JPH0963494A - カーボンクラスターイオン生成方法 - Google Patents
カーボンクラスターイオン生成方法Info
- Publication number
- JPH0963494A JPH0963494A JP21627995A JP21627995A JPH0963494A JP H0963494 A JPH0963494 A JP H0963494A JP 21627995 A JP21627995 A JP 21627995A JP 21627995 A JP21627995 A JP 21627995A JP H0963494 A JPH0963494 A JP H0963494A
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- Japan
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- plasma
- chamber
- carbon cluster
- ionized
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来のカーボンクラスターイオンを生成させ
る方法の場合、レーザー照射を用いているため、イオン
量が少なく実用化が困難であった。 【解決手段】 本発明によるカーボンクラスターイオン
生成方法は、イオン化室(2)内にカーボンクラスターを
蒸着した部材(20)を配置し、カーボンクラスターが加熱
されてクラスターイオンを生成する構成である。
る方法の場合、レーザー照射を用いているため、イオン
量が少なく実用化が困難であった。 【解決手段】 本発明によるカーボンクラスターイオン
生成方法は、イオン化室(2)内にカーボンクラスターを
蒸着した部材(20)を配置し、カーボンクラスターが加熱
されてクラスターイオンを生成する構成である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボンクラスタ
ーイオン生成方法に関し、特に、プラズマ又は高速電子
を用いてクラスターイオンを生成させるための新規な改
良に関する。
ーイオン生成方法に関し、特に、プラズマ又は高速電子
を用いてクラスターイオンを生成させるための新規な改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、用いられていたこの種のカーボン
クラスターイオン生成方法としては、一般に、カーボン
クラスターにレーザーを照射してイオン化させるか、又
は、カーボンクラスターにCS +イオンを衝突させること
により、カーボンクラスターの負イオンを生成させ、こ
れらのイオン又は負イオンを加速器(線形加速器、タン
デム加速器管)により加速していた。
クラスターイオン生成方法としては、一般に、カーボン
クラスターにレーザーを照射してイオン化させるか、又
は、カーボンクラスターにCS +イオンを衝突させること
により、カーボンクラスターの負イオンを生成させ、こ
れらのイオン又は負イオンを加速器(線形加速器、タン
デム加速器管)により加速していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のカーボンクラス
ターイオン生成方法は、以上のように構成されていたた
め、次のような課題が存在していた。すなわち、レーザ
ー照射により又はCS +イオンとの衝突によるスパッタに
より得られるC60イオン量は数ピコアンペア程度で極め
て低いレベルであった。また、C60 -1イオンを荷電変換
してC60の多価イオンを生成させる場合、その荷電変換
効率が悪く、実用化は困難であった。
ターイオン生成方法は、以上のように構成されていたた
め、次のような課題が存在していた。すなわち、レーザ
ー照射により又はCS +イオンとの衝突によるスパッタに
より得られるC60イオン量は数ピコアンペア程度で極め
て低いレベルであった。また、C60 -1イオンを荷電変換
してC60の多価イオンを生成させる場合、その荷電変換
効率が悪く、実用化は困難であった。
【0004】本発明は以上のような課題を解決するため
になされたもので、特に、プラズマ又は高速電子を用い
てクラスターイオンを生成させるようにしたカーボンク
ラスターイオンを生成させるようにしたカーボンクラス
ターイオン生成方法を提供することを目的とする。
になされたもので、特に、プラズマ又は高速電子を用い
てクラスターイオンを生成させるようにしたカーボンク
ラスターイオンを生成させるようにしたカーボンクラス
ターイオン生成方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるカーボンク
ラスターイオン生成方法は、イオン源又はECR多価イ
オン源において、イオン化室内に、予め蒸着されたカー
ボンクラスターを有する部材を配置し、前記イオン化室
内におけるプラズマ又は高速電子により前記カーボンク
ラスターが加熱されて蒸発し、この蒸発による蒸気を前
記イオン化室内でイオン化又は多価イオン化させる方法
である。
ラスターイオン生成方法は、イオン源又はECR多価イ
オン源において、イオン化室内に、予め蒸着されたカー
ボンクラスターを有する部材を配置し、前記イオン化室
内におけるプラズマ又は高速電子により前記カーボンク
ラスターが加熱されて蒸発し、この蒸発による蒸気を前
記イオン化室内でイオン化又は多価イオン化させる方法
である。
【0006】さらに詳細には、前記部材として筒状のフ
ォイル又はメッシュを用いる方法である。従って、イオ
ン化室内部にそのイオン化室内壁と十分に熱絶縁をした
高融点金属のフォイル又はメッシュにカーボンクラスタ
ーを蒸着させた状態からなる部材を配置し、このイオン
化室内部でプラズマ又は高速電子によりカーボンクラス
ターを加熱することにより、このカーボンクラスターは
蒸発し、イオン化室内で直ちにイオン化又は多価イオン
化が行われてクラスターイオンが発生する。
ォイル又はメッシュを用いる方法である。従って、イオ
ン化室内部にそのイオン化室内壁と十分に熱絶縁をした
高融点金属のフォイル又はメッシュにカーボンクラスタ
ーを蒸着させた状態からなる部材を配置し、このイオン
化室内部でプラズマ又は高速電子によりカーボンクラス
ターを加熱することにより、このカーボンクラスターは
蒸発し、イオン化室内で直ちにイオン化又は多価イオン
化が行われてクラスターイオンが発生する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明によるカ
ーボンクラスターイオン生成方法の好適な実施の形態に
ついて詳細に説明する。図1において符号1で示される
ものはイオン化室であるプラズマチャンバー2を有する
周知のECR多価イオン源であり、このイオン源1のプ
ラズマチャンバー2の前段例にはガス導入管3及びマイ
クロ波導入導波管4を有する導入部5が接続され、この
導入部5はターボ真空ポンプ6に接続されている。前記
プラズマチャンバー2の周囲には、永久磁石6Aと電磁
石コイル6を有する電磁石7が設けられ、このプラズマ
チャンバー2の後段例には引出し電極8を介してイオン
ビーム9を発射するためのイオン導出部10が設けられ
ている。前記プラズマチャンバー2内には、プラズマ発
生の障害とならないような状態で、フォイル又はメッシ
ュからなる筒状の部材20が配設されており、この部材
20には図示しないカーボンクラスターが蒸着により形
成されている。
ーボンクラスターイオン生成方法の好適な実施の形態に
ついて詳細に説明する。図1において符号1で示される
ものはイオン化室であるプラズマチャンバー2を有する
周知のECR多価イオン源であり、このイオン源1のプ
ラズマチャンバー2の前段例にはガス導入管3及びマイ
クロ波導入導波管4を有する導入部5が接続され、この
導入部5はターボ真空ポンプ6に接続されている。前記
プラズマチャンバー2の周囲には、永久磁石6Aと電磁
石コイル6を有する電磁石7が設けられ、このプラズマ
チャンバー2の後段例には引出し電極8を介してイオン
ビーム9を発射するためのイオン導出部10が設けられ
ている。前記プラズマチャンバー2内には、プラズマ発
生の障害とならないような状態で、フォイル又はメッシ
ュからなる筒状の部材20が配設されており、この部材
20には図示しないカーボンクラスターが蒸着により形
成されている。
【0008】図1において、プラズマチャンバー2内
に、ガス導入口3より、必要なガスを、マイクロ波導波
管4よりマイクロ波を各々導入し、電磁石7で適当な磁
場を発生させることで、プラズマが生成される。このプ
ラズマチャンバー2内には、図2で示される、イオン化
室内壁と十分熱絶縁された高融点金属のフォイル又はメ
ッシュとからなる部材20を円筒状に設置する。この部
材20にC60を蒸着した金属板を円筒状にして設置する
か又はこの部材20に直接C60を蒸着して行っても良
い。そして、プラズマ条件を適当に調整することによ
り、C60の多価イオンが生成される。図3は、この様な
方法によって生成されたイオン種を示す質量スペクトル
である。横軸は質量/電荷を、縦軸は相対強度を示して
いる。MはC60 3+を示している。C60多価イオン以外
に、カーボンクラスターの多価イオンを生成できる。ま
た、N、O、PはそれぞれC46 2+、C50 2+、C56 2+であ
る。生成条件として、引き出し電圧は4KVであり、ガ
スはヘリウムガスを使用した。次に、より具体的に動作
を述べる。高融点金属(例えば、Mo、Ta、W等の何
れか)からなる前記部材20を用い、Arガスのプラズ
マを前記イオン化室2内部に生成させると、そのプラズ
マにより、もしくは、加速された高速電子により、その
部材20に蒸着されたカーボンクラスターが加熱されて
蒸発し、その蒸気がイオン化室2内で直ちにイオン化
(又は多価イオン化)される。なお、前述の実施の形態
においては、イオン源としてECR多価イオン源を用い
たが周知の一般的なイオン源を用いた場合も前述と同様
な作用を得ることができる。
に、ガス導入口3より、必要なガスを、マイクロ波導波
管4よりマイクロ波を各々導入し、電磁石7で適当な磁
場を発生させることで、プラズマが生成される。このプ
ラズマチャンバー2内には、図2で示される、イオン化
室内壁と十分熱絶縁された高融点金属のフォイル又はメ
ッシュとからなる部材20を円筒状に設置する。この部
材20にC60を蒸着した金属板を円筒状にして設置する
か又はこの部材20に直接C60を蒸着して行っても良
い。そして、プラズマ条件を適当に調整することによ
り、C60の多価イオンが生成される。図3は、この様な
方法によって生成されたイオン種を示す質量スペクトル
である。横軸は質量/電荷を、縦軸は相対強度を示して
いる。MはC60 3+を示している。C60多価イオン以外
に、カーボンクラスターの多価イオンを生成できる。ま
た、N、O、PはそれぞれC46 2+、C50 2+、C56 2+であ
る。生成条件として、引き出し電圧は4KVであり、ガ
スはヘリウムガスを使用した。次に、より具体的に動作
を述べる。高融点金属(例えば、Mo、Ta、W等の何
れか)からなる前記部材20を用い、Arガスのプラズ
マを前記イオン化室2内部に生成させると、そのプラズ
マにより、もしくは、加速された高速電子により、その
部材20に蒸着されたカーボンクラスターが加熱されて
蒸発し、その蒸気がイオン化室2内で直ちにイオン化
(又は多価イオン化)される。なお、前述の実施の形態
においては、イオン源としてECR多価イオン源を用い
たが周知の一般的なイオン源を用いた場合も前述と同様
な作用を得ることができる。
【0009】
【発明の効果】本発明によるカーボンクラスターイオン
生成方法は、以上のように構成されているため、次のよ
うな効果を得ることができる。すなわち、従来、大電力
パルスレーザーにより作られたC60等のクラスター(多
価)イオンがカーボンクラスターを蒸着させたフォルム
又はメッシュからなる部材をイオン化室に設けて加熱す
ることにより比較的容易に生成出来る。またECR多価
イオン源により、多価イオンとする事で、線形加速器等
により、高エネルギーまで加速が可能となり、固体表面
への打ち込み、カーボンクラスターの物性研究の向上を
容易に得ることができる。
生成方法は、以上のように構成されているため、次のよ
うな効果を得ることができる。すなわち、従来、大電力
パルスレーザーにより作られたC60等のクラスター(多
価)イオンがカーボンクラスターを蒸着させたフォルム
又はメッシュからなる部材をイオン化室に設けて加熱す
ることにより比較的容易に生成出来る。またECR多価
イオン源により、多価イオンとする事で、線形加速器等
により、高エネルギーまで加速が可能となり、固体表面
への打ち込み、カーボンクラスターの物性研究の向上を
容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカーボンクラスターイオン生成方
法で用いるECR多価イオン源を示す構成図である。
法で用いるECR多価イオン源を示す構成図である。
【図2】図1に用いる部材を示す構成図である。
【図3】イオン種を示すスペクトル図である。
2 イオン化室(プラズマチャンバー) 3 ガス導入口 4 マイクロ波導波管 5 導入部 6 ターボ真空ポンプ 6A 永久磁石 7 電磁石 8 引出し電極 9 イオンビーム 10 イオン導出部 20 部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山木 晋一 千葉県四街道市鷹の台一丁目3番 株式会 社日本製鋼所内 (72)発明者 石田 稔幸 千葉県四街道市鷹の台一丁目3番 株式会 社日本製鋼所内
Claims (2)
- 【請求項1】 イオン源又はECR多価イオン源におい
て、イオン化室(2)内に、予め蒸着されたカーボンクラ
スターを有する部材(20)を配置し、前記イオン化室(2)
内におけるプラズマ又は高速電子により前記カーボンク
ラスターが加熱されて蒸発し、この蒸発による蒸気を前
記イオン化室(2)内でイオン化又は多価イオン化させる
ことを特徴とするカーボンクラスターイオン生成方法。 - 【請求項2】 前記部材(20)として筒状のフォイル又は
メッシュを用いることを特徴とする請求項1記載のカー
ボンクラスターイオン生成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21627995A JPH0963494A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | カーボンクラスターイオン生成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21627995A JPH0963494A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | カーボンクラスターイオン生成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0963494A true JPH0963494A (ja) | 1997-03-07 |
Family
ID=16686051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21627995A Pending JPH0963494A (ja) | 1995-08-24 | 1995-08-24 | カーボンクラスターイオン生成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0963494A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003092033A1 (fr) * | 2002-04-23 | 2003-11-06 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Generateur de faisceaux utilisant une molecule metallique polynucleaire |
CN107215885A (zh) * | 2017-06-23 | 2017-09-29 | 浙江大学 | 一种无机聚离子团簇及其制备方法和应用 |
-
1995
- 1995-08-24 JP JP21627995A patent/JPH0963494A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003092033A1 (fr) * | 2002-04-23 | 2003-11-06 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Generateur de faisceaux utilisant une molecule metallique polynucleaire |
CN107215885A (zh) * | 2017-06-23 | 2017-09-29 | 浙江大学 | 一种无机聚离子团簇及其制备方法和应用 |
CN107215885B (zh) * | 2017-06-23 | 2019-01-25 | 浙江大学 | 一种无机聚离子团簇及其制备方法和应用 |
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