JPH0961165A - 波高・潮位センサ、液面計及び波高・潮位測定方法 - Google Patents

波高・潮位センサ、液面計及び波高・潮位測定方法

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JPH0961165A
JPH0961165A JP7057396A JP7057396A JPH0961165A JP H0961165 A JPH0961165 A JP H0961165A JP 7057396 A JP7057396 A JP 7057396A JP 7057396 A JP7057396 A JP 7057396A JP H0961165 A JPH0961165 A JP H0961165A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】設置作業が容易で、定期的なメンテナンスが殆
ど不要になるとともに、誘爆環境等の危険地域における
波高・潮位や引火性の液体等の危険物の液面位置を安全
に測定できるようにする。 【解決手段】オプティカルヘッド2、電子回路ボックス
3およびコンピュータ4に分割して構成し、オプティカ
ルヘッド2および電子回路ボックス3を危険地域に設置
する。電子回路ボックス3は耐圧防爆容器6に収納し、
オプティカルヘッド2は、光ファイバ7,8のみを介し
て電子回路ボックス3に接続する。オプティカルヘッド
2は、照射レンズ21および受光レンズ22が海面5に
対向するように海面5の上方に設置する。オプティカル
ヘッド2は海面5下に水没しておらず、容易に設置で
き、表面に海中生物等が付着することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、海上において波
高または潮位を測定する波高・潮位センサ、タンク等に
貯溜された液体の液面位置を測定する液面計、及び、波
高・潮位センサ又は液面計における波高・潮位又は液面
の計測方法に関し、特に、メンテナンスの容易化、保全
費用の削減を実現し、誘爆環境等の危険地域に設置し得
る波高・潮位センサ、液面計及び液面計測方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】船舶を桟橋等において停泊させる場合、
波浪の影響による事故を防止するために海象状態を判断
する必要がある。そこで、従来より海面の波高および潮
位を測定するセンサが用いられている。
【0003】従来より、静電容量方式または超音波方式
の波高・潮位センサが知られている。静電容量方式の波
高・潮位センサは、例えば図13に示すように、絶縁被
覆された電極42を海面45下に水没させ、海面水位の
変化による静電容量の変動を測定して波高または潮位を
検出するようにしている。この波高・潮位センサにおい
て、海面水位がWL1からWL2にΔLだけ増加する
と、電極における静電容量は、ΔCo=Co・ΔLだけ
変動する。従って、ΔCoを測定することにより海面水
位の変動量ΔLを求めることができる。
【0004】また、タンク内に貯溜された液体の液面位
置を測定するものとしては、上記静電容量方式やフロー
ト方式の液面計がある。静電容量式のセンサの長さに比
較してタンクの高さがきわめて高い場合には、静電容量
式のセンサを長手方向に複数連結して設置する。また、
フロート方式の液面計では、テープによって吊り下げら
れたフロートを液面に浮かべ、テープの張力を一定に維
持した状態におけるテープの巻取長さによって液面位置
を測定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
波高・潮位センサでは、検出装置の一部が海水中に水没
していたため、海草や貝などの海中生物等が表面に付着
し、測定結果に誤差を生じ、正確な波高または潮位を測
定することができない問題がある。また、保守・点検作
業には港湾管理者の作業許可が必要で、センサ等の表面
から付着物を除去するには潜水作業の有資格者が必要で
あり、作業は気象や海象の影響を受けやすいためにメン
テナンスが煩雑になり、また、その頻度も多くなる問題
がある。
【0006】特に、従来の静電容量方式およびフロート
方式の液面計においては、液面計がタンク内に貯溜され
た液体中に浸漬されているため、液面計のメンテナンス
を行うためには、液体をタンク内から全て排出して内部
を空気置換した後に作業者がタンク内に入らなければな
らず、液体の取扱いや点検作業が煩雑になる問題があっ
た。
【0007】また、タンカー等の危険物を積載した船舶
が入港する港湾は、誘爆雰囲気状態にある危険地域と見
做され、このような港湾における波高または潮位を測定
する装置は、電気機器による誘爆や火災を防止するた
め、波高・潮位センサの設置場所が限定される。このよ
うな問題は、例えば、タンク内に貯溜された引火性の液
体の液面位置を測定する液面計においても同様に生じ
る。
【0008】この発明の目的は、装置の一部を海中や液
体中に水没させることなく容易に設置でき、海面水位お
よび液面位置を測定することができ、表面に海中生物等
が付着することがなく、定期的なメンテナンスが殆ど不
要になるとともに、誘爆環境等の危険地域や引火性の液
体等の危険物を貯溜するタンク内においても安全に波
高、潮位および液面位置を測定することができる波高・
潮位センサおよび液面計を提供することにある。
【0009】また、制御装置の演算処理の負荷を過大に
することなく、波面の挙動を正確に測定することがで
き、波高及び潮位の測定精度を向上することができる波
高・潮位測定方法及び波高・潮位センサを提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
の波高・潮位センサは、検出光を照射する照射レンズお
よび反射光を受光する受光レンズを備え、照射レンズお
よび受光レンズが水面に対向する位置に配置された光学
装置と、光学装置の照射レンズに照射用光ファイバを介
して接続された発光手段と、光学装置の受光レンズに受
光用光ファイバを介して接続され、受光信号を出力する
受光センサと、受光センサの出力信号に基づいて水面ま
での距離を算出する演算手段と、を備えた回路装置と、
回路装置に信号線を介して接続され、演算手段の算出結
果に基づいて波高または潮位を測定する制御装置と、か
ら構成したことを特徴とする。
【0011】請求項2に記載した発明の波高・潮位セン
サは、前記演算手段が、一定時間間隔における所定数の
受光センサの出力信号に基づいて水面までの距離の平均
を算出する手段であり、前記制御装置が、第1の設定時
間内に入力された複数の算出結果の平均値、最大値及び
最小値を求め、平均値が基準値より高い場合は最大値を
波データとするとともに、平均値が基準値より低い場合
は最小値を波データとする波データ選択手段と、第2の
設定時間において予め設定された有効エリアに含まれな
い設定個数の波データ以外の波データを測位データとす
る測位データ選択手段と、を含むことを特徴とする。
【0012】請求項3に記載した発明の波高・潮位測定
方法は、一定時間間隔における所定数の受光センサの出
力信号に基づいて水面までの距離の平均を回路装置にお
いて算出し、この算出結果を制御装置に入力し、制御装
置において、第1の設定時間内に入力された複数の算出
結果の平均値、最大値及び最小値を求め、平均値が基準
値より高い場合は最大値を波データとするとともに、平
均値が基準値より低い場合は最小値を波データとして選
択し、次いで、第2の設定時間において予め設定された
有効エリアに含まれない設定個数の波データ以外の波デ
ータを測位データとし、さらに、この測位データに基づ
いて波高または潮位を測定することを特徴とする。
【0013】請求項4に記載した発明の液面計は、検出
光を照射する照射レンズおよび反射光を受光する受光レ
ンズを備え、照射レンズおよび受光レンズが液面に対向
する位置に配置された光学装置と、光学装置の照射レン
ズに照射用光ファイバを介して接続された発光手段と、
光学装置の受光レンズに受光用光ファイバを介して接続
され、受光信号を出力する受光センサと、受光センサの
出力信号に基づいて液面までの距離を算出する演算手段
と、を備えた回路装置と、回路装置に信号線を介して接
続され、前記演算手段の算出結果の平均を液面位置とし
て算出する制御装置と、から構成したことを特徴とす
る。
【0014】請求項5に記載した発明の波高・潮位セン
サおよび液面計は、検出光を照射する照射レンズおよび
反射光を受光する受光レンズを備え、照射レンズおよび
受光レンズが水面に対向する位置に配置された光学装置
と、光学装置の照射レンズに照射用光ファイバを介して
接続された発光手段と、光学装置の受光レンズに受光用
光ファイバを介して接続され、受光信号を出力する受光
センサと、受光センサの出力信号に基づいて水面までの
距離を算出する演算手段と、を備えた回路装置と、回路
装置に信号線を介して接続され、演算手段の算出結果に
基づいて波高または潮位を測定する制御装置と、前記回
路装置を収納する耐圧防爆容器を備えたことを特徴とす
る。
【0015】請求項1に記載した発明に係る波高・潮位
センサは、光学装置、回路装置および制御装置により構
成される。光学装置は、照射レンズおよび受光レンズを
備え、照射レンズおよび受光レンズは水面に対向する。
照射レンズおよび受光レンズは、それぞれ照射用光ファ
イバおよび受光用光ファイバを介して回路装置の発光手
段および受光センサに接続される。
【0016】発光手段が駆動されると、発光手段の光が
照射用光ファイバを介して照射レンズから水面に照射さ
れる。水面における反射光は受光レンズにより受光さ
れ、受光用光ファイバを介して受光センサに入光する。
受光センサの出力信号は演算手段に入力され、演算手段
は水面までの距離を算出する。この算出結果が制御装置
に入力され、制御装置は入力された算出結果に基づいて
波高または潮位を測定する。
【0017】図1において、センサ101から水面10
2に照射された光は水面102で反射し、この反射光が
センサ101に受光される。水面102における反射光
のうち入射方向に対して略180度の反射角で反射した
反射光のみが受光される。このとき、時間tと水面の高
さHとの関係は、 H=F(t) で表され、この式を時間について微分し、 F’(t)=0 となるような時間tのとき、F(t)が波の峰または波
の谷の高さを表す。このとき水面は、光の入射方向に対
して垂直となることから反射光は反射角180度で反射
する。したがって、受光センサが出力信号を出力するタ
イミングは、波の峰または波の谷の付近を計測している
時である。以上のことから波の峰と谷との位置を欠落す
ることなく的確に測定するためには、波の周期と光の照
射間隔との関係が重要となる。そこで、速い周期の波を
計測する際には光の照射間隔を短くして計測する。計測
位置が波の峰の部分であるか波の谷の部分であるかの区
別は、直前に測定したデータとの大小の比較により判断
できる。センサ部から波の峰または波の谷までの距離
は、光の照射タイミングから受光タイミングまでの時間
間隔を計時し、光の飛行時間に基づいて算出する。この
算出値をセンサ部の取付位置の高さから差し引くことに
より、その時々の水面の高さが求まる。
【0018】得られた水面の高さから波高および潮位を
求める。先ず、波高Hについては、図2に示すように、
1周期内での最大距離Smax(波の谷部までの距離)
と、最小距離Smin(波の山部までの距離)とから、 H=Smax−Smin により求まる。ここに、波の1周期とは、図3に示すよ
うに、波の峰部が測定されてから次に波の峰部が測定さ
れるまでの間をいう。
【0019】次に、潮位Lは、基準値からのセンサの設
置高さHcおよび測定距離Sから、 Li=Hc−Si (i=1,2,・・・N) L=(ΣLi)/N により求まる。
【0020】請求項2に記載した発明に係る波高・潮位
センサは、回路装置において、一定時間間隔における所
定数の受光センサの出力信号に基づいて水面までの距離
の平均を算出し、制御装置において、第1の設定時間内
に入力された複数の算出結果の平均値、最大値及び最小
値を求め、平均値が基準値より高い場合は最大値を波デ
ータとするとともに、平均値が基準値より低い場合は最
小値を波データとして選択し、第2の設定時間において
予め設定された有効エリアに含まれない設定個数の波デ
ータ以外の波データを測位データとする。したがって、
波高・潮位の測定精度を向上すべく、受光センサの出力
信号の読取時間間隔を短くしても、制御装置における演
算処理の負荷が過大になることがないとともに、波面以
外の測定結果である不良データを除去して波面の測定結
果のみに基づいて波高及び潮位を正確に測定することが
できる。
【0021】請求項3に記載した発明に係る波高・潮位
測定方法は、回路装置において、一定時間間隔における
所定数の受光センサの出力信号に基づいて水面までの距
離の平均を算出し、制御装置において、第1の設定時間
内に入力された複数の算出結果の平均値、最大値及び最
小値を求め、平均値が基準値より高い場合は最大値を波
データとするとともに、平均値が基準値より低い場合は
最小値を波データとして選択し、第2の設定時間におい
て予め設定された有効エリアに含まれない設定個数の波
データ以外の波データを測位データとする。したがっ
て、波高・潮位の測定精度を向上すべく、受光センサの
出力信号の読取時間間隔を短くしても、制御装置におけ
る演算処理の負荷が過大になることがないとともに、波
面以外の測定結果である不良データを除去して波面の測
定結果のみに基づいて波高及び潮位を正確に測定するこ
とができる。
【0022】請求項4に記載した発明に係る液面計は、
光学装置、回路装置および制御装置により構成される。
光学装置は、照射レンズおよび受光レンズを備え、照射
レンズおよび受光レンズは液面に対向する。照射レンズ
および受光レンズは、それぞれ照射用光ファイバおよび
受光用光ファイバを介して回路装置の発光手段および受
光センサに接続される。
【0023】発光手段が駆動されると、発光手段の光が
照射用光ファイバを介して照射レンズから液面に照射さ
れる。液面における反射光は受光レンズにより受光さ
れ、受光用光ファイバを介して受光センサに入光する。
受光センサの出力信号は演算手段に入力され、演算手段
は液面までの距離を算出する。この算出結果が制御装置
に入力され、制御装置はセンサの設置高さから入力され
た演算手段の算出結果を差し引いてその平均を求め、液
面位置として算出する。したがって、液面計は液体中に
浸漬することがなく、また、光学装置のみが液面の上方
に配置される。
【0024】請求項5に記載した発明においては、回路
装置が耐圧防爆容器に収納され、光学装置は光ファイバ
のみを介して回路装置に接続されており、光学装置に対
して電気信号は入出力されない。したがって、光学装置
および回路装置は、制御装置から分離して誘爆雰囲気中
に設置することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図4は、請求項1に記載した発明
の実施形態の一例である波高・潮位センサの構成を示す
ブロック図である。波高・潮位センサ1は、光学装置で
あるオプティカルヘッド2、回路装置である電子回路ボ
ックス3および制御装置であるコンピュータ4によって
構成されている。オプティカルヘッド2は、内部に照射
レンズ21および受光レンズ22を備え、海面5に対向
する位置に配置されている。電子回路ボックス3は投光
素子31、受光素子32、駆動回路33、アンプ34、
制御回路35および電源回路36を備え、耐圧防爆型容
器6に収納されている。耐圧防爆型容器6は、アルミ合
金または鉄を素材として例えば、図5に示す形状に鋳造
されたものである。耐圧防爆型容器6は、本体6aと蓋
6bとからなり、本体6aと蓋6bとの間に、耐圧防爆
型容器6の防水性を向上するOリング6cを備えてい
る。耐圧防爆型容器6は、容器内に外部から爆発性ガス
が侵入し、内部で点火爆発した場合にも、外部に影響を
与えることのないようにされており、点火源を実質的に
容器内に隔離するものである。
【0026】耐圧防爆型容器6に収納される電子回路ボ
ックス3は、前述のように光ファイバ7,8および信号
ライン9によりオプティカルヘッド2およびコンピュー
タ4に接続され、電源ライン10を介して外部電源11
から電源の供給を受ける。このため、耐圧防爆型容器6
の容器6aには、耐圧パッキン式または耐圧固着式等の
引込器具6d〜6fが設けられている。信号ライン9お
よび電源ライン10は、引込器具6d,6eに貫通し、
光ファイバ7,8は1本にされて引込器具6fに貫通す
る。なお、光ファイバ7,8が個別に貫通する2個の引
込器具を設けることもできる。
【0027】電子回路ボックス3が有する投光素子31
は、例えばレーザダイオードにより構成されており、投
光素子31の光は照射用光ファイバ7を介してオプティ
カルヘッド2の照射レンズ21から海面5に照射され
る。また、オプティカルヘッド2の受光レンズ22は、
受光用光ファイバ8を介して受光素子32に接続されて
いる。電子回路ボックス3の制御回路35は、信号ライ
ン9を介してコンピュータ4に接続されている。また、
電源回路36は、電源ライン10を介して外部電源11
に接続されており、電子回路ボックス3の各電子部品に
電源を供給する。以上の構成において、危険物を運搬す
るタンカーなどの船舶が停泊する港湾における海面の波
高または潮位を測定する場合には、オプティカルヘッド
2を海面の垂直上方に配置し、耐圧防爆型容器6に収納
された電子回路ボックス3を港湾の桟橋近傍の危険地域
に設置する。また、コンピュータ4は桟橋から遠く離れ
た危険地域外に設置する。このように設置することによ
り、海上には比較的軽量なオプティカルヘッド2のみを
設置すればよく、設置作業が容易になる。また、海中に
水没していないため、海中生物等が付着することがな
く、メンテナンスを簡略化できる。
【0028】なお、電子回路ボックス3は投光素子31
からの光の照射タイミングから受光素子32による反射
光の受光タイミングまでの時間を測定し、この間の投光
素子のパルス光の飛行時間を測定することにより、オプ
ティカルヘッド2の設置位置から海面5までの距離を測
定する。この測定結果を信号線9を介してコンピュータ
4に入力する。
【0029】図6は、上記波高・潮位センサを構成する
コンピュータの処理手順を示すフローチャートである。
コンピュータ4は、電子回路ボックス3から入力される
測定データを例えば20msの周期でサンプリングし
(s1)、測定不能のデータを削除する処理を行い(s
2)、正常な測定データ潮位の基準値(例えばTP)と
オプティカルヘッド2との間の距離に基づく補正データ
から測定データを差し引く補正処理を行う(s3)。こ
の基準値は、潮位の測定の基準となる値として各港湾に
おいて予め定められた値である。コンピュータ4は、補
正処理後の測定データを順次記憶する(s4)。この測
定データのサンプリングを例えば10分程度の所定のデ
ータ計測時間にわたって継続して実行する(s5)。
【0030】データ計測時間にわたる測定データの計測
が終了すると、コンピュータ4は、記憶している測定デ
ータから不良データを削除する処理を行う(s6)この
不良データの削除処理においては、例えば、所定個数の
測定データのうち、前回の測定に係るデータの最大値+
α以上のデータおよび最小値−β以下のデータを不良デ
ータとして今回の測定データから削除する。ここで、α
およびβは、予め任意に設定された値である。なお、不
良データが所定個数以上存在する場合には、今回の測定
データの全てを削除するようにしてもよい。
【0031】この後、コンピュータ4は、不良データを
除く測定データの平均値を潮位データとして算出する
(s7)。この潮位データの算出は、例えば、1+m個
目〜2400+m個目(m=0,1,2,・・・)の平
均値を10分程度の予め定められた処理時間において平
均化する移動平均処理によって求めることができる。こ
の移動平均処理の算出結果を以後例えば1時間における
潮位データとして用いることにより、信頼性の高い潮位
データを得ることができるとともに、常に潮位データを
算出する場合に比べて演算処理を簡略化できる。
【0032】さらに、コンピュータ4は、不良データを
削除した測定データおよび潮位データを用いて図7
(A)に示すような海面変位線図を作成する(s8)。
この海面変位線図から、P−P(Peak to Peak)法および
Z−C(Zero up Cross) 法により波高Hおよび周期Tを
読み取る(s9)。P−P法では、図7(A)に示すよ
うに、海面変位線図の最初の峰と次の谷との差を波高H
として読み取り、最初の峰と次の峰との時間間隔を周期
Tとする。また、Z−C法では、図7(B)に示すよう
に、平均水面を下から上に横切った後、再び平均水面を
下から上に横切るまでの間を1つの波とし、その間にあ
る最も高い峰と最も低い谷との差を波高Hとし、周期T
はその時の高い峰から再び平均水面を下から上に横切っ
た後、最も高い峰までの時間間隔を計測する。このよう
にして、海面変位線図から一連の波高Hiおよび周期T
i(i=1,2,3,・・・,N)を読み取る。
【0033】以上のようにしてP−P法およびZ−C法
により求めた波高Hおよび周期Tを用いて、最大波高お
よび最大波周期を含む、平均波高Hmおよび平均周期T
m、有義波高Hsおよび有義波周期Ts、1/n最大波
高H1/nおよび1/n最大波周期T1/nを、下記第
1式〜第3式により、波浪解析に用いる統計量として算
出する(s10〜s13)。なお、有義波高Hsおよび
有義波周期Tsは、外洋波浪解析等に用いられ、一連の
波高Hiおよび周期Tiを波高の大きい順に並べ替え、
波高の大きい1/3の波について平均したものである。
また、1/n最大波高H1/nおよび1/n最大波周期
T1/nは、波高の大きい1/nの波について平均した
ものである。
【0034】
【数1】
【0035】図8は、請求項4に記載した発明の実施形
態の一例である液面計の使用状態を示す概略図である。
液面計51は、図4に示す波高・潮位センサ1と同様に
構成されており、一例として、加圧タンク62内に貯溜
された液体63の液面位置を測定する。液面計51のオ
プティカルヘッド52は、加圧タンク62の上面に設置
し、電子回路ボックス53は、タンク62の外壁に設置
する。オプティカルヘッド52は、加圧タンク62の上
面に取り付けられた耐圧レンズ61およびバルブ64を
介して液体63の液面に対向する。バルブ64は、開閉
自在にされており、このバルブ64を開放した状態で液
体63の液面位置を測定する。また、バルブ64を閉鎖
した状態で、バルブ64と耐圧レンズ61との間の加圧
ガスを空気置換した後に耐圧レンズ61の清掃等を行
う。
【0036】このように、加圧タンク62の上面に、比
較的軽量な液面計51のオプティカルヘッド52を設置
すればよく、取付作業を極めて容易に行うことができ
る。また、液面計51は加圧タンク62の外部に設置さ
れているため、液面計51のメンテナンス時に加圧タン
ク62から液体を排出して空気置換する必要がなく、メ
ンテナンス作業を極めて容易に行うことができる。さら
に、電子回路ボックス53を図5に示す耐圧防爆型容器
6に収納することにより、一般的に加圧タンク62が設
置される危険地域内においても、安全に加圧タンク62
内に貯溜された液体63の液面位置を測定できる。
【0037】図9〜図11は、請求項2に記載した発明
の実施形態である波高・潮位センサにおいて実施される
請求項3に記載した発明の波高・潮位測定方法を示すフ
ローチャートである。この波高・潮位測定方法では、図
6に示したs1〜s6の処理に代えて、センサ取込処理
(s20)及び波データ算出処理(s30)を実行す
る。センサ取込処理は図4に示した電子回路ボックス3
内の制御回路35の演算手段において行われ、波データ
算出処理は図4に示したコンピュータ4において行われ
る。即ち、センサ取込処理は、計測精度を向上すべくセ
ンサの計測サンプリング時間を短くした場合に、コンピ
ュータ4における演算処理の負荷が過大になることを防
止するために行われる。
【0038】このセンサ取込処理は図10に示すよう
に、先ず、予め設定された一定時間Tsにおいて、予め
設定された一定個数Nsのデータの取込を行う(s2
1,s22)。このデータの取込は、水面の挙動に対し
て十分に速い例えば1msec程度のサンプリング時間で、
受光素子32の受光信号を読み取ることにより行う。ま
た、一定時間Tsとしては例えば20msec、一定個数N
sとしては例えば10個程度の値が設定される。この場
合、図12(A)に示すように、時間Ts20msecが経
過するまでの間に1msecの間隔で10個のデータD1
10が読み取られる。
【0039】一定個数のデータの取込が完了すると、読
み取った一定個数のデータのうちで誤差の大きい特異デ
ータを削除し(s23)、特異データを除いたデータの
平均値を求める(s24)。この処理で削除される特異
データとは、波の表面における乱反射光や外部の光の反
射光等を測定したデータであり、1msec程度のサンプリ
ング時間において生じるはずのない誤差を有するデータ
である。例えば、読み取った10個のデータが、10.00
m、10.02m、10.06m、10.08m、9.96m 、9.98m 、9.96m
、7.00m 、15.00m、9.94m である場合、7.00m と15.00
mとを削除し、それ以外の8個のデータの平均値を算出
する。この平均値を測定データDsとしてコンピュータ
4に送信する(s25)。
【0040】波データ算出処理は、前述のようにコンピ
ュータ4において実行され、図11に示すように、ま
ず、制御回路35から送信された測定データDsを受信
し(s31)、この測定データDsから基準位置とセン
サの設置位置との距離から差し引くことにより、測定デ
ータDsの補正を行う(s32)。この後、補正後の測
定データDsについて、演算レンジから外れている無効
データを削除する(s33)。この演算レンジは、図1
2(B)に示すように、潮位・波高センサの使用状況に
応じて計測する必要のない測定データDsを除くために
予め設定された上限値Rmaxと下限値Rminとの間
の範囲である。例えば、通常時の潮位・波高のみを測定
する使用状況では、台風時等に生じる高低差が極端に大
きいデータが無効データとして削除される。このs31
〜s33の処理を、予め設定された時間Twにおいて継
続して行う(s34)。設定時間Twはこの発明の第1
の設定時間であり、例えば、250msec又は500msec
等の時間である。
【0041】この設定時間Twにおいて得られた有効な
測定データDsの平均値、最大値及び最小値を算出し
(s35)、算出した平均値Dsaと零線ZRとを比較
して波データを選択する(s36)。即ち、図12
(B)に示す時間Tw1の場合のように、測定データの
平均値Dsaが零線ZRより大きい場合は最大の測定デ
ータDsmaxを波データDwとし、時間Twnの場合
のように、平均値Dsaが零線ZRより小さい場合は最
小の測定データDsminを波データDwとする。な
お、零線ZRは、過去の複数の平均値Dsaを一定時間
間隔で移動平均した値である。
【0042】次いで、得られた波データDwが有効エリ
ア内に存在するか否かを判断する(s37)。この有効
エリアとは、図12(C)に示すように、予め設定され
た所定時間における最大値+αを上限値Emaxとし、
最小値−βを下限値Eminとする範囲である。波デー
タDwが有効エリアに含まれる場合には、正常な測位デ
ータDaとして記憶する(s38)。波データDwが有
効エリアに含まれない場合には、カウンタCをインクリ
メントし(s39)、カウンタCの内容が予め設定され
た値Naを越えるまで不良データとして削除する(s4
0,s41)。カウンタCの内容が設定値Naを越えた
場合は、その波データを正常な測位データDaとして記
憶する(s40→s38)。このカウンタCの内容は、
この発明の第2の設定時間として予め設定された一定時
間Teを経過する毎にクリアする(s42,s43)。
即ち、設定値Naとして“5”が設定されている場合、
図12(C)に示す時間Teにおいて、6個目の有効エ
リアを越えるデータDwe6以降のデータは正常な測位
データDaとされる。
【0043】この処理により、センサの下方を通過した
鳥や波の飛沫等の測定データを不良データとして排除す
ることができる。また、有効エリア外のデータが予め設
定された個数以上連続する場合には、波高が急激に変化
したものと判断し、設定個数を越えたデータを正常な測
位データとして扱うことができる。
【0044】このようにして得られた測位データに基づ
いて図6に示したs7〜s13の処理を行うことによ
り、より正確な波高及び潮位を測定することができる。
また、制御回路35において予めデータDの平均値を求
め、この平均値を測定データDsとしてコンピュータ4
に供給するため、コンピュータ4に過大な演算処理の負
荷が生じることがなく、コンピュータ4として汎用のパ
ーソナルコンピュータ等を用いることができる。
【0045】
【発明の効果】請求項1および4に記載した発明によれ
ば、光学レンズのみを備えた光学装置を回路装置から分
離して水面または液面に対向する位置に設置するように
しているため、設置スペースが小さくなって装置の設置
作業が容易であるとともに、海中生物等が付着すること
がなく、保守、点検時にこれらを除去する必要がなく、
メンテナンスを容易化できるとともに、その頻度を減少
することができる。
【0046】請求項2及び3に記載した発明によれば、
制御装置に過大な演算処理の負荷を与えることなく、波
面の計測精度を向上するとともに、不良データを排除し
て正確な波高及び潮位を計測することができる。
【0047】請求項5に記載した発明によれば、回路装
置は耐圧防爆容器に収納されるとともに、回路装置と光
学装置とは光ファイバのみで接続されるため、誘爆環境
等の危険地域における安全性を損なうことがなく、波高
・潮位センサおよび液面計の設置場所を選ばない。
【図面の簡単な説明】
【図1〜図3】一般的な波高および潮位の測定方法を示
す図である。
【図4】請求項1に記載した発明の実施形態の一例であ
る波高・潮位センサの構成を示すブロック図である。
【図5】同波高・潮位センサが有する耐圧防爆容器の構
造を示す図である。
【図6】同波高・潮位センサを構成するコンピュータの
処理手順を示すフローチャートである。
【図7】同コンピュータにおける処理中に作成される海
面変位線図である。
【図8】請求項4に記載した発明の実施形態の一例であ
る液面計の使用状態を示す概略図である。
【図9】請求項2に記載した発明の実施形態の一例であ
る波高・潮位センサにおける処理手順を示すフローチャ
ートである。
【図10】同波高・潮位センサを構成する制御回路の処
理手順を示すフローチャートである。
【図11】同波高・潮位センサを構成するコンピュータ
の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】同波高・潮位センサにおけるデータの処理状
態を示す図である。
【図13】従来の波高・潮位センサの構成を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1−波高・潮位センサ 2,52−オプティカルヘッド 3,53−電子回路ボックス 4−コンピュータ 5−海面 6−耐圧防爆容器 7−照射用光ファイバ 8−受光用光ファイバ 21−照射レンズ 22−受光レンズ 31−半導体レーザ 32−受光センサ 51−液面計 62−タンク 63−液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森岡 肇 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 堀井 清志 大阪市淀川区西宮原1丁目7番31号 和泉 電気株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検出光を照射する照射レンズおよび反射光
    を受光する受光レンズを備え、照射レンズおよび受光レ
    ンズが水面に対向する位置に配置された光学装置と、 光学装置の照射レンズに照射用光ファイバを介して接続
    された発光手段と、光学装置の受光レンズに受光用光フ
    ァイバを介して接続され、受光信号を出力する受光セン
    サと、受光センサの出力信号に基づいて水面までの距離
    を算出する演算手段と、を備えた回路装置と、 回路装置に信号線を介して接続され、演算手段の算出結
    果に基づいて波高または潮位を測定する制御装置と、 から構成したことを特徴とする波高・潮位センサ。
  2. 【請求項2】前記演算手段が、一定時間間隔における所
    定数の受光センサの出力信号に基づいて水面までの距離
    の平均を算出する手段であり、 前記制御装置が、第1の設定時間内に入力された複数の
    算出結果の平均値、最大値及び最小値を求め、平均値が
    基準値より高い場合は最大値を波データとするととも
    に、平均値が基準値より低い場合は最小値を波データと
    する波データ選択手段と、第2の設定時間において予め
    設定された有効エリアに含まれない設定個数の波データ
    以外の波データを測位データとする測位データ選択手段
    と、を含む請求項1に記載の波高・潮位センサ。
  3. 【請求項3】一定時間間隔における所定数の受光センサ
    の出力信号に基づいて水面までの距離の平均を回路装置
    において算出し、この算出結果を制御装置に入力し、制
    御装置において、第1の設定時間内に入力された複数の
    算出結果の平均値、最大値及び最小値を求め、平均値が
    基準値より高い場合は最大値を波データとするととも
    に、平均値が基準値より低い場合は最小値を波データと
    して選択し、次いで、第2の設定時間において予め設定
    された有効エリアに含まれない設定個数の波データ以外
    の波データを測位データとし、さらに、この測位データ
    に基づいて波高または潮位を測定することを特徴とする
    波高・潮位測定方法。
  4. 【請求項4】検出光を照射する照射レンズおよび反射光
    を受光する受光レンズを備え、照射レンズおよび受光レ
    ンズが液面に対向する位置に配置された光学装置と、 光学装置の照射レンズに照射用光ファイバを介して接続
    された発光手段と、光学装置の受光レンズに受光用光フ
    ァイバを介して接続され、受光信号を出力する受光セン
    サと、受光センサの出力信号に基づいて液面までの距離
    を算出する演算手段と、を備えた回路装置と、 回路装置に信号線を介して接続され、前記演算手段の算
    出結果の平均を液面位置として算出する制御装置と、 から構成したことを特徴とする液面計。
  5. 【請求項5】前記回路装置を収納する耐圧防爆容器を備
    えた請求項1に記載の波高・潮位センサ、または、前記
    回路装置を収納する耐圧防爆容器を備えた請求項2に記
    載の液面計。
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