JPH0961709A - 変倍ビームエキスパンダ - Google Patents

変倍ビームエキスパンダ

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JPH0961709A
JPH0961709A JP21589895A JP21589895A JPH0961709A JP H0961709 A JPH0961709 A JP H0961709A JP 21589895 A JP21589895 A JP 21589895A JP 21589895 A JP21589895 A JP 21589895A JP H0961709 A JPH0961709 A JP H0961709A
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JP
Japan
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lens group
variable power
lens
magnification
lens groups
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Application number
JP21589895A
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English (en)
Inventor
Satohiro Moriwaki
聡博 森脇
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ群が光軸から偏心したとしても、出射
光ビームの傾きの振れを小さく抑えることができる変倍
ビームエキスパンダを提供する。 【解決手段】 第1ないし第3レンズ群1,2,3が光
軸AX上にこの順序で配置されている。第1および第2
レンズ群1,2の合成焦点距離が変倍範囲内で正となっ
ており、変倍ビームエキスパンダに入射された光が当該
変倍ビームエキスパンダ内で実像を形成するようになっ
ている。第3レンズ群3が固定されており、第1および
第2レンズ群1,2の合成焦点位置P12と第3レンズ群
3の焦点位置P3とを一致させながら第1および第2レ
ンズ群1,2を光軸AX上で移動させて所定の変倍範囲
内で倍率を変化させる。しかも、第1および第3レンズ
群1,3の焦点距離をそれぞれf1,f3とし、倍率をk
とするとき、0<f3/f1≦kが満足されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光等の平行
光ビームのビーム径を変換するビームエキスパンダ、特
にその変換倍率を変化させることができる変倍ビームエ
キスパンダに関する。
【0002】
【従来の技術】図8は従来の変倍ビームエキスパンダの
構成を示す図である。この変倍ビームエキスパンダは、
変倍望遠系として従来より良く知られているものであ
り、正のパワーを有する第1レンズ群51と、負のパワ
ーを有する第2レンズ群52と、正のパワーを有する第
3レンズ群53とがこの順序で光源側(同図の左手側)
より光軸AX上に配置されている。この変倍ビームエキ
スパンダでは、これら3つのレンズ群51〜53のうち
少なくとも2つのレンズ群が光軸AX上を移動自在とな
っており、これらの移動レンズ群を適当に移動させて第
1および第2レンズ群51,52の合成焦点位置P12に
第3レンズ群53の前側焦点位置P53が一致して、ビー
ムエキスパンダ全体で望遠系が構成されている。また、
この変倍ビームエキスパンダは、その状態(位置P12,
P53が一致している状態)を維持しながら、第1および
第2レンズ群51,52の間隔を変化させて両レンズ群
51,52の合成焦点距離を変化させることで、変換倍
率を変化させることができるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に構成された変倍ビームエキスパンダを実際に使用する
場合、上記レンズ群51,52,53を鏡筒(図示省
略)内に収めるとともに、変換倍率を変化させるために
少なくとも2つのレンズ群をその鏡筒内で光軸AXに沿
って移動させる必要がある。このため、鏡筒の加工精度
や鏡筒内でレンズ群を光軸AXに沿って移動させる移動
機構(図示省略)のガタなどに起因する公差により、鏡
筒内で移動レンズ群が移動する際に、移動レンズ群が光
軸AXに対して直交する方向(以下「光軸直交方向」と
いう)に偏心することがある。この偏心が発生すると、
変換倍率の変化に応じて光軸AXに対する出射光ビーム
LOUTの傾きが大きく変化する、つまり出射光ビームLO
UTの傾きが振れる事になる。このような出射光ビームL
OUTの傾きの振れを容認したまま、変倍ビームエキスパ
ンダからの出射光ビームLOUTを、例えば集光レンズで
所定の露光面に集光して露光処理すると、出射光ビーム
LOUTの傾きが振れる事により、露光位置の位置ずれが
生じて露光性能の低下を招いてしまう。
【0004】一方、出射光ビームLOUTの傾きの振れ量
を小さく抑えるためには、鏡筒の加工精度などを上げて
偏心公差を小さくする必要があるが、加工精度を向上さ
せることは必ずしも容易ではなく、また満足のいく加工
精度を達成するためには加工コストの大幅な増加を招い
てしまう。
【0005】本発明は、上記課題に鑑み、レンズ群が光
軸から偏心したとしても、出射光ビームの傾きの振れを
小さく抑えることができる変倍ビームエキスパンダを提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、正の
パワーを有する第1レンズ群と、第2レンズ群と、正の
パワーを有する第3レンズ群とが光軸上にこの順序で配
置され、前記第3レンズ群を固定しておき、前記第1お
よび第2レンズ群の合成焦点位置と前記第3レンズ群の
焦点位置とを一致させながら第1および第2レンズ群を
前記光軸上で移動させて所定の変倍範囲内で倍率を変化
させる変倍ビームエキスパンダであって、上記目的を達
成するため、前記第1および第2レンズ群の合成焦点距
離を前記変倍範囲内で正となるように構成するととも
に、前記第1および第3レンズ群の焦点距離をそれぞれ
f1,f3とし、倍率をkとするとき、 0<f3/f1≦k を満足するように構成している。
【0007】請求項2の発明は、前記変倍範囲における
最小および最大倍率をそれぞれkmin,kmaxとすると
き、 f3/f1=(kmin×kmax)/(kmin+kmax) を満足するように構成している。
【0008】請求項3の発明は、正のパワーを有する第
1レンズ群と、第2レンズ群と、正のパワーを有する第
3レンズ群とが光軸上にこの順序で配置され、前記第1
レンズ群を固定しておき、前記第1および第2レンズ群
の合成焦点位置と前記第3レンズ群の焦点位置とを一致
させながら第2および第3レンズ群を前記光軸上で移動
させて所定の変倍範囲内で倍率を変化させる変倍ビーム
エキスパンダであって、上記目的を達成するため、前記
第1および第2レンズ群の合成焦点距離が前記変倍範囲
内で正となるように構成するとともに、前記第1および
第3レンズ群の焦点距離をそれぞれf1,f3とし、倍率
をkとするとき、 0<f3/f1≦2×k を満足するように構成している。
【0009】請求項4の発明は、前記変倍範囲における
最小および最大倍率をそれぞれkmin,kmaxとすると
き、 f3/f1=(2×kmin×kmax)/(kmin+kmax) を満足するように構成している。
【0010】この発明にかかる変倍ビームエキスパンダ
では、第1および第2レンズ群の合成焦点距離が変倍範
囲内で正であるため、変倍ビームエキスパンダに入射さ
れた光が当該変倍ビームエキスパンダ内で実像を形成す
る。この特徴は、例えば図8に示す従来例に見られない
ものであり、この特徴を有する変倍ビームエキスパンダ
では、次に詳述するように、第3レンズ群を固定して第
1および第2レンズ群を移動させる場合および第1レン
ズ群を固定して第2および第3レンズ群を移動させる場
合、それぞれ一定条件で出射光ビームの傾きを従来例に
比べて抑えることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、この発明にかかる変倍ビ
ームエキスパンダの基本的構成を示す図である。この変
倍ビームエキスパンダは、同図に示すように、正のパワ
ーを有する第1レンズ群1と、第2レンズ群2と、正の
パワーを有する第3レンズ群3とが光軸AX上にこの順
序で光源側(同図の左手側)より配置されている。そし
て、この変倍ビームエキスパンダでは、従来例(図8)
とは異なり、第1および第2レンズ群1,2の合成焦点
距離が変倍範囲内で正となっており、変倍ビームエキス
パンダに入射された光ビームLINが当該変倍ビームエキ
スパンダ内で実像を形成する。なお、第2レンズ群2は
上記条件(第1および第2レンズ群1,2の合成焦点距
離が変倍範囲内で正であるという条件)を満足する限り
においては、正のパワーを有するか、負のパワーを有す
るかについては任意である。
【0012】また、この発明にかかる変倍ビームエキス
パンダの一の実施の形態では、上記基本的構成に加え
て、第3レンズ群3が固定されており、第1および第2
レンズ群1,2の合成焦点位置P12と第3レンズ群3の
焦点位置P3とを一致させながら第1および第2レンズ
群1,2を光軸AX上で移動させて所定の変倍範囲内で
倍率を変化させるように構成されている。しかも、第1
および第3レンズ群1,3の焦点距離をそれぞれf1,
f3とし、倍率をkとするとき、 0<f3/f1≦k が満足されている。
【0013】さらに、この発明にかかる変倍ビームエキ
スパンダの別の実施の形態では、上記基本的構成に加え
て、第1レンズ群1を固定しておき、第1および第2レ
ンズ群1,2の合成焦点位置P12と第3レンズ群3の焦
点位置P3とを一致させながら第2および第3レンズ群
2,3を光軸AX上で移動させて所定の変倍範囲内で倍
率を変化させるように構成されている。しかも、 0<f3/f1≦2×k が満足されている。
【0014】上記のように構成された実施の形態にかか
る変倍ビームエキスパンダによれば、レンズ群が光軸A
Xから偏心したとしても、出射光ビームLOUTの傾きの
振れを小さく抑えることができる。この理由を、従来例
(図8)におけるレンズ群の偏心量と出射光ビームの傾
きの大きさとの関係、および本発明にかかる変倍ビーム
エキスパンダ(図1)における当該関係を順番に説明し
た後、各レンズ群の偏心公差による出射光ビームの傾き
への影響の重ね合わせを考察し、それらを比較すること
で明らかにする。
【0015】なお、以下の説明の便宜から、本発明およ
び従来例にかかる変倍ビームエキスパンダを構成する第
1ないし第3レンズ群の焦点距離をそれぞれf1、f2、
f3とする。また、入射光ビームLINのビーム径に対す
る出射光ビームLOUTのビーム径の倍率をkとする。
【0016】<従来例(図8)における偏心量と出射光
ビームの傾きとの関係>まず、第2レンズ群52の働き
について着目すると、図8からわかるように、このレン
ズ群52は第1レンズ群51の後側焦点位置P51に形成
される像を第3レンズ群53の前側焦点位置P53に再度
結像する働きを有している。しかも、同図から明らかな
ように、従来例では第2レンズ群52は虚像から虚像へ
の結像を行っているので、第2レンズ群52での結像倍
率βは常に負の値となり、その結像倍率βを次式で表す
ことができる。
【0017】
【数1】
【0018】ただしNA1は第1レンズ群51の後側開
口数であり、NA3は第3レンズ群53の前側開口数で
ある。
【0019】また、ビーム径の倍率kを、
【0020】
【数2】
【0021】で表すことができることから、結像倍率β
は次式のように変形することができる。
【0022】
【数3】
【0023】次に、第1ないし第3レンズ群51,5
2,53がそれぞれ光軸AXに対して偏心した場合の偏
心量と出射光ビームLOUTの傾きとの関係について考察
する。
【0024】まず、第1レンズ群51が光軸AXから偏
心量Δy1だけ偏心した場合について考案する。この場
合、第1レンズ群51の偏心により、第1レンズ群51
の後側焦点位置P51の像(虚像)も光軸AXから偏心量
Δy1だけ移動する。さらに、この像は第2レンズ群5
2により、結像倍率βで拡大されて、第3レンズ群53
の前側焦点位置P53に再度結像された後、第3レンズ群
53を介して出射光ビームLOUTとして出射される。し
たがって、第1レンズ群51の偏心(偏心量Δy1)に
より、出射光ビームLOUTは次式で表される傾きΔu1だ
け光軸AXに対して傾く。
【0025】
【数4】
【0026】ただし、出射光ビームLOUTの傾きは、反
時計回り方向を正とする。
【0027】第2レンズ群52が偏心量Δy2だけ光軸
AXから偏心している場合、図9に示すように、この第
2レンズ群52により第1レンズ群51の後側焦点位置
P51の像が再度結像される位置は光軸AXからΔy2×
(1−β)だけ移動する。したがって、第2レンズ群5
2の偏心(偏心量Δy2)により、第3レンズ群53か
ら出射される出射光ビームLOUTは、次式で表される傾
きΔu2だけ光軸AXに対して傾く。
【0028】
【数5】
【0029】なお、同図および後で説明する図2におい
て、符号AX2は偏心した第2レンズ群52の光軸を示
すものである。
【0030】第3レンズ群53が光軸AXに対して偏心
量Δy3だけ偏心した場合、第3レンズ群53から出射
される出射光ビームLOUTは次式で表される傾きΔu3だ
け光軸AXに対して傾く。
【0031】
【数6】
【0032】<本発明にかかる変倍ビームエキスパンダ
(図1)における偏心量と出射光ビームの傾きとの関係
>第2レンズ群2は、従来例と同様に、第1レンズ群1
の後側焦点位置に形成される像を第3レンズ群3の前側
焦点位置P3に再度結像する働きを有している。本発明
の変倍ビームエキスパンダでは、第1レンズ群1と第2
レンズ群2の合成焦点距離が変倍範囲内で常に正の値で
あるという条件が満足されているので、第2レンズ群2
は実像から虚像、もしくは虚像から実像の結像を行う。
したがって、第2レンズ群2での結像倍率βは必ず正の
値となり、次式で表される。
【0033】
【数7】
【0034】次に、第1ないし第3レンズ群1,2,3
がそれぞれ光軸AXに対して偏心した場合の偏心量と出
射光ビームLOUTの傾きとの関係については、上記従来
例と同様に考察することができる。
【0035】第1レンズ群1が光軸AXから偏心量Δy
1だけ偏心した場合、この偏心により、第1レンズ群1
の後側焦点位置の像が光軸AXから偏心量Δy1だけ移
動し、第2レンズ群2により結像倍率βで拡大されて第
3レンズ群3の前側焦点位置P3に再度結像された後、
第3レンズ群3を介して出射光ビームLOUTとして出射
される。このため、第1レンズ群1が偏心量Δy1だけ
偏心したときの光軸AXに対する出射光ビームLOUTの
傾きΔu1は式2で表される。
【0036】第2レンズ群2が偏心量Δy2だけ光軸A
Xから偏心している場合、この第2レンズ群2により第
1レンズ群1の後側焦点位置の像が再度結像される位置
は光軸AXからΔy2×(1−β)だけ移動する(図
2)。したがって、第2レンズ群2の偏心(偏心量Δy
2)により、第3レンズ群3から出射される出射光ビー
ムLOUTは式3となる。
【0037】なお、本発明と従来例を比較した場合、変
倍範囲内における第2レンズ群での結像倍率βが前者で
は常に正であるのに対し、後者では常に負となっている
点で相違しており、第2レンズ群により形成される像の
光軸AXからのずれ量{Δy2×(1−β)}に関して
は、本発明の方が小さくなる。このことは図2および図
9の比較からも明らかである。
【0038】さらに、第3レンズ群3が偏心量Δy3だ
け偏心したときの光軸AXに対する出射光ビームLOUT
の傾きΔu3は式4で表される。
【0039】以上の解析からわかるように、従来例と本
発明とでは、変倍範囲内における第2レンズ群での結像
倍率βが常に負であるか常に正であるかの相違があるも
のの、いずれの変倍ビームエキスパンダにおいても、レ
ンズ群の偏心による出射光ビームLOUTの傾きΔ1,Δ2
およびΔ3をそれぞれ式2、式3および式4で求めるこ
とができる。
【0040】<各レンズ群の偏心公差による出射光ビー
ムの傾きへの影響の重ね合わせ>ところで、上記のよう
に構成された変倍ビームエキスパンダでは、上述のよう
に、変換倍率を変化させるために少なくとも2つのレン
ズ群をその鏡筒内で光軸AXに沿って移動させる必要が
あるが、通常、3つのレンズ群のうち1つのレンズ群を
固定レンズ群とするのが一般的である。これは、コスト
の面で有利であるだけでなく、出射光ビームLOUTの傾
きの振れを小さくするためにも、移動レンズ群を極力少
なくする方が良いからである。
【0041】ここで、1つのレンズ群を固定レンズ群と
するとともに、残りの2つのレンズ群(ここでは、2つ
の移動レンズ群をそれぞれA,Bとする)を移動レンズ
群とすると、出射光ビームLOUTの傾きΔuは移動レン
ズ群A,Bの偏心公差の影響の重ね合わせとなり、出射
光ビームLOUTの傾きΔuを次式で求めることができ
る。
【0042】
【数8】
【0043】ただし、Δuaは、移動レンズ群Aのみが
偏心したときの出射光ビームLOUTの傾きであり、Δub
は、移動レンズ群Bのみが偏心したときの出射光ビーム
LOUTの傾きを示している。
【0044】そこで、これらの移動レンズ群A,Bがと
もに同じ量の偏心公差Δyを有していると仮定すると、
上記第1ないし第3レンズ群をそれぞれ固定レンズ群と
した場合の出射光ビームLOUTの傾きΔuは、以下の通
りである。
【0045】(1)第1レンズ群を固定した場合 この場合、式6のΔuaが第2レンズ群の偏心による傾
きΔu2となり、Δubが第3レンズ群の偏心による傾き
Δu3となるので、式3、式4および式6より変倍ビー
ムエキスパンダの出射光ビームLOUTの傾きΔuは
【0046】
【数9】
【0047】で表される。
【0048】(2)第2レンズ群を固定した場合 この場合、式6のΔua,Δubはそれぞれ第1および第
3レンズ群の偏心による傾きΔu1,Δu3となるので、
式2、式4および式6より変倍ビームエキスパンダの出
射光ビームLOUTの傾きΔuは
【0049】
【数10】
【0050】で表される。
【0051】(3)第3レンズ群を固定した場合 この場合、式6のΔua,Δubはそれぞれ第1および第
2レンズ群の偏心による傾きΔu1,Δu2となるので、
式2、式3および式6より変倍ビームエキスパンダの出
射光ビームLOUTの傾きΔuは
【0052】
【数11】
【0053】で表される。
【0054】そして、従来例と本発明の比較を行うた
め、第3レンズ群の焦点距離f3を共通として、上記の
ようにして求められた出射光ビームLOUTの傾きΔuを
グラフにまとめたものが図3である。
【0055】図3は、第2レンズ群での結像倍率βに対
する出射光ビームLOUTの光軸に対する傾きΔuを示す
グラフであり、同図において破線が第1レンズ群を固定
した場合の結果を示し、実線が第2レンズ群を固定した
場合の結果を示し、1点鎖線が第3レンズ群を固定した
場合の結果を示している。また、同図の左半分(結像倍
率βが負である部分)が従来例を、また右半分(結像倍
率βが正である部分)が本発明を示している。
【0056】同図の左半分に示された曲線群からわかる
ように、従来例では第2レンズ群52を固定レンズ群と
した場合に傾きΔuを最も小さくすることができる。し
かしながら、出射光ビームLOUTの傾きΔuを値(Δy
/f3)よりも小さくすることは不可能である。
【0057】これに対し、同図の右半分に示された1点
鎖線曲線からわかるように、本発明にかかる変倍エキス
パンダによれば、第3レンズ群3を固定レンズ群とし、
結像倍率βを0<β≦1の範囲内に設定することで傾き
Δuを従来例での最小値(Δy/f3)よりも小さくす
ることができる。さらに、傾きΔuを最小値(Δy/f
3)よりも小さくする条件を明確にするために、式5で
示される結像倍率βを上記不等式に代入すると、
【0058】
【数12】
【0059】が得られ、さらにこれを整理すると、
【0060】
【数13】
【0061】で示す不等式が得られる。
【0062】また、同図の1点鎖線曲線および式9から
わかるように、結像倍率βを特に0.5に設定した場
合、偏心公差の影響が最小となり、ここを中心に対称的
に公差の影響が大きくなってゆく。したがって、変倍範
囲に対応した第2レンズ群2の結像倍率βの範囲が0.
5を中心にして変化するようにレンズを構成したとき、
変倍範囲全体に渡って公差の影響を最も小さくする事が
できる。
【0063】ここで、ビーム径拡大倍率の範囲(変倍範
囲)を、kmin(最小)からkmax(最大)であるとし、
これに対応する第2レンズ群2の結像倍率を、βmax、
βmin(kが最小のとき、βは最大となる)とすると、
上述の条件を満たすためには、
【0064】
【数14】
【0065】となるように結像倍率βの範囲を設定すれ
ばよい。すなわち、式5を代入すると、
【0066】
【数15】
【0067】が得られ、さらにこれを整理すると、
【0068】
【数16】
【0069】となる。つまり、式10を満足するように
第1および第3レンズ群1,3の焦点距離f1,f3を設
定することで、移動するレンズ群(第1および第2レン
ズ群1,2)の偏心による出射光ビームLOUTの傾きへ
の影響を最小にすることができる。
【0070】図3に戻って説明を続けると、同図の破線
曲線からわかるように、第1レンズ群1を固定レンズ群
とする条件のもとでは、本発明にかかる変倍エキスパン
ダによれば、結像倍率βを0<β≦2の範囲内に設定す
ることで傾きΔuを従来例での最小値{(2)1/2・Δ
y/f3}よりも小さくすることができる。さらに、傾
きΔuを最小値{(2)1/2・Δy/f3}よりも小さく
する条件を明確にするために、式5で示される結像倍率
βを上記不等式に代入すると、
【0071】
【数17】
【0072】が得られ、さらにこれを整理すると、
【0073】
【数18】
【0074】で示す不等式が得られる。
【0075】また、同図の破線曲線および式9からわか
るように、結像倍率βを特に1に設定した場合、偏心公
差の影響が最小となり、ここを中心に対称的に公差の影
響が大きくなってゆく。したがって、第3レンズ群3を
固定レンズ群とした場合と同様に、変倍範囲に対応した
第2レンズ群2の結像倍率βの範囲が1を中心にして変
化するようにレンズを構成したとき、変倍範囲全体に渡
って公差の影響を最も小さくする事ができる。
【0076】すなわち、次式
【0077】
【数19】
【0078】となるように結像倍率βの範囲を設定すれ
ばよく、この式に式5を代入すると、
【0079】
【数20】
【0080】が得られ、さらにこれを整理すると、
【0081】
【数21】
【0082】となる。つまり、式11を満足するように
第1および第3レンズ群1,3の焦点距離f1,f3を設
定することで、移動するレンズ群(第2および第3レン
ズ群2,3)の偏心による出射光ビームLOUTの傾きへ
の影響を最小にすることができる。
【0083】
【実施例】以下、本発明にかかる変倍ビームエキスパン
ダの実施例を、同一の機能を有する従来タイプの変倍ビ
ームエキスパンダと比較しながら説明する。
【0084】<実施例1>図4は本発明にかかる変倍ビ
ームエキスパンダの実施例1を示す図であり、ビーム径
拡大倍率が等倍時の光路図である。この変倍ビームエキ
スパンダでは、2枚のレンズ11,12を貼り合わせし
て正のパワーを有する第1レンズ群1が形成され、2枚
のレンズ21,22を貼り合わせして負のパワーを有す
る第2レンズ群2が形成され、2枚のレンズ31,32
を貼り合わせして正のパワーを有する第3レンズ群3が
形成されており、これら第1ないし第3レンズ群1,
2,3がこの順序で光源側(同図の左手側)より光軸A
X上に配置されている。なお、後で説明する実施例2に
おいても同様の基本レンズ構成を有している。
【0085】表1は、上記のように構成された変倍ビー
ムエキスパンダのレンズデータを示す表である(倍率k
が0.5倍のとき)。
【0086】
【表1】
【0087】なお、同表および後で説明する表3,7,
9,13,17,19において、欄「面番号」は光源側
から何番目のレンズ面であるかを、欄「曲率半径ri」
は光源側からi番目のレンズ面の曲率半径を、欄「面間
隔di」は光源側からi番目のレンズ面と(i+1)番
目のレンズ面との面間隔を、欄「屈折率」は上から順に
光源側より光軸AX上に順次配置された各レンズの屈折
率を、欄「アッベ数」は上から順に光源側より光軸AX
上に順次配置された各レンズのアッベ数を、示してい
る。
【0088】また、この実施例1では、第3レンズ群3
が固定レンズ群とされ、残りの第1および第2レンズ群
1,2が移動レンズ群として光軸AX上を移動可能に構
成され、第1および第2レンズ群1,2の移動によって
面間隔d3,d6が変化して入射光ビームLIN(ビーム径
φ10mm)を等倍をはさみ0.5倍から2倍までの範
囲で変倍する。なお、倍率kを0.5倍、等倍(1倍)
および2倍に設定したときの面間隔d3,d6は表2に示
す通りである。
【0089】
【表2】
【0090】ここでは、上記のように構成された実施例
1の効果を明らかにするため、実施例1と同一機能を有
する従来例(図8)にかかる変倍ビームエキスパンダを
従来例1として例示し、両者の比較を行う。
【0091】表3は、実施例1と同一機能を有する従来
の変倍ビームエキスパンダのレンズ構成を示す表である
(倍率kが0.5倍のとき)。
【0092】
【表3】
【0093】表1との比較からわかるように、この変倍
ビームエキスパンダの基本レンズ構成は実施例1と同一
である。しかし、上記説明および図3より従来例では第
2レンズ群を固定レンズ群としたとき最も出射光ビーム
LOUTの傾きを小さくすることができるので、この従来
例1では第2レンズ群を固定レンズ群とし、残りの第1
および第3レンズ群を移動レンズ群として光軸AX上で
移動可能とし、第1および第3レンズ群1,3の移動に
よって面間隔d3,d6が変化して入射光ビームLIN(ビ
ーム径φ10mm)を等倍をはさみ0.5倍から2倍ま
での範囲で変倍する。なお、倍率kを0.5倍、等倍
(1倍)および2倍に設定したときの面間隔d3,d6は
表4に示す通りである。
【0094】
【表4】
【0095】次に、実施例1と従来例1とを比較し、両
者の差異を明確にするため、実施例1と従来例1との仕
様を表5にまとめた。
【0096】
【表5】
【0097】また、各移動レンズ群が30μm偏心した
ときの出射光ビームLOUTの傾きと、その重ね合わせ量
(式6で求まるΔu)とを表6にまとめた。
【0098】
【表6】
【0099】なお、同表に示した出射光ビームLOUTの
傾きは上記レンズデータ(表1,表3)に基づく光線追
跡により求めた結果であるため、式7ないし式9で求ま
る値と厳密には一致していない。このことに関しては、
後の実施例においても同様である。
【0100】この表6から明らかなように、この実施例
1によれば、移動レンズ群の偏心による出射光ビームL
OUTの傾きの振れ量を大幅に抑え込むことができる。
【0101】なお、従来例1では、第2レンズ群の結像
倍率βが大きくなる(βがゼロに近づく)ようにレンズ
設計することで、さらに出射光ビームLOUTの傾きの振
れ量を小さくすることができるが、上記説明および図3
に示したように、Δuの値は少なくとも
【0102】
【数22】
【0103】すなわち、0.38mrad以下にするこ
とができないため、実施例1の方が、常に出射光ビーム
LOUTの傾きの振れ量を小さくすることができる。
【0104】また、従来例1において、Δuを小さくす
るために結像倍率βをゼロに近づけるほど、第1レンズ
群の移動量が大きくなるか、または第2レンズ群の焦点
距離を短くする必要があるため、実際上では、ある程度
以上結像倍率βをゼロに近づけることは不可能である。
【0105】<実施例2>図5は本発明にかかる変倍ビ
ームエキスパンダの実施例2を示す図であり、ビーム径
拡大倍率が4倍時の光路図である。
【0106】表7は、上記のように構成された変倍ビー
ムエキスパンダのレンズデータを示す表である(倍率k
が2倍のとき)。
【0107】
【表7】
【0108】この実施例2では、第3レンズ群3が固定
レンズ群とされ、残りの第1および第2レンズ群1,2
が移動レンズ群として光軸AX上を移動可能に構成さ
れ、第1および第2レンズ群1,2の移動によって面間
隔d3,d6が変化して入射光ビームLIN(ビーム径φ
2.5mm)を4倍をはさみ2倍から8倍までの変倍範
囲で拡大する。なお、倍率kを2倍、4倍および8倍に
設定したときの面間隔d3,d6は表8に示す通りであ
る。
【0109】
【表8】
【0110】ここにおいても、上記のように構成された
実施例2の効果を明らかにするため、実施例2と同一機
能を有する従来例(図8)にかかる変倍ビームエキスパ
ンダを従来例2として例示し、両者の比較を行う。
【0111】表9は、実施例2と同一機能を有する従来
の変倍ビームエキスパンダのレンズ構成を示す表である
(倍率kが2倍のとき)。
【0112】
【表9】
【0113】この表9からわかるように、この変倍ビー
ムエキスパンダでは、第1および第2レンズ群はそれぞ
れ単一のレンズにより構成されるとともに、第3レンズ
群は2枚のレンズを貼り合わせることで構成されてい
る。また、上記実施例1の場合と同様の理由から、この
従来例2においても第2レンズ群を固定レンズ群とし、
残りの第1および第3レンズ群を移動レンズ群として光
軸AX上で移動可能とし、第1および第3レンズ群1,
3の移動によって面間隔d2,d4が変化して入射光ビー
ムLIN(ビーム径φ2.5mm)を4倍をはさみ2倍か
ら8倍までの変倍範囲で拡大する。なお、倍率kを2
倍、4倍および8倍に設定したときの面間隔d2,d4は
表10に示す通りである。
【0114】
【表10】
【0115】次に、実施例2と従来例2とを比較し、両
者の差異を明確にするため、実施例2と従来例2との仕
様を表11にまとめた。
【0116】
【表11】
【0117】また、各移動レンズ群が30μm偏心した
ときの出射光ビームLOUTの傾きと、その重ね合わせ量
(式6で求まるΔu)とを表12にまとめた。
【0118】
【表12】
【0119】この表12から明らかなように、この実施
例2によれば、移動レンズ群の偏心による出射光ビーム
LOUTの傾きの振れ量を大幅に抑え込むことができる。
【0120】<実施例3>図6は本発明にかかる変倍ビ
ームエキスパンダの実施例3を示す図であり、ビーム径
拡大倍率が4倍時の光路図である。この変倍ビームエキ
スパンダは、第2レンズ群2が正のパワーを有している
点で、第2レンズ群2が負のパワーを有する実施例1,
2と相違するが、その他のレンズ構成は同一である。
【0121】表13は、上記のように構成された変倍ビ
ームエキスパンダのレンズデータを示す表である(倍率
kが2.83倍のとき)。
【0122】
【表13】
【0123】この実施例3では、第3レンズ群3が固定
レンズ群とされ、残りの第1および第2レンズ群1,2
が移動レンズ群として光軸AX上を移動可能に構成さ
れ、第1および第2レンズ群1,2の移動によって面間
隔d3,d6が変化して入射光ビームLIN(ビーム径φ
2.5mm)を4倍をはさみ2.83倍から5.66倍
までの変倍範囲で拡大する。なお、倍率kを2.83
倍、4倍および5.66倍に設定したときの面間隔d
3,d6は表14に示す通りである。
【0124】
【表14】
【0125】また、この実施例3の仕様は表15に示す
通りである。
【0126】
【表15】
【0127】さらに、各移動レンズ群が30μm偏心し
たときの出射光ビームLOUTの傾きと、その重ね合わせ
量(式6で求まるΔu)とを表16にまとめた。
【0128】
【表16】
【0129】この表16における倍率kが4倍のときの
値を、実施例2の結果を示す表12における倍率kが4
倍のときの値と比較することからわかるように、出射光
ビームの傾き量は実施例2の場合と同じであり、従来例
2と比べて、移動レンズ群の偏心による出射光ビームL
OUTの傾きの振れ量を大幅に抑え込むことができる。
【0130】なお、この実施例3のように第2レンズ群
2として正のパワーを有するレンズ群を採用した場合、
変倍比(変倍範囲)を比較的大きく設定することが困難
であるというデメリットがあるものの、変倍ビームエキ
スパンダの全長を短くできるという特有の効果を有して
いる。
【0131】<実施例4>図7は本発明にかかる変倍ビ
ームエキスパンダの実施例4を示す図であり、ビーム径
拡大倍率が等倍時の光路図である。この変倍ビームエキ
スパンダでは、2枚のレンズ11,12を貼り合わせし
て正のパワーを有する第1レンズ群1が形成され、3枚
のレンズ21,22,23を貼り合わせして負のパワー
を有する第2レンズ群2が形成され、2枚のレンズ3
1,32を貼り合わせして正のパワーを有する第3レン
ズ群3が形成されており、これら第1ないし第3レンズ
群1,2,3がこの順序で光源側(同図の左手側)より
光軸AX上に配置されている。
【0132】表17は、上記のように構成された変倍ビ
ームエキスパンダのレンズデータを示す表である(倍率
kが0.5倍のとき)。
【0133】
【表17】
【0134】また、この実施例4では、第1レンズ群1
が固定レンズ群とされ、残りの第2および第3レンズ群
2,3が移動レンズ群として光軸AX上を移動可能に構
成され、第2および第3レンズ群2,3の移動によって
面間隔d3,d7が変化して入射光ビームLIN(ビーム径
φ10mm)を等倍をはさみ0.5倍から2倍までの範
囲で変倍する。なお、倍率kを0.5倍、等倍(1倍)
および2倍に設定したときの面間隔d3,d7は表18に
示す通りである。
【0135】
【表18】
【0136】ここでは、上記のように構成された実施例
4の効果を明らかにするため、実施例4と同一機能を有
する従来例(図8)にかかる変倍ビームエキスパンダを
従来例3として例示し、両者の比較を行う。
【0137】表19は、実施例4と同一機能を有する従
来の変倍ビームエキスパンダのレンズ構成を示す表であ
る(倍率kが0.5倍のとき)。
【0138】
【表19】
【0139】表17との比較によりわかるように、この
変倍ビームエキスパンダの基本レンズ構成は実施例4と
同一である。また、この従来例3では、第1レンズ群を
固定レンズ群とし、残りの第2および第3レンズ群を移
動レンズ群として光軸AX上で移動可能とし、第2およ
び第3レンズ群2,3の移動によって面間隔d3,d7が
変化して入射光ビームLIN(ビーム径φ10mm)を等
倍をはさみ0.5倍から2倍までの範囲で変倍する。
【0140】
【表20】
【0141】次に、実施例4と従来例3とを比較し、両
者の差異を明確にするため、実施例4と従来例3との仕
様を表21にまとめた。
【0142】
【表21】
【0143】また、各移動レンズ群が30μm偏心した
ときの出射光ビームLOUTの傾きと、その重ね合わせ量
(式6で求まるΔu)とを表22にまとめた。
【0144】
【表22】
【0145】この表22から明らかなように、この実施
例4によれば、移動レンズ群の偏心による出射光ビーム
LOUTの傾きの振れ量を大幅に抑え込むことができる。
【0146】なお、この従来例3においても、従来例1
と同様に、第2レンズ群の結像倍率βが大きくなる(β
がゼロに近づく)ようにレンズ設計することで、さらに
出射光ビームLOUTの傾きの振れ量を小さくすることが
できるが、上記説明および図3に示したように、Δuの
値は少なくとも
【0147】
【数23】
【0148】すなわち、0.30mrad以下にするこ
とができないため、実施例4の方が、常に出射光ビーム
LOUTの傾きの振れ量を小さくすることができる。
【0149】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、第1および第
2レンズ群の合成焦点距離を変倍範囲内で正として、変
倍ビームエキスパンダに入射された光が当該変倍ビーム
エキスパンダ内で実像を形成するように構成するととも
に、第1および第3レンズ群の焦点距離をそれぞれf
1,f3とし、倍率をkとし、第3レンズ群を固定レンズ
群として、 0<f3/f1≦k を満足するように構成しているので、レンズ群が光軸か
ら偏心したとしても、出射光ビームLOUTの傾きの振れ
を小さく抑えることができる。
【0150】請求項2の発明によれば、前記変倍範囲に
おける最小および最大倍率をそれぞれkmin,kmaxとす
るとき、 f3/f1=(kmin×kmax)/(kmin+kmax) を満足することで、第2レンズ群の結像倍率範囲の中心
倍率で出射光ビームLOUTの傾きへの公差の影響を最小
にすることができ、しかもこの中心倍率を中心として対
称的に公差の影響が大きくなるので、第3レンズ群を固
定する場合において、変倍範囲全体にわたって公差の影
響を最も小さくすることができる。
【0151】請求項3の発明によれば、第1および第2
レンズ群の合成焦点距離を変倍範囲内で正として、変倍
ビームエキスパンダに入射された光が当該変倍ビームエ
キスパンダ内で実像を形成するように構成するととも
に、第1および第3レンズ群の焦点距離をそれぞれf
1,f3とし、倍率をkとし、第1レンズ群を固定レンズ
群として、 0<f3/f1≦2×k を満足するように構成しているので、レンズ群が光軸か
ら偏心したとしても、出射光ビームLOUTの傾きの振れ
を小さく抑えることができる。
【0152】請求項4の発明によれば、前記変倍範囲に
おける最小および最大倍率をそれぞれkmin,kmaxとす
るとき、 f3/f1=(2×kmin×kmax)/(kmin+kmax) を満足することで、第2レンズ群の結像倍率範囲の中心
倍率で出射光ビームの傾きへの公差の影響を最小にする
ことができ、しかもこの中心倍率を中心として対称的に
公差の影響が大きくなるので、第1レンズ群を固定する
場合において、変倍範囲全体にわたって公差の影響を最
も小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる変倍ビームエキスパンダの基
本的構成を示す図である。
【図2】図1の変倍ビームエキスパンダにおいて第2レ
ンズ群が偏心した場合の結像位置の変位および光線の進
む様子を示す図である。
【図3】第2レンズ群の結像倍率と出射光ビームの傾き
との関係を示すグラフである。
【図4】本発明にかかる変倍ビームエキスパンダの実施
例1を示す図である。
【図5】本発明にかかる変倍ビームエキスパンダの実施
例2を示す図である。
【図6】本発明にかかる変倍ビームエキスパンダの実施
例3を示す図である。
【図7】本発明にかかる変倍ビームエキスパンダの実施
例4を示す図である。
【図8】従来の変倍ビームエキスパンダの構成を示す図
である。
【図9】図8の変倍ビームエキスパンダにおいて第2レ
ンズ群が偏心した場合の結像位置の変位および光線の進
む様子を示す図である。
【符号の説明】
1 第1レンズ群 2 第2レンズ群 3 第3レンズ群 11,12,21,22,23,31,32 レンズ AX 光軸 LIN 入射光ビーム LOUT 出射光ビーム P3 第3レンズ群の前側焦点位置 P12 第1および第2レンズ群の合成焦点位置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0147
【補正方法】変更
【補正内容】
【0147】
【数23】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正内容】
【0148】すなわち、0.42mrad以下にするこ
とができないため、実施例4の方が、常に出射光ビーム
LOUTの傾きの振れ量を小さくすることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正のパワーを有する第1レンズ群と、第
    2レンズ群と、正のパワーを有する第3レンズ群とが光
    軸上にこの順序で配置され、前記第3レンズ群を固定し
    ておき、前記第1および第2レンズ群の合成焦点位置と
    前記第3レンズ群の焦点位置とを一致させながら第1お
    よび第2レンズ群を前記光軸上で移動させて所定の変倍
    範囲内で倍率を変化させる変倍ビームエキスパンダにお
    いて、 前記第1および第2レンズ群の合成焦点距離が前記変倍
    範囲内で正であり、しかも、 前記第1および第3レンズ群の焦点距離をそれぞれf
    1,f3とし、倍率をkとするとき、 0<f3/f1≦k が満足されることを特徴とする変倍ビームエキスパン
    ダ。
  2. 【請求項2】 前記変倍範囲における最小および最大倍
    率をそれぞれkmin,kmaxとするとき、 f3/f1=(kmin×kmax)/(kmin+kmax) が満足される請求項1記載の変倍ビームエキスパンダ。
  3. 【請求項3】 正のパワーを有する第1レンズ群と、第
    2レンズ群と、正のパワーを有する第3レンズ群とが光
    軸上にこの順序で配置され、前記第1レンズ群を固定し
    ておき、前記第1および第2レンズ群の合成焦点位置と
    前記第3レンズ群の焦点位置とを一致させながら第2お
    よび第3レンズ群を前記光軸上で移動させて所定の変倍
    範囲内で倍率を変化させる変倍ビームエキスパンダにお
    いて、 前記第1および第2レンズ群の合成焦点距離が前記変倍
    範囲内で正であり、しかも、 前記第1および第3レンズ群の焦点距離をそれぞれf
    1,f3とし、倍率をkとするとき、 0<f3/f1≦2×k が満足されることを特徴とする変倍ビームエキスパン
    ダ。
  4. 【請求項4】 前記変倍範囲における最小および最大倍
    率をそれぞれkmin,kmaxとするとき、 f3/f1=(2×kmin×kmax)/(kmin+kmax) が満足される請求項3記載の変倍ビームエキスパンダ。
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