JP3510174B2 - イオン発生装置及び成膜装置 - Google Patents

イオン発生装置及び成膜装置

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JP3510174B2
JP3510174B2 JP2000056242A JP2000056242A JP3510174B2 JP 3510174 B2 JP3510174 B2 JP 3510174B2 JP 2000056242 A JP2000056242 A JP 2000056242A JP 2000056242 A JP2000056242 A JP 2000056242A JP 3510174 B2 JP3510174 B2 JP 3510174B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡易な機構によっ
て高密度で均一なイオンを大面積に供給することができ
るイオン発生装置、及びこれを用いた成膜装置を提供す
ることを目的とする。
【0002】
【従来の技術】加速器等に組み込まれるイオン源とし
て、例えばデュオプラズマトロンが知られている。この
デュオプラズマトロンでは、カソード・アノード間にソ
ースガスを導入しつつカソードから熱電子を放出させて
プラズマ放電を生じさせる。生じたプラズマは、円筒状
の磁界に閉じ込められてアノードの開口に供給される。
プラズマ中のイオンは、アノードの開口を通過した後、
適当に設けた電極によって引出されて加速され、このイ
オン源から出射する。
【0003】また、成膜用のイオン源として、マイクロ
波励起型のものが知られている。このようなマイクロ波
励起イオン源では、適当な磁場を形成したプラズマチャ
ンバ中にソースガスを導入しつつこのプラズマチャンバ
中に石英窓を介してマイクロ波を照射することにより、
効率よくプラズマを発生させる。プラズマ中のイオン
は、適当に設けたハニカム状の電極によって引出されて
加速され、このイオン源から出射する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、デュオプラズ
マトロンは、加速器用などのため、低エミッタンスイオ
ン源であり、イオンを大面積に亘って均一に供給するこ
とができない。
【0005】また、マイクロ波励起イオン源では、マイ
クロ波によるイオン化率に限界があり、高密度で均一な
イオンを大面積に亘って供給するには装置が大型化す
る。
【0006】そこで、本発明は、簡易な機構によって高
密度で均一なイオンを大面積に亘って供給することがで
きるイオン発生装置を提供することを目的とする。
【0007】さらに、本発明は、上記のようなイオン発
生装置を利用して、高速で均一な成膜を可能にする成膜
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1のイオン発生装置は、アーク放電によ
ってプラズマを発生させるプラズマガンと、プラズマガ
ンからのプラズマの出射口に対向する所定領域にカスプ
磁場を形成する磁場形成手段と、出射口に対向して配置
され、所定領域にあるプラズマ中から電子を吸引して分
離する分離電極(すなわち陽極)と、分離電極よりもプ
ラズマの射出方向側に配置され、所定領域にあるプラズ
マ中からプラスイオンを引出す引出電極とを備える。
【0009】上記装置では、アーク放電によってプラズ
マを発生させるプラズマガンを用いるので、簡易な機構
によって多量のプラズマを連続的に安定して発生させる
ことができ、磁場に沿って効率良くイオンを大面積に広
げて分布させることができる。また、磁場形成手段がプ
ラズマガンからのプラズマの出射口に対向する所定領域
にカスプ磁場を形成するので、発生したプラズマを所定
領域に効率的に閉じ込めることができる。この際、分離
電極によって所定領域のカスプ磁場から電子を効率的に
取り除くとともに、引出電極によって所定領域のカスプ
磁場からプラスイオンを効率的に取り出すことができる
ので、多量のプラスイオンを抽出することができる。な
お、プラズマガンとして、好適には、直流アーク放電を
利用した圧力勾配型のガンを用いることができる。
【0010】また、上記装置の好ましい態様によれば、
磁場形成手段が、所定領域を挟んでプラズマの射出方向
の前後に対向して配置された一対の円形コイルからな
り、カスプ磁場が、一対の円形コイルの中心軸の回りに
回転対称な紡錘形である。
【0011】上記装置では、一対の円形コイルによって
プラズマの出射口に対向する紡錘状のカスプ磁場が形成
されるので、簡易かつ効率的にプラズマを閉じ込めるこ
とができ、プラスイオンを効率的に引き出せる。
【0012】また、本発明の第2のイオン発生装置は、
アーク放電によってプラズマを発生させるプラズマガン
と、プラズマガンの出射口に対向して配置され、出射口
に対向する所定領域にあるプラズマ中から電子を吸引し
て分離する分離電極と、分離電極よりもプラズマの射出
方向側に配置され、所定領域にあるプラズマ中からプラ
スイオンを引出す引出電極と、前記引出電極に内蔵され
るとともに遮蔽部及び通過部からなるセクタを移動させ
ることにより、所定領域中にあるプラスイオンが引出電
極に引出されるタイミングを調節するチョッパとを備え
る。
【0013】上記装置では、アーク放電によってプラズ
マを発生させるプラズマガンを用いるので、簡易な機構
によって多量のプラズマ延いては多量のプラスイオンを
連続的に安定して発生させることができる。また、上記
装置では、チョッパが所定領域中にあるプラスイオンが
引出電極に引出されるタイミングを調節するので、所望
のタイミングでプラスイオンを出射させることができ
る。例えばチョッパに設けられているセクタを一定周期
で動作させることにより、周期パルスとして出射するプ
ラスイオンを得ることができ、加速電極に引き出された
パルス的なイオンと同期する様に交流の引出し電場を印
加することにより、効率的にパルス状イオン電流を得る
ことができる。なお、プラズマガンとして、好適には、
直流アーク放電を利用した圧力勾配型のガンを用いるこ
とができる。
【0014】また、本発明の成膜装置は、上記第1及び
第2のイオン発生装置と、成膜材料で形成されたターゲ
ットを、イオン発生装置から出射したプラスイオンが入
射する位置に支持するターゲット支持部材と、成膜対象
である基板を、ターゲットに入射するプラスイオンを遮
らない状態でこのターゲットに対向する位置に支持する
基板支持部材とを備える。
【0015】上記装置では、上記第1及び第2のイオン
発生装置を用いるので、多量のプラスイオンを連続的に
安定して発生させることができ、ターゲットを安定して
然も迅速にスパッタすることができる。よって、簡易な
機構によって基板上に迅速かつ均一に成膜を行うことが
できる。
【0016】なお、上記のようなイオン発生装置を成膜
に利用することにより、プラズマによって基板にダメー
ジが発生することを防止でき、基板周辺の真空度を高め
て残留ガスの影響を低減することができる。さらに、タ
ーゲットの局部的侵食やターゲット周辺でのアーク発生
を簡易に防止でき、スパッタするターゲットの材料も問
わない。さらに、プラスイオンのビームエネルギーや照
射領域を厳密に制御することができるので、成膜の制御
性を高めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明の
第1実施形態に係るイオン発生装置を組み込んだ成膜装
置について説明する。
【0018】図1は、成膜装置の全体構造を概略的に説
明する図である。この成膜装置は、高いイオン化率を有
するプラズマを発生するプラズマガン10と、プラズマ
ガン10から出射したプラズマからプラスイオンを分離
して所望のエネルギー及び密度分布のビームとして出射
するイオンビーム形成部20と、イオンビーム形成部2
0からのイオンビームを利用してスパッタ成膜を行うた
めの処理室30とを備える。ここで、プラズマガン10
とイオンビーム形成部20とは、イオン発生装置を構成
する。
【0019】プラズマガン10は、プラズマビームPB
を発生する圧力勾配型のプラズマガンであり、その本体
部分は、イオンビーム形成部20の側壁に設けられた筒
状部21に装着されている。この本体部分は、陰極11
によって一端が閉塞されたガラス管12からなる。ガラ
ス管12内には、モリブデンMoで形成された円筒13
が陰極11に固定されて同心状に配置されており、この
円筒13内には、LaB6で形成された円盤14とタン
タルTaで形成されたパイプ15とが内蔵されている。
ガラス管12の両端部のうち陰極11とは反対側の端部
と、筒状部21の端部との間には、第1及び第2中間電
極16、17が同心状に直列に配置されている。一方の
第1中間電極16内には、プラズマビームPBを収束す
るための環状永久磁石16aが内蔵されている。第2中
間電極17内にも、プラズマビームPBを収束するため
の環状の電磁石コイル17aが内蔵されている。なお、
筒状部21の周囲には、陰極11側で発生して第1及び
第2中間電極16、17まで引き出されたプラズマビー
ムPBをイオンビーム形成部20に導く環状のステアリ
ングコイル18が設けられている。
【0020】プラズマガン10の動作は、ガン駆動装置
41によって制御されている。このガン駆動装置41
は、陰極11への給電をオン・オフしたりこれへの供給
電圧等を調整することができ、さらに第1及び第2中間
電極16、17、電磁石コイル17aへの給電を調整す
る。このようなガン駆動装置41によって、イオンビー
ム形成部20中に供給されるプラズマビームPBの状態
が制御される。なお、このプラズマガン10では、イオ
ン化率の高い直流アーク放電を用いており、キャリアガ
スの10〜数10%をイオン化することができる。
【0021】プラズマガン10の最も内心側に配置され
るパイプ15は、プラズマビームPBのもととなるAr
等のキャリアガスをプラズマガン10中に導入するため
ものであり、流量制御部42を介してガス供給源43に
接続されている。キャリアガスのプラズマガン10への
供給量は、例えば80SCCM以上とすることができ
る。
【0022】イオンビーム形成部20は、隔壁22a、
22b等に仕切られて、3つのチャンバ23a、23
b、23cに分かれている。各チャンバ23a、23
b、23cは、真空容器となっており、それぞれに排気
ポンプ50が取り付けられて差動排気を可能にしてい
る。すなわち、第1チャンバ23aは、例えば10-1
10 -2Pa程度とすることができ、第2チャンバ23b
は、これに応じて10-3〜10-4Pa程度とすることが
でき、第3チャンバ23cは、さらに10-4〜10-5
a程度とすることができる。つまり、第3チャンバ23
cは、高真空の状態に維持される。
【0023】第1チャンバ23aでは、プラズマビーム
PBからイオンビームIBを分離する。このため、第1
チャンバ23aは、プラズマガン10と同軸に形成され
た円形開口25aを有するアノードである陽極25と、
円形開口25aを望むようにプラズマガン10と同軸に
配置された筒状の引出電極26とを有する。さらに、第
1チャンバ23aの周囲には、プラズマガン10に対向
してこれと同軸に環状コイル24が配置されている。つ
まり、陽極25は、環状コイル24とステアリングコイ
ル18との間に挟まれてこれらと同軸に配置されてい
る。
【0024】環状コイル24とステアリングコイル18
は、それぞれ互いに逆向きの磁界を形成することができ
る一対の円形の電磁石コイルであり、プラズマガン10
の正面であって陽極25の円形開口25aの近傍である
所定領域に、磁場形成手段として紡錘状のカスプ磁場を
形成する。プラズマガン10から出射したプラズマビー
ムPBは、両コイル18、24によって形成されたカス
プ磁場に閉じ込められる。このようにカスプ磁場に閉じ
込められたプラズマビームPB中の電子は、カスプ磁場
の磁力線に沿って進み陽極25に引き寄せられる。一
方、プラズマビームPB中のプラスイオン、すなわちA
+イオンは、引出電極26に吸引されて、引出電極2
6のメッシュ電極部26aを通過する。これにより、メ
ッシュ電極部26aの後方にはイオンビームIBが形成
される。
【0025】分離電極として多量の電子が入射する陽極
25は、大電流によって過熱される。このため、陽極2
5は、タングステンなどの高融点金属を用い、水冷して
保護することとしている。
【0026】Arイオンが入射する引出電極26に設け
たメッシュ電極部26aは、高融点金属からなり、陽極
25と絶縁されている。なお、このメッシュ電極部26
aは、ハニカム状あるいは多孔の電極とすることもでき
る。
【0027】図2は、環状コイル24a、24b周辺の
磁界を概念的に説明する断面図である。環状コイル24
a、24bの各部には、これを取り巻くように環状の磁
場が形成される。この結果、両環状コイル24a、24
bの間には、紡錘状のカスプ磁場が形成されることが分
かる。このようなカスプ磁場では、プラズマが閉じ込め
られることになるが、プラズマビームPB中の電子は、
質量が小さく負電荷であるので、磁力線に沿って進み陽
極25に引き寄せられて陽極25の電流となる。カスプ
磁場に入射した一部の電子は直進するが、接地されてい
るかマイナスバイアスが印加された引出電極26によっ
て反射されて結果的には陽極25に捕獲される。一方、
プラズマビームPB中のArイオンは、質量が大きく正
電荷であるので、引出電極26に吸引されて、メッシュ
電極部26aを通過してイオンビームIBとなる。
【0028】図1に戻って、第2チャンバ23bでは、
イオンビームIBを加速する。このため、第2チャンバ
23bは、引出電極26に対向してこれと同軸に配置さ
れた加速電極27を有する。引出電極26を通過して第
2チャンバ23bに導かれたイオンビームIBは、スパ
ッタに必要なエネルギーになるまで加速され、加速電極
27のメッシュ電極部27aを通過する。なお、加速電
極27は、図示のように一段とする必要はなく、必要に
応じて多段とすることもできる。
【0029】第3チャンバ23cでは、イオンビームI
Bから必要なイオンのみを分離する。このため、第3チ
ャンバ23cは、偏向用の電磁石からなる磁場印加装置
28と、分離後のイオンビームIBを適当なビーム形状
に整形するビーム整形装置29とを備える。加速電極2
7の出射口から出射したイオンビームIBは、磁場印加
装置28の入口ポート28aに入射し、紙面に垂直な磁
界Bによって偏向されて90゜進行方向を変えて出口ポ
ート28bから出射する。なお、磁場印加装置28は、
イオンビームIBの経路上に形成すべき磁場強度を任意
のものとすることができ、必要なプラスイオンのみ、つ
まり本実施形態ではArイオンのみを取り出すことがで
き、中性粒子等は除去される。出口ポート28bから出
射したArイオンからなるイオンビームIBは、ビーム
整形装置29を通過する際に、磁界や電界によって適当
なビームサイズや形状に調整され、第3チャンバ23c
すなわちイオンビーム形成部20を出射する。
【0030】陽極25、引出電極26、及び加速電極2
7への電圧の印加は、電極電源装置51によって制御さ
れている。この電極電源装置51は、陽極25、引出電
極26、及び加速電極27への給電を適当なタイミング
でオン・オフしたり、これへの供給電圧を所望の値に調
整することができる。一対のコイル18、24への電力
の供給は、コイル電源装置52によって制御されてい
る。このコイル電源装置52は、両コイル18、24へ
の給電を適当に調整することで、陽極25の円形開口2
5aの近傍に所望の強度のカスプ磁場を形成することが
できる。ビーム整形装置29への電力の供給は、整形用
電源装置53によって制御されている。
【0031】処理室30は、排気ポンプ54が取り付け
られた真空容器となっており、高真空、すなわち第3チ
ャンバ23cと同様の10-5Pa以下に維持することが
可能となっている。処理室30と第3チャンバ23cと
の間には、イオンビームIBを通過させるための開口A
Pが設けられている。この処理室30は、Cu等の金属
配線材料からなるターゲットTAをその成膜材料面が開
口APに対向するように支持するターゲット支持部材で
あるターゲットホルダ31と、基板WAをその成膜面が
ターゲットTAに対向するように支持する基板支持部材
である基板ホルダ32とを備える。ターゲットホルダ3
1は、導電性の支持プレート31aを有しており、ター
ゲットTAの電位を適宜調節できるようになっている。
基板ホルダ32は、導電性の支持プレート32aを有し
ており、基板WAの電位を適宜調節できるようになって
いる。
【0032】支持プレート31a、32aへの電圧の印
加は、電源装置55によって制御されている。この電源
装置55は、両支持プレート31a、32aへの給電を
適当なタイミングでオン・オフしたり、これらへの供給
電圧を所望の値に調整することができる。
【0033】基板ホルダ32は、ターゲットTAに対向
する基板WAの姿勢を支持プレート32aとともに調節
したり、基板WAをその中心軸の回りに支持プレート3
2aとともに自転させることができる。なお、ターゲッ
トTAや基板WAは、図示を省略するロードロック室を
介して処理室30内外に出し入れ可能となっている。
【0034】以下、図1に示す第1実施形態による成膜
装置の動作について説明する。この成膜装置において
は、プラズマガン10の陰極11からの放電により、プ
ラズマビームPBが生成される。このプラズマビームP
Bは、電磁石コイル17a等により決定される磁界に案
内されて第1チャンバ23aに到達する。第1チャンバ
23aでは、ステアリングコイル18及び環状コイル2
4によって形成されたカスプ磁場にプラズマビームPB
が入射してここに閉じ込められる。閉じ込められたプラ
ズマのうち、電子は磁力線に導かれて陽極25に吸引さ
れる。一方、カスプ磁場を直進したArイオンは、引出
電極26に吸引されて直進し、高密度のイオンビームI
Bが形成される。このイオンビームIBは、第2チャン
バ23bで加速電極27によって加速されて所望のエネ
ルギーとなり、第3チャンバ23cに到達する。第3チ
ャンバ23cでは、磁場印加装置28によってイオンビ
ームIBから必要なイオンのみが分離され、ビーム整形
装置29によってイオンビームIBのビーム形状が整形
され、処理室30に入射する。処理室30に入射したイ
オンビームIBは、ターゲットTAに入射して配線材料
をスパッタする。スパッタされてターゲットTAから出
射した配線材料の微粒子は、対向する基板WAの被処理
面に入射して徐々に堆積される。このようなスパッタ成
膜を所定時間継続することにより、基板WA上に所望の
厚みの配線膜を形成することができる。この際、プラズ
マガン10として、直流アーク放電によってプラズマを
発生させる圧力勾配型プラズマガンを用いているので、
高いイオン化率のプラズマを発生させることができる。
さらに、ステアリング17及び環状コイル24によって
カスプ磁場を形成するので、高密度のArのイオンビー
ムIBを得ることができる。さらに、処理室30を高真
空に保つことができるので、基板WA周辺にキャリアガ
スが導入されず基板WA周辺を清浄に保つことができ
る。よって、基板WA上に不純物が少なく所望の厚みの
配線膜を迅速かつ均一に形成することができる。
【0035】(第2実施形態)以下、本発明の第2実施
形態に係るイオン発生装置を組み込んだ成膜装置につい
て説明する。第2実施形態による成膜装置は、第1実施
形態による成膜装置を変形したものであり、同一部分に
は同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0036】図3は、成膜装置の全体構造を概略的に説
明する図である。この成膜装置では、一対のコイル1
8、24によってカスプ磁場を形成するとともに、チョ
ッパ124を利用してイオンビームIBの出射タイミン
グを調整する。このため、第1チャンバ23aに、チョ
ッパ124を内蔵した引出電極126を設けている。チ
ョッパ124は、円板状のセクタ124aと、セクタ1
24aをその中心軸の回りに回転させる駆動装置124
bと、駆動装置124bの動作を制御する回転制御装置
152とを備える。セクタ124aは、引出電極126
に設けた一対のメッシュ電極126a、126bの間に
部分的に収容されており、陽極25の円形開口25aを
通過してメッシュ電極126a、126bで加速される
イオンビームIBを適当なタイミングで遮断することが
できる。
【0037】図4は、セクタ124aの構造を説明する
図である。セクタ124aは、Arイオンをメッシュ電
極126a、126b間で遮断する遮蔽部124dと、
Arイオンにメッシュ電極126a、126bを透過さ
せる通過部124eとからなる。セクタ124aの電位
は、フロートとしてもよいし、両メッシュ電極126
a、126bと一致させてもよい。
【0038】図3に戻って、第3チャンバ23cには、
加速電極27と磁場印加装置28との間に、ファラデー
カップ等からなるイオンセンサ170を設けている。イ
オンセンサ170は、センサ駆動装置171によって駆
動されており、加速電極27を通過したイオンビームI
Bのイオン電流を検出することができる。
【0039】以下、図3に示す第2実施形態による成膜
装置の動作について説明する。プラズマガン10からの
プラズマビームPBは、第1チャンバ23aに供給され
る。第1チャンバ23aに導入されたプラズマは、環状
コイル24及びステアリングコイル18によって形成さ
れたカスプ磁場に閉じ込められ、プラズマ中の電子は、
陽極25に吸引され、Arイオンは、引出電極26に吸
引されて、イオンビームIBが形成される。このイオン
ビームIBは、チョッパ124を適当なタイミングで動
作させることにより、所望の周期のパルス的なものとす
ることができる。このようなパルス状イオンビームIB
は、第2チャンバ23bでイオンビームIBのパルス周
期或いはその整数倍の周期で増減する電圧を印加した加
速電極27によって加速されて所望のエネルギーとな
り、第3チャンバ23cに到達する。第3チャンバ23
cでは、磁場印加装置28によってイオンビームIBか
ら必要なイオンのみが分離され、ビーム整形装置29に
よってイオンビームIBのビーム形状が整形され、処理
室30に入射する。処理室30に入射したイオンビーム
IBは、ターゲットTAに周期的に入射して配線材料を
スパッタする。ターゲットTAからパルス状に出射した
スパッタ粒子は、対向する基板WAの被処理面に入射し
て徐々に堆積される。このようなスパッタ成膜を所定時
間継続することにより、基板WA上に所望の厚みの配線
膜を形成することができる。この際、チョッパ124を
利用してイオンビームIBのターゲットTAへの供給を
パルス化するので、成膜の制御性を高めることができ
る。さらに、加速電極27にチョッパ124の周期と同
期或いは整数倍の周期の交流を印加することにより、イ
オンビームIBのバンチ化と、そのエネルギーの均一化
を図ることができる。
【0040】以上、実施形態に即して本発明を説明した
が、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、ターゲットTAをスパッタ
して基板WAに成膜を行うこととしたが、ターゲットT
Aの位置に基板WAを配置することで、高速かつ均一な
ドライエッチングを行うイオンビームエッチング装置と
することができる。この際、ターゲットTAと基板WA
との位置を交換する機構を設ければ、エッチングと成膜
を連続的に行ったり繰返す処理装置とすることもでき
る。
【0041】また、上記第2実施形態では、一対のコイ
ル18、24によってカスプ磁場を形成してイオンビー
ムIBの取出効率を高めているが、カスプ磁場の形成は
不可欠ではない。すなわち、第2チャンバ23bの周囲
に設けている環状コイル24を取り除いても、チョッパ
124を利用してイオンビームIBの出射タイミングを
調整しイオンのバンチ化や均一化を図ることができる。
【0042】また、上記実施形態では、ターゲットTA
を導電性の配線材料として配線膜を形成しているが、絶
縁性の材料を成膜することもできる。この場合、ターゲ
ットのチャージアップを防ぐため、ターゲット自体を円
筒状とし、その側面にイオンビームIBを入射させつつ
その円筒軸の回りでターゲットを回転させる。ターゲッ
トの後方、すなわちイオンビームIBが入射しない側面
部分には、この側面部分に接してターゲットとともに回
転する導電性ロールを設けておけば、ターゲットのチャ
ージアップを防止することができる。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1のイオン発生装置によれば、アーク放電によって
プラズマを発生させるプラズマガンを用いるので、簡易
な機構によって多量のプラズマを連続的に安定して発生
させることができ、磁場に沿って効率良くイオンを大面
積に広げて分布させることができる。また、磁場形成手
段がプラズマガンからのプラズマの出射口に対向する所
定領域にカスプ磁場を形成するので、発生したプラズマ
を所定領域に効率的に閉じ込めることができる。この
際、分離電極によって所定領域のカスプ磁場から電子を
効率的に取り除くとともに、引出電極によって所定領域
のカスプ磁場からプラスイオンを効率的に取り出すこと
ができるので、多量のプラスイオンを抽出することがで
きる。
【0044】また、本発明の第1のイオン発生装置によ
れば、アーク放電によってプラズマを発生させるプラズ
マガンを用いるので、簡易な機構によって多量のプラズ
マ延いては多量のプラスイオンを連続的に安定して発生
させることができる。また、上記装置では、チョッパが
所定領域中にあるプラスイオンが引出電極に引出される
タイミングを調節するので、所望のタイミングでプラス
イオンを出射させることができる。
【0045】また、本発明の成膜装置によれば、上記第
1及び第2のイオン発生装置を用いるので、多量のプラ
スイオンを連続的に安定して発生させることができ、タ
ーゲットを安定して然も迅速にスパッタすることができ
る。よって、簡易な機構によって基板上に迅速かつ均一
に成膜を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る成膜装置の構造を説明する
図である。
【図2】図1の装置の要部を説明する図である。
【図3】第2実施形態に係る成膜装置の構造を説明する
図である。
【図4】図3の装置の要部を説明する図である。
【符号の説明】
10 プラズマガン 18 ステアリングコイル 20 イオンビーム形成部 24 環状コイル 25 陽極 25a 円形開口 26 引出電極 27 加速電極 28 磁場印加装置 29 ビーム整形装置 30 処理室 31 ターゲットホルダ 32 基板ホルダ 41 ガン駆動装置 43 ガス供給源 50 排気ポンプ 51 電極電源装置 52 コイル電源装置 54 排気ポンプ 124 チョッパ 124b 駆動装置 152 回転制御装置 WA 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/203 H01L 21/203 S (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 19/08 H01J 27/08 H01J 37/08 H05H 1/40 C23C 14/46

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク放電によってプラズマを発生させ
    るプラズマガンと、 前記プラズマガンからのプラズマの出射口に対向する所
    定領域にカスプ磁場を形成する磁場形成手段と、 前記出射口に対向して配置され、前記所定領域にあるプ
    ラズマ中から電子を吸引して分離する分離電極と、 前記分離電極よりもプラズマの射出方向側に配置され、
    前記所定領域にあるプラズマ中からプラスイオンを引出
    す引出電極とを備えるイオン発生装置。
  2. 【請求項2】 前記磁場形成手段は、前記所定領域を挟
    んでプラズマの射出方向の前後に対向して配置された一
    対の円形コイルからなり、前記カスプ磁場は、前記一対
    の円形コイルの中心軸の回りに回転対称な紡錘形である
    ことを特徴とする請求項1記載のイオン発生装置。
  3. 【請求項3】 アーク放電によってプラズマを発生させ
    るプラズマガンと、 前記プラズマガンの出射口に対向して配置され、前記出
    射口に対向する所定領域にあるプラズマ中から電子を吸
    引して分離する分離電極と、 前記分離電極よりもプラズマの射出方向側に配置され、
    前記所定領域にあるプラズマ中からプラスイオンを引出
    す引出電極と、前記引出電極に内蔵されるとともに 遮蔽部及び通過部か
    らなるセクタを移動させることにより、前記所定領域中
    にある前記プラスイオンが前記引出電極に引出されるタ
    イミングを調節するチョッパとを備えるイオン発生装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載のイオン発生装置
    と、 成膜材料で形成されたターゲットを、前記イオン発生装
    置から出射したプラスイオンが入射する位置に支持する
    ターゲット支持部材と、 成膜対象である基板を、前記ターゲットに入射するプラ
    スイオンを遮らない状態で当該ターゲットに対向する位
    置に支持する基板支持部材とを備える成膜装置。
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