JPH0964583A - 電磁気シールド材及びシールドカバー - Google Patents
電磁気シールド材及びシールドカバーInfo
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- JPH0964583A JPH0964583A JP21452995A JP21452995A JPH0964583A JP H0964583 A JPH0964583 A JP H0964583A JP 21452995 A JP21452995 A JP 21452995A JP 21452995 A JP21452995 A JP 21452995A JP H0964583 A JPH0964583 A JP H0964583A
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- electromagnetic
- shield
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- steel sheet
- electromagnetic steel
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 強力な磁場をシールドすることができ、ま
た、残留磁化の影響が殆どなく、しかも、安価な電磁気
シールド材及びシールドカバーを提供する。 【解決手段】 電磁鋼板を予め目的とする大きさ及び形
状に加工してからパーマロイ等の高透磁率材料層をメッ
キなどにより形成する。このような電磁気シールド材で
メーター用又はモーター用シールドカバーを構成する。 【効果】 電磁鋼板により高透磁率材料の飽和によるシ
ールド性能低下が補われ、電磁鋼板の残留磁化による影
響は高透磁率材料によって低減される。電磁鋼板と高透
磁率材料との相乗的効果により、優れた電磁波シールド
効果が得られる。
た、残留磁化の影響が殆どなく、しかも、安価な電磁気
シールド材及びシールドカバーを提供する。 【解決手段】 電磁鋼板を予め目的とする大きさ及び形
状に加工してからパーマロイ等の高透磁率材料層をメッ
キなどにより形成する。このような電磁気シールド材で
メーター用又はモーター用シールドカバーを構成する。 【効果】 電磁鋼板により高透磁率材料の飽和によるシ
ールド性能低下が補われ、電磁鋼板の残留磁化による影
響は高透磁率材料によって低減される。電磁鋼板と高透
磁率材料との相乗的効果により、優れた電磁波シールド
効果が得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気シールドルーム
用の壁材等の建材、或いは、大型の電子装置を囲む板
材、その他、交差コイル式メーターやステッピングモー
ターのカバー等として極めて好適な、広い周波数帯域の
電磁波に対して優れたシールド効果を有する電磁波シー
ルド材に関する。
用の壁材等の建材、或いは、大型の電子装置を囲む板
材、その他、交差コイル式メーターやステッピングモー
ターのカバー等として極めて好適な、広い周波数帯域の
電磁波に対して優れたシールド効果を有する電磁波シー
ルド材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁気シールド材としては、一般
に、パーマロイ、Fe系アモルファス金属、電磁鋼板等
の金属板材よりなるものが用いられてきているが、パー
マロイでは、飽和磁束密度が低く、強い磁場のシールド
に適さない上に、成形後に水素雰囲気下、高温の煩雑な
熱処理が必要であるため高価であるという難点がある。
に、パーマロイ、Fe系アモルファス金属、電磁鋼板等
の金属板材よりなるものが用いられてきているが、パー
マロイでは、飽和磁束密度が低く、強い磁場のシールド
に適さない上に、成形後に水素雰囲気下、高温の煩雑な
熱処理が必要であるため高価であるという難点がある。
【0003】また、アモルファス金属の場合は急冷法に
より作製するため、通常はリボン状であり、使用形状が
限定される上、熱処理を施すと脆化し、非常に割れ易く
なり、防錆処理も必要であるという欠点がある。また、
オスプレイ等の方法で板材を作製した場合は、その後の
機械加工が非常に困難であり、作製自体大がかりな装置
が必要であり、パーマロイ同様コストが嵩む。
より作製するため、通常はリボン状であり、使用形状が
限定される上、熱処理を施すと脆化し、非常に割れ易く
なり、防錆処理も必要であるという欠点がある。また、
オスプレイ等の方法で板材を作製した場合は、その後の
機械加工が非常に困難であり、作製自体大がかりな装置
が必要であり、パーマロイ同様コストが嵩む。
【0004】しかも、これらアモルファス合金やパーマ
ロイでは、強力な磁場をシールドするには不適当であ
る。
ロイでは、強力な磁場をシールドするには不適当であ
る。
【0005】一方、電磁鋼板では、強力な磁場をシール
ドすることが可能ではあるが、保磁力が大きく、残留磁
束密度が高いため、残留磁化の影響を受ける場合に適さ
ない。
ドすることが可能ではあるが、保磁力が大きく、残留磁
束密度が高いため、残留磁化の影響を受ける場合に適さ
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、従来の電
磁気シールド材には、 製造コストが高く、高価である。 強力な磁場をシールドする場合、その磁場が無くな
った後に、シールド材の残留磁化による影響がある。 強力な磁場をシールドするための材料では透磁率が
不足であり、シールドされる空間の内部における磁場を
極めて小さくすることが困難である。 という問題があった。
磁気シールド材には、 製造コストが高く、高価である。 強力な磁場をシールドする場合、その磁場が無くな
った後に、シールド材の残留磁化による影響がある。 強力な磁場をシールドするための材料では透磁率が
不足であり、シールドされる空間の内部における磁場を
極めて小さくすることが困難である。 という問題があった。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決し、強力
な磁場をシールドすることができ、また、残留磁化の影
響が殆どなく、しかも、安価な電磁気シールド材を提供
することを目的とする。
な磁場をシールドすることができ、また、残留磁化の影
響が殆どなく、しかも、安価な電磁気シールド材を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁気シールド
材は、電磁鋼板の表面に高透磁率材料層を形成してなる
ものである。
材は、電磁鋼板の表面に高透磁率材料層を形成してなる
ものである。
【0009】このように電磁鋼板の表面に高透磁率材料
層を形成したものでは、電磁鋼板により高透磁率材料の
飽和によるシールド性能低下が補われ、また、電磁鋼板
の残留磁化による影響は高透磁率材料によって低減され
る。この電磁鋼板と高透磁率材料との相乗的効果によ
り、後述の実施例で示すように優れた電磁波シールド効
果が得られる。このような電磁波シールド効果は、後述
する比較例に示すように、パーマロイ又は電磁鋼板単独
では得ることはできない。
層を形成したものでは、電磁鋼板により高透磁率材料の
飽和によるシールド性能低下が補われ、また、電磁鋼板
の残留磁化による影響は高透磁率材料によって低減され
る。この電磁鋼板と高透磁率材料との相乗的効果によ
り、後述の実施例で示すように優れた電磁波シールド効
果が得られる。このような電磁波シールド効果は、後述
する比較例に示すように、パーマロイ又は電磁鋼板単独
では得ることはできない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の電磁気シールド材は、電磁鋼板を目的とする大
きさに切断し、且つ目的形状に加工した後、この板材の
表面に高透磁率材料層を形成することにより製造でき
る。
本発明の電磁気シールド材は、電磁鋼板を目的とする大
きさに切断し、且つ目的形状に加工した後、この板材の
表面に高透磁率材料層を形成することにより製造でき
る。
【0011】このように、電磁鋼板を予め目的とする大
きさ及び形状に加工してから高透磁率材料層を形成する
と、高透磁率材料に対し加工による歪みに基づく磁気特
性の劣化が発生しない。この結果、優れた電磁気シール
ド特性が得られる。
きさ及び形状に加工してから高透磁率材料層を形成する
と、高透磁率材料に対し加工による歪みに基づく磁気特
性の劣化が発生しない。この結果、優れた電磁気シール
ド特性が得られる。
【0012】本発明に使用可能な電磁鋼板とは、一般に
電磁鋼板、無方向性電磁鋼帯、方向性電磁鋼帯等の名称
で呼ばれている鋼板の総称をさし、特に種類は限定され
るものではない。これらの鋼材は主に硅素を1〜数%含
み、磁化力5000A/mにおける磁束密度が1.5T
にものぼる非常に飽和磁束密度が高い鋼材である。ま
た、硅素以外の元素を含む高飽和磁束密度を有する保磁
力の小さい同様の鋼材においても本発明において同様の
効果が得られることは明らかである。
電磁鋼板、無方向性電磁鋼帯、方向性電磁鋼帯等の名称
で呼ばれている鋼板の総称をさし、特に種類は限定され
るものではない。これらの鋼材は主に硅素を1〜数%含
み、磁化力5000A/mにおける磁束密度が1.5T
にものぼる非常に飽和磁束密度が高い鋼材である。ま
た、硅素以外の元素を含む高飽和磁束密度を有する保磁
力の小さい同様の鋼材においても本発明において同様の
効果が得られることは明らかである。
【0013】電磁鋼板を加工する方法としては、切断、
溶断、打ち抜きのほか、曲げ、絞りなど各種の方法を採
用できることも明らかである。
溶断、打ち抜きのほか、曲げ、絞りなど各種の方法を採
用できることも明らかである。
【0014】この電磁鋼板の表面に形成する高透磁率材
料としては、パーマロイ、センダスト、Fe系ないしC
o系非晶質合金などが好適である。この高透磁率材料層
を形成する方法としては、液相メッキ、気相メッキ(P
VD,CVDなど)などのメッキが好適であるが、溶射
などの他の膜形成法でも良い。ただし、液相メッキによ
れば、緻密層を安価に形成できる。
料としては、パーマロイ、センダスト、Fe系ないしC
o系非晶質合金などが好適である。この高透磁率材料層
を形成する方法としては、液相メッキ、気相メッキ(P
VD,CVDなど)などのメッキが好適であるが、溶射
などの他の膜形成法でも良い。ただし、液相メッキによ
れば、緻密層を安価に形成できる。
【0015】この高透磁率材料層の厚さは5〜100μ
m、特に10〜50μm程度が好適である。
m、特に10〜50μm程度が好適である。
【0016】
実施例1 皮膜を除いた厚さ0.5mmの無方向性電磁鋼板(JIS
C2552(1986):50A310相当品)を、図1に示すシールドカ
バー1の形状のプレスし、歪取り焼鈍を施した後、その
両面に電解メッキ法によりパーマロイをメッキ厚20μ
mとなるようにメッキした。
C2552(1986):50A310相当品)を、図1に示すシールドカ
バー1の形状のプレスし、歪取り焼鈍を施した後、その
両面に電解メッキ法によりパーマロイをメッキ厚20μ
mとなるようにメッキした。
【0017】メッキ浴の組成は次の通りである。 NiSO4 ・6H2 O 100g/l FeSO4 ・7H2 O 10g/l H3 BO3 50g/l 酸化防止剤(ホルマリン) 8ml/l 界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)
4ml/l メッキ時の電流密度は8A/dm2 である。
4ml/l メッキ時の電流密度は8A/dm2 である。
【0018】なお、メッキ層の成分組成を分析したとこ
ろ、次の通りであった。
ろ、次の通りであった。
【0019】 Ni:77.0wt% Fe:22.3wt% このようにして製造された磁気シールド材を、図1に示
す如く、簡易式交差コイル型メータのカバー1として装
着した。このメータは着磁した円盤状磁石2に芯棒を貫
通させ、これを軸受けで受け、その外側に直角に交差す
るように2つのコイル4A,4Bを巻回し、この2つの
コイル4A,4Bに流す電流を調節することにより、回
転軸3の回転による指針3Aの角度を測定する構造にな
っている。
す如く、簡易式交差コイル型メータのカバー1として装
着した。このメータは着磁した円盤状磁石2に芯棒を貫
通させ、これを軸受けで受け、その外側に直角に交差す
るように2つのコイル4A,4Bを巻回し、この2つの
コイル4A,4Bに流す電流を調節することにより、回
転軸3の回転による指針3Aの角度を測定する構造にな
っている。
【0020】このコイル型メータによる電磁気シールド
効果の測定は次の[I],[II]の方法で行い、結果を
表1に示した。
効果の測定は次の[I],[II]の方法で行い、結果を
表1に示した。
【0021】[I] コイル4A,4Bに流れる電流を
i1 として指針3Aを定位置(電流が0のときの位置)
から角度θ1 だけ回転させ、更に電流をi2 まで上げて
指針3Aを定位置から角度θ2 (θ2 >θ1 )まで回転
させる。その後、再び電流をi1 に戻し、その時の指針
の定位置からの角度θ3 を測定し、θ1 とθ3 との差Δ
θ[I](=θ3 −θ1 )を求める。この差Δθ[I]
が小さい程、残留磁気が小さいことを示す。
i1 として指針3Aを定位置(電流が0のときの位置)
から角度θ1 だけ回転させ、更に電流をi2 まで上げて
指針3Aを定位置から角度θ2 (θ2 >θ1 )まで回転
させる。その後、再び電流をi1 に戻し、その時の指針
の定位置からの角度θ3 を測定し、θ1 とθ3 との差Δ
θ[I](=θ3 −θ1 )を求める。この差Δθ[I]
が小さい程、残留磁気が小さいことを示す。
【0022】[II] コイル4A,4Bに電流i4 を流
し、指針3Aを定位置から角度θ4 だけ回転させる。こ
の状態で、カバー1の外側から指針3Aに磁石を近づ
け、その時の指針3Aの定位置からの最大回転角度θ5
を測定し、θ5 とθ4 との差Δθ[II](=θ5 −θ
4 )を求める。この差Δθ[II]が小さい程、電磁波シ
ールド効果が高い。
し、指針3Aを定位置から角度θ4 だけ回転させる。こ
の状態で、カバー1の外側から指針3Aに磁石を近づ
け、その時の指針3Aの定位置からの最大回転角度θ5
を測定し、θ5 とθ4 との差Δθ[II](=θ5 −θ
4 )を求める。この差Δθ[II]が小さい程、電磁波シ
ールド効果が高い。
【0023】比較例1,2 パーマロイメッキ電磁鋼板の代りにパーマロイ板材(比
較例1)又は非メッキ電磁鋼板(比較例2)を用い、実
施例1と同様にして電磁気シールド効果を調べ、結果を
表1に示した。
較例1)又は非メッキ電磁鋼板(比較例2)を用い、実
施例1と同様にして電磁気シールド効果を調べ、結果を
表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】表1より、本発明の電磁気シールド材は、
残留磁化による影響が少なく、しかもシールド性能が高
いことが明らかである。
残留磁化による影響が少なく、しかもシールド性能が高
いことが明らかである。
【0026】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかな通り、本発
明の電磁気シールド材は幅広い周波数領域の電磁波に対
して優れたシールド効果を有する電磁気シールド材であ
って、特に、強力な磁場をシールドすることができ、し
かも、残留磁気の影響が殆どなく、シールド性能が極め
て高い。また、複雑な形状の電磁気シールド材も容易か
つ安価に製作できる。
明の電磁気シールド材は幅広い周波数領域の電磁波に対
して優れたシールド効果を有する電磁気シールド材であ
って、特に、強力な磁場をシールドすることができ、し
かも、残留磁気の影響が殆どなく、シールド性能が極め
て高い。また、複雑な形状の電磁気シールド材も容易か
つ安価に製作できる。
【図1】実施例1及び比較例1,2で電磁気シールド効
果の測定に用いた簡易式交差コイル型メータの模式図で
ある。
果の測定に用いた簡易式交差コイル型メータの模式図で
ある。
1 カバー 2 磁石 3 回転軸 3A 指針 4A,4B コイル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年6月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 電磁気シールド材及びシールドカバー
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気シールドルーム
用の壁材等の建材、或いは、大型の電子装置を囲む板
材、その他、交差コイル式メーターやステッピングモー
ターのカバー等として極めて好適な、広い周波数帯域の
電磁波に対して優れたシールド効果を有する電磁波シー
ルド材、並びに、この電磁気シールド材を用いたメータ
ー用又はモーター用シールドカバーに関する。
用の壁材等の建材、或いは、大型の電子装置を囲む板
材、その他、交差コイル式メーターやステッピングモー
ターのカバー等として極めて好適な、広い周波数帯域の
電磁波に対して優れたシールド効果を有する電磁波シー
ルド材、並びに、この電磁気シールド材を用いたメータ
ー用又はモーター用シールドカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁気シールド材としては、一般
に、パーマロイ、Fe系アモルファス金属、電磁鋼板等
の金属板材よりなるものが用いられてきているが、パー
マロイでは、飽和磁束密度が低く、強い磁場のシールド
に適さない上に、成形後に水素雰囲気下、高温の煩雑な
熱処理が必要であるため高価であるという難点がある。
に、パーマロイ、Fe系アモルファス金属、電磁鋼板等
の金属板材よりなるものが用いられてきているが、パー
マロイでは、飽和磁束密度が低く、強い磁場のシールド
に適さない上に、成形後に水素雰囲気下、高温の煩雑な
熱処理が必要であるため高価であるという難点がある。
【0003】また、アモルファス金属の場合は急冷法に
より作製するため、通常はリボン状であり、使用形状が
限定される上、熱処理を施すと脆化し、非常に割れ易く
なり、防錆処理も必要であるという欠点がある。また、
オスプレイ等の方法で板材を作製した場合は、その後の
機械加工が非常に困難であり、作製自体大がかりな装置
が必要であり、パーマロイ同様コストが嵩む。
より作製するため、通常はリボン状であり、使用形状が
限定される上、熱処理を施すと脆化し、非常に割れ易く
なり、防錆処理も必要であるという欠点がある。また、
オスプレイ等の方法で板材を作製した場合は、その後の
機械加工が非常に困難であり、作製自体大がかりな装置
が必要であり、パーマロイ同様コストが嵩む。
【0004】しかも、これらアモルファス合金やパーマ
ロイでは、強力な磁場をシールドするには不適当であ
る。
ロイでは、強力な磁場をシールドするには不適当であ
る。
【0005】一方、電磁鋼板では、強力な磁場をシール
ドすることが可能ではあるが、保磁力が大きく、残留磁
束密度が高いため、残留磁化の影響を受ける場合に適さ
ない。
ドすることが可能ではあるが、保磁力が大きく、残留磁
束密度が高いため、残留磁化の影響を受ける場合に適さ
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、従来の電
磁気シールド材には、 製造コストが高く、高価である。 強力な磁場をシールドする場合、その磁場が無くな
った後に、シールド材の残留磁化による影響がある。 強力な磁場をシールドするための材料では透磁率が
不足であり、シールドされる空間の内部における磁場を
極めて小さくすることが困難である。 という問題があった。
磁気シールド材には、 製造コストが高く、高価である。 強力な磁場をシールドする場合、その磁場が無くな
った後に、シールド材の残留磁化による影響がある。 強力な磁場をシールドするための材料では透磁率が
不足であり、シールドされる空間の内部における磁場を
極めて小さくすることが困難である。 という問題があった。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決し、強力
な磁場をシールドすることができ、また、残留磁化の影
響が殆どなく、しかも、安価な電磁気シールド材、並び
に、このような電磁気シールド材を用いたメーター用又
はモーター用シールドカバーを提供することを目的とす
る。
な磁場をシールドすることができ、また、残留磁化の影
響が殆どなく、しかも、安価な電磁気シールド材、並び
に、このような電磁気シールド材を用いたメーター用又
はモーター用シールドカバーを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁気シールド
材は、電磁鋼板の表面に高透磁率材料層を形成してなる
ものである。
材は、電磁鋼板の表面に高透磁率材料層を形成してなる
ものである。
【0009】このように電磁鋼板の表面に高透磁率材料
層を形成したものでは、電磁鋼板により高透磁率材料の
飽和によるシールド性能低下が補われ、また、電磁鋼板
の残留磁化による影響は高透磁率材料によって低減され
る。この電磁鋼板と高透磁率材料との相乗的効果によ
り、後述の実施例で示すように優れた電磁波シールド効
果が得られる。このような電磁波シールド効果は、後述
する比較例に示すように、パーマロイ又は電磁鋼板単独
では得ることはできない。
層を形成したものでは、電磁鋼板により高透磁率材料の
飽和によるシールド性能低下が補われ、また、電磁鋼板
の残留磁化による影響は高透磁率材料によって低減され
る。この電磁鋼板と高透磁率材料との相乗的効果によ
り、後述の実施例で示すように優れた電磁波シールド効
果が得られる。このような電磁波シールド効果は、後述
する比較例に示すように、パーマロイ又は電磁鋼板単独
では得ることはできない。
【0010】本発明の電磁気シールド材において、高透
磁率材料はパーマロイであることが好ましい。
磁率材料はパーマロイであることが好ましい。
【0011】本発明のシールドカバーは、このような本
発明の電磁気シールド材を用いたメーター用又はモータ
ー用シールドカバーである。
発明の電磁気シールド材を用いたメーター用又はモータ
ー用シールドカバーである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の電磁気シールド材は、電磁鋼板を
目的とする大きさに切断し、且つ目的形状に加工した
後、この板材の表面に高透磁率材料層を形成することに
より製造できる。
目的とする大きさに切断し、且つ目的形状に加工した
後、この板材の表面に高透磁率材料層を形成することに
より製造できる。
【0014】このように、電磁鋼板を予め目的とする大
きさ及び形状に加工してから高透磁率材料層を形成する
と、高透磁率材料に対し加工による歪みに基づく磁気特
性の劣化が発生しない。この結果、優れた電磁気シール
ド特性が得られる。
きさ及び形状に加工してから高透磁率材料層を形成する
と、高透磁率材料に対し加工による歪みに基づく磁気特
性の劣化が発生しない。この結果、優れた電磁気シール
ド特性が得られる。
【0015】本発明に使用可能な電磁鋼板とは、一般に
電磁鋼板、無方向性電磁鋼帯、方向性電磁鋼帯等の名称
で呼ばれている鋼板の総称をさし、特に種類は限定され
るものではない。これらの鋼材は主に硅素を1〜数%含
み、磁化力5000A/mにおける磁束密度が1.5T
にものぼる非常に飽和磁束密度が高い鋼材である。ま
た、硅素以外の元素を含む高飽和磁束密度を有する保磁
力の小さい同様の鋼材においても本発明において同様の
効果が得られることは明らかである。
電磁鋼板、無方向性電磁鋼帯、方向性電磁鋼帯等の名称
で呼ばれている鋼板の総称をさし、特に種類は限定され
るものではない。これらの鋼材は主に硅素を1〜数%含
み、磁化力5000A/mにおける磁束密度が1.5T
にものぼる非常に飽和磁束密度が高い鋼材である。ま
た、硅素以外の元素を含む高飽和磁束密度を有する保磁
力の小さい同様の鋼材においても本発明において同様の
効果が得られることは明らかである。
【0016】電磁鋼板を加工する方法としては、切断、
溶断、打ち抜きのほか、曲げ、絞りなど各種の方法を採
用できることも明らかである。
溶断、打ち抜きのほか、曲げ、絞りなど各種の方法を採
用できることも明らかである。
【0017】この電磁鋼板の表面に形成する高透磁率材
料としては、パーマロイ、センダスト、Fe系ないしC
o系非晶質合金などが好適である。この高透磁率材料層
を形成する方法としては、液相メッキ、気相メッキ(P
VD,CVDなど)などのメッキが好適であるが、溶射
などの他の膜形成法でも良い。ただし、液相メッキによ
れば、緻密層を安価に形成できる。
料としては、パーマロイ、センダスト、Fe系ないしC
o系非晶質合金などが好適である。この高透磁率材料層
を形成する方法としては、液相メッキ、気相メッキ(P
VD,CVDなど)などのメッキが好適であるが、溶射
などの他の膜形成法でも良い。ただし、液相メッキによ
れば、緻密層を安価に形成できる。
【0018】この高透磁率材料層の厚さは5〜100μ
m、特に10〜50μm程度が好適である。
m、特に10〜50μm程度が好適である。
【0019】本発明のシールドカバーは、このような本
発明の電磁気シールド材で構成されるメーター用又はモ
ーター用シールドカバーである。
発明の電磁気シールド材で構成されるメーター用又はモ
ーター用シールドカバーである。
【0020】
【実施例】 実施例1 皮膜を除いた厚さ0.5mmの無方向性電磁鋼板(JIS
C2552(1986):50A310相当品)を、図1に示すシールドカ
バー1の形状のプレスし、歪取り焼鈍を施した後、その
両面に電解メッキ法によりパーマロイをメッキ厚20μ
mとなるようにメッキした。
C2552(1986):50A310相当品)を、図1に示すシールドカ
バー1の形状のプレスし、歪取り焼鈍を施した後、その
両面に電解メッキ法によりパーマロイをメッキ厚20μ
mとなるようにメッキした。
【0021】メッキ浴の組成は次の通りである。 NiSO4 ・6H2 O 100g/l FeSO4 ・7H2 O 10g/l H3 BO3 50g/l 酸化防止剤(ホルマリン) 8ml/l 界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)
4ml/l メッキ時の電流密度は8A/dm2 である。
4ml/l メッキ時の電流密度は8A/dm2 である。
【0022】なお、メッキ層の成分組成を分析したとこ
ろ、次の通りであった。
ろ、次の通りであった。
【0023】 Ni:77.0wt% Fe:22.3wt% このようにして製造された磁気シールド材を、図1に示
す如く、簡易式交差コイル型メーターのカバー1として
装着した。このメーターは着磁した円盤状磁石2に芯棒
を貫通させ、これを軸受けで受け、その外側に直角に交
差するように2つのコイル4A,4Bを巻回し、この2
つのコイル4A,4Bに流す電流を調節することによ
り、回転軸3の回転による指針3Aの角度を測定する構
造になっている。
す如く、簡易式交差コイル型メーターのカバー1として
装着した。このメーターは着磁した円盤状磁石2に芯棒
を貫通させ、これを軸受けで受け、その外側に直角に交
差するように2つのコイル4A,4Bを巻回し、この2
つのコイル4A,4Bに流す電流を調節することによ
り、回転軸3の回転による指針3Aの角度を測定する構
造になっている。
【0024】このコイル型メーターによる電磁気シール
ド効果の測定は次の[I],[II]の方法で行い、結果
を表1に示した。
ド効果の測定は次の[I],[II]の方法で行い、結果
を表1に示した。
【0025】[I] コイル4A,4Bに流れる電流を
i1 として指針3Aを定位置(電流が0のときの位置)
から角度θ1 だけ回転させ、更に電流をi2 まで上げて
指針3Aを定位置から角度θ2 (θ2 >θ1 )まで回転
させる。その後、再び電流をi1 に戻し、その時の指針
の定位置からの角度θ3 を測定し、θ1 とθ3 との差Δ
θ[I](=θ3 −θ1 )を求める。この差Δθ[I]
が小さい程、残留磁気が小さいことを示す。
i1 として指針3Aを定位置(電流が0のときの位置)
から角度θ1 だけ回転させ、更に電流をi2 まで上げて
指針3Aを定位置から角度θ2 (θ2 >θ1 )まで回転
させる。その後、再び電流をi1 に戻し、その時の指針
の定位置からの角度θ3 を測定し、θ1 とθ3 との差Δ
θ[I](=θ3 −θ1 )を求める。この差Δθ[I]
が小さい程、残留磁気が小さいことを示す。
【0026】[II] コイル4A,4Bに電流i4 を流
し、指針3Aを定位置から角度θ4 だけ回転させる。こ
の状態で、カバー1の外側から指針3Aに磁石を近づ
け、その時の指針3Aの定位置からの最大回転角度θ5
を測定し、θ5 とθ4 との差Δθ[II](=θ5 −
θ4 )を求める。この差Δθ[II]が小さい程、電磁波
シールド効果が高い。
し、指針3Aを定位置から角度θ4 だけ回転させる。こ
の状態で、カバー1の外側から指針3Aに磁石を近づ
け、その時の指針3Aの定位置からの最大回転角度θ5
を測定し、θ5 とθ4 との差Δθ[II](=θ5 −
θ4 )を求める。この差Δθ[II]が小さい程、電磁波
シールド効果が高い。
【0027】比較例1,2 パーマロイメッキ電磁鋼板の代りにパーマロイ板材(比
較例1)又は非メッキ電磁鋼板(比較例2)を用い、実
施例1と同様にして電磁気シールド効果を調べ、結果を
表1に示した。
較例1)又は非メッキ電磁鋼板(比較例2)を用い、実
施例1と同様にして電磁気シールド効果を調べ、結果を
表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】表1より、本発明の電磁気シールド材及び
シールドカバーは、残留磁化による影響が少なく、しか
もシールド性能が高いことが明らかである。
シールドカバーは、残留磁化による影響が少なく、しか
もシールド性能が高いことが明らかである。
【0030】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかな通り、本発
明の電磁気シールド材及びシールドカバーは幅広い周波
数領域の電磁波に対して優れたシールド効果を有する電
磁気シールド材及びシールドカバーであって、特に、強
力な磁場をシールドすることができ、しかも、残留磁気
の影響が殆どなく、シールド性能が極めて高い。また、
複雑な形状の電磁気シールド材及びシールドカバーも容
易かつ安価に製作できる。
明の電磁気シールド材及びシールドカバーは幅広い周波
数領域の電磁波に対して優れたシールド効果を有する電
磁気シールド材及びシールドカバーであって、特に、強
力な磁場をシールドすることができ、しかも、残留磁気
の影響が殆どなく、シールド性能が極めて高い。また、
複雑な形状の電磁気シールド材及びシールドカバーも容
易かつ安価に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1,2で電磁気シールド効
果の測定に用いた簡易式交差コイル型メーターの模式図
である。
果の測定に用いた簡易式交差コイル型メーターの模式図
である。
【符号の説明】 1 カバー 2 磁石 3 回転軸 3A 指針 4A,4B コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 隆 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 千葉 和郎 静岡県裾野市平松85 三菱アルミニウム株 式会社内 (72)発明者 久米 淑夫 静岡県裾野市平松85 三菱アルミニウム株 式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 電磁鋼板の表面に高透磁率材料層を形成
してなる電磁気シールド材。 - 【請求項2】 請求項1において、前記高透磁率材料は
パーマロイであることを特徴とする電磁気シールド材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21452995A JPH0964583A (ja) | 1995-08-23 | 1995-08-23 | 電磁気シールド材及びシールドカバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21452995A JPH0964583A (ja) | 1995-08-23 | 1995-08-23 | 電磁気シールド材及びシールドカバー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0964583A true JPH0964583A (ja) | 1997-03-07 |
Family
ID=16657243
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21452995A Withdrawn JPH0964583A (ja) | 1995-08-23 | 1995-08-23 | 電磁気シールド材及びシールドカバー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0964583A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4734455B2 (ja) * | 2008-01-24 | 2011-07-27 | 新日本製鐵株式会社 | 磁気特性の優れた方向性電磁鋼板 |
EP2316980A4 (en) * | 2008-07-22 | 2017-05-31 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Non-oriented electromagnetic steel plate and method for manufacturing the same |
-
1995
- 1995-08-23 JP JP21452995A patent/JPH0964583A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4734455B2 (ja) * | 2008-01-24 | 2011-07-27 | 新日本製鐵株式会社 | 磁気特性の優れた方向性電磁鋼板 |
EP2316980A4 (en) * | 2008-07-22 | 2017-05-31 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | Non-oriented electromagnetic steel plate and method for manufacturing the same |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021105 |