JPH0961718A - 微分干渉顕微鏡 - Google Patents

微分干渉顕微鏡

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JPH0961718A
JPH0961718A JP7215580A JP21558095A JPH0961718A JP H0961718 A JPH0961718 A JP H0961718A JP 7215580 A JP7215580 A JP 7215580A JP 21558095 A JP21558095 A JP 21558095A JP H0961718 A JPH0961718 A JP H0961718A
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analyzer
differential interference
light
image sensor
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Application number
JP7215580A
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English (en)
Inventor
Yutaka Iwasaki
豊 岩崎
Jun Iwasaki
純 岩崎
Yasushi Oki
裕史 大木
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 微分干渉像のコントラストを任意に変化させ
ることの可能な微分干渉顕微鏡を提供する。 【解決手段】 微分干渉顕微鏡は、被検物体8が鏡面で
あるときに検光子12に達する反射光が円偏光となるよ
うに構成され、検光子12はアナライザ角が可変の偏光
ビームスプリッタ12を有し、2次元イメージセンサ1
4、16は偏光ビームスプリッタ12を透過した光を検
出するための第1の2次元イメージセンサ14と、偏光
ビームスプリッタ12で反射した光を検出するための第
2の2次元イメージセンサ16とを有し、像形成装置1
7は、第1の2次元イメージセンサ14の出力と前記第
2の2次元イメージセンサ16の出力との差に基づい
て、偏光ビームスプリッタ12のアナライザ角に応じた
コントラストを有する微分干渉像を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はICパターンや金属表面な
どの観察に適する微分干渉顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】ウォラストンプリズム、ノマルスキープ
リズム等の複屈折性プリズムを用いて、互いに偏光の異
なる照明光を僅かにずらして被検面上に結像させ、その
反射戻り光の干渉を利用して被検面上の微小な段差をコ
ントラスト(干渉色)変化として観察することのできる
微分干渉型の顕微鏡は、成熟した技術として広く用いら
れている。これらの微分干渉型の顕微鏡では、観察しよ
うとする段差前後で反射率がほとんど変化しない場合に
のみ、その段差形状にほぼ等しいコントラストを得るこ
とができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、微分干渉顕微
鏡では、被検物体上に存在する幾何学的な段差に対し
て、ほぼ微分像に等しいコントラストを与える事ができ
る。しかしながら、被検物体上に存在する一般的な段差
は、単に表面の凹凸(幾何学的な段差)だけから成って
いるわけではない。たとえばガラス基板上に蒸着された
クロームのパターンを考えると、蒸着面の境界において
クローム膜厚に相当する幾何学的段差が存在するだけで
なく、光の反射率もまた大きく変化している。
【0004】このように、一般の段差の多くは入射する
光の位相と振幅をともに変調するという性質を有する。
したがって、互いに異なる段差に対しては、位相と振幅
の変調される度合も当然に異なってくる。こうした様々
な段差に対して、固定した光学系を介して常に最良のコ
ントラストを有する微分干渉像を得ることができないと
いう問題点があった。
【0005】そのため、本発明は、微分干渉像のコント
ラストを任意に変化させることの可能な微分干渉顕微鏡
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は光源
と、光源からの光で被検物体を照明するための照明光学
系と、被検物体の像を所定の像面に結像するための対物
レンズと、対物レンズと光源との間に配設され光源から
の光をその偏光成分によって2つの光路に分割するため
の複屈折プリズムと、被検物体からの反射光のうち特定
の偏光成分を選択するための検光子と、像面に配設され
検光子を通過した光を受光する2次元イメージセンサ
と、2次元イメージセンサから出力される信号から画像
を形成する像形成装置とを備えた微分干渉顕微鏡におい
て、微分干渉顕微鏡を、被検物体が鏡面であるときに検
光子に達する反射光が円偏光となるように構成し、検光
子はアナライザ角が可変の偏光ビームスプリッタを有
し、2次元イメージセンサは偏光ビームスプリッタを透
過した光を検出するための第1の2次元イメージセンサ
と、偏光ビームスプリッタで反射した光を検出するため
の第2の2次元イメージセンサとを有し、像形成装置が
第1の2次元イメージセンサの出力と第2の2次元イメ
ージセンサの出力との差に基づいて、偏光ビームスプリ
ッタのアナライザ角に応じたコントラストを有する微分
干渉像を形成するようにした(請求項1)。
【0007】また、本発明は光源と、光源からの光で被
検物体を照明するための照明光学系と、被検物体の像を
所定の像面に結像するための対物レンズと、対物レンズ
と光源との間に配設され光源からの光をその偏光成分に
よって2つの光路に分割するための複屈折プリズムと、
被検物体からの反射光のうち特定の偏光成分を選択する
ための検光子と、像面に配設され検光子を通過した光を
受光する2次元イメージセンサと、2次元イメージセン
サから出力される信号から画像を形成する像形成装置と
を備えた微分干渉顕微鏡において、微分干渉顕微鏡を、
被検物体が鏡面であるときに検光子に達する反射光が円
偏光となるように構成し、検光子はアナライザ角が可変
であり、像形成装置は、検光子のアナライザ角が少なく
とも2つの異なる位置にある時の2次元イメージセンサ
の出力の差に基づいて、アナライザ角に応じたコントラ
ストを有する微分干渉像を形成するようにした(請求項
5)。
【0008】
【作用】本発明の発明者らは種々研究を重ねた結果、検
光子として回転自在な偏光ビームスプリッタを有する微
分干渉顕微鏡において、いかなる段差に対しても最良の
コントラストの微分干渉像を得ることのできる微分干渉
顕微鏡が得られることを見出した。
【0009】以下、本発明の微分干渉顕微鏡の作用を理
論的に説明する。なお、段差は基本的に1次元特性を有
するため、以下の解析では光学系を含めすべてを1次元
的に取り扱う。実際の光学系は2次元特性を有するが、
後述の各式に対して直交する座標系を導入するだけで2
次元化を容易に行うことができるのはいうまでもない。
被検物体上に一次元座標xを設定し、原点x=0に段差
が存在するものとする。物体はx=0を除いて平坦であ
り、物体の複素振幅分布o(x)が次の式(1)で与え
られるものとする。
【0010】
【数1】
【0011】式(1)において、aおよびbはそれぞれ
x≦0の領域およびx>0の領域における物体の反射率
の平方根(すなわち振幅反射率)である。また、ψは段
差によって生じる入射光の位相変化量である。次いで、
この段差位置における微分干渉像の強度Iを求める。段
差位置すなわちx=0において、微分干渉顕微鏡によっ
て被検物体上に形成された2つの照明光は、段差を挟ん
でその両側の対称な位置にある。それぞれの照明光を構
成する点像のうち照明光の中心の点像に注目すると、こ
の2つの点像は、段差を挟んでその両側の対称な位置に
ある。すなわち2つの点像の中心間の距離を2δとすれ
ば、第一の照明光の点像の中心は位置x=δにあり、第
二の照明光の点像はx=−δにある。
【0012】まず、第一の照明光の点像について考え
る。物体上での点像の振幅分布をu(x)とすれば、第
一の照明光の点像の回折により、方向余弦α方向に回折
される光の複素振幅P1は次の式(2)で与えられる。
【0013】
【数2】
【0014】同様に、第二の照明光の点像について、そ
の回折により方向余弦α方向に回折される光の複素振幅
2は、次の式(3)で与えられる。
【0015】
【数3】
【0016】光源から検光子直前までの間の光学系が第
一の照明光と第二の照明光に与える位相差(すなわち被
検物体として鏡面を用いたときに検光子直前における両
照明光の位相差)をθとし、検光子(偏光ビームスプリ
ッタ)の方位角(アナライザ角)をφとすると、検光子
(偏光ビームスプリッタ)の透過光強度iTと反射光強
度iRは、次の式(4)および(5)でそれぞれ与えら
れる。
【0017】
【数4】
【0018】
【数5】
【0019】実際には、レンズの開口数NAより小さい
方向余弦の回折光はすべて受光される。したがって、透
過光全強度ITおよび反射光全強度IRは、次の式(6)
および(7)でそれぞれ与えられる。
【0020】
【数6】
【0021】
【数7】
【0022】したがって、透過光全強度ITと反射光全
強度IRとの差信号Sは、次の式(8)で与えられる。
【0023】
【数8】
【0024】式(8)に式(1)〜(7)式を代入する
と、次の式(9)に示す関係が得られる。
【0025】
【数9】
【0026】本発明では、式(9)において位相差θ=
π/2と設定することにより、次の式(10)で示す関
係が成立する。
【0027】
【数10】
【0028】なお、式(10)において、Cは、物体に
依存しない装置定数であり、次の式(11)で与えられ
る。
【0029】
【数11】
【0030】式(10)の右辺は、次の式(12)に示
すように、ベクトルの内積の形で表される。
【0031】
【数12】
【0032】したがって、段差位置における差信号S
は、アナライザ角φが次の式(13)を満たすときに最
大となる。
【0033】
【数13】
【0034】また、式(12)を参照すれば、式(1
3)を満たすφに±π/4を加えたアナライザ角におい
て、段差位置における差信号Sが最小(ゼロ)になるこ
とがわかる。以下、本発明において位相差θ=π/2と
設定する理由について説明する。まず、式(9)の右辺
において位相差θを含む部分cos(θ+ψ)は、θ=
π/2と設定することにより、式(10)に示すように
sinψとして差信号Sに含まれるようになる。こうし
て、微小段差に応じた微小な位相差ψに対する差信号S
の感度は、位相差θ=π/2と設定することにより最も
良好になる。換言すれば、位相差θ=π/2と設定する
ことにより、微小段差に対するコントラストを大きくす
ることができる。
【0035】次いで、位相差θ=π/2と設定すること
により、段差の両側のエッジに対するコントラストを同
時に最大(または最小)にする事ができる。段差部分の
振幅反射率をbとし、その両側の平坦部の振幅反射率を
aとすると、一方のエッジでは振幅反射率がaからbへ
変化するとともに段差による位相差が0からψに変化す
る。また、他方のエッジでは振幅反射率がbからaへ変
化するとともに段差による位相差がψから0に変化す
る。
【0036】すなわち、式(13)の右辺において、一
方のエッジと他方のエッジとでは、aとbが入れ代わる
とともに位相差ψの符号が逆になる。ところで、aとb
とを入れ代えるとともに位相差ψの符号を逆にしても、
式(13)の右辺の値は変化しない。これは、一方のエ
ッジのコントラストを最大(または最小)にするアナラ
イザ角と他方のエッジのコントラストを最大(または最
小)にするアナライザ角とが等しいことを意味してい
る。換言すれば、位相差θ=π/2と設定することによ
り、同一のアナライザ角で段差の両側のエッジに対する
コントラストを同時に最大(または最小)にできる。
【0037】仮に、位相差θ=π/2ではなくθ=0と
設定すると、段差位置における差信号Sは、アナライザ
角φが次の式(14)を満たす時に最大となる。
【0038】
【数14】
【0039】上述の式(14)において、aとbとを入
れ代えるとともに位相差ψの符号を逆にすると、右辺の
値は変化してしまう。すなわち、本発明のように位相差
θ=π/2と設定しなければ、一方のエッジに対するコ
ントラストを最大(または最小)にしても、そのときの
アナライザ角に対して他方のエッジに対するコントラス
トは、最大(または最小)にならなくなってしまう。
【0040】このように、本発明では、検光子の直前ま
でに光学系が2つの照明光に加える位相差をθ=π/2
に、すなわち検光子に達する光が円偏光になるようにす
るとともに、偏光ビームスプリッタのアナライザ角φを
可変にする。こうして、任意の段差に対して段差位置に
おける差信号を最大から最小まで変化させることができ
るので、任意の段差に対して形成される微分干渉像のコ
ントラストを随時調整することができる。
【0041】
【実施例】図1は本発明の第1実施例にかかる微分干渉
顕微鏡の構成を概略的に示す図である。光源1は、タン
グステンランプであって射出した光は、コリメートレン
ズ2を透過して平行光となり、干渉フィルター3を透過
して波長が選択される。本実施例では、波長は550n
mに選択された。干渉フィルター3を透過した光は偏光
板4で直線偏光になりハーフミラー5に入射する。この
時の偏光方向は紙面に対して平行である。
【0042】ハーフミラー5で図中下方に反射された光
はノマルスとキープリズム6に入射する。ノマルスキー
プリズム6は、入射光の偏光方向に対して45゜で交差
する光学軸を有し、入射光を偏光成分によって2つの光
に分割するための複屈折プリズムである。ノマルスキー
プリズム6を介して2つに分割された光は、対物レンズ
7を介して集光され、ステージ9上に載置された被検物
体8上に2つの照明光を形成する。
【0043】このように、ノマルスキープリズム6の作
用によって、被検物体8上には僅かに間隔を隔てた2つ
の照明光が形成される。2つの照明光に対する被検物体
8からの2つの反射光は再び対物レンズ7を通過した
後、ノマルスキープリズム6を介して合成される。ここ
で、ノマルスキープリズム6は、2つの照明光に対して
往復でπの整数倍の位相差を加えるように、光軸に対す
る挿入位置が規定されている。したがって、被検物体8
が平坦で段差のない表面、すなわち鏡面である場合、ノ
マルスキープリズム6を介した2つの反射光の位相差は
πの整数倍になる。換言すれば、2つの照明光に対する
被検物体8からの2つの反射光は、ノマルスキープリズ
ム6を介して図1の紙面に平行な偏光を有する直線偏光
に合成される。
【0044】ノマルスキープリズム6を介した合成光
は、ハーフミラー5に入射する。ハーフミラー5を透過
した合成光は1/4波長板10に入射する。1/4波長
板10は、被検物体が鏡面である場合に1/4波長板1
0に入射する合成直線偏光の直線偏光方向に対して方位
角π/4で位置決めされている。したがって、被検物体
8が鏡面である場合、1/4波長板10を介した合成光
は、円偏光となって光軸を中心として回転可能な1/2
波長板11に入射する。
【0045】1/2波長板11を介した合成光は、偏光
ビームスプリッタ6で透過光と反射光とに分離される。
このように、1/2波長板11は、偏光回転角が可変の
旋光子であり、回転可能な1/2波長板11と固定され
た偏光ビームスプリッタ12とにより、アナライザ角が
可変の偏光ビームスプリッタが構成されている。
【0046】偏光ビームスプリッタ12を透過した光
は、レンズ13で2次元イメージセンサ14に結像し、
光電変換される。一方偏光ビームスプリッタで反射した
光はレンズ15で2次元イメージセンサ16に結像し、
光電変換される。2次元光検出素子14と2次元光検出
素子16は、同じ画素構成であり対応する画素は、被検
物体8上の同一の場所からの反射光を受光するようにア
ライメントされている。尚、2次元イメージセンサは、
例えば、CCD等のイメージセンサを用いる。
【0047】2次元イメージセンサ14および2次元イ
メージセンサ16で光電変換された電気信号は、それぞ
れ像形成装置17に供給される。像形成装置17は、2
次元イメージセンサ14と2次元イメージセンサ16を
構成する画素毎に光電変換された電気信号の差信号Sを
求め、微分干渉像としてモニタ18上に表示する。な
お、モニタ18で表示される微分干渉像のコントラスト
は、1/2波長板11による偏光回転角に、ひいては偏
光ビームスプリッタ12のアナライザ角に依存して変化
する。すなわち、第1実施例では、1/2波長板11を
光軸を中心として適宜回転させることにより、得られる
微分干渉像のコントラストが変化する。
【0048】なお、1/2波長板11による偏光回転角
すなわちアナライザ角が前述の式(13)のφを満たす
ときに、微分干渉像のコントラストを最大にすることが
できる。また、1/2波長板11を回転させることによ
り、前述の式(13)のφに±π/4を加えたアナライ
ザ角を用いることにより、微分干渉像のコントラストを
最小にすることができる。すなわち、第1実施例では、
1/2波長板11を光軸を中心として適宜回転させるこ
とにより、得られる微分干渉像のコントラストを最大か
ら最小まで随時調整することができる。
【0049】尚、第1実施例では1/2波長板11を回
転させることによってアナライザ角を可変にしている
が、1/2波長板11の代わりに偏光ビームスプリッタ
12を光軸を中心に回転させても同様にアナライザ角を
可変にすることができる。但し、この場合は、偏光ビー
ムスプリッタ12によって透過及び反射した光を検出す
る2次元イメージセンサ14及び15も偏光ビームスプ
リッタ12と一体に回転させる必要がある。
【0050】尚、第1実施例では1/2波長板11に入
射する光が円偏光となるように光源1、ノマルスキープ
リズム6、1/4波長板10を配置しているが、1/2
波長板11に入射する光を円偏光とするためには、1/
4波長板10を除去し、ノマルスキープリズム6で分割
された2つの光が往復で1/2πの奇数倍の位相差を受
けるようにノマルスキープリズム6を配置してもよい。
【0051】図2は、本発明の第2実施例にかかる微分
干渉顕微鏡の構成を概略的に示す図である。光源19
は、タングステンランプであって射出した光は、コリメ
ートレンズ20を透過して平行光となり、干渉フィルタ
ー21を透過して波長が選択される。本実施例では、波
長は550nmに選択された。干渉フィルター21を透
過した光は偏光板22で直線偏光になりハーフミラー2
3に入射する。この時の偏光方向は紙面に対して平行で
ある。
【0052】ハーフミラー23で図中下方に反射された
光はノマルスキープリズム24に入射する。ノマルスキ
ープリズム24は、入射光の偏光方向に対して45゜で
交差する光学軸を有し、入射光を偏光成分によって2つ
の光に分割するための複屈折プリズムである。ノマルス
キープリズム24を介して2つに分割された光は、対物
レンズ25を介して集光され、ステージ27上に載置さ
れた被検物体26上に2つの照明光を形成する。
【0053】このように、ノマルスキープリズム24の
作用によって、被検物体26上には僅かに間隔を隔てた
2つの照明光が形成される。2つの照明光に対する被検
物体26からの2つの反射光は再び対物レンズ25を通
過した後、ノマルスキープリズム24を介して合成され
る。ここで、ノマルスキープリズム24は、2つの照明
光に対して往復でπの整数倍の位相差を加えるように、
光軸に対する挿入位置が規定されている。したがって、
被検物体26が平坦で段差のない表面、すなわち鏡面で
ある場合、ノマルスキープリズム24を介した2つの反
射光の位相差はπの整数倍になる。換言すれば、2つの
照明光に対する被検物体からの2つの反射光は、ノマル
スキープリズム24を介して図2の紙面に平行な偏光を
有する直線偏光に合成される。
【0054】ノマルスキープリズム24を介した合成光
は、ハーフミラー23に入射する。ハーフミラー23を
透過した合成光は1/4波長板28に入射する。1/4
波長板28は、被検物体26が鏡面である場合に1/4
波長板28に入射する合成直線偏光の直線偏光方向に対
して方位角π/4で位置決めされている。したがって、
被検物体26が鏡面である場合、1/4波長板28を介
した合成光は、円偏光となってアナライザ29に入射す
る。アナライザ29は、光軸を中心に回転可能な偏光板
と、モータードライバ30から出力されるアナライザ角
の信号に基づいて偏光板を回転させるモーターと、から
構成されている。モータードライバ30は、アナライザ
29のアナライザ角を電気信号として像形成装置33に
供給する。
【0055】アナライザ29を透過した光は、レンズ3
1で2次元イメージセンサ32に結像し、光電変換され
る。2次元イメージセンサ32で光電変換された信号
は、像形成装置33に供給される。像形成装置33は、
モータードライバ30からのアナライザ角の信号をもと
に、所定のアナライザ角例えばφ1の時に2次元イメー
ジセンサ32で光電変換された電気信号を取り込み内蔵
している画像蓄積装置に蓄積する。次いでアナライザ角
がφ1±nπ/2となったときに再び2次元イメージセ
ンサ32で光電変換された電気信号を取り込み、画素毎
に画像蓄積装置に蓄積されたアナライザ角がφ1の時の
画像との差信号Sを求め、微分干渉像としてモニタ34
上に表示する。但し、nは奇数である。
【0056】なお、モニタ34で表示される微分干渉像
のコントラストは像形成装置33が画像を取り込む時の
アナライザ角φ1に依存して変化する。すなわち、第2
実施例では、像形成装置33が画像を取り込むタイミン
グを変化させることにより、最終的に得られる微分干渉
像のコントラストを変化させることができる。なお、像
形成装置33が画像を取り込む時のアナライザ角φ1が
前述の式(13)のφを満たすときに、微分干渉像のコ
ントラストを最大にすることができる。また、φ1を前
述の式(13)のφに±π/4を加えたアナライザ角を
用いることにより、微分干渉像のコントラストを最小に
することができる。すなわち、第2実施例では、像形成
装置33が画像を取り込むタイミングを変化させること
で、得られる微分干渉像のコントラストを最大から最小
まで随時調整することができる。
【0057】以上のように、第2実施例では第1実施例
に比べて2次元イメージセンサを1つにすることができ
た。図3は、本発明の第3実施例にかかる微分干渉顕微
鏡の構成を概略的に示す図である。本実施例に示した微
分干渉顕微鏡の構成は、大部分が図2に示した第2実施
例の微分干渉顕微鏡と同じである。従って、第2実施例
と同一の構成要素については同じ符号を付して説明を省
略し、ここでは第2実施例と異なる点についてのみ述べ
る。
【0058】本実施例ではアナライザとして、第2実施
例におけるモーターによって回転する偏光板の代わり
に、液晶偏光装置35を用いている。液晶偏光装置35
は、ドライブ装置36によって制御され、ドライブ装置
36から印加される電圧を任意に変化させることによっ
て、偏光方向を任意に変えることが可能な偏光板、すな
わち、アナライザ角が任意に設定可能なアナライザとし
て働く。ドライブ装置36はアナライザ角を電気信号と
して像形成装置33に供給する。
【0059】液晶偏光装置35を透過した光は、レンズ
31で2次元イメージセンサ32に結像し、光電変換さ
れる。2次元イメージセンサ32で光電変換された信号
は、像形成装置33に供給される。像形成装置33は、
ドライブ装置36を介してアナライザ角を所定のアナラ
イザ角、例えばφ1にして、そのアナライザ角の時に2
次元イメージセンサ32で光電変換された電気信号を取
り込み内蔵している画像蓄積装置に蓄積される。次いで
アナライザ角をφ1±nπ/2にして、再び2次元イメ
ージセンサ32で光電変換された電気信号を取り込み、
画素毎に画像蓄積装置に蓄積されたアナライザ角がφ1
の時の画像との差信号Sを求め、微分干渉像としてモニ
タ34上に表示する。尚、nは奇数である。
【0060】尚、モニタ34で表示される微分干渉像の
コントラストは像形成装置33が画像を取り込んだ時の
アナライザ角φ1に依存して変化する。すなわち、第3
実施例では、像形成装置33がドライブ装置36を介し
て設定するアナライザ角を変化させることで得られる微
分干渉像のコントラストが変化する。本実施例において
は、第1実施例のように2次元イメージセンサを2つ用
いることなく、また、第1及び第2実施例のように機械
的可動部を用いることなく、本発明の微分干渉顕微鏡を
構成することができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
任意の段差に対してその微分干渉像のコントラストを随
時変化させることのできる差動型微分干渉顕微鏡を実現
することができる。本発明のコントラスト調整機能によ
り、いかなる段差に対しても最大のコントラストで観察
する事が可能になるばかりでなく、観察者にとって興味
のない段差のコントラストを最小にすることにより所望
の段差のみを残して観察することも可能になる。このよ
うに、段差を選択して観察する本発明の機能は、ICパ
ターン等の欠陥検査やごみ検査などにおいて大きな威力
を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる微分干渉顕微鏡の
構成を概略的に示す図である。
【図2】本発明の第2実施例にかかる微分干渉顕微鏡の
構成を概略的に示す図である。
【図3】本発明の第3実施例にかかる微分干渉顕微鏡の
構成を概略的に示す図である。
【符号の簡単な説明】
1、19・・・光源 4、22・・・偏光板 5、23・・・ハーフミラー 6、24・・・ノマルスキープリズム 7、25・・・対物レンズ 8、26・・・被検物体 10、28・・・1/4波長板 11・・・1/2波長板 12・・・偏光ビームスプリッタ 14、16、32・・・2次元イメージセンサ 17、33・・・像形成装置 18、34・・・モニタ 30・・・モータードライバ 35・・・液晶偏光装置 36・・・ドライバ装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、該光源からの光で被検物体を照明
    するための照明光学系と、被検物体の像を所定の像面に
    結像するための対物レンズと、前記対物レンズと前記光
    源との間に配設され前記光源からの光をその偏光成分に
    よって2つの光路に分割するための複屈折プリズムと、
    前記被検物体からの反射光のうち特定の偏光成分を選択
    するための検光子と、前記像面に配設され前記検光子を
    通過した光を受光する2次元イメージセンサと、前記2
    次元イメージセンサから出力される信号から画像を形成
    する像形成装置とを備えた微分干渉顕微鏡において、 前記微分干渉顕微鏡は、前記被検物体が鏡面であるとき
    に前記検光子に達する反射光が円偏光となるように構成
    され、 前記検光子はアナライザ角が可変の偏光ビームスプリッ
    タを有し、 前記2次元イメージセンサは前記偏光ビームスプリッタ
    を透過した光を検出するための第1の2次元イメージセ
    ンサと、前記偏光ビームスプリッタで反射した光を検出
    するための第2の2次元イメージセンサとを有し、 前記像形成装置は、前記第1の2次元イメージセンサの
    出力と前記第2の2次元イメージセンサの出力との差に
    基づいて、前記偏光ビームスプリッタのアナライザ角に
    応じたコントラストを有する微分干渉像を形成すること
    を特徴とする微分干渉顕微鏡。
  2. 【請求項2】前記偏光ビームスプリッタは、光軸に対し
    て固定されており、 前記検光子は、前記偏光ビームス
    プリッタの入射側に配置され、偏光回転角が可変の旋光
    子を更に有することを特徴とする請求項1に記載の微分
    干渉顕微鏡。
  3. 【請求項3】前記偏光回転角が可変の旋光子は、光軸に
    対して回転可能な1/2波長板であることを特徴とする
    請求項2に記載の微分干渉顕微鏡。
  4. 【請求項4】前記偏光ビームスプリッタは、光軸を中心
    として回転可能な偏光ビームスプリッタであり、 前記第1および第2の2次元イメージセンサは、前記偏
    光ビームスプリッタと一体的に回転するように構成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の微分干渉顕微
    鏡。
  5. 【請求項5】光源と、該光源からの光で被検物体を照明
    するための照明光学系と、被検物体の像を所定の像面に
    結像するための対物レンズと、前記対物レンズと前記光
    源との間に配設され前記光源からの光をその偏光成分に
    よって2つの光路に分割するための複屈折プリズムと、
    前記被検物体からの反射光のうち特定の偏光成分を選択
    するための検光子と、前記像面に配設され前記検光子を
    通過した光を受光する2次元イメージセンサと、前記2
    次元イメージセンサから出力される信号から画像を形成
    する像形成装置とを備えた微分干渉顕微鏡において、 前記微分干渉顕微鏡は、前記被検物体が鏡面であるとき
    に前記検光子に達する反射光が円偏光となるように構成
    され、 前記検光子はアナライザ角が可変であり、 前記像形成装置は、前記検光子のアナライザ角が少なく
    とも2つの異なる位置にある時の前記2次元イメージセ
    ンサの出力の差に基づいて、前記アナライザ角に応じた
    コントラストを有する微分干渉像を形成することを特徴
    とする微分干渉顕微鏡。
  6. 【請求項6】前記検光子は光軸を中心に回転可能な偏光
    板を有することを特徴とする請求項5に記載の微分干渉
    顕微鏡。
  7. 【請求項7】前記検光子は液晶偏光装置を有することを
    特徴とする請求項5に記載の微分干渉顕微鏡。
  8. 【請求項8】前記少なくとも2つの異なる位置は、それ
    ぞれの位置におけるアナライザ角の差が略1/2πの奇
    数倍の位置を含むことを特徴とする請求項5、6または
    7に記載の微分干渉顕微鏡。
  9. 【請求項9】前記光源は、所定の偏光方向を有する直線
    偏光を前記複屈折プリズムに供給し、 前記複屈折プリズムは、被検物体が鏡面の場合に分割し
    た2つの光に対して往復でπの整数倍の位相差を付与す
    るように位置決めされ、前記2つの照明光に対する前記
    被検物体からの反射光を合成して直線偏光を生成し、 前記検光子の入射側には、前記複屈折プリズムを介して
    合成された直線偏光を円偏光に変換するための1/4波
    長板が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8
    のいずれか1項に記載の微分干渉顕微鏡。
  10. 【請求項10】前記被検物体が鏡面であるときに前記検
    光子に達する反射光が円偏光になるように、前記複屈折
    プリズムの光軸に対する挿入位置が規定されていること
    を特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の微
    分干渉顕微鏡。
JP7215580A 1995-06-30 1995-08-24 微分干渉顕微鏡 Pending JPH0961718A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003004655A (ja) * 2001-06-22 2003-01-08 Nikon Corp 検査装置
US8384903B2 (en) 1998-11-18 2013-02-26 Kla-Tencor Corporation Detection system for nanometer scale topographic measurements of reflective surfaces

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