JPH0962985A - 車両検出装置 - Google Patents

車両検出装置

Info

Publication number
JPH0962985A
JPH0962985A JP7211779A JP21177995A JPH0962985A JP H0962985 A JPH0962985 A JP H0962985A JP 7211779 A JP7211779 A JP 7211779A JP 21177995 A JP21177995 A JP 21177995A JP H0962985 A JPH0962985 A JP H0962985A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
transmission
vehicle
circuit
wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7211779A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Shimizu
修 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Signal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Signal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Signal Co Ltd filed Critical Nippon Signal Co Ltd
Priority to JP7211779A priority Critical patent/JPH0962985A/ja
Publication of JPH0962985A publication Critical patent/JPH0962985A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の発光ダイオードを用いて車両を確実に
検出し得る車両検出装置を提供する。 【解決手段】 波測距器1は、送信回路11と、受信回
路12とを含む。送信回路11は、複数の発光ダイオー
ド111〜11nの合成光に基づく送信波TTを車両検
知領域A1に放射すると共に、送信波TTに基づく送信
信号TSを出力する。受信回路12は、送信波TTの反
射波RTを受信し、受信信号RSを出力する。処理装置
2は、送信信号TS及び受信信号RSをフーリエ変換し
て合成受信ベクトルと合成送信ベクトルとの位相差θを
求め、位相差θに基づき車両41までの測定距離Lxを
求め、測定距離Lxが車両検知領域A1までの距離La
に対応した距離となる受信信号RSの有無により車両4
1を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両検出装置に関
する。本発明に係る車両検出装置は、交差点を右折する
車両等の検出に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来の車両検出装置としては、画像処理
によって車両を検出するものが知られている。かかる車
両検出装置は、例えば、特開平6ー195589号公報
に開示されている。
【0003】特開平6ー195589号公報に開示され
た車両検出装置は、路面と車両との輝度差、スモールラ
イトまたはヘッドライトの輝度を検出することにより、
車両を検出する。このため、直進の大型車両がある場合
は、右折小型車両が直進大型車両の影に隠れ、映像信号
に重なり(一つの車両と認められる)が生じ、右折小型
車両を検出できない。映像信号の重なりを防止するため
には、カメラを交差点の中心に設置しなければならず、
設備の面で問題がある。また、夜間にあっては、路面と
車両の輝度差がなくなるため、無灯火車両を検出できな
い。
【0004】直進大型車両の影に隠れた右折小型車両の
有無を検出する方法として、例えば、発光ダイオードや
レーザダイオードの放射光を右折小型車両に照射し、そ
の放射光と反射光との位相差により右折小型車両までの
距離を求め、その距離が右折小型車両までの距離に対応
した距離となる反射光の有無により右折小型車両の有無
を検出する方法がある。無灯火車両を検出する場合も同
様である。この場合、発光ダイオードやレーザダイオー
ドは1個に限定される。発光ダイオード等が複数の場合
は、それぞれの立ち上がり時間が異なるので、どの発光
ダイオードに対応した位相差であるかが分からなくなる
からである。例えば、発光ダイオードの場合は、それぞ
れの立ち上がり時間が数十nsecバラツクことがあ
る。右折小型車両までの距離を30mとした場合の放射
光と反射光との位相遅延時間は、100nsecとな
る。このため、30mの距離を計測する場合は、立ち上
がり時間のバラツキが6〜9mの計測距離のバラツキを
生じ、結果的に右折小型車両を検出することができなく
なる。また、30m〜40mとなる大型交差点では、発
光ダイオードのパワーが不足し、車両を検出できないこ
ともある。
【0005】半導体レーザダイオードは、立ち上がり時
間のバラツキが0.2nsec前後であるので、バラツ
キによる計測可能距離の制限は少なくなる。しかし、半
導体レーザダイオードは1ケ数万円もするので、実用的
でない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、複数
の発光ダイオードを用いて車両を確実に検出し得る車両
検出装置を提供することである。
【0007】本発明のもう一つの課題は、昼夜、照明の
有無を問わず車両を確実に検出し得る車両検出装置を提
供することである。
【0008】本発明のもう一つの課題は、検出範囲が広
く、かつ、安価な車両検出装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題解決のた
め、本発明に係る車両検出装置は、少なくとも一つの光
波測距器と、処理装置とを含む。前記光波測距器は、送
信回路と、受信回路とを含む。前記送信回路は、複数の
発光ダイオードを含み、前記発光ダイオードの合成光に
基づく送信波を車両検知領域に放射すると共に、前記送
信波に基づく送信信号を出力する。前記受信回路は、前
記送信波の反射波を受信し、受信信号を出力する。前記
処理装置は、前記送信信号及び前記受信信号をフーリエ
変換して合成受信ベクトルと合成送信ベクトルとの位相
差を求め、前記位相差に基づき前記車両までの測定距離
を求め、前記測定距離が前記車両検知領域までの距離に
対応した距離となる前記受信信号の有無により前記車両
を検出する。
【0010】上述のように、送信回路は、複数の発光ダ
イオードの合成光に基づく送信波を車両検知領域に放射
する。この構成により、立ち上がり時間の異なる複数の
発光ダイオードの放射光がベクトル的に合成され、大き
な輝度を有する送信波が得られる。このため、1ケの発
光ダイオードではパワー不足で車両検出ができなかった
ものが、車両検出できるようになる。また、送信波を遠
くまで送信することができるようになり、車両検出範囲
を広くすることもできる。
【0011】送信回路は、送信波に基づく送信信号を出
力する。受信回路は、送信波の反射波を受信し、受信信
号を出力する。この構成により、個々の発光ダイオード
の放射光がベクトル的に合成された送信信号(合成送信
ベクトル)と、その反射光がベクトル的に合成された受
信信号(合成受信ベクトル)とが得られる。合成送信ベ
クトルと合成受信ベクトルとの位相差は、個々の発光ダ
イオードの放射光とその反射光との位相差に一致する。
【0012】処理装置は、送信信号及び受信信号をフー
リエ変換して合成受信ベクトルと合成送信ベクトルとの
位相差を求める。このため、個々の発光ダイオードの立
ち上がり時間に影響されることなく、送信波(放射光)
と反射波(反射光)との位相差を求めることができる。
【0013】処理装置は、位相差に基づき車両までの測
定距離を求め、その測定距離が車両検知領域までの距離
に対応した距離となる受信信号の有無により車両を検出
する。この構成によれば、車両検知領域内に存在する車
両と車両検知領域外に存在する車両とを分けて識別する
ことができる。これにより、複数の発光ダイオードを用
いて車両を確実に検出できる車両検出装置が得られる。
【0014】送信回路は、複数の発光ダイオードの合成
光に基づく送信波を車両検知領域に放射する。受信回路
は、送信波の反射波を受信する。このため、昼夜、照明
の有無を問わず、車両を確実に検出することができる。
【0015】以上述べたように、複数の発光ダイオード
を用いて車両を検出することができるから、検出範囲が
広く、かつ、安価な車両検出装置が得られる。
【0016】本発明の他の特徴及びそれによる作用効果
は、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る車両検出装置
の構成を示すブロック図である。本発明に係る車両検出
装置は、少なくとも一つの光波測距器1と、処理装置2
とを含む。図において、参照符号41は交差点3を右折
する小型車両、42は交差点3を直進する大型車両であ
る。交差点3は片側2車線の道路が交差する構成となっ
ている。
【0018】光波測距器1は、送信回路11と、受信回
路12とを含む。送信回路11は、複数の発光ダイオー
ド111〜11nを含み、発光ダイオード111〜11
nの合成光に基づく送信波TTを車両検知領域A1に放
射すると共に、送信波TTに基づく送信信号TSを出力
する。発光ダイオード111〜11nのそれぞれは、出
力が数mWであり、駆動信号が与えられてから実際に発
光するまでの立ち上がり時間のバラツキが数十nsec
である。受信回路12は、送信波TTの反射波RTを受
信し、受信波に基づく受信信号RSを出力する。
【0019】処理装置2は、送信信号TS及び受信信号
RSをフーリエ変換して合成受信ベクトルと合成送信ベ
クトルとの位相差θを求め、位相差θに基づき右折車両
41までの測定距離Lxを求め、測定距離Lxが車両検
知領域A1までの距離Laに対応した距離となる受信信
号RSの有無により右折車両41を検出する。右折車両
41を検出した場合は、車両検知信号S1を出力する。
【0020】図2は図1の光波測距器と車両との配置関
係を具体的に示した図である。図において、図1と同一
参照符号は同一性ある構成部分を示している。光波測距
器1は、高さH1、角度θ1の位置に設けられている。
高さH1は、例えば10(m)に設定される。角度θ1
は、光軸O1が右折レーン33のほぼ中心から直進レー
ン34よりにずれた位置で交差するように設定される。
参照符号Lsは右折レーン33に対応する最短距離、L
mはその最長距離である。右折レーン33に対応する距
離Laは、Ls<La<Lmとなる。処理装置2は、測
定距離Lxが距離Leとなった場合には、誤りと判定す
る。
【0021】図3は本発明に係る車両検出装置の具体的
な回路構成を示すブロック図である。図において、図1
と同一参照符号は同一性ある構成部分を示している。
【0022】送信回路11は、駆動回路110と、発光
ダイオード111〜11nと、シリンドリカルレンズ1
12と、モニタフォトダイオード113と、処理回路1
14とを含む。駆動回路110は、発振器SGと、ドラ
イブ回路PDとを含み、発振器SGが駆動信号Ftを発
生し、ドライブ回路PDが駆動信号Ftを増幅して発光
ダイオード111〜11nに駆動電力を供給する。駆動
信号Ftは、例えば、周波数fnが1MHzの余弦波で
構成される。発光ダイオード111〜11nは、格子状
に配置される。シリンドリカルレンズ112は、発光ダ
イオード111〜11nの光を帯状の送信波TTとす
る。モニタフォトダイオード113は、車両検知領域A
1に放射される送信波TTと同一の送信波が入力され、
送信波TTに基づく送信信号TS1を発生する。処理回
路114は、送信信号TS1を増幅する。増幅された送
信信号TS1は、例えば、AL1cos[(ωn)t+
φ11]+・・・+ALncos[(ωn)t+φ1
n]で与えられる。振幅AL1は、発光ダイオード11
1の輝度に対応した値となり、振幅ALnは、発光ダイ
オード11nの輝度に対応した値となる。位相φ11
は、発光ダイオード111の立ち上がり時間に対応した
値となり、位相φ1nは、発光ダイオード11nの立ち
上がり時間に対応した値となる。
【0023】受信回路12は、集光レンズ121と、フ
ォトダイオード122と、処理回路123とを含む。集
光レンズ121は、受信した反射波R1を集光させ、受
信波を得る。フォトダイオード122は、受信波に応じ
た受信信号RS1を発生する。処理回路123は、受信
信号RS1を増幅する。増幅された受信信号RS1は、
例えば、AR1cos[(ωn)t+φ21]+・・・
+ARncos[(ωn)t+φ2n]で与えられる。
振幅AR1は、発光ダイオード111の放射光に対する
反射光の輝度に対応した値となり、振幅ARnは、発光
ダイオード11nの放射光に対する反射光の輝度に対応
した値となる。位相φ21は、発光ダイオード111の
反射光の受信位相遅延時間に対応した値となり、位相φ
2nは、発光ダイオード11nの反射光の受信位相遅延
時間に対応した値となる。位相遅延は、発光ダイオード
111〜11nに対して同一であるから、位相φ21
は、位相φ11と位相遅延θとを加算した値となる。同
じく、位相φ2nは、位相φ1nと位相遅延θとを加算
した値となる。
【0024】実施例の光波測距器1は、更に、局部発振
回路13、第1のミキサ回路14、第1のフィルタ回路
15、第2のミキサ回路16、第2のフィルタ回路17
を含む。
【0025】局部発振回路13は、発光ダイオード11
1〜11nの駆動信号の周波数fnとは異なる周波数f
m(fn−fl)の局部信号Fmを発生し、第1のミキ
サ回路13及び第2のミキサ回路16に供給する。局部
信号Fmは、例えば、ALcos[(ωn−ωl)t]
で与えられる。
【0026】第1のミキサ回路14は、送信信号TS1
と局部信号Fmとを乗積し、第1の乗積信号TS2を第
1のフィルタ回路15に供給する。第1のフィルタ回路
15は、バンドパスフィルタ、アクティブフィルタ等で
構成され、第1の乗積信号TS2に含まれる局部信号F
mの周波数帯域の信号成分(1/2)AL・AT1co
s[(ωl)t+φ11]+・・・+(1/2)AL・
ATncos[(ωl)t+φ1n]を通過させる。送
信信号TSは、信号成分(1/2)AL・AT1cos
[(ωl)t+φ11]+・・・+(1/2)AL・A
Tncos[(ωl)t+φ1n]の合成波として得ら
れる。これにより、送信信号TS1の周波数fnがより
低い周波数flに変換され、信号処理が容易になると共
に、ノイズの影響を受けにくくなる。更に、低い周波数
で信号処理するので、第1のフィルタ回路15を安価に
構成できる。
【0027】第2のミキサ回路16は、受信信号RS1
と局部信号Fmとを乗積し、第2の乗積信号RS2を第
2のフィルタ回路17に供給する。第2のフィルタ回路
17は、バンドパスフィルタ、アクティブフィルタ等で
構成され、第2の乗積信号RS2に含まれる局部信号F
mの周波数帯域の信号成分(1/2)AL・AR1co
s[(ωl)t+φ21]+・・・+(1/2)AL・
ARncos[(ωl)t+φ2n]を通過させる。受
信信号RSは、信号成分(1/2)AL・AR1cos
[(ωl)t+φ21]+・・・+(1/2)AL・A
Rncos[(ωl)t+φ2n]の合成波として得ら
れる。これにより、受信信号RS1の周波数fnがより
低い周波数flに変換され、信号処理が容易になると共
に、ノイズの影響を受けにくくなる。更に、低い周波数
で信号処理するので、第2のフィルタ回路を安価に構成
できる。
【0028】図4は光波測距器の感知エリアを示す図で
ある。図において、図1〜図3と同一参照符号は同一性
ある構成部分を示している。
【0029】シリンドリカルレンズ112は、例えば、
検知距離L1が30(m)、検知長L2が1(m)、検
知幅L3が50(cm)となっている。このため、右折
ラインを走行する各車両に対して適切に送信波TTを照
射することができる。
【0030】上述のように、送信回路11は、複数の発
光ダイオード111〜11nの合成光に基づく送信波T
Tを車両検知領域A1に放射する。この構成により、立
ち上がり時間の異なる複数の発光ダイオード111〜1
1nの放射光がベクトル的に合成され、大きな輝度を有
する送信波TTが得られる。このため、1ケの発光ダイ
オードではパワー不足で車両検出ができなかったもの
が、車両検出できるようになる。また、送信波を遠くま
で送信することができるようになり、車両検出範囲を広
くすることもできる。
【0031】送信回路11は、送信波TTに基づく送信
信号TSを出力する。受信回路12は、送信波TTの反
射波RTを受信し、受信信号RSを出力する。この構成
により、個々の発光ダイオード111〜11nの放射光
がベクトル的に合成された送信信号(合成送信ベクト
ル)S1と、その反射光がベクトル的に合成された受信
信号(合成受信ベクトル)S2とが得られる。合成送信
ベクトルS1と合成受信ベクトルS2との位相差は、発
光ダイオード111〜11nの放射光とその反射光との
位相差θに一致する。
【0032】図5は位相差検出方法を理論的に説明する
ための図である。説明の簡単化のため、発光ダイオード
は2つに限定してある。送信回路11及び受信回路12
は、非線形要素がなく、リニアに動作するものとする。
図において、図1、図3及び図4と同一参照符号は同一
性ある構成部分を示している。参照符号T11は発光ダ
イオード111に基づく送信波をベクトル的に示したも
のであり、T12は発光ダイオード112に基づく送信
波をベクトル的に示したものである。送信波TTは、送
信波T11と送信波T12とをベクトル的に合成したも
のである。送信波T11と送信波T12との位相差α
は、発光ダイオード111と発光ダイオード112との
立ち上がり時間の相違によるものである。参照符号R1
1は送信波T11の反射波をベクトル的に示したもので
あり、R12は送信波T12の反射波をベクトル的に示
したものである。反射波RTは、反射波R11と反射波
R12とをベクトル的に合成したものである。
【0033】反射波R11及び反射波R12は、送信波
T11及び送信波T12に対して同一の位相遅延を受け
るから、 となる。オーバーラインは、ベクトルであることを示
す。更に、(1)式と(2)式とを加算すると、 となる。ここで、合成受信ベクトルRT及び合成送信ベ
クトルTTを とすると、位相遅延ベクトルθは、 と求めることができる。位相遅延ベクトルθは、光波測
距器1から検出対象物である右折車両41までの距離L
aに比例する。
【0034】具体的には、合成受信ベクトルRT及び合
成送信ベクトルTTは、 受信信号RS(t)=r1(t)+r2(t) =(1/2)AL・AR1cos(ωlt+φ21)+
(1/2)AL・AR2cos(ωlt+φ22) 送信信号TS(t)=t1(t)+t2(t) =(1/2)AL・AT1cos(ωlt)+(1/
2)AL・AT2cos(ωlt+φ12) をそれぞれ局部発振角周波数ωl=2π(fl)tにつ
いてフーリエ級数展開して求めることができ、それぞれ
の実数部Ar、At及び虚数部Br、Btが以下の
(7)式から(10)式によって求められる。合成受信
ベクトルRT及び合成送信ベクトルTTの位相差θは、
以下の(11)式によって求められる。ここで、受信信
号r1(t)は、反射波R11に基づく受信信号であ
る。同じく、受信信号r2(t)は、反射波R12に基
づく受信信号である。送信信号t1(t)は、送信波T
11に基づく送信信号である。同じく、送信信号t2
(t)は、送信波T12に基づく送信信号である。
【0035】フーリエ級数展開の手法として、離散フー
リエ変換(DFT)または高速フーリエ変換(FFT)
を使用することができる。
【0036】図6はDFTを使用して合成受信ベクトル
及び合成送信ベクトルを求める方法を説明する図であ
る。図において、図1及び図3と同一参照符号は、同一
性ある構成部分を示している。DFTは、例えば、送信
信号TS及び受信信号RSをそれぞれ10波長分サンプ
リングして行う。局部発振周波数flは、例えば、5k
Hzに設定される。サンプリング周期は、例えば、20
μsecに設定される。送信信号TS及び受信信号RS
のそれぞれのサンプリング数は100となる。RS
(i)及びTS(i)は、サンプリング数iにおけるサ
ンプリング値を示す。
【0037】合成受信ベクトルRT及び合成送信ベクト
ルTTのそれぞれの実数部Ar、At、虚数部Br、B
tは、以下のように求める。
【0038】上述したように、処理装置2は、送信信号
TS及び受信信号RSをフーリエ変換して合成受信ベク
トルRTと合成送信ベクトルTTとの位相差θを求め
る。このため、発光ダイオード111〜11nの立ち上
がり時間に影響されることなく、送信波(放射光)と反
射波(反射光)との位相差θを求めることができる。
【0039】処理装置2は、位相差θに基づき右折車両
41までの測定距離Lxを求め、その測定距離Lxが車
両検知領域A1までの距離Laに対応した距離となる受
信信号RSの有無により右折車両41を検出する。この
構成によれば、車両検知領域A1内に存在する右折車両
41と車両検知領域A1外に存在する直進車両42とを
分けて識別することができる。これにより、複数の発光
ダイオード111〜11nを用いて右折車両41を確実
に検出できる車両検出装置が得られる。
【0040】送信回路11は、複数の発光ダイオード1
11〜11nの合成光に基づく送信波TTを車両検知領
域A1に放射する。受信回路12は、送信波TTの反射
波RTを受信する。このため、昼夜、照明の有無を問わ
ず、車両を確実に検出することができる。
【0041】以上述べたように、複数の発光ダイオード
111〜11nを用いて車両を検出することができるか
ら、検出範囲が広く、かつ、安価な車両検出装置が得ら
れる。
【0042】送信回路11及び受信回路12が非線形要
素を含む場合は、局部発振周波数flの位相遅延だけで
なく、高次高調波の位相遅延も考慮する。
【0043】図7は本発明に係る車両検出装置の別の実
施例の構成を示すブロック図、図8は送信信号及び受信
信号の取り込みタイミングを示す図である。本実施例
は、右折レーン及び右折レーンに続く直進レーン内に存
在する車両を検出する車両検出装置を示してある。図に
おいて、図1及び図3と同一参照符号は同一性ある構成
部分を示している。
【0044】光波測距器1Aは、右折レーンA1に送信
波TTaを送信し、反射波RTaを受信する。光波測距
器1Aは、送信波TTaに基づく送信信号TSa及び受
信した反射波RTaに基づく受信信号RSaを出力す
る。同様に、光波測距器1B〜1Eは、右折レーンA1
に続く直進レーンA2に送信波TTb〜TTeを送信
し、反射波RTb〜RTeを受信する。光波測距器1B
〜1Eのそれぞれは、送信波TTb〜TTeに基づく送
信信号TSb〜TSe及び受信した反射波RTb〜RT
eに基づく受信信号RSb〜RSeを個別に出力する。
処理装置2は、受信信号RSa〜RSe及び送信信号T
Sa〜TSeをフーリエ変換して合成受信ベクトルRT
a〜RTeと合成送信ベクトルTTa〜TTeとの位相
差θa〜θeを個別に求める。処理装置2は、光波測距
器1A〜1Eを順次スキャンして、送信信号TSa〜T
Se及び受信信号RSa〜RSeを得る。光波測距器1
A〜1Eの検知長L2(図4参照)が1m、車両の走行
速度が60km/h、車両の長さが5mとすると、受信
信号RSa〜RSeが得られる時間は、1車両当たり5
00msecとなる。従って、光波測距器1A〜1Eの
信号の処理時間は、100msec以内となる。実施例
では、4msecで処理できるので、問題ない。これに
より、右折レーンA1及び直進レーンA2に存在する車
両41、43〜47をリアルタイムに検出することがで
きる。
【0045】図示はしないが、他の進行方向でも同様で
ある。
【0046】図9は本発明に係る車両検出装置の具体的
一例を示す回路図である。図において、図1、図3及び
図7と同一参照符号は同一性ある構成部分を示してい
る。
【0047】処理装置2は、第1のマルチプレクサ2
1、第2のマルチプレクサ22、第1の増幅回路23、
第2の増幅回路24、第3のマルチプレクサ25、A/
D変換回路26、デジタル・シグナル・プロセッサ(D
SP)27及びセントラル・プロセシング・ユニット
(CPU)28を含む。第1のマルチプレクサ21は、
送信信号TSa〜TSeを順次切り替えて取り込む。第
2のマルチプレクサ22は、受信信号RSa〜RSeを
順次切り替えて取り込む。第1の増幅回路23は、取り
込んだ送信信号TSa〜TSeを増幅する。第2の増幅
回路24は、取り込んだ受信信号RSa〜RSeを増幅
する。第3のマルチプレクサ25は、送信信号TSa〜
TSeの一つと、受信信号RSa〜RSeの一つとを切
り替えて取り込む。A/D変換回路26は、取り込んだ
受信信号RSa〜RSe及び送信信号TSa〜TSeを
A/D変換し、A/D変換データをデュアルポートRA
M283に供給する。A/D変換は、20μsec毎に
行われる。受信信号RSa〜RSe及び送信信号TSa
〜TSeのA/D変換データは、それぞれが2msec
間のデータ(100個のデータ)の塊として記憶され
る。DSP27は、デュアルポートRAM283から受
信信号RSa〜RSe及び送信信号TSa〜TSeのA
/D変換データを読み出し、受信信号RSa〜RSe及
び送信信号TSa〜TSeをフーリエ変換して合成受信
ベクトルRTa〜RTeと合成送信ベクトルTTa〜T
Teとの位相差θa〜θeを個別に求める。DSP27
は、100データのDFT処理を1msec以内で行う
ことができる。DSP27は、求めた位相差θa〜θe
をデュアルポートRAM284に供給する。ROM27
1は、DSP27のプログラムを記憶するものであり、
DSPインストラクションバスを介してDSP27に接
続される。RAM272は、DSP27の外部記憶領域
を構成し、DSPデータバスを介してDSP27に接続
される。
【0048】CPU28は、デュアルポートRAM28
4から位相差θa〜θeを読み出し、位相差θa〜θe
に基づき車両41〜47までの測定距離Lxを求め、測
定距離Lxが車両検知領域A1、A2までの距離La、
Lbに対応した距離となる受信信号RSa〜RSeの有
無により右折車両41、43〜47を検出する。CPU
28は、2msec毎に受信信号RSa〜RSe及び送
信信号TSa〜TSeを順次切り替えて取り込むため
に、第1のマルチプレクサ21、第2のマルチプレクサ
22及び第3のマルチプレクサ23に切替信号S21〜
S23を供給する。CPU28は、右折車両「有」と判
定した場合に、表示器286に点灯信号を供給する。R
OM281は、CPU28のプログラムを記憶するもの
であり、CPUバスを介してCPU28に接続される。
RAM282は、CPU28の外部記憶領域を構成し、
CPUバスを介してCPU28に接続される。スイッチ
29は、サンプリング周期、DFT変換する波数等を指
定する。
【0049】光波測距器1A〜1Eの電源は、内部に個
別に設けてもよいし、処理装置2から供給されるように
してもよい。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、以
下のような効果が得られる。 (a)複数の発光ダイオードを用いて車両を確実に検出
し得る車両検出装置を提供できる。 (b)昼夜、照明の有無を問わず車両を確実に検出し得
る車両検出装置を提供できる。 (c)検出範囲が広く、かつ、安価な車両検出装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両検出装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】図1の光波測距器と車両との配置関係を具体的
に示した図である。
【図3】本発明に係る車両検出装置の具体的な回路構成
を示すブロック図である。
【図4】光波測距器の感知エリアを示す図である。
【図5】位相差検出方法を理論的に説明するための図で
ある。
【図6】DFTを使用して合成受信ベクトル及び合成送
信ベクトルを求める方法を説明する図である。
【図7】本発明に係る車両検出装置の別の実施例の構成
を示すブロック図である。
【図8】送信信号及び受信信号の取り込みタイミングを
示す図である。
【図9】本発明に係る車両検出装置の具体的一例を示す
回路図である。
【符号の説明】
1 光波測距器 2 処理装置 3 交差点 41 右折車両 TT 送信波 RT 反射波 A1 車両検知領域 TS 送信信号 RS 受信信号 θ 位相差 Lx 測定距離 La 距離

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの光波測距器と、処理装
    置とを含む車両検出装置であって、 前記光波測距器は、送信回路と、受信回路とを含んでお
    り、 前記送信回路は、複数の発光ダイオードを含み、前記発
    光ダイオードの合成光に基づく送信波を車両検知領域に
    放射すると共に、前記送信波に基づく送信信号を出力す
    るものであり、 前記受信回路は、前記送信波の反射波を受信し、受信信
    号を出力するものであり、 前記処理装置は、前記送信信号及び前記受信信号をフー
    リエ変換して合成受信ベクトルと合成送信ベクトルとの
    位相差を求め、前記位相差に基づき前記車両までの測定
    距離を求め、前記測定距離が前記車両検知領域までの距
    離に対応した距離となる前記受信信号の有無により前記
    車両を検出する車両検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された車両検出装置であ
    って、 前記処理装置は、離散フーリエ変換または高速フーリエ
    変換により前記位相差を求める車両検知装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の何れかに記載された
    車両検出装置であって、 前記送信回路は、シリンドリカルレンズを含み、前記シ
    リンドリカルレンズが前記発光ダイオードの光を帯状の
    前記送信波とする車両検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2の何れかに記載された
    車両検出装置であって、 前記光波測距器は、局部発振回路と、第1のミキサ回路
    と、第1のフィルタ回路と、第2のミキサ回路と、第2
    のフィルタ回路とを含んでおり、 前記局部発振回路は、前記発光ダイオードの駆動信号の
    周波数とは異なる周波数の局部信号を発生し、前記第1
    のミキサ回路及び前記第2のミキサ回路に供給するもの
    であり前記第1のミキサ回路は、前記送信信号と前記局
    部信号とを乗積し、第1の乗積信号を前記第1のフィル
    タ回路に供給するものであり、 前記第1のフィルタ回路は、前記第1の乗積信号の前記
    局部信号の周波数帯域の信号成分を通過させるものであ
    り、 前記第2のミキサ回路は、前記受信信号と前記局部信号
    とを乗積し、第2の乗積信号を前記第2のフィルタ回路
    に供給するものであり、 前記第2のフィルタ回路は、前記第2の乗積信号の前記
    局部信号の周波数帯域の信号成分を通過させるものであ
    る車両検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載された車両
    検出装置であって、 前記光波測距器のそれぞれは、前記車両の走行レーンに
    沿って設けられており、 前記処理装置は、前記光波測距器のそれぞれの前記送信
    信号及び前記受信信号を順次切り替えて処理する車両検
    出装置。
JP7211779A 1995-08-21 1995-08-21 車両検出装置 Pending JPH0962985A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7211779A JPH0962985A (ja) 1995-08-21 1995-08-21 車両検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7211779A JPH0962985A (ja) 1995-08-21 1995-08-21 車両検出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0962985A true JPH0962985A (ja) 1997-03-07

Family

ID=16611466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7211779A Pending JPH0962985A (ja) 1995-08-21 1995-08-21 車両検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0962985A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010504509A (ja) * 2006-09-20 2010-02-12 アイイーイー インターナショナル エレクトロニクス アンド エンジニアリング エス.エイ. シーン(情景)の3d画像を捕捉する方法及びシステム
JP2010271306A (ja) * 2009-04-24 2010-12-02 Panasonic Electric Works Co Ltd 距離画像センサ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010504509A (ja) * 2006-09-20 2010-02-12 アイイーイー インターナショナル エレクトロニクス アンド エンジニアリング エス.エイ. シーン(情景)の3d画像を捕捉する方法及びシステム
JP2010271306A (ja) * 2009-04-24 2010-12-02 Panasonic Electric Works Co Ltd 距離画像センサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11994594B2 (en) Techniques for processing amplitude modulation (AM) and frequency modulation (FM) in separate paths for simultaneous determination of range and velocity in an FMCW LIDAR system
JP5712649B2 (ja) レーダ装置及び目標探知方法
US4906092A (en) Range doppler self-referencing imaging system
JP2008524563A (ja) 単一チャンネルヘテロダイン距離測定方法
KR970062724A (ko) 광파거리계
US11982774B2 (en) Techniques for combining optical beams into shared spatial mode
JP2000081475A (ja) レ―ダシステムの動作方法
US9041918B2 (en) Measuring apparatus and referencing method for a digital laser distance meter, and laser distance meter
US11054524B2 (en) Optimizing a lidar system using sub-sweep sampling
JP2000509485A (ja) 対象物の位置検出方法
WO2022132822A1 (en) Lidar devices with frequency and time multiplexing of sensing signals
US11927699B1 (en) Techniques for range and velocity measurements in a lidar system
JP3527979B2 (ja) マイクロウエーブセンサ
JPH0962985A (ja) 車両検出装置
EP1596222A1 (en) Laser radar
US11513201B2 (en) Techniques for ghosting mitigation in coherent lidar systems using in-phase/quadrature phase (IQ) processing
US20220229163A1 (en) Techniques to associate peaks in multi-target scenarios in coherent lidar systems
CN112305550B (zh) 相干探测装置及方法
JP3240333B2 (ja) 物体検出装置
JPH11118928A (ja) 光波距離計
US20240183956A1 (en) Techniques for simulating electro-optical behavior in a circuit
JP7074889B2 (ja) センサ装置
US20220120904A1 (en) Imaging lidar
JP2020190573A (ja) 測距装置、車両及び測距方法
JPH09222479A (ja) 相対距離及び相対姿勢検出センサ