JPH0961609A - 光導波路型波長フィルタ - Google Patents

光導波路型波長フィルタ

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JPH0961609A
JPH0961609A JP7217401A JP21740195A JPH0961609A JP H0961609 A JPH0961609 A JP H0961609A JP 7217401 A JP7217401 A JP 7217401A JP 21740195 A JP21740195 A JP 21740195A JP H0961609 A JPH0961609 A JP H0961609A
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JP
Japan
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group
clad
refractive index
wavelength
light
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Pending
Application number
JP7217401A
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English (en)
Inventor
Koichi Arishima
功一 有島
Takuji Yoshida
卓史 吉田
Takeshi Sukegawa
健 助川
Toshiyuki Shimada
俊之 島田
Atsushi Ishikawa
篤 石川
誠 ▲はな▼澤
Makoto Hanazawa
Yukio Horikawa
幸雄 堀川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Kanebo Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
Application filed by Kanebo Ltd, Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Kanebo Ltd
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 選択波長の可変な簡易な光フィルタを提供す
る。 【解決手段】 光が導波するコア部とコアの周りを覆う
クラッド部とを有し、前記クラッド部の一部が、光照射
によって屈折率の周期的変化を生じさせる有機化合物か
ら構成され、該有機化合物が下記一般式(1)で示され
る構造のフッ素化ジアリールエテン化合物であることを
特徴とする。 【化16】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長多重通信等に
おいて、特定波長の光を選択したり、除去したりするた
めに使用される光導波路型波長フィルタに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】これまで、特定の波長の光を選択する方
法としては、例えば、西原浩也著“光集積回路(改訂増
補版)(オーム社、1993年刊)”に解説されている
ように、光導波路のコア部分またはクラッド部分、ある
いはその両方に周期的な屈折率変化を与える方法が提案
されている。周期的な屈折率分布の形状としては、導波
光の進行方向に沿った矩形波、三角波、あるいは正弦波
の周期的繰り返しが提案されている。
【0003】屈折率分布を形成させるためには、光導波
路のコア部分あるいはクラッド部分を屈折率の異なる複
数の物質を交互に並べて構成する方法、あるいは、より
簡便な方法として、クラッド部分を周期的に切り欠き、
空気とクラッド構成物質の屈折率差を利用する方法、ま
たは、その上に屈折率の異なるクラッドを積み重ねる方
法、あるいは、コア部分に周期的な切り欠きをつくり、
その上にクラッドを積み重ねることにより、コアとクラ
ッドが周期的に入り組んだ構造を作る方法が考えられ
る。
【0004】これらのうち、複数の物質で、コアあるい
はクラッドを構成する方法は、接合面における損失が大
きく、素子全体としては大きな損失になるという欠点を
有している。一方、クラッドあるいはコアに切り欠きを
作って作製する方法では、数μmあるいはそれ以上の精
度で、しかも周期的なパターンを加工することが要求さ
れるため、作製上の困難さ、作製コストが高いなどの欠
点を有していた。さらに、これらの手法を用いた場合、
グレーティングの間隔は固定となるため、選択する波長
を変化させることは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の事情
を鑑みてなされたものであって、その課題は、選択波長
の可変な簡易な光フィルタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の光導波路型波長フィルタは、光が導波する
コア部とコアの周りを覆うクラッド部とを有し、前記ク
ラッド部の一部が、光照射によって屈折率の周期的変化
を生じさせる有機化合物から構成され、該有機化合物が
下記一般式(1)で示される構造のフッ素化ジアリール
エテン化合物であることを特徴とする。
【0007】
【化5】
【0008】(但し、一般式(1)中のA1 ,A2 は一
般式(2)または一般式(3)
【0009】
【化6】
【0010】
【化7】
【0011】で示されるチエニル基、ピリル基、ベンゾ
チエニル基またはインドリル基を表し、A1 ,A2 は同
一でも異なっていてもよい。一般式(2)および一般式
(3)において、X,Yは硫黄原子または炭素数1から
18のアルキル置換窒素原子を表す。また、R1 ,R4
は炭素数1〜8のアルキル基を表し、R2 ,R3 ,R5
は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはシアノ
基を表す。R6 は水素原子、アルキル基、シアノ基また
は一般式(4)
【0012】
【化8】
【0013】で示される置換フェニルエテニル基を表
し、R7 は水素またはアルコキシ基を表す。)
【0014】
【発明の実施の形態】
(1)発明の特徴と従来技術との差異 前述のように、本発明は、光照射によって屈折率が変化
する有機材料をクラッドの一部に組み込み、周期的に光
強度が変化する光を照射し、当該クラッドに周期的な屈
折率分布を形成することを最も主要な特徴とする。
【0015】光照射によって周期的な屈折率分布を作製
できることが、これまでの波長フィルタと大きく異な
る。これまでの多くの波長フィルタは材料を精密加工す
ることによって周期的な屈折率分布を作製するものであ
った。このため、作製にかかる時間、歩留まり等が素子
作製上コストの点で問題となっていた。本発明では、ク
ラッドの一部に組み込まれた屈折率が変化する材料に2
光束のレーザ光を照射することによって、簡易かつ正確
にその干渉パターンに応じて屈折率の変化したパターン
を得ることができる。
【0016】光照射により屈折率が変化する材料に対し
て、光照射によって変化する屈折率の値(Δn)が大き
いこと、高い感度で周期的な屈折率分布が書き込めるこ
と、書き込まれた屈折率分布が温度、湿度等に対して安
定性が高いこと、さらに、書き込み光より長波長の光に
対する安定性が高いことなどが要求される。この特性に
適する材料を鋭意検討した結果、有機フォトクロミック
材料の中でフッ素化ジアリールエテン化合物が有用であ
ることがわかった。
【0017】ここで用いることのできるフッ素化ジアリ
ールエテン化合物は、一般式(1)で示されるペルフル
オロシクロペンテン誘導体である。
【0018】
【化9】
【0019】(但し、一般式(1)中のA1 ,A2 は一
般式(2)または一般式(3)
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】で示されるチエニル基、ピリル基、ベンゾ
チエニル基またはインドリル基を表し、A1 ,A2 は同
一でも異なっていてもよい。一般式(2)および一般式
(3)において、X,Yは硫黄原子または炭素数1から
18のアルキル置換窒素原子を表す。また、R1 ,R4
は炭素数1〜8のアルキル基を表し、R2 ,R3 ,R5
は水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはシアノ
基を表す。R6 は水素原子、アルキル基、シアノ基また
は一般式(4)
【0023】
【化12】
【0024】で示される置換フェニルエテニル基を表
し、R7 は水素またはアルコキシ基を表す。) ペルフルオロシクロペンテン誘導体の中でも、一般式
(1)のA1 ,A2 のうち少なくとも一方がベンゾチエ
ニル基であることが、グレーティングの熱的安定性およ
び書き換え耐久性の観点から特に好ましい。
【0025】これらの有機フォトクロミック化合物を導
波路のコアの周りのクラッド部として形成するために
は、有機フォトクロミック化合物を高分子材料中に分子
状に分散させ、成型性を持たせた混合物を高分子クラッ
ド材料として使用する。ここで用いる高分子材料は、フ
ォトクロミック化合物との混合物の屈折率が導波路コア
の屈折率より低くなる物質で、かつ成形性があればよ
い。たとえば、フッ素化ポリメチルメタクリレートとポ
リメチルメタクリレートの混合物は、成形性があり、か
つその屈折率は、混合比にほぼ比例してフッ素化ポリメ
チルメタクリレートとポリメチルメタクリレート固有の
屈折率の間で任意に設定できる。
【0026】ここで、コア上に高分子クラッド層を設け
るには、予め導波路素子上のコアの一部がむき出しにな
っている必要がある。このためには、埋め込み型導波路
のクラッド層をスパッタ等の方法で必要な部分を除去す
るか、または、コアがむき出しの導波路(いわゆるリッ
ジ型導波路)をそのまま用いる。また、ここで用いる導
波路は、石英をはじめ、ガラス、半導体、プラスチック
などを加工した平面型の導波路や、石英、プラスチック
のファイバ型導波路の何れでもかまわない。
【0027】この有機フォトクロミック化合物を含む高
分子クラッド材料を、導波路素子上のコアに直接接する
ようにスピンコート、キャスト等の方法で塗布すればよ
い。このとき、塗布する高分子クラッドの厚さは、コア
面からエバネッセント波がしみ出す領域の厚み以上あれ
ばよく、数μm以上あれば十分である。また、高分子ク
ラッドの長さは、屈折率グレーティングにおける結合長
より長ければよく、たとえば、反射率99.9%を実現
するための結合長は、コアの屈折率が1.448、クラ
ッドの屈折率が1.444、屈折率グレーティングにお
けるΔnが0.0001での場合、約500μmであ
る。
【0028】このように素子作製において、塗布によっ
てクラッドを作製するためクラッドの導波路素子へのア
ライメントが不要であること、塗布する高分子クラッド
は非常に少量でよく、搭載による素子の形状はほとんど
変わらず小型であること、レーザ光の干渉によって任意
の周期で屈折率変化を書き込めるため、任意の波長のフ
ィルタが容易に得られること、素子を実装後でも任意の
選択波長を簡易な装置で書き込み可能である、などの特
徴を有する。
【0029】これは、予めクラッド材料を種々の方法で
加工し、屈折率グレーティングを作製して導波路素子上
に搭載する方法や、搭載後クラッド材料をエッチングあ
るいはスパッタ等で加工してグレーティングをつくる従
来の作製方法と比較して、素子作製方法が非常に容易で
あるだけでなく、使用する光波長に応じて選択波長をそ
の場で書き込めるため、実用上有利である。
【0030】さらに、材料の光感度を有する光で一様に
照射することによって、一度書き込んだ屈折率グレーテ
ィングを消去し、再度屈折率グレーティングを書き込む
ことができる。従来の波長選択素子は、物理的にグレー
ティングパターンがコアまたはクラッド部分に作製され
ており、波長を変化させることは困難である。
【0031】このように本発明は、従来技術では困難で
あった選択する波長を自由に変えられる波長可変機能を
有する波長選択フィルタを提供することが可能で、実用
上非常に大きな利点となる。
【0032】また、フッ素化ジアリールエテン化合物の
熱安定性は、従来のフォトクロミック材料に比べ非常に
高く、書き込まれたグレーティングの保持性は80℃の
高温においても数千時間以上の保持性を持つ特徴を有す
る。これは実用上素子の安定性において、大きく寄与し
ている。
【0033】このように、本発明は、従来技術とは大き
く異なり、光導波路の作製には精密な微細加工を必要と
しない上、グレーティングの間隔すなわち波長選択性を
変更することも可能である。
【0034】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を説明するが、
本発明は実施例に限定されるものではなく、屈折率の周
期的変化が光で書き込まれた有機材料をクラッドに搭載
した光導波路型波長フィルタであれば使用できる。
【0035】(実施例1)本発明における代表的な光導
波路型波長選択素子(フィルタ)の構造の全体図を図1
に示す。
【0036】図中、1は入射ポート、2,3、および4
は出射ポート、5,6は光導波路のコア、7,8は高分
子クラッド、9は光導波路のクラッドである。また、
A,Bは高分子クラッドを含むマッハツェンダ干渉回路
(直線部分)であり、C,Dは高帯域3dBカップラで
ある。
【0037】本波長選択素子は、高帯域3dBカップラ
(図1中のC部分およびD部分)およびマッハツェンダ
型干渉回路(図中のA部分およびB部分)から成り、マ
ッハツェンダ型干渉回路の直線部分C,Dに屈折率の周
期的変化を書き込むフッ素化ジアリールエテン化合物を
含む高分子クラッドを搭載する。
【0038】図2から図4は、フォトクロミック材料を
用いた導波路型波長選択素子におけるマッハツェンダ干
渉回路の直線部分の図であって、図1中のAまたはBの
拡大図である。図2は平面図、図3は図2のa−a′線
に沿う断面図、図4は図2のb−b′線に沿う断面図で
ある。図中、5は光導波路のコア、7は屈折率グレーテ
ィングを書き込んだ高分子クラッド、9は光導波路のク
ラッド、10は基板である。
【0039】このような構造の素子を作製するには、従
来の火炎堆積法で作製した高帯域3dBカップラおよび
マッハツェンダ型干渉回路から成る光導波路素子のマッ
ハツェンダ型干渉回路の直線部分を、光導波路コアの上
部まで、幅5mm、長さ5mmの面積を、リアクティブ
イオンエッチング装置でエッチングした。次に、コア部
分をマスクし、上記5×5mmの面積をさらに深さ9μ
mまでエッチングして、コア部分が露出されるようにし
た。
【0040】次に、フッ素化メチルメタクリレートとメ
チルメタクリレートとの共重合体の高分子溶液にフォト
クロミック材料である下記構造式(1a)で示されるフ
ッ素化ジアリールエテン化合物を10重量%添加して、
波長1.5μmでの屈折率を1.444になるように調
製した塗布液を、上述の5×5mmの面積部分に塗布し
た。続いて、70℃窒素雰囲気下で2時間乾燥し、高分
子クラッド7を形成した。
【0041】
【化13】
【0042】次に、水銀ランプ光を中心波長365nm
の干渉フィルタで分光した光(光強度100mW/cm
2 )を上記導波路型波長選択素子に10秒間照射し、フ
ォトクロミック分子を開環状態から閉環状態に光反応で
変化させ、レーザ発振波長領域である可視部に吸収を持
たせた。
【0043】次に、HeNeレーザ(発振波長633n
m、出力1mW)をハーフミラーで2光束に分割し、交
差角39°で干渉光を発生させ、当該干渉縞が直線光導
波路と直交するように直線光導波路の高分子クラッド部
分に15秒間照射した。ここで、干渉光の明部に対応し
た高分子クラッド部位はフォトクロミック分子が閉環状
態から開環状態に変化して屈折率が変化し、暗部に対応
した部位はフォトクロミック分子が変化せず、したがっ
て、屈折率の変化もおこらない。この結果、高分子クラ
ッド7には、干渉縞の明暗に対応して屈折率の周期的変
化が書き込まれた。
【0044】上記導波路型波長選択素子を光学ステージ
に設置し、素子片端の入射ポート(図1中の1)からレ
ーザ光を入射させ、出射ポート(図1中の2)からの反
射光の光強度および出射ポート(図1中の4)からの透
過光をフォトディテクタで測定し、入射光強度と反射光
強度の比からフィルタ特性を判定した。
【0045】測定の結果、上記導波路素子は、波長1.
5μmにおいて99.5%の高い反射特性を示し、波長
1.3μmおよび0.89μmでは反射率0%で、かつ
透過光の損失は0.5%であった。
【0046】この結果より、本導波路素子は、良好な波
長選択フィルタ特性を有することがわかった。
【0047】(実施例2)実施例1と同等の素子構造を
有し、下記構造式(1b)で示されるフッ素化ジアリー
ルエテン化合物を用いた導波路型波長フィルタを作製し
た。
【0048】
【化14】
【0049】このような構造の素子を作製するには、実
施例1と同様に、光導波路の一部のクラッド層を除去
し、コア部をむき出しにした。次に、フッ素化メチルメ
タクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体の高
分子溶液にフォトクロミック材料である前記構造式(1
b)で示されるフッ素化ジアリールエテン化合物を15
重量%添加し、波長1.5μmで屈折率を1.446に
なるように調製した塗布液を、上述のクラッド除去部に
塗布した。続いて、70℃窒素雰囲気下で2時間乾燥し
て、高分子クラッド7を形成した。
【0050】次に、実施例1と同様にして、水銀ランプ
光を中心波長365nmの干渉フィルタで分光した光
(光強度100mW/cm2 )を上記導波路型波長選択
素子に10秒間照射し、可視部に吸収を持たせた後、H
eNeレーザ(発振波長633nm、出力1mW)をハ
ーフミラーで2光束に分割し、交差角39°で干渉光を
発生させ、当該干渉縞が直線光導波路と直交するよう
に、高分子クラッド部分に20秒間照射し、高分子クラ
ッド7に屈折率の周期的変化を書き込んだ。
【0051】上記導波路型波長選択素子を光学ステージ
に設置し、実施例1と同様に素子片端の入射ポート(図
1中の1)からレーザ光を入射させ、出射ポート(図1
中の2)からの反射光の光強度および出射ポート(図1
中の4)からの透過光をフォトディテクタで測定し、入
射光強度と反射光強度の比からフィルタ特性を判定し
た。
【0052】測定の結果、上記導波路素子は、波長1.
5μmにおいて、99.2%の高い反射特性を示し、波
長1.3μmおよび0.89μmでは、反射率0%で、
かつ透過光の損失は0.3%であった。
【0053】この結果より、本導波路素子は、良好な波
長選択フィルタ特性を有することがわかった。
【0054】(実施例3)図1に示した素子構造を有
し、下記構造式(1c)で示したフッ素化ジアリールエ
テン化合物を用いた導波路型波長素子を作製した。
【0055】
【化15】
【0056】実施例1と同等の方法で加工した光導波路
に、フッ素化メチルメタクリレートとメチルメタクリレ
ートとの共重合体の高分子溶液にフォトクロミック材料
である前記構造式(1c)で示されるフッ素化ジアリー
ルエテン化合物を10重量%添加し、波長1.5μmで
屈折率を1.446になるように調製した塗布液を用
い、高分子クラッド7を形成した。
【0057】次に、実施例1と同等の方法で高分子クラ
ッド7に屈折率の周期的変化を形成し、フィルタ特性を
測定した。
【0058】測定の結果、上記導波路素子は、波長1.
5μmにおいて、99.7%の高い反射特性を示し、波
長1.3μmおよび0.89μmでは、反射率0%でか
つ透過光の損失は0.5%であり、良好なフィルタ特性
が得られた。
【0059】(実施例4)〈リッジ型導波路の使用例〉 実施例1において、導波路型素子として、図1の構造を
持ち、上部クラッド層のないいわゆるリッジ型素子を使
用して、波長フィルタを作製した。
【0060】これを作製するために、フッ素化メチルメ
タクリレートとメチルメタクリレートとの共重合体の高
分子溶液に前記構造式(1a)で示されるフッ素化ジア
リールエテン化合物を10重量%添加し、波長1.5μ
mでの屈折率を1.444になるように調製した塗布液
を、上記リッジ型導波路にスピンコート装置を用いて塗
布した。続いて、70℃窒素雰囲気下で2時間乾燥し
て、高分子クラッドを形成した。
【0061】次に、実施例1と同様にして、高分子クラ
ッドに屈折率の周期的書き込みフィルタ特性を判定し
た。
【0062】測定の結果、波長1.5μmにおいて、9
9.7%の高い反射特性を示し、波長1.3μmおよび
0.89μmでは、反射率0%でかつ透過光の損失は
0.7%であった。
【0063】この結果より、リッジ型素子を用いた場合
でも、本導波路素子は、良好な波長選択フィルタ特性を
有することがわかった。
【0064】(実施例5)〈書き換え特性の検証〉 実施例1で用いた波長グレーティングが書き込まれた導
波路型波長素子(フィルタ)に、HeNe光(出力10
mW)を全面に一様に30秒間照射し、グレーティング
を消去した。消去状態は、反射光が観測出来なくなるこ
とより確認できた。
【0065】次に、再び水銀ランプ光を中心波長365
nmの干渉フィルタで分光した光(光強度100mW/
cm2 )を上記導波路型波長選択素子に10秒間照射
し、レーザ発振波長領域である可視部に吸収を持たせ
た。
【0066】次に、HeNeレーザ(発振波長633n
m、出力1mW)をハーフミラーで2光束に分割し、交
差角39°で干渉光を発生させ、当該干渉縞が直線導波
路と直交するように直線導波路の高分子クラッド部分に
15秒間照射し、高分子クラッドには干渉縞の明暗に対
応して屈折率の周期的変化が再び書き込まれた。
【0067】上記導波路型波長選択素子を光学ステージ
に設置し、素子片端の入射ポート(図1中の1)からレ
ーザ光を入射させ、出射ポート(図1中の2)からの反
射光の光強度および出射ポート(図1中の4)からの透
過光をフォトディテクタで測定し、入射光強度と反射光
強度の比からフィルタ特性を判定した。
【0068】測定の結果、上記導波路素子は、波長1.
5μmにおいて、99.5%の高い反射特性を示し、波
長1.3μmおよび0.89μmでは、反射率0%でか
つ透過光の損失は0.5%であった。
【0069】この結果より、本導波路素子は、良好な繰
り返し特性を示し、書き換え可能な波長選択フィルタ特
性を有することがわかった。
【0070】(実施例6)〈熱的安定性の検証〉 本導波路素子の熱的安定性を検討するため、実施例1,
2,3で作製した導波路型波長フィルタを、高温環境下
での反射特性を測定した。測定は、温度80℃の恒温槽
に放置後、一定時間ごとに取り出し、室温雰囲気中で
1.5μm光の反射特性を測定した。結果を表1に示
す。
【0071】
【表1】
【0072】いずれの素子も反射率の変動幅は、500
0時間後においても、0.2dB以下であり、良好な熱
安定性を示した。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いるこ
とによって、容易に、かつ回路上に実装した状態におい
ても、任意の波長を透過または反射し、また、グレーテ
ィングを光消去して再度書き換え可能な導波路型波長選
択素子が得られる。これまでの波長選択素子に比べ、同
等のフィルタ特性を有しながら、作製の簡易性、波長選
択性の自由度、書き換え性、熱的安定性において、はる
かに優れた特性をもっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる導波路型波長選択素子の一代表
例を示す全体構成図である。
【図2】本発明の導波路型波長選択素子におけるマッハ
ツェンダ干渉回路の直線部分の平面構成図である。
【図3】図2のa−a′線に沿う断面構成図である。
【図4】図2のb−b′線に沿う断面構成図である。
【符号の説明】
1 入射ポート 2,3,4 出射ポート 5,6 光導波路のコア 7,8 高分子クラッド 9 光導波路のクラッド 10 基板 A,B 高分子クラッドを含むマッハツェンダ干渉回路
(直線部分) C,D 高帯域3dBカップラ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 6/18 G03C 1/73 503 G03C 1/73 503 G02B 6/12 F H (72)発明者 助川 健 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 島田 俊之 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 石川 篤 大阪府大阪市都島区友渕町1丁目5番90号 鐘紡株式会社開発研究所内 (72)発明者 ▲はな▼澤 誠 大阪府大阪市都島区友渕町1丁目5番90号 鐘紡株式会社開発研究所内 (72)発明者 堀川 幸雄 大阪府大阪市都島区友渕町1丁目5番90号 鐘紡株式会社開発研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光が導波するコア部とコアの周りを覆う
    クラッド部とを有し、前記クラッド部の一部が、光照射
    によって屈折率の周期的変化を生じさせる有機化合物か
    ら構成され、該有機化合物が下記一般式(1)で示され
    る構造のフッ素化ジアリールエテン化合物であることを
    特徴とする光導波路型波長フィルタ。 【化1】 (但し、一般式(1)中のA1 ,A2 は一般式(2)ま
    たは一般式(3) 【化2】 【化3】 で示されるチエニル基、ピリル基、ベンゾチエニル基ま
    たはインドリル基を表し、A1 ,A2 は同一でも異なっ
    ていてもよい。一般式(2)および一般式(3)におい
    て、X,Yは硫黄原子または炭素数1から18のアルキ
    ル置換窒素原子を表す。また、R1 ,R4 は炭素数1〜
    8のアルキル基を表し、R2 ,R3 ,R5は水素原子、
    アルキル基、アルコキシ基、またはシアノ基を表す。R
    6 は水素原子、アルキル基、シアノ基または一般式
    (4) 【化4】 で示される置換フェニルエテニル基を表し、R7 は水素
    またはアルコキシ基を表す。)
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