補体インヒビターとしては、DAF(Decay acc
elating factor, CD55)、MCP(Membrane cofactor pr
otein, CD46)、CD59の3つが重要である。なお、D
AF及びMCPはC3b及びC3/C5転換酵素の崩壊
亢進により、CD59はC9ステップの阻害により補体
の活性化を阻止すると考えられている。補体インヒビタ
ーは種による特異性があり、ブタ補体インヒビターはブ
タの補体活性を阻止することはできても、ヒトの補体活
性を阻止することはできない。そのため、ブタの組織が
ヒトに移植されてヒトの補体系が活性化されたとき、ブ
タの補体インヒビターではそれを抑制することはできな
い。その結果、ヒトに移植されたブタ組織は壊死するこ
とになる。
る際の問題点を解決するには、遺伝子工学的方法によ
り、ブタの臓器にヒトの補体インヒビターを予め発現さ
せておけばよい。ブタの心臓を移植する場合には、ブタ
の血管内皮細胞にヒトの補体インヒビターを予め発現さ
せておけばよい。このような観点から、ヒトの補体イン
ヒビター遺伝子を組み込んだ遺伝子組換ブタ(トランス
ジェニックブタ)の研究が盛んに行われている。
体インヒビターを組み込んだトランスジェニックブタを
用いて、異種移植を行うことが研究されている。現在の
ところ、このトランスジェニックブタ作製に使用されて
いるプロモーターはヒト補体インヒビター由来のもの又
はウイルス由来のものが用いられている。しかし、補体
インヒビターのブタでの発現には、ブタ由来の補体イン
ヒビターのプロモーターがより有効であると考えられ
る。そこで、上記のプロモーターを獲得するためには、
まず、ブタ補体インヒビターのcDNAを得る必要があ
る。しかしながら、いままでブタ補体インヒビターのc
DNAについては知られていない。本発明者等は、かか
る観点から、ブタ補体インヒビターのcDNAの発現ク
ローニングを行ったところ、細胞にブタ補体に対する抵
抗性を付与し、ヒトMCPに高い相同性を示すcDNA
を得た。また、この過程で、新たなcDNAライブラリ
ーのスクリーニング方法を見出した。本発明はかかる知
見に基づいてなされたもので、本発明はブタ補体インヒ
ビターのcDNA、それから発現されるブタ補体インヒ
ビター蛋白及び補体インヒビター遺伝子のスクリーニン
グ方法を提供することを目的とする。
めになされた本発明は、 配列番号1で示される塩基配列又はこの塩基配列の一
部からなるDNA; 配列番号1で示される塩基配列の第59番目から第1
147番目までの配列からなるDNA又はこの配列を有
するDNA; 配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるブタ補体
インヒビター; 配列番号2で示されるアミノ酸配列をコードするDN
A又はこの塩基配列を有するDNA; cDNAライブラリーを宿主に導入した後、宿主に対
する抗体及び補体成分を加え、生存宿主を分離すること
からなる補体インヒビター遺伝子を有するクローンのス
クリーニング方法;に関する。
る。本発明にかかる配列番号1に示される塩基配列は、
ブタ補体インヒビターをコードするcDNA(以下、p
MCPcDNAという)であり、かかるcDNAは、例
えば、以下の方法により調製することができる。
調製は常法に準じて行うことができ、例えば、ブタ補体
インヒビターを発現している細胞、組織などから通常の
方法、例えば、グアニジウムチオシアネート法、ホット
フェノール法、リチウム塩を用いる方法などを用いて全
RNAを抽出し、得られたRNAをオリゴ(dT)セル
ロースカラムに通すことによりpoly(A)+RNA
(mRNA)を調製することができる。なお、この工程
で、抽出細胞としては、補体インヒビターの高発現部位
と考えられるブタ血管内皮細胞を用いるのが好ましく、
ブタ血管内皮初代培養株又はブタ血管内皮樹立細胞株P
AE細胞(J. Biol. Chem. 262, 4098, 1987参照)が好適
に使用される。
NAの合成は、通常の方法(例えば、Gublerら、Gene,
25, 263, 1983)又は市販のcDNA合成キット(例え
ば、ファルマシア社製、アマシャム社製、ベーリンガー
・マンハイム社製等)を利用して行うことができる。得
られたcDNAは、必要に応じて長塩基対のものを分別
した後、常法に準じファージベクターであるλgt11
に挿入したり、又は適当なプラスミドベクターに挿入す
ることによりcDNAライブラリーを調製する。
からpMCPcDNAのクローニングを行う。pMCP
cDNAのクローニングは、慣用のプラークハイブリダ
イゼーション法、コロニーハイブリダイゼーション法、
標識化特異抗体を用いる方法などにより行うことができ
るが、本発明者らは、抗補体活性による新たなスクリー
ニング法を見出しており、この方法が好適に用いられ
る。即ち、cDNAライブラリーを適当な細胞に挿入し
た後、当該細胞に対する抗体(抗血清)及び補体成分
(目的種の血清、この場合にはブタ血清)を加え補体活
性を刺激し、抗補体作用を有する細胞を選択することに
より、目的とするcDNAを含む細胞のクローニングを
行うことができる。より詳細には、後記の実施例に示さ
れるように、プラスミドベクターライブラリーを常法に
準じてヒトリンパ芽球細胞JY25細胞(J. Immunology
141, 4283, 1988参照)に導入し、抗生物質含有培地で
培養することにより細胞の予備選択を行う。なお、プラ
スミドベクターは抗抗生物質遺伝子を含んでいるので、
当該ベクターが導入された細胞は抗生物質含有培地中で
も生存・増殖することができる。抗生物質含有培地によ
る予備選択は、細胞の選択性を高めるために行われる
が、場合によっては省略することもできる。次いで、予
備選択された細胞に抗JY25抗体(抗血清)及び補体
成分(目的種の血清、この場合にはブタ血清)を添加し
て補体活性を刺激する。pMCP遺伝子を含むプラスミ
ドが導入されている細胞は、細胞中で補体インヒビター
が発現されており、補体の活性化が阻害されるので、当
該細胞は生存することができる。この抗生物質含有培地
による選択及び補体による選択を繰り返すことにより、
目的とするcDNA(pMCPcDNA)を含む細胞の
クローンを得ることができる。この方法によれば、ブタ
補体インヒビター(pMCP及びそれ以外のブタ補体イ
ンヒビター)のcDNAを容易に採取することができ
る。また、ブタ以外にも、この方法を各種動物のcDN
Aライブラリーに適用することにより、各種動物の補体
インヒビターのcDNAを採取することができる。
PcDNA(又はその一部を含むcDNA断片)の単離
は、慣用のcDNA単離法に準じて行うことができ、更
に必要に応じて当該cDNAをサブクローニングし、p
MCPcDNA(又はその一部)を単離してもよい。な
お、得られたDNAが、pMCPcDNAの一部を含む
cDNAである場合には、当該DNAをプローブとし
て、cDNAライブラリーをスクリーニングすることに
より、全長のpMCPcDNAを有するクローンを選別
することができる。得られたpMCPcDNAの塩基配
列は、例えば、ジデオキシ法などの慣用の方法又は市販
のDNAシークエンサー(例えば、アプライドバイオシ
ステムズ社製)を用いて決定することができる。
ローニング及び塩基配列の決定を行うことができ、後記
の実施例で得られたpMCPcDNAは1365bpの
塩基長(配列番号1)を有し、ブタ補体インヒビターをコ
ードする領域は1089bpであった。そして、そのう
ち、約600bpの翻訳領域ではヒトMCPcDNAと
高い相同性(約70%)を示した。配列番号1の塩基配
列より推定されるブタ補体インヒビターの総アミノ酸数
は363残基(配列番号2)であった。
れを用いた慣用の遺伝子工学的方法により、十分量のブ
タ補体インヒビターを生産することが可能となるので、
ブタ補体インヒビターの生産に有用である。例えば、p
MCPcDNAを、適当なベクターに組み込んで発現ベ
クターを調製し、これを適当な宿主に導入して得た組換
体を培養することによりブタ補体インヒビターを得るこ
とができる。なお、ベクターに組み込むDNA断片とし
て、配列番号2に示されるアミノ酸配列をコードするD
NA断片又はそれを含むDNA断片を用いてもよい。ベ
クターとしては、必要に応じて、発現のために必要なプ
ロモター、SD配列、ターミネター、エンハンサー、各
種マーカーなどを有するものを用いることができ、また
宿主としては、例えば、大腸菌、枯草菌等の細菌、酵母
等の微生物、動植物細胞などを用いることができる。な
お、宿主細胞の種類により、目的ペプチドの糖鎖の種類
やグリコシル化度の異なるものが産生されること;宿主
細胞中で発現された前駆体ペプチドのN及び/又はC末
端アミノ酸配列がシグナル・ペプチダーゼなどによりプ
ロセッシングを受け、種々の末端アミノ酸配列を有する
ペプチドが得られることなどは、当業者において周知で
ある。
からなる本発明のブタ補体インヒビターは、ブタの補体
の活性化を阻止する作用を有しており、またヒト補体の
活性化に対しても阻止性を有しており、補体の活性化を
阻害する薬剤として有用である。なお、配列番号2に示
されるアミノ酸配列からなる本発明のブタ補体インヒビ
ターに関し、当該インヒビターと実質的に同効である限
り、そのアミノ酸配列の一部が欠失又は他のアミノ酸に
より置換されていたり、他のアミノ酸配列が一部挿入さ
れていたり、N末端及び/又はC末端に1又は2以上の
アミノ酸が結合していたり、あるいは糖鎖が同様に欠失
又は置換されていてもよい。
Aを用いることにより、ブタ補体インヒビターを遺伝子
工学的に生産することが可能となり、十分量のブタ補体
インヒビターを提供することができる。pMCPcDN
A塩基配列よりブタ補体インヒビターのアミノ酸配列を
決定することができるので、このアミノ酸配列からブタ
補体インヒビターをコードするDNAを合成することが
でき、これを用いてもブタ補体インヒビターを遺伝子工
学的に生産することが可能である。遺伝子工学的方法に
よれば、天然に存在する蛋白質のアミノ酸配列のみなら
ず、塩基配列を修飾することにより、一又は二以上のア
ミノ酸の置換、挿入、欠失した蛋白質や、他の蛋白との
融合蛋白質を生産することができる。更に、本発明のp
MCPcDNAは、ブタ補体インヒビターのプロモータ
ー領域の解析に有用である。また、本発明のスクリーニ
ング方法によれば、各種動物の補体インヒビターのcD
NAを容易に採取することができる。
説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものでは
ない。
(A)+RNAの精製 ブタ血管内皮細胞初代培養株又はPAE細胞(1×10
8細胞)を15cmシャーレ10枚に加え、更に5.5
M GTC(グアニジンチオシアネート)溶液を3ml
/シャーレに添加した。この際、溶液は多量のDNAの
ため粘性を有するが、18ゲージの注射針のついたシリ
ンジ(30ml)にて溶液の吸引排出を20〜30回繰
り返すことによりDNAを細断し、粘性を低下させた。
次いで、高速遠心(800rpm)して残渣を除去し、
上清をポリアロマーチューブ(40ml)に入れたCs
TFA溶液(17ml)の上に重層し一晩超遠心した。
上部のGTC層と中間のDNA層をそっと取り除き、残
りは廃棄した。チューブを逆さまにし余分な水分を取り
除き、チューブの底から2cmを切取り氷の上に置い
た。チューブの底のRNAをブルーチップの先で擦り取
り、600μlの4M GTC溶液に溶かし込んだ。軽
く遠心し、不溶物を落した。600μl当たり15μl
の1M酢酸と450mlのエタノールを加え、−20℃
で3時間以上冷した後マイクロチューブ中(4℃)10
分間遠心した。
したTE緩衝液(10mMトリス−HCl、1mM E
DTA、pH8.0)に迅速に溶解した。軽く遠心し、
上清を採取した。上清330μl当たり13μlの2M
NaClを加え、−20℃で数時間以上冷却して、全
RNAを調製した。全RNAからのpoly(A)+R
NA(mRNA)の分離精製は、クロンテック社のmR
NA精製キット(原理はオリゴ(dT)−セルロースカ
ラムを用いたアフィニティーグロマトグラフィー)を使
用して行った。即ち、dT樹脂を充填したカラムを洗浄
用緩衝液で数回洗浄し、その後サンプルを乗せ、再度洗
浄用緩衝液で洗浄し、次いで溶出用緩衝液でdT樹脂に
付いていたRNA(mRNA)を溶出し、エタノール沈
殿後cDNAの調製に使用した。
7μlにし、68℃で5分間加熱した。氷上で10分間
冷却した後、以下のものを加えた。 x5 ファースト ストランド緩衝液 6 μl 0.1M DTT 3 μl RNasin 1 μl リンカープライマー(1.6μg/μl) 3.3 μl dNTP溶液 (10mM) 2 μl 添加後、速やかに撹拌し、次いで43℃2分間放置し、
Super scriptIIを添加し、43℃で1時間インキュベー
トした後、氷上に置いた。次いで、上記の反応液に氷上
で下記のものを添加した。 ddH2O 134.3 μl x5 セカンド ストランド緩衝液 48 μl dNTP溶液 (10mM) 4 μl 0.1M DTT 9 μl 氷上で5分間放置し、以下のもの添加した。 DNAポリメラーゼ I (5U/μl) 12 μl RNaseH (1.5U/μl) 2.7 μl 添加後、速やかに撹拌し、16℃150分間インキュベ
ートし、T4 DNA ポリメラーゼ(3U/μl)4μlを添加し
た。16℃15分間次いで37℃10分間インキュベー
トした。250μlのフェノール/クロロホルムで抽出
し、更にフェノール/クロロホルムに100μl TE
を加えて抽出し、抽出液をまとめ、これに以下のものを
添加した。 3M 酢酸ナトリウム 40 μl キャリヤー (グリコーゲン) 10 μl 100% エタノール 1 ml 添加後、−20℃で一晩(又は−80℃で1時間)イン
キュベートした後、遠心(15,000 rpmで20分間)し、
70%エタノールで洗浄し、遠心(15,000 rpmで5分
間)し、15μl TEに溶解した。
下のものを添加した。 x10 リゲーション緩衝液 2 μl SalI アダプター (1μg/μl) 1.2 μl ddH2O 9.8 μl T4 DNAリガーゼ 10 ユニット(3μ
l程度) 添加後、8℃一晩インキュベートし、70℃30分間加
熱し不活化した。次いで、この溶液(20μl)に以下
のものを添加した。 x10 NotI 緩衝液 (東洋紡H) 4 μl x10 トリトン 4 μl x100 BSA 0.4 μl ddH2O 5.6 μl NotI (500U/μl) 4 μl 添加後、37℃2時間インキュベートし、70℃30分
間加熱不活化した。
間)、ミリポアフィルター(UFCP3 TK50)で脱塩し、遠心
(10,000 rpm 5分間)した後、上清を除去し、100μl
TEを加えて遠心(10,000 rpm 15分間)した。上清を除
去した後、更に100μl TEを加えて遠心(10,000 r
pm 15分間)し、上清を除去し、100μl (1/10)TE
を加えて遠心(10,000 rpm 20分間)した。上清を除去
後、30μl(1/10)TEに分散し、フィルターを逆さま
にし遠心(5,000 rpm 5秒 2回)することによりcDNA
を得た。
化した後、ミリポアフィルター(UFCP3 TK50)で脱塩し
た。その後、遠心(10,000 rpm 15分間)し、上清を除去
し、100μl TEを加え遠心(10,000 rpm 15分間)し
た。上清を除去した後、更に100μl TEを加えて
遠心(10,000 rpm 15分間)し、上清を除去し、100μ
l (1/10)TEを加えて遠心(10,000 rpm 20分間)した。
上清を除去後、30μl (1/10)TEに分散しフィルタ
ーを逆さまにし遠心(5,000 rpm 5秒)することによりc
DNAライブラリー30μlを得た(1.2x106クローン,
平均サイズ:1.5kbp)。得られたcDNAライブラリーの
構造の概要を図1に示す。
x108/10キュベット)をHeBS(800μl)に分散
させ、これに上記のcDNAライブラリー(20μl/
10キュベット)を加え、エレクトロポレーション(250
V 960μF)した。細胞を、200mlのD.MEM[2
0%FCS、IT(インスリン/トランスフェリン)、
PS(ペニシリン/ストレプトマイシン)含有]に分散
させ、24時間培養した。次いで、400μg/mlの
ハイグロマイシンBを含有するD.MEM(10%FC
F、IT、PS含有)に再分散させ、10〜14日培養
した(1x107細胞)後、PBSで洗浄した。洗浄し
た細胞を補体セレクションに付した。即ち、細胞に、セ
レクション用D.MEM(10ml FCS+10ml ブタ血清+80
ml D.MEM+1ml 抗JY25抗体+667μg 抗DAF抗体+100μg
抗MCP抗体含有)を添加し、37℃2時間インキュベー
トした。反応後、D.MEMで1回洗浄し、生存細胞数
をトリパンブルー染色で数えた(生存細胞数:0.1〜
1%)。なお、抗DAF抗体及び抗MCP抗体は選択性
を高めるために加えた。生細胞をPBSで洗浄後、10
0ml D.MEM(10%FCS)に再分散させ、2
4時間培養した。その後、上記のハイグロマイシンB含
有培地での培養及び補体セレクションを2回繰り返した
(生存細胞数は最終的に20%になった)。
遠心(1,000 rpm 5分間)した後、細胞をPBSで洗浄し
た。次いで、0.6%SDS/10mM EDTA混合
液400μlを加え、十分に混合し、室温で20分間放
置した。5M NaCl 100μlを加えて十分に混合
し(細胞は白く変色した)、4℃で一晩放置した後、遠心
(15,000 rpm 15分間)し、上清を採取した。得られた上
清に、フェノール/クロロホルム(200μl+200μl)を加
え、遠心(12,000 rpm 2-3分間)し、上清を採取した。上
清に、10μl(4μg)のポリアクリルアミドを添加
し、更に1mlのエタノールを加え、−80℃で2時間
放置した。70%エタノールを加えて洗浄後、沈殿を2
0μl TEに分散した。
腸菌(MC1061)にエレクトポレーション(2.5kV 25μF 400
Ω)した。各キュベット(計10キュベット)のサンプルに
950μlのSOC培地を直ちに添加した。撹拌(20 rp
m)しながら37℃で1時間インキュベートした。インキ
ュベートしたサンプルは以下のように取り扱った。 (1)プレートにサンプル(15μlサンプル/プレート)を塗
布し、4℃でプレートを保存した。 (2)残りのサンプルは2mlのTBK+に添加し、撹拌し
ながら37℃で一晩培養した後、ミニ精製(プラスミド
DNAの少量調製)した。ミニ精製したcDNA(2mlサ
ンプル)を20μl TEに分散させた。得られたcDN
Aにおいて、10μlは制限酵素(Xhol+NotI)で切断
し、アガロースゲルを用いてcDNAのサイズをチェッ
クした。また、残りのサンプルは、JY25細胞にエレ
クトロポレーションし前述の補体セレクション法により
選択し、生存細胞数を求めた。
レートのうち、高生存率プレートから40コロニーを採
取し、コロニーを2mlのTKB+で一晩培養した。培
養物をミニ精製し、制限酵素(Xhol+NotI)で切断し、各
cDNAの挿入サイズをチェックし、サイズによりクロ
ーンを分類した。このうち、cDNAの長さ及び頻度よ
り適当と思われるcDNA及びバルクcDNA(対照)
をJY25細胞に再度エレクトロポレーションし、前述
の補体セレクション法により分析した。その結果を図2
に示す。図2に示されるように、バルクcDNAを導入
した細胞[JY25(-pMCPcDNA)]においては生存率が極めて
悪いが、選別したcDNA(pMCPcDNA)を含む細胞[JY25
(+pMCPcDNA)]は高い生存率を示し、ブタ補体に対して抵
抗性を示した。
離し、制限酵素(Xhol+NotI)で切断し、pBSIIKS+
に結合させ、常法に準じて塩基配列の決定を行った。そ
の結果、当該cDNAは塩基数1365bpの塩基配列
(配列番号1)を有し、ブタ補体インヒビターをコード
する領域は1089bpであった。そして、そのうち、
約600bpの翻訳領域ではヒトMCPと高い相同性
(約70%)を示した。配列番号1の塩基配列より推定
されるブタ補体インヒビターの配列を配列番号2に示
す。当該インヒビターの総アミノ酸数は363残基であ
った。
図である。
について、補体セレクション法による生存率を示す図で
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 配列番号1で示される塩基配列又
はこの塩基配列の一部からなるDNA。 - 【請求項2】 配列番号1で示される塩基配列の
第59番目から第1147番目までの配列からなるDN
A又はこの配列を有するDNA。 - 【請求項3】 配列番号2で示されるアミノ酸配
列からなるブタ補体インヒビター。 - 【請求項4】 配列番号2で示されるアミノ酸配
列をコードするDNA又はこの塩基配列を有するDN
A。 - 【請求項5】 cDNAライブラリーを宿主に導
入した後、宿主に対する抗体及び補体成分を加え、生存
宿主を分離することからなる補体インヒビター遺伝子を
有するクローンのスクリーニング方法。
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JP18131896A Expired - Fee Related JP3803752B2 (ja) | 1995-06-20 | 1996-06-20 | ブタ補体インヒビターをコードするdna |
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JP (1) | JP3803752B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002015681A1 (fr) | 2000-08-25 | 2002-02-28 | Nippon Meat Packers, Inc. | Mammiferes transgeniques |
-
1996
- 1996-06-20 JP JP18131896A patent/JP3803752B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2002015681A1 (fr) | 2000-08-25 | 2002-02-28 | Nippon Meat Packers, Inc. | Mammiferes transgeniques |
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Publication number | Publication date |
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JP3803752B2 (ja) | 2006-08-02 |
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