JPH0963140A - 光磁気ディスク装置 - Google Patents

光磁気ディスク装置

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Publication number
JPH0963140A
JPH0963140A JP21227595A JP21227595A JPH0963140A JP H0963140 A JPH0963140 A JP H0963140A JP 21227595 A JP21227595 A JP 21227595A JP 21227595 A JP21227595 A JP 21227595A JP H0963140 A JPH0963140 A JP H0963140A
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JP
Japan
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light
optical
magneto
birefringence
optical disk
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Application number
JP21227595A
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English (en)
Inventor
Toru Sasaki
徹 佐々木
Toshimasa Kamisada
利昌 神定
Takeshi Shimano
健 島野
Masakazu Fukui
雅千 福井
Yoshiro Konishi
義郎 小西
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複屈折性を有するディスク基板を用いて製造
された光磁気ディスクに付着した塵埃や汚れ等の異物に
起因する光磁気信号のノイズを排除する。 【構成】 複屈折性を有するディスク基板7aに記録面
7bを形成した構造の光磁気ディスク7からの反射光2
06(収束光209)を偏光ビームスプリッタ16によ
って偏光面がお互いに直交する2つのP偏光210pと
S偏光210sに分離して光検出器51と光検出器52
の各々で検出し、両者の出力の差分を取る差動検出法に
よって光磁気ディスク7の情報を読み出す光磁気ディス
ク装置において、偏光ビームスプリッタ16に入射する
収束光209の光路上に正の一軸異方性結晶からなる複
屈折補正手段17を配置し、ディスク基板7aにより生
じた収束光209内の位相差を補正し、補正光束210
として偏光ビームスプリッタ16に入射させ、光磁気デ
ィスク7上の塵埃等に起因する差動信号のノイズを排除
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気ディスク装置に
関し、特に、複屈折性を有するディスク基板を用いて製
造された光磁気ディスクを記録媒体として用いる光磁気
ディスク装置に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光磁気ディスク装置としては、例
えば、特開昭62−65255号公報に開示されるもの
が知られている。図23は、同公報において第1図とし
て開示された光磁気ディスクと読み取り光学系の概略図
である。
【0003】レーザ素子である半導体レーザ(3)から
発射された光束は、コリメートレンズ(4)によって平
行光となり、整形プリズム(5)でレーザ光の強度の非
等方性を等方性に変換された後、第1のビームスプリッ
タ(6)を透過し、ミラー(7)によって進行方向を変
えられた後、対物レンズ(8)によって光磁気ディスク
(1)に照射される。光磁気ディスク(1)は、例え
ば、図15に例示されるように透明基板(1a)に磁気
光学的記録媒体(1b)を形成した構造となっており、
光磁気ディスク(1)に入射するレーザ光は、透明基板
(1a)を透過し磁気光学的記録媒体(1b)(以後、
記録面(1b)と記す)に照射される。図15のような
基板にポリカーボネートを用いた光磁気ディスク(1)
の構造は、例えば、株式会社ラジオ技術社、平成4年7
月20日発行「光ディスク技術」P330等の文献に記
載がある。
【0004】光磁気ディスク(1)からの反射光は、対
物レンズ(8)、ミラー(7)を経てビームスプリッタ
(6)で反射され、第2のビームスプリッタ(9)に向
かう。ビームスプリッタ(9)の反射面は、所定の光透
過率及び反射率を有しており、入射した光束は透過光と
反射光に2分される。
【0005】このうち透過光は検出レンズ(16)を介
した後、シリンドリカルレンズ(17)を経て非点収差
が与えられ、PINダイオード(18)に入射して非点
収差法によるフォーカス誤差検出に用いられる。また、
PINダイオード(18)により、例えばプッシュプル
法によるトラッキング誤差検出が行われる。
【0006】一方、第2のビームスプリッタ(9)を反
射した反射光は、2分の1波長板(11)を通過するこ
とで偏光を45度回転された後、レンズ(12)で収束
光とされ偏光ビームスプリッタ(13)に入射し、偏光
がお互いに直交する2つの光束に分離され、それぞれA
PDフォトダイオード(14)及び(15)に入射す
る。そしてAPDフォトダイオード(14)、(15)
の検出信号を図示しない差動増幅器等の減算器で差をと
る検出法、すなわち差動検出法により、光磁気ディスク
(1)に記録された光磁気信号を再生している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来の光学ヘッドでは、図15に示すように光磁気ディ
スク(1)の複屈折性を有する透明基板(1a)上に塵
埃等が付着している場合、光磁気信号が変動する。この
変動は塵埃の大きさ、透明基板(1a)上に入射する光
束内の塵埃の位置、さらに透明基板(1a)の複屈折値
により変化し、最悪の場合、図16に示すように光磁気
信号のDCレベルがS字状になる。以下、これについて
図面を用いて説明する。
【0008】一般に光磁気ディスクの透明基板材料に
は、安価で量産性のよいポリカーボネート基板(以後、
PC基板)が使われる。PC基板は複屈折性を有してい
る。図17に、PC基板の複屈折性を表す屈折率楕円体
(偏光方向による屈折率の分布)212を示す。PC基
板の屈折率楕円体212は、光学軸方向が板厚方向で異
常光の屈折率Neが常光の屈折率Noより小さい負の一
軸異方性媒体として表すことができる(正確にはディス
クの面内における半径方向の屈折率と接線方向の屈折率
が異なる2軸異方性媒体であり、光学軸も板厚方向と若
干ずれている。)。
【0009】図18は、上記従来技術における光学ヘッ
ド(図23、図15)の平行光束100が対物レンズ
(8)より記録面(1b)上に集光され、再び反射され
た後、上述の負の一軸異方性媒体であるPC基板等を通
過する際に、光束内の任意の位置の光の入射方向の屈折
率と入射直線偏光を模式的に示したものである。図にお
いて、中心の光束は負の一軸異方性媒体の光学軸方向か
らの入射光束であるので屈折率は円形分布300とな
る。それ以外の光束は、図15で示したように透明基板
(1a)の板厚方向に対して斜めに進行する。よって負
の一軸異方性媒体の光学軸方向以外の入射光束となるの
で屈折率は楕円分布301となる。また、この楕円の楕
円率(長軸と短軸の比)は光束の外周の光ほど光学軸に
対して大きな傾きで負の一軸異方性媒体を進行するた
め、屈折率の楕円率は大きくなる。すなわち楕円の長軸
は図17に示した負の一軸異方性媒体の屈折率Neであ
り、外周の光の楕円の短軸は屈折率Neから外周位置に
応じて小さくなり、この変化量は透明基板(1a)に対
する入射角α(図15)に依存している。
【0010】図19は、前述の従来技術における光学ヘ
ッド(図23、図15)の対物レンズ(8)により平行
光束100が、収束光101に変換され、図18の屈折
率分布を与える透明基板(1a)を透過し記録面(1
b)上に照射された後、再び光磁気ディスク(1)を反
射し対物レンズ(8)により平行光に変換された反射光
束102内において、ある半径における偏光状態を模式
的に示したものである。図において、半径方向、または
接線方向に対応する偏光は、光磁気ディスク(1)に入
射した平行光束100の偏光状態(図18)が保持され
た直線偏光102a(ここで磁気光学効果による偏光面
の回転は無しとしている)である。しかし半径方向、ま
たは接線方向以外の領域の偏光は楕円偏光102bとな
る。図において実際の楕円偏光の位相差(長軸の方向と
楕円率)は入射光束の位置すなわち、透明基板(1a)
に対する入射角α(図15)、または入射偏光方向との
角度β(図19)に応じて異なる。
【0011】以上説明した、図19に示される偏光状態
の乱れ、すなわち偏光分布のある反射光束102が、差
動検出系(図23における第2のビームスプリッタ
(9)の反射光学系)に入射し、検光子である偏光ビー
ムスプリッタ(13)で反射された光束103と透過し
た光束104となるとき、その強度分布は図20のよう
にお互いに異なる明暗の強度分布となる。よって図に示
したように透明基板(1a)上の塵埃の影響による光量
の低下が、光束103と光束104によって異なる。す
なわち図20の位置に塵埃がある場合、光束103は塵
埃により強度の明部を遮光(図20における領域103
x,103y)されることになるため光量の低下が大き
い。これに対して光束104は塵埃により強度の暗部を
遮光(図20における領域104x,104y)される
ため光量の低下は少ない。なお、図において塵埃による
遮光部が光束中に2か所あるのは,図における1つの塵
埃が光束中心よりずれた位置にあるためである。すなわ
ち光束を入射光束側(記録面(1b)に到達する前)で
遮光する領域103x,104xと、ディスク反射後の
光束を遮光する領域103y,104yとが生ずるため
である。よって図20の塵埃の位置が光磁気ディスク
(1)の回転により移動し、図21の位置に塵埃がきた
場合、図20とは反対に光束103は塵埃により強度の
暗部を遮光(領域103x’,103y’)されるため
光量の低下は少なく、光束104は強度の明部を遮光
(領域104x’,104y’)されるために光量の低
下は大きくなる。よって、光束103と光束104がそ
れぞれAPDフォトダイオード(14)と(15)に入
射したのち、減算器により減算された光磁気信号は、図
16に示すように光磁気信号のDCレベル(なお一般に
は光学的にはこのDCレベルは差動検出する場合0レベ
ルとなる。)がS字状になる。一般に光磁気信号の波形
をデータ信号に復調する信号処理として、図22に示す
ように光磁気信号を所定のスライスレベル(信号の中心
で信号を対称にスライスするレベル)で2値化(Hig
hレベル、Lowレベル)し方形波パルス信号に変換す
る。よって上述したような要因で光磁気信号のDCレベ
ルが変動するとスライスレベルに対して光磁気信号の中
心にズレが生じ(信号を非対称にスライスする)、結果
的に光磁気信号を正しく2値化した方形波パルスに変換
することが出来なくなり信号検出誤りとなるという課題
があった。
【0012】このため、前述の従来技術では、光ヘッド
の検出光学系(平行光束)中に透明基板(1a)で発生
する複屈折を補正するために位相補正板(10)を設け
た構成となっている。
【0013】しかしながら、透明基板(1a)で発生す
る反射光束内の位相差は一定位相差でなく、図19に例
示されるような分布を有しているため、前記従来技術の
ように、検出光学系に至る平行光中に一定位相差を発生
させる位相補正板(10)を配置した技術では補正でき
ない、という技術的課題が依然として残る。
【0014】本発明の目的は、透明基板として複屈折性
を有する物質を用いた光磁気ディスクを記録媒体とする
場合、光磁気ディスクに対する塵埃や汚れ等の異物の付
着に影響されることなく、正確に記録情報の読み出しを
行うことが可能な光磁気ディスク装置を提供することに
ある。
【0015】本発明の他の目的は、透明基板として複屈
折性を有する物質を用いた光磁気ディスクを記録媒体と
する場合、読み取り信号を処理するソフトウェアを煩雑
化することなく、光磁気ディスクに付着した塵埃や汚れ
等の異物に起因するノイズを排除して正確に記録情報の
読み出しを行うことが可能な光磁気ディスク装置を提供
することにある。
【0016】本発明のさらに他の目的は、光磁気ディス
クに対する塵埃や汚れ等の異物の付着に影響されること
なく、塵埃等の多い劣悪な使用環境下で、正確に記録情
報の読み出しを行うことが可能な光磁気ディスク装置を
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、光磁気ディス
クからの反射光束より光磁気信号を検出する検出光学系
を備えた光学ヘッドを含む光磁気ディスク装置におい
て、光磁気ディスクから反射され、検出光学系内に具備
された検光子に至るまでの反射光束の光路中に光学的異
方性を有する複屈折補正手段を配置したものである。複
屈折補正手段としては、例えば、正または負の一軸異方
性媒体を用いることができる。また、使用する一軸異方
性媒体の物性に応じて、複数の一軸異方性媒体を貼り合
わせた構造のものを用いることができる。
【0018】
【作用】上記した本発明の光磁気ディスク装置によれ
ば、光磁気ディスクを構成する複屈折性を有する物質を
通過して検出光学系に入射する反射光の光軸の回りにお
ける偏光量の分布の不均一な状態が、検出光学系の手前
の反射光の光路上に配置された複屈折補正手段によって
打ち消され、反射光の光軸の回りにおける光量の分布が
均一になる。このため、例えば、光磁気ディスクからの
反射光を分岐させて二つの光検出器で光量を検出し、両
者の差分を読み出し信号とする差動検出を行う場合、光
磁気ディスク上の塵埃や汚れ等の異物に起因する反射光
内の影による光量低下が、二つの光検出器の各々におい
て等しくなるので、検出信号レベルの変動の発生が抑止
され、光磁気ディスク上の塵埃や汚れ等の異物の存在に
影響されることなく、光磁気ディスクに記録された情報
を正確に読み出すことが可能になる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
詳細に説明する。
【0020】(実施例1)図1は本発明の一実施例であ
る光磁気ディスク装置における光学ヘッドの構成の一例
を示す概念図である。
【0021】図1において、レーザ素子である半導体レ
ーザ1(半導体レーザのノイズを低減するための高周波
重畳回路1a付き)から発射された光束200は、コリ
メートレンズ2によって平行光束201となり、ビーム
整形プリズム3によりレーザ光の強度の非等方性を補正
されて、等方性の平行光束202に変換される。
【0022】ビーム整形プリズム3から出射される平行
光束202は、反射ミラー19で光路を90度偏向さ
れ、第1のビームスプリッタ4の第1の反射面4aに入
射する。ビームスプリッタ4の第1の反射面4aは、P
偏光とS偏光とで反射率及び透過率が異なり、例えばP
偏光透過率Tp≒0.7,P偏光反射率Rp≒0.3,S偏
光透過率Ts≒0,S偏光反射率Rs≒1の偏光特性を
有する。第1の反射面4aに入射した平行光束202
(P偏光)は透過光203と反射光204に2分され
る。
【0023】このうち反射光204は開口を有する遮光
部材33(特に図示しないが本実施例では円形開口)に
入射し開口部を透過した光束205が光検出器32に入
射する。また光検出器32は迷光対策(入射面において
反射される必要とされない光、すなわち迷光を半導体レ
ーザ1や他の光検出器内に入射させないようにする対
策)として光束205に対して傾斜して配置されてい
る。なお、遮光部材33は必ずしも必要でなく反射光2
04を直接、光検出器32に導いてもよいし、レンズ等
を用いた構成でもよい。なお光検出器32を用いて半導
体レーザ1から発射される光束200の光強度が制御さ
れる。これについては本発明と本質的に関係無いので説
明は省略する。
【0024】一方、上記第1のビームスプリッタ4の第
1の反射面4aを透過した透過光203は反射ミラー5
によって進行方向を変えられた後、対物レンズ6によっ
てディスク回転系20(スピンドルモータ等)に装着さ
れた光磁気ディスク7に照射される。光磁気ディスク7
は、例えば、図15に例示されるように、透明なポリカ
ーボネート等の素材からなるディスク基板7aの上に磁
気光学的記録媒体からなる記録面7bを形成し、さらに
保護膜7cによって記録面7bを覆った構成となってい
る。そして、光磁気ディスク7に照射される透過光20
3は、透明なディスク基板7aを経て記録面7bに照射
される。
【0025】なお本実施例の光学ヘッドは、反射ミラー
5、対物レンズ6、および対物レンズ6をフォーカス方
向(図におけるZ軸)とトラック方向(図におけるY
軸)の2軸に対物レンズ6の位置を駆動制御する2次元
アクチュエータ159と、それらを搭載するキャリッジ
160のみをアクセス系(機構系及び制御系、図示せ
ず)を用いて光磁気ディスク7のアクセス方向(図にお
けるY軸)に内周位置から外周位置まで可動にし、他の
光学部品等は固定(以後、この光学系を固定光学系と記
す。)する分離型光ヘッドである。
【0026】光磁気ディスク7からの反射光206は、
対物レンズ6、反射ミラー5を経てビームスプリッタ4
の第1の反射面4aで反射され、第2の反射面4bに向
かう。ビームスプリッタ4の第2の反射面4bは、P偏
光とS偏光とで反射率及び透過率が異なる、例えばP偏
光透過率Tp≒0.6,P偏光反射率Rp≒0.4,S偏光
透過率Ts≒0、S偏光反射率Rs≒1の偏光特性を有
する。第2の反射面4bに入射した反射光206は透過
光207と反射光208に2分される。
【0027】ビームスプリッタ4の第2の反射面4bを
透過した透過光207は、回折格子27を経て検出レン
ズ29によって収束光となり、円筒レンズ40(非点収
差発生手段)でフォーカス誤差検出のための非点収差を
与えられた後、光検出器30に入射する。以下に、光検
出器30を用いてのサーボ信号(フォーカス誤差信号及
びトラッキング誤差信号)の検出について説明する。
【0028】まず、図5、図6を用いて、回折格子27
について説明する。図5は回折格子27の構成を示した
正面図である。回折格子27は、格子を有していない帯
状の平坦領域27aと、その平坦領域27aを挾んで格
子線の方向27d,27eが互いに異なる2つの格子領
域27b,27c(本実施例の格子線の方向27dと2
7eの成す角度は略90度である)を有している。すな
わち格子を有していない帯状の平坦領域27aと格子領
域27bまたは格子領域27cとの二つの境界線27f
と境界線27gは平行であり、その2つの境界線の中央
27hに光磁気ディスク7の情報トラック(図示せず)
の、回折格子27への投影された像の方向220が一致
するように配設される。従って、図6に示すように、入
射する透過光207の内、中央部の光は帯状の格子の無
い平坦領域27aに入射し、ディスク基板7aの情報ト
ラックでの0次回折光と+1次回折光が干渉する部分2
07aをほぼ含む略半円が一方の格子領域27bに入射
し、ディスク基板7aの情報トラックでの0次回折光と
−1次回折光が干渉する部分207bをほぼ含む略半円
が他方の格子領域27cに入射する。この2つの格子領
域27b,27cからの±1次回折光をそれぞれ検出
し、その強度を比較することにより、プッシュプル法に
よるトラッキング誤差信号を得ることができる。また、
前記回折格子の中央部の平坦領域27aの光と2つの格
子領域27b,27cの0次回折光、すなわち直接透過
光を用いて非点収差法によるフォーカス誤差信号を検出
できる。
【0029】また図示のように、回折格子27の直接透
過光の透過率は、回折格子27の格子領域間の中央の平
坦領域27aが高く(本実施例ではほぼ1.0)、2つの
格子領域27b,27cは低い(本実施例ではほぼ0.
5)。よって、結果的に直接透過光はディスク基板7a
の情報トラックでの0次回折光と±1次回折光が干渉す
る部分207a,207bの強度が低下するため、フォ
ーカス誤差信号へのトラック横断信号の混入を低減でき
る長所がある。これについても本発明と本質的に関係無
いのでここでの詳細説明は省略する。
【0030】次に、図7を用いて光検出器30を詳細に
説明する。図7は光検出器30の構成を詳細に示した正
面図と、各信号を得るための演算回路とをそれぞれ示し
ている。光検出器30は、中央に4分割された受光領域
30a〜30dを有し、その周囲にそれぞれ独立した受
光領域30e〜30hを有している。
【0031】回折格子27の中央部の平坦領域27aの
光と2つの格子領域27b,27cの0次回折光、即
ち、直接透過光は、光検出器30の4分割の受光領域3
0a〜30dに光スポット31として入射する。従っ
て、受光領域30a、30cからの光電流と、受光領域
30b、30dからの光電流とを、電流電圧変換器(図
示せず)で電圧に変換した後、減算器42(差動増幅
器)に入力することにより、非点収差法によるフォーカ
ス誤差信号を得ることができる。
【0032】一方、格子領域27bで回折された±1次
回折光は、それぞれ光検出器30の受光領域30f、3
0hに光スポット41f,41hとして入射する。格子
領域27cで回折された±1次回折光は、それぞれ光検
出器30の受光領域30e、30gに光スポット41
e,41gとして入射する。従って、受光領域30e、
30gからの光電流と、受光領域30f、30hからの
光電流とを、電流電圧変換器(図示せず)で電圧に変換
した後、減算器44(差動増幅器)に入力することによ
り、プッシュプル法によるトラッキング誤差信号を得る
ことができる。またトラッキング誤差信号はこのとき受
光領域30hと30gの入射光強度信号の差、または受
光領域30eと30fの入射光強度信号の差からも得ら
れる。
【0033】図6において、受光領域30e〜30h上
の光スポット41e〜41hの像の略半円形状は回折格
子27上の形状に対して90度回転しているが、これは
円筒レンズ40によって非点収差が与えられているため
である。受光領域30e〜30hによって検出するのは
像の形状ではなく各領域に入射する光量であるため、像
の形状が変化してもなんら問題はない。
【0034】また、受光領域30e〜30hの入射光強
度信号の和、または受光領域30eと30fの入射光強
度信号の和、或いは、受光領域30a〜30dの入射光
強度信号の和、さらに、全受光領域30a〜30hの総
和からピット信号等の情報信号を得ることも出来る。
【0035】以上、詳細に説明したように本実施例の光
学ヘッドは、非点収差法によるフォーカス誤差信号とプ
ッシュプル法によるトラッキング誤差信号を1系統の光
学系で一括して検出することが出来る。
【0036】次に、ビームスプリッタ4の第2の反射面
4bを反射した反射光208から光磁気信号を検出する
検出光学系においてディスク基板7aにより生じたディ
スク反射光である反射光208内の位相差補正について
説明する。
【0037】図1において、ビームスプリッタ4の第2
の反射面4bを反射した反射光208は、レンズ15で
収束光209とされる。そして複屈折補正手段17を透
過することでディスク基板7aにより生じた収束光20
9内の位相差が補正された補正光束210となる。
【0038】図2は、ディスク基板の有する光学的異方
性により生じる光磁気ディスク上の塵埃等の影響による
光磁気信号の変動を補正するために、検出光学系内の収
束光209および補正光束210の光路上に配置された
光学的異方性を有する複屈折補正手段17を示したもの
である。本実施例の光学ヘッドに用いられている複屈折
補正手段17は、正の一軸異方性媒体である正の一軸異
方性結晶(例えばLiTa O3 や、ルチル(Ti O2))
からなる平行平板17aで構成されている。
【0039】以下、ディスク基板7aで生じるディスク
反射光(収束光209)内の偏光分布を正の一軸異方性
媒体である複屈折補正手段17を用いて補正する原理に
ついて、図2、図3および図4を用いて説明する。
【0040】図3は、複屈折補正手段17の複屈折性を
表す屈折率楕円体211を示す。複屈折補正手段17の
屈折率楕円体211は、光学軸17b方向が平行平板1
7aの板厚の方向で異常光の屈折率Neが常光の屈折率
Noより大きい正の一軸異方性媒体であり、光学軸17
bが収束光209の光軸209aと平行となっている。
【0041】図4は、図2において複屈折補正手段17
を透過した補正光束210内の任意の位置の光の入射方
向の屈折率を模式的に示したものである。図において、
中心の光束(光軸209a)は正の一軸異方性媒体であ
る複屈折補正手段17の光学軸17b方向からの入射光
束であるので屈折率は円形分布400となる。それ以外
の光束は、正の一軸異方性媒体である複屈折補正手段1
7の光学軸17b方向以外の入射光束となるので屈折率
は楕円分布401となる。また光束の外周の光ほど光学
軸17bに対して大きな傾きで正の一軸異方性媒体であ
る複屈折補正手段17を進行するため、楕円の楕円率
(長軸と短軸の比)は大きくなる。すなわち楕円の短軸
は図3に示した正の一軸異方性媒体である複屈折補正手
段17の屈折率Neであり、外周の光の楕円の長軸は屈
折率Neから外周位置に応じて大きくなる。
【0042】ここで補正光束210内の屈折率分布と、
ディスク基板7aを透過した反射光束102内の屈折率
分布(図18)を比較すると、光束内の同じ位置の光の
屈折率の楕円(図4においては楕円分布401、図18
においては楕円分布301)の方向が直交している。す
なわち複屈折補正手段17を透過した補正光束210内
の楕円分布401の長軸方向はディスク接線方向である
のに対して、ディスク基板7aを透過した反射光束10
2内の楕円分布301の長軸方向はディスク半径方向で
ある。よってディスク基板7aを透過することで反射光
束102に与えられる位相差(図19)と、複屈折補正
手段17を透過することにより与えられる位相差は逆位
相となる。これにより反射光束102の位相差は、反射
光束102が複屈折補正手段17を透過することにより
補正される。
【0043】以上説明したように、複屈折性を有するデ
ィスク基板で生じた反射光内の位相分布は、検出光学系
内の収束光路に設けられた複屈折補正手段17を透過す
ることにより補正することが出来る。
【0044】なお複屈折補正手段17の板厚tは、本光
ヘッドの光学定数、ディスク基板7aの複屈折定数、検
出光学系内のレンズ15の焦点距離から与えられる。す
なわち本実施例の上記定数が以下の場合、複屈折補正手
段17の板厚tは6mmとなる。
【0045】半導体レーザ1のレーザ波長=685nm 対物レンズ6の開口数=0.55 対物レンズ6の焦点距離=3mm ディスク基板7aの複屈折(図17)=Ne−No=−
0.00035 ディスク基板7aの厚さ=1.2mm レンズ15の焦点距離=12mm 複屈折補正手段17(Li Ta O3)の複屈折=Ne−N
o=0.0044 以上のようにして、複屈折補正手段17でディスク基板
7aで生じた偏光分布を補正された補正光束210は偏
光ビームスプリッタ16に入射する。この偏光ビームス
プリッタ16は、入射光束を互いに偏光方向が直交する
2つの偏光光束に分離する検光子であって、入射光軸の
周りに45度回転させられており、入射する補正光束2
10を偏光面がお互いに直交する2つの光束、すなわち
P偏光210p(透過光;図示せず)とS偏光210s
(反射光;図示せず)に偏光分離され、光検出器51,
光検出器52にそれぞれ入射する。これらの光検出器5
1,52に入射した光束から光磁気信号が検出される。
【0046】前述のように、偏光ビームスプリッタ16
に入射する前に補正光束210は複屈折補正手段17に
よってディスク基板7aで生じた偏光分布を補正されて
いるので、補正光束210の断面内における光量の分布
は光軸の回りにほぼ一様であるため、光磁気ディスク7
の読み出し位置に塵埃や汚れ等が存在して補正光束21
0内に影が生じる場合でも、当該影による光量低下は、
光検出器51および光検出器52の双方で等しくなり、
両者の検出信号の差分をとる差動検出において、例えば
図16に例示されるような検出信号のDCレベルのS字
形の変動の発生が回避され、正確な情報の再生を行うこ
とが可能となる。
【0047】また、複屈折補正手段17の配置によって
光磁気ディスク7上の塵埃や汚れ等の異物に起因するノ
イズが物理的に排除されているので、図16に例示され
るような検出信号のDCレベルのS字形の変動の発生を
防止する目的で、光検出器51および光検出器52の出
力を処理する図示しない信号処理系を制御するソフトウ
ェアを必要以上に複雑にする必要も無くなる。
【0048】また、光磁気ディスク7に付着する塵埃や
汚れ等の異物による影響を排除できるので、塵埃等の多
い比較的劣悪な環境下でも正常な動作が可能となり、光
磁気ディスク装置の操作性や市場性が向上する。
【0049】次に、検出光学系に設ける複屈折補正手段
の他の構成例について説明する。図8は、複屈折補正手
段として正の一軸異方性結晶である水晶を用いて構成さ
れた複屈折補正手段77の斜視図である。水晶は光学的
に安定な正の一軸異方性結晶であるが、光が透過する際
に偏光面が回転する性質、すなわち旋光性を有してい
る。よってこの旋光性を補正するために、本実施例の複
屈折補正手段77では、右旋光性を有している水晶から
なり光学軸77bが入射面77eに垂直な平行平板77
aと、左旋光性を有している水晶からなり、光学軸77
dが入射面77fに垂直な平行平板77cとを貼り合わ
せた構成となっている。この複屈折補正手段77は、光
学軸77b(光学軸77d)が入射する収束光209の
光軸209aに対して平行となるよう収束光路中に設け
られる。これにより、到来する収束光209を旋光させ
ることなく、ディスク基板7aで与えられる位相差を補
正した補正光束210を得ることが出来る。なお複屈折
補正手段77の板厚(t1,t2)は、本実施例の光ヘ
ッドおよびディスク基板7aの定数により与えられる。
本実施例において各定数が下記の場合、本実施例の複屈
折補正手段77の板厚(t1,t2)は2mmとなる。
【0050】半導体レーザ1のレーザ波長=685nm 対物レンズ6の開口数=0.55 対物レンズ6の焦点距離=3mm ディスク基板7aの複屈折(図17)=Ne−No=−
0.00035 ディスク基板7aの厚さ=1.2mm レンズ15の焦点距離=19mm 複屈折補正手段77(水晶)の複屈折=Ne−No=−
0.009 以上の説明においては、ディスク基板7aの複屈折性を
示す屈折率楕円体が負の一軸異方性媒体である場合、そ
の補正のための複屈折補正手段として正の一軸異方性媒
体を用いた例を示したがこれに限るものではない。
【0051】以下、ディスク基板7aの複屈折(負の一
軸異方性媒体;図17)を補正するための複屈折補正手
段として負の一軸異方性媒体を用いた実施例について説
明する。図9は、複屈折補正手段として負の一軸異方性
媒体である負の一軸異方性結晶(例えばLi Nb O3)で
構成された複屈折補正手段78の斜視図である。本実施
例の複屈折補正手段78では、光学軸78bが入射面に
平行な平行平板78aと、光学軸78dが入射面に平行
な平行平板78cとを、図10に示したように平行平板
78aと平行平板78cは光学軸78bと光学軸78d
が直交するように貼り合わせた構成となっている。この
複屈折補正手段78は、光学軸78b(光学軸78d)
が入射光軸に対して直交となるよう収束光209の光路
中に設けられる。
【0052】次に、図11と図12を用いてディスク基
板7aの複屈折に起因する反射光206(収束光20
9)の光軸の回りの偏光分布の偏りを補正する原理を説
明する。図11は、複屈折補正手段78の平行平板78
aを透過した光束209bに与えられる屈折率(光の入
射方向に対する屈折率の分布を示す楕円)を模式的に示
したものである。また図12は複屈折補正手段78の平
行平板78cを透過した光束209cに与えられる屈折
率(光の入射方向に対する屈折率の分布を示す楕円)の
分布を模式的に示したものである。図11より、図にお
いて、負の一軸異方性媒体である平行平板78aは光学
軸78bが入射する収束光209の光軸209aに対し
て垂直(本実施例においてはディスク接線方向に一致)
に配置してある。よって中心の光束(光軸209a)は
最大屈折率差(=No−Ne)を与える楕円分布500
aとなる。それ以外の光束、例えば図においては光学軸
78bを含む方向(図においてはディスク接線方向)か
らの入射光束に対する屈折率を示す楕円分布500b
は,楕円分布500aの短軸方向(光学軸78b方向)
の屈折率が大きくなる。これに対して、光学軸78bに
対して垂直方向(図においてはディスク半径方向)から
の入射光束に対する屈折率を示す楕円分布500cは、
入射角度によらず一定(楕円分布500aと一致)とな
る。
【0053】一方、図12より、図において、負の一軸
異方性媒体である平行平板78cは光学軸78dが入射
する収束光209の光軸209aに対して垂直(本実施
例においてはディスク半径方向に一致)に配置してあ
る。よって中心の光束(光軸209a)は最大屈折率差
(=No−Ne)を与える楕円分布501aとなる。そ
れ以外の光束、例えば光学軸78dに対して垂直方向
(図においてはディスク接線方向)からの入射光束に対
する屈折率を示す楕円分布501bは、入射角度によら
ず一定(楕円分布501aと一致)となる。これに対し
て、図においては光学軸78dを含む方向(図において
はディスク半径方向)からの入射光束に対する屈折率を
示す楕円分布501cは,楕円分布501aの短軸方向
(光学軸78d方向)の屈折率が大きくなる。
【0054】よって平行平板78aと平行平板78cを
透過した補正光束210に与えられる屈折率(光の入射
方向に対する屈折率の分布を示す楕円)は、平行平板7
8aを透過した光束に与えられる屈折率(図11)と平
行平板78cを透過した光束に与えられる屈折率(図1
2)を加算したものとなる。その結果の屈折率分布は、
ディスク基板7aで与えられる屈折率分布を補正する際
に必要な分布である図4と同じ分布となる。すなわち正
の一軸異方正媒体を用いて構成した前述の複屈折補正手
段7および複屈折補正手段77の場合と同じ屈折率分布
を透過光束内に与えられ、複屈折補正手段78を透過す
ることにより与えられる位相差は逆位相となる。これに
よりディスク基板7aで与えられた収束光209の位相
差(偏光)の分布は、収束光209が複屈折補正手段7
8を透過することにより補正される。なお複屈折補正手
段78の板厚(t1,t2)は、本実施例の光ヘッドお
よびディスクの定数により与えられる。本実施例におい
て各定数が下記の場合、本実施例の複屈折補正手段78
の板厚(t1,t2)は0.9mmとなる。
【0055】半導体レーザ1のレーザ波長=685nm 対物レンズ6の開口数=0.55 対物レンズ6の焦点距離=3mm ディスク基板7aの複屈折(図17)=Ne−No=−
0.00035 ディスク基板7aの厚さ=1.2mm レンズ15の焦点距離=19mm 複屈折補正手段78(Li Nb O3)の複屈折=Ne−N
o=0.082 なお本実施例の複屈折補正手段78では、平行平板78
aの光学軸78bがディスク接線方向、平行平板78c
の光学軸78dがディスク半径方向に一致させて貼り合
わせた構成であるがこれに限るものではなく、平行平板
78aと平行平板78cは光学軸78bと光学軸78d
が直交するように配置させた構成であれば良く、別々に
配置した構成でもよい。また、本実施例では平行平板7
8aの板厚t1と平行平板78cの板厚t2を等しくす
ることで、ディスク基板に垂直に入射する光束(光束中
心)に対しては、位相差は発生させない構成とした。し
かし、ディスク基板の複屈折性を示す屈折率楕円体を2
軸異方性媒体として取り扱う必要がある場合や、光学ヘ
ッドの他の光学部品(例えば図1におけるビームスプリ
ッタ4)で一定位相差が発生する場合などは、その一定
位相差を補正するためt1とt2を一致させないで構成
しても良い。この場合、一定位相差は最大屈折率差(=
Ne−No)と板厚差(t1−t2)で与えられる。
【0056】(実施例2)次に、本発明の他の実施例で
ある光磁気ディスク装置について図面を用いて説明す
る。図13は本実施例の光磁気ディスク装置に備えられ
た光学ヘッドの構成の一例を示す概念図である。
【0057】図13において、光源である半導体レーザ
1(戻り光等に起因する半導体レーザ1のノイズを低減
するための高周波重畳回路1a付き)から発射された発
散光束290は、レンズ70によって半導体レーザ1の
発散角θ1を発散角θ2に減少された発散光束291に
変換される。発散光束291は、ビームスプリッタ72
の反射面72aに入射する。ビームスプリッタ72の反
射面72aは、P偏光とS偏光とで反射率及び透過率が
異なり、例えばP偏光透過率Tp≒0.75,P偏光反射
率Rp≒0.25,S偏光透過率Ts≒0,S偏光反射率
Rs≒1の偏光特性を有する。反射面72aに入射した
発散光束291(P偏光)は透過光292と反射光29
3に2分される。
【0058】このうち反射光293は光検出器71に入
射する。また光検出器71は迷光対策(入射面において
反射される必要とされない光、すなわち迷光を半導体レ
ーザ、他の光検出器内に入射させないようにする対策)
として反射光293に対して傾斜して配置されている。
光検出器71を用いて半導体レーザ1から発射される発
散光束290の光強度が制御される。これについては本
発明と本質的に関係無いので説明は省略する。
【0059】一方、上記第1のビームスプリッタ72の
反射面72aを透過した透過光292は反射ミラー5に
よって進行方向を変えられた後、有限系のレンズである
対物レンズ91によってディスク回転系(スピンドルモ
ータ等、図示せず)に装着された光磁気ディスク7のデ
ィスク基板7aを経て記録面7bに照射される。
【0060】光磁気ディスク7からの反射光293(発
散光)は、対物レンズ91により収束光294に変換さ
れ、反射ミラー5を経てビームスプリッタ72の反射面
72aで反射され、更に全反射面72bで反射されビー
ムスプリッタ72を出射する。そして反射光293は、
複屈折補正手段78を透過することでディスク基板7a
により生じた収束光294内の位相差が補正された光束
295となる。なお本実施例の光学ヘッドに用いられて
いる複屈折補正手段78は、図9で説明した負の一軸異
方性結晶(例えばLi Nb O3)を用いたものである。位
相差が補正された光束295は検光子73(例えば、複
屈折媒体から構成される)に入射し、入射光束を互いに
偏光方向が直交する2つの偏光光束(P偏光295p、
S偏光295s)と、P偏光成分とS偏光成分が合成さ
れた光束295nの3つの光束に分離される。そして円
筒レンズ75でフォーカス誤差検出のための非点収差を
与えられた後、それぞれ光検出器79に入射する。
【0061】図14に本実施例の光ヘッドに用いられる
光検出器79の受光領域aと受光領域b及び受光領域c
1〜c4に入射したS偏光295sとP偏光295pお
よびP偏光成分とS偏光成分が合成された光束295n
を示す。光磁気信号は、受光領域aの出力と受光領域b
の出力を減算することにより得られる。一方、光束29
5nの入射した受光領域c1〜c4から非点収差法に基
づいた演算(c1+c3)−(c2+c4)によりフォ
ーカス誤差信号を得ている。
【0062】以上の実施例の光ヘッドの構成は、半導体
レーザ1から出射した発散光束290がビームスプリッ
タ72の反射面72aを透過する構成であるが、反射面
72aの偏光特性を、例えばP偏光透過率Tp≒1,P
偏光反射率Rp≒0,S偏光透過率Ts≒0.2,S偏光
反射率Rs≒0.8とし、半導体レーザ1から出射した発
散光束290が全反射面72b及び反射面72aを反射
する構成としてもよい。
【0063】以上、説明したように、本発明の上述の各
実施例によれば、ディスク基板7aの複屈折による反射
光束内の位相差分布を補正することが出来る。よってこ
の位相差分布と、光磁気ディスク7上の塵埃や汚れ等の
異物による反射光の遮光が原因の光磁気信号の変動を発
生することなく良好な光磁気信号を得ることが出来る。
【0064】なお、詳細に説明した上述の実施例の複屈
折補正手段の設計(媒体の厚さ等)において、透明なデ
ィスク基板の複屈折性を完全に補正することにしたがこ
れに限るものではない。すなわち、光磁気ディスクの透
明基板は、複屈折性の少ない基板(ガラス等)もある。
よっていろいろな透明基板を用いて製造された光磁気デ
ィスクを記録・再生する必要性のある光磁気ディスク装
置では、媒体の互換性等を考慮して大きい複屈折性を有
するディスク基板の複屈折の適量(例えば半分)を補正
する構成としても良い。
【0065】
【発明の効果】本発明の光磁気ディスク装置によれば、
透明基板として複屈折性を有する物質を用いた光磁気デ
ィスクを記録媒体とする場合、光磁気ディスクに対する
塵埃や汚れ等の異物の付着に影響されることなく、正確
に記録情報の読み出しを行うことができる、という効果
が得られる。
【0066】本発明の光磁気ディスク装置によれば、透
明基板として複屈折性を有する物質を用いた光磁気ディ
スクを記録媒体とする場合、読み取り信号を処理するソ
フトウェアを煩雑化することなく、光磁気ディスクに付
着した塵埃や汚れ等の異物に起因するノイズを排除して
正確に記録情報の読み出しを行うことができる、という
効果が得られる。
【0067】本発明の光磁気ディスク装置によれば、光
磁気ディスクに対する塵埃や汚れ等の異物の付着に影響
されることなく、塵埃等の多い劣悪な使用環境下で、正
確に記録情報の読み出しを行うことができる、という効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である光磁気ディスク装置に
おける光学ヘッドの構成の一例を示す概念図である。
【図2】本発明の一実施例である光磁気ディスク装置に
おける光学ヘッドの複屈折補正手段の構成の一例を示す
斜視図である。
【図3】本発明の一実施例である光磁気ディスク装置に
おける光学ヘッドの複屈折補正手段の複屈折性を示す屈
折率楕円体の一例を示す概念図である。
【図4】本発明の一実施例である光磁気ディスク装置に
おける光学ヘッドの複屈折補正手段を透過した光束に与
えられる屈折率差の光束内の分布の一例を示す概念図で
ある。
【図5】本発明の一実施例である光磁気ディスク装置に
おける光学ヘッドに用いられる2分割回折格子の一例を
示す正面図である。
【図6】本発明の一実施例である光磁気ディスク装置に
おける光学ヘッドに用いられる2分割回折格子の光利用
率(透過率)の一例を示す概念図である。
【図7】本発明の一実施例である光磁気ディスク装置に
おける光学ヘッドに用いられるサーボ信号用の光検出器
の受光面の一例を示す正面図である。
【図8】本発明の一実施例である光磁気ディスク装置に
おける光学ヘッドの複屈折補正手段の構成の変形例を示
す斜視図である。
【図9】本発明の一実施例である光磁気ディスク装置に
おける光学ヘッドの複屈折補正手段の構成の他の変形例
を示す斜視図である。
【図10】図9に例示される複屈折補正手段を構成する
複数の平行平板の光学軸の関係の一例を示した概念図で
ある。
【図11】図9の複屈折補正手段を構成する第1の平行
平板を透過した光束に与えられる屈折率差の光束内の分
布の一例を示した概念図である。
【図12】図9の複屈折補正手段を構成する第2の平行
平板を透過した光束に与えられる屈折率差の光束内の分
布の一例を示した概念図である。
【図13】本発明の他の実施例である光磁気ディスク装
置における光学ヘッドの構成の一例を示す概念図であ
る。
【図14】本発明の他の実施例である光磁気ディスク装
置の光学ヘッドで用いられる光磁気信号を検出する光検
出器の受光面の一例を示す概念図である。
【図15】対物レンズにより絞り込まれるレーザ光と光
磁気ディスク表面上の塵埃の関係の一例を説明する概念
図である。
【図16】光磁気ディスク表面上の塵埃による光磁気信
号の変動の一例を説明する線図である。
【図17】光磁気ディスク基板の複屈折性の一例を示す
屈折率楕円体の概念図である。
【図18】複屈折性を有する光磁気ディスクを反射した
光束に与えられる屈折率差の光束内の分布の一例を示す
概念図である。
【図19】複屈折性を有する光磁気ディスクを反射した
光束内の偏光状態の分布を示した図である。
【図20】光磁気ディスク表面上の塵埃による光磁気信
号の変動の原因の一例を説明する概念図である。
【図21】光磁気ディスク表面上の塵埃による光磁気信
号の変動の原因の一例を説明する概念図である。
【図22】光磁気信号の波形をデータ信号に復調する信
号処理の一過程を説明した線図である。
【図23】従来の光磁気ディスク記録再生装置の構成の
一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1…半導体レーザ、3…ビーム整形プリズム、4…ビー
ムスプリッタ、6…対物レンズ、7…光磁気ディスク、
7a…ディスク基板、7b…記録面、16…偏光ビーム
スプリッタ、17…複屈折補正手段、77…複屈折補正
手段、78…複屈折補正手段、51,52…光磁気信号
用の光検出器、27…回折格子、29…検出レンズ、3
0…サーボ信号用の光検出器、40…円筒レンズ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福井 雅千 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 小西 義郎 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複屈折性を有する透明基板上に磁気光学
    的情報記録媒体からなる記録面が形成された光磁気ディ
    スクと、前記光磁気ディスクに対する情報の記録および
    再生動作を行う光ヘッドとを含む光磁気ディスク装置で
    あって、 前記光ヘッドは、レーザ光束を発生するレーザ素子と、
    前記レーザ光束を集光して、前記光磁気ディスクの前記
    記録面上に光スポットとして照射すると共に、前記記録
    面上で反射された反射光束を捕捉する対物レンズと、前
    記レーザ素子から発射された前記レーザ光束を前記対物
    レンズヘ導くと同時に前記レーザ光束の一部を分離し、
    かつ前記対物レンズで捕捉された前記反射光束を前記レ
    ーザ素子と前記光磁気ディスクとを結ぶ光路より分離す
    るビームスプリッタと、前記ビームスプリッタにより分
    離された前記反射光束を処理する検出光学系とを含み、 前記検出光学系は、少なくとも、前記ビームスプリッタ
    により分離された前記反射光束を互いに偏光方向が直交
    する2つの偏光光束に分離する検光子と、前記検光子で
    偏光分離された2つの前記偏光光束を検出する光検出器
    と、前記検光子に至る前記反射光束の光路上に配置さ
    れ、光学的異方性を有する複屈折補正手段とを含む、こ
    とを特徴とする光磁気ディスク装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光磁気ディスク装置にお
    いて、前記複屈折補正手段は、正または負の一軸異方性
    媒体からなることを特徴とする光磁気ディスク装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の光磁気ディスク装置にお
    いて、前記複屈折補正手段は、 正の一軸異方性結晶からなる所望の厚さの板体を、その
    光学軸を前記反射光束の光軸方向に一致させて配置した
    第1の構成、 各々が互いに逆方向の旋光性を有する正の一軸異方性結
    晶からなる二つの平行平板を、その光学軸を前記反射光
    束の光軸方向に一致させて配置した第2の構成、 負の一軸異方性結晶からなる二つの平行平板を、各々の
    平行平板の光学軸が互いに直交し、かつ前記反射光束の
    光軸に対して直交するように配置した第3の構成、のい
    ずれかであることを特徴とする光磁気ディスク装置。
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